JP3778995B2 - 光ファイバ調心構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メカニカルスプライスなどに用いられる光ファイバ調心構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ接続器等に設けられる光ファイバの位置決め調心構造としては、プレート状の一対のクランプ部材間に光ファイバをクランプし、これらクランプ部材の互いに向かい合う対向面の一方または両方に形成した位置決め溝によって、光ファイバを位置決め溝に押し付けるようにして位置決め調心する構造が多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような光ファイバの調心構造の場合、光ファイバのクランプ時に両クランプ部材の対向面同士が当接して、一体化したクランプ部材の内部に光ファイバを収納する構造になっていることから、対向面の形成精度が厳しくなってコスト上昇の原因になっていた上、クランプ力を正常な方向で安定して光ファイバに作用させるには対向面全体の平面度に加えて清浄度を維持する必要もあり、調心作業に手間がかかるといった問題が生じていた。また、高い調心精度を得るには、光ファイバの位置決め調心すべき部分の全体にクランプ力を均等に作用させる必要があるが、このような調心構造では高価なクランプ機構の使用が必要になる。特に複数本の光ファイバを一度に位置決め調心する場合には、各光ファイバにクランプ力を均等に作用させなければばらず、全ての光ファイバを高精度に位置決め調心するには、手間がかかるとともにコストも上昇するといった不満があった。
また、前述のような調心構造を有する光ファイバ接続器では、クランプ部材の間で光ファイバを接続した後に接着固定することから再使用が不可能となるため光ファイバの着脱ができず、接続切り替え等には有効に利用できないといった不満があった。
【0004】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、クランプ力を確実かつ安定して光ファイバに作用させることを可能にしたことにより、光ファイバをより高精度かつ確実に位置決め調心することができ、しかも低コスト化することができる光ファイバ調心構造を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光ファイバ調心構造では、光ファイバを挟み込む一対のクランプ部材と、該クランプ部材の対を内側に挟み込むことによりクランプ部材同士を圧接させる方向の側圧を与えるクランプ手段と、クランプ部材相互の相手側に対向する対向面の一方または両方に形成されて光ファイバを突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心溝とを備えてなり、調心溝は収納した光ファイバの一部がクランプ部材の対向面から突出する形状で形成され、一方または両方のクランプ部材あるいは両クランプ部材の対向面の間には光ファイバの対向面からの突出部分とともにクランプ力を支持して対向面間の非接触状態を維持する離間距離維持部が調心溝の一側方にのみ設けられていることを前記課題の解決手段とした。
【0008】
本発明によれば、調心溝に収納した光ファイバをクランプ部材の間に挟み込んだ時に、光ファイバと離間距離維持部のみがクランプ部材間に作用する光ファイバのクランプ力を支持して、対向面間の他の部分は非接触状態が維持される。これにより、クランプ力が光ファイバと離間距離維持部とに分散して作用し、光ファイバにはクランプ力が常時正常かつ安定に作用する。離間距離維持部を設置した領域では光ファイバにクランプ力を正常かつ安定に作用するので、光ファイバの調心位置に沿って離間距離維持部を設置することにより、広範囲にわたって高い調心精度を得ることができる。特に、多心の光ファイバの調心では、各光ファイバに対応する調心溝を並列に形成し、これら調心溝の形状を調整して、全ての光ファイバおよび離間距離維持部の対向面間での露出寸法を等しくする。これにより、クランプ部材間におけるクランプ力が、離間距離維持部の作用で全ての光ファイバに均等に作用し、複数本の光ファイバを同時に高精度に位置決め調心することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の光ファイバ調心構造を光ファイバ接続器に適用した実施形態を説明する。 図1から図5は、本発明を適用する光ファイバ接続器の例(適用対象例)を示す。図中符号1は、光ファイバ接続器である。この光ファイバ接続器1は、図1および図2に示すように、一体化時に概略断面円形のロッド状となる二つ割り構造を構成するベース2および蓋体3からなる素子1Aと、該素子1Aの全体をほぼ収納可能な細長コ字状のC形バネ4とを備えている。
