JP3675991B2 - 光ファイバ接続機構およびそれを用いた光コネクタ - Google Patents

光ファイバ接続機構およびそれを用いた光コネクタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ同士を突き合わせ接続するための光ファイバ接続機構およびそれを用いた光コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ接続器や光コネクタ等にあってては、突き合わせ接続した光ファイバをクランプ保持して接続状態を維持する機構を組み込んだものが実用化されている。
この種の光ファイバ接続器は、位置決め調心機構により精密に位置決め調心して突き合わせた光ファイバの対を、一対のクランプ部材の間に挟み込んで接続状態を維持する構造になっている。この光ファイバ接続器の位置決め調心機構としては、(1)マイクロキャピラリー内にその両端から光ファイバを挿入して突き合わせる構造、(2)位置決め溝において光ファイバ同士を突き合わせる構造、(3)3本の精密ロッドあるいは3個の精密ボールの中心に光ファイバを担持して位置決めする構造などがある。
【0003】
一方、光コネクタとしては、例えば、SC形光コネクタ(例えばJIS C 5973等に制定される光コネクタプラグ)をベースに、この光コネクタのフェルールの後部(先端面と対向する位置)に、光ファイバ同士の接続機構を組み込んだ構造が提案されている。この光コネクタは、接続機構においてフェルールに内装固定した光ファイバと該光ファイバに突き当てた別の光ファイバとをクランプして突き合わせ接続状態を維持することで、短時間で組み立てできるようにしたものである。
接続機構は、いわゆるメカニカルスプライスと同様の構成であり、二つ割り状の素子部と円筒バネ体とを備え、フェルール後方から差し込まれた光ファイバとフェルール側の光ファイバとを素子部内で突き合わせ接続し、円筒バネ体から付与するクランプ力により接続した両光ファイバをクランプ保持して接続状態を維持する構成になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した光ファイバ接続器や光コネクタでは、元来サイズが小さく、クランプ固定時に光ファイバとの接触面積を十分に確保出来ないことから、光ファイバに作用する引張力に対する十分な引き抜き抵抗を得ることができないといった不満があった。このため、別部材を設置して引張力を負担させるなどの対策が必要になり、これが部品点数の増加やコストの上昇といった悪影響の一因になっていた。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、クランプ保持した光ファイバに十分な引き抜き抵抗を与えることができ、これにより部品点数の減少や低コスト化が容易になる光ファイバ接続機構およびそれを用いた光コネクタを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を採用した。すなわち、請求項1記載の発明では、光ファイバ(7)同士を精密に位置決め調心するための光ファイバ接続機構であって、
光ファイバを挟み込む一対のクランプ部材(2、3)からなる素子(1A)と、該素子を収納するC形バネであるクランプ手段(4)と、前記クランプ部材間にて光ファイバを突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心機構(8)とを備え、
前記一対のクランプ部材の内、ベース側のクランプ部材に対向する蓋側のクランプ部材が、中央蓋(17)と、その両側の端部蓋(18)とで3分割されており、
前記クランプ手段は、分割スリット(10)によって、前記中央蓋および端部蓋に対応する合計3っつの部分に分割され、該クランプ手段のクランプ力に抗してクランプ部材間を楔(11)で押し広げることにより、クランプ部材間への光ファイバの挿抜が可能であり、
ベース側のクランプ部材の対向面(5)の長手方向両端部には、素子の外側から挿入される光ファイバを、ベース側のクランプ部材の前記対向面の長手方向中央部の前記調心機構の近傍に導く光ファイバガイド溝(9)が形成され、
