JP4253785B2 - 鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物に関するものである。さらに詳しくは、たとえば橋脚など既設の基礎をせん断補強するための鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図6に示すような橋脚など既設の基礎1をせん断補強する補強鉄筋コンクリート構造物10としては、図7に示すようなものが知られている。図7に示す補強鉄筋コンクリート構造物10は、基礎1の上面1aおよび側面1bに対して略垂直に複数穿孔された所定深さの孔2と、これら孔2内に挿入された鉄筋3と、これら孔2内に充填されたモルタル4と、打ち増しされた杭5とを主たる要素として構成されたものである。
【0003】
つぎに、上記補強鉄筋コンクリート構造物10を実際に施工する場合の、鉄筋コンクリート構造物の補強方法について説明する。
まず、基礎1の周辺部に杭5を複数本打ち増しして、基礎1の上面1aおよび側面1bに目荒らしを施した後、これら上面1aおよび側面1bに対して略垂直な所定深さの孔2を複数穿孔(コア抜き)する。そして、これら穿孔した孔2内にそれぞれ鉄筋3を挿入した後、それぞれの孔2内にモルタル4を充填する。その後、基礎1の上面1aおよび側面1bを新しいコンクリート6で覆って一連のせん断補強工事を終了する。新しいコンクリート6は打ち増しされた杭5の上に設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物においては、杭を打ち増したり、基礎の表面に目荒らしを施さなければならないためコストが高くなり、また作業工数も多く工期が長くかかってしまうといった問題点があった。
【0005】
また、既設の基礎を取り囲むようにコンクリートで基礎を増設するため、広い作業スペースが必要とされるとともに、工事後の補強された基礎自体も大型になってしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、作業が簡単でコストも低く抑えることができて、また作業スペースを最小限にとどめることができるとともに工事後の補強された基礎自体の大きさも大型にならずにすむ鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物においては、つぎに示すような手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法によれば、上側主筋と下側主筋を有する既設の鉄筋コンクリート構造物をせん断補強する鉄筋コンクリート構造物の補強方法であって、補強すべき前記鉄筋コンクリート構造物におけるせん断応力が発生する方向を横切るように有底の所定深さの孔を上側主筋側から穿孔し、該孔内に該孔より長さの短い棒状の補強部材をその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入した後、該補強部材の全部を覆うように自己硬化型充填材を充填することを特徴とする。
この鉄筋コンクリート構造物の補強方法では、補強すべき鉄筋コンクリート構造物のせん断応力が発生する方向を横切るように有底の所定深さの孔が上側主筋側から穿孔され、この孔内に棒状の補強部材がその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入された後、該補強部材の全部を覆うように自己硬化型充填材が充填されることとなる。
すなわち、新たな杭を打ち増ししたり、旧基礎の増厚のために補強すべき鉄筋コンクリート構造物の表面を目荒らしする必要がなくなり、工事費用が安上がりなものとなるばかりでなく作業工数も大幅に削減されることになる。
また、補強すべき鉄筋コンクリート構造物自体に直接せん断補強工事がなされるため作業スペースが最小限で済み、工事後の補強された鉄筋コンクリート構造物自体の大きさも元のままとされる。
【0008】
請求項2記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法によれば、上側主筋と下側主筋を有する既設の鉄筋コンクリート構造物をせん断補強する鉄筋コンクリート構造物の補強方法であって、前記鉄筋コンクリート構造物における少なくともせん断応力発生部位に対応してせん断応力が発生する方向を横切るように略垂直な有底の所定深さの孔を上側主筋側から複数穿孔し、これら孔内に該孔より長さの短い棒状の補強部材をその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入した後、補強部材の全部を覆うように自己硬化型充填材を充填することを特徴とする。
この鉄筋コンクリート構造物の補強方法では、鉄筋コンクリート構造物における少なくともせん断応力発生部位に対応してせん断応力が発生する方向を横切るように略垂直な有底の所定深さの孔が上側主筋側から複数穿孔され、これら孔内に棒状の補強部材がその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入された後、補強部材の全部を覆うように自己硬化型充填材が充填される。
すなわち、新たな杭を打ち増ししたり、補強すべき鉄筋コンクリート構造物の表面を目荒らしする必要がなくなり、工事費用が安上がりなものとなるばかりでなく作業工数も大幅に削減されることになる。
