JP2009133150A - せん断補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工の手間を軽減し、工期の短縮を図ることができ、さらに、せん断補強効果の低下を防止することができるせん断補強構造を提供することを目的としている。
【解決手段】鉄筋コンクリート体2にせん断補強部3を形成して鉄筋コンクリート体2をせん断補強するせん断補強構造であって、せん断補強部3は、流動性を有するとともに鉄筋コンクリート体2をせん断補強する強度を有するせん断補強材料31が、鉄筋コンクリート体2に形成された孔30の中に充填されて凝固することにより形成されている
【選択図】図2

Description

本発明は、鉄筋コンクリート体をせん断補強するせん断補強構造に関する。
従来、例えばカルバート構造物の側壁部等の鉄筋コンクリート体をせん断補強する技術として、鉄筋コンクリート体内に鉄筋等の棒状のせん断補強用鋼材を埋設するせん断補強構造が知られている。このせん断補強構造では、鉄筋コンクリート体に長孔があけられ、その長孔の中に鋼棒が挿入され、さらに、モルタル等の充填材料が長孔内に充填されて前記鋼棒が固定されている。このせん断補強構造によれば、鋼棒によって鉄筋コンクリート体がせん断補強される(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、近年、鉄筋コンクリート体をせん断補強する技術として、鉄筋コンクリート体内に鋼板等の板状のせん断補強用鋼材を埋設するせん断補強構造も提案されている。このせん断補強構造では、鉄筋コンクリート体に溝が形成され、その溝の中に埋込鋼板が挿入され、さらに、モルタル等の充填材料が溝内に充填されて前記埋込鋼板が固定されている。また、このせん断補強構造には、鉄筋コンクリート体の表面を被覆する被覆鋼板が備えられており、この被覆鋼板は、接着剤等を介してコンクリート表面に接合されている。このせん断補強構造によれば、鉄筋コンクリート体内に埋設された埋込鋼板および鉄筋コンクリート体の表面に接合された被覆鋼板によって鉄筋コンクリート体がせん断補強される(例えば、特許文献3、4参照。)。
特許第3932094号公報 特開2002−275927号公報 特開2002−213193号公報 特開2005−23657号公報
しかしながら、上記した棒状のせん断補強用鋼材を用いる従来のせん断補強構造では、施工本数が多く、施工に手間がかかるため、工期が長くなるという問題がある。
また、上記した板状のせん断補強用鋼材を用いる従来のせん断補強構造では、施工性が悪く、工期が長くなるという問題がある。また、せん断ひび割れ発生後に、埋込鋼板と充填材との付着力、または被覆鋼板と鉄筋コンクリート体との付着が低減し、せん断補強効果が低下する場合があるという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、施工の手間を軽減し、工期の短縮を図ることができ、さらに、せん断補強効果の低下を防止することができるせん断補強構造を提供することを目的としている。
本発明に係るせん断補強構造は、鉄筋コンクリート体にせん断補強部を形成して前記鉄筋コンクリート体をせん断補強するせん断補強構造であって、前記せん断補強部は、流動性を有するとともに前記鉄筋コンクリート体をせん断補強する強度を有するせん断補強材料が、前記鉄筋コンクリート体に形成された孔の中に充填されて凝固することにより形成されていることを特徴としている。
このような特徴により、鉄筋コンクリート体に孔を形成し、この孔の中にせん断補強材料を充填することによってせん断補強部が形成され、このせん断補強部によって鉄筋コンクリート体がせん断補強される。また、流動性を有するせん断補強材料が凝固することにより形成されたせん断補強部は、鉄筋コンクリート体に対する付着力が高く、せん断補強部と鉄筋コンクリート体とは確実に接合される。
なお、本発明における「孔」は、例えば丸孔のような「長孔」の他に「溝」も含む概念とする。
また、本発明に係るせん断補強構造は、前記せん断補強材料に補強繊維が混合されていることが好ましい。
これにより、せん断補強部の靭性が補強繊維によって向上し、せん断補強部によるせん断補強効果が増大する。
また、本発明に係るせん断補強構造は、前記孔の内側に、前記せん断補強材料内に埋設された孔内補強鋼材が挿設されていることが好ましい。
これにより、せん断補強部の引張強度が孔内補強鋼材によって増大し、せん断補強部によるせん断補強効果が増大する。
また、本発明に係るせん断補強構造は、前記せん断補強部が、前記孔の周囲の前記鉄筋コンクリート体の表層部分が斫られ、その斫り部分が前記孔内の前記せん断補強材料と一体のせん断補強材料で被覆された構成になっていることが好ましい。
