JP4254469B2 - 光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置 - Google Patents

光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、波長が異なる第1,第2レーザー光を用いて基板厚さが異なる第1,第2光記録媒体を選択的に記録又は再生する際に、開口数(NA)が0.75以上である一つの対物レンズと、この対物レンズを用いた時に第1,第2光記録媒体の基板厚さの異なりによって生じる球面収差を補正するための収差補正素子とを少なくとも備えた光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置に関するものである。
一般的に、円盤状の光ディスクやカード状の光カードなどの光記録媒体は、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
この種の光記録媒体となる光ディスクとして例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販されているが、最近になって光ディスクに対してより一層高密度化を図るために、CD,DVDよりも情報信号を超高密度に記録又は再生できる超高密度光ディスク(Blu−ray Disc)の開発が盛んに行われている。
まず、上記したCDは、波長が780nm前後のレーザー光を開口数(NA)が0.45程度の対物レンズで絞って得たレーザービームを照射して、レーザービーム入射面から略1.2mm隔てた位置にある信号面上に情報信号を記録又は再生している。
また、上記したDVDは、波長が650nm前後のレーザー光を開口数(NA)が0.6程度の対物レンズで絞って得たレーザービームを照射して、レーザービーム入射面から略0.6mm隔てた位置にある信号面上に情報信号を記録又は再生している。この際、DVDの記録容量はCDよりも6〜8倍高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で4.7GB(ギガバイト)程度である。
また、上記した超高密度光ディスクは、波長が450nm以下のレーザー光を開口数(NA)が0.75以上の対物レンズで絞って得たレーザービームを照射して、レーザービーム入射面から略0.1mm隔てた位置にある信号面上に情報信号を記録又は再生できるように開発が進められている。この際、超高密度光ディスクの記録容量はディスク基板の直径が12cmの時に片面で25GB(ギガバイト)前後である。
ところで、既に市販されているCD,DVDの2種類の光ディスクに対して一つの対物レンズを共用し、波長が650nm前後のレーザー光を全て透過させてDVDを記録又は再生する一方、波長が780nm前後のレーザー光を外周部で遮蔽し且つ内周部で回折してCDを記録又は再生するための光学素子を備えた光ピックアップ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−105943号公報(第4−6頁、第1図,第10−11図)。
図27は従来の光ピックアップ装置の一例を示した構成図、
図28は図27に示した第2の光学素子を説明するための図であり、(a)はDVDを記録又は再生する場合を示し、(b)はCDを記録又は再生する場合を示した図である。
図27及び図28に示した従来の光ピックアップ装置110は、上記した特許文献1(特開2000−105943号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
図27に示した如く、従来の光ピックアップ装置110は、DVD101に対応して波長が650nmのレーザー光Laを出射する第1の半導体レーザー111と、CD102に対応して波長が780nmのレーザー光Lbを出射する第2の半導体レーザー112と、波長650nmのレーザー光Laと波長780nmのレーザー光Lbとの光軸ずれを補正する第1の光学素子113と、第1の光学素子113での位相差を補正する補正板114と、第1,第2の半導体レーザー111,112から出射した各レーザー光La,Lbを透過させ且つDVD101の信号面101a又はCD102の信号面102aで反射された各反射光を略90°方向を変えるように反射させるハーフミラー115と、波長650nmのレーザー光Laと波長780nmのレーザー光Lbとをそれぞれ平行光にするコリメーターレンズ116と、コリメーターレンズ116を通過した波長650nmのレーザー光Laを対物レンズ118に入射させる一方、コリメーターレンズ116を通過した波長780nmのレーザー光Lbを外周部で遮光し且つ内周部で回折して対物レンズ118に入射させる第2の光学素子117と、波長650nmのレーザー光Laと波長780nmのレーザー光Lbとをそれぞれ絞ってDVD101の信号面101a又はCD102の信号面102aに集光させる対物レンズ118と、DVD101又はCD102からの各反射光をs偏光成分のみのレーザー光とp偏光成分のみのレーザー光とs偏光成分とp偏光成分とが混在したレーザー光とに分離するウォラストンプリズム119と、ウォラストンプリズム119からのs偏光成分のみのレーザー光とp偏光成分のみのレーザー光とs偏光成分とp偏光成分とが混在したレーザー光とを検出する光検出器120とを備えている。
ここで、上記した各構成部材のうちでとくに第2の光学素子117は、図28(a),(b)に拡大して示した如く、外周部117aと内周部117bとから構成されている。そして、第2の光学素子117の外周部117aは、波長650nmのレーザー光Laを、そのまま全面的に透過し、波長780nmのレーザー光Lbのみを光軸の外側に回折し、対物レンズ118に入射させない機能を有している。一方、第2の光学素子117の内周部117bは、波長650nmのレーザー光Laを、そのまま全面的に透過し、波長780nmのレーザー光Lbのみを回折して対物レンズ118に入射させる機能を有している。
この際、第2の光学素子117の断面構造は、外周部117aは凹凸状パターン構造であり、内周部117bは大きくは三角形状であり、三角形の斜面に相当する部分は複数段の階段状パターン構造である。
そして、図28(a)に示した如く、一つの対物レンズ118によりDVD101を記録又は再生する場合に、波長650nmのレーザー光Laは第2の光学素子117によって何ら影響を受けることなく、そのまま透過し、対物レンズ118に入射し、対物レンズ118で絞り込まれてディスク基板厚さ0.6mmのDVD101の信号面101a上に焦点を結ぶ。
一方、図28(b)に示した如く、一つの対物レンズ118によりCD102を記録又は再生する場合に、波長780nmのレーザー光Lbのうち、第2の光学素子117の外周部117aに入射する部分は凹凸状の回折格子により光軸の外側に大きく回折され、対物レンズ118には入射しない。また、第2の光学素子117の内周部117bに入射するレーザー光Lbは三角形状の複数段の階段状パターン構造により外側に回折を受けるが、外周部117aの如く大きな回折を受けず、対物レンズ118に入射する。従って、第2の光学素子117の内周部117bにのみ入射するレーザー光Lbだけが対物レンズ118に到達し、この対物レンズ118により絞り込まれてディスク基板厚さ1.2mmのCD102の信号面102上に焦点を結ぶ。
即ち、波長780nmのレーザー光Lbは第2の光学素子117の外周部117aにより実質的に遮光され、且つ、内周部117bにより回折を受けて、対物レンズ118に入射する。この際、対物レンズ118がディスク基板厚さ0.6mmのDVD用に対応して設計されているため、波長780nmのレーザー光Lbの外周部を遮光しただけでは、厚さ1.2mmのディスク基板に入射した場合に収差が発生するので、この収差を小さくするためである。従って、波長780nmのレーザー光Lbに対して対物レンズ118の実効的開口数が0.45になるように第2の光学素子117の内周部117bの直径、回折を起こさせる三角形状の大きさが決定される。また、記録再生可能なCD−R(CD−Recordable)への信号記録を考慮した場合には、対物レンズ117の実効的開口数は0.50が適しているため第2の光学素子117の内周部117bの直径は、対物レンズ118の実効的開口数が0.45〜0.50になるように決定される旨が開示されている。
ところで、従来の光ピックアップ装置110によれば、DVD用に対応して設計した一つの対物レンズ118と、第1,第2の光学素子113,117とを用いてDVD101とCD102とを選択的に記録又は再生することが可能であるものの、従来の光ピックアップ装置110では開発途中の超高密度光ディスクに対して何等の考慮もされていないことは明白である。
一方、超高密度光ディスクの開発が進むにつれて、超高密度光ディスクとDVDとを共用して記録又は再生できる光ピックアップ装置及び光ディスク駆動装置も当然要求されるものであり、更に、超高密度光ディスクとCDとを共用して記録又は再生できる光ピックアップ装置及び光ディスク駆動装置の可能性も有り得る。
そこで、第1光記録媒体(超高密度光ディスク)に対応して開口数(NA)が0.75以上の対物レンズが必要であり、且つ、第1光記録媒体よりも記録密度が低い第2光記録媒体(DVD又はCDなどの光ディスク)も同じ対物レンズを用い、更に、第1光記録媒体用である第1レーザー光をそのまま透過させた後に対物レンズに入射させる一方、第2光記録媒体用である第2レーザー光を回折させて収差を補正した後に対物レンズに入射させる収差補正素子を新たに設計する必要があり、これらの要求を満たした光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置(光ディスク駆動装置)が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、第1光記録媒体と、前記第1光記録媒体よりも記録密度が低く且つ前記第1光記録媒体よりも基板厚さが厚い第2光記録媒体と、前記第1,第2光記録媒体の各信号面を組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを選択的に記録又は再生する光ピックアップ装置において、
前記第1光記録媒体に対応して波長が450nm以下の第1レーザー光を出射させる第1レーザー光源と、
前記第2光記録媒体に対応して前記第1レーザー光よりも波長が長い第2レーザー光を出射させる第2レーザー光源と、
第1光記録媒体用として開口数(NA)が0.75以上に設定され、且つ、互いに対向する第1,第2面のうち少なくとも一方の面が非球面に形成されて、前記第1,第2レーザー光を前記第1,第2光記録媒体の各信号面に集光させる対物レンズと、
前記第1,第2レーザー光源側に、円形状の光透過性平坦部とリング状の第2レーザー光用開口制限部とが中心部から外周部に向かって形成され、且つ、前記対物レンズ側の内周領域にn段(但し、nは3以上の自然数)の階段状回折格子パターン部が階段凹状に形成されると共にこの階段状回折格子パターン部の外側に外周平坦部が平坦に形成され、且つ、前記階段状回折格子パターン部中の階段状凹部最下段の位置から前記外周平坦部の表面までの高さが前記第1レーザー光の波長の(n−1)倍相当の光路差になるように設定されている収差補正素子とを少なくとも備え、
前記収差補正素子は、平行光の状態で入射させた前記第1レーザー光を前記光透過性平坦部及び前記第2レーザー光用開口制限部をそのまま透過させた後に、前記階段状回折格子パターン部で回折させることなく透過させて0次光を前記対物レンズに入射させ、
また、平行光の状態で入射させた前記第2レーザー光を前記第2レーザー光用開口制限部で遮蔽して前記対物レンズへの開口数を所定数に制限すると共に前記光透過性平坦部を透過させた後に、前記階段状回折格子パターン部で回折させることで前記第2レーザー光に対して球面収差を補正した1次光を前記対物レンズに入射させることを特徴とする光ピックアップ装置である。
また、第2の発明は、第1光記録媒体と、前記第1光記録媒体よりも記録密度が低く且つ前記第1光記録媒体よりも基板厚さが厚い第2光記録媒体と、前記第1,第2光記録媒体の各信号面を組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを選択的に記録又は再生する光ピックアップ装置において、
前記第1光記録媒体に対応して波長が450nm以下の第1レーザー光を出射させる第1レーザー光源と、
前記第2光記録媒体に対応して前記第1レーザー光よりも波長が長い第2レーザー光を出射させる第2レーザー光源と、
第1光記録媒体用として開口数(NA)が0.75以上に設定され、且つ、互いに対向する第1,第2面のうち少なくとも一方の面が非球面に形成されて、前記第1,第2レーザー光を前記第1,第2光記録媒体の各信号面に集光させる対物レンズと、
前記第1,第2レーザー光源側が平坦に形成され、且つ、前記対物レンズ側の内周領域にn段(但し、nは3以上の自然数)の階段状回折格子パターン部が階段凹状に形成されると共にこの階段状回折格子パターン部の外側に外周平坦部が平坦に形成され、且つ、前記階段状回折格子パターン部中の階段状凹部最下段の位置から前記外周平坦部の表面までの高さが前記第1レーザー光の波長の(n−1)倍相当の光路差になるように設定されている収差補正素子とを少なくとも備え、
前記収差補正素子は、平行光の状態で入射させた前記第1レーザー光を前記階段状回折格子パターン部で回折させることなく透過させて0次光を前記対物レンズに入射させ、
また、平行光の状態で入射させた前記第2レーザー光のうちで前記階段状回折格子パターン部内に入射した前記第2レーザー光のみを回折させることで前記第2レーザー光に対して球面収差を補正した1次光を前記対物レンズに入射させることを特徴とする光ピックアップ装置である。
また、第3の発明は、上記した第1又は第2の発明の光ピックアップ装置において、
前記階段状回折格子パターン部の一段当たりの深さが前記第1レーザー光の波長の2倍相当の光路差になるように設定されていることを特徴とする光ピックアップ装置である。
また、第4の発明は、第1光記録媒体と、前記第1光記録媒体よりも記録密度が低く且つ前記第1光記録媒体よりも基板厚さが厚い第2光記録媒体と、前記第1,第2光記録媒体の各信号面を組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを回転自在なターンテーブル上に選択的に装着して、光ピックアップ装置で前記第1光記録媒体の信号面又は前記第2光記録媒体の信号面に情報信号を記録又は再生する光記録媒体駆動装置において、
上記した第1〜第3の発明のいずれかの光ピックアップ装置を適用すると共に、前記収差補正素子と前記対物レンズとを光軸を合わせてレンズホルダ内に収納して、前記レンズホルダが前記第1,第2光記録媒体のフォーカス方向及びトラッキング方向に揺動可能に支持されていることを特徴とする光記録媒体駆動装置である。
以上詳述した本発明に係る光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置において、上記した第1の発明の光ピックアップ装置によると、第1光記録媒体を記録又は再生するために波長が450nm以下の第1レーザー光を出射する第1レーザー光源と、第1光記録媒体より記録密度が低い第2光記録媒体を記録又は再生するために第1レーザー光よりも波長が長い第2レーザー光を出射する第2レーザー光源と、第1光記録媒体用として設計した開口数(NA)が0.75以上である対物レンズと、第1,第2レーザー光源側に円形状の光透過性平坦部とリング状の第2レーザー光用開口制限部とが中心部から外周部に向かって形成され、且つ、対物レンズ側の内周領域にn段(但し、nは3以上の自然数)の階段状回折格子パターン部が階段凹状に形成されると共にこの外側に外周平坦が平坦に形成され、第1レーザー光をそのまま透過させた後に対物レンズに入射させる一方、第2レーザー光に対して対物レンズへの開口を制限し且つ第2レーザー光を第2光記録媒体に対して収差を補正するように回折させた後に対物レンズに入射させる収差補正素子とを備えているので、第1,第2光記録媒体に対してバランス性能の取れた収差補正素子を得ることができ、且つ、第1,第2光記録媒体を良好に記録又は再生できる。また、第1,第2レーザー光を平行光の状態で収差補正素子に入射させているため、第1,第2レーザー光の光軸が対物レンズの光軸に対して僅かにズレた場合でも球面収差の悪化が少なくなると共に、光ピックアップ装置を組み立てる時に光軸調整が容易となる。更に、収差補正素子に形成したn段の階段状回折格子パターン部中の階段状凹部最下段の位置から外周平坦部の表面までの高さが第1レーザー光の波長の(n−1)倍相当の光路差になるように設定されているため、第1レーザー光に対して色収差の低減を図ることができる。
