JP7022052B2 - 既存床の補強方法 - Google Patents
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そして、第1溝状凹部を形成してその第1溝状凹部を補強する間は、主として第1溝状凹部の間に残存する複数条の梁状凸部が既存床を支持し、その梁状凸部の対応位置に第2溝状凹部を形成してその第2溝状凹部を補強する間は、主として第1溝状凹部に打設されて強度が発現した後のコンクリートが、第2溝状凹部の間に梁状に配置されて既存床を支持することになる。したがって、既存床を支持する支保工に関しては、あまり大掛かりなものを必要とせず、場合によっては、支保工を省略することも可能で、例えば、既存床の下層階への影響を最小限に抑えることもできる。
特に、上記第3特徴構成に関連して記述したように、第2工程における第1溝状凹部の補強時、第4工程の実行にまで耐え得るように予め補強する場合には、第1~第5工程までの全工程を支保工なしで実行して補強することができる。
本発明による既存床の補強方法は、以下に記述する第1~第5までの各工程を順次実行して、鉄筋コンクリート製の既存床を補強する方法であり、第1工程~第5工程について順次説明する。
第1工程では、図1に示すように、鉄筋コンクリート製の既存床1の天面を複数条に亘って溝状に斫って、複数条の第1溝状凹部2とその第1溝状凹部2の間に残存する複数条の梁状凸部3を交互に有する床面を形成する。
第1溝状凹部2の形成方向などは、特に制限はないが、例えば、既存床1が平面視で矩形の場合、既存床1の短辺に沿う方向に形成するのが好ましく、また、各第1溝状凹部2が互いにほぼ平行になるように形成するのが好ましい。
第1溝状凹部2の深さなどに関しても、特に制限はないが、後に詳しく説明するように、第2工程において第1溝状凹部2にコンクリート5(図2参照)を打設しても耐えることができて、例えば、既存床1に埋設された既存の下端筋(図示せず)の配置域まで斫って第1溝状凹部2を形成するのが好ましい。要するに、既存床1は、第2工程において第1溝状凹部2にコンクリート5を打設するまでの間、主として第1溝状凹部2の間に残存する複数条の梁状凸部3が支持することになるので、第1溝状凹部2の形成に際しては、この点を考慮した上で支保工なしで耐え得る程度に形成するのが好ましい。
なお、実際のところ、第1溝状凹部2の本数、幅、配置ピッチ、あるいは、深さなどは、既存床1の強度、既存床1の面積や規模、既存床1を支える柱の本数や位置など、実際の現場に対応してあらゆる状況を考慮した上で適宜設定することになる。
第2工程では、図2に示すように、第1工程で形成した第1溝状凹部2の内部に新たに多数本の補強筋4を配筋してコンクリート5を打設する。
補強筋4は、各第1溝状凹部2の長さ方向に沿って配筋するとともに、長さ方向に直交する方向にも配筋し、上述したように、既存の下端筋の配置域まで斫って第1溝状凹部2を形成した場合には、できれば既存の下端筋を残存させた状態で配筋し、その後、コンクリート5を打設する。
各第1溝状凹部2に打設するコンクリート5の厚さは、特に制限はないが、既存の鉄筋や補強筋4等の配筋を考慮して、第1溝状凹部2に打設して強度が発現した後のコンクリート5が、後に詳しく説明するように、第3工程において第2溝状凹部6(図3参照)を形成し、第4工程において第2溝状凹部6にコンクリート5(図4参照)を打設しても耐え得る厚さに設定するのが好ましい。
更に、各第1溝状凹部2に打設するコンクリート5内の補強筋4の配筋は、既存床1を補強するだけでなく、第4工程において第2溝状凹部6にコンクリート5を打設しても耐え得るように設定するのが好ましい。
第3工程では、図3に示すように、第2工程で第1溝状凹部2に打設したコンクリート5の強度発現後に、第1工程で形成した梁状凸部3を溝状に斫って、その梁状凸部3の対応位置に複数条の第2溝状凹部6を形成する。
第2溝状凹部6の深さに関しても、特に制限はないが、第1工程における第1溝状凹部2と同様、後に詳しく説明するように、第4工程において第2溝状凹部6にコンクリート5(図4参照)を打設しても耐えることができて、例えば、既存床1に埋設された既存の下端筋の配置域まで斫って第2溝状凹部6を形成するのが好ましい。
この第3工程の実行により、複数条の第2溝状凹部6とその第2溝状凹部6の間に位置する複数条の梁状凸部7(第1溝状凹部2に打設したコンクリート5が固化してできた梁状凸部)を交互に有する床面が形成される。そして、既存床1は、後に詳しく説明するように、第4工程において第2溝状凹部6にコンクリート5(図4参照)を打設するまでの間、主として第2溝状凹部6の間に残存する複数条の梁状凸部7が支持することになる。
第4工程では、図4に示すように、第3工程で形成した第2溝状凹部6の内部に新たに多数本の補強筋4を配筋してコンクリート5を打設する。
補強筋4は、第1溝状凹部2の場合と同様に、各第2溝状凹部6の長さ方向に沿って配筋するとともに、長さ方向に直交する方向にも配筋し、既存の下端筋の配置域まで斫って第2溝状凹部6を形成した場合には、できれば既存の下端筋を残存させた状態で配筋し、その後、コンクリート5を打設する。
また、この第4工程では、第2溝状凹部6の長さ方向に直交する方向に沿って当該第2溝状凹部の内部に配筋される補強筋4が、上述した第2工程で第1溝状凹部2の長さ方向に直交する方向に沿って当該第1溝状凹部2の内部に配筋された補強筋4(図2参照。)に対して機械式継手や溶接接合、圧接等の適宜の接合手段で連結される。
この第4工程におけるコンクリート5の打設によって、床面はほぼ面一となるが、必ずしも面一にする必要はない。
更に、各第2溝状凹部6に打設するコンクリート5内の補強筋4の配筋は、既存床1を補強するだけでなく、第5工程において床面の上部全体にコンクリート5を打設しても耐え得るものに設定するのが好ましい。
第5工程では、図5に示すように、第4工程の実行後において、床面の上部全面に新たに多数本の補強筋8を配筋してコンクリート5を打設する。
補強筋8は、第1溝状凹部2や第2溝状凹部6の長さ方向に沿って上端筋など多数本を配筋し、長さ方向に直交する方向にも上端筋など多数本を配筋して、補強後の床上に装置類などを設置する場合、第4工程の実行により床面がほぼ面一であれば、墨出し作業の後、その装置設置用のアンカー9などを配置してコンクリート5を打設する。
床面の上部全面に打設するコンクリート5の厚さは、特に制限はないが、補強後の床の厚さが補強前の既存床1とほぼ同じ厚さになるように打設するのが好ましい。
なお、第5工程に関しては、必要不可欠な工程ではなく、この第5工程を省略して実施することもできる。その場合には、例えば、第2工程において、第1溝状凹部2の内部全体に亘ってコンクリート5を打設して梁状凸部3の上面と面一になるようにし、更に、第4工程において、第2溝状凹部6の内部全体に亘ってコンクリート5を打設して、床面をほぼ面一にすることになる。
2 第1溝状凹部
3 梁状凸部
4 第1および第2溝状凹部に配筋の補強筋
5 コンクリート
6 第2溝状凹部
8 床面の上部全面に配筋の補強筋
Claims (7)
- 鉄筋コンクリート製の既存床を補強する既存床の補強方法であって、
前記既存床の天面を複数条に亘って溝状に斫って、複数条の第1溝状凹部とその第1溝状凹部の間に残存する複数条の梁状凸部を交互に有する床面を形成する第1工程と、
前記第1溝状凹部の内部に補強筋を配筋してコンクリートを打設する第2工程と、
その第1溝状凹部に打設したコンクリートの強度発現後に、前記梁状凸部を全幅に亘って溝状に斫って、その梁状凸部の対応位置に複数条の第2溝状凹部を形成する第3工程と、
前記第2溝状凹部の内部に補強筋を配筋してコンクリートを打設する第4工程と、を実行して補強する既存床の補強方法。 - 前記第1工程において、前記既存床に埋設された既存の下端筋の配置域まで斫って前記第1溝状凹部を形成し、前記第3工程において、前記下端筋の配置域まで斫って前記第2溝状凹部を形成する請求項1に記載の既存床の補強方法。
- 前記第2工程におけるコンクリートの打設時、前記第4工程においてコンクリートを打設しても耐え得る厚さにコンクリートを打設する請求項1または2に記載の既存床の補強方法。
- 前記第4工程の実行後において、床面の上部全面に補強筋を配筋してコンクリートを打設する第5工程を実行する請求項1~3のいずれか1項に記載の既存床の補強方法。
- 前記第4工程におけるコンクリートの打設によって、前記床面をほぼ面一にする請求項4に記載の既存床の補強方法。
- 前記第4工程におけるコンクリートの打設時、前記第5工程において前記床面の上部全面にコンクリートを打設しても耐え得る厚さにコンクリートを打設する請求項4または5に記載の既存床の補強方法。
- 前記第5工程におけるコンクリートの打設時、補強後の床の厚さが補強前の既存床とほぼ同じ厚さになるようにコンクリートを打設する請求項4~6のいずれか1項に記載の既存床の補強方法。
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