また、補強すべき鉄筋コンクリート構造物自体に直接せん断補強工事がなされるため作業スペースが最小限で済み、工事後の補強された鉄筋コンクリート構造物自体の大きさも元のままとされる。
【0009】
請求項3記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法によれば、請求項1または2記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法において、前記補強部材は、主軸部と、該主軸部の両端において該主軸部と直交する方向に張り出された頭部とを有してなることを特徴とする。
この鉄筋コンクリート構造物の補強方法では、補強部材が、主軸部と、この主軸部の両端において主軸部と直交する方向に張り出された頭部とを有している。すなわち、自己硬化型充填材内における補強部材の定着性が向上されることとなる。
【0010】
請求項4記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法によれば、請求項1または2記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法において、前記自己硬化型充填材は、無収縮モルタルであることを特徴とする。
この鉄筋コンクリート構造物の補強方法では、自己硬化型充填材として無収縮モルタルが使用されている。
すなわち、孔と自己硬化型充填材との間に隙間は生じないこととなる。
【0011】
請求項5記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法によれば、請求項1または2記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法において、前記自己硬化型充填材は、鋼繊維補強コンクリートであることを特徴とする。
この鉄筋コンクリート構造物の補強方法では、自己硬化型充填材として鋼繊維補強コンクリートが使用されている。
すなわち、孔内に充填された充填材自体もせん断応力に対して耐力を有することとなる。
【0012】
請求項6記載の補強鉄筋コンクリート構造物によれば、上側主筋と下側主筋を有する既設の鉄筋コンクリート構造物をせん断補強してなる補強鉄筋コンクリート構造物であって、前記鉄筋コンクリート構造物における少なくともせん断応力発生部位に対応してせん断応力が発生する方向を横切るように略垂直に上側主筋側から複数穿孔された有底の所定深さの孔と、これら孔内にその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入された孔より長さの短い棒状の補強部材と、補強部材の全部を覆うように孔内に充填された自己硬化型充填材とからなることを特徴とする。
この補強鉄筋コンクリート構造物では、鉄筋コンクリート構造物における少なくともせん断応力発生部位に対応してせん断応力が発生する方向を横切るように略垂直に複数穿孔された有底の所定深さの孔と、これら孔内にその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入された孔より長さの短い棒状の補強部材と、これら孔内に充填された自己硬化型充填材とが設けられている。
すなわち、せん断応力が生じる方向を横切るように孔が形成され、この孔に補強部材および自己硬化型充填材が設けられており、せん断応力に対する耐力が向上されることとなる。
【0013】
請求項7記載の補強鉄筋コンクリート構造物によれば、請求項6記載の補強鉄筋コンクリート構造物において、前記補強部材は、主軸部と、該主軸部の両端において該主軸部と直交する方向に張り出された頭部とを有してなることを特徴とする。
この補強鉄筋コンクリート構造物では、補強部材が、主軸部と、この主軸部の両端において主軸部と直交する方向に張り出された頭部とを有している。
すなわち、自己硬化型充填材内における補強部材の定着性が向上されることとなる。
【0014】
請求項8記載の補強鉄筋コンクリート構造物によれば、請求項6記載の補強鉄筋コンクリート構造物において、前記自己硬化型充填材は、無収縮モルタルであることを特徴とする。
この補強鉄筋コンクリート構造物では、自己硬化型充填材として無収縮モルタルが使用されている。
すなわち、孔と自己硬化型充填材との間に隙間は生じないこととなる。
【0015】
請求項9記載の補強鉄筋コンクリート構造物によれば、請求項6記載の補強鉄筋コンクリート構造物において、前記自己硬化型充填材は、鋼繊維補強コンクリートであることを特徴とする。
この補強鉄筋コンクリート構造物では、自己硬化型充填材として鋼繊維補強コンクリートが使用されている。
すなわち、孔内に充填された充填材自体もせん断応力に対して耐力を有することとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1を参照して説明する。図1において、符号1は上述した既設の基礎である。
【0017】
図1に示すように、本発明による補強鉄筋コンクリート構造物100は、基礎1の上面1aに対して略垂直に複数穿孔された有底の所定深さの孔102と、これら孔102内に没入された棒状の補強部材103と、これら孔102内に充填されて補強部材103を全部覆う自己硬化型充填材104とを主たる要素として構成されたものである。