また、上記した第2の発明の光ピックアップ装置によると、上記した第1の発明の効果と略同等の効果が得られる他に、とくに、収差補正素子第1,第2レーザー光源側が平坦に形成され、且つ、対物レンズ側の内周領域にn段(但し、nは3以上の自然数)の階段状回折格子パターン部が階段凹状に形成されると共にこの外側に外周平坦が平坦に形成されているために、収差補正素子の一部簡素化を図ることができ、これにより収差補正素子を安価に作製することができる。更に、収差補正素子に形成したn段の階段状回折格子パターン部中の階段状凹部最下段の位置から外周平坦部の表面までの高さが第1レーザー光の波長の(n−1)倍相当の光路差になるように設定されているため、第1レーザー光に対して色収差の低減を図ることができる。
また、上記した第3の発明の光ピックアップ装置によると、上記した第1又は第2の発明の光ピックアップ装置において、階段状回折格子パターン部の一段当たりの深さが第1レーザー光の波長の2倍相当の光路差になるように設定されているために、第1レーザー光に対して最大回折効率が得られると共に第2レーザー光に対しても良好な回折効率が得られる。
また、上記した第4の発明の光記録媒体駆動装置によると、第1光記録媒体と、第1光記録媒体よりも記録密度が低い第2光記録媒体と、第1,第2光記録媒体の各信号面を組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを光ピックアップ装置で選択的に記録又は再生するにあたって、上記した第1〜第3のいずれかの光ピックアップ装置を適用すると共に、収差補正素子と対物レンズとを光軸を合わせてレンズホルダ内に収納して、レンズホルダが第1,第2光記録媒体のフォーカス方向及びトラッキング方向に揺動可能に支持されているため、第1,第2光記録媒体に対してバランス性能の取れた収差補正素子を得ることができ、且つ、コマ収差の発生を抑えた上で第1,第2光記録媒体を良好に記録又は再生できる。
以下に本発明に係る光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置の一実施例を図1乃至図26を参照して詳細に説明する。
本発明に係る光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置は、波長が異なる第1,第2レーザー光を用いて基板厚さが異なる第1,第2光記録媒体を選択的に記録又は再生する際に、次世代光ディスク規格の第1光記録媒体(超高密度光ディスク:Blu−ray Disc)に対応して設計した一つの対物レンズと、この対物レンズを用いた時に第1,第2光記録媒体の基板厚さの異なりによって生じる球面収差を補正するための収差補正素子とを少なくとも備えたことを特徴とするものである。
図1は本発明に係る実施例1の光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置の全体構成を示した図である。
図1に示した如く、本発明に係る実施例1の光ピックアップ装置20A及びこの光ピックアップ20Aを適用した光記録媒体駆動装置(以下、光ディスク駆動装置と記す)10Aは、波長λ1が450nm以下の第1レーザー光L1により情報信号を基板厚さが薄い信号面1bに超高密度に記録又は再生する第1光記録媒体(超高密度光ディスク:Blu−ray Disc)1と、波長λ2が第1レーザー光L1の波長λ1より長く650nm前後の第2レーザー光L2により情報信号を前記した信号面1bよりも基板厚さが厚い信号面2bに高密度に記録又は再生する第2光記録媒体(DVD)2と、第1,第2レーザー光L1,L2のいずれかが入射するレーザービーム入射面を共通化し且つ第1,第2光記録媒体1,2の各信号面1b,2bを組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを選択的に適用可能に開発したものである。
尚、ここでの図示を省略するものの、第1,第2光記録媒体1,2の各信号面1b,2bを組み合わせた組み合わせ型光記録媒体は合計のディスク基板厚さが略1.2mmに形成されるものであるが、以下の説明では超高密度光ディスク1,DVD2の個々について詳述し、組み合わせ型光記録媒体の場合はその応用であるので説明を省略する。
また、以下の説明では、第1,第2光記録媒体1,2として、円盤状の光ディスクに適用した場合について説明するが、これに限ることなく、カード状の光記録媒体であっても良い。
そして、上記した第1,第2光記録媒体1,2は、光ディスク駆動装置10A内に回転自在に設けたスピンドルモータ11の軸に固着したターンテーブル12上に選択的に装着されるようになっている。
ここで、上記した第1光記録媒体となる超高密度光ディスク(Ble−ray Disc)1は、次世代光ディスク規格に基づいてレーザービーム入射面1aと信号面1bとの間のディスク基板厚さt1が略0.05mm〜0.15mmに薄く設定されて、この上に補強板1cを貼り合せて合計厚さが厚く形成されており、この合計厚さは例えば略1.2mmである。尚、以下の説明では、第1光記録媒体を超高密度光ディスク1と記す。
また、上記した第2光記録媒体となるDVD(Digital Versatile Disc)2は、DVD規格に基づいてレーザービーム入射面2aと信号面2bとの間のディスク基板厚さt2が超高密度光ディスク1よりも厚く0.6mmに設定されて、この上に補強板2cを貼り合せて合計厚さが略1.2mmに形成されている。尚、以下の説明では、第2光記録媒体をDVD2と記す。
尚、この実施例1では、超高密度光ディスク1,DVD2の各ディスク基板厚さt1,t2が、例えば0.1mm,0.6mmにそれぞれ設定されているものとする。
また、超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1a又はDVD2のレーザービーム入射面2aの下方には、本発明に係る実施例1の光ピックアップ装置20Aが超高密度光ディスク1又はDVD2の径方向に移動自在に設けられている。
上記した光ピックアップ装置20Aでは、ピックアップ筐体21内に超高密度光ディスク1に対応して波長が450nm以下の第1レーザー光L1を出射する第1レーザー光源(以下、青色半導体レーザーと記す)22と、DVD2に対応して波長が650nm前後の第2レーザー光L2を出射する第2レーザー光源(以下、赤色半導体レーザーと記す)23とが設けられている。
尚、この実施例1では、青色半導体レーザー22から出射される第1レーザー光の波長λ1は例えば405nmに設定され、一方、赤色半導体レーザー23から出射される第2レーザー光の波長λ2は例えば660nmに設定されているものとする。
まず、超高密度光ディスク1に対応して青色半導体レーザー22側について説明すると、青色半導体レーザー22から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1は直線偏光(p偏光)の発散光であり、この発散光がコリメータレンズ24で平行光となり、第1レーザー光L1の平行光が偏光ビームスプリッタ25の偏光選択性誘電体多層膜25a(p偏光:反射、s偏光:透過)で反射されて90°方向を転じ、この後、第1レーザー光L1は位相板26を透過して円偏光となる。この際、第1レーザー光用の位相板26は波長λ1=405nmの第1レーザー光L1が透過するときに(λ1)/4の位相差を与えるものである。
また、位相板26を透過した第1レーザー光L1は、ダイクロイックプリズム27のダイクロイック膜27aを透過する。この際、ダイクロイックプリズム27のダイクロイック膜27aは、青色半導体レーザー22から出射された波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対して透過させ、且つ、赤色半導体レーザー23から出射された波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対して反射させるように膜付けされている。
また、ダイクロイックプリズム27を透過した第1レーザー光L1は、立ち上げ用の平面ミラー28で90°光線方向を転じて、この後、第1レーザー光L1の平行光をレンズホルダ29内の下方部位に収納した収差補正素子30に入射して、この収差補正素子30で回折させることなく0次光をそのまま透過させた後に、更に、レンズホルダ29内の上方部位に収納した対物レンズ31に入射させ、この第1レーザー光L1を対物レンズ31で絞って得た第1レーザービームを超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aから入射させて信号面1b上に集光している。
尚、第1レーザー光L1に対する収差補正素子30の作用についての詳細は後述する。
この際、対物レンズ31は、超高密度光ディスク用として開口数が0.75以上に設定され、且つ、互いに対向する第1,第2面31a,31bのうち少なくとも一方の面が非球面に形成されているものであるが、この実施例1では開口数(NA)が0.85の単玉レンズであり、且つ、後述するように収差補正素子30側と対向する第1面31a及び各光ディスク1,2側と対向する第2面31bが共に非球面に形成されて、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対して無限共役で最適化されている。そして、第1レーザー光L1に対して球面収差が最小となる対物レンズ31と超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aとの間の距離、すなわち作動距離は0.5mm程度である。
また、レンズホルダ29内の下方部位に収納した収差補正素子30と、レンズホルダ29内の上方部位に収納した対物レンズ31とは、レンズホルダ29内で光軸を合わせて一体化することによりコマ収差の発生を抑えており、実施例1の要部となる収差補正素子30と対物レンズ31については、後で詳述する。
また、レンズホルダ29の外周にはフォーカスコイル32とトラッキングコイル33とが一体的に取り付けられ、且つ、レンズホルダ29の外周に固着させた不図示の複数本のサスペンションワイヤを介してレンズホルダ29が超高密度光ディスク1又はDVD2のフォーカス方向とトラッキング方向とに揺動可能に支持されている。
そして、フォーカスコイル32とトラッキングコイル33と不図示の永久磁石とにより、収差補正素子30と対物レンズ31とがレンズホルダ29と一体となって超高密度光ディスク1のフォーカス方向とトラッキング方向とに制御されている。尚、後述するDVD2の場合にも、収差補正素子30と対物レンズ31とがレンズホルダ29と一体となってDVD2のフォーカス方向とトラッキング方向とに制御されるものである。
この後、対物レンズ31で集光した第1レーザービームによって超高密度光ディスク1の信号面1bへの再生、記録、または消去が行われる。
更にこの後、超高密度光ディスク1の信号面1bで反射された第1レーザー光L1による戻りの第1反射光は往路と反対回りの円偏光となって対物レンズ31に再入射し、この対物レンズ31により平行光となり、収差補正素子30を通過した後に平面ミラー28で90°光線方向を転じ、ダイクロイックプリズム27のダイクロイック膜27aを透過し、位相板26を透過して往路とは偏光方向が直交した直線偏光(s偏光)となる。この際、位相板26を透過した第1反射光は往路とは偏光方向が直交した直線偏光(s偏光)であるので偏光ビームスプリッタ25の偏光選択性誘電体多層膜25aを透過し、シリンドリカルレンズ34で収束光となり、第1光検出器35に集光する。そして、第1光検出器34で超高密度光ディスク1の信号面1bを再生した時のトラッキングエラー信号,フォーカスエラー信号,メインデータ信号を検出している。
次に、DVD2に対応して赤色半導体レーザー23側について説明すると、赤色半導体レーザー23から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2は直線偏光(p偏光)の発散光であり、この発散光がDVD用集積デバイス36中のホログラム素子37を通過してコリメータレンズ39で平行光となり、この平行光が第2レーザー光用の位相板40を透過して円偏光となる。この際、第2レーザー光用の位相板40は波長λ2=660nmの第2レーザー光L2が透過するときに(λ2)/4の位相差を与えるものである。
尚、上記したDVD用集積デバイス36は、赤色半導体レーザー23と、この赤色半導体レーザー23の上方に設置したホログラム素子37と、赤色半導体レーザー23の右方に設置した第2光検出器38とを不図示の半導体基板上で一体化したものである。
また、位相板40を透過した第2レーザー光L2は、ダイクロイックプリズム27のダイクロイック膜27aで反射して90°光線方向を転じ、更に、立ち上げ用の平面ミラー28で90°光線方向を転じ、この後、第2レーザー光L2の平行光を収差補正素子30に入射して、この収差補正素子30の外周領域で対物レンズ31への開口数(NA)が0.6相当になるように開口制限させるも、内周領域で回折させた1次光によって球面収差を補正した後に、回折された1次光による拡散光が対物レンズ31に入射され、この第2レーザー光L2を対物レンズ31で絞って得た第2レーザービームをDVD2のレーザービーム入射面2aから入射させて信号面2b上に集光している。
尚、第2レーザー光L2に対する収差補正素子30の作用についての詳細は後述する。
この後、対物レンズ31で集光した第2レーザービームによってDVD2の信号面2bへの再生、記録、または消去が行われる。
更にこの後、DVD2の信号面2bで反射された第2レーザー光L2による戻りの第2反射光は往路と反対回りの円偏光となって対物レンズ31に再入射し、1次光の第2反射光が対物レンズ31により収束光となり、更に、収差補正素子30により平行光となった後に平面ミラー28で90°光線方向を転じ、ダイクロイックプリズム27のダイクロイック膜27aで反射して90°光線方向を転じ、位相板40を透過後に往路とは反対の直線偏光(s偏光)となって、コリメータレンズ39で収束光となり、ホログラム素子37によって回折し、第2光検出器38に集光する。そして、第2光検出器38でDVD2の信号面2bを再生した時のトラッキングエラー信号,フォーカスエラー信号,メインデータ信号を検出している。
この際、赤色半導体レーザー23とDVD2の信号面2bとの間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を収差補正素子30で補正しているが、この球面収差が最小となった時に、対物レンズ31とDVD2のレーザービーム入射面2aとの間の距離、すなわち作動距離は0.35mm程度である。
上記説明したように、DVD2側では無偏光光学系であるが、往路と直交した直線偏光となるので、赤色半導体レーザー23への第2反射光が与える影響はほとんどない。
ここで、実施例1の要部となる収差補正素子30と対物レンズ31について図2〜図9を用いて順に説明する。
図2(a)〜(c)は図1に示した実施例1における収差補正素子の作製方法1を説明するための工程図、
図3(a)〜(f)は図1に示した実施例1における収差補正素子の作製方法2を説明するための工程図、
図4(a)〜(e)は図1に示した実施例1における収差補正素子の作製方法3を説明するための工程図、
図5は図1に示した実施例1における収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は凹凸状回折格子パターン部の拡大図、
図6は超高密度光ディスク用として無限共役に最適化された対物レンズを用いて、超高密度光ディスク,DVDを記録又は再生する場合を拡大して示した図、
図7は図5に示した収差補正素子と、図6に示した対物レンズとにより、超高密度光ディスクを記録又は再生する場合を模式的に示した図、
図8は図5に示した収差補正素子と、図6に示した対物レンズとにより、DVDを記録又は再生する場合を模式的に示した図、
