JP2016098504A - 鉄筋コンクリート構造物の施工方法および鉄筋コンクリート構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物の施工方法および鉄筋コンクリート構造 Download PDF

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Hiroyuki Takeuchi
博幸 竹内
祐一 ▲高▼橋
祐一 ▲高▼橋
Yuichi Takahashi
冨田 祐介
Yusuke Tomita
祐介 冨田
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Abstract

【課題】鉄筋コンクリート(RC)工事における梁型枠の省力化およびコスト低減を図ることのできる鉄筋コンクリート構造物の施工方法および鉄筋コンクリート構造を提供する。【解決手段】この鉄筋コンクリート構造物の施工方法は、梁下端に位置する梁下端主筋14とせん断補強筋15とが組み込まれかつ上面に底メッシュ材17が埋め込まれた梁底プレキャスト板11を梁の底部として設置し、内側の側面に側メッシュ材18,19が埋め込まれた一対の側面プレキャスト板12,13を梁型枠として設置し、一対の側面プレキャスト板間にセパレータ部材20が配置され、梁上端に位置する梁上端主筋16が配置された梁型枠内にコンクリート打設を行い、側面プレキャスト板が梁側面を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリート構造物の施工方法および鉄筋コンクリート構造に関する。
鉄筋コンクリート(RC)構造物の躯体工事は、次のような従来工法により行われていた。(1)在来型枠工法、(2)ユニット型枠工法、(3)ハーフプレキャスト(PCa)工法、(4)外殻プレキャスト工法
(1)在来型枠工法
RCラーメン構造の柱・梁ともに柱筋建込み後に在来型枠工法で組み立て、柱梁接合部については、柱首上と梁の仕口が取り合うように支保材とともに型枠を組み立てる。梁型枠組立て後に、梁筋を当該位置で組み立て、スラブ型枠をスラブ下からサポートで支持しながら組み立て、最後にスラブ筋を配筋する。型枠工事終了後に、柱・梁・接合部・スラブと同時に1層分のコンクリートを打設するのが一般的である。その場合、柱型枠は外周を囲う形状で支保工を施し、梁下とスラブ下は伸縮式のサポートで所定の位置に支持する。
(2)ユニット型枠工法
柱型枠は、柱形の外周を締め付けるコラムクランプと面版をボックス形状に組み上げたものを揚重・移動して設置する。梁型枠は、梁底板と側板が一体となった形状で、両者はクランプとセパレータで一体化され、建て込みは梁底にサポートを置いて、高さ位置を調整しながら固定する。ユニット型枠の場合、床スラブはハーフ床版を適用する場合がほとんどであり、スラブ下端を厚さ60〜80mm程度のプレキャスト部材とし、上端は梁部分と同時にコンクリートを打設する。
(3)ハーフプレキャスト(PCa)工法
本工法は、主に梁とスラブに適用される場合が多い。この場合、柱型枠は、在来工法、ユニット型枠工法、フルプレキャスト工法のいずれでも適用が可能である。梁は、梁底と側板がプレキャストとなり、通常は梁下端主筋とせん断補強筋が組み込まれ、上端主筋のみ後施工となる。
(4)外殻プレキャスト工法
部位の組合せとしては、柱、梁を外殻プレキャストとし、スラブをハーフプレキャストとするか、どちらか一方のみを外殻プレキャストとすることもできる。この工法の場合、せん断補強筋は外殻部に組み込まれているが、主筋は柱、梁とも後施工となる。また、後打ちコンクリートも、柱中央と梁中央を打ち込む必要があり、打設量も在来工法の50%以上となり、コンクリート工事量自体はそれほど低減しない。
梁型枠に着目した場合、PCa(プレキャスト)化として、梁上端残しのハーフPCa工法、または、PCa部にせん断補強筋のみ組み込む外殻PCa工法の2通りが考えられる。しかし、前者は、スパン分の梁荷重が最大揚重負荷となり、全体の工事費を大幅に押し上げる結果となる。後者は、外殻部のみコンクリートで構成されるため、荷重はハーフPCaの50%程度となり、揚重の負荷ははるかに低減するが、底面と側面のコンクリートを別々に打設するため、手間と時間を要し、製作費はハーフPCa工法を上回ることになる。このため、両工法とも、コスト面を大幅に押し上げることになる。
プレキャスト(PCa)工法の有利さは、現場での型枠・鉄筋工事量の低減、工期短縮、躯体品質の確保に集約されるが、いずれもコスト面を大幅に押し上げることになる。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、鉄筋コンクリート(RC)工事における梁型枠の省力化およびコスト低減を図ることのできる鉄筋コンクリート構造物の施工方法および鉄筋コンクリート構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための鉄筋コンクリート構造物の施工方法は、梁下端に位置する梁下端主筋とせん断補強筋とが組み込まれかつ上面に底メッシュ材が埋め込まれた梁底プレキャスト板を梁の底部として設置し、内側の側面に側メッシュ材が埋め込まれた一対の側面プレキャスト板を梁型枠として設置し、前記一対の側面プレキャスト板間にセパレータ部材が配置され、梁上端に位置する梁上端主筋が配置された前記梁型枠内にコンクリート打設を行い、前記側面プレキャスト板が梁側面を形成する。
この鉄筋コンクリート構造物の施工方法によれば、梁底プレキャスト板を配置し、続いて側面プレキャスト板を梁底プレキャスト板の上に配置することで、梁型枠の軽量化を実現できるので、クレーンによる梁型枠の揚重負荷を低減できる。また、梁底プレキャスト板および側面プレキャスト板を予め工場等で作製できるので、梁型枠の施工現場での施工作業が無くなり、また、梁完成のためのコンクリート打設は1回で済み、さらに、型枠撤去工程も不要である。このようにして、梁に関し、施工が簡略化でき、施工コストを低減できる。
