JP4105028B2 - 光コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバを光接続するための光コネクタ(光ファイバコネクタ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光ファイバのコネクタ成端を、製造工場以外の接続現場にて行うため、接続用光ファイバが内装固定されたフェルールと、該フェルールの後端側に配置され、前記接続用光ファイバを別の光ファイバと突き合わせ接続させて保持する接続機構とを具備する光コネクタが提案されている。
図5は、従来の接続機構を具備する光コネクタの要部の一例を示す概略断面図である。同図に示すように、この光コネクタ120は、先端側の接合端面103に研磨が施されてなるフェルール101と、該フェルール101の接合端面103に対向する後端側(図5の右側)に配置され、内部で突き合わせ接続された光ファイバ105,121をクランプすることで接続状態を維持する接続機構113を具備して構成されている。フェルール101は、内部に光ファイバ穴104を有し、接続用光ファイバ105が内装固定されている。
【0003】
フェルール101は、金属や硬質樹脂等の剛性を有する材料からなるフェルールホルダ110に固着されて保持されている。フェルールホルダ110は、フェルール101の外周面101aに固着されるフランジ部112と、該フランジ部112から後方に突出する基体114とを備えている。基体114は、断面半円形のロッド状であって、該基体114に対向して配置される蓋体115,116や、基体114と蓋体115,116とを挟み込んで保持するクランプ部材118(C形バネ)とともに接続機構113を構成する。接続機構113は、位置決め溝117aにより光ファイバ122の先端に露出された裸光ファイバ122と接続用光ファイバ104とを高精度に位置決めして突きあわせ接続するとともに、被覆収容溝117bにより、光ファイバ121の後端側の被覆122aを収容して保持することができる。接続機構113の後端側には、ハウジング124の内面に反力を取ったスプリング123が装着されており、このスプリング123の弾性力により、フェルール101は、先端方向(図5の左側)に付勢されている。
フェルールホルダ110は、全体が一体的に形成されているため、基体114はフェルール101に対して常時、定位置に安定に支持され、これにより接続機構113における光ファイバ104,121同士の接続安定性が高められる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、フェルールとして、セラミックスからなるフェルール先端部材の後端側にプラスチックを成形して接合したものが知られている。このようなフェルールによれば、フェルールの全長をセラミックスで形成する必要がなく、製造コストの低減が可能となる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−206688号公報
【特許文献2】
特開2002−174749号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示すような光コネクタ120の場合、フェルール101をフェルールホルダ110に装着するには、該フェルール101をフランジ部112の穴111に挿入して接着するようにしていたが、このため、接着の長期的な信頼性や、確実性に不満があった。例えば、フェルール101の先端に側方への曲げ力が加わったり、光コネクタ120の後端側に露出された光ファイバ121に側方への引張り力(サイドプル)が加わったりすると、フェルール101とフランジ部112との接着部に曲げ力が加わって接着力を低下させるおそれがある。
【0007】
特許文献2に記載されているように、フェルールの先端部のみをセラミックスで形成し、該フェルール先端部の周囲にプラスチックを一体に成形してフェルールの後端側を形成する方法も考えられるが、特許文献2に記載の方法では、接続用光ファイバを挿通するための光ファイバ穴が成形用のプラスチックで塞がってしまうのを防ぐため、光ファイバ穴を後端側からインサートピンで塞ぐ必要があり(特許文献2の図3参照)、このインサートピンが接続機構113の基体114と干渉してしまうため、製造できないという問題がある。