JP4259064B2 - 回転軸支持機構 - Google Patents

回転軸支持機構 Download PDF

Info

Publication number
JP4259064B2
JP4259064B2 JP2002225758A JP2002225758A JP4259064B2 JP 4259064 B2 JP4259064 B2 JP 4259064B2 JP 2002225758 A JP2002225758 A JP 2002225758A JP 2002225758 A JP2002225758 A JP 2002225758A JP 4259064 B2 JP4259064 B2 JP 4259064B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
casing member
circlip
mounting recess
engaging groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002225758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004068850A (ja
Inventor
誠一 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2002225758A priority Critical patent/JP4259064B2/ja
Publication of JP2004068850A publication Critical patent/JP2004068850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4259064B2 publication Critical patent/JP4259064B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C35/00Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers
    • F16C35/04Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers in the case of ball or roller bearings
    • F16C35/06Mounting or dismounting of ball or roller bearings; Fixing them onto shaft or in housing
    • F16C35/067Fixing them in a housing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/54Systems consisting of a plurality of bearings with rolling friction
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2361/00Apparatus or articles in engineering in general
    • F16C2361/61Toothed gear systems, e.g. support of pinion shafts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2380/00Electrical apparatus
    • F16C2380/26Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators
    • F16C2380/27Motor coupled with a gear, e.g. worm gears