【0010】
ベース2および蓋体3は、図2および図4に示すように、ともに断面半円形のロッド状の部材であって、互いの対向面5、6を境にして分離されるようになっている。本例のベース2と蓋体3とは、共にプラスチック等の適度な硬度を有する材料によって形成されている。
【0011】
図2および図3に示すように、ベース2の対向面5の長手方向中央部には、単心の光ファイバ心線7を突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心溝としてのV溝8が形成され、対向面5の長手方向両端部にはベース2の外側から挿入される光ファイバ心線7をV溝8の近傍に導く光ファイバガイド溝9が形成されている。これらV溝8と光ファイバガイド溝9とは、ベース2の長手方向に沿った同一直線上に配置されている。
V溝8には光ファイバ心線7の先端の被覆を除去して露出させた裸ファイバ7aが収納され、光ファイバガイド溝9には光ファイバ心線7の被覆部分が収納される。V溝8は、光ファイバ心線7から露出させた裸ファイバ7aを収納した時に該裸ファイバ7aを精密に調心するとともに、裸ファイバ7aが対向面5から30μm突出する形状に形成されている。
【0012】
図2に示すように、ベース対向面5の長手方向3カ所には、蓋体対向面6に形成された係合凹部14と係合される係合凸部15と、蓋体対向面6に突設された係合凸部15と係合される係合凹部14とが形成されている。係合凸部15の先端には、係合凹部14に対する相対回転を可能とする湾曲面16が形成されており、図4および図5に示すように、ベース2と蓋体3とを一体化した時に係合した全ての係合凹部14と係合凸部15の組の相対回転の軸線が素子1Aの幅方向(図3中矢印C方向、図4、図5左右)一側部に沿った同一直線上に配置されて、この直線を軸線としてベース2と蓋体3の相対回転が可能になっている。ベース2と蓋体3の相対回転の軸線は光ファイバ接続器1の軸線と平行であり、しかも光ファイバ接続器1の側部に位置されるので、互いに係合された係合凹部14と係合凸部15とはベース2と蓋体3の開閉用のヒンジの機能を果たす。
【0013】
蓋体3は、図2および図3に示すように、ベース2のV溝8に対応する中央蓋17と、光ファイバガイド溝9に対応する端部蓋18の三つの部分を直列に配列した構成になっている。中央蓋17と端部蓋18との間は、連結される相手側に向けて突設された連結端部19同士を係合させるようにして直列に連結されるようになっている。
図3に示すように、両端部蓋18には、光ファイバガイド溝9に収納された光ファイバ心線7の上部(図3上側)を収納する光ファイバ収納溝20が形成されている。
【0014】
中央蓋17の対向面6は平坦面であるが、V溝8に対応する位置にV溝8に収納された裸ファイバ7aの上部を収納する裸ファイバ収納溝を形成することも可能である。こうすることにより、より径の太い裸ファイバ7aにも対応することが可能になる。但し、中央蓋17の対向面6に裸ファイバ収納溝を形成した場合にも、裸ファイバ7aの一部が両対向面5、6の間に露出されるようにする。
また、中央蓋17の対向面6は、V溝8と対向する部分のみ高い平面度が得られていれば良く、他の部分は、光ファイバ心線7のクランプ時にベース2側の対向面5と容易には接触しない程度の平面度であれば良い。
【0015】
素子1Aの長手方向両端部には、図1および図3に示すように、光ファイバガイド溝9に光ファイバ心線7を挿入するための漏斗状の挿入凹部21が形成されている。また、素子1Aの長手方向両端部の常時C形バネ4の外側に露出する露出部22の側面には工具係合面22aが形成されているので、工具等で固定することが簡便である。
なお、素子1Aは、請求項1または2記載のクランプ部材に相当する。
【0016】
図1および図4に示すように、素子1Aの幅方向他側部(係合凹部14や係合凸部15と対向する反対側)には、ベース2と蓋体3との間を開放するための楔24が挿入される楔挿入溝25が開口されている。楔挿入溝25は、素子1Aの長手方向4カ所でベース2と蓋体3のそれぞれの対向面5、6をえぐって形成されており、C形バネ4のクランプ力に抗して楔24が圧入されることによりベース2と蓋体3との間が押し開かれるようになっている。素子1Aは、楔挿入溝25がC形バネ4の開口部23に露出する向きでC形バネ4に挿入される。
【0017】
なお、楔挿入溝25に楔24を圧入した時には、係合された係合凹部14と係合凸部15とが構成する回転軸線を中心としてベース2と蓋体3とが楔挿入溝25を拡張する方向に相対回転して離間するようになっている。