図9は凹凸状回折格子パターン部に、波長λ1,λ2の第1,第2レーザー光が入射した時の各回折効率と、凹凸状回折格子パターン部中の凹部の深さとの関係を示した図である。
ここで、実施例1の要部となる収差補正素子30は、図2(a)〜(c)に示した作製方法1、又は、図3(a)〜(f)に示した作製方法2、もしくは、図4(a)〜(e)に示した作製方法3のうちでいずれかの方法を用いて作製している。
まず、収差補正素子30の作製方法1を説明すると、図2(a)に示した露光工程では、後述する収差補正素子30の凹凸状回折格子パターン部に対応したマスクを電子線描画装置により作製し、このマスクを例えば光透過性を有する石英基板上に成膜したレジストと対向させ、マスクの上方からUV光を照射して、マスクの開口孔を通ったUV光でレジストを露光する。次に、図2(b)に示した現像工程では、UV光で露光したレジスト部位を除去して石英基板の一部を露出させると共に、石英基板上でUV光を露光していないレジスト部位を残す。次に、図2(c)に示したエッチング/レジスト除去工程では、石英基板を露出させた部位をエッチング液を用いてエッチングし、この後、石英基板上に残ったレジストを除去すると、石英基板上に凹凸状回折格子パターン部が形成され、石英基板を用いた収差補正素子30が作製される。この際、1枚の石英基板で多数個の収差補正素子30を作製できるようにマスクを予め作製し、エッチング/レジスト除去工程が終了した段階で石英基板から多数個の収差補正素子30をカッティングすれば、1枚の石英基板で多数個の収差補正素子30が作製でき、収差補正素子30のコストを抑えることができる。
次に、収差補正素子30の作製方法2を説明すると、光透過性を有する石英基板に代えて不透明なSi基板を用いて、図3(a)〜(c)までの工程は上記した図2(a)〜(c)までと同じ工程を経て、Si基板上に凹凸状回折格子パターン部を形成する。この後、図3(d)に示したスタンパ作製工程では、電鋳加工により凹凸状回折格子パターン部を反転させたニッケルスタンパを作製する。次に、図3(e)に示した転写工程では、ニッケルスタンパを用いて成形加工により溶融した透明樹脂にニッケルスタンパの凹凸状回折格子パターン部を転写する。次に、図3(f)に示したスタンパ剥離工程では、透明樹脂からニッケルスタンパを剥離すると、Si基板上に形成した凹凸状回折格子パターン部と同じ凹凸状回折格子パターン部が形成され、透明樹脂を用いた収差補正素子30を何回も繰り返し作製することができ、材料費が安価な透明樹脂を用いて収差補正素子30のコストを更に抑えることができる。
更に、収差補正素子30の作製方法3を説明すると、図4(a)に示した粗加工工程では、凹凸状回折格子パターン部を反転させた金型を作製するために、金属製の金型素材を用いており、この際、金型素材の中心軸を中心にして金型素材を矢印イ方向に回転させ、且つ、金型素材の上面側でダイヤモンド砥石を矢印ロ方向に回転させながら、ダイヤモンド砥石で凹部をリング状に研削加工する。次に、図4(b)に示した加工層形成工程では、図4(a)で研削した金型素材の凹部内にスパッタ又はメッキにより金属膜を堆積させて凹部加工層を形成する。この後、図4(c)に示した精密切削加工工程では、金型素材を矢印イ方向に回転させながら、図4(b)で形成した凹部加工層内をダイヤモンドバイトにより精密切削加工を行い、凹凸状回折格子パターンを有する金型を作製する。次に、図4(d)に示した転写工程では、溶融した透明樹脂に金型の凹凸状回折格子パターン部を転写する。次に、図4(e)に示した金型剥離工程では、透明樹脂を金型から剥離すると、金型と反対の凹凸状回折格子パターン部が形成され、透明樹脂を用いた収差補正素子30を作製することができる。この場合にも、金型を用いて収差補正素子30を何回も繰り返し作製することができるので、材料費が安価な透明樹脂を用いた収差補正素子30のコストを更に抑えることができる。
そして、この実施例1では、上記の作製方法1を適用し、硝材として図2に示した石英基板を用いずに、例えば厚さが0.925mmのBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)を用いて収差補正素子30を図5(a)〜(c)に示した形状で作製している。
即ち、図5(a),(b)に示した如く、実施例1における収差補正素子30は、光透過性を有する厚さ0.925mmのBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)を用いて、外形形状を5mm角の正方形に形成し、且つ、対物レンズ31(図1)と対向する上面30a側で中心“O”を中心にした直径φ2.43mmの内周領域内に凹凸状回折格子パターン部30a1が形成されていると共に、この凹凸状回折格子パターン部30a1の外周に隣接した外周領域は凹凸状回折格子パターン部が形成されていない平坦な上面30aとなっている。
また、図5(c)に拡大して示した如く、収差補正素子30の上面30aに凹凸状に形成した凸状回折格子パターン部30a1は、凹凸の繰り返し周期Tが内周部から外周部に向かうにつれて徐々に狭まくなるようしてリング状に複数形成されていると共に、この凹凸は後述する実施例2に対して階段構造の段数nが2段で段差数n−1を1段に設定したものと等価である。
図5(a),(b)に戻り、収差補正素子30の下面30bには、上記した凹凸状回折格子パターン部30a1と対向して光透過性平坦部30b1が中心“O”を中心にして直径φ2.43mm以内の内周領域に円形状に形成され、且つ、光透過性平坦部30b1の外周に隣接して直径φ2.43mm以上で直径φ3.8mm以下の外周領域内に第2レーザー光L2に対して対物レンズ31への開口数を0.6相当になるように制限する第2レーザー光用開口制限部30b2がダイクロイック膜を用いてリング状に成膜されている。
この際、収差補正素子30の下面30bに形成した第2レーザー光用開口制限部30b2は、波長選択性を有するダイクロイック膜により青色半導体レーザー22(図1)から出射した波長λ1=405nm±8nmの第1レーザー光L1を透過し、且つ、赤色半導体レーザー23(図1)から出射した波長λ2=660nm±10nmの第2レーザー光L2を遮蔽する特性を有している。
尚、収差補正素子30の下面30bに形成した第2レーザー光用開口制限部30b2としてダイクロイック膜を成膜せずに、これに代えて同様の性能を有し、且つ、凹凸状回折格子パターン部30a1とは凹凸寸法が異なる凹凸状の回折格子を外周領域にリング状に形成しても良い。
更に、収差補正素子30の上面30a及び下面30bに、反射率が0.5%以下の反射防止膜(図示せず)を成膜することで光透過率が98%以上になっている。
従って、収差補正素子30は、第1,第2レーザー光源22,23側の下面30bに円形状の光透過性平坦部30b1と、リング状の第2レーザー光用開口制限部30b2とを中心部から外周部に向かって順に形成し、且つ、対物レンズ31側の上面30aの内周領域に回折格子パターン部30a1を形成すると共にこの回折格子パターン部30a1の外側を平坦に形成している。
この際、収差補正素子30の硝材にBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)を用いた場合には、青色半導体レーザー22(図1)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対する屈折率N1が1.5302であり、また、赤色半導体レーザー23(図1)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対する屈折率N2は1.5142である。
また、図5(c)に拡大して示した如く、収差補正素子30の上面30aの内周領域において、段差数が1段の凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1は、青色半導体レーザー22(図1)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1の0次光に対して回折作用が発生しないように下記の数1から求めると、全く回折せずに第1レーザー光L1の0次光をそのまま透過するようになる。即ち、凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1が位相差2π(第1レーザー光L1の波長λ1相当に等しい光路差)の整数倍の時、0次回折効率が100%となる。
Figure 0004254469
上記した数1中でk1を第1レーザー光L1の0次光に対する周期係数(自然数)とすると、後述する図9中のQ線上で第1レーザー光L1の0次光に対する周期係数k1はk1=1となり、且つ、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対する収差補正素子30の屈折率N1をN1=1.5302とした時に、第1レーザー光L1の0次光に対する凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さはd1は、上記した数1から d1=0.405/(1.5302−1)μm=0.763μm となる。これにより、凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1=0.763μmは第1レーザー光L1の波長λ1相当に等しい光路差が得られる値であり、従って、凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1が第1レーザー光L1の波長λ1相当に等しい光路差になるように設定されることになる。
一方、第2レーザー光L2の1次光の対する凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さはd1’は、下記の数2から求められるが、これについては後で詳述する。
Figure 0004254469
更に、収差補正素子30の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1は、後述するように赤色半導体レーザー23(図1)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2の平行光を回折させて得た1次光を対物レンズ31(図1)を介してDVD2(図1)の信号面2b上に照射した時に、この信号面2b上での第2レーザー光L2のスポットが開口数(NA)=0.6相当になり、第2レーザー光L2の1次光の球面収差が最小となるように下記の数3に示した位相差関数Φ(x)により凹凸状回折格子パターン部30a1の中心“O”からの半径方向の距離xにおける位相差が求まり、その位相差を2値化することによって半径方向の2段の凹凸形状が決定する。
Figure 0004254469
上記した数3において、凹凸状回折格子パターン部30a1に対する位相差関数Φ(x)中の位相差関数係数A〜Aの一例を下記の表1に示す。
Figure 0004254469
次に、図6に示した如く、実施例1の要部となる対物レンズ31は、超高密度光ディスク用として設計されたものであり、硝材として例えばNBF1(HOYA製光学ガラス)を用いて、収差補正素子30と対向する第1面31a側を非球面に形成すると共に、超高密度光ディスク1又はDVD2と対向する第2面31b側も非球面に形成している。
この際、対物レンズ31の第2面31bと超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aとの間の作動距離WD1は0.5mm程度であり、また、対物レンズ31の第2面31bとDVD2のレーザービーム入射面2aとの間の作動距離WD2は0.35mm程度である。
そして、対物レンズ31の硝材にNBF1(HOYA製光学ガラス)を用いた場合には、青色半導体レーザー22(図1)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対する屈折率N3が1.768985であり、また、赤色半導体レーザー23(図1)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対する屈折率N4は1.738532である。
ここで、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1により超高密度光ディスク1を記録又は再生するように無限共役で最適に設計した対物レンズ31の仕様を下記の表2に示す。
Figure 0004254469
この表2から、青色半導体レーザー22(図1)から出射した第1レーザー光L1の設計波長λ1を例えば405nmに設定し、且つ、対物レンズ31は開口数(NA)が0.85のものを使用する。
次に、対物レンズ31の第1面31a及び第2面31bを非球面に形成する際、下記する数4の多項式を用いて非球面を表すものとする。
Figure 0004254469
上記した数4の多項式を用いた時に、対物レンズ31の第1面31aを非球面に形成するための非球面係数B〜B12の一例を下記の表3に示す。
Figure 0004254469
また、上記した数4の多項式を用いた時に、対物レンズ31の第2面31bを非球面に形成するための非球面係数B〜B10の一例を下記の表4に示す。
Figure 0004254469
更に、図5に示した収差補正素子30と、図6に示した対物レンズ31とをレンズホルダ29内に収納した時に、超高密度光ディスク1,DVD2に対する各光学面形成部材について下記の表5に示す。
Figure 0004254469
この表5から、収差補正素子30の厚さは0.925mmであり、収差補正素子30と対物レンズ31との間の空間は4.0mmである。また、対物レンズ31の第1面31aの頂点における曲率半径は1.812171mmであり、第2面31bの頂点における曲率半径は−6.507584mmであり、対物レンズ31の第1,第2面31a,31b間のレンズ厚さが3.104mmであり、対物レンズ31の超高密度光ディスク1への作動距離は0.5mmであり、対物レンズ31のDVD2への作動距離は0.35mmである。
次に、図5に示した収差補正素子30と、図6に示した対物レンズ31とをレンズホルダ29内に収納した状態で、超高密度光ディスク1,DVD2を記録又は再生する場合について図7,図8を用いて順に説明する。
まず、図7に示した如く、レンズホルダ29内に収納した収差補正素子30と対物レンズ31とにより超高密度光ディスク1を記録又は再生する場合に、対物レンズ31の第2面31bと超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aとの間で作動距離WD1が0.5mm程度に設定されている状態で青色半導体レーザー22(図1)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1をコリメータレンズ24(図1)で平行光にし、この平行光を収差補正素子30の下面30側から入射させる際、第1レーザー光L1の平行光を下面30の内周領域に円形状に形成した光透過性平坦部30b1と、この光透過性平坦部30b1の外側にダイクロイック膜を用いてリング状に成膜した第2レーザー光用開口制限部30b2とをそのまま透過させた後、更に、第1レーザー光L1の平行光を収差補正素子30の上面30aの内周領域に形成した凹凸状回折格子パターン部30a1で回折させずに0次光をそのまま透過させ、平行光のままで対物レンズ31の第1面31aに入射させている。
そして、対物レンズ31の第1,第2面31a,31bで絞った第1レーザービームを超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aから入射させてディスク基板厚さが0.1mmの信号面1b上に集光している。
この場合には、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対して収差補正素子30の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1で回折が生じないため、収差補正素子30での反射並びに吸収以外の光量損失がなく、前記したように凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1が0.763μmに形成されている場合に、0次光の回折効率は100%である。現時点では、波長λ1=405nmの青色半導体レーザー22(図1)の出力が低いため、実施例1の光ピックアップ装置20Aの各光学部品においては、光量損失が少ないことが必須となっている。