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸支持機構に関し、更に詳細には、電気自動車用駆動装置の減速機内に配設された回転軸の回転軸支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような電気自動車用駆動装置としては図8に示すような構成が知られている。図8は電気自動車用駆動装置の組み立てが終了したときの断面図を示し、同図に示すように、、電気自動車用駆動装置90は電動モータ10と減速機20とを有し、電動モータ10の駆動軸11に繋がる入力軸30と、入力軸30に並設されたカウンタ軸40と、カウンタ軸40に並設された出力軸50と、これらの軸間を歯合する複数のギア31、43、44、46、51とを有して構成されている。入力軸30は駆動軸11にスプライン嵌合し、その両端部が一対のラジアルボールアリング60、61により回転自在に支持されている。カウンタ軸40の一方側端部はラジアルボールベアリング73により回転自在に支持され、他方側の端部はラジアルローラベアリング71により回転自在に支持されている。入力軸30には入力軸ギア31が形成され、この入力軸ギア31はカウンタ軸40にスプライン嵌合して取り付けられた第1カウンタギア43に歯合している。これらのギア31、43はギアノイズ低減のためにヘリカルギアが用いられている。このため、入力軸30及びカウンタ軸40にはスラスト荷重が作用することになる。
【0003】
その結果、入力軸30では軸の両端部に鍔部33及び段部30aを形成し、これらがラジアルボールベアリング60、61の内輪に当接するようにして、入力軸30のスラスト方向の移動を規制している。一方、カウンタ軸40では下端部がラジアルローラベアリング71によりスラスト方向の移動を許容しつつ支持されているので、カウンタ軸40の上端部側を支持するラジアルボールベアリング73によりカウンタ軸40のスラスト移動を規制するようにしている。即ち、ラジアルボールベアリング73をサークリップ(図示せず)を介して第2カウンタ軸装着凹部25に固定し、カウンタ軸40の上側端部に固定ボルト47を螺合させてこの端部をラジアルボールベアリング73の内輪に当接させ、カウンタ軸40の上側にラジアルボールベアリング73の内輪に当接可能な段部40aを形成する。このように構成することで、カウンタ軸40のスラスト方向の移動が規制されている。
【0004】
なお、カウンタ軸40の下側にはヘリカルギアである第3カウンタギア46が形成され、このギア46は差動歯車装置3に取り付けられたヘリカルギアである出力軸ギア51に歯合し、差動歯車装置3は出力軸51の回転駆動により出力軸50を回転するように構成されている。
【0005】
このように構成された電気自動車用駆動装置90を組み立てるには、駆動軸11が上方へ向けられた電動モータ10を下部モータハウジング13内に収容し、下部モータハウジング13の上部に上部モータハウジング15を載置して取り付ける。続いて、上部モータハウジング15に差動歯車装置3、カウンタ軸40及び入力軸30を回転可能に取り付ける。このとき、カウンタ軸40の下側端部をラジアルローラベアリング71に嵌合させ、カウンタ軸40の上側端部にラジアルボールベアリング73を嵌挿させるとともに、固定ボルト47を螺合させる。続いて、上部モータハウジング15に取り付けられた差動歯車装置3、カウンタ軸40及び入力軸30の上方から減速機上部ハウジング21を下方へ移動させて、これらを減速機上部ハウジング21のそれぞれの部位に嵌合させる。
【0006】
ここで、減速機上部ハウジング21の第2カウンタ軸装着凹部25に形成された凹部側サークリップ係合溝74にはサークリップ(図示せず)がサークリッププライヤー(以下、単に「プライヤー」と記す。)により拡開された状態で収容されて待機している。続いて、第2カウンタ軸装着凹部25にラジアルボールベアリング73を嵌挿させて、サークリップの内側にラジアルボールベアリング73の外周面を移動させ、拡開状態にあるサークリップを解放させてサークリップをラジアルボールベアリング73の外周面に当接させる。続いて、上部モータハウジング15の端面に突設されたノックピン全体が減速機上部ハウジング21の端面に形成された位置決め穴に完全に嵌合されて、減速機上部ハウジング21の端面が上部モータハウジング15の端面に密着して取り付けられるように減速機上部ハウジング21を叩いてこれを下方へ移動させる。減速機上部ハウジング21が下方へ移動すると、ラジアルボールベアリング73の外周面に当接しているサークリップはラジアルボールベアリング73の外周面上を下方へ摺接しながら移動し、サークリップの上下位置がラジアルボールベアリング73に形成されたベアリング側サークリップ係合溝76の上下位置と略同じ位置にきたところで、サークリップが解放されベアリング側サークリップ係合溝76と凹部側サークリップ係合溝74の両方の係合溝に収められ、ラジアルボールベアリング73が減速機上部ハウジング21に固定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、減速機上部ハウジングを組み立てる作業時において、カウンタ軸の他端側端部(下端部)を支持するラジアルローラベアリングはカウンタ軸のスラスト方向の移動を規制できないので、ラジアルローラベアリングに嵌挿されたカウンタ軸はラジアルローラベアリング内をスラスト方向に摺動し、カウンタ軸の下端部は上部モータハウジングの上面に当接した状態になる。また、上部モータハウジングは鋳造により製造され、その上面の精度は低く設計されている。このため、カウンタ軸の下端部が上面に接触した状態で回転動すれば、カウンタ軸や上部モータハウジングが損傷する虞がある。その結果、カウンタ軸がラジアルローラベアリングに嵌合支持された状態において、カウンタ軸の下端部と上部モータハウジングの上面との間に所定の隙間が形成されるようにカウンタ軸が支持される必要がある。
【0008】
また、減速機上部ハウジングを組み立てる作業時において、カウンタ軸の下端部が上部モータハウジングの上面に当接した状態になると、カウンタ軸の一方側端部(上端部)に嵌挿されたラジアルボールベアリングの上下位置が所定位置よりも下方位置に位置することになる。また、ノックピンと位置決め穴はきつい嵌め合い状態で嵌合するように形成されているので、カウンタ軸が嵌挿されたラジアルボールベアリングが第2カウンタ軸装着凹部に嵌挿されるようにして、減速機上部ハウジングを上部モータハウジング上に載置させたときに、ノックピンの一部のみが位置決め穴に嵌合された状態になり、その結果、減速機上部ハウジングと上部モータハウジングとの合せ面間に隙間(例えば、1mm程度の隙間)が生じる。このような状態で、凹部側サークリップ係合溝に拡開状態で挿入されているサークリップを解放させると、サークリップがラジアルボールベアリングの外周面に届かないか、又はこの外周面の端部に引っかかる程度に当接する場合が生じる。この様な状態で、ノックピン全体を位置決め穴に嵌合させるように減速機上部ハウジングを叩くと、サークリップやこれが挿入された凹部側サークリップ係合溝が損傷する虞が生じる。そこで、サークリップや凹部側サークリップ係合溝の損傷を未然に防止するため、減速機上部ハウジングを叩くときにはサークリップを拡開させる操作を一緒に行なえばよいが、このような作業は作業性を極めて悪くし、作業効率を低下させるという問題が生じる。