これにより、表層部分のせん断補強材料がフランジの役目を果たし、せん断補強部がフランジ付き梁部材の構造となる。すなわち、表層部分のせん断補強材料によってせん断補強部の曲げ剛性が向上し、せん断補強部によるせん断補強効果が増大する。また、鉄筋コンクリート体の表面の一部又は全部がせん断補強材料で覆われ、コンクリート体の剥離が防止される。
また、本発明に係るせん断補強構造は、前記斫り部分の前記せん断補強材料内に、前記鉄筋コンクリート体の鉄筋に沿って配置された表層内補強鋼材が埋設されていることが好ましい。
これにより、鉄筋コンクリート体の鉄筋が表層内補強鋼材によって補強され、孔を形成することによる鉄筋コンクリート体の強度低下が抑えられる。
本発明に係るせん断補強構造によれば、せん断補強部の数量を削減して、施工の手間を軽減することができ、工期の短縮を図ることができる。また、せん断補強材料からなるせん断補強部と鉄筋コンクリート体とは確実に接合されるため、せん断補強効果が低下することを防止することができ、鉄筋コンクリート体を確実にせん断補強することができる。
以下、本発明に係るせん断補強構造の第1、第2、第3の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1、図2に基いて第1の実施の形態について説明する。図1は鉄筋コンクリート造のカルバート構造物1の側壁部2(本発明の鉄筋コンクリート体に相当する。)を表した斜視図であり、図2は側壁部2の水平方向の断面図である。
本実施の形態におけるせん断補強構造は、カルバート構造物1の側壁部2にせん断補強部3を形成して側壁部2をせん断補強する構造である。なお、本実施の形態における側壁部2は、コンクリート体20内に壁鉄筋21,22が埋設された構成からなり、壁鉄筋21,22は、鉛直方向に延在する縦鉄筋21(主筋)と水平方向に延在する横鉄筋22(配力筋)とが格子状に配筋されている。
せん断補強部3は、側壁部2をせん断補強することが可能な強度を有する板状部であり、鉛直方向に延設されているとともに、水平方向に間隔をあけて複数平行に並設されている。このせん断補強部3は、側壁部2に形成された溝30(本発明の孔に相当する。)の中にせん断補強材料31が充填されて凝固することにより形成されている。
溝30は、側壁部2の表面に対して略垂直に切削された有底の非貫通孔である。この溝30は、側壁部2の隣り合う主筋(縦鉄筋21)間の位置に、主筋方向に沿って延設されており、側壁部2の配力筋(横鉄筋22)を切断して形成されている。具体的に説明すると、溝30は、鉛直方向に直線的に延設されており、その深さ方向(側壁部2の壁厚方向)が、側壁部2の内側面から側壁部2の外側の壁鉄筋21A,22Aの位置まで延在しており、その長さ方向(側壁部2の高さ方向)が、側壁部2の上端から下端まで延在している。
せん断補強材料31は、溝30内に満遍なく充填可能な流動性を有する充填材料である。また、せん断補強材料31は、凝固することによって側壁部2をせん断補強する強度を発現する材料であり、呼び強度が60(N/mm)〜200(N/mm)の範囲内の高強度材料が用いられることが好ましく、例えば呼び強度が100(N/mm)程度のせん断補強材料31が用いられる。せん断補強材料31としては、例えば、高強度コンクリートや高強度モルタル、高強度エポキシ等を用いることができる。
上記したせん断補強材料31には、せん断補強部3を補強する補強繊維が混合されていることが好ましい。補強繊維としては、例えば、スチールファイバー等の金属繊維や、炭素繊維、ポリ塩化ビニル等からなる合成繊維を用いることができる。なお、補強繊維の混合率としては、容積百分率で0.5(%)以上、2.0(%)以下の範囲内に設定することが好ましい。
続いて、上記した構成からなるせん断補強構造の施工方法について説明する。
まず、側壁部2に溝30を形成する工程を行う。具体的に説明すると、ウォールソー等の切削機械を用いて側壁部2の表面にスリット状の溝30を鉛直方向に切削する。このとき、側壁部2の縦鉄筋21を切断しないように、隣り合う縦鉄筋21,21間の位置に溝30を形成する。また、側壁部2の横鉄筋22を切断しないように上下に配筋された横鉄筋22,22間の部分のみを切削して破線状に溝を形成することも可能であるが、施工性が悪くなるため、横鉄筋22を切断しながら直線状に溝30を形成する。
次に、上記した溝30の中にせん断補強材料31を充填する工程を行う。せん断補強材料31の充填方法としては、公知の充填方法を採用することができ、例えば、ピストン状の注入器を用いて溝30内にせん断補強材料31を注入していく方法や、或いは、圧送機を用いて溝30内にせん断補強材料31を打設する方法等がある。また、必要に応じて溝30の開放口を型枠で塞ぎ、溝30内に注入されたせん断補強材料31が流出しないようにする。