クランプ部材間に挟み込んだ光ファイバの被覆(7b)に食い込んで光ファイバに引き抜き抵抗を与える爪(1a)を、前記光ファイバガイド溝、及び、前記端部蓋の前記光ファイバガイド溝に対向する部分に形成された光ファイバガイド溝(20)の一方または両方に突設したことを特徴とする光ファイバ接続機構(1)を前記課題の解決手段とした。
【0007】
本発明によれば、クランプ部材間に光ファイバをクランプした際に、クランプ部材に突設した爪が光ファイバの被覆に食い込んで光ファイバに引き抜き抵抗を与える。光ファイバの突き合わせ接続では、光ファイバの先端の被覆を除去して露出させた裸ファイバ同士を接続することが多いが、この場合には、突き合わせ接続時に調心機構から離間した位置に被覆が位置するので、爪も調心機構から離間した位置に突設することが好ましく、これにより、調心位置決めを完了した光ファイバをクランプ部材間にクランプすると同時に爪が確実に被覆に食い込んで光ファイバを引き留める。
なお、本発明は、クランプ部材間に挟み込んだ光ファイバを接着材等により固定する構造の光ファイバ接続器に適用することも可能である。これにより、固定した光ファイバの引き抜き抵抗が大幅に向上する。
【0009】
本発明によれば、光ファイバをクランプ保持したクランプ部材間をクランプ手段のクランプ力に抗して押し広げることにより、爪が光ファイバの被覆から引き抜かれ、クランプ部材間からの光ファイバの引き抜きが可能になる。
【0010】
請求項2記載の発明では、光ファイバ(26)が内装固定され先端研磨が施されてなるフェルール(24)と、該フェルールの研磨された先端面(27)に対向する後端側に配置されて前記光ファイバのフェルール後端から突出した部分と別の光ファイバ(37)とを位置決め調心して突き合わせ接続し、クランプすることで接続状態を維持する光ファイバ接続機構(25)とを具備してなり、
光ファイバ接続機構は、C形バネあるいはコ字状バネであるクランプ手段(33)と、このクランプ手段の内側に配置され、前記クランプ手段から付与されるクランプ力によって光ファイバを挟み込む一対のクランプ部材(29、30、31)と、該クランプ部材間にて光ファイバを突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心機構(32)とを備え、
前記一対のクランプ部材は、フェルールの後方に突出されたクランプ部材と、このクランプ部材との間に光ファイバを挟み込む二つのクランプ部材とを具備し、直列に配列された二つのクランプ部材の内、フェルールに近い前側のクランプ部材(30)はフェルールの後方に突出されたクランプ部材との間に調心機構によって光ファイバを位置決め調心して挟み込み、後側のクランプ部材(31)は、フェルールの後方に突出されたクランプ部材に形成された光ファイバ案内溝(36)に挿入された光ファイバの被覆(38)をクランプするようになっており、
前記クランプ手段は、長手方向中央部に形成された分割溝(40)によって分割されたそれぞれの部分が、二つのクランプ部材のそれぞれに対応する独立したバネとして機能するようになっており、
前記一対のクランプ部材の間は、楔状の開放部材(42)によって押し開かれるようになっており、
直列に配列された二つのクランプ部材の内の光ファイバ案内溝に挿入された光ファイバの被覆(38)をクランプするクランプ部材、及び、前記光ファイバ案内溝の一方または両方に、クランプ部材間に挟み込んだ光ファイバの被覆(38)に食い込んで光ファイバに引き抜き抵抗を与える爪(39)を突設したことを特徴とする光コネクタを前記課題の解決手段とした。
【0011】
本発明によれば、フェルール側の光ファイバと接続した別の光ファイバを光ファイバ接続機構内でクランプすると、該光ファイバの被覆に爪が食い込んで、十分な引き抜き抵抗が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1実施形態を、図1から図4を参照して説明する。
図中符号1は光ファイバ接続器であり、本発明の光ファイバ接続機構に相当する。この光ファイバ接続器1は、図1および図2に示すように、一体化時に概略断面円形のロッド状となる二つ割り構造を構成するクランプ部材2、3からなる素子1Aと、該素子1Aの全体をほぼ収納可能な細長コ字状のクランプ手段(C形バネ)4とを備えている。
