JP5390140B2 - 光ケーブルの接続構造体 - Google Patents

光ケーブルの接続構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP5390140B2
JP5390140B2 JP2008202290A JP2008202290A JP5390140B2 JP 5390140 B2 JP5390140 B2 JP 5390140B2 JP 2008202290 A JP2008202290 A JP 2008202290A JP 2008202290 A JP2008202290 A JP 2008202290A JP 5390140 B2 JP5390140 B2 JP 5390140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clip
cable
base
mechanical splice
connection structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008202290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010039216A (ja
Inventor
幸乃 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Priority to JP2008202290A priority Critical patent/JP5390140B2/ja
Priority to PCT/US2009/034497 priority patent/WO2009111176A1/en
Priority to TW98106570A priority patent/TW200942881A/zh
Publication of JP2010039216A publication Critical patent/JP2010039216A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5390140B2 publication Critical patent/JP5390140B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)

Description

本発明は、メカニカルスプライス内蔵型の光ケーブルの接続構造体に関する。
近年、光ケーブルを内蔵する現場取付け型の接続構造体が、FTTH(Fiber to the Home)等の光ファイバネットワークの敷設に使用されている。これらの接続構造体は、内部にいわゆるメカニカルスプライス(被覆を除去した心線の端面同士を突き合わせた状態で融着や接着を行わずに機械的に接続する機構)を内蔵している。例えば特許文献1には、「光ファイバをスプライス部材の光ファイバ保持溝に挿入する際に使用するメカニカルスプライス型コネクタ用光ファイバ接続治具」が開示されている。
一般に、メカニカルスプライスを内蔵する接続構造体においては、現場で処理した2つのドロップケーブルの心線の先端が互いに突き合わせられる。このときに確実な突き合わせ状態を確保するために、メカニカルスプライス近傍で心線がいくらか撓むように、ドロップケーブルがコネクタに向かって付勢される。この撓みによる反力を利用して、2つの光ファイバの先端の突き合わせが維持される。例えば光コネクタの接続工具を開示する特許文献2には、「本発明に係る接続工具によれば、メカニカルスプライスを用いた光ファイバ接続時に望まれるファイバの撓みを定量的かつ容易に生じさせることができ、故にメカニカルスプライスでの確実な接続が可能になる。またファイバを撓んだ状態に保持することができるので、作業者は両手が塞がることがなく、作業性が向上する」と記載されている。
さらに特許文献3には、「光ファイバ2が対向する両側から導入されるクロージャスリーブ11の内部に、前記光ファイバ2同士を接続するためのクランプ部4と、前記光ファイバ2を把持する一対のホルダ部20を具備する連結台3とが収容され、前記クランプ部4は前記ホルダ部20同士の間に配置され、前記ホルダ部20は、前記連結台3の両端側からクランプ部4に向けてスライド移動させることにより、該ホルダ部20に保持された光ファイバ2を前記クランプ部4に挿入できるようになっているクロージャ10」が開示されている。
特開2003−322762号公報 特開2007−121878号公報 特開2005−208496号公報