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、フェルールの後端側に接続機構を有する光コネクタにおいて、接続機構に対してフェルールを信頼性よく組み付けることが容易となる光コネクタを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、接続用光ファイバを内装したフェルールと、このフェルールの後端側に設けられた接続機構とを備え、この接続機構は、後端側から接続機構に挿入される光ファイバと前記接続用光ファイバとを挟み込んで位置決め調心する素子と、これら素子を押さえ込むクランプ部材とを備え、前記クランプ部材のクランプ力によって前記光ファイバと前記接続用光ファイバとを前記素子の間で、突き合わせ接続された状態に維持する光コネクタであって、前記フェルールが、前記接続機構の素子のいずれかと一体の部材として形成されたフェルール基部と、前記一体の部材よりも硬質の材料からなり、前記フェルール基部の端部に接合されたフェルール先端部材とを有し、前記接続機構の素子のいずれかとフェルール基部とが一体になった部材が、一体に樹脂成形されたものであり、前記接続用光ファイバをフェルール先端部材と接続機構との間に通す空間を形成する金型によって、フェルール先端部材の接合端面と反対の側の端部に開口した光ファイバ穴を塞ぐように成形されたものであることを特徴とする光コネクタを提供する。
この光コネクタにおいては、前記フェルールと前記接続機構との間には、これらフェルールおよび接続機構の周面よりも外方に突出するフランジを有するフランジ部が介在しており、前記フェルール基部が、前記フランジ部とも一体に形成されているものとすることができる。
【0010】
また、本発明は、接続用光ファイバを内装したフェルールと、このフェルールの後端側に設けられた接続機構とを備え、この接続機構は、後端側から接続機構に挿入される光ファイバと前記接続用光ファイバとを挟み込んで位置決め調心する素子と、これら素子を押さえ込むクランプ部材とを備え、前記クランプ部材のクランプ力によって前記光ファイバと前記接続用光ファイバとを前記素子の間で、突き合わせ接続された状態に維持する光コネクタであって、前記フェルールと前記接続機構との間には、これらフェルールおよび接続機構の外周面よりも外方に突出するフランジを有するフランジ部が介在しており、前記フェルールが、少なくとも前記フランジ部と一体の部材として形成されたフェルール基部と、前記一体の部材よりも硬質の材料からなり、前記フェルール基部の端部に接合されたフェルール先端部材とを有し、前記少なくとも前記フランジ部とフェルール基部とが一体になった部材が、一体に樹脂成形されたものであり、前記接続用光ファイバをフェルール先端部材と接続機構との間に通す空間を形成する金型によって、フェルール先端部材の接合端面と反対の側の端部に開口した光ファイバ穴を塞ぐように成形されたものであることを特徴とする光コネクタを提供する。
【0011】
前記フェルール先端部材の接合端面と反対の側の端部には、該フェルール先端部材の外周形状よりも外周形状が小さい延出部が形成され、この延出部の外周面を、前記フェルール基部の前記端部が被覆するようにして、前記フェルール先端部材と前記フェルール基部とが接合されていることが好ましい。
前記フェルール先端部材の延出部は、前記フェルール基部の端部に埋設されて該フェルール基部と一体化されているものとすることができる。
前記フェルール基部の外周形状が、前記フェルール先端部材の外周形状よりも小さいことが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の光コネクタの一実施の形態を示す概略図である。図2は、図1に示す光コネクタの接続機構付きフェルールの外観を示す正面図である。図3は、図1に示す光コネクタのフェルール付近の外観を示す斜視図である。図4は、図1に示す光コネクタの主幹部材の一例を示す断面図である。
【0013】
図1〜3に示すように、この光コネクタ20(光コネクタプラグ)の接続機構付きフェルール25は、接続用光ファイバ5が内装固定されたフェルール1と、該フェルール1の接合端面3に対向する後端側(図1右側)に配置された接続機構13を具備している。接続機構付きフェルール25は、所定構造のハウジング24に収容されることにより、光コネクタ20を構成するようになっている。ここでは光コネクタ20は、JIS C 5973等に規定されるSC形光コネクタプラグ(SC:Single fiber Coupling)の光コネクタプラグである。
【0014】
フェルール1は、内部に光ファイバ穴4を有するフェルール先端部材2と、該フェルール先端部材2の接合端面3と反対の側の端部6に接合されたフェルール基部11とを有する。