【0013】
クランプ部材2、3は、図2に示すように、ともに断面半円形のロッド状の部材であって、互いの対向面5、6を境にして分離されるようになっている。本実施形態のベース側のクランプ部材2と蓋体側のクランプ部材3とは、共にプラスチック等の適度な硬度を有する材料によって形成されている。
【0014】
図2および図3に示すように、ベース側のクランプ部材2の対向面5の長手方向中央部には、光ファイバ7(光ファイバ単心線)を突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心機構8(V溝)が形成され、対向面5の長手方向両端部には該クランプ部材2の外側から挿入される光ファイバ7を調心機構8の近傍に導く光ファイバガイド溝9(断面半円形の溝)が形成されている。これら調心機構8と光ファイバガイド溝9とは、クランプ部材2の長手方向に沿った同一直線上に配置されている。
【0015】
調心機構8には光ファイバ7の先端の被覆を除去して露出させた裸ファイバ7aが収納され、光ファイバガイド溝9には光ファイバ7の被覆7bが収納される。光ファイバガイド溝9内は複数の爪1aが突設されて鋸歯状になっている。図3に示すように、この爪1aは蓋体側のクランプ部材3に光ファイバガイド溝9に対向して形成された光ファイバガイド溝20(断面半円形の溝)内にも形成されており、両クランプ部材2、3間に光ファイバ7を挟み込んだ際に、該光ファイバ7の被覆7bを両爪1a間に挟み込むようになっている。各爪1aは、光ファイバ7の被覆7bに食い込んで、光ファイバ7に引き抜き抵抗を与える。
この爪1aの形状は、図示したものに限定されず、例えば、M形等であってもよい。
【0016】
調心機構8はV溝であるが、V溝以外の調心溝や、マイクロキャピラリや、精密ロッドあるいは精密ボール等の適用も可能である。
【0017】
図2に示すように、両クランプ部材2、3は、互いの対向面5、6に形成された係合凹部14と係合凸部15とを係合させることで、調心機構8の調心軸線と平行な軸線を以て相対回転自在になっている。図2において、各爪1aは光ファイバガイド溝9、20の内面に沿ったリング状になっているので、両光ファイバガイド溝9、20内に光ファイバ7をクランプ保持した際に光ファイバ7の特定部分への応力集中を防止するとともに、クランプ部材2、3の相対回転の途中においても応力集中を防止することができる。
【0018】
蓋体側のクランプ部材3は、図2および図3に示すように、ベース側のクランプ部材2の調心機構8に対応して配置される中央蓋17と、ベース側のクランプ部材2の長手方向両端部の光ファイバガイド溝9のそれぞれに対応して配置される一対の端部蓋18の三つの部分からなり、これら中央蓋17と端部蓋17、17とを直列に配列した構成になっている。中央蓋17と端部蓋18との間は、連結端部19同士を係合させるようにして連結されるようになっている。
【0019】
中央蓋17の対向面6は平坦面であり、調心機構8に配置した裸ファイバ7aをベース側クランプ部材2との間に挟み込む。一方、端部蓋18の対向面6には、内部に爪1aを有する光ファイバガイド溝20を形成する必要がある。蓋体側のクランプ部材3を中央蓋17と端部蓋18とに分割したことは、中央蓋17の平坦な対向面6や端部蓋18の光ファイバガイド溝20の形成を容易にする。
【0020】
素子1Aの長手方向両端部には、図1および図3に示すように、光ファイバガイド溝9に光ファイバ7を挿入するための漏斗状の挿入凹部21が形成されている。また、素子1Aのクランプ手段4の外側に露出する露出部22には、工具を係合することで素子1Aの回転を規制する工具係合面22aが形成されている。素子1Aの側面には、ベース側のクランプ部材2と蓋体側のクランプ部材3との間を開放するための楔11が挿入される楔挿入溝12が開口されている。楔挿入溝12はクランプ手段4の開口部4aと一致されている。
【0021】
クランプ手段4は、素子1Aよりやや短い断面C形の細長スリーブ状であって、楔挿入溝12に対応する長手方向数カ所には開口部4aを拡張した楔挿入窓13が形成されている。