楔24は、平坦に形成された先端面24aを楔挿入溝25の最奥部に突き当てるようにして圧入されるようになっている。また、楔24は、楔挿入溝25の目的開口幅に相当する厚さ寸法t1を有しているので、圧入によって楔挿入溝25の最奥部に突き当てるだけで常に一定の開口量で安定して楔挿入溝25を開口することができるようになっている。
【0018】
C形バネ4は、素子1Aよりやや短い細長スリーブ状であって、ベリリウム銅等の材料で形成されている。ベリリウム銅の場合、目的形状に成形後時効硬化処理を行ったものや、熱処理後フッ素樹脂等でコーティングしたもの等がより好ましい。
C形バネ4の開口部23の、素子1Aの楔挿入溝25に対応する複数箇所には、楔挿入窓26が形成されている。
図1中符号10は分割スリット10であり、中央蓋17および端部蓋18に対応する合計3っつの部分にC形バネ4を分割している。したがって、素子1Aに作用するC形バネ4のクランプ力は、中央蓋17や端部蓋18にそれぞれ独立に作用するようになっている。
C形バネ4は、請求項1または2記載のクランプ手段に相当する。
【0019】
以下、本実施形態の作用および効果を説明する。
本例の光ファイバ接続器1は、楔挿入溝25に楔24を挿入してベース2と蓋体3との間のクランプ力を緩めておき(図5参照)、素子1Aの両挿入凹部21から光ファイバ心線7を挿入してV溝8上で突き合わせ状態にした後、素子1Aにクランプ力を与えることにより、光ファイバ心線7同士を精密に調心して突き合わせ接続できるようになっている。
【0020】
光ファイバ心線7同士を光ファイバ接続器1内で突き合わせ状態にするには、素子1A両端の挿入凹部21から光ファイバ心線7をV溝8に向けて押し込む。これにより、予め光ファイバ心線7の先端に露出させておいた裸ファイバ7aは光ファイバガイド溝9を経由してV溝8に導入され、V溝8上で突き合わせ状態になる。
突き合わせ状態になった裸ファイバ7aをクランプ固定するには、楔挿入溝25から楔24を引き抜き、ベース2と中央蓋17との間に裸ファイバ7aを挟み込む。この時、図4に示すように、中央蓋17の対向面6は裸ファイバ7aとのみに当接して、ベース2と中央蓋17の対向面5、6間に裸ファイバ7aの対向面5からの突出寸法t2(=30μm)に相当する隙間が形成され、ベース2と中央蓋17との間のクランプ力が裸ファイバ7aに集中的に作用する。一方、ベース2と端部蓋18との間は、光ファイバ心線7の被覆部分をクランプした時に互いの対向面5、6同士が圧接されるようになっている。
なお、係合凹部14と係合凸部15とは、裸ファイバ7aのクランプ時に係合凸部15の湾曲面16が係合凹部14に接触しないようになっており、ベース2と蓋体3間のクランプ力を負担しないとともに、ベース2に対して中央蓋17や端部蓋18を相対位置決めする機能を果たす。
【0021】
ここで、連結端部19の係合形態(図3参照)によって中央蓋17は端部蓋18に対してベース2方向への相対的な移動が許されていることから、例えば、光ファイバ心線7の被覆部分の径が大きくベース2と端部蓋18の対向面5、6間に隙間が生じる場合であっても、ベース2と中央蓋17との間での裸ファイバ7aのクランプが可能であり、C形バネ4の分割スリット10によって仕切られた中央部分が与える側圧によって、裸ファイバ7aのクランプ状態は光ファイバ心線7の被覆部分のクランプ状態に関係無く常に正常に維持される。
【0022】
よって、突き合わせられた両光ファイバ心線7の裸ファイバ7aの全体に確実にクランプ力を作用させることができ、精密に調心した両裸ファイバ7a同士を接続するので、高い接続精度を確実に得ることができる。また、ベース2と中央蓋17との間のクランプ力を裸ファイバ7aのみで負担する構造であるため、ベース2と中央蓋17とが裸ファイバ7aを中心として回転して、対向面5、6間に相対的な回転がある程度存在しても、裸ファイバ7aにはクランプ力が正常な向きで作用するので、調心精度を維持することができる。また、ベース2および蓋体3は、裸ファイバ7aのクランプ時に裸ファイバ7aと当接する限定された部分についてのみV溝8や対向面5、6の形成精度を確保すれば良く、対向面5、6の他の部分は裸ファイバ7aのクランプ時に発生する隙間t2の範囲で突出部分の存在が許され、形成精度を緩和することができるので、素子1Aの製造が容易になり、光ファイバ接続器1の低コスト化が可能になる。
【0023】
裸ファイバ7aのクランプ後に楔挿入溝25に再度楔24を圧入すれば、ベース2と蓋体3との間での光ファイバ心線7のクランプを解除することができ、容易に光ファイバ心線7を接続切替することができる。また、楔24を挿入する楔挿入溝25を選択すれば片側の光ファイバ心線7についてのみクランプを解除することも可能であり、接続切替の作業性を向上することができる。
【0024】