フェルール先端部材2は、ジルコニアなどのセラミックスや、ガラスなどの硬質の材料から構成され、略円筒状に形成されており、該フェルール先端部材2の外周面2aは円筒面となっている。フェルール先端部材2の材料は、フェルール基部11を含む一体の部材10(後述)の材料よりも硬質のものが用いられる。光ファイバ穴4の中心軸線は、前記外周面2aに対して精密に位置決めされている。これにより、周知のように、2個の光コネクタ20のフェルール1の接合端面3同士を対向させて、それぞれの接続用光ファイバ5同士の端面を突き合わせする際に、両方のフェルール先端部材2の外周面2aにまたがって割りスリーブ(図示略)を装着することにより、互いの接続用光ファイバ5を精密に位置合わせして光接続することができる。
フェルール先端部材2の接合端面3は、光ファイバ穴4に接続用光ファイバ5を挿入した後、研磨を施しておくとよい。
【0015】
フェルール基部11は、フランジ部12からフェルール1の先端側に突出している部分であり、ここでは、外周面11aが略円筒状となっている。図2に示すように、フェルール基部11の直径(外径)dは、フェルール先端部材2の直径(外径)Dよりも若干小さくなっている。つまり、フェルール基部11の外周形状が、フェルール先端部材2の外周形状よりも小さくなっている。このため、フェルール基部11の寸法精度が多少低くても、その外周面11aがフェルール先端部材2の外周面2aより突出することが抑制され、フェルール先端部材2に前記割りスリーブが装着されたときに、フェルール基部11の外周面11aと干渉することが抑制される。従って、接続用光ファイバ5の調心を高精度に行うことができる。
【0016】
フェルール先端部材2の端部6は、該フェルール先端部材2の外周形状よりも外周形状が小さい延出部(以下、端部6を延出部6ということがある)となっている。フェルール先端部材2とフェルール基部11とは、延出部6の外周面6aがフェルール基部11の一部に被覆され、該延出部6がフェルール基部11に埋設されるようにして接合されている。
延出部6の外周面6aには、延出部6の周に沿って環状の溝部6bが形成されている。このように、外周面6aが溝部6bなどの凹凸を有することにより、フェルール基部11を成形する樹脂が凹凸状に固化し、接合強度が高いものとなる。
【0017】
接続機構13は、二つ割り構造の素子14,15,16と、これら素子14,15,16の外側に装着され、これらを挟み込むようにしてクランプするスリーブ状のクランプ部材18(C形バネ)とを備えている。
ここでは、上記素子14,15,16は、断面半円形のロッド状である基体14と、この基体14に対向して前後に並べて配置される蓋体15,16とからなる。接続機構13の後端側には、ハウジング24に反力を取ったスプリング23が装着されており、このスプリング23の弾性力により、フェルール1は、先端方向(図1の左側)に付勢されている。
【0018】
基体14と蓋体15,16とが重ね合わされる合わせ面には、調心機構として、光ファイバ21を位置決めして調心する位置決め溝17aが、基体14の長手方向に沿って延在形成されている。ここでは位置決め溝17aは、基体14と蓋体15,16との両側に形成されているが、これに限定されず、位置決め溝17aが基体14側に形成された構成や、蓋体15,16側に形成された構成も採用可能である。位置決め溝17aの断面形状は、例えばV溝であるが、U溝、丸溝(断面半円形の溝)などであってもよい。位置決め溝17aは、接続される光ファイバ5,21の対ごとに(心数分)設けられる。光ファイバ21は、光コネクタ20の接続用光ファイバ5と光接続されることによりコネクタ成端される光ファイバであり、ここでは単心の光ファイバ心線(光ファイバ)22の先端側の被覆22aが除去されて露出された裸光ファイバである。
【0019】
位置決め溝17aは、必ずしも基体14の長手方向の全長に亘って形成する必要はない。例えば、図1,図2に示すように、接続機構13の後端側(図1の右側)に、光ファイバ22の被覆22aを収容する被覆収容溝17bを形成して、位置決め溝17aを被覆収容溝17bに連通させてもよい。
なお、本発明において、接続用光ファイバと光接続され、光コネクタによりコネクタ成端される光ファイバとしては、フェルール等の構成に応じて、光ファイバ素線、多心の光ファイバテープ心線など、各種の光ファイバを採用することができる。
【0020】
基体14および蓋体15,16は、C字状(またはコ字状)のバネであるクランプ部材18のクランプ力によって、一体化された状態が維持されるようになっている。クランプ部材18は、その長手方向の中間部に分割スリット18aが形成されており、これによって、2つの蓋体15,16に対応する個所で、それぞれ独立にクランプ力を付与できるようになっている。