次に、図8に示した如く、レンズホルダ29内に収納した収差補正素子30と対物レンズ31とによりDVD2を記録又は再生する場合に、対物レンズ31の第2面31bとDVD2のレーザービーム入射面2aとの間で作動距離WD2が0.35mm程度に設定されている状態で赤色半導体レーザー23(図1)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2をコリメータレンズ39(図1)で平行光にし、この平行光を収差補正素子30の下面30b側から入射させる際、第1レーザー光L1の平行光を下面30bの外周領域にダイクロイック膜を用いてリング状に成膜した第2レーザー光用開口制限部30b2で遮蔽して対物レンズ31への開口数(NA)が0.6相当になるように開口制限させるも、収差補正素子30の下面30bの内周領域に円形状に形成した光透過性平坦部30b1を透過させた後、更に、第1レーザー光L1の平行光を収差補正素子30の上面30aの内周領域に形成した凹凸状回折格子パターン部30a1で回折させた1次光によって球面収差を補正して、回折させて得た1次光による拡散光を対物レンズ31の第1面31aに入射させている。
そして、対物レンズ31の第1,第2面31a,31bで絞った第2レーザービームをDVD2のレーザービーム入射面2aから入射させてディスク基板厚さが0.6mmの信号面2b上に集光している。
この場合、対物レンズ31は超高密度光ディスク用として設計されているので、赤色半導体レーザー23(図1)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対して球面収差が大きくなるものの、収差補正素子30の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1で第2レーザー光L2に対して波面補正を行うことによって球面収差を補正しているので、DVD2への記録又は再生に支障をきたさない。
上記から実施例1の光ピックアップ装置20Aでは、超高密度光ディスク用の第1レーザー光L1とDVD用の第2レーザー光L2とを平行光の状態で収差補正素子30に入射させているために、第1,第2レーザー光L1,L2の光軸が対物レンズ31の光軸に対して僅かにズレた場合でも球面収差の悪化が少なくなると共に、光ピックアップ装置20Aを組み立てる時に光軸調整が簡単となる。
ここで、レンズホルダ29内に収納した収差補正素子30と対物レンズ31とにより超高密度光ディスク1又はDVD2を選択的に記録又は再生する場合に、図5(c)に示したように収差補正素子30の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹凸の周期Tが波長に比べて十分大きく、薄い素子とみなせる時に、凹凸状回折格子パターン部30a1を透過した後のm次回折効率ηはスカラー理論を用いて、下記の数5で表される。
Figure 0004254469
この際、数5中の凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹凸の周期Tは、計算を容易にするために一定な値として計算しているものであるが、前述したように凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹凸の周期Tは内周から外周に向かうにつれて徐々に狭くなるように形成されている。
次に、図9は超高密度光ディスク用である波長λ1=405nmの第1レーザー光L1と、DVD用である波長λ2=660nmの第2レーザー光L2とを収差補正素子30の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1に入射させた時に、第1レーザー光L1の0次光の回折効率と第2レーザー光L2の1次光の回折効率とを上記した数5を用いて、算出した結果を表している。
ここで、前述したように、収差補正素子30の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1=0.763μmは、超高密度光ディスク用である波長λ1=405nmの第1レーザー光L1の0次光に対応して設計した値である。この凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1=0.763μmは、前述の数1を用いて説明したように、第1レーザー光L1の波長λ1相当に等しい光路差になるように設定されている。従って、凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1が第1レーザー光L1の波長λ1相当の光路差に等しい場合、第1レーザー光L1の0次光の回折効率は図9中のQ線上で100%となる。
一方、第1レーザー光L1の0次光に対して凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1が0.763μmである時に、DVD用である波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対する1次光の回折効率は37.1%である。
上記に対して、DVD用である波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対する1次光の回折効率が最大となる条件を求めると、図9中のP線上で凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1’が0.642μmとなり、この時に第2レーザー光L2に対する1次光の最大回折効率は40.5%である。
一方、第2レーザー光L2の1次光に対して凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1’が0.642μmである時には、超高密度光ディスク用である波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対する0次光の回折効率は77.2%となる。
上記から超高密度光ディスク1と、DVD2の両方を記録又は再生するシステムが成立するためには、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1と波長λ2=660nmの第2レーザー光L2とに対して共に収差補正素子30上での高い回折効率が得られることが望ましい。この際、DVD用となる波長λ2が660nm程度の赤色半導体レーザー23(図1)は高出力のものが量産できるようになってきているとはいうものの、少しでも高い回折効率が望ましい。一方、超高密度光ディスク用となる波長λ1が405nm程度の青色半導体レーザー22(図1)は低出力ではあるが、100%の回折効率が必須ではなく、多少の回折効率の低下は許容される。例えば、超高密度光ディスク1での回折効率は70%以上を確保しつつ、若干の犠牲を払い、DVD2で最大回折効率に近く、高い回折効率を保った、バランスの取れた設計が求められる。
上記条件を考慮すると、収差補正素子30の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1,(d1’)は、第1レーザー光L1に対して略最大回折効率が得られる深さと、第2レーザー光L2に対して略最大回折効率が得られる深さとの間(図9中のP線とQ線とに挟まれた区間)になるように設定すると、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対して回折効率が77%以上得られ、且つ、波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対して回折効率が37%以上得られる。即ち、図9中のP線とQ線とに挟まれた区間で、凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1,(d1’)を第1レーザー光L1の波長λ1相当に等しい光路差になるように設定することが望ましい。
そして、上記した凹凸状回折格子パターン部30a1を作製する時に、10nm程度の深さ誤差が生じる場合があっても、図9中のP線とQ線とに挟まれた区間(波長λ1に対して、位相差1.68πから2πの範囲)であれば、共に高い回折効率を確保できる。
更に、収差補正素子30の上面30aに形成し凹凸状回折格子パターン部30a1は、階段構造の段数が2段で段差数が1段の凹凸構造であるので、第2レーザー光L2の1次光と対称に−1次光や高次光が発生するが、第2レーザー光L2の1次光以外の回折光はDVD2の信号面2b上には結像しないので、影響はほとんどない。
また、図9において、波長λ1の第1レーザー光L1の0次光に対して凹凸状回折格子パターン部30a1の回折効率が最大となる時の凹部の深さd1qはQ線上にあるので、先に説明した数1中で第1レーザー光L1の0次光に対する周期係数k1にk=1を代入すれば、下記の数6で表される。
Figure 0004254469
一方、波長λ2の第1レーザー光L2の1次光に対して凹凸状回折格子パターン部30a1の回折効率が最大となる時の凹部の深さd1’pはP線上にあるので、先に説明した数2中で第2レーザー光L2の1次光に対する周期係数k2にk2=1を代入すれば、下記の数7で表される。
Figure 0004254469
ここで、第1レーザー光L1の波長λ1の範囲を403nm以上415nm以下とし、且つ、第2レーザー光L2の波長λ2の範囲を640nm以上660nm以下とし、この時に第1,第2レーザー光L1,L2に対して収差補正素子30の硝材の各屈折率N1,N2が下記の表6の通りである場合に、それぞれの最大回折効率が得られる凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1q,d1’pは下記の表6のように表される。
Figure 0004254469
この表6において、例えば、収差補正素子30の硝材の屈折率が第1レーザー光L1に対してN1=1.4であり、第2レーザー光L2に対してN2=1.39である時に、凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さはd1’p=0.821μm以上、d1q=1.038μm以下であれば第1レーザー光L1と第2レーザー光L2の回折効率のバランスをとることができる。図9からも明らかなように、d1q,d1’p付近では、それぞれの回折効率の変化が緩やかである。
また、第1レーザー光L1の波長λ1が403nm〜415nm、且つ、第2レーザー光L2の波長λ2が640nm〜660nmで、この時に第1,第2レーザー光L1,L2に対して収差補正素子30の硝材の各屈折率N1,N2が下記の表7の通りである場合に、d1’pとd1qの深さを最大幅で取り、その時の回折効率を下記の表7に示す。
Figure 0004254469
この表7から明らかなように、上記した波長範囲の時に、d1’pとd1qの間(波長λ1に対して位相差2πから2πより僅かに短い範囲)で収差補正素子30の凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1,(d1’)を設定することで、超高密度光ディスク1,DVD2ともに最大回折効率付近の変化が緩やかなところを使えるため、収差補正素子30は第1,第2レーザー光L1,L2に対して共に高効率でバランスの良い回折効率が得られる。即ち、収差補正素子30の凹凸状回折格子パターン部30a1は、凸部のパターンを通る光と凹部のパターンを通る光との位相差が2πもしくは2πより僅かに短くなるように設定すれば良い。
次に、実施例1の光ピックアップ装置20Aにおいて、収差補正素子30の下面30bの外周領域に形成した第2レーザー光用開口制限部30b2を削除して、一部簡素化を図った変形例の収差補正素子30’を適用した場合について、先に説明した図1と、新たな図10〜図12とを用いて説明する。
図10は実施例1における収差補正素子に対して一部簡素化を図った変形例の収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は凹凸状回折格子パターン部の拡大図、
図11は図10に示した変形例の収差補正素子と、図6に示した対物レンズとにより、超高密度光ディスクを記録又は再生する場合を模式的に示した図、
図12は図10に示した変形例の収差補正素子と、図6に示した対物レンズとにより、DVDを記録又は再生する場合を模式的に示した図である。
実施例1の光ピックアップ装置20Aにおいて、先に説明した収差補正素子30に代えて一部簡素化を図った変形例の収差補正素子30’は、図1に示したように、レンズホルダ29内の下方部位に収納されており、この収差補正素子30’の上方部位に対物レンズ31が収納されている。
即ち、図10(a),(b)に示した如く、一部簡素化を図った変形例の収差補正素子30’は、先に図5(a),(b)を用いて説明した収差補正素子30と同様に、光透過性を有する厚さ0.925mmのBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)を用いて、外形形状を5mm角の正方形に形成し、且つ、対物レンズ31(図1)と対向する上面30a側で中心“O”を中心にした直径φ2.43mmの内周領域内に凹凸状回折格子パターン部30a1が形成されていると共に、この凹凸状回折格子パターン部30a1の外周に隣接した外周領域は凹凸状回折格子パターン部が形成されていない平坦な上面30aとなっている。
また、図10(c)に拡大して示した如く、収差補正素子30’の上面30aに凹凸状に形成した凸状回折格子パターン部30a1は、凹凸の繰り返し周期Tが内周部から外周部に向かうにつれて徐々に狭まくなるようにしてリング状に複数形成されていると共に、段差数が1段の凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1は、青色半導体レーザー11(図1)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1の0次光に対して回折作用が発生しないように前記した数1から求めると、全く回折せずに第1レーザー光L1の0次光をそのまま透過するようになっている。即ち、凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1が位相差2πの整数倍の時、0次回折効率が100%となり、前記した数1中で第1レーザー光L1の0次光に対する周期係数k1をk1=1とした場合に、収差補正素子30’の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1は0.763μmとなっている。
一方、先に説明した収差補正素子30に対して異なる点を説明すると、一部簡素化を図った変形例の収差補正素子30’の下面30bは平坦に形成されているだけであり、第2レーザー光L2に対して対物レンズ31への開口数を制限するための第2レーザー光用開口制限部が成膜されていないので、一部簡素化が図られた変形例の収差補正素子30’を安価に製作できるものである。
ここで、図11に示した如く、レンズホルダ29内に収納した変形例の収差補正素子30’と対物レンズ31とにより超高密度光ディスク1を記録又は再生する場合に、対物レンズ31の第2面31bと超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aとの間で作動距離WD1が0.5mm程度に設定されている状態で青色半導体レーザー22(図1)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1をコリメータレンズ24(図1)で平行光にし、この平行光を収差補正素子30’の下面30b側から入射させて、第1レーザー光L1の平行光を上面30aの内周領域に形成した凹凸状回折格子パターン部30a1で回折させずに0次光をそのまま透過させ、平行光のままで対物レンズ31の第1面31aに入射させている。
そして、対物レンズ31の第1,第2面31a,31bで絞った第1レーザービームを超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aから入射させてディスク基板厚さが0.1mmの信号面1bに集光している。