【0018】
ここで、補強部材103はたとえば通常の鋼材(SS材)あるいは高張力鋼などからなるもので所定深さの孔102より短い長さに形成され、主軸部103aと頭部103bとを有するTヘッドバーである。頭部103bは主軸部103aの両端において、この主軸部103aと略直交する方向に張り出して形成されたものである。なお、この頭部103bは主軸部103aと一体に形成されたものであっても良いし、それぞれ別個に作製された後結合されたものであっても良い。
【0019】
また、自己硬化型充填材104としては、たとえば無収縮モルタルや鋼繊維補強コンクリートなどが挙げられる。
【0020】
つぎに、上記補強鉄筋コンクリート構造物100を実際に施工する場合の、鉄筋コンクリート構造物100の補強方法について説明する。
まず、基礎1の上面1aに対して略垂直な所定深さの孔102を複数穿孔(コア抜き)する。そして、これら穿孔した孔102内にそれぞれ棒状の補強部材103を挿入した後、それぞれの孔102内に自己硬化型充填材104を充填して一連のせん断補強工事を終了する。
【0021】
以下、図2から図5の右上欄に示す配筋状況と寸法とを有する試験体を使用して行った、せん断破壊試験の実験結果について説明する。このせん断破壊試験は、図2から図5の右上欄に矢印で示す点に荷重をかけて行ったものである。
【0022】
図2に示す試験体は、本願発明との比較をするためのもので、この図の右上欄に示すようにせん断補強について全く考慮されていない配筋構造を有するものである。この図の右下欄に示すひび割れ状況および破壊状況から、この試験体ではせん断破壊が2箇所で一気に起こったことがわかる。また、この図の左下欄に示す荷重−中央変位から実験中の荷重と中央変位の関係がわかる。図2の左下欄および左上欄から、この試験体における最大荷重は+608,−575(kN)、最大中央変位は+32,−21(mm)であることがわかる。
【0023】
図3に示す試験体は、同じく本願発明との比較をするためのもので、この図の左上欄の「フック形状」の項目および右上欄に示すように、予めせん断補強を考慮した配筋構造、すなわち上側主筋110と下側主筋111とが180゜フック112で結合された配筋構造を有するものである。この図の右下欄に示すひび割れ状況および破壊状況から、せん断破壊は図における左側1箇所でしか起こっておらず、またそのせん断破壊も一気に起こったものではなく時間をかけてゆっくり起こったものであることがわかる。図3の左下欄および左上欄から、この試験体における最大荷重は+971,−893(kN)、最大中央変位は+23,−27(mm)であり、図2のものと比べて最大荷重が飛躍的に向上していることがわかる。
【0024】
図4に示す試験体は、図2のものに本発明の構成を適用したものである。すなわち、図4に示すものは、図2に示す配筋構造を有する鉄筋コンクリート構造物における少なくともせん断応力発生部位に対応して略垂直な所定深さの孔を穿孔し、これら孔内に棒状の補強部材を挿入した後、自己硬化型充填材を充填した状態を模擬したものである。この図の右上欄に示す配筋状況からわかるように、図4のものでは補強部材103が下側主筋111のいくらか下側まで挿入されていることがわかる。またこの図の右下欄に示すひび割れ状況および破壊状況から、顕著なせん断破壊は図における左側1箇所でしか起こっておらず、またそのせん断破壊も一気に起こったものではなく時間をかけてゆっくり起こったものであることがわかる。図4の左下欄および左上欄から、この試験体における最大荷重は+897,−945(kN)、最大中央変位は+38,−28(mm)であり、図3に示したものと略同等のせん断補強が得られていることがわかる。
【0025】
図5に示す試験体も、図4に示す試験体同様、図2のものに本発明の構成を適用したものである。図5と図4とで異なる点はそれぞれの図の右上欄に示す配筋状況からわかるように、図5のものでは補強部材103が下側主筋111のいくらか上側までしか挿入されていないことである。またこの図の右下欄に示すひび割れ状況および破壊状況から、補強部材103が下側主筋111のいくらか上側まで挿入されたものでも顕著なせん断破壊は図における左側1箇所でしか起こっておらず、またそのせん断破壊も一気に起こったものではなく時間をかけてゆっくり起こったものであることがわかる。図5の左下欄および左上欄から、この試験体における最大荷重は+851,−661(kN)、最大中央変位は+19,−25(mm)であり、図4に示すものよりはせん断応力に対する耐力がいくらか劣るものの、図4に示すものと略同等のせん断補強が得られていると考えられる。
【0026】
以上説明したように、図2に示すものに本発明を適用することにより、従来施工時にしか行えなかった180゜フックを用いたものと略同程度のせん断補強を実現することができる。
【0027】
上記の従来の鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物によれば、杭の打ち増しおよび既設の基礎表面の目荒らしを行う必要がないので、コストを大幅に削減することができるとともに作業工数を大幅に削減することができる。