そして、溝30内に充填されたせん断補強材料31が凝固することで、せん断補強部3が形成され、せん断補強構造の施工が完了する。このとき、せん断補強部3が側壁部2をせん断補強する程度の高強度になるため、上記したせん断補強部3によって側壁部2がせん断補強される。また、流動性を有するせん断補強材料31が凝固することにより形成されたせん断補強部3は、側壁部2のコンクリート体20に対する付着力が高く、せん断補強部3と側壁部2とは確実に接合される。
上記した構成からなるせん断補強構造によれば、せん断補強部3のせん断補強性能が高いため、せん断補強部3の間隔を広くしてせん断補強部3の数量を削減することができる。これにより、施工の手間を軽減することができ、せん断補強工事の工期の短縮を図ることができる。
また、せん断補強部3と側壁部2のコンクリート体20とが確実に接合され、せん断補強材料31がコンクリート体20から剥離することが防止されているため、せん断補強効果が低下することを防止することができ、側壁部2を確実にせん断補強することができる。
また、せん断補強材料31に補強繊維を混合させることにより、補強繊維によってせん断補強部3の靭性が向上し、せん断補強部3によるせん断補強効果がさらに増大する。これにより、せん断補強部3の間隔をさらに広くしてせん断補強部3の数量を削減することができる。
[第2の実施の形態]
次に、図3に基いて第2の実施の形態について説明する。図3は側壁部2の水平方向の断面図である。なお、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、せん断補強部103は、溝30の内側に、補強鋼材33(本発明における孔内補強鋼材に相当する。)が挿設された構成になっている。この補強鋼材33は、溝30の深さ寸法よりも短い鉄筋材からなり、溝30の深さ方向(壁厚方向)に延設されてせん断補強材料31内に埋設されている。また、補強鋼材33は、溝30の長さ方向に間隔をあけて複数配筋されている。なお、溝30の溝幅は従来のせん断補強構造における長孔や溝等と比べて広いため、上記補強鋼材33として太径の鉄筋材を溝30内に挿入することが可能である。また、上記補強鋼材33としては、鉄筋材のような棒状鋼材以外の鋼材を用いることも可能であり、例えば補強鋼材33として鋼板を溝30内に挿入することも可能である。
この補強鋼材33を備えるせん断補強構造の施工方法としては、溝30内にせん断補強材料31を充填する工程の後、上記せん断補強材料31が凝固する前に、溝30内に補強鋼材33を挿入する。なお、溝30内にせん断補強材料31を充填する工程の前に、溝30内に補強鋼材33を予め配筋する工程を行うことも可能である。この場合、溝30内に縦筋を配筋し、この縦筋に複数の補強鋼材33を結束する等して、複数の補強鋼材33が所定位置に配筋されるようにする。
上記した構成からなるせん断補強構造によれば、補強鋼材33によってせん断補強部103の引張強度が増大し、せん断補強部3によるせん断補強効果が増大する。これにより、せん断補強部103の間隔をさらに広くしてせん断補強部103の数量を削減し、より一層工期の短縮を図ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、図4に基いて第3の実施の形態について説明する。図4は側壁部2の水平方向の断面図である。なお、上述した第1、第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、せん断補強部203は、溝30の周囲の側壁部2の内側の表層部分が斫られ、その斫り部分23が溝30内のせん断補強材料31Aと一体のせん断補強材料31Bで被覆された構成になっている。斫り部分23は、溝30に沿って延在する凹部であり、内側の壁鉄筋21B,22Bが露出する深さまで略均一に削り取られている。また、斫り部分23は溝30よりも幅広に形成されており、この斫り部分23の横幅方向の中央部分に溝30が形成されている。そして、断面視凹形状の斫り部分23の内側に充填されたせん断補強材料31Bは、側壁部2の内側面と面一に形成されている。すなわち、せん断補強部203は、断面視T字形状を成しており、溝30の内側に形成された板状のウェブ部35と、ウェブ部35に対して垂直に形成された板状のフランジ部36と、を備えている。上記したウェブ部35及びフランジ部36は、同一のせん断補強材料31A,31Bにより形成されており、ウェブ部35とフランジ部36とは一体に形成されている。なお、上記したウェブ部35のせん断補強材料31Aとフランジ部36のせん断補強材料31Bは、上述した第1の実施の形態におけるせん断補強材料31と同様の充填材料からなる。