FTTH用途に使用される光ケーブル又はドロップケーブルは、電柱等に設置されたキャビネット内でメカニカルスプライス又は他のコネクタを用いて接続され、各家庭に配線される。ここで電柱等から各家庭までの中間点でドロップケーブルに部分的にでも断線や損傷等の不具合が生じた場合は、各家庭に至るケーブルを一旦全て撤去して、配線作業をやり直す作業が通常行われている。そこで配線作業を一からやり直すのではなく、断線等が生じた箇所にドロップケーブルを割り入れることができ、故にケーブルの撤去作業を行わずに復旧作業が行えることが望まれている。
FTTH用途として接続構造体を用いる場合、その作業は屋外の不安定な場所で行われることが多い。そこで、作業に必要な部材をなるべく削減し又は一纏めにし、少ない工数で手順ミスなく接続作業を行うことができる接続構造体が望まれている。
また接続が完了した後のドロップケーブルにおいては、光損失をなるべく少なくするために、接続構造体内においてドロップケーブルの心線は撓みを有さないことが好ましい。しかし一方で、熱による寸法変化等により心線に不都合な張力がかかることを防止するために、典型的には光損失が無視又は許容できる程度の若干の撓みを心線に持たせて接続を行う。しかし接続構造体の作業手順によっては、作業者が上記若干の撓みを心線に持たせることを忘れ、或いは一旦形成した撓みを意図的に解除してしまう虞もある。従って、心線が上記若干の撓みを有した状態で確実に接続作業が完了し、以後作業者が意図的に撓み量を変更できないような接続構造体が望まれる。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、2つのケーブルが各々有する光ファイバを互いに接続するように構成されたメカニカルスプライスを収容できるメカニカルスプライス設置部を有するベースと、前記ケーブルを把持して前記ベースに固定するクリップと、前記ベースと協働して閉鎖体を構成するカバーと、を有し、前記カバーは、前記ベースに取り付けられて閉鎖体を構成するときに、前記ケーブルを把持している前記クリップの少なくとも一部に当接し、該クリップを前記ケーブルの軸方向に関して前記メカニカルスプライス設置部側に押出す押出し部材を有する、接続構造体を提供する。
本発明の一実施形態によれば、心線を所定長露出させた光ケーブルを接続構造体のメカニカルスプライス内に挿入することにより、他の工具を必要とせずに容易に光ケーブル間の接続を行うことができる。またカバーをベースに取り付ける際にケーブルを把持したクリップがメカニカルスプライスへ向けて押出されて変位するので、組立作業完了とともにケーブルの心線に所定長の撓みを生じさせることができる。従って作業者が意図的に撓みを解除する作業を行ってしまうこともなく、作業者の熟練度に依らず安定した接続作業が行える。
図1は、本発明に係る光ケーブルの接続構造体の第1の実施形態を示す斜視図である。接続構造体1は、接続すべき2つのドロップケーブルを受容するベース11と、ベース11に係合可能に構成されたカバー12とを有する。本実施形態では、ベース11及びカバー12は、各々略矩形の箱形状を有し、後述するように協働して閉鎖体又はケースを構成する。また接続構造体1は、ベース11のメカニカルスプライス設置部119(本実施形態ではベースの略中央の区画)に配置されるメカニカルスプライス2を閉鎖できるように、ヒンジ131によってベース11に枢着される閉鎖部すなわちレバー13と、後述するドロップケーブル3a、3b(図2参照)を把持してベース11に固定するケーブル把持部材すなわちクリップ14a、14bとを有し、各クリップはそれぞれヒンジ141a、141bによってベース11に枢着される。なお図示例では、ベース11、レバー13及びクリップ14a、14bは樹脂成形等により一体的に形成されているが、それぞれ別個に作製されて接続されてもよい。
クリップ14aは、基板142aと、基板142aの面から略垂直に延出するケーブル把持部(図示例では一対の対向配置された鋸状歯)143aを備える。1対の鋸状歯143aは、後述するケーブル接続手順においてヒンジ141a回りに回動したとき(図4参照)に、ベース11のケーブル支持部111aに載置されたケーブル3aを挟持する。なおクリップ14bもクリップ14aと同様の構成を有する。すなわち、クリップ14bは、例えばベース11に一体成形された部材であり、基板142bと、基板142bの面から略垂直に延出する把持部(図示例では一対の対向配置された鋸状歯)143bを備える。1対の鋸状歯143bは、後述するケーブル接続手順においてヒンジ141b回りに回動したときに(図7参照)、ベース11のケーブル支持部111bに載置されたケーブル3bを挟持する。