この場合には、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対して収差補正素子30’の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1で回折が生じないため、収差補正素子30’での反射並びに吸収以外の光量損失がなく、前記したように凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1が0.763μmの場合に、0次光の回折効率は100%である。
次に、図12に示した如く、レンズホルダ29内に収納した変形例の収差補正素子30’と対物レンズ31とによりDVD2を記録又は再生する場合に、対物レンズ31の第2面31bとDVD2のレーザービーム入射面2aとの間で作動距離WD2が0.35mm程度に設定されている状態で赤色半導体レーザー23(図1)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2をコリメータレンズ39(図1)で平行光にし、この平行光を収差補正素子30’の下面30b側に入射させている。
ここで、収差補正素子30’の下面30b側に入射させた平行光のうちで上面30aの内周領域に形成した凹凸状回折格子パターン部30a1より外側でφ2.43mm以上の外周領域の平行光は凹凸状回折格子パターン部が形成されていない平坦な上面30aの外周領域をそのまま透過させているので、収差補正素子30’上での周辺部の収差は大きく、内周と外周の波面は非連続で変化し、波面の連続性が保たれなくなり、外周光はDVD2の信号面2b上でスポット形成に寄与しない。言い換えると、前述したように、収差補正素子30’の上面30aの内周領域に形成した凹凸状回折格子パターン部30a1はDVD2に対して対物レンズ31への開口数が0.6相当になるように形成されているため、第2レーザー光L2による外周の平行光は凹凸状回折格子パターン部30a1を通過しないのでDVD2に対して対物レンズ31への開口数が制限された状態でスポット形成に寄与しない。
一方、収差補正素子30’の下面30b側に入射させた平行光のうちで上面30aの内周領域に形成した凹凸状回折格子パターン部30a1より内側でφ2.43mm以内の内周領域の平行光のみを凹凸状回折格子パターン部30a1で回折させた1次光によって球面収差を補正して、回折させて得た1次光による拡散光を対物レンズ31の第1面31aに入射させている。
そして、対物レンズ31の第1,第2面31a,31bで絞った第2レーザービームをDVD2のレーザービーム入射面2aから入射させてディスク基板厚さが0.6mmの信号面2b上に集光している。
この場合、対物レンズ31は超高密度光ディスク用として設計されているので、赤色半導体レーザー23(図1)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対して球面収差が大きくなるものの、収差補正素子30’の上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1で第2レーザー光L2に対して波面補正を行うことによって球面収差を補正しているので、DVD2への記録又は再生に支障をきたさない。
そして、一部簡素化を図った変形例の収差補正素子30’を用いた場合でも、超高密度光ディスク用の第1レーザー光L1とDVD用の第2レーザー光L2とを平行光の状態で収差補正素子30’の下面30bに入射させているために、先に説明した収差補正素子30と同様に、第1,第2レーザー光L1,L2の光軸が対物レンズ31の光軸に対して僅かにズレた場合でも球面収差の悪化が少なくなると共に、光ピックアップ装置20Aを組み立てる時に光軸調整が簡単となる。
更に、一部簡素化を図った変形例の収差補正素子30’でも、上面30aに形成した凹凸状回折格子パターン部30a1中の凹部の深さd1,(d1’)を、先に図9を用いて説明したと同様に、波長λ1が405nmである第1レーザー光L1に対して略最大回折効率が得られる深さと、波長λ2が660nmである第2レーザー光L2に対して略最大回折効率が得られる深さとの間になるように設定することで、超高密度光ディスク1,DVD2を良好に記録又は再生できる。
図13は本発明に係る実施例2の光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置の全体構成を示した図、
図14(a),(b)は図13に示した位相板を拡大して示した側面図,正面図、
図15は図13に示した実施例2における収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は4段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図、
図16は実施例2における収差補正素子に対して一部簡素化を図った変形例の収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は4段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図、
図17は4段構造の階段状回折格子パターン部に、波長λ1,λ2の第1,第2レーザー光が入射した時の各回折効率と、階段状回折格子パターン部中の階段状凹部全体の深さとの関係を示した図である。
図13に示した本発明に係る実施例2の光ピックアップ装置20B及びこの光ピックアップを適用した光記録媒体駆動装置(以下、光ディスク駆動装置と記す)10Bは、先に図1を用いて説明した本発明に係る実施例1の光ピックアップ装置20A及びこの光ピックアップを適用した光ディスク駆動装置10Aに対して第1レーザー光用の位相板26と第2レーザー光用の位相板40とを削除し、これらに代えて第1,第2レーザー光共用の位相板41を立ち上げ用の平面ミラー28の上方に設置すると共に、実施例1における収差補正素子30(又は収差補正素子30’)の凹凸状回折格子パターン部30a1に代えて、収差補正素子42(又は収差補正素子42’)の内周領域に4段構造で階段状に凹ませ且つ中心“O”を中心にしてリング状に形成した階段状回折格子パターン部42a1が異なるだけであり、ここでは、実施例1と同じ構成部材に対しては同一の符号を付して図13に示し、且つ、実施例1に対して異なる構成部材に新たな符号を付して異なる点を中心にして説明する。
また、本発明に係る実施例2の光ピックアップ装置20B及びこの光ピックアップを適用した光ディスク駆動装置10Bも、実施例1と同様に、超高密度光ディスク1と、超高密度光ディスク1より記録密度が低いDVD2と、両光ディスク1,2の各信号面1b,2bを組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを選択的に適用可能に開発したものである。この際、超高密度光ディスク用に設計した対物レンズ31は、実施例1と同じ仕様であるので説明を省略する。
ここで、実施例1と異なる点を説明すると、上記した位相板41は平面ミラー28で90°光線方向を転じた後に設けることで、青色半導体レーザー22から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1と、赤色半導体レーザー23から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2とに対して共用することができ、これによって、ダイクロイックプリズム27と平面ミラー28の偏光特性の乱れを考慮する必要がなくなり、且つ、実施例1よりも位相板の個数を削減できる。但し、位相板41を平面ミラー28の後に入れるため、第1,第2レーザー光L1,L2の両波長に対応した位相特性を維持しなければならない。
この際、図14(a),(b)に示した如く、位相板41の外形形状は、5mm角の単板であり、且つ、位相差を与える有効径がφ4.5mmであり、厚さが0.583mmであり、光軸方位が45°である。また、位相板41の硝材は水晶を用いており、波長λ1の常光の屈折率no1=1.557067,異常光の屈折率ne1=1.566615、波長λ2の常光の屈折率no2=1.541772,異常光の屈折率ne2=1.550784である。そして、位相板41は、上記した厚さで且つ上記した屈折率の時に、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対して0.25λ1の位相差を与える一方、波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対して0.26λ2の位相差を与える。
従って、位相板41は波長λ1=405nmの第1レーザー光L1と、波長λ2=660nmの第2レーザー光L2とに対して、略1/4波長の位相板となる。即ち、位相板41に対して、波長λ1で直線偏光が入射したとき円偏光、波長λ2で直線偏光が入射したとき略円偏光を出射する。このような位相板41によって、偏光特性に乱れのなく且つ1個の位相板41で超高密度光ディスク1とDVD2とに共用できる光ディスク駆動装置10B(図13)が実現できる。また、位相板41が単板であるので、コストを低く抑えることができる。
次に、図15(a)〜(c)に示した如く、実施例2の要部となる収差補正素子42は、光透過性を有する厚さ0.925mmのBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)を用いて、外形形状を5mm角の正方形に形成している点が先に図5(a)〜(c)を用いて説明した実施例1の収差補正素子30と同じであるものの、対物レンズ31(図13)と対向する上面42a側で中心“O”を中心にした直径φ2.43mmの内周領域内に階段状回折格子パターン部42a1が4段の段数で上面42a対して階段凹状に凹ませ且つリング状(輪帯状)に形成されていると共に、この階段状回折格子パターン部42a1の外周に隣接した外周領域は階段状回折格子パターン部が形成されていない平坦な上面42aとなっている。
上記した収差補正素子42の階段状回折格子パターン部42a1は、ミクロ的(微視的)に見ると、階段構造の段数nが4段であるので段差数n−1は3段になっており、一方、マクロ的(巨視的)に見ると、階段状凹部の繰り返し周期Tが内周から外周に向かうにつれて徐々に狭まくなるようにリング状に複数形成されていることで多段ブレーズ(鋸歯状)状の回折格子として構成されている。
この際、4段構造で段差数が3段である階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さを求めるにあたって、階段状回折格子パターン部42a1の段数nに基づいてn値化して一般的に表現すると、下記の数8,数9で示すことができる。
即ち、階段構造の段数がn段で段差数がn−1段である階段状回折格子パターン部において、第1レーザー光L1の0次光に対する階段状回折格子パターン部中の階段状凹部全体の深さはd(n−1)は、下記の数8から求めることができる。
Figure 0004254469
一方、第2レーザー光L2の1次光に対する階段状回折格子パターン部中の階段状凹部全体の深さはd(n−1)’は、下記の数9から求めることができる。
Figure 0004254469
そして、4段構造で段差数が3段である階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さd(4−1),d(4−1)’をd3,d3’とそれぞれ表示すると、1段当たりの階段状凹部の深さは(d3)/3,(d3)’/3となり、これら1段当たりの階段状凹部の深さ(d3)/3,(d3)’/3は後述するように第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差(略位相差2πの2倍の整数倍)になるように設定されている。尚、1段当たりの階段状凹部の深さは1段当たりの段差の寸法でもある。
また、収差補正素子42の下面42bには、上記した階段状回折格子パターン部42a1と対向して光透過性平坦部42b1が中心“O”を中心にして直径φ2.43mm以内の内周領域に円形状に形成され、且つ、光透過性平坦部42b1の外周に隣接して直径φ2.43mm以上で直径φ3.8mm以下の外周領域内に第2レーザー光L2に対して対物レンズ31への開口数を0.6相当になるように制限する第2レーザー光用開口制限部42b2がダイクロイック膜を用いてリング状に成膜されている。
この際、収差補正素子42の下面42bに形成した第2レーザー光用開口制限部42b2は、波長選択性を有するダイクロイック膜により青色半導体レーザー22(図13)から出射した波長λ1=405nm±8nmの第1レーザー光L1を透過し、且つ、赤色半導体レーザー23(図13)から出射した波長λ2=660nm±10nmの第2レーザー光L2を遮蔽する特性を有している。
尚、収差補正素子42の下面42bに形成した第2レーザー光用開口制限部42b2としてダイクロイック膜を成膜せずに、これに代えて同様の性能を有し、且つ、階段状回折格子パターン部42a1とは異なる凹凸状の回折格子を外周領域にリング状に形成しても良い。
更に、収差補正素子42の上面42a及び下面42bに、反射率が0.5%以下の反射防止膜(図示せず)を成膜することで光透過率が98%以上になっている。
従って、収差補正素子42は、第1,第2レーザー光源22,23側の下面42bに円形状の光透過性平坦部42b1と、リング状の第2レーザー光用開口制限部42b2とを中心部から外周部に向かって順に形成し、且つ、対物レンズ31側の上面42aの内周領域に4段構造の階段状回折格子パターン部42a1を形成すると共にこの階段状回折格子パターン部42a1の外側を平坦に形成している。
この際、収差補正素子42の作製方法は、先に説明した図2(a)〜(c)、又は、図3(a)〜(f)、もしくは、図4(a)〜(e)のプロセス(工程)を複数回繰り返すことにより作製できる。例えば、図2又は図3の作製方法を用いて4段構造の階段状回折格子パターン部42a1を作製する場合に、プロセスを最低2回繰り返すことにより作製できる。
また、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1の階段状凹部の形状は、先に説明した数3中でxを階段状回折格子パターン部42a1の中心“O”からの半径方向の距離と変更して適用すると共に、数8,数9及び表1を適用して算出すれば良い。
また、収差補正素子42の硝材として実施例1と同様にBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)を用いた場合に、青色半導体レーザー22(図13)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対する屈折率N1は1.5302であり、赤色半導体レーザー23(図13)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対する屈折率N2は1.5142である。
そして、上記した収差補正素子42により超高密度光ディスク1を記録又は再生する場合には、実施例1で図7を用いて説明したと略同様に、青色半導体レーザー22(図13)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1をコリメータレンズ24(図13)で平行光にし、この平行光を下面42b側から入射させる際、第1レーザー光L1の平行光を下面42bの内周領域及び外周領域に形成した円形状の光透過性平坦部42b1及びリング状の第2レーザー光用開口制限部42b2をそのまま透過させた後、更に、第1レーザー光L1の平行光を上面42aの内周領域に形成した階段状回折格子パターン部42a1で回折させずに0次光をそのまま透過させ、平行光のままで対物レンズ31の第1面31aに入射させている。
一方、上記した収差補正素子42によりDVD2を記録又は再生する場合には、実施例1で図8を用いて説明したと略同様に、赤色半導体レーザー23(図13)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2をコリメータレンズ39(図13)で平行光にし、この平行光を下面42b側から入射させる際、第2レーザー光L2の平行光を下面42bの外周領域に形成したリング状の第2レーザー光用開口制限部42b2で遮蔽して対物レンズ31への開口数(NA)が0.6相当になるように開口制限させるも、下面42bの内周領域に形成した円形状の光透過性平坦部42b1を透過させた後、更に、第2レーザー光L2の平行光を上面42aの内周領域に形成した階段状回折格子パターン部42a1で回折させた1次光によって球面収差を補正して、回折させて得た1次光による拡散光を対物レンズ31の第1面31aに入射させている。