図6から図8は本発明の実施形態の光ファイバ接続器を示す。図中符号50はC形バネ4内に挿入される素子、51はベース、52は蓋体である。なお、本実施形態の光ファイバ接続器は、適用対象例の光ファイバ接続器に対して素子のみを変更しており、図中図1から図5と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0025】
図6に示すように、素子50は断面円形の二つ割りロッド状であって、共に断面半円形のベース51および蓋体52からなっている。
ベース51の蓋体52と対向する対向面53の長手方向中央部には、光ファイバテープ心線(以下「テープ心線」)54の端末に露出させた複数本の裸ファイバ54a同士を突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心溝としてのV溝55が複数並列状態に形成され、各V溝55の長手方向両端からベース51の長手方向端部には、素子50の外側からV溝55に裸ファイバ54aを導く光ファイバガイド溝56が形成されている。なお、V溝55は、裸ファイバ54aを収納した時に、裸ファイバ54aが対向面53から25μm突出する形状に形成されている。
【0026】
ベース51と蓋体52の対向面53、58の幅方向(図6中矢印D方向)一側部外側には、適用対象例の光ファイバ接続器の係合凹部14および係合凸部15と同様に、ベース51と蓋体52のヒンジ機構を構成する係合凹部59および係合凸部60が形成され、幅方向他側部には楔挿入溝61が形成されている。ベース51の対向面53の一側部外側には、係合凹部59および係合凸部60を避けた位置に、対向面53、58の離間距離を維持する離間距離維持部57が突設されている。離間距離維持部57は、ベース51の肉盛りされた部分であって、V溝55と平行に延在する突条であって、対向面53から25μm程度突出している。なお、離間距離維持部としては、対向面53、58間に所望の隙間t3(図7参照)を形成可能であれば、蓋体52にのみ突設した突起や、ベース51と蓋体52の双方から突設した突起、ベース51と蓋体52の間に介挿した別部材等を適用することも可能である。
【0027】
また、光ファイバガイド溝56のベース51の長手方向両端部に開口する導入端部62は、ベース51の外側に行くにしたがって対向面53からの深度が増大するように傾斜されており、素子50の一体化時においてもテープ心線54を容易に挿入できるようになっている。
なお、蓋体52は、C形バネ4の分割スリット10に対応する二つの端部蓋52aおよび一つの中央蓋52bからなる3分割体であって、素子50においてはC形バネ4の分割スリット10によって分割された各部分のクランプ力が素子50の端部蓋52aおよび中央蓋52bに対応する各部分に個別に作用するようになっている。
【0028】
本実施形態の光ファイバ接続器に適用されるテープ心線54は、光ファイバ接続器において突き合わせ接続する際には、V溝55に収納する長さで裸ファイバ54aを先端部に露出させておき、各裸ファイバ54aをそれぞれ対応する光ファイバガイド溝56に添わせるようにして導入端部62から挿入することにより、V溝55に挿入される。テープ心線54の被覆54b部分は、裸ファイバ54aが所定長さV溝55に挿入されると光ファイバガイド溝56上に乗り上げ、この状態で素子50のクランプ力を作用させることにより、ベース51と端部蓋52aとの間にクランプされるようになっている。
【0029】
以下、本実施形態の光ファイバ接続器の作用および効果を説明する。
この光ファイバ接続器を使用してテープ心線54同士を突き合わせ接続するには、楔挿入溝61に楔24を挿入してベース51と蓋体52との間に作用するクランプ力を緩めておき(図8参照)、テープ心線54の先端に露出させておいた裸ファイバ54aを素子50の両端の導入端部62から光ファイバガイド溝56に挿入してV溝55において突き合わせ、楔24を引き抜いてC形バネ4のクランプ力を素子50に作用させることによりテープ心線54をベース51と蓋体52との間にクランプして、裸ファイバ54a同士の突き合わせ状態を維持する。
【0030】
図7に示すように、テープ心線54のクランプ時には、各裸ファイバ54aと離間距離維持部57とによって、ベース51と中央蓋52bの対向面53、58間にt3(=25μm)の隙間が均等に維持され、クランプ力が各裸ファイバ54aに均等に作用するので、全ての裸ファイバ54aを高精度に調心することができ、テープ心線54同士の接続精度が向上する。また、楔挿入溝61から楔24を引き抜いた際に、離間距離維持部57が中央蓋52bの対向面58に最初に当接して、ベース51および蓋体52の回転中心に最も近い裸ファイバ54aにクランプ力が集中的に作用することを防止し、クランプ力が全ての裸ファイバ54aにほぼ同時に作用するようになっているので、全ての裸ファイバ54aの光伝送特性を安定に維持することができる。
【0031】
なお、本発明は光ファイバ接続器以外、位置決め溝によって光ファイバを調心位置決めする機構を有するものであれば、例えば、光ファイバを突き合わせ接続可能に成端するフェルールやメカニカルクランプ等にも適用することも可能である。
本発明の各実施形態に記載した光ファイバ接続器においては、V溝以外の例えばU溝等の調心溝や、C形バネ以外の例えばコ字状バネ等のクランプ手段の適用も可能である。
【0032】
【発明の効果】
【0033】
本発明の光ファイバ調心構造によれば、調心溝を収納した光ファイバの一部がクランプ部材の対向面から突出する形状に形成し、一方または両方のクランプ部材あるいは両クランプ部材の対向面の間には光ファイバの対向面からの突出部分とともに対向面間の非接触状態を維持する離間距離維持部が調心溝の一側方にのみ設けたことにより、調心溝に収納した光ファイバをクランプ部材の間に挟み込んだ時に、クランプ部材間に作用する光ファイバのクランプ力を光ファイバと離間距離維持部のみによって支持して、光ファイバにクランプ力が確実かつ正常に作用するので、調心精度を向上することができる。また、離間距離維持部を光ファイバの調心位置に沿った領域に設置すれば、クランプ力を光ファイバの長手方向の広い範囲で均等に作用させることができ、光ファイバを一層確実かつ高精度に調心することができる。特に、多心の光ファイバの調心では、各光ファイバに対応する調心溝と離間距離維持部とを並列に形成することにより、離間距離維持部の作用でクランプ力を全ての光ファイバに均等に作用させることができ、全ての光ファイバを高精度に調心することができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ調心機構の第1実施形態を示す図であって、光ファイバ接続器を示す全体斜視図である。
【図2】 図1の光ファイバ接続器を示す分解斜視図である。
【図3】 図1の光ファイバ接続器のA−A線断面矢視図である。
【図4】 図1の光ファイバ接続器のB−B線断面矢視図である。
【図5】 図1の光ファイバ接続器の素子に楔を挿入して光ファイバ心線のクランプ力を解除した状態を示すB−B線断面矢視図である。
【図6】 本発明の光ファイバ接続器の第2実施形態を示す分解斜視図である。
【図7】 図6の光ファイバ接続器のV溝近傍における断面図である。
【図8】 図6の光ファイバ接続器の素子に楔を挿入して光ファイバ心線のクランプ力を解除した状態を示すV溝近傍の断面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ接続器、1A…クランプ部材(素子)、4…C形バネ(クランプ手段)、5…対向面、6…対向面、7…光ファイバ(光ファイバ心線)、8…調心溝(V溝)、50…クランプ部材(素子)、53…対向面、54…光ファイバ(テープ心線)、55…調心溝(V溝)、57…離間距離維持部、58…対向面。
Claims (3)
- 光ファイバ同士を精密に位置決め調心するための光ファイバ調心構造であって、
光ファイバを挟み込む一対のクランプ部材(50)と、該クランプ部材の対を内側に挟み込むことによりクランプ部材同士を圧接させる方向の側圧を与えるクランプ手段(4)と、クランプ部材相互の相手側に対向する対向面(53、58)の一方または両方に形成されて光ファイバを突き合わせ接続可能に位置決め調心する調心溝(55)とを備えてなり、
調心溝は収納した光ファイバの一部がクランプ部材の対向面から突出する形状で形成され、一方または両方のクランプ部材あるいは両クランプ部材の対向面の間には光ファイバの対向面からの突出部分とともにクランプ力を支持して対向面間の非接触状態を維持する離間距離維持部(57)が調心溝の一側方にのみ設けられていることを特徴とする光ファイバ調心構造。 - 前記一対のクランプ部材の内の片方である蓋体(52)が、二つの端部蓋(52a)および一つの中央蓋(52b)からなる3分割体であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ調心構造。
- 前記クランプ手段が、スリーブ状に形成された、C形バネあるいはコ字状バネであり、
前記クランプ手段は、分割スリット(10)によって、前記蓋体の二つの端部蓋(52a)および一つの中央蓋(52b)に対応する3っつの部分に分割されており、クランプ手段の前記分割スリットによって分割された各部分のクランプ力が、前記クランプ部材における、前記蓋体の二つの端部蓋(52a)および一つの中央蓋(52b)に対応する各部分に個別に作用するようになっていることを特徴とする請求項2記載の光ファイバ調心機構。
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