レバー13は略平板状の部材であり、メカニカルスプライスに当接可能なスプライス当接面132(図示例では溝面として形成)と、その反対側の操作面133とを有する。本実施例に係るメカニカルスプライス2は、そのキャップ部材21を本体22に向けて押し下げることにより、V字状に折り畳まれた内蔵の心線保持部材(図示せず)が閉じられ、心線保持部材の内表面に刻まれた調心溝(図示せず)内で2本の心線を軸合わせして固定する方式のものである。
以下、図1〜図10を参照して、2つのドロップケーブルを接続構造体1を用いて接続する手順について説明する。先ず図1に示すように、メカニカルスプライス2をベース11の略中央にあるメカニカルスプライス設置部119に配置する。メカニカルスプライス2は、ベース11の内部に形成されたスプライスガイド112a、112bによって挟持され、これらに沿って正確に位置決め可能である。次に、図2に示すように、石英ガラスからなる光ファイバ又は心線31a及びUV被覆32aを外被33aの端面からそれぞれ所定長露出させてなるドロップケーブル3aを用意する。ケーブルの処理には、公知の被覆除去工具及び心線(ガラスファイバ)切断工具を使用することができる。なお後述するドロップケーブル3bについても、ドロップケーブル3aと同様の構成を有する。
ここでいうドロップケーブルとは、主に電柱上等に配置された接続箱と利用者宅との間を配線するときに用いられるケーブルを意味する。ドロップケーブルはPVCやPE等の外被に、UV樹脂等の任意の樹脂で被覆された心線と、1又は複数の抗張力材(FRP又は金属等)とを内蔵したケーブルであり、軸方向に垂直な断面が概略矩形を有するものが多い。このケーブルは一般に、外被と心線とが実質的に密着して一体的に構成されている。従って、ケーブルの外被を固定すると、間接的に心線をも固定することができる。また本発明の接続構造体は、ドロップケーブル以外のケーブルであっても、心線と外被とが実質的に密着しており、心線の外被に対する相対的な移動が実質的にないケーブルについても使用できる。さらには、いわゆる光コードと呼ばれる外被と心線とが実質的に密着していないケーブルでも、ケーブルホルダをケーブルに取着することで外被が鋸刃により狭窄されて心線に対して当接し、心線が外被に対して実質的に移動しない状態に固定できるものであれば使用することができる。なお以降、「心線」なる用語は、図2に関して外被33aよりも先端側、すなわち心線31aのみの部分及びUV被覆32aが露出した部分の双方を含むものとして説明する。
次に図3に示すように、第1のドロップケーブル3aを、その心線31aがケーブル長手方向にメカニカルスプライス2内に挿入されるように、ベース11内に配置する。このとき、心線31aは撓みなくメカニカルスプライス2の端部と略直線状に整列されている。心線31aの先端はメカニカルスプライス内部の所望の位置(通常は長手方向の略中央)に位置している。ここでベース11は、心線31aが確実にメカニカルスプライス2内に挿入されるように心線31aを案内する心線ガイド113aと、ドロップケーブル3aの外被33aを位置決めするケーブルガイド114aとを有する。ケーブルガイド114aの対向する面の間隔は、外被33aの幅と略等しいか、若干大きい寸法に構成されている。従ってケーブルガイド114aに沿わせて外被33aを動かすと、心線31aがメカニカルスプライス2内に案内されるので、作業者がメカニカルスプライスの小さな挿入穴を狙って心線を挿入する必要はない。またベース11には、位置決めされたケーブル3aがメカニカルスプライス方向にさらに前進して心線に過剰な撓みが生じることを防止するために、所定位置においてドロップケーブル3aの外被33aの端面に当接するストッパ115aが設けられている。
なお図3の状態では、ケーブル3aの端部はストッパ115aからいくらか離間されている。このようにすると、カバーを閉じたとき(後述)にケーブル把持部143aがメカニカルスプライス側に前進することができる。但し、図3の状態においてケーブル3aの端部をストッパ115aに当接させてもよく、その場合は位置決めが容易になる。
次に図4に示すように、ヒンジ141aを介してベース11に枢着されているクリップ14aを回動させ、クリップ14aの把持部(一対の鋸状歯)143aがドロップケーブル3aの外被33aを把持するようにする。これにより、ケーブル3aがベース11に対して固定される。
次に、図5に示すように、ドロップケーブル3aと同様の第2のドロップケーブル3b(図2参照)を用意し、ドロップケーブルの心線31bがケーブル長手方向にメカニカルスプライス2内に心線31aとは反対側から挿入されるように、ドロップケーブル3bをベース11内に配置する。ここでベース11は、心線31bが確実にメカニカルスプライス2内に挿入されるように心線31bを案内する心線ガイド113bと、ドロップケーブル3bの外被33bを位置決めするケーブルガイド114bとを有する。ケーブルガイド114bの対向する面の間隔は、外被33bの幅と略等しいか、若干大きい寸法に構成されている。従ってケーブルガイド114bに沿わせて外被33bを動かすと、心線31bがメカニカルスプライス2内に案内されるので、作業者がメカニカルスプライスの小さな挿入穴を狙って心線を挿入する必要はない。またベース11には、位置決めされたケーブル3bがメカニカルスプライス方向にさらに前進して心線に過剰な撓みが生じることを防止するために、所定位置においてドロップケーブル3bの外被33bの端面に当接するストッパ115bが設けられている。なお後述するが、ベース11におけるストッパ115a及び115bのケーブル軸方向の位置は、メカニカルスプライス2内で両ケーブルの心線の端面同士が当接している状態で、各ストッパに各ケーブルの外被がそれぞれ当接したときに各ケーブルの心線が僅かに撓むように定められる。
図5の状態では、ケーブル3bの外被33bはストッパ115bに当接しており、それにより心線31bのみに撓みが生じている。一方ケーブル3aについては、メカニカルスプライス2の端部と外被33aとの間の距離が比較的短いためにケーブル軸方向の圧縮力に比べ座屈力が大きく、故に心線31aに撓みは生じていない。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、例えばメカニカルスプライス2の端部と外被33aとの間の距離を大きくすれば、心線31aにも撓みが生じるようになる。
図5の状態から、次に図6に示すように、作業者はヒンジ131によってベース11に枢着されたレバー13を回動させ、メカニカルスプライス2を閉鎖する。これにより、ケーブル3a及び3bの心線はメカニカルスプライス2内で互いに突き当たった状態で固定され、両ケーブルが光学的に接続される。ここで、図1に示すように、レバー13に突起134を設けておき、一方図6の状態において突起を圧入可能な受容孔116をベース11に設けておくことにより、何らかの外力によりレバー13が図6の状態から図5の状態に戻ってしまう可能性を低減することができる。またメカニカルスプライス2のキャップ21は本体22に対して垂直に押し込まれる必要があるので、レバー13もメカニカルスプライス2に対して垂直にアプローチすることが好ましい。突起134及び受容孔116により、レバー13はメカニカルスプライス2に対して傾いたり位置ずれしたりした状態で当接しないように案内される。もちろん、ベース側に突起を設けてレバー側に受容孔を設けてもよいし、ラッチ及びラッチ孔等の他の係合手段をベース及びレバーに設けてもよい。
本実施形態では、V字状に折り曲げられた調心部材(図示せず)によって光ファイバを挟持するタイプのメカニカルスプライス2において、キャップ21を本体22に向けて押し込むことで一対の調心部材を閉じるものを説明している(図1参照)が、本発明に使用できるメカニカルスプライスはこれに限られない。例えば、一対の調心部材が、断面形状が略C字形の板ばね部材で挟持されるメカニカルスプライスも使用可能である。このタイプのメカニカルスプライスを使用する場合、レバー13の当接面132側に、メカニカルスプライスの調心部材間に差し込まれて両部材間にファイバが挿入する隙間を設ける楔状部材(図示せず)を配置することができる。ファイバ挿入時にはレバーを回動させてその楔状部材をメカニカルスプライスに差込み、両方の心線を挿入した後にレバーをスプライスから離れる方向に回動させて楔状部材を抜き取り、心線を固定する。メカニカルスプライスでの接続完了後は、楔状部材をレバーから取り外すか折り曲げることにより、レバーを図6に示す状態に配置することができる。
次にクリップ14bを用いてケーブル3bを固定するのであるが、その前にケーブル3bを後退させて心線31bの撓みを除去する。通常は、撓みが有する反力により、作業者がケーブルから手を離せば自動的にケーブルが後退して撓みが解除される。その状態から、図7に示すように、ヒンジ141bによってベース11に枢着されたクリップ担持部材14bを回動させ、クリップ14bの把持部(一対の鋸状歯)143bがドロップケーブル3bの外被33bを把持するようにする。これにより、ケーブル3bがベース11に対して固定される。
最後に、図8に示すようにカバー12がベース11と協働して略箱状の閉鎖体を形成するように、カバー12をベース11に取り付け、ドロップケーブルの接続作業が完了する。ここで図7に示すように、ベース11の外周部分の適当な箇所にラッチ(図示例ではラッチ117a、117bの2つ)を設けておき、一方ラッチに対応するカバー12の位置にラッチ係合孔(図示例ではラッチ係合孔)121a、121bを設けておくことにより、組立完了後にベース11とカバー12とが分離することが防止される。もちろん、カバーにラッチを設け、ベースにラッチ係合孔を設ける構造としてもよい。
またカバー12とベース11との嵌合部には、必要に応じてパッキン等の防水手段を施すことが可能である。また、それに加え、又はそれの替わりに、閉鎖体全体に防水手段、例えばビニールテープ等の防水用テープや防水用チューブを施すことで防水を図ってもよい。
ここで、カバー12の内側(ベースに向かう側)には、カバー12をベース11に取り付けたときにクリップ14a、14bをケーブル長手方向について中央側(メカニカルスプライス設置部側)に押出すように構成された押出し部材が設けられており、カバーによる閉鎖操作と実質同時にケーブルの心線に所定の撓みを持たせることができる。以下、その点について詳細に説明する。なお後述するように、図示例での押出し部材は突状物であるが、これに限定されるものではない。
図9(a)〜(e)は、図7及び図8の操作を、ドロップケーブル3b周りにおける接続構造体のケーブル軸方向断面にて示す図である。先ず図9(a)に示すように、クリップ14bがドロップケーブル3bをベース11に対して固定していない状態では、ケーブル3bの外被33bの端面はストッパ115bには当接しておらず、外被33bの端面とストッパ115bとの間に僅かな隙間が存在している。
この状態から、図9(b)及び図7に示すように、クリップ14bをベース11に向けて押し込んでケーブル3bの外被33bを把持する。ここで、クリップ14bのメカニカルスプライス側に面する端面は、クリップ14bの押し込み方向について段差を有しており、詳細には押し込み側(図9では下方側)がやや高い凸部分144b、押し込み側と反対側(図9では上方側)が凸部分144bよりいくらか低い凹部分145bとなっている。一方、ストッパ115bのメカニカルスプライスと反対側の端面は、クリップ14bの押し込み方向について段差を有しており、詳細には押し込み側(図9では下方側)がやや低い凹部分1151b、押し込み側と反対側(図9では上方側)が凹部分1151bよりいくらか高い凸部分1152bとなっている(図9(a))。すなわちクリップ14bのメカニカルスプライス側に面する端面と、ストッパ115bのメカニカルスプライスと反対側の端面は、互いに相補形状を有する。
このような構成によれば、図9(b)に示すように、クリップ14bをベース11に押し込んでいる間はクリップ14bの凸部分144bとストッパ115bの凸部分1152bとが当接し、クリップ14bが所定位置まで押し込まれたときは、図9(c)に示すように、クリップ14bの凹部分145b及びストッパ115bの凸部分1152bが互いに対向し、かつクリップ14bの凸部分144b及びストッパ115bの凹部分1151bが互いに対向している。さらに、図9(c)の部分拡大図である図10に示すように、これらの対向する凹部分と凸部分とは僅かに離間して隙間d(例えばd=0.1〜0.5mm)が形成されている。
次に図9(d)に示すように、上述のカバー12をベース11の上方に配置し、図9(e)及びその部分拡大図11に示すように、カバー12をベース11に取り付けて閉鎖体を完成させる(図8参照)。ここで、図9(d)に示すように、カバー12の内面には、カバー12をベース11に取り付けたときにクリップ14bをケーブル長手方向についてメカニカルスプライス設置部側に押出すように構成された突状物(押出し部材)122bが設けられている。詳細には、突状物122bは、カバー12をベース11に取り付けたときに、クリップ14bの上面に設けられた斜面又は丸み部分146bに当接する斜面又は丸み部分として構成される。換言すれば、カバー12の突状物122bとクリップ14bの斜面又は丸み部分146bは協働して、クリップ14bをケーブル軸方向に沿ってメカニカルスプライス側に付勢する付勢力を生じさせる。本実施形態では、クリップ14bをベース11に連結するヒンジ141bがケーブル軸方向について短い寸法を有する部材から構成されているので、クリップ14bは上記付勢力によってメカニカルスプライス側に変位することができる。
一方、上述のようにクリップ14bのメカニカルスプライス側において、クリップ14bとストッパ115bとは僅かに離間しているので、閉鎖体が完成したとき(図9(e))に、ケーブル3bを把持しているクリップ14bがメカニカルスプライス側にその離間距離だけ変位する。これにより、ケーブル3bの心線31bに、接続構造体の温度環境の変化等を考慮しかつ光損失が無視できる程度の撓みが生じ、その状態で接続作業が完成する。従って、カバーによる閉鎖操作と略同時にケーブルの心線に所定の撓みを持たせることができるとともに、作業完了後に作業者が当該撓みを意図的に解除してしまうこともない。所定の撓み量は、ケーブルの心線の線膨張率、ベースを構成する材料の線膨張率、メカニカルスプライスにおける心線の固定位置とクリップとの間の距離、及び本接続構造体が使用される温度範囲等から計算され得る、光ファイバに張力が発生する方向でのベースと光ファイバとの変位量の差に相当する長さ以上にケーブルを前進させることによって形成される。またその撓み量は、ファイバが撓んだことによって、許容できない程度の過剰な光学損失(例えば0.2dB)を生じない程度の撓みである。
なお図9の実施形態ではクリップ14bのメカニカルスプライス側と反対側の端面近傍に斜面又は丸み部分146bを設けているが、クリップの他の部分に設けてもよく、その場合カバー12の突状物はその斜面又は丸み部分に応じた位置に設けられる。またクリップ側に突起を設け、カバーの内面にクリップ側突起に当接可能な突起又は孔を設けてもよい。
クリップ14a及びカバー12のクリップ14a近傍の構成についても、図9を用いて説明したものと同様でよいので、詳細な説明は省略する(図12の突状物122a′を参照)。従って本発明によれば、いずれのケーブルの心線も所定の撓みを有した状態で、接続構造体の組立を完了することができる。ケーブル3aの外被33aの端面がストッパ115aと当接して配置されている場合でも、外被の端面は一般に平坦ではなく凹凸を有するため、その凹凸がストッパ115aと当接して変形する。従ってケーブル3aは、その外被33aの端面とストッパ115aとが離間している場合と同様に、本実施形態で必要な程度はさらに前進することができる。なおメカニカルスプライスで心線が固定されたときに既に心線31aが所定の撓みを有している場合は、クリップ14aをメカニカルスプライス側に前進させる必要はない。
図12は、本発明に係る接続構造体の第2の実施形態を示す。第2の実施形態に係る接続構造体1′が有するベース11′及びカバー12′は、それぞれ上述の第1の実施形態に係る接続構造体1のベース11及びカバー12と同様の構成を有するが、ベース11′及びカバー12′がヒンジ(図示例ではヒンジ118a′及び118b′)を介して互いに接続され、カバー12′がベース11′に対して回動可能になっている。他の主な構成要素については、対応する第1の実施形態のものに符号「′」を付して詳細な説明は省略する。第2の実施形態では、接続構造体の部品の個数を実質1つとすることができるので、部品の管理が楽になり、ベースへのカバーの取付け作業がより容易になる等の利点が得られる。
なお図12に示すように、ベース11′のストッパ115a′と心線ガイド113a′との間、及びストッパ115b′と心線ガイド113b′との間に接続構造体組立時に対向するカバー12′の内面の位置に、水切り板123a′及び123b′を設けることができる。水切り板123a′及び123b′は、組立時にドロップケーブルの心線(図示せず)の軸方向に直交する方向に延びるスリット124a′及び124b′をそれぞれ有し、また各スリットの幅は心線の直径より僅かに大きくなっている。このような構成は、接続構造体のケーブル軸方向両端から雨水等が進入した場合に、ケーブルの心線に沿って進入した該雨水等の少なくとも一部は水切り板に沿って流れるので、メカニカルスプライスが配置されている区画内に入る雨水等を減少させることができる。
本発明に係る接続構造体の第1の実施形態を示す斜視図である。 接続構造体により接続可能なドロップケーブルの構成を示す図である。 図1の接続構造体に第1のドロップケーブルを配置した状態を示す図である。 第1のドロップケーブルをクリップでベースに固定した状態を示す図である。 接続構造体に第2のドロップケーブルを配置した状態を示す図である。 接続構造体のメカニカルスプライスを閉鎖した状態を示す図である。 第2のドロップケーブルをクリップでベースに固定した状態を示す図である。 カバーを閉じて接続構造体が完成した状態を示す図である。 (a)第2のドロップケーブルをクリップで固定する前の状態を示す軸方向部分断面図であり、(b)クリップをベースに向けて押し込んでいる状態を示す軸方向部分断面図であり、(c)第2のドロップケーブルをクリップでベースに固定した状態を示す軸方向部分断面図であり、(d)カバーをベースの上方に配置した状態を示す軸方向部分断面図であり、(e)カバーをベースに取り付け、クリップが変位した状態を示す軸方向部分断面図である。 図9(c)の部分拡大図である。 図9(e)の部分拡大図である。 本発明に係る接続構造体の第2の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 接続構造体