さらに、図3に示すように、基体14および蓋体15,16が重ね合わされる合わせ面の一縁部には、楔(図示略)を挿入する楔挿入溝19が形成されている。接続機構13は、楔挿入溝19に楔を圧入することにより、クランプ部材18のクランプ力に抗して基体14と蓋体15,16とを押し開くことができるようになっている。そして、楔挿入溝19から楔を抜くと、基体14と蓋体15,16との間を閉じて、再びクランプ部材18のクランプ力によって一体化された状態とすることができる。
【0021】
楔は、基体14と前側の蓋体15との間を押し開くための第1の楔と、基体14と後側の蓋体16との間を押し開くための第2の楔とで、合計2個用いるようにすると、調心機構である位置決め溝17a上で接続用光ファイバ5と光ファイバ21(裸光ファイバ)とを突き合わせてから第1の楔を引き抜くことにより、接続用光ファイバ5と光ファイバ21とを高精度に位置決めした状態のまま、基体14と前側の蓋体15との間に挟持することができる。さらに、第1の楔を引き抜くことにより、光ファイバ22の被覆22aを有する部分を基体14と後側の蓋体16との間に挟持することができる。
なお、本発明において、蓋体の個数は2個に限定されるものではなく、例えば、1個あるいは3個などとすることもできる。蓋体が1個の場合などでは、クランプ部材18の分割スリット18aを省略することができる。
【0022】
フランジ部12は、フェルール1および接続機構13の外周面2a,13aよりも外方に突出するフランジ12aを有する。フランジ12aには、回転止めおよびハウジング24との位置合わせのために、周面に一対のキー溝12b,12bが対向して形成されている。これらキー溝12b,12bには、ハウジング24側から突出するキー(図示略)が嵌合するようになっている。
フランジ部12は、フェルール基部11および接続機構13の基体14とともに、一体の部材10(主幹部材樹脂成形部)として、プラスチックの射出成形等により、形成されている。
【0023】
主幹部材樹脂成形部10は、フェルール先端部材2と一体に接合されて主幹部材26を構成している。接続機構つきフェルール25は、主幹部材26に蓋体15,16を組み合わせてクランプ部材18によりクランプすることにより、組み立てることができる。主幹部材26が一体的に構成されているため、基体14はフェルール1に対して、常時、定位置に安定に支持される。従って、接続機構13における光ファイバ5,21同士の接続安定性が高められる。
図1,図3,図4に示すように、フェルール基部11およびフランジ部12の内部には、主幹部材樹脂成形部10の側方(図1の上方)に開口した空洞12cが形成されている。空洞12cの底部12eには、フランジ部12の補強のため、上方(図4の上方)に突出したリブ12dが設けられている。
【0024】
主幹部材樹脂成形部10の成形は、図4に示す成形金型31,32の間にフェルール先端部材2を配置し、フェルール先端部材2の延出部6に成形金型31の一部分33を当接させて、光ファイバ穴4を塞ぐようにした状態で溶融した合成樹脂を射出することにより実施することができる。ここで、成形金型は、主幹部材樹脂成形部10の上側(図4の上側)を成形する第1の成形金型31は、主幹部材樹脂成形部10の下側(図4の下側)を成形する第2の成形金型32とを備えている。成形金型31,32は、該成形金型31,32の合わせ面31b,32bを合わせたときに、フェルール先端部材2を保持できるような凹部31a,32a(フェルール先端部材保持部)を有している。さらに、上側の成形金型31は、空洞12cを成形するための凸部33と、位置決め溝17aおよび被覆収容溝17bを成形するための凸部34a,34bとを有している。
主幹部材樹脂成形部10を成形する際、成形金型31の抜き差し方向を、主幹部材樹脂成形部10の長手方向に直交する方向(ここでは図4の上下方向)とすることができるので、成形金型31が接続機構13の基体14と干渉することを防止することができる。このようにして主幹部材26を製造するようにすれば、フェルール先端部材2の光ファイバ穴4への樹脂の侵入を防ぎつつ、主幹部材樹脂成形部10を容易に成形することができる。
【0025】
接続用光ファイバ5は、フェルール先端部材2の光ファイバ穴4と、接続機構13の調心機構17aとの間は、空洞12cを通って配線されている。図3に示すように、空洞12cの開口は、フェルール基部11側で幅(図3の左上から右下への方向の寸法)が広くなっている。空洞12cは、接着剤7により充填されており、空洞12c内の接続用光ファイバ5は接着剤7に封入されている。これにより、接続機構13において接続用光ファイバ5と光ファイバ21の対向する端面同士を突き合わせたときに、空洞12cによって接続用光ファイバ5がたわむことなく、突き合わせて接続することができる。また、光ファイバ穴4と調心機構17aとの間で、接続用光ファイバ5を位置決めするための構造を設ける必要がなく、組立時に接続用光ファイバ5を挿通する作業が容易になる。