【0009】
また、ラジアルボールベアリングが第2カウンタ軸装着凹部に嵌挿されるようにして、減速機上部ハウジングが上部モータハウジング上に載置されたときに、サークリップがラジアルボールベアリングの外周面に必ず当接するように、凹部側サークリップ係合溝の位置を第2カウンタ軸装着凹部が開口する開口部側に形成する方法があるが、第2カウンタ軸装着凹部を形成する部分の減速機上部ハウジングの肉厚が薄い場合には、凹部側サークリップ係合溝から肉厚が薄い減速機上部ハウジング側に向かって亀裂が生じて破損する虞がある。
【0010】
さらに、第1装着凹部の上方位置の上部モータハウジングに連通孔を形成し、この連通孔が第1装着凹部の底部に連通するように形成され、連通孔から第1装着凹部の底部に流入させた油をカウンタ軸を貫通する貫通孔に流入させる場合、カウンタ軸の下端部が上部モータハウジングの上面に当接した状態で組み立てられと、油の流路が遮断されてしまう。そこで、この油の流路を確保するため、第1装着凹部内に連通孔と連通する空間が形成されるように覆って取り付けられるガイド部材を設ける方法があるが、カウンタ軸が回転するとガイド部材も回転してガイド部材や第1装着凹部が損傷するという問題が生じる。
【0011】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、カウンタ軸の組み立て作業が容易であり、減速機上部ハウジングの剛性を高くし、油の流路を確保しつつガイド部材等の損傷を未然に防止することができる回転軸支持機構を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明における回転軸支持機構は、第1ケーシング部材(例えば、実施形態における上部モータハウジング15)と、これに着脱可能に取り付けられる第2ケーシング部材(例えば、実施形態における減速機上部ハウジング21)との間で回転自在に支持される回転軸(例えば、実施形態におけるカウンタ軸40)の回転軸支持機構であって、第1ケーシング部材に形成された第1装着凹部(例えば、実施形態における第1カウンタ軸装着凹部17)に嵌挿され、回転軸のスラスト方向の移動を許容しつつ回転軸の一方側端部を回転自在に支持する第1ベアリング(例えば、実施形態におけるラジアルローラベアリング71)と、第2ケーシング部材に形成された第2装着凹部(例えば、実施形態における第2カウンタ軸装着凹部25)に嵌挿可能に形成され、回転軸の他方側端部を回転自在に支持し、且つ回転軸に回転軸のスラスト方向への移動が規制された状態で取り付けられ、外周面にベアリング側サークリップ係合溝を環状に形成してなる第2ベアリング(例えば、実施形態におけるラジアルボールベアリング73)と、第2装着凹部の内周面に環状に形成された凹部側サークリップ係合溝と、第1装着凹部の底部に第1装着凹部の開口部側に突設された突出部と、第2ケーシング部材の外部から延びて第2装着凹部の少なくとも外周側の一部を切り欠くように形成されたメンテナンス挿入孔とを有し、回転軸の一方側端部が第1ベアリングに嵌挿されて突出部に突き当てられ、且つ回転軸の他方側端部に第2ベアリングが取り付けられた状態で、第2ベアリングが第2装着凹部に嵌挿されるようにして、第2ケーシング部材が第1ケーシング部材上に載置されたときに、凹部側サークリップ係合溝は、ベアリング側サークリップ係合溝と第2ベアリングの他端側端部との間の第2ベアリングの外周面により覆われるように形成されるとともに、本発明の回転軸支持機構におけるメンテナンス挿入孔は、前記凹部側サークリップ係合溝に少なくとも一部が収容されたサークリップの両端部を拡開し、前記凹部側サークリップ係合溝に前記サークリップ全体を収容させ、前記拡開状態を保持可能な工具と、前記第2ベアリングを前記メンテナンス挿入孔の開放端方向に引き出す引き出し治具との挿入を可能とする挿入孔である。
【0013】
上記構成の回転軸支持機構によれば、第1装着凹部の底部に第1装着凹部の開口部側に突出した突出部を形成し、回転軸の一方側端部を第1ベアリングに嵌挿させて突出部に突き当て、且つ回転軸の他方側端部を第2ベアリングに取り付けた状態で、第2ベアリングが第2装着凹部に嵌挿されるようにして、第2ケーシング部材を第1ケーシング部材上に載置させたときに、凹部側サークリップ係合溝は、ベアリング側サークリップ係合溝と第2ベアリングの他端側端部との間の第2ベアリングの外周面により覆われるように形成することで、ベアリング側サークリップ係合溝にサークリップを挿入させて拡開させた状態で待機させ、第2ケーシング部材を第1ケーシング部材上に載置した後に、拡開状態にあるサークリップを解放すれば、サークリップはベアリング側サークリップ係合溝と第2ベアリングの他端側端部との間の第2ベアリングの外周面に当接する。このため、第2ケーシング部材が第1ケーシング部材上に載置された後は、第2ベアリングを上方へ引き上げる引き上げ操作を行なうのみで、サークリップを凹部側サークリップ係合溝とベアリング側サークリップ係合溝の両方の係合溝に収めることができ、組み立て作業全体の作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
上記構成の回転軸支持機構において、第2ケーシング部材が第1ケーシング部材上に載置されて、第1ケーシング部材及び第2ケーシング部材のいずれか一方に設けられたノックピンが第1ケーシング部材及び第2ケーシング部材のいずれか他方に形成された位置決め穴部に嵌合され、ノックピンの嵌合状態により第1ケーシング部材及び第2ケーシング部材の接合面間に微小隙間が形成されているときに、凹部側サークリップ係合溝は、ベアリング側サークリップ係合溝と第2ベアリングの他端側端部との間の第2ベアリングの外周面により覆われるように形成されてもよい。
【0015】
上記構成の回転軸支持機構によれば、ノックピンが位置決め穴部に完全に嵌合された状態でないときは、第1ケーシング部材と第2ケーシング部材との接合面間に微小隙間が形成され、第2ケーシング部材が第1ケーシング部材上に載置されたときの凹部側サークリップ係合溝の上下位置は所定位置よりもさらに上方位置にずれることになる。そこで、このような微小隙間を考慮して凹部側サークリップ係合溝を第2装着凹部に形成すれば、第2ケーシング部材を第1ケーシング部材上に載置させたときに、ベアリング側サークリップ係合溝に収容されたサークリップをベアリング側サークリップ係合溝と第2ベアリングの他端側端部との間の第2ベアリングの外周面に当接させることができる。このため、微小隙間が形成されている場合でも、第2ケーシング部材が第1ケーシング部材上に載置された後は、第2ベアリングを上方へ引き上げる引き上げ操作を行なうのみで、サークリップを凹部側サークリップ係合溝とベアリング側サークリップ係合溝の両方の係合溝に収めることができ、組み立て作業全体の作業効率の向上を図ることができる。
【0016】