斫り部分23内のせん断補強材料31B内、つまりフランジ部36内には、側壁部2の内側の横鉄筋22Bに沿って配置された補強鋼材34(本発明における表層内補強鋼材に相当する。)が埋設されている。この補強鋼材34は、溝30を形成する際に切断された横鉄筋22を補強するためのものであり、横鉄筋22Bに沿って水平方向に延在する鉄筋材からなる。補強鋼材34は、帯状のフランジ部36の長さ方向に間隔をあけて複数配筋されており、各補強鋼材34は、内側の壁鉄筋21B,22Bに結束されている。なお、上記補強鋼材34としては、鉄筋材のような棒状鋼材以外の鋼材を用いることも可能であり、例えば補強鋼材34として鋼板を斫り部分23内に配設することも可能である。また、溝30内のせん断補強材料31A及び/又は斫り部分23のせん断補強材料31Bに補強繊維(上述した第1の実施の形態における補強繊維と同様の繊維)を混合させることも可能である。
上記したフランジ部36や補強鋼材34を備えるせん断補強構造の施工方法としては、まず、側壁部2に溝30を形成するとともに側壁部2の内側の表層部分を斫る工程を行う。具体的に説明すると、側壁部2の内側面に溝30を切削した後、その溝30の周りの側壁部2の内側面を斫って断面視凹形状の斫り部分23を形成する。これにより、斫り部分23の内側において側壁部2の内側の壁鉄筋21B,22Bが露出される。なお、側壁部2の内側面を斫って斫り部分23を形成した後、溝30を切削してもよい。
次に、斫り部分23の内側に補強鋼材34を配筋する工程を行う。具体的に説明すると、露出された側壁部2の内側の壁鉄筋21B,22Bに補強鋼材34を結束して、複数の補強鋼材34を所定間隔で配筋する。
次に、上記した溝30及び斫り部分23の内側にせん断補強材料31A,31Bを充填する工程を行う。具体的に説明すると、斫り部分23を図示せぬ型枠で塞ぎ、その型枠に形成された注入口からせん断補強材料31A,31Bを充填する。これにより、溝30内にせん断補強材料31Aが充填されるとともに斫り部分23内にせん断補強材料31Bが充填される。なお、せん断補強材料31A,31Bを他の充填方法により充填することも可能であり、例えば、溝30内に注入器等によってせん断補強材料31Aを注入した後、斫り部分23にせん断補強材料31Bを塗布することにより溝30及び斫り部分23の内側にせん断補強材料31を充填することも可能である。
そして、上記せん断補強材料31A,31Bが凝固した後、上記型枠を脱型し、せん断補強構造の施工が完了する。
上記した構成からなるせん断補強構造によれば、表層部分のせん断補強材料31B(フランジ部131)がフランジの役目を果たし、せん断補強部203がフランジ付き梁部材の構造となる。すなわち、表層部分のせん断補強材料31Bによってせん断補強部203の曲げ剛性が向上し、せん断補強部203によるせん断補強効果が増大する。これにより、せん断補強部203の間隔をさらに広くすることができ、せん断補強部203の数量を削減することができる。
また、側壁部2の内側面の一部がせん断補強材料31Bで被覆されるので、側壁部2のコンクリート体20が劣化した場合であっても、せん断補強材料31Bで被覆された部分におけるコンクリート体20の剥離を防止することができる。
特に、斫り部分23を被覆するせん断補強材料31Bに補強繊維を混合させることにより、補強繊維によってせん断補強部203のフランジ部36の靭性が向上するので、せん断補強材料31Bの剥離を防止して、コンクリート体20の剥離を確実に防止することができる。
また、斫り部分23にせん断補強材料31Bが被覆されるので、コンクリート体20に対するせん断補強材料31Bの付着性が向上し、せん断補強材料31Bの剥離が防止される。特に、上記したせん断補強構造では、斫り部分23において側壁部2の壁鉄筋21B,22Bが露出され、露出された壁鉄筋21B,22Bにせん断補強材料31Bが付着しているので、せん断補強材料31Bの剥離がより確実に防止される。
また、凹形状の斫り部分23の内側にせん断補強材料31Bが充填されるので、側壁部2の壁厚さを変更することなく、せん断補強構造を形成することができる。
また、斫り部分23のせん断補強材料31B内に埋設された補強鋼材34によって、切断された横鉄筋22Bが補強されるので、側壁部2の強度低下が抑えられる。これにより、側壁部2の構造を保持しつつせん断補強することができる。
なお、上述した図4に示すせん断補強構造において、上述した第2の実施の形態と同様にして溝30の内側に補強鋼材33を配設させることも可能である。
また、上述した図4に示すせん断補強構造において、上記した補強鋼材34を省略することも可能である。