ここで、接着剤7をフェルール基部11側に設けられた窓11bから注入するようにすると、接着剤7はフェルール先端部材2に近い側から空洞12c内に充填されることにより、接着剤7が接続機構13まで達しにくくなり、誤って素子14,15,16同士を接着してしまうことが防止される。しかも、リブ12dにより、接着剤7の接続機構13への流れ出しをせき止める効果も奏される。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態の光コネクタによれば、セラミックなどの硬質材料をフェルールの先端部のみに使用してフェルール1を構成できるので、コストを削減することができる。主幹部材樹脂成形部10が、フェルール先端部材2の延出部6をフェルール基部11に埋設するように成形されているので、フェルール先端部材2との接合の信頼性が向上される。
さらに、フェルール1の先端部に加わる曲げ力が、硬質のフェルール先端部材2と樹脂製のフェルール基部11との全体で受けられて緩和されるので、フェルール先端部材2と主幹部材樹脂成形部10との接合強度が向上する。特に、接続機構付きフェルール25が接続機構13を有して全長が長い構成では、たわみに対する耐久性の向上が顕著である。
【0027】
主幹部材樹脂成形部10を成形するときに、フェルール1と接続機構13との位置関係が成形型によって精度良く決められるので、フェルール1に対する位置決めのための主幹部材樹脂成形部10の研磨加工等の煩雑な工程を省略でき、製造コストを低減することができる。
また、光ファイバ穴が成形用のプラスチックで塞がってしまうのを防ぐため、フェルール先端部材2に後端側から当接される型を用いても、接続機構13の基体14と干渉してしまうことがなく、製造性が良好である。
【0028】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、各種変更が可能である。前記実施の形態では、円筒状のフェルールを有する光コネクタの場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば略直方体状のフェルールを有する光コネクタにも適用可能である。この場合、フェルール基部の幅および厚さ(それぞれ、光コネクタの接続方向に直交する2方向の長さ)が、それぞれ、フェルール先端部材の幅および厚さよりも小さければ、前記フェルール基部の外周形状が、前記フェルール先端部材の外周形状よりも小さいということができる。
本発明は、光ファイバ穴がフェルールに複数形成され、それぞれの光ファイバ穴に接続用光ファイバが内装された光コネクタに適用することもできる。この場合、接続機構に設けられる位置決め溝などの調心機構は、少なくとも、接続用光ファイバの本数分設ければ、該光コネクタによってコネクタ成端される光ファイバのそれぞれを、調心機構によって接続用光ファイバと光接続させることができる。
このような光コネクタとしては、例えば、フェルールがJIS C 5981等に規定のMT形光コネクタフェルール(MT:Mechanically Transferable)である光コネクタが例示される。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光コネクタによれば、セラミックなどの硬質材料製の部分がフェルールの先端のみの構成とすることができるので、コストを削減できる。
フェルール基部が、フェルール先端部材の延出部を埋設するように樹脂成形された場合、フェルール先端部材との接合の信頼性が向上する。さらに、フェルールに加わる曲げ力が、硬質のフェルール先端部材と樹脂製のフェルール基部との全体で緩和されるので、接合の強度が向上する。
フェルールと接続機構との位置関係を精度良く位置決めすることが可能になるので、フェルール先端部材に対する位置決めのためのフェルール基部などの研磨加工等の煩雑な工程を省略でき、製造コストを低減することができる。
また、光ファイバ穴が成形用のプラスチックで塞がってしまうのを防ぐため、フェルール先端部材に後端側から当接される成形金型を用いても、接続機構の素子と干渉してしまうことがなく、製造性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光コネクタの一実施の形態を示す概略断面図である。
【図2】 図1に示す光コネクタの要部の外観を示す正面図である。
【図3】 図1に示す光コネクタのフェルール付近の外観を示す斜視図である。
【図4】 図1に示す光コネクタの主幹部材の一例を示す断面図である。