また、上記構成の回転軸支持機構において、回転軸は軸方向に延びる貫通孔を有して水平方向に延びるように配置され、回転軸の外周面に開口して貫通孔に連通する供給孔を回転軸に形成し、第1ケーシング部材に第1装着凹部よりも上方位置の第1ケーシング部材の外面に開口して第1装着凹部内に連通する連通孔を形成し、第1装着凹部に連通孔と連通する空間が形成されるように覆って取り付けられて、連通孔から空間に流入した油を貫通孔に流入させる流入孔が形成されたガイド部材を有し、ガイド部材が突出部に係合して回転動が規制されるようにしてもよい。
【0017】
このとき、ガイド部材の所定の位置に、潤滑油供給孔を設ける必要がある場合、突出部を位置決めピンとして利用することにより、作業者は、その組付け方向を意識することなく容易に組付けることができる。また、連通孔に流入した油はガイド部材に仕切られた空間を流れて貫通孔に流し、貫通孔に流入した油は回転軸に形成された供給孔に流入して回転軸の外部に吐出する。このため、回転軸の外側に軸受けや歯車等が配設される場合には、これらに油を供給することが可能となり、軸受けや歯車の損傷を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。本発明に係る回転軸支持機構を有して構成される電気自動車用駆動装置を図1に示している。同図に示すように、電気自動車用駆動装置1は電動モータ10と減速機20とを有して構成されている。電動モータ10は左側端部の中央部から左側に突出して回転自在な駆動軸11を有し、左側端部が開口して右側に延びる有底容器状の下部モータハウジング13内に収容されている。下部モータハウジング13の左側端部には上部モータハウジング15が着脱可能に取り付けられ、駆動軸11は上部モータハウジング15の中央部を貫通した状態で設置されている。
【0019】
減速機20は、上部モータハウジング15と、この左側端部に着脱可能に取り付けられた減速機上部ハウジング21と、これらハウジン15、21間に形成された空間部23内に配置された入力軸30、入力軸30に並設されたカウンタ軸40、カウンタ軸40に並設された出力軸50及びこれらの軸30、40、50に設けられた複数のギアとを有して構成されている。ギアの詳細については後述する。
【0020】
上部モータハウジング15の上部には駆動軸11の軸線と略同軸上に配置された第1入力軸装着凹部16が形成され、この第1入力軸装着凹部16にラジアルボールベアリング60が電動モータ10側への移動が規制されるように嵌挿されている。このラジアルボールベアリング60に駆動軸11の先端部が嵌合し、中空状に形成された駆動軸11の先端内部に入力軸30の右側端部がスプライン嵌合している。入力軸30は空間部23内を水平方向に延び、その左側端部は減速機上部ハウジング21の上部内側に形成された第2入力軸装着凹部24に嵌挿されたラジアルボールベアリング61に嵌合し、このラジアルボールベアリング61は入力軸30の先端部側への移動が規制されるように第2入力軸装着凹部24に嵌挿されている。
【0021】
水平方向に延びる入力軸30の中間部左側には左右方向に延びる入力軸ギア31が形成され、この入力軸ギア31はギアノイズを低減させるためヘリカルギアとして形成されている。入力軸ギア31の左側端部には段部30aが形成され、入力軸30の中間部右側には外側へ突出する環状の鍔部33が形成されている。入力軸ギア31の左側端部に嵌合するラジアルボールベアリング61と入力軸ギア31の段部30aとの間の入力軸30には環状のリング34が嵌合している。鍔部33の右側端面はラジアルボールベアリング60の内輪60aの左側端部に近接した位置に配置されている。このため、入力軸30はそのスラスト方向に力が作用しても段部30a及び鍔部33によりスラスト移動が規制される。入力軸30の下方には前述したカウンタ軸40が配設されている。
【0022】
次に、このカウンタ軸40を回転自在に支持する回転軸支持機構について説明する。回転軸支持機構70は、第1入力軸装着凹部16より下方に延びる上部モータハウジング15に形成された第1カウンタ軸装着凹部17に嵌合されたラジアルローラベアリング71と、第2入力軸装着凹部24よりも下方に延びる減速機上部ハウジング21に形成された第2カウンタ軸装着凹部25に嵌挿されたラジアルボールベアリング73とを有して構成されている。ラジアルローラベアリング71は、これに嵌合するカウンタ軸40のスラスト方向の移動を許容しつつカウンタ軸40の右端部を回転自在に支持している。カウンタ軸40は空間部23内を水平方向に延びて軸心方向に延びる貫通孔42を有し、左側端部がラジアルボールベアリング73に嵌挿されて回転自在に支持されている。第2カウンタ軸装着凹部25の左側端部の内周面には、図2に示すように、回転軸支持機構70の一部を構成する凹部側サークリップ係合溝74が環状に形成され、ラジアルボールベアリング73の外輪73aの左側端部外周面には回転軸支持機構70の一部を構成するベアリング側サークリップ係合溝76が環状に形成されている。これらの係合溝74、76間にサークリップ80が収容されてラジアルボールベアリング73が第2カウンタ軸装着凹部25に固定されている。
【0023】
第2カウンタ軸装着凹部25を形成する減速機上部ハウジング21には、減速機上部ハウジング21の外部からサークリップ80の拡開作業を可能とするため左右方向に延びるメンテナンス貫通孔27を有したメンテナンス突出部26が形成されている。メンテナンス貫通孔27は、図3(a)に示す第2カウンタ軸装着凹部25の上部の一部を切り欠く様に形成されている。減速機上部ハウジング21とこれが載置される上部モータハウジング15の接合面の上部モータハウジング15の接合面には、図1に示すノックピン56が取り付けられ、減速機上部ハウジング21の接合面にはノックピンが嵌合する位置決め穴部57が形成されている。
【0024】
図2に示すように、第1カウンタ軸装着凹部17の上下に延びる底面17aの上部には開口部側へ突出する突出部77が形成されている。この突出部77と凹部側サークリップ係合溝74及びベアリング側サークリップ係合溝76の位置関係は次のように構成されている。即ち、突出部77の先端部にカウンタ軸40の右側端部を突き当て、且つカウンタ軸40の左側端部にラジアルボールベアリング73が取り付けられた状態で、ラジアルボールベアリング73が第2カウンタ軸装着凹部25に嵌挿されるようにして、減速機上部ハウジング21を上部モータハウジング15上に載置させたときに、前述した図1に示すノックピン56の位置決め穴部57への嵌合状態が不完全であり、その結果、減速機上部ハウジング21と上部モータハウジング15との接合面間に微小隙間Sが形成されている状態で、凹部側サークリップ係合溝74は、ベアリング側サークリップ係合溝76とラジアルボールベアリング73の左側端部との間のラジアルボールベアリング73の外輪73aの外周面により覆われるような位置に形成されている。なお、減速機上部ハウジング21を上部モータハウジング15上に載置して電気自動車用駆動装置1を組み立てる方法については後述する。
【0025】