【0028】
また、せん断補強工事自体は既設の鉄筋コンクリート構造物に直接孔を複数穿孔し、これら穴内に補強部材を挿入するとともに自己硬化型充填材を充填するものなので、せん断補強工事を行うための作業スペースを最小限にとどめることができるとともに、補強鉄筋コンクリート構造物自体の大きさを既設の鉄筋コンクリート構造物より大型化させることなくせん断補強することができる。
【0029】
以上、本発明は橋脚などの基礎をせん断補強するものとして説明してきたが、これに限らず、せん断応力が発生する他の部材、たとえば橋桁や梁などにも適用することができる。
【0030】
また、上記実施形態においては鉄筋コンクリート構造物(RC)について説明してきたが、本発明は必要であれば鉄骨鉄筋コンクリート構造物(SRC)にも適用できるものである。
【0031】
なお、上記の説明において孔および補強部材を既設の鉄筋コンクリート構造物に対して略垂直に設けるようにしている。これはせん断応力が発生する方向をこれら孔および補強部材が横切るように設けられなければならないからである。したがって、せん断応力が発生する方向に応じて、これら孔および補強部材はいかなる方向にでも設けることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の鉄筋コンクリート構造物の補強方法および補強鉄筋コンクリート構造物によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、補強すべき鉄筋コンクリート構造物におけるせん断応力が発生する方向を横切るように有底の所定深さの孔が上側主筋側から穿孔され、この孔内に該孔より長さの短い棒状の補強部材がその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入された後、補強部材の全部を覆うように自己硬化型充填材が充填されるため、新たな杭を打ち増ししたり、補強すべき鉄筋コンクリート構造物の表面を目荒らしする必要がなくなるので、コストを減少させることができるとともに、作業工数が大幅に削減されることにより工期を著しく短縮することができるという効果を奏する。
また、補強すべき鉄筋コンクリート構造物自体に直接せん断補強工事がなされるので、作業スペースを最小限に抑えることができ、工事後の補強された鉄筋コンクリート構造物自体の大きさも大型化しなくて済むという効果を奏する。
更に、補強部材を上側主筋から下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入配置させたことで、予めせん断補強を考慮した配筋構造、すなわち上側主筋と下側主筋を180°フックで結合した配筋構造と略同等なせん断補強が得られるという効果を奏する。
【0033】
さらに、鉄筋コンクリート構造物における少なくともせん断応力発生部位に対応してせん断応力が発生する方向を横切るように略垂直な有底の所定深さの孔が上側主筋側から複数穿孔され、これら孔内に孔より長さの短い棒状の補強部材がその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入された後、補強部材の全部を覆うように自己硬化型充填材が充填されたため、新たな杭を打ち増ししたり、補強すべき鉄筋コンクリート構造物の表面を目荒らしする必要がなくなるので、コストを減少させることができるとともに、作業工数が大幅に削減されることにより工期を著しく短縮することができるという効果を奏する。
さらにまた、補強すべき鉄筋コンクリート構造物自体に直接せん断補強工事がなされるので、作業スペースを最小限に抑えることができ、工事後の補強された鉄筋コンクリート構造物自体の大きさも大型化しなくて済むという効果を奏する。
【0034】
さらにまた、補強部材が、主軸部と、この主軸部の両端において主軸部と直交する方向に張り出された頭部とを有しているので、自己硬化型充填材内における補強部材の定着性を著しく向上することができるという効果を奏する。
【0035】
さらにまた、自己硬化型充填材として無収縮モルタルが使用されており、孔と自己硬化型充填材との間に隙間が生じることがないので、補強部材を既設の鉄筋コンクリート構造物に十分定着させることができるという効果を奏する。
【0036】
さらにまた、自己硬化型充填材として鋼繊維補強コンクリートが使用されており、孔内に充填された充填材自体もせん断応力に対して耐力を有することとなるので、せん断応力に対する耐力をさらに向上させることができるという効果を奏する。
【0037】
さらにまた、せん断応力が発生する方向を横切るように孔が形成され、この孔に孔より長さの短い補強部材および自己硬化型充填材が設けられているので、せん断応力に対する耐力を著しく向上させることができるという効果を奏する。
【0038】
さらにまた、補強部材が、主軸部と、この主軸部の両端において主軸部と直交する方向に張り出された頭部とを有しているので、自己硬化型充填材内における補強部材の定着性を著しく向上することができるという効果を奏する。
【0039】
さらにまた、自己硬化型充填材として無収縮モルタルが使用されており、孔と自己硬化型充填材との間に隙間が生じることがないので、補強部材を既設の鉄筋コンクリート構造物に十分定着させることができるという効果を奏する。