尚、実施例2においても、上記した収差補正素子42に対して一部簡素化を図って、図16(a)〜(c)に示したような収差補正素子42’を用いても良い。この収差補正素子42’は、上面42aに4段構造の階段状回折格子パターン部42a1が形成されているものの、下面42bは第2レーザー光L2に対して対物レンズ31への開口数を制限するための第2レーザー光用開口制限部が成膜されずに平坦に形成されているだけである。
従って、上記した変形例の収差補正素子42’により超高密度光ディスク1を記録又は再生する場合には、実施例1で図11を用いて説明したと略同様に、青色半導体レーザー22(図13)から出射した波長λ1=405nmの第1レーザー光L1をコリメータレンズ24(図13)で平行光にし、この平行光を下面42b側から入射させて、上面42aの内周領域に形成した階段状回折格子パターン部42a1で回折させずに0次光をそのまま透過させ、平行光のままで対物レンズ31の第1面31aに入射させている。
一方、上記した変形例の収差補正素子42’によりDVD2を記録又は再生する場合には、実施例1で図12を用いて説明したと略同様に、赤色半導体レーザー23(図13)から出射した波長λ2=660nmの第2レーザー光L2をコリメータレンズ39(図13)で平行光にし、この平行光を下面42b側から入射させている。
ここで、収差補正素子42’の下面42b側に入射させた平行光のうちで上面42aの内周領域に形成した階段状回折格子パターン部42a1より外側でφ2.43mm以上の外周領域の平行光は階段状回折格子パターン部が形成されていない平坦な上面42aの外周領域をそのまま透過させているので、収差補正素子42’上での周辺部の収差は大きく、内周と外周の波面は非連続で変化し、波面の連続性が保たれなくなり、外周光はDVD2の信号面2b上でスポット形成に寄与しない。
一方、収差補正素子42’の下面42b側に入射させた平行光のうちで上面42aの内周領域に形成した階段状回折格子パターン部42a1より内側でφ2.43mm以内の内周領域の平行光のみを階段状回折格子パターン部42a1で回折させた1次光によって球面収差を補正して、回折させて得た1次光による拡散光を対物レンズ31の第1面31aに入射させている。
尚更に、実施例2における収差補正素子42又は変形例の収差補正素子42’を、先に説明した実施例1の光ピックアップ装置20A(図1)及び光ディスク駆動装置10A(図1)に適用することも可能である。
ここで、図17は実施例2における収差補正素子42又は変形例の収差補正素子42’に、超高密度光ディスク用である波長λ1=405nmの第1レーザー光L1が入射したときのマクロな構造の0次光の回折効率と、DVD用である波長λ2=660nmの第2レーザー光L2が入射したときの1次光の回折効率とを、先に説明した数5中でTを階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部の周期と変更して、算出した結果を表している。
上記した4段構造の収差補正素子42,42’は、前述したようにマクロ的に見ると階段状回折格子パターン部42a1が多段ブレーズ状の回折格子によって構成されている。この際、回折構造を論じる場合は、どの構造に対してかを明確にしないと混乱が生じる。以下については、マクロな構造の回折次数と回折効率を論じる。
尚、4段構造で段差数が3段である階段状回折格子パターン部42a1において、1段当たりの階段状凹部の深さ(d3)/3,(d3)’/3が第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差である場合に、波長λ1の2次回折光の波面をつなげたものが平面波になるが、マクロの構造で考えると、出射波面は平行になる。以降の説明で、1段当たりの階段状凹部の深さ(d3)/3,(d3)’/3が第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の場合は、マクロ構造と考え、この2次回折光を0次回折光として表現する。
ここで、図17より、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さd3が最小であり、且つ、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1の0次光に対して100%の回折効率が得られる時に上記した階段状凹部全体の深さd3は図17中のU線上で2.289μmであり、これに伴って、1段あたりの深さ(d3)/3が0.763μmとなるので第1レーザー光L1の波長λ1相当の光路差に等しい時である。しかしながら、この時に波長λ2=660nmの第2レーザー光L2の1次光に対する回折効率が5.6%と極めて低く、階段状凹部全体の深さd3が2.289μmの前後の寸法では第2レーザー光の1次光の回折効率が低くDVD2の再生でさえ不可能である。
そこで、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1の0次光に対して100%の回折効率が得られ、且つ、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さd3がその次に深い深さは、図17中のV線上で4.578μmである。この時に、波長λ2=660nmの第2レーザー光L2の1次光の回折効率は67.1%である。実施例1と比べれば格段に波長λ2の第2レーザー光L2の1次光の回折効率が向上しているといえるが、先に説明した数5中でTを階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部の周期と変更した時に、波長λ2の第2レーザー光L2の1次光に対する最大回折効率は81.1%であるので、さらに向上の余地がある。
そして、第1レーザー光L1の0次光に対して4段構造の階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さd3が4.578μmの時には、1段当たりの階段状凹部の深さ(d3)/3が1.526μmであるので、第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差に等しい時である。この際、ミクロな構造に対しては第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の位相差であるから、2次回折光が平面波を形成して、マクロな構造の0次回折効率が100%となる。
上記に対して、DVD用である波長λ2=660nmの第2レーザー光L2に対する1次光の回折効率が略最大となる条件を求めると、図17中のW線上で4段構造の階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さd3’が4.776μmとなり、且つ、第2レーザー光L2に対する1次光の最大回折効率は80.7%である。一方、上記した深さd3’が4.776μmである時には、超高密度光ディスク用である波長λ1=405nmの第1レーザー光L1に対する0次光の回折効率は70%となる。
従って、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さd3,(d3’)を4.776μmより少し浅めに設計すると、波長λ1の第1レーザー光L1の0次光の回折効率と、波長λ2の第2レーザー光L2の1次光の回折効率のバランスが良くなる。これに伴って、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さd3,(d3’)は、第1レーザー光L1に対して略最大回折効率が得られる深さと、第2レーザー光L2に対して略最大回折効率が得られる深さとの間の区間で、且つ、波長λ1=405nmの第1レーザー光に対しての回折効率が80%以上得ら、且つ、波長λ2=660nmの第2レーザー光に対しての回折効率が67%以上得られように設定すれば良く、上記に相当する区間は図17中のV線とW線とに挟まれた区間となる。
上記から、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1はミクロ的に見た時に第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差で1段あたりの深さ(d3)/3とし、マクロに的に見た時に第2レーザー光L2の波長λ2で高効率となるように多段ブレーズに近い構造にしている。
この際、収差補正素子42,42’の階段状回折格子パターン部42a1は4段構造であるので、実施例1の2段構造のように第2レーザー光L2の1次光と−1次光とが対称にならずに−1次光の効率が低く、高次回折光もまた効率が低く、不要光は更に少ない。無論、第2レーザー光L2の1次光以外の回折光はDVD2の信号面2b上には結像しないので、影響はない。
尚、収差補正素子42,42’において、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1中の階段状凹部全体の深さd3,(d3’)を更に深くして超高密度光記録媒体1とDVD2のバランスの良い回折効率が得られるようにすることは理論上可能であるが、図2又は図3もしくは図4による収差補正素子の作製方法を適用しているので、上記した階段状凹部全体の深さd3,(d3’)は6μm以下が望ましい。
また、図17は階段状回折格子パターン部42a1の階段の段数nを4値化した時の回折効率の一例を示したものであるが、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1において、V線上の階段状凹部全体の深さd3v(λ1のとき0次回折効率が最大となる深さ)は、先に説明した数8中で段数nをn=4とし、且つ、第1レーザー光L1の0次光に対する周期係数k1がV線上ではk1=2となるので、これらを数8に代入すれば、下記の数10のように表される。
Figure 0004254469
一方、4段構造の階段状回折格子パターン部42a1において、W線上の階段状凹部全体の深さd3’wは、先に説明した数9中で段数nをn=4とし、且つ、第2レーザー光L2の1次光に対する周期係数k2がW線上ではk2=5となるので、これらを数9に代入すれば、下記の数11のように表される。
Figure 0004254469
この際、第1レーザー光L1の波長λ1の範囲を403nm以上415nm以下、且つ、第2レーザー光L2の波長λ2の範囲を640nm以上660nm以下とし、この時に第1,第2レーザー光L1,L2に対して収差補正素子42の硝材の各屈折率N1,N2が下記の表8の通りである場合に、それぞれの最大回折効率が得られるV線,W線上の階段状凹部全体の深さd3v,d3’wは下記の表8のように表される。
Figure 0004254469
この表8中において、例えば、収差補正素子42,42’の硝材の屈折率が第1レーザー光L1に対してN1=1.5であり、第2レーザー光L2に対してN2=1.49である時に、階段状回折格子パターン部42a1の階段状凹部全体の深さはd3v=4.836μm以上、d3’w=5.051μm以下であれば回折効率のバランスを取ることができる。図17からも明らかなように、d3v,d3’w付近では、それぞれの回折効率の変化が緩やかである。
また、表8における各屈折率N1,N2で、第1レーザー光L1の波長λ1が403nm〜415nm、且つ、第2レーザー光L2の波長λ2が640nm〜660nmで、この時に第1,第2レーザー光L1,L2に対して収差補正素子42,42’の硝材の各屈折率N1,N2が下記の表9の通りである場合に、d3vとd3’wの深さを最大幅で取り、そのときの回折効率を下記の表9に示す。
Figure 0004254469
この表9から明らかなように、上記波長範囲のとき、前記d3vとd3wの間で4段構造の階段状回折格子パターン部42a1の階段状凹部全体の深さd3,(d3’)を設定することで、超高密度光ディスク1,DVD2ともに最大回折効率付近の変化が緩やかなところを使えるため、高効率でバランスの良い回折効率とすることができる。特に、収差補正素子42,42’は屈折率の高い硝材を使うことで、超高密度光ディスク1,DVD2ともに高効率が得られる。
図18は実施例3における収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図、
図19は実施例3における収差補正素子に対して一部簡素化を図った変形例の収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図、
図20は5段構造の階段状回折格子パターン部に、波長λ1,λ2の第1,第2レーザー光が入射した時の各回折効率と、階段状回折格子パターン部中の階段状凹部全体の深さとの関係を示した図である。
実施例3では、図18(a)〜(c)に示した収差補正素子50、又は、図19(a)〜(c)に示した変形例の収差補正素子50’以外の光ピックアップ装置の構造、及び光記録媒体駆動装置については実施例1又は実施例2と同じであるので、詳細な説明を省略する。これらの収差補正素子50,50’も実施例1の光ピックアップ装置20A及び光ディスク駆動装置10A、又は、実施例2の光ピックアップ装置20B及び光ディスク駆動装置10Bに適用可能である。
図18(a)〜(c)に示した如く、実施例3の要部となる収差補正素子50は、光透過性を有する厚さ0.925mmのBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)を用いて、外形形状を5mm角の正方形に形成している点が先に図5(a)〜(c),図15(a)〜(c)用いて説明した実施例1,2の収差補正素子30,42と同じであるものの、実施例1,2の収差補正素子30,42に対して異なる点について述べると、対物レンズ31(図1,図13)と対向する上面50a側で中心“O”を中心にした直径φ2.43mmの内周領域内に階段状回折格子パターン部50a1が5段の段数で上面50a対して階段凹状に凹ませ且つリング状(輪帯状)に形成されていると共に、この階段状回折格子パターン部50a1の外周に隣接した外周領域は階段状回折格子パターン部が形成されていない平坦な上面50aとなっている。
上記した収差補正素子50の階段状回折格子パターン部50a1は、ミクロ的(微視的)に見ると、階段構造の段数nが5段であるので段差数n−1は4段になっており、一方、マクロ的(巨視的)に見ると、階段状凹部の繰り返し周期Tが内周から外周に向かうにつれて徐々に狭まくなるようにリング状に複数形成されていることで多段ブレーズ(鋸歯状)状の回折格子として構成されている。
この際、5段構造で段差数が4段である階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部全体の深さを求めるにあたって、先に説明した数8と数9とを用いることで、第1レーザー光L1の0次光に対する階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部全体の深さd4と、第2レーザー光L2の1次光に対する階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部全体の深さd4’とを求めることができる。
そして、5段構造で段差数が4段である階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部全体の深さd4,d4’とすると、1段当たりの階段状凹部の深さは(d4)/4,(d4’)/4となり、この1段当たりの階段状凹部の深さ(d4)/4,(d4’)/4は後述するように第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差になるように設定されている。
また、収差補正素子50の下面50bには、上記した階段状回折格子パターン部50a1と対向して光透過性平坦部50b1が中心“O”を中心にして直径φ2.43mm以内の内周領域に円形状に形成され、且つ、光透過性平坦部50b1の外周に隣接して直径φ2.43mm以上で直径φ3.8mm以下の外周領域内に第2レーザー光L2に対して対物レンズ31への開口数を0.6相当になるように制限する第2レーザー光用開口制限部50b2がダイクロイック膜を用いてリング状に成膜されている。