2 メカニカルスプライス
3a、3b ドロップケーブル
11 ベース
12 カバー
13 レバー
14a、14b クリップ
31a、31b 心線
33a、33b 外被
122a′、122b 突状物
123a′、123b′ 水切り板

Claims (5)

  1. 2つのケーブルが各々有する光ファイバを互いに接続するように構成されたメカニカルスプライスを収容できるメカニカルスプライス設置部を有するベースと、
    前記ケーブルを把持して前記ベースに固定するクリップと、
    前記ベースと協働して閉鎖体を構成するカバーと、
    前記閉鎖体が構成される前は前記クリップから前記メカニカルスプライス設置部側に離れて位置するように、前記ベースにかつ前記メカニカルスプライスと前記クリップとの間に配置されたストッパと、を有し、
    前記カバーは、前記ベースに取り付けられて閉鎖体を構成するときに、前記ケーブルを把持している前記クリップの少なくとも一部に当接し、該クリップを前記ケーブルの軸方向に関して前記メカニカルスプライス設置部側に押出す押出し部材を有し、前記押出し部材は、前記クリップとの当接部における前記押出し部材の、前記ケーブルの軸方向寸法に応じて前記クリップを、前記閉鎖体が構成される前の前記クリップと前記ストッパとの間の離間距離に相当する長さだけ押出し、前記ケーブルに、前記離間距離に相当する長さの撓みを生じさせた状態で前記クリップを保持する、
    接続構造体。
  2. 前記接続構造体は2つのクリップを備え、前記カバーは前記2つのクリップに当接する2つの押出し部材を備える、請求項1に記載の接続構造体。
  3. 前記押出し部材は、前記ベースに対向する前記カバーの面に設けられた丸みを持つ突状物である、請求項1又は2に記載の接続構造体。
  4. 前記クリップが前記押出し部材によって押出される長さは、温度変化によって前記メカニカルスプライスに接続された前記光ファイバに実質的に張力が生じない程度の長さである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造体。
  5. 前記クリップは、前記ベースにヒンジによって連結されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続構造体。
JP2008202290A 2008-02-29 2008-08-05 光ケーブルの接続構造体 Expired - Fee Related JP5390140B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008202290A JP5390140B2 (ja) 2008-08-05 2008-08-05 光ケーブルの接続構造体
PCT/US2009/034497 WO2009111176A1 (en) 2008-02-29 2009-02-19 Connecting structure for optical cable
TW98106570A TW200942881A (en) 2008-02-29 2009-02-27 Connecting structure for optical cable

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008202290A JP5390140B2 (ja) 2008-08-05 2008-08-05 光ケーブルの接続構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010039216A JP2010039216A (ja) 2010-02-18