【図5】 従来の光コネクタの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…フェルール、2…フェルール先端部材、2a…フェルールの外周面、3…接合端面、4…光ファイバ穴、5…接続用光ファイバ、6…延出部(接合端面と反対の側の端部)、6a…延出部の外周面、10…フェルール基部と素子のいずれかが一体化された部材(主幹部材樹脂成形部)、11…フェルール基部、11c…フェルール基部の端部、12…フランジ部、12a…フランジ、13…接続機構、13a…接続機構の外周面、14…素子(基体)、15,16…素子(蓋体)、18…クランプ部材、20…光コネクタ、21…光ファイバ。
Claims (6)
- 接続用光ファイバ(5)を内装したフェルール(1)と、このフェルールの後端側に設けられた接続機構(13)とを備え、この接続機構は、後端側から接続機構に挿入される光ファイバ(21)と前記接続用光ファイバとを挟み込んで位置決め調心する素子(14,15,16)と、これら素子を押さえ込むクランプ部材(18)とを備え、前記クランプ部材のクランプ力によって前記光ファイバと前記接続用光ファイバとを前記素子の間で、突き合わせ接続された状態に維持する光コネクタであって、
前記フェルールが、前記接続機構の素子のいずれかと一体の部材(10)として形成されたフェルール基部(11)と、前記一体の部材よりも硬質の材料からなり、前記フェルール基部の端部(11c)に接合されたフェルール先端部材(2)とを有し、
前記接続機構の素子のいずれかとフェルール基部とが一体になった部材(10)が、一体に樹脂成形されたものであり、前記接続用光ファイバをフェルール先端部材と接続機構との間に通す空間(12c)を形成する金型によって、フェルール先端部材の接合端面と反対の側の端部に開口した光ファイバ穴(4)を塞ぐように成形されたものであることを特徴とする光コネクタ(20)。 - 前記フェルールと前記接続機構との間には、これらフェルールおよび接続機構の外周面(2a,13a)よりも外方に突出するフランジ(12a)を有するフランジ部(12)が介在しており、前記フェルール基部が、前記フランジ部とも一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
- 接続用光ファイバ(5)を内装したフェルール(1)と、このフェルールの後端側に設けられた接続機構(13)とを備え、この接続機構は、後端側から接続機構に挿入される光ファイバ(21)と前記接続用光ファイバとを挟み込んで位置決め調心する素子(14,15,16)と、これら素子を押さえ込むクランプ部材(18)とを備え、前記クランプ部材のクランプ力によって前記光ファイバと前記接続用光ファイバとを前記素子の間で、突き合わせ接続された状態に維持する光コネクタであって、
前記フェルールと前記接続機構との間には、これらフェルールおよび接続機構の外周面(2a,13a)よりも外方に突出するフランジ(12a)を有するフランジ部(12)が介在しており、
前記フェルールが、少なくとも前記フランジ部と一体の部材(10)として形成されたフェルール基部(11)と、前記一体の部材よりも硬質の材料からなり、前記フェルール基部の端部(11c)に接合されたフェルール先端部材(2)とを有し、
前記少なくとも前記フランジ部とフェルール基部とが一体になった部材(10)が、一体に樹脂成形されたものであり、前記接続用光ファイバをフェルール先端部材と接続機構との間に通す空間(12c)を形成する金型によって、フェルール先端部材の接合端面と反対の側の端部に開口した光ファイバ穴(4)を塞ぐように成形されたものであることを特徴とする光コネクタ(20)。 - 前記フェルール先端部材の接合端面(3)と反対の側の端部には、該フェルール先端部材の外周形状よりも外周形状が小さい延出部(6)が形成され、この延出部の外周面(6a)を、前記フェルール基部の前記端部が被覆するようにして、前記フェルール先端部材と前記フェルール基部とが接合されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光コネクタ。
- 前記フェルール先端部材の延出部が、前記フェルール基部の端部に埋設されて該フェルール基部と一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の光コネクタ。
- 前記フェルール基部の外周形状が、前記フェルール先端部材の外周形状よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の光コネクタ。
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