尚、この実施例3においても、上記した収差補正素子50に対して一部簡素化を図って、図19(a)〜(c)に示したような収差補正素子50’を用いても良い。この収差補正素子50’は、上面50aに5段構造の階段状回折格子パターン部50a1が形成されているものの、下面50bは第2レーザー光L2に対して対物レンズ31への開口数を制限するための第2レーザー光用開口制限部が成膜されずに平坦に形成されているだけである。
この際、収差補正素子50,50’の作製方法は、先に説明した図2(a)〜(c)、又は、図3(a)〜(f)、もしくは、図4(a)〜(e)のプロセス(工程)を複数回繰り返すことにより作製できる。例えば、図2又は図3の作製方法を用いて5段構造の階段状回折格子パターン部50a1を作製する場合に、最低3回プロセスを繰り返すことにより作製できる。
また、5段構造の階段状回折格子パターン部50a1の階段状凹部の形状は、先に説明した数3中でxを階段状回折格子パターン部50a1の中心“O”からの半径方向の距離と変更して適用すると共に、数8,数9及び表1を適用して算出すれば良い。
そして、上記した収差補正素子50,50’の動作は、先に実施例2で説明した収差補正素子42,42’の動作と同じであるので、ここでの説明を省略する。
ここで、図20は実施例3における収差補正素子50又は変形例の収差補正素子50’に、超高密度光ディスク用である波長λ1=405nmの第1レーザー光L1が入射したときのマクロな構造の0次光の回折効率と、DVD用である波長λ2=660nmの第2レーザー光L2が入射したときの1次光の回折効率とを、先に説明した数5中でTを階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部の周期と変更して、算出した結果を表している。
上記した5段構造の収差補正素子50又は変形例の収差補正素子50’は、前述したようにマクロ的に見ると多段ブレーズ状の回折格子によって構成されている。以下の説明においては、マクロな構造の回折次数と回折効率を論じる。従って、実施例2の4段構造の場合と同様に、5段構造で段差数が4段である階段状回折格子パターン部50a1において、1段当たりの階段状凹部の深さ(d4)/4,(d4)’/4が第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差である場合に、波長λ1の2次回折光の波面をつなげたものが平面波になるが、マクロの構造で考えると、出射波面は平行になる。以降の説明で、1段当たり階段状凹部の深さ(d4)/4,(d4)’/4が第1レーザー光L1の波長λ1の略2倍相当の場合は、マクロ構造と考え、この2次回折光を0次回折光として表現する。
ここで、図20より、5段構造の階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部全体の深さd4が最小であり、且つ、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1の0次光に対して100%の回折効率が得られる時に上記した階段状凹部全体の深さd4は図20中のY線上で3.06μmであり、これに伴って、1段あたりの深さ(d4)/4が0.765μmとなるので第1レーザー光L1の波長λ1相当の光路差に等しい時である。しかしながら、この時に波長λ2=660nmの第2レーザー光L2の1次光に対する回折効率が0%と極めて低く、階段状凹部全体の深さd4が3.06μmの前後の寸法では第2レーザー光の1次光の回折効率が低くDVD2の再生でさえ不可能である。
そこで、波長λ1=405nmの第1レーザー光L1の0次光に対して100%の回折効率が得られ、且つ、5段構造の階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部全体の深さd4がその次に深い深さは、図20中のZ線上で階段状凹部全体の深さd4z=6.12μmである。この時に、波長λ2=660nmの第2レーザー光L2の1次光の回折効率は87.1%である。先に説明した実施例2の場合と比べると、第2レーザー光L2の1次光の回折効率が向上していて、先に説明した数5中でTを階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部の周期と変更した時に、波長λ2の第2レーザー光L2の1次光に対する最大回折効率は87.5%であるので、上記した深さd4z=6.12μm近傍(Z線近傍)であれば、波長λ2の1次光の回折効率も略最大に得ることができる。
そして、第1レーザー光L1の0次光に対して5段構造の階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部全体の深さd4(=d4z)が6.12μmの時には、1段当たりの階段状凹部の深さ(d4)/4が1.53μmであるので、第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差に略等しい時である。この際、ミクロな構造に対しては第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の位相差であるから、2次回折光が平面波を形成して、マクロな構造の0次回折効率が100%となる。
図20は階段状回折格子パターン部50a1の階段の段数nを5値化した時の回折効率の一例を示したものであるが、5段構造の階段状回折格子パターン部50a1においてZ線上の階段状凹部全体の深さd4zは、先に説明した数8中で段数nをn=5とし、且つ、第1レーザー光L1の0次光に対する周期係数k1がZ線上ではk1=2となるので、これらを数8に代入すれば、下記の数12のように表される。
Figure 0004254469
上記から、5段構造の階段状回折格子パターン部50a1はミクロ的に見た時に第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差で1段あたりの深さ(d4)/4とし、マクロ的に見た時に第2レーザー光L2の波長λ2で高効率となるように多段ブレーズに近い構造にしている。この際、5段構造の場合は、1段あたりの深さ(d4)/4が第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差の時に、第2レーザー光L2の波長λ2の1次光の回折効率も略最大となるので、実施例1、実施例2のように波長λ1の0次光と波長λ2の1次光とのバランスを考える必要がない。
更に、収差補正素子50,50’は5段構造であるので、実施例1の2段構造のように第2レーザー光L2の1次光と−1次光とが対称にならずに−1次光の効率が低く、高次回折光もまた効率が低く、不要光はさらに少ない。無論、第2レーザー光L2の1次光以外の回折光はDVD2の信号面2b上には結像しないので、影響はない。
図21は実施例4における収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図、
図22は実施例4において、5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図、
図23は実施例4において、4段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図、
図24は実施例4における収差補正素子に対して一部簡素化を図った変形例の収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図、
図25は5段構造の収差補正素子により色収差を補正する場合、外周領域の波面位相と波面収差との関係を示した図、
図26は4段構造の収差補正素子により色収差を補正する場合、外周領域の波面位相と波面収差との関係を示した図である。
実施例4では、図21(a)〜(c)及び図22に示した5段構造の収差補正素子60、又は、図23に示した4段構造の収差補正素子61、もしくは、図24(a)〜(c)に示した5段構造で変形例の収差補正素子60’以外の光ピックアップ装置の構造、及び光記録媒体駆動装置については実施例1又は実施例2と同じであるので、詳細な説明を省略する。これらの収差補正素子60,61,60’も実施例1の光ピックアップ装置20A及び光ディスク駆動装置10A、又は、実施例2の光ピックアップ装置20B及び光ディスク駆動装置10Bに適用可能である。
図21(a)〜(c)に示した如く、実施例4の要部となる収差補正素子60は、光透過性を有する厚さ1.0mmのBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)を用いて、外形形状が5mm角の正方形に形成されている。
また、収差補正素子60は、対物レンズ31(図13)と対向する上面50a側で中心“O”を中心にした直径φ2.43mmの内周領域内に階段状回折格子パターン部50a1が上面50aに対して上方に突出されて5段の段数で階段状凹部がリング状(輪帯状)に形成されていると共に、この階段状回折格子パターン部50a1の外周に隣接して直径φ2.43mm以上で直径φ3.8mm以下の外周領域内に外周平坦部60a2が上面60aよりも僅かに上方に突出してリング状に形成され、この外周平坦部60a2の外側は平坦な上面60aとなっている。
上記した収差補正素子60の階段状回折格子パターン部60a1は、ミクロ的(微視的)に見ると、階段構造の段数nが5段であるので段差数n−1は4段になっており、一方、マクロ的(巨視的)に見ると、階段状凹部の繰り返し周期Tが内周から外周に向かうにつれて徐々に狭まくなるようにリング状に複数形成されていることで多段ブレーズ(鋸歯状)状の回折格子として構成されている。
この際、5段構造で段差数が4段である階段状回折格子パターン部60a1中の階段状凹部全体の深さを求めるにあたって、実施例3と同様に先に説明した数8と数9とを用いることで、第1レーザー光L1の0次光に対する階段状回折格子パターン部60a1中の階段状凹部全体の深さd4と、第2レーザー光L2の1次光に対する階段状回折格子パターン部60a1中の階段状凹部全体の深さd4’とを求めることができる。
そして、5段構造で段差数が4段である階段状回折格子パターン部50a1中の階段状凹部全体の深さd4,d4’とすると、1段当たりの階段状凹部の深さは(d4)/4,(d4’)/4となり、この1段当たりの階段状凹部の深さ(d4)/4,(d4’)/4は実施例3と同様に第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差になるように設定されている。
また、上記した収差補正素子60の外周平坦部60a2の一例は、図22(a)に拡大して示したように、5段構造の階段状回折格子パターン部60a1と一体に形成されており、且つ、5段構造の階段状回折格子パターン部60a1中の階段状凹部最下段の位置から外周平坦部60a2の表面(上面)までの高さが第1レーザー光L1の波長λ1の4(n−1=4)倍相当の光路差になるように設定されて、収差補正素子60が第1レーザー光L1に対して色収差の低減を図るように形成されている。
また、上記した収差補正素子60の外周平坦部60a2の他例は、図22(b)に拡大して示したように、5段構造の階段状回折格子パターン部60a1とは別体であるコーティング膜により形成されており、このコーティング膜は、例えば、可視光に対して屈折率が2.2程度と高いZnS膜60a21を厚めに成膜し、且つ、ZnS膜60a21は吸湿性があるのでこのZnS膜60a21上に可視光に対して屈折率が1.38程度のMgF膜60a22を薄めに積層してコーティングしている。そして、段数nが5段構造の階段状回折格子パターン部60a1中の階段状凹部最下段の位置からZnS膜60a21とMgF膜60a22とによる外周平坦部60a2の表面(上面)までの高さが第1レーザー光L1の波長λ1の4(n−1=4)倍相当の光路差になるように設定されて、収差補正素子60が第1レーザー光L1に対して色収差の低減を図るように形成されている。尚、外周平坦部60a2となるコーティング膜は単層でも2層以上の多層でも構わない。
上記では、収差補正素子60の階段状回折格子パターン部60a1がn=5(5値)の場合を説明したが、nは3以上の整数であればよい。
例えば、5段構造の階段状回折格子パターン部60a1を形成した収差補正素子60に代えて、図23(a),(b)に拡大して示したように、4段構造で段差数が3段である階段状回折格子パターン部61a1と外周平坦部61a2とを形成した収差補正素子61を適用した場合には、先に説明した数8,数9から第1レーザー光L1の0次光に対する階段状回折格子パターン部60a1中の階段状凹部全体の深さをd3とし、第2レーザー光L2の1次光に対する階段状回折格子パターン部60a1中の階段状凹部全体の深さをd3’とすると、1段当たりの階段状凹部の深さは(d3)/3,(d3’)/3となり、この1段当たりの階段状凹部の深さ(d3)/3,(d3’)/3が第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当の光路差になるように設定されている。
この際、図23(a)に拡大して示したように、収差補正素子61の階段状回折格子パターン部61a1と外周平坦部61a2とを一体に形成した場合には、段数nが4段構造の階段状回折格子パターン部61a1中の階段状凹部最下段の位置から外周平坦部61a2の表面(上面)までの高さが第1レーザー光L1の波長λ1の3(n−1=3)倍相当の光路差になるように設定されて、収差補正素子61が第1レーザー光L1に対して色収差の低減を図るように形成されている。
一方、図23(b)に拡大して示したように、収差補正素子61の階段状回折格子パターン部61a1と外周平坦部61a2とを別体に形成した場合には、段数nが4段構造の階段状回折格子パターン部61a1中の階段状凹部最下段の位置からZnS膜61a21とMgF膜61a22とによる外周平坦部61a2の表面(上面)までの高さが第1レーザー光L1の波長λ1の3(n−1=3)倍相当の光路差になるように設定されて、収差補正素子61が第1レーザー光L1に対して色収差の低減を図るように形成されている。
再び、図21(a)〜(c)に戻り、収差補正素子60の下面60bには、上面60a側の階段状回折格子パターン部60a1と対向して光透過性平坦部60b1が中心“O”を中心にして直径φ2.43mm以内の内周領域に円形状に形成されていると共に、上面60a側の外周平坦部60a2と対向し且つ光透過性平坦部60b1の外周に隣接して直径φ2.43mm以上で直径φ3.8mm以下の外周領域内に第2レーザー光L2に対して対物レンズ31への開口数を0.6相当になるように制限する第2レーザー光用開口制限部60b2がダイクロイック膜を用いてリング状に成膜されている。この際、先に図22(b)を用いて説明したZnS膜60a21とMgF膜60a22とによる外周平坦部60a2を上面60a側に形成せずに、下面60bの第2レーザー光用開口制限部60b2に、ZnS膜60a21とMgF膜60a22とを追加して成膜することで、第1レーザー光L1に対して色収差を低減する構造を兼用できる。
尚、この実施例4においても、上記した収差補正素子60に対して一部簡素化を図って、図24(a)〜(c)に示したような収差補正素子60’を用いても良い。この収差補正素子60’は、上面60a側に5段構造の階段状回折格子パターン部60a1と外周平坦部60a2とが形成されているものの、下面60bは第2レーザー光L2に対して対物レンズ31への開口数を制限するための第2レーザー光用開口制限部が成膜されずに平坦に形成されているだけである。勿論、図23(a),(b)に示した4段構造の収差補正素子61でも、上記と同様に一部簡素化した変形例の収差補正素子(61’…図示せず)を形成することができる。
また、5段構造の階段状回折格子パターン部60a1、又は、4段構造の階段状回折格子パターン部61a1の階段状凹部の形状は、先に説明した数3中でxを階段状回折格子パターン部60a1(又は61a1)の中心“O”から半径方向の距離と変更して適用すると共に、数8,数9及び表1を適用して算出すれば良い。
そして、上記した収差補正素子60,60’,61,(61’…図示せず)の動作は、先に説明した実施例2の収差補正素子42,42’、又は、実施例3の収差補正素子50,50’の動作と同じであるので、ここでの説明を省略する。