このように回転支持されたカウンタ軸40の中間部には左側からスプライン嵌合した第1カウンタギア43及び第2カウンタギア44が取り付けられている。第1カウンタギア43と第2カウンタギア44との間には僅かな隙間45が形成され、第1カウンタギア43はカウンタ軸40に対してスラスト移動可能である。第1カウンタギア43及び第2カウンタギア44はヘリカルギアとして形成され、第1カウンタギア43は入力軸ギア31に歯合している。このため、入力軸30が一方側に回転すれば第1カウンタギア43と入力軸ギア31との間で水平方向左側のスラスト力が発生して、この力がカウンタ軸40を左側方向にスラスト移動させようとする。第2カウンタギア44よりも右側のカウンタ軸40には第3カウンタギア46が形成されている。この第3カウンタギア46もヘリカルギアであり、図1に示す出力軸50に繋がる出力軸ギア51と歯合するように構成されている。カウンタ軸40が他方側に回転すると、第3カウンタギア46と歯合する出力軸ギア51との間で、カウンタ軸40を右側方向に移動させようとするスラスト力が発生する。なお、カウンタ軸40に作用する右側方向のスラスト力が左側方向のそれよりも大きい場合にはカウンタ軸40は右側方向にスラスト移動しようとし、右側方向のスラスト力が左側方向のそれよりも小さい場合にはカウンタ軸40は左側方向にスラスト移動しようとする。
【0026】
このようなカウンタ軸40のスラスト移動を規制するため、カウンタ軸40の左側端部には固定ボルト47が螺合されている。この固定ボルト47は左側端部に外側に突出する環状のフランジ部47aが形成され、フランジ部47aの先端部はカウンタ軸40の左側端部から外側に突出し、フランジ部47aの先端内側とラジアルボールベアリング73との間のカウンタ軸40に嵌合されたリング48を介して、カウンタ軸40の電動モータ10側のスラスト移動が規制されている。一方、カウンタ軸40の左側端部側のスラスト移動規制は、カウンタ軸40の左側端部に形成された段部40aがラジアルボールベアリング73の内輪73bに当接することで行なわれる。
【0027】
このように回転自在に支持されたカウンタ軸40の右側端部を支持するラジアルローラベアリング71が嵌合する第1カウンタ軸装着凹部17の上部の上部モータハウジング15には、左斜め上方に延びて上端部が空間部23に開口し下端部が第1カウンタ軸装着凹部17に開口して空間部23と第1カウンタ軸装着凹部17とを連通させる連通孔18が形成されている。また、第1カウンタ軸装着凹部17内であってカウンタ軸40の右側端部と第1カウンタ軸装着凹部17の底面17aとの間には側面視において円形状のガイド部材82が取り付けられている。
【0028】
ガイド部材82は中央部にカウンタ軸40が延びる方向と同一方向に突出するガイド突出部83を形成している。ガイド部材82は連通孔18と連通する空間84が第1カウンタ軸装着凹部17内の底部に形成されるように底面17aから所定の間隙を有した位置において底面17aを覆うように配置され、ガイド部材82の周縁部はラジアルローラベアリング71の右側端部と第1カウンタ軸装着凹部17の端部との間に挟装され、ガイド突出部83はカウンタ軸40の貫通孔42に挿入されている。ガイド部材82の上部には係合孔部82bが形成され、この係合孔部82bに突出部77が係合している。このため、ガイド部材82の所定位置に設けられたローラベアリング71への潤滑油供給の孔部82aを適切な位置に組み立て上、容易に配置することができる。
【0029】
ガイド突出部83の先端部及びガイド部材82の下部には流入孔83a及び孔部82aがそれぞれ形成されている。このため、連通孔18は空間84を介して貫通孔42及びラジアルローラベアリング71のローラ部71aの周辺位置に連通している。カウンタ軸40にはスプライン嵌合する第1カウンタギア43の下方に開口して貫通孔42に連通する供給孔40bが形成されている。また、突出部77が、カウンタ軸40の右端部と当接することで、組み立て作業時にガイド部材82に打撃を与えて損傷させることがない。突出部77は、組立性の向上と部品の保護を兼ねている。
【0030】
このため、減速機20内に貯留する油Aが第1カウンタギア43等の回転動により跳ね上げられて連通孔18に流入された場合、この油は空間84を流れて貫通孔42に流入する。そして、カウンタ軸40が回転すると、貫通孔42に流入した油は供給孔40bを通ってカウンタ軸40の外側に流出する。その結果、油は入力軸30の入力軸ギア31とこれに歯合する第1カウンタギア43の歯面に供給されて歯面の損傷を未然に防止することができる。また、第1カウンタギア43はカウンタ軸40にスラスト移動可能に構成されているので、カウンタ軸40が回転して第1カウンタギア43がスラスト移動することで、入力軸ギア31に歯合する第1カウンタギア43の歯面がならい、ギアノイズの低減を図ることが可能となる。
【0031】
カウンタ軸40に形成された第3カウンタギア46に歯合する出力ギア51は、図1に示すように、差動歯車装置3に取り付けられている。差動歯車装置3は出力ギア51が回転動すると左右方向に延びる一対の出力軸50を回転動させるように構成されている。
【0032】
次に、このように構成された電気自動車用駆動装置1を組み立てる組み立て方法について説明する。先ず、図4に示すように、駆動軸11が上方へ向けられた電動モータ10を下部モータハウジング13内に収容し、下部モータハウジング13の上部に上部モータハウジング15を載置して取り付ける。このとき、上部モータハウジング15の第1入力軸装着凹部16にはラジアルボールベアリング60が取り付けられ、第1カウンタ軸装着凹部17にはガイド部材82及びラジアルローラベアリング71が取り付けられており、下部モータハウジング13に上部モータハウジング15が取り付けられると、駆動軸11の先端部はラジアルボールベアリング60に嵌合された状態になる。
【0033】
続いて、図5に示すように、上部モータハウジング15に差動歯車装置3、カウンタ軸40及び入力軸30の順番でこれらを取り付ける。さらに詳細には、出力軸50が上下方向に延び、出力ギア51が上部モータハウジング15内に収容されるように差動歯車装置3を上部モータハウジング15に取り付ける。次に、カウンタ軸40に第1カウンタギア43及び第2カウンタギア44を取り付け、カウンタ軸40の端部にラジアルボールベアリング73及びリング48を装着するとともに固定ボルト47を螺合して、ラジアルボールベアリング73がカウンタ軸40に固定された状態にし、カウンタ軸40の下端部が突出部77に突き当たるまで、カウンタ軸40の下端部をラジアルローラベアリング71に嵌挿させる。このとき、第3カウンタギア46は出力ギア51に歯合した状態になる。次に、入力軸30の端部をラジアルボールベアリング60に挿入して鍔部33をラジアルボールベアリング60の端部に当接させる。このとき、入力軸ギア31は第1カウンタギア43に歯合した状態になる。
【0034】
続いて、図6に示すように、上部モータハウジング15に取り付けられた差動歯車装置3、カウンタ軸40及び入力軸30の上方から減速機上部ハウジング21を下方へ移動させる。このとき、減速機上部ハウジング21の第2入力軸装着凹部24にはラジアルボールベアリング61が嵌合され、凹部側サークリップ係合溝74には解放状態のサークリップ80が挿入されている。サークリップ80は解放された状態ではその外側周縁部が図3(a)に示す凹部側サークリップ係合溝74内に収容され、サークリップ80の内側周縁部が凹部側サークリップ係合溝74から内側に突出した状態になっている。このような状態で、減速機上部ハウジング21を下方へ移動させて第2カウンタ軸装着凹部25にラジアルボールベアリング73を嵌合させると、サークリップ80がラジアルボールベアリング73に当接して、サークリップ80をベアリング側サークリップ係合溝76と凹部側サークリップ係合溝74の両方の係合溝に収容させることができない。