図1中符号10は分割スリットであり、中央蓋17および端部蓋18に対応する合計3っつの部分にクランプ手段4を分割している。したがって、素子1Aに作用するクランプ手段4のクランプ力は、中央蓋17や端部蓋18にそれぞれ独立に作用するようになっている。
【0022】
本実施形態の光ファイバ接続器1によれば、楔11を楔挿入溝12に差し込んで素子1Aを開放した状態を保持すると、素子1Aへの光ファイバ7の挿抜が可能になる。この状態で、素子1A両側から差し込んだ光ファイバ7を調心機構8で突き合わせ接続し、突き合わせ力を付与させつつ楔11を引き抜くと、クランプ手段4のクランプ力でクランプ部材2、3間に、光ファイバ7を突き合わせ状態を維持したまま挟み込む。この際、両光ファイバガイド溝9、20の爪1aが光ファイバガイド溝9、20に収納した光ファイバ7の被覆7bに食い込み、光ファイバ7に引き抜き抵抗を与える。これにより、光ファイバ7が光ファイバ接続器1に強固に固定され、しかも、光ファイバ7に引張力が作用しても裸ファイバ7aの突き合わせ状態に影響を与える心配が無い。
【0023】
光ファイバ7をクランプ保持した光ファイバ接続器1を楔11によって開放すると、クランプ部材2、3間が離間すると同時に爪1aが被覆7bから引き抜かれ、光ファイバ7の引き抜きが可能になる。
また、楔挿入溝12を選択して楔11を挿入することで、光ファイバ接続器1素子1Aの長手方向一端部のみを開放するようにすると、素子1Aの長手方向他端部での光ファイバ7のクランプ状態を維持したまま、一方の光ファイバ7のみ交換が可能になる(接続切替)。すなわち、蓋側のクランプ部材3が、中央蓋17と端部蓋18とで3分割されていることから、素子1Aの長手方向一端部を開放しても、長手方向他端部では素子1A内に残された光ファイバ7を爪1a間で強固に固定して位置ずれを生じさせない。これにより、素子1Aに残した光ファイバ7と新規に素子1A内に挿入した光ファイバ7とを接続した場合、目的の接続損失を確実に得ることができる。
【0024】
なお、本実施形態に記載した素子1Aの構造やクランプ手段4の断面形状等は適宜変更可能であることは言うまでも無い。
また、爪1aは、いずれか一方のクランプ部材2、3のみに形成することも可能である。
【0025】
以下、本発明の第2実施形態を図4および図5を参照して説明する。
本実施形態は光コネクタ(SC形光コネクタプラグ)への適用例であり、図4において、24はフェルール、25は接続機構である。
フェルール24は、ジルコニア等から円柱状に形成され、中心軸線上に光ファイバ26(単心光ファイバ)を内装固定している。フェルール24の先端面27には研磨が施されている。フェルール24の長手方向中央部にはフェルールホールド28が固着されている。フェルールホールド28は、金属等の十分な剛性を有する材料からなり、フェルール24の後方に突出する断面半円形ロッド状のクランプ部材29(鍔部)を備えている。
【0026】
光ファイバ接続機構25はフェルール24の後端側(図4右上)に配置され、クランプ部材29と、突き合わせ接続する光ファイバの対をクランプ部材29との間に挟み込む二つのクランプ部材30、31と、クランプ部材29とクランプ部材30、31との間にて接続する両光ファイバを突き合わせ可能に位置決め調心する調心機構32(クランプ部材30に形成されたU溝)と、クランプ部材29、30、31間に光ファイバをクランプするためのクランプ力を付与するクランプ手段33(C形バネ)と、該クランプ手段33の付勢力に抗してクランプ部材29とクランプ部材30、31との間を押し開く楔等の開放部材42が差し込まれる差込口34とを備えて構成され、フェルール24に内装固定した光ファイバ26のフェルール24後端から突出した部分と別の光ファイバ37(図5参照)とを突き合わせ接続した後、クランプ部材29、30、31間でクランプ固定する。
【0027】
図4に示すように、二つのクランプ部材30、31は直列に配列され、前側に配置されるクランプ部材30は調心機構32によって鍔部上面35との間に光ファイバの接続端部同士を位置決め調心して挟み込み、後ろ側に配置されるクランプ部材31はクランプ部材29の後端から前端にわたって延在する光ファイバ案内溝36に挿入された光ファイバ37の被覆38をクランプ部材29との間にクランプする。
なお、調心機構32としては、U溝以外の例えばV溝等の調心溝や、マイクロキャピラリや、3本の精密ロッドや精密ボールで光ファイバを坦持する構造等の、各種構成の適用が可能である。
【0028】
図5に示すように、光ファイバ案内溝36の後端部には複数の爪39が突設され、鋸歯状になっている。爪39はクランプ部材31にも形成されており、光ファイバ37のクランプ時には光ファイバ37の両側の爪39が被覆38に食い込んで、光ファイバ37の引き抜きを防止する。
【0029】
クランプ手段33は、バネ材を断面C形に成形してなるスリーブであって、長手方向中央部に形成された分割溝40によって分割されたそれぞれの部分が、クランプ部材30、31のいずれかに対応する独立したバネとして機能する。クランプ手段33の開口部41は差込口34と一致され、クランプ手段33の外側から差込口34への開放部材42の差し込みが可能になっている。
なお、クランプ手段33は、差込口34と連通可能な開口部41が得られるものであればC形バネに限定されず、例えばコ字状バネ等の適用も可能である。
【0030】
本実施形態の光コネクタによれば、差込口34に開放部材42を差し込んで光ファイバ接続機構25を開放した状態(クランプ部材29とクランプ部材30、31との間を開放した状態)にて、クランプ部材29後方から光ファイバ案内溝36に挿入した光ファイバ37をフェルール24側の光ファイバ26と突き合わせた後、開放部材42を引き抜くことで光ファイバ26、37をクランプ固定し、接続状態を維持する。この際、光ファイバ37の被覆38の両側に爪39が食い込んで、光ファイバ37に十分な引き抜き抵抗を与える。これにより、光コネクタでは、光ファイバ37に作用する引き抜き力を支持するための部品を省略あるいは簡略化することが可能になり、小型化、低コスト化が容易になる。
【0031】
なお、この実施形態では、光ファイバ接続機構25の調心軸線をフェルール24の中心軸線と一致させた構造を示したが、本発明はこれに限定されず、接続機構の調心軸線がフェルール24の中心軸線と一致していない構造も含む。
また、爪39は、クランプ部材29とクランプ部材30のいずれか一方のみに設置することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の光ファイバ接続機構によれば、クランプ部材間に光ファイバをクランプした際に、両クランプ部材に突設した爪が光ファイバの被覆に食い込んで光ファイバに引き抜き抵抗を与えるようにしたので、光ファイバに引っ張り等の外力が作用しても光ファイバの接続状態を安定かつ確実に維持することができるといった優れた効果を奏する。
【0033】
請求項2記載の光ファイバ接続機構によれば、クランプ部材の対を内側に挟み込むクランプ手段のクランプ力に抗してクランプ部材間を押し広げることにより、クランプ部材間への光ファイバの挿抜が可能になるようにしたので、接続した一方の光ファイバのみを引き抜いて交換する接続切替を行った際に、クランプ部材間に残した光ファイバに位置ずれ生じさせること無く再度の突き合わせ接続を行うことができ、新規に接続した両光ファイバ間に目的の接続損失が確実に得られるといった優れた効果を奏する。
【0034】
請求項3記載の光コネクタによれば、フェルール側の光ファイバと接続した光ファイバを光ファイバ接続機構のクランプ部材間でクランプすると、クランプ部材に突設した爪が光ファイバの被覆に食い込んで、十分な引き抜き抵抗が得られるので、光ファイバに作用する引き抜き力を負担する部品を省略したり簡略化することが可能になり、小型化や低コスト化が容易になるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の光ファイバ接続機構を示す全体斜視図である。
【図2】 図1の光ファイバ接続機構を示す分解斜視図である。
【図3】 図1の光ファイバ接続機構を示す正断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態の光コネクタを示す図であり、該光コネクタに適用されるフェルールおよび光ファイバ接続機構を示す分解斜視図である。