更に、実施例4における5段構造の収差補正素子60又は変形例の収差補正素子60’に、超高密度光ディスク用である波長λ1=405nmの第1レーザー光L1が入射したときのマクロな構造の0次光の回折効率と、DVD用である波長λ2=660nmの第2レーザー光L2が入射した時の1次光の回折効率は、先に実施例3で図20を用いて説明した場合と同じであるので説明を省略する。
一方、4段構造の収差補正素子61の場合の回折効率も、先に実施例2で図17を用いて説明した場合と同じであるので説明を省略する。
ここで、上記した5段構造の収差補正素子60,60’において、上面60a側に形成した5段構造の階段状回折格子パターン部60a1は1段当たりの階段状凹部の深さ(d4)/4,(d4’)/4が第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当であるから、階段状回折格子パターン部60a1を通った第1レーザー光L1は、位相の最も進むところと位相の最も遅れたところで、ミクロな構造で考えると10波長の位相差がでる。この際、基準波長が405nmの第1レーザー光L1であれば、位相差が整数倍であるので波面に変化は生じない。しかしながら、第1レーザー光L1の波長λ1が、略1%(±4nm)程度変化した場合、階段状回折格子パターン部60a1を通った第1レーザー光L1は10%の位相差を生じ、これは波長変化による色収差の影響が大きいことを意味する。勿論、4段構造の収差補正素子61,(61’…図示せず)でも階段状回折格子パターン部61a1は1段当たりの階段状凹部の深さ(d3)/3,(d3’)/3が第1レーザー光L1の波長λ1の2倍相当であるから、上記と同様である。
また、上記した5段構造の収差補正素子60,60’の上面60a側に形成した外周平坦部60a2で与える位相差は、基準波長が405nmの第1レーザー光L1の整数倍の位相差であれば0次光の回折効率に影響を与えないため、先に図22(a)又は図22(b)で前述したように、階段状回折格子パターン部60a1に対して位相差を第1レーザー光L1の波長λ1の4倍相当に設定することで、図25に示したように色収差を低減できる。
即ち、図25に示したように、5段構造の収差補正素子60,60’により色収差を補正する場合、横軸に外周平坦部60a2の位相[λ1]を示し、縦軸に波面収差[λ1・rms]を示した時に、第1レーザー光L1の波長1が基準波長405nmに対して○印で示したように1%(4nm)変化した時と、□印で示したように2%(8nm)変化した場合に、階段状回折格子パターン部60a1に対して、先に図22(a)又は図22(b)で前述した外周平坦部60a2の位相差を変化させて、階段状回折格子パターン部60a1と外周平坦部60a2とを合わせた収差補正素子60の波面収差を示している。
図25より、収差補正素子60,60’の外周平坦部60a2の位相差によって、収差補正素子60,60’全体の波面収差が変化するが、この時に外周平坦部60a2の位相差を第1レーザー光L1の波長λ1の4倍相当の光路差になるように設定した時に、収差補正素子60,60’全体の色収差を最も低減できることがわかる。
尚、図26に示したように、5段構造の収差補正素子60に代えて4段構造の収差補正素子61,(61’…図示せず)により色収差を補正する場合、横軸に外周平坦部61a2の位相[λ1]を示し、縦軸に波面収差[λ1・rms]を示した時に、上記と同様に、先に図23(a)又は図23(b)で前述した外周平坦部61a2の位相差によって、収差補正素子61,(61’)全体の波面収差が変化するが、この時に外周平坦部61a2の位相差を第1レーザー光L1の波長λ1の3倍相当の光路差になるように設定した時に、収差補正素子61,(61’)全体の色収差を最も低減できることがわかる。
本発明に係る実施例1の光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置の全体構成を示した図である。 (a)〜(c)は図1に示した実施例1における収差補正素子の作製方法1を説明するための工程図である。 (a)〜(f)は図1に示した実施例1における収差補正素子の作製方法2を説明するための工程図である。 (a)〜(e)は図1に示した実施例1における収差補正素子の作製方法3を説明するための工程図である。 図1に示した実施例1における収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は凹凸状回折格子パターン部の拡大図である。 超高密度光ディスク用として無限共役に最適化された対物レンズを用いて、超高密度光ディスク,DVDを記録又は再生する場合を拡大して示した図である。 図5に示した収差補正素子と、図6に示した対物レンズとにより、超高密度光ディスクを記録又は再生する場合を模式的に示した図である。 図5に示した収差補正素子と、図6に示した対物レンズとにより、DVDを記録又は再生する場合を模式的に示した図である。 凹凸状回折格子パターン部に、波長λ1,λ2の第1,第2レーザー光が入射した時の各回折効率と、凹凸状回折格子パターン部中の凹部の深さとの関係を示した図である。 実施例1における収差補正素子に対して一部簡素化を図った変形例の収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は凹凸状回折格子パターン部の拡大図である。 図10に示した変形例の収差補正素子と、図6に示した対物レンズとにより、超高密度光ディスクを記録又は再生する場合を模式的に示した図である。 図10に示した変形例の収差補正素子と、図6に示した対物レンズとにより、DVDを記録又は再生する場合を模式的に示した図である。 本発明に係る実施例2の光ピックアップ装置及び光記録媒体駆動装置の全体構成を示した図である。 (a),(b)は図13に示した位相板を拡大して示した側面図,正面図である。 図13に示した実施例2における収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は4段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図である。 実施例2における収差補正素子に対して一部簡素化を図った変形例の収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は4段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図である。 4段構造の階段状回折格子パターン部に、波長λ1,λ2の第1,第2レーザー光が入射した時の各回折効率と、階段状回折格子パターン部中の階段状凹部全体の深さとの関係を示した図である。 実施例3における収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図である。 実施例3における収差補正素子に対して一部簡素化を図った変形例の収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図である。 5段構造の階段状回折格子パターン部に、波長λ1,λ2の第1,第2レーザー光が入射した時の各回折効率と、階段状回折格子パターン部中の階段状凹部全体の深さとの関係を示した図である。 実施例4における収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図である。 実施例4において、5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図である。 実施例4において、4段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図である。 実施例4における収差補正素子に対して一部簡素化を図った変形例の収差補正素子を説明するための図であり、(a)は上面図,(b)は正面図,(c)は5段構造の階段状回折格子パターン部の拡大図である。 5段構造の収差補正素子により色収差を補正する場合、外周領域の波面位相と波面収差との関係を示した図である。 4段構造の収差補正素子により色収差を補正する場合、外周領域の波面位相と波面収差との関係を示した図である。 従来の光ピックアップ装置の一例を示した構成図である。 図27に示した第2の光学素子を説明するための図であり、(a)はDVDを記録又は再生する場合を示し、(b)はCDを記録又は再生する場合を示した図である。
符号の説明
1…第1光記録媒体(超高密度光ディスク)、
1a…レーザービーム入射面、1b…信号面、
2…第2光記録媒体(DVD)、
2a…レーザービーム入射面、2b…信号面、
10A…実施例1の光記録媒体駆動装置(光ディスク駆動装置)、
10B…実施例2の光記録媒体駆動装置(光ディスク駆動装置)、
11…スピンドルモータ、12…ターンテーブル、
20A…実施例1の光ピックアップ装置、
20B…実施例2の光ピックアップ装置、
21…ピックアップ筐体、
22…第1レーザー光源(青色半導体レーザー)、
23…第2レーザー光源(赤色半導体レーザー)、
26…第1レーザー光用の位相板、
29…レンズホルダ、
30…実施例1における収差補正素子、
30’…実施例1における変形例の収差補正素子、
30a…上面、30a1…凹凸状回折格子パターン部、
30b…下面、30b1…光透過性平坦部、30b2…第2レーザー光用開口制限部、 31…対物レンズ、31a…第1面、31b…第2面、
40…第2レーザー光用の位相板、
41…第1,第2レーザー光共用の位相板、
42…実施例2における収差補正素子、
42’…実施例2における変形例の収差補正素子、
42a…上面、42a1…階段状回折格子パターン部、
42b1…光透過性平坦部、42b2…第2レーザー光用開口制限部、
50…実施例3における収差補正素子、
50’…実施例3における変形例の収差補正素子、
50a…上面、50a1…階段状回折格子パターン部、
50b1…光透過性平坦部、50b2…第2レーザー光用開口制限部、
60…実施例4における収差補正素子、
60’…実施例4における変形例の収差補正素子、
60a…上面、60a1…階段状回折格子パターン部、60a2…外周平坦部、
60a21…ZnS膜、60a22…MgF膜、
60b1…光透過性平坦部、60b2…第2レーザー光用開口制限部、
61…実施例4における他例の収差補正素子、
61a…上面、61a1…階段状回折格子パターン部、61a2…外周平坦部、
61a21…ZnS膜、61a22…MgF膜、
d1…凹凸状回折格子パターン部中の凹部の深さ、
d3…4段構造の階段状回折格子パターン部中の階段状凹部全体の深さ、
d4…5段構造の階段状回折格子パターン部中の階段状凹部全体の深さ、
L1…青色半導体レーザーから出射した第1レーザー光、
L2…赤色半導体レーザーから出射した第2レーザー光、
λ1…青色半導体レーザーから出射した第1レーザー光の波長、
λ2…赤色半導体レーザーから出射した第2レーザー光の波長。

Claims (4)

  1. 第1光記録媒体と、前記第1光記録媒体よりも記録密度が低く且つ前記第1光記録媒体よりも基板厚さが厚い第2光記録媒体と、前記第1,第2光記録媒体の各信号面を組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを選択的に記録又は再生する光ピックアップ装置において、
    前記第1光記録媒体に対応して波長が450nm以下の第1レーザー光を出射させる第1レーザー光源と、
    前記第2光記録媒体に対応して前記第1レーザー光よりも波長が長い第2レーザー光を出射させる第2レーザー光源と、
    第1光記録媒体用として開口数(NA)が0.75以上に設定され、且つ、互いに対向する第1,第2面のうち少なくとも一方の面が非球面に形成されて、前記第1,第2レーザー光を前記第1,第2光記録媒体の各信号面に集光させる対物レンズと、
    前記第1,第2レーザー光源側に、円形状の光透過性平坦部とリング状の第2レーザー光用開口制限部とが中心部から外周部に向かって形成され、且つ、前記対物レンズ側の内周領域にn段(但し、nは3以上の自然数)の階段状回折格子パターン部が階段凹状に形成されると共にこの階段状回折格子パターン部の外側に外周平坦部が平坦に形成され、且つ、前記階段状回折格子パターン部中の階段状凹部最下段の位置から前記外周平坦部の表面までの高さが前記第1レーザー光の波長の(n−1)倍相当の光路差になるように設定されている収差補正素子とを少なくとも備え、
    前記収差補正素子は、平行光の状態で入射させた前記第1レーザー光を前記光透過性平坦部及び前記第2レーザー光用開口制限部をそのまま透過させた後に、前記階段状回折格子パターン部で回折させることなく透過させて0次光を前記対物レンズに入射させ、
    また、平行光の状態で入射させた前記第2レーザー光を前記第2レーザー光用開口制限部で遮蔽して前記対物レンズへの開口数を所定数に制限すると共に前記光透過性平坦部を透過させた後に、前記階段状回折格子パターン部で回折させることで前記第2レーザー光に対して球面収差を補正した1次光を前記対物レンズに入射させることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 第1光記録媒体と、前記第1光記録媒体よりも記録密度が低く且つ前記第1光記録媒体よりも基板厚さが厚い第2光記録媒体と、前記第1,第2光記録媒体の各信号面を組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを選択的に記録又は再生する光ピックアップ装置において、
    前記第1光記録媒体に対応して波長が450nm以下の第1レーザー光を出射させる第1レーザー光源と、
    前記第2光記録媒体に対応して前記第1レーザー光よりも波長が長い第2レーザー光を出射させる第2レーザー光源と、
    第1光記録媒体用として開口数(NA)が0.75以上に設定され、且つ、互いに対向する第1,第2面のうち少なくとも一方の面が非球面に形成されて、前記第1,第2レーザー光を前記第1,第2光記録媒体の各信号面に集光させる対物レンズと、
    前記第1,第2レーザー光源側が平坦に形成され、且つ、前記対物レンズ側の内周領域にn段(但し、nは3以上の自然数)の階段状回折格子パターン部が階段凹状に形成されると共にこの階段状回折格子パターン部の外側に外周平坦部が平坦に形成され、且つ、前記階段状回折格子パターン部中の階段状凹部最下段の位置から前記外周平坦部の表面までの高さが前記第1レーザー光の波長の(n−1)倍相当の光路差になるように設定されている収差補正素子とを少なくとも備え、
    前記収差補正素子は、平行光の状態で入射させた前記第1レーザー光を前記階段状回折格子パターン部で回折させることなく透過させて0次光を前記対物レンズに入射させ、
    また、平行光の状態で入射させた前記第2レーザー光のうちで前記階段状回折格子パターン部内に入射した前記第2レーザー光のみを回折させることで前記第2レーザー光に対して球面収差を補正した1次光を前記対物レンズに入射させることを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 前記階段状回折格子パターン部の一段当たりの深さが前記第1レーザー光の波長の2倍相当の光路差になるように設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. 第1光記録媒体と、前記第1光記録媒体よりも記録密度が低く且つ前記第1光記録媒体よりも基板厚さが厚い第2光記録媒体と、前記第1,第2光記録媒体の各信号面を組み合わせて一体的に積層した組み合わせ型光記録媒体とを回転自在なターンテーブル上に選択的に装着して、光ピックアップ装置で前記第1光記録媒体の信号面又は前記第2光記録媒体の信号面に情報信号を記録又は再生する光記録媒体駆動装置において、
    請求項1〜請求項のうちいずれか1項記載の光ピックアップ装置を適用すると共に、前記収差補正素子と前記対物レンズとを光軸を合わせてレンズホルダ内に収納して、前記レンズホルダが前記第1,第2光記録媒体のフォーカス方向及びトラッキング方向に揺動可能に支持されていることを特徴とする光記録媒体駆動装置。
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