【0035】
そこで、図3(b)に示すように、メンテナンス挿入孔27から図示しないプライヤーを挿入し、このプライヤーによりサークリップ80の両端部を拡開させて、サークリップ全体を凹部側サークリップ係合溝74内に収容させた状態にする。そして、サークリップ80を拡開させたままの状態に維持させながら、図6に示す減速機上部ハウジング21を下方へ移動させて、入力軸30の端部をラジアルボールベアリング60に嵌合させ、且つラジアルボールベアリング73を第2カウンタ軸装着凹部25に嵌合させて、上部モータハウジング15上に減速機上部ハウジング21を載置させた状態にする。このときに、図1に示す減速機上部ハウジング21と上部モータハウジング15との接合面間に微小隙間S(例えば1〜1.5mmの隙間)が形成される場合でも、図7に示すように、前述した凹部側サークリップ係合溝74はベアリング側サークリップ係合溝76とラジアルボールベアリング73の上端部との間のラジアルボールベアリング73の外輪73aの外周面により覆われる位置にくる。このため、サークリップ80はベアリング側サークリップ係合溝76とラジアルボールベアリング73の減速機上部ハウジング21側の端部との間のラジアルボールベアリング73の外周面に当接することになる。
【0036】
その結果、プライヤーによるサークリップ80の拡開操作を解除してもサークリップ80がラジアルボールベアリング73から外れることはない。ここで、図1に示す上部モータハウジング15上に減速機上部ハウジング21を載置させた状態では、カウンタ軸40の下端部はラジアルローラベアリングを嵌挿して第1カウンタ軸装着凹部17の底面17aに当接した状態になっている。このため、ベアリング側サークリップ係合溝76の上下位置は所定位置よりも下方位置に位置することになる。そこで、ベアリング引き上げ治具87をメンテナンス挿入孔27から挿入し、この治具によりベアリング側サークリップ係合溝76の上下位置が凹部側サークリップ係合溝74のそれと略同位置になるようにラジアルボールベアリング73を引き上げ、サークリップ80を凹部側サークリップ係合溝74とベアリング側サークリップ係合溝76の両方の係合溝に収容させる。その結果、ラジアルボールベアリング73が減速機上部ハウジング21に固定される。また、カウンタ軸40の下端部と第1カウンタ軸装着凹部17の底面17aとの間に所定の隙間が形成され、カウンタ軸40は底面17aと非接触状態になる。
【0037】
このように、図1に示す上部モータハウジング15上に減速機上部ハウジング21を載置させた状態にすれば、サークリップ80はラジアルボールベアリング73の外周面に必ず当接す位置に移動するので、ラジアルボールベアリング73を上方へ引き上げる引き上げ作業をするだけでサークリップ80を介してラジアルボールベアリング73を減速機上部ハウジング21に固定することができる。このため、電気自動車用駆動装置1の組み立て作業全体の作業効率の向上を図ることができる。また、図2に示すように、サークリップ80が収容される凹部側サークリップ係合溝74は第2カウンタ軸装着凹部25の開口部よりも左側(図2の下側)に形成されているので、凹部側サークリップ係合溝74から開口部側の第2カウンタ軸装着凹部25の肉厚を厚くすることができる。このため、凹部側サークリップ係合溝74に収容されたサークリップ80に開口部側の力が作用しても凹部側サークリップ係合溝74から第2カウンタ軸装着凹部25に亀裂が発生する事態を未然に防止することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における回転軸支持機構によれば、第1装着凹部の底部に第1装着凹部の開口部側に突出した突出部を形成し、第2ケーシング部材の外部から延びて第2装着凹部の少なくとも外周側の一部を切り欠くように形成されたメンテナンス挿入孔を有し、回転軸の一方側端部を第1ベアリングに嵌挿させて突出部に突き当て、且つ回転軸の他方側端部を第2ベアリングに取り付けた状態で、第2ベアリングが第2装着凹部に嵌挿されるようにして、第2ケーシング部材を第1ケーシング部材上に載置させたときに、凹部側サークリップ係合溝は、ベアリング側サークリップ係合溝と第2ベアリングの他端側端部との間の第2ベアリングの外周面により覆われるように形成するとともに、メンテナンス挿入孔は、凹部側サークリップ係合溝に少なくとも一部が収容されたサークリップの両端部を拡開し、凹部側サークリップ係合溝に前記サークリップ全体を収容させ、拡開状態を保持可能な工具と、第2ベアリングをメンテナンスの開放端方向に引き出す引き出し治具との挿入を可能とする挿入孔であるように構成することで、ベアリング側サークリップ係合溝にサークリップを挿入させて拡開させた状態で待機させ、第2ケーシング部材を第1ケーシング部材上に載置した後に、拡開状態にあるサークリップを解放すれば、サークリップはベアリング側サークリップ係合溝と第2ベアリングの他端側端部との間の第2ベアリングの外周面に当接する。このため、第2ケーシング部材が第1ケーシング部材上に載置された後は、第2ベアリングを上方へ引き上げる引き上げ操作を行なうのみで、サークリップを凹部側サークリップ係合溝とベアリング側サークリップ係合溝の両方の係合溝に収めることができ、組み立て作業全体の作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転軸支持機構を有して構成される電気自動車用駆動装置の断面図である。
【図2】上記回転軸支持機構を有した減速装置の要部断面図である。
【図3】上記回転軸支持機構のサークリップによりラジアルベアリングが固定される作動を説明するための電気自動車用駆動装置の部分断面図である。
【図4】上記回転軸支持機構の組み立て作業を説明するための電気自動車用駆動装置の部分断面図である。
【図5】上記回転軸支持機構の組み立て作業を説明するための電気自動車用駆動装置の部分断面図である。
【図6】上記回転軸支持機構の組み立て作業を説明するための電気自動車用駆動装置の部分断面図である。
【図7】上記回転軸支持機構のラジアルベアリングをベアリング装着凹部に固定する作業を説明するための電気自動車用駆動装置の部分断面図である。
【図8】従来の回転軸支持機構を有して構成される電気自動車用駆動装置の断面図である。
【符号の説明】
15 上部モータハウジング(第1ケーシング部材)
17 第1カウンタ軸装着凹部(第1装着凹部)
18 連通孔
21 減速機上部ハウジング(第2ケーシング部材)
25 第2カウンタ軸装着凹部(第2装着凹部)
40 カウンタ軸(回転軸)
40b 供給孔
42 貫通孔
56 ノックピン
57 位置決め隙間
70 回転軸支持機構
71 ラジアルローラベアリング(第1ベアリング)
73 ラジアルボールベアリング(第2ベアリング)
74 凹部側サークリップ係合溝
76 ベアリング側サークリップ係合溝
77 突出部
82 ガイド部材
83a 流入孔
84 空間
A 油
S 微小隙間