また、側壁部2の内側面のうち、隣り合う溝30,30(ウェブ部35,35)間の表層部分を斫り、斫り部分23内のせん断補強材料31Bを介して隣り合うウェブ部35,35同士を連結した構成にすることも可能である。つまり、断面視コ字形状のせん断補強部を形成することも可能である。また、斫り部分23内のせん断補強材料31Bを介して3つ以上のウェブ部35…を連結した構成にすることも可能である。さらに、側壁部2の内側面全体の表層部分を壁鉄筋21B,22Bが露出する程度まで斫り、側壁部2の内側面全体をせん断補強材料31Bで被覆することも可能である。
[第4の実施の形態]
次に、図5に基いて第4の実施の形態について説明する。図5は側壁部2の水平方向の断面図である。なお、上述した第1から第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、せん断補強部303は、溝30の周囲の側壁部2の内側の表層部分が斫られ、その斫り部分323が溝30内のせん断補強材料31Aと一体のせん断補強材料31Bで被覆された構成になっている。斫り部分323は、側壁部2の内側面を凸凹にした目荒らし面であり、側壁部2の表面部分だけが削られている。この斫り部分323は側壁部2の内側面の全体に形成されており、この斫り部分323にせん断補強材料31Bが所定の厚さで被覆されている。なお、上述した第3の実施の形態と同様に、溝30内のせん断補強材料31A及び/又は斫り部分323のせん断補強材料31Bに補強繊維を混合させることも可能である。
上記した斫り部分323が形成されたせん断補強構造の施工方法としては、まず、側壁部2に溝30を形成するとともに側壁部2の内側の表層部分を斫る工程を行う。具体的に説明すると、側壁部2の内側面に溝30を切削した後、側壁部2の内側面を斫って目荒らしを行う。これにより、側壁部2の内側面に凸凹の斫り部分323が形成される。なお、側壁部2の内側面を目荒らしした後、溝30を切削してもよい。
次に、上記した溝30内にせん断補強材料31Aを充填するとともに上記した斫り部分323にせん断補強材料31Bを被覆させる工程を行う。具体的に説明すると、溝30内に注入器等によってせん断補強材料31Aを注入した後、斫り部分323にせん断補強材料31Bを塗布する。そして、上記せん断補強材料31A,31Bが凝固することにより、せん断補強部303が形成され、せん断補強構造の施工が完了する。なお、カルバート構造物1の内部に図示せぬ型枠を斫り部分323に対向させて建て込み、この型枠の中にせん断補強材料31を注入することにより、溝30内のせん断補強材料31A及び斫り部分323のせん断補強材料31Bを一度に形成することも可能である。
上記した構成からなるせん断補強構造によれば、側壁部2の内側面の全体がせん断補強材料31Bで被覆されているので、側壁部2のコンクリート体20が劣化した場合であっても、コンクリート体20の剥離を防止することができる。
また、側壁部2の表面部分のみを斫って目荒らし状の斫り部分323を形成するだけであるので、斫り作業が軽減され、工期の短縮を図ることができる。
また、目荒らし状の斫り部分323にせん断補強材料31Bが被覆されるので、コンクリート体20に対するせん断補強材料31Bの剥離を防止することができる。
なお、上述した図5に示すせん断補強構造において、上述した第2の実施の形態と同様にして溝30の内側に補強鋼材33を配設させることも可能である。また、上述した第3の実施の形態における補強鋼材34と同様の補強鋼材を斫り部分323のせん断補強材料31B内に埋設させることも可能である。
また、側壁部2の内側面のうち、溝30の周りの一部分に、目荒らし状の斫り部分323を形成してせん断補強材料31Bを被覆させることも可能である。
以上、本発明に係るせん断補強構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、側壁部2に非貫通の溝30が形成され、その溝30にせん断補強材料31が充填されているが、本発明は、貫通した孔にせん断補強材料31を充填させてもよい。例えば、図6に示すように、カルバート構造物1の中間隔壁102(本発明における鉄筋コンクリート体に相当する。)をせん断補強する場合、図6、図7に示すように、中間隔壁102に、貫通したスリット430(本発明における孔に相当する。)を切削し、このスリット430内にせん断補強材料31を充填して形成されるせん断補強部403にすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、鉛直方向に延在する複数の溝30が間隔をあけて平行に形成されており、鉛直方向に延設した複数のせん断補強部3(103,203,303)が平行に形成されているが、本発明は、せん断補強部の延在方向は適宜変更可能であり、例えば、せん断補強部を水平方向に延設させた構成であってもよい。