JP5390140B2 true JP5390140B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=42011838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008202290A Expired - Fee Related JP5390140B2 (ja) 2008-02-29 2008-08-05 光ケーブルの接続構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5390140B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5711043B2 (ja) * 2011-05-16 2015-04-30 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光伝送路接続装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11326696A (ja) * 1998-05-08 1999-11-26 Yazaki Corp 光ファイバの接続装置
JP2005208496A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Fujikura Ltd クロージャおよびその組立方法
JP3784826B1 (ja) * 2005-09-28 2006-06-14 クロスター産業株式会社 光ファイバ接続装置
JP4964569B2 (ja) * 2006-12-01 2012-07-04 株式会社フジクラ 現場付け光コネクタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010039216A (ja) 2010-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3540096B2 (ja) 光ファイバ接続器
US8297850B2 (en) Optical connector, and method of assembling optical connector
JP4416591B2 (ja) 光コネクタ及び光ファイバ接続システム
EP2275847B1 (en) Optical connector assembling jig and optical connector assembling method
JP5497332B2 (ja) 光コネクタ
JP4832967B2 (ja) 光ファイバ接続工具及び光ファイバ接続方法
JP4969976B2 (ja) 光ファイバ心線への光コネクタ取付方法、光ファイバ心線保護チューブ及びそれに用いられる心線仮固定具
JP4191168B2 (ja) メカニカル接続型光コネクタ
JP2011034001A (ja) 光コネクタ、光コネクタ結合構造
JP5027012B2 (ja) 光ケーブルの接続構造体
JP5390140B2 (ja) 光ケーブルの接続構造体
JP2010175760A (ja) 光コネクタおよび光ファイバ心線の接合方法
JP2013015787A (ja) 光コネクタおよびその組立方法
CN107615122B (zh) 光纤保持构件以及熔接机
JP5325955B2 (ja) 光ファイバ接続用ユニット、光ファイバ接続装置および光ファイバの接続方法
JP4233284B2 (ja) 光ファイバ接続部材
JP4646263B1 (ja) 光コネクタ用取付補助具及び光コネクタ
JP2005128139A (ja) 光ファイバ接続器
JP4593660B2 (ja) 光コネクタ組立工具
JP2008256866A (ja) メカニカルスプライス及びメカニカルスプライスの組立方法
JP2013003222A (ja) 光コネクタ
JP4192750B2 (ja) 光ファイバ接続部材および光ファイバ接続方法
JP3778995B2 (ja) 光ファイバ調心構造
JP5871840B2 (ja) 光ファイバ接続工具および光ファイバの接続方法
JP5180243B2 (ja) 光ファイバ接続器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120523

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120822

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120827

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130527

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131010

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371