Claims (3)

  1. 第1ケーシング部材と、これに着脱可能に取り付けられる第2ケーシング部材との間で回転自在に支持される回転軸の回転軸支持機構であって、
    前記第1ケーシング部材に形成された第1装着凹部に嵌挿され、前記回転軸のスラスト方向の移動を許容しつつ前記回転軸の一方側端部を回転自在に支持する第1ベアリングと、
    前記第2ケーシング部材に形成された第2装着凹部に嵌挿可能に形成され、前記回転軸の他方側端部を回転自在に支持し、且つ前記回転軸に前記回転軸のスラスト方向への移動が規制された状態で取り付けられ、外周面にベアリング側サークリップ係合溝を環状に形成してなる第2ベアリングと、
    前記第2装着凹部の内周面に環状に形成された凹部側サークリップ係合溝と、
    前記第1装着凹部の底部に前記第1装着凹部の開口部側に突設された突設部と、
    前記第2ケーシング部材の外部から延びて前記第2装着凹部の少なくとも外周側の一部を切り欠くように形成されたメンテナンス挿入孔とを有し、
    前記回転軸の前記一方側端部が前記第1ベアリングに嵌挿されて前記突出部に突き当てられ、且つ前記回転軸の前記他方側端部に前記第2ベアリングが取り付けられた状態で、
    前記第2ベアリングが前記第2装着凹部に嵌挿されるようにして、前記第2ケーシング部材が前記第1ケーシング部材上に戴置されたときに、前記凹部側サークリップ係合溝は、
    前記ベアリング側サークリップ係合溝と前記第2ベアリングの他端側端部との間の前記第2ベアリングの外周面により覆われるように形成されるとともに、
    前記メンテナンス挿入孔は、前記凹部側サークリップ係合溝に少なくとも一部が収容されたサークリップの両端部を拡開し、前記凹部側サークリップ係合溝に前記サークリップ全体を収容させ、前記拡開状態を保持可能な工具と、前記第2ベアリングを前記メンテナンス挿入孔の開放端方向に引き出す引き出し治具との挿入を可能とする挿入孔であることを特徴とする回転軸支持機構。
  2. 前記第2ケーシング部材が前記第1ケーシング部材上に載置されて、前記第1ケーシング部材及び前記第2ケーシング部材のいずれか一方に設けられたノックピンが前記第1ケーシング部材及び前記第2ケーシング部材のいずれか他方に形成された位置決め穴部に嵌合され、前記ノックピンの嵌合状態により前記第1ケーシング部材及び前記第2ケーシング部材の接合面間に微小隙間が形成されているときに、前記凹部側サークリップ係合溝は、前記ベアリング側サークリップ係合溝と前記第2ベアリングの他端側端部との間の前記第2ベアリングの外周面により覆われるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転軸支持機構。
  3. 前記回転軸は、軸方向に延びる貫通孔を有して水平方向に延びるように配置され、前記回転軸の外周面に開口して前記貫通孔に連通する供給孔を有して形成され、
    前記第1ケーシング部材には前記第1装着凹部よりも上方位置の前記第1ケーシング部材の外面に開口して前記第1装着凹部内に連通する連通孔が形成され、
    前記第1装着凹部に前記連通孔と連通する空間が形成されるように覆って取り付けられ、前記連通孔から前記空間に流入した油を前記貫通孔に流入させる流入孔が形成されたガイド部材を有し、前記ガイド部材が前記突出部に係合して回転動が規制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転軸支持機構。
JP2002225758A 2002-08-02 2002-08-02 回転軸支持機構 Expired - Fee Related JP4259064B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002225758A JP4259064B2 (ja) 2002-08-02 2002-08-02 回転軸支持機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002225758A JP4259064B2 (ja) 2002-08-02 2002-08-02 回転軸支持機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004068850A JP2004068850A (ja) 2004-03-04
JP4259064B2 true JP4259064B2 (ja) 2009-04-30