また、本発明は、複数のせん断補強部が異なる方向に延設されていてもよく、例えば、鉛直方向に延設されたせん断補強部と水平方向に延設されたせん断補強部とがそれぞれ形成されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、鉄筋コンクリート体に溝30が形成され、板状のせん断補強部3,103,203,303が形成されているが、本発明は、板状のせん断補強部に限定されるものではなく、棒状のせん断補強部が複数形成された構成であってもよい。詳しく説明すると、例えば、図8に示すように、側壁部2に長孔530を形成し、この長孔530にせん断補強材31を充填して棒状のせん断補強部503を形成してもよい。これにより、側壁部2の鉄筋(縦鉄筋21及び横鉄筋22)の位置を避けた位置に長孔530を形成することで、側壁部2の鉄筋を切断することなく、せん断補強構造を形成することができる。
また、上記した実施の形態では、溝30の深さが側壁部2の外側の壁鉄筋21A,22Aの位置まで達しているが、本発明は、溝30の深さは適宜変更可能である。例えば、図9に示すように、溝630の深さが側壁部2の外側の壁鉄筋21A,22Aの手前の位置で止められていてもよい。これにより、外側の壁鉄筋21A,22Aを切断せずに、せん断補強部603を形成することができる。
また、上記した実施の形態では、カルバート構造物の側壁部をせん断補強する構成について説明しているが、本発明は、構造物の壁以外をせん断補強する構成であってもよい。例えば、構造物の柱や梁、スラブ、基礎等をせん断補強する場合にも適用可能である。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した各実施の形態や各変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す断面図である。 本発明の第3の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す断面図である。 本発明の第4の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す断面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す斜視図である。 本発明の他の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す断面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す斜視図である。 本発明の他の実施の形態を説明するためのせん断補強構造を表す断面図である。
符号の説明
2、102 側壁部(鉄筋コンクリート体)
23、323 斫り部分
3、103、203、303、403、503、603 せん断補強部
30、430、630 溝(孔)
31、31A、31B せん断補強材料
33 補強鋼材(孔内補強鋼材)
34 補強鋼材(表層内補強鋼材)
530 長孔(孔)

Claims (5)

  1. 鉄筋コンクリート体にせん断補強部を形成して前記鉄筋コンクリート体をせん断補強するせん断補強構造であって、
    前記せん断補強部は、流動性を有するとともに前記鉄筋コンクリート体をせん断補強する強度を有するせん断補強材料が、前記鉄筋コンクリート体に形成された孔の中に充填されて凝固することにより形成されていることを特徴とするせん断補強構造。
  2. 請求項1記載のせん断補強構造において、
    前記せん断補強材料に補強繊維が混合されていることを特徴とするせん断補強構造。
  3. 請求項1または2記載のせん断補強構造において、
    前記孔の内側には、前記せん断補強材料内に埋設された孔内補強鋼材が挿設されていることを特徴とするせん断補強構造。
  4. 請求項1から3のいずれか記載のせん断補強構造において、
    前記せん断補強部は、前記孔の周囲の前記鉄筋コンクリート体の表層部分が斫られ、その斫り部分が前記孔内の前記せん断補強材料と一体のせん断補強材料で被覆された構成になっていることを特徴とするせん断補強構造。
  5. 請求項4記載のせん断補強構造において、
    前記斫り部分の前記せん断補強材料内には、前記鉄筋コンクリート体の鉄筋に沿って配置された表層内補強鋼材が埋設されていることを特徴とするせん断補強構造。
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