【図5】 図4の光ファイバ接続機構を示す正断面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ接続機構(光ファイバ接続器)、1a…爪、2…クランプ部材、3…クランプ部材、4…クランプ手段(C形バネ)、7…光ファイバ(光ファイバ単心線)、7b…被覆、8…調心機構(V溝)、24…フェルール、25…光ファイバ接続機構、26…光ファイバ、27…先端面、29…クランプ部材(鍔部)、30…クランプ部材、31…クランプ部材、32…調心機構(U溝)、37…光ファイバ、38…被覆、39…爪。

Claims (2)

  1. 光ファイバ(7)同士を精密に位置決め調心するための光ファイバ接続機構であって、
    光ファイバを挟み込む一対のクランプ部材(2、3)からなる素子(1A)と、該素子を収納するC形バネであるクランプ手段(4)と、前記クランプ部材間にて光ファイバを突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心機構(8)とを備え、
    前記一対のクランプ部材の内、ベース側のクランプ部材に対向する蓋側のクランプ部材が、中央蓋(17)と、その両側の端部蓋(18)とで3分割されており、
    前記クランプ手段は、分割スリット(10)によって、前記中央蓋および端部蓋に対応する合計3っつの部分に分割され、該クランプ手段のクランプ力に抗してクランプ部材間を楔(11)で押し広げることにより、クランプ部材間への光ファイバの挿抜が可能であり、
    ベース側のクランプ部材の対向面(5)の長手方向両端部には、素子の外側から挿入される光ファイバを、ベース側のクランプ部材の前記対向面の長手方向中央部の前記調心機構の近傍に導く光ファイバガイド溝(9)が形成され、
    クランプ部材間に挟み込んだ光ファイバの被覆(7b)に食い込んで光ファイバに引き抜き抵抗を与える爪(1a)を、前記光ファイバガイド溝、及び、前記端部蓋の前記光ファイバガイド溝に対向する部分に形成された光ファイバガイド溝(20)の一方または両方に突設したことを特徴とする光ファイバ接続機構(1)。
  2. 光ファイバ(26)が内装固定され先端研磨が施されてなるフェルール(24)と、該フェルールの研磨された先端面(27)に対向する後端側に配置されて前記光ファイバのフェルール後端から突出した部分と別の光ファイバ(37)とを位置決め調心して突き合わせ接続し、クランプすることで接続状態を維持する光ファイバ接続機構(25)とを具備してなり、
    光ファイバ接続機構は、C形バネあるいはコ字状バネであるクランプ手段(33)と、このクランプ手段の内側に配置され、前記クランプ手段から付与されるクランプ力によって光ファイバを挟み込む一対のクランプ部材(29、30、31)と、該クランプ部材間にて光ファイバを突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心機構(32)とを備え、
    前記一対のクランプ部材は、フェルールの後方に突出されたクランプ部材と、このクランプ部材との間に光ファイバを挟み込む二つのクランプ部材とを具備し、直列に配列された二つのクランプ部材の内、フェルールに近い前側のクランプ部材(30)はフェルールの後方に突出されたクランプ部材との間に調心機構によって光ファイバを位置決め調心して挟み込み、後側のクランプ部材(31)は、フェルールの後方に突出されたクランプ部材に形成された光ファイバ案内溝(36)に挿入された光ファイバの被覆(38)をクランプするようになっており、
    前記クランプ手段は、長手方向中央部に形成された分割溝(40)によって分割されたそれぞれの部分が、二つのクランプ部材のそれぞれに対応する独立したバネとして機能するようになっており、
    前記一対のクランプ部材の間は、楔状の開放部材(42)によって押し開かれるようになっており、
    直列に配列された二つのクランプ部材の内の光ファイバ案内溝に挿入された光ファイバの被覆(38)をクランプするクランプ部材、及び、前記光ファイバ案内溝の一方または両方に、クランプ部材間に挟み込んだ光ファイバの被覆(38)に食い込んで光ファイバに引き抜き抵抗を与える爪(39)を突設したことを特徴とする光コネクタ。
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