Family

ID=32013300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002225758A Expired - Fee Related JP4259064B2 (ja) 2002-08-02 2002-08-02 回転軸支持機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4259064B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104832547A (zh) * 2014-02-11 2015-08-12 格特拉格传动机构和齿轮工厂赫尔曼·哈根迈尔有限公司&两合公司 轴向紧固环、轴承布置及其生产方法

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009133376A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Aisin Ai Co Ltd 変速機
JP4998248B2 (ja) * 2007-12-20 2012-08-15 マツダ株式会社 変速機の組立方法
JP2012145207A (ja) * 2011-01-14 2012-08-02 Toyota Motor Corp 回転体の支持構造および動力伝達装置
JP5553817B2 (ja) * 2011-11-24 2014-07-16 本田技研工業株式会社 変速機の潤滑油供給構造
CN103225682A (zh) * 2013-04-08 2013-07-31 苏州绿的谐波传动科技有限公司 一种带深沟球轴承的中空型谐波减速装置
JP6129150B2 (ja) 2014-12-24 2017-05-17 アイシン精機株式会社 車両駆動装置の潤滑構造
DE102016218341A1 (de) * 2016-09-23 2018-03-29 Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeuge GmbH Einbauanordnung für Getriebesteller
JP2020186764A (ja) * 2019-05-14 2020-11-19 スズキ株式会社 車両用駆動装置
KR102525195B1 (ko) * 2021-08-30 2023-04-25 주식회사 네오오토 스냅링 회전 방지 구조를 구비하는 변속기

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104832547A (zh) * 2014-02-11 2015-08-12 格特拉格传动机构和齿轮工厂赫尔曼·哈根迈尔有限公司&两合公司 轴向紧固环、轴承布置及其生产方法
CN104832547B (zh) * 2014-02-11 2018-01-09 格特拉格传动机构和齿轮工厂赫尔曼·哈根迈尔有限公司&两合公司 轴承装置及形成轴承装置的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004068850A (ja) 2004-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4259064B2 (ja) 回転軸支持機構
EP1848607B1 (fr) Dispositif d'accouplement entre le rotor d'une machine electrique tournante reversible et l'arbre primaire de la boite de vitesses d'un moteur thermique de vehicule automobile
EP2990678A1 (fr) Dispositif d'embrayage pour un véhicule automobile
JP4183937B2 (ja) スタータ
JP4803871B2 (ja) 差動ケースの潤滑構造とその加工方法
JP2019213414A (ja) ロータ組付装置、及びロータ組付方法
JP6849511B2 (ja) 電動機の軸受交換方法
KR100740704B1 (ko) 모터 조립체
JP6975671B2 (ja) 差動装置
JP2004090181A (ja) 差動装置のデフケースの製造方法
JP2010151155A (ja) アイドラギヤ支持構造
JP4948844B2 (ja) 回転工具タレット
JP2011089650A (ja) ディファレンシャル装置
KR101505414B1 (ko) 감속기 엔드커버
JP2009216154A (ja) デファレンシャル装置、そのデフ・ケース、及びデフ・ケースの加工方法
JP5051040B2 (ja) ディファレンシャル装置
JP4427437B2 (ja) 回転工具
JP2007100821A (ja) クラッチ付き減速装置
JP3688867B2 (ja) ギヤポンプの組み付け装置
JP2006241980A (ja) カムシャフトのエンドピースおよびカムシャフト
JP2005133740A (ja) 電磁多板クラッチ
JP2005147366A (ja) 流体継手及び流体継手の製造方法
JP2019110737A (ja) モータ締結構造
JP2009162311A (ja) 軸受部材の分割構造
JP7067423B2 (ja) モータビルトイン方式のスピンドル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071005

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080530

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20080709

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080718

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090113

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

RD15 Notification of revocation of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7435

Effective date: 20090114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090202

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees