JP3856745B2 - 既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法 - Google Patents

既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、既存の鉄骨コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁ラーメン架構若しくはフラットスラブ架構における、柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
鉄骨コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁ラーメン架構若しくはフラットスラブ架構において、用途変更等により既存躯体に生じる仕上げ荷重や積載荷重が今まで以上に増加する場合がある。その場合は、柱と梁又はスラブの接合部に作用する曲げモーメント及びせん断力が増加するので、曲げ補強が必要となる。曲げ補強の従来技術としては、
【0003】
(i)図7、図8に示すように、曲げ補強筋5(一般的には鉄筋)を柱1内に差して定着させるか、或いは柱1へ水平に貫通させ、更に柱1の周辺に前記曲げ補強筋5と一体を成す鉄筋14を縦横に配筋し、スラブ2(又は梁)の上面と下面に後打ちコンクリート9を打設して、前記曲げ補強筋5及び鉄筋14を既存躯体であるスラブ2及び柱1と一体化することによって補強する。上記(i)の従来技術は、公然に実施されている。
【0004】
フラットスラブ架構や柱梁ラーメン架構の施工技術は、例えば以下の技術が公知に属する。
【0005】
(ii)以下の特許文献1、2によれば、柱の外周に、両側部が傾斜面に形成された複数のスラブ支板を、隣り合う前記スラブ支板の傾斜面を相対峙させて配置する。柱の外側部で対向するスラブ支板と、その間に配置されたスラブ支板とを貫通させたPC鋼棒に緊張力を導入して、各スラブ支板を柱に圧着させ、前記各スラブ支板でスラブを支持してフラットスラブ架構を施工する技術が開示されている。
【0006】
(iii)以下の特許文献3によれば、柱の梁受用のブラケットに梁の端部を載置し、前記梁と柱頭にPC鋼棒を貫通させると共に、梁の端面と柱頭側面との隙間に目地材を充填し、同目地材が硬化した後に、前記PC鋼棒に緊張力を導入して、柱頭へ梁を圧着させる。そして、スラブを梁の上面における巾方向に載置し、梁とスラブの上面に後打ちコンクリートを打設して柱梁ラーメン架構を施工する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3028993号公報
【特許文献2】
特許第3086866号公報
【特許文献3】
特公平4−17260号公報
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】
上述した(i)の従来技術は、柱1内に曲げ補強筋5を差して定着又は貫通させるために多数の孔を開ける必要があり、作業が煩雑である。また、柱1内に存在する既存の鉄筋等(図示を省略)と干渉して、同鉄筋等を痛めてしまう可能性がある。孔の数が増えれば一層危いことである。
【0009】
しかも、施工時の騒音に関して周囲への騒音対策の配慮が必要となる。
【0010】
上述した(ii)及び(iii)の技術は、PC鋼棒を用いた技術である点で本発明と共通するが、既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強に関する技術ではない。
【0011】
本発明の目的は、柱に孔を開ける必要がなく、曲げ補強筋を柱へ強固に定着させることができ、施工の容易化と、柱内に存在する既存の鉄筋等の健全性を維持し、しかも騒音対策の配慮が無用である、既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法は、
既存の柱と梁又はスラブの接合部において、
前記柱の外側面に沿って配置したPC鋼棒で連結可能に同柱の一辺より長く構成され、両端部に前記PC鋼棒を通す通孔を備え、外側面に複数本の曲げ補強筋を備えたPC圧着用鉄骨を、柱の外側面に沿ってその四辺を相互に干渉しない配置で取り囲み、且つ前記曲げ補強筋が水平に延びる配置で用意する工程と、
前記柱を挟んで対向する二辺のPC圧着用鉄骨相互の通孔へアンボンド処理されたPC鋼棒を通して仮止めし、柱の外側面と、前記PC圧着用鉄骨との間に形成された隙間へ無収縮モルタルを充填し、同無収縮モルタルが硬化した後に、PC鋼棒に緊張力を導入して、同PC鋼棒の本締めを行う工程と、
前記PC圧着用鉄骨の周辺部に前記曲げ補強筋と一体を成す鉄筋を配筋し、後打ちコンクリートを打設して、前記曲げ補強筋及び鉄筋を既存躯体である梁又はスラブと一体化する工程とから成ることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載した発明に係る既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法は、
既存の柱と梁又はスラブの接合部において、
前記柱の外側面に沿って配置したPC鋼棒で連結可能に同柱の一辺より長く構成され、両端部に前記PC鋼棒を通す通孔を備え、外側面に複数本の曲げ補強筋を備えたPC圧着用鉄骨を、柱の外側面に沿ってその四辺を取り囲む枠組形状に、且つ前記曲げ補強筋が水平に延びる配置で用意する工程と、
前記柱を挟んで対向する二辺のPC圧着用鉄骨相互の通孔へアンボンド処理されたPC鋼棒を通して仮止めし、柱の外側面と、前記PC圧着用鉄骨との間に形成された隙間へ無収縮モルタルを充填し、同無収縮モルタルが硬化した後に、PC鋼棒に緊張力を導入して、同PC鋼棒の本締めを行う工程と、
前記PC圧着用鉄骨の周辺部に前記曲げ補強筋と一体を成す鉄筋を配筋し、後打ちコンクリートを打設して、前記曲げ補強筋及び鉄筋を既存躯体である梁又はスラブと一体化する工程とから成ることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載した既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法において、
PC鋼棒とPC圧着用鉄骨並びに曲げ補強筋は、梁又はスラブの上面又は下面の少なくとも一方、又は双方に配置し、それぞれに後打ちコンクリートを打設することを特徴とする。
【0015】
【本発明の実施形態、及び実施例】
以下に、請求項1、3に記載した発明に係る既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法の実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0016】
この曲げ補強工法は、図1〜図4に示すように、既存の角形断面の柱1とフラットスラブ2との接合部において、柱1の四辺の外側面に沿って配置した真直ぐなPC鋼棒3を連結可能な程度に同柱1の一辺よりも長く構成され、両端部に前記PC鋼棒3を通す通孔4、4を備え、一方のフランジ8の外側面に複数本の曲げ補強筋5…を予め備えたPC圧着用鉄骨6を、柱1の外側面に沿ってその四辺を取り囲むように、フラットスラブ2の上面及び下面に配置する。但し、フラットスラブ2の上面にのみ、又は下面にのみ配置する場合もある。(請求項3記載の発明)。前記PC圧着用鉄骨6…の配置は、後でPC鋼棒3に導入される緊張力を確実に柱1に伝えるべく、相互に干渉しない配置とされる。前記曲げ補強筋5による曲げ補強効果の実効をあらしめるためである。
【0017】
前記PC圧着用鉄骨6を上記のように配置すると、図3に拡大図を示すように、各PC圧着用鉄骨6と柱1の外側面との間には必然的に隙間Tが形成される。PC圧着用鉄骨6の曲げ補強筋5はフラットスラブ2の上面及び下面に沿って柱1から水平に配置される。なお、フラットスラブ2の下面にPC圧着用鉄骨6を配置する際には、支保手段(図示は省略)を用いる。
【0018】
前記PC圧着用鉄骨6は、図4に示すように、ウエブ7とその上下の端部に水平に設けられたフランジ8、8’とから成るチャンネル鋼材で構成されている。
【0019】
前記PC圧着用鉄骨6のウエブ7は、図3に示すように、その両端部にPC鋼棒3を通す通孔4、4が設けられている。そして、柱1の外側面に沿って平行に配置したPC鋼棒3、3の端部を前記通孔4、4へ通すことができる程度に、PC圧着用鉄骨6のウエブ7は柱1の一辺より長く構成されている。なお、平面視状態を示す図1及び図3において、柱1に対し横方向に配置されたPC鋼棒3と、縦方向に配置されたPC鋼棒3とは、互いに干渉しないように、異なる高さに設けられている(図4を参照)。
【0020】
前記PC圧着用鉄骨6の一方のフランジ8の外側面に、複数本の曲げ補強筋5…が水平方向に溶接等の手段で接合されている。よって、他方のフランジ8’をフラットスラブ2の上面又は下面に接するように配置すると、上記曲げ補強筋5は、フラットスラブ2の上面又は下面からは可及的に遠く、高さHだけ離れて水平に配置されることになり(図4を参照)、大きな曲げ抵抗を発揮する。
【0021】
柱1を挟んで対向する二辺のPC圧着用鉄骨6、6の通孔4、4へ、グリース等を外周面に付着するなどしてアンボンド処理されたPC鋼棒3を通し、各PC鋼棒3の両端部をナット10、10で仮止めし、4個のPC圧着用鉄骨6…を相互に干渉しない状態(図3を参照)で仮固定する。つまり、各PC鋼棒3は、柱1の外側面に沿って配置されるのであり、柱1の内部を貫通させる必要がない。よって、PC鋼棒3を定着させる孔を柱1へ開ける必要がなく、施工の容易化に寄与する。しかも、柱1内に存在する既存の鉄筋等を痛めることもなく、健全な状態を維持した施工ができる。また、騒音対策の配慮も不要である。
【0022】
上記柱1の外側面と、前記PC圧着用鉄骨6のウエブ7との間に形成された隙間Tへは無収縮モルタル11を密実に充填する。この無収縮モルタル11が硬化し強度を発現した後に、曲げ補強筋5が所定の曲げ耐力時に負担する引張力以上の緊張力(プレストレス)をPC鋼棒3へ導入して、PC鋼棒3のナット10、10の本締めを行う。その結果、PC圧着用鉄骨6は柱1へ強固に圧着され、ひいては曲げ補強筋5が柱1へ強固に定着されたことになる。なお、前記隙間Tへ無収縮モルタル11を充填する際には、予めPC鋼棒3へ通したモルタル充填用型枠12を端部に配置し、隣接するPC圧着用鉄骨6、6同士の干渉を防止する(図3を参照)。また、フラットスラブ2の下面側の隙間Tへ無収縮モルタル11を充填する際には、モルタル充填用型枠13を配置し(図4を参照)、前記無収縮モルタル11が硬化した後に脱型する処理を行う。
【0023】
その後、PC圧着用鉄筋6の周辺に前記曲げ補強筋5と一体を成す鉄筋14を縦横に配筋し、前記曲げ補強筋5及び鉄筋14の配置を囲むようにコンクリート打設用の周辺型枠15を配置する(図1及び図2を参照)。更に、フラットスラブ2の下面側には、同下面に打設する後打ちコンクリート9を受け止めるコンクリート打設用型枠16を支保手段と共に設置する(図2及び図4を参照)。そして、フラットスラブ2の上面及び下面に配置したコンクリート打設用型枠15(及び16)の中に後打ちコンクリート9を打設し、この後打ちコンクリート9を養生して強度を発現させ、上記曲げ補強筋5及び鉄筋14を既存躯体であるフラットスラブ2及び柱1と一体化する。最後に前記の各コンクリート打設用型枠15、16を脱型することにより接合部の曲げ補強工事は完了する。
【0024】
次に、請求項2、3に記載した発明に係る既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法の実施形態を、図5及び図6に基づいて説明する。なお、以下の説明において支保手段及び型枠の配置等は、図1〜図4に示す実施形態と略同様であるので省略する。
【0025】
上述した図1〜図4の実施形態では、曲げ補強筋5に作用する曲げ引張力を直接柱1へ負担させる目的で、PC圧着用鉄骨6は相互に干渉しない状態で配置した。それに対し、本実施形態では、次善の策として、図5及び図6に示すように、PC圧着用鉄骨6を枠組形状に配置する。
【0026】
具体的には、既存の角形断面の柱1とフラットスラブ2の接合部において、柱1の四辺の外側面に沿って配置した真直ぐなPC鋼棒3を連結可能な程度に同柱1の一辺よりも長く構成され、両端部に前記PC鋼棒3を通す通孔4、4を備え、外側面に複数本の曲げ補強筋5…を予め備えたPC圧着用鉄骨20を、柱1の外側面に沿ってその四辺を取り囲む枠組形状に、フラットスラブ2の上面及び下面の双方に配置する(請求項3記載の発明)。
【0027】
本実施形態の場合も、前記PC圧着用鉄骨20を上記のように配置すると、図6に示すように、各PC圧着用鉄骨20と柱1の外側面との間に、PC鋼棒3を柱1の外側面に沿って通すのに十分な大きさの隙間Tが形成される。本実施形態では、前記柱1の外側面に沿って形成される隙間Tは、枠組形状に配置されたPC圧着用鉄骨20によりしっかりと密閉される。つまり、図3に示す型枠12を省略して直接、前記隙間Tへ無収縮モルタル11を密実に充填できる。PC圧着用鉄骨20の曲げ補強筋5は、フラットスラブ2の上面及び下面に沿って柱1から水平に配置される。
【0028】
前記PC圧着用鉄骨20は、上記PC圧着用鉄骨6と略同様の構成とされている。但し、上記の枠組形状を実現するために、PC圧着用鉄骨20のフランジ22、22’(なお、フランジ22’は図示を省略)は、両端部を約π/4rad(45°)の角度に延長した台形状に形成されている。同端部には側面プレート23が設けられ、隣接するPC圧着用鉄骨20、20の隅部同士は前記側面プレート23によって面接触となり、強固な枠組形状を組み上げることができる構成とされている。したがって、前記PC圧着用鉄骨20は無収縮モルタル11を充填するモルタル充填用の型枠として好適に利用することができ、図3に示す型枠12を省略することができ、施工の一層の容易化に寄与する。
【0029】
柱1を挟んで対向する二辺のPC圧着用鉄骨20、20の通孔4、4へ、グリース等でアンボンド処理されたPC鋼棒3を通し、各PC鋼棒3の両端部をナット10、10で仮止めし、4個のPC圧着用鉄骨6…の枠組形状を仮固定する。本実施形態でも、各PC鋼棒3は、柱1の外側面に沿って配置されるので、柱1の内部を貫通させる必要がなく、施工の容易化、及び柱1内に存在する既存の鉄筋等の健全化に寄与し、騒音対策の配慮も不要である。
【0030】
前記柱1の外側面と、前記PC圧着用鉄骨20のウエブ21との間に形成された隙間Tへ無収縮モルタル11を充填し、同無収縮モルタル11が硬化し強度を発現した後に、曲げ補強筋5が所定の曲げ耐力時に負担する引張力以上の緊張力(プレストレス)をPC鋼棒3に導入してPC鋼棒3のナット10、10の本締めを行う。その結果、PC圧着用鉄骨20は柱1へ強固に固定され、ひいては曲げ補強筋5に作用する曲げ引張力は柱1へ負担されることになる。
【0031】
その後、PC圧着用鉄骨20の周辺に前記曲げ補強筋5と一体を成す鉄筋14を縦横に配筋し、前記曲げ補強筋5及び鉄筋14の配置を囲むように、フラットスラブ2の上面及び下面に配置したコンクリート打設用型枠15(及び16)の中に後打ちコンクリート9を打設する。この後打ちコンクリート9を養生して強度を発現させ、上記曲げ補強筋5及び鉄筋14を既存躯体であるフラットスラブ2及び柱1と一体化すると接合部の曲げ補強工事は完了する。
【0032】
なお、上記の実施形態では、後打ちコンクリート9を、曲げ補強筋5及び鉄筋14を配筋した範囲内、即ちコンクリート打設用型枠15で囲んだ領域中にのみ限定的に打設したが、この限りではない。コンクリート打設用型枠15を配置することなく、図2に一点鎖線で示したようにフラットスラブ2の上面及び下面の全面に後打ちコンクリート9を打設しても良い。
【0033】
上記の実施形態では、PC鋼棒3の外周面にグリース等を付着してアンボンド処理をしているが、この限りではない。上記隙間Tに予めシースを配置しておいて、同シース内にPC鋼棒3を挿入する方法によるアンボンド処理をしても良い。
【0034】
上記の実施形態では、フラットスラブ2の上面及び下面に曲げ補強を施したが、フラットスラブ2の上面のみに曲げ補強を施す場合、又は下面のみに曲げ補強を施す場合もある(請求項3記載の発明)。
【0035】
上記の実施形態では、PC圧着用鉄骨6(20)は、ウエブ7(21)と上下のフランジ8、8’(22、22’)とで構成されているが、この限りではない。角パイプ型の鉄骨等を用いても同様に実施できる。
【0036】
【本発明の奏する効果】
請求項1〜3に記載した発明に係る既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法によれば、柱にPC鋼棒用の孔を開ける必要がなく、曲げ補強筋を柱へ強固に定着することができるので、施工が容易かつ能率的であり、曲げ補強効果も確実に得られる。しかも、柱内に存在する既存の鉄筋等を痛めることがなく、その健全状態を維持することができる。
【0037】
また、施工時に大きな孔開けなどの騒音が発生することがなく、騒音対策の配慮が無用という効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法の実施形態を示した平面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】図1の柱とPC鋼棒並びにPC圧着用鉄骨の関係を拡大して示した平面図である。
【図4】図1の柱とPC鋼棒並びにPC圧着用鉄骨の関係を拡大して示した立面図である。
【図5】本発明に係る既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法の異なる実施形態を示した平面図である。
【図6】図5の柱とPC鋼棒並びにPC圧着用鉄骨の関係を拡大して示した平面図である。
【図7】従来の既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法の実施形態を示した平面図である。
【図8】図7のB−B矢視断面図である。
【符号の説明】
1 柱
2 フラットスラブ
3 PC鋼棒
4 通孔
5 曲げ補強筋
6、20 PC圧着用鉄骨
9 後打ちコンクリート
11 無収縮モルタル
14 鉄筋

Claims (3)

  1. 既存の柱と梁又はスラブの接合部において、
    前記柱の外側面に沿って配置したPC鋼棒で連結可能に同柱の一辺より長く構成され、両端部に前記PC鋼棒を通す通孔を備え、外側面に複数本の曲げ補強筋を備えたPC圧着用鉄骨を、柱の外側面に沿ってその四辺を相互に干渉しない配置で取り囲み、且つ前記曲げ補強筋が水平に延びる配置で用意する工程と、
    前記柱を挟んで対向する二辺のPC圧着用鉄骨相互の通孔へアンボンド処理されたPC鋼棒を通して仮止めし、柱の外側面と、前記PC圧着用鉄骨との間に形成された隙間へ無収縮モルタルを充填し、同無収縮モルタルが硬化した後に、PC鋼棒に緊張力を導入して、同PC鋼棒の本締めを行う工程と、
    前記PC圧着用鉄骨の周辺部に前記曲げ補強筋と一体を成す鉄筋を配筋し、後打ちコンクリートを打設して、前記曲げ補強筋及び鉄筋を既存躯体である梁又はスラブと一体化する工程とから成ることを特徴とする、既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法。
  2. 既存の柱と梁又はスラブの接合部において、
    前記柱の外側面に沿って配置したPC鋼棒で連結可能に同柱の一辺より長く構成され、両端部に前記PC鋼棒を通す通孔を備え、外側面に複数本の曲げ補強筋を備えたPC圧着用鉄骨を、柱の外側面に沿ってその四辺を取り囲む枠組形状に、且つ前記曲げ補強筋が水平に延びる配置で用意する工程と、
    前記柱を挟んで対向する二辺のPC圧着用鉄骨相互の通孔へアンボンド処理されたPC鋼棒を通して仮止めし、柱の外側面と、前記PC圧着用鉄骨との間に形成された隙間へ無収縮モルタルを充填し、同無収縮モルタルが硬化した後に、PC鋼棒に緊張力を導入して、同PC鋼棒の本締めを行う工程と、
    前記PC圧着用鉄骨の周辺部に前記曲げ補強筋と一体を成す鉄筋を配筋し、後打ちコンクリートを打設して、前記曲げ補強筋及び鉄筋を既存躯体である梁又はスラブと一体化する工程とから成ることを特徴とする、既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法。
  3. PC鋼棒とPC圧着用鉄骨並びに曲げ補強筋は、梁又はスラブの上面又は下面の少なくとも一方、又は双方に配置し、それぞれに後打ちコンクリートを打設することを特徴とする、請求項1又は2に記載した既存の柱と梁又はスラブの接合部の曲げ補強工法。
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