【0040】
さらにまた、自己硬化型充填材として鋼繊維補強コンクリートが使用されており、孔内に充填された充填材自体もせん断応力に対して耐力を有することとなるので、せん断応力に対する耐力をさらに向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による補強鉄筋コンクリート構造物の要部縦断面図である。
【図2】 せん断破壊試験の実験結果を示す図であって、せん断補強について全く考慮されていない配筋構造を有するものに関する図である。
【図3】 せん断破壊試験の実験結果を示す図であって、180゜フックを使用して予めせん断補強を考慮した配筋構造を有するものに関する図である。
【図4】 せん断破壊試験の実験結果を示す図であって、本発明による構成を下側主筋のいくらか下側まで適用したものに関する図である。
【図5】 せん断破壊試験の実験結果を示す図であって、本発明による構成を下側主筋のいくらか上側まで適用したものに関する図である。
【図6】 せん断補強について考慮されていない既設の基礎を示す正面図である。
【図7】 従来の鉄筋コンクリート構造物の補強方法によりせん断補強された補強鉄筋コンクリート構造物の要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 基礎
102 孔
103 補強部材
103a 主軸部
103b 頭部
104 自己硬化型充填材

Claims (9)

  1. 上側主筋と下側主筋を有する既設の鉄筋コンクリート構造物をせん断補強する鉄筋コンクリート構造物の補強方法であって、補強すべき前記鉄筋コンクリート構造物におけるせん断応力が発生する方向を横切るように有底の所定深さの孔を上側主筋側から穿孔し、該孔内に該孔より長さの短い棒状の補強部材をその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入した後、該補強部材の全部を覆うように自己硬化型充填材を充填することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の補強方法。
  2. 上側主筋と下側主筋を有する既設の鉄筋コンクリート構造物をせん断補強する鉄筋コンクリート構造物の補強方法であって、前記鉄筋コンクリート構造物における少なくともせん断応力発生部位に対応してせん断応力が発生する方向を横切るように略垂直な有底の所定深さの孔を上側主筋側から複数穿孔し、これら孔内に該孔より長さの短い棒状の補強部材をその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入した後、該補強部材の全部を覆うように自己硬化型充填材を充填することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の補強方法。
  3. 請求項1または2記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法において、前記補強部材は、主軸部と、該主軸部の両端において該主軸部と直交する方向に張り出された頭部とを有してなることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の補強方法。
  4. 請求項1または2記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法において、前記自己硬化型充填材は、無収縮モルタルであることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の補強方法。
  5. 請求項1または2記載の鉄筋コンクリート構造物の補強方法において、前記自己硬化型充填材は、鋼繊維補強コンクリートであることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の補強方法。
  6. 上側主筋と下側主筋を有する既設の鉄筋コンクリート構造物をせん断補強してなる補強鉄筋コンクリート構造物であって、前記鉄筋コンクリート構造物における少なくともせん断応力発生部位に対応してせん断応力が発生する方向を横切るように略垂直に上側主筋側から複数穿孔された有底の所定深さの孔と、これら孔内にその先端が下側主筋のいくらか上側位置またはいくらか下側位置になるまで没入された前記孔より長さの短い棒状の補強部材と、該補強部材の全部を覆うように前記孔内に充填された自己硬化型充填材とからなることを特徴とする補強鉄筋コンクリート構造物。
  7. 請求項6記載の補強鉄筋コンクリート構造物において、前記補強部材は、主軸部と、該主軸部の両端において該主軸部と直交する方向に張り出された頭部とを有してなることを特徴とする補強鉄筋コンクリート構造物。
  8. 請求項6記載の補強鉄筋コンクリート構造物において、前記自己硬化型充填材は、無収縮モルタルであることを特徴とする補強鉄筋コンクリート構造物。
  9. 請求項6記載の補強鉄筋コンクリート構造物において、前記自己硬化型充填材は、鋼繊維補強コンクリートであることを特徴とする補強鉄筋コンクリート構造物。
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