また、梁底プレキャスト板の上面に底メッシュ材を埋め込んだ状態で梁型枠内へコンクリート打設をすることで、梁底プレキャスト板の上面とコンクリートとの界面におけるせん断抵抗力を確保することができる。また、側面プレキャスト板の内側の側面に側メッシュ材を埋め込んだ状態で梁型枠内へコンクリート打設をすることで、側面プレキャスト板の内側の側面とコンクリートとの界面におけるせん断抵抗力を確保できる。
上記鉄筋コンクリート構造物の施工方法において、前記側面プレキャスト板は、前記梁底プレキャスト板に載置されて接触する下端面において、その接触幅が小さくなるように切り欠かれた切欠部を有し、前記梁型枠内へのコンクリート打設のとき、前記切欠部にコンクリートが充填されることが好ましい。側面プレキャスト板と梁底プレキャスト板との界面が直接接触していると、当該部分がひび割れ状態とみなされることから、これを避けるため、接触面を小さくし、後のコンクリートの打設時にコンクリートが側面プレキャスト板の内側の凹みである切欠部に充填されて界面が切欠部でコンクリートと一体となる。これにより、界面における直接接触部分を減少できる。
また、前記梁型枠内に縦方向に中子筋を配置し、前記側面プレキャスト板と前記梁底プレキャスト板との界面におけるずれ変形を防止することが好ましい。
また、前記底メッシュ材は前記梁底プレキャスト板の作製時にコンクリートにより埋め込まれ、前記側メッシュ材は前記側面プレキャスト板の作製時にコンクリートにより埋め込まれることが好ましい。これにより、メッシュ材を効率よく配置施工でき、施工現場での施工作業の必要性が無い。
また、前記側面プレキャスト板の少なくともいずれか一方の上端面にハーフプレキャストスラブを載せかけ、前記ハーフプレキャストスラブ上にコンクリート打設を行うことでスラブを形成することが好ましい。これにより、梁型枠内へのコンクリート打設とハーフプレキャストスラブ上でのコンクリート打設を連続して行うことができ、また、梁コンクリート強度とスラブコンクリート強度が異なる場合等に両者の打ち分けが可能である。
上記目的を達成するための鉄筋コンクリート構造は、梁下端に位置する梁下端主筋とせん断補強筋とが組み込まれて梁の底部に設置された梁底プレキャスト板と、前記梁底プレキャスト板の両側に梁型枠として設置された一対の側面プレキャスト板と、前記梁底プレキャスト板の上面に埋め込まれた底メッシュ材と、前記側面プレキャスト板の内側の側面に埋め込まれた側メッシュ材と、を備え、梁上端に位置する梁上端主筋が配置された前記梁型枠内にコンクリート打設が行われることで前記側面プレキャスト板により梁側面が形成される。
この鉄筋コンクリート構造によれば、梁底プレキャスト板を配置し、続いて側面プレキャスト板を梁底プレキャスト板の上に配置することで、梁型枠の軽量化を実現できるので、クレーンによる梁型枠の揚重負荷を低減できる。また、梁底プレキャスト板および側面プレキャスト板を予め工場等で作製できるので、梁型枠の施工現場での施工作業が無くなり、また、梁完成のためのコンクリート打設は1回で済み、さらに、型枠撤去工程も不要である。このようにして、梁に関し、施工が簡略化でき、施工コストを低減できる。
また、梁底プレキャスト板の上面に底メッシュ材を埋め込んだ状態で梁型枠内へコンクリート打設をすることで、梁底プレキャスト板の上面とコンクリートとの界面におけるせん断抵抗力を確保することができる。また、側面プレキャスト板の内側の側面に側メッシュ材を埋め込んだ状態で梁型枠内へコンクリート打設をすることで、側面プレキャスト板の内側の側面とコンクリートとの界面におけるせん断抵抗力を確保できる。
上記鉄筋コンクリート構造において、前記側面プレキャスト板は、前記梁底プレキャスト板に載置されて接触する下端面において、その接触幅が小さくなるように切り欠かれた切欠部を有し、前記梁型枠内へのコンクリート打設のとき、前記切欠部にコンクリートが充填されることが好ましい。側面プレキャスト板と梁底プレキャスト板との界面が直接接触していると、当該部分がひび割れ状態とみなされることから、これを避けるため、接触面を小さくし、後のコンクリートの打設時にコンクリートが側面プレキャスト板の内側の凹みである切欠部に充填されて界面が切欠部でコンクリートと一体となる。これにより、界面における直接接触部分を減少できる。
また、前記梁型枠内に縦方向に配置された中子筋により前記側面プレキャスト板と前記梁底プレキャスト板との界面におけるずれ変形を防止することが好ましい。
前記側面プレキャスト板の少なくともいずれか一方の上端面に載せかけられるハーフプレキャストスラブを備え、前記ハーフプレキャストスラブ上にコンクリート打設を行うことでスラブが構成されることが好ましい。これにより、梁型枠内へのコンクリート打設とハーフプレキャストスラブ上でのコンクリート打設を連続して行うことができるので梁とスラブを一体化できる。また、梁コンクリートとスラブコンクリートとの打ち分けが可能であるので両者の強度が異なる構造を実現できる。
本発明によれば、鉄筋コンクリート(RC)工事における梁型枠の省力化およびコスト低減を図ることのできる鉄筋コンクリート構造物の施工方法および鉄筋コンクリート構造を提供することができる。
本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の一般部の梁を長手方向に直交する方向に切断してみた断面図である。 図1のセパレータを示す概略図である。 本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の外周部の梁を長手方向に直交する方向に切断してみた断面図である。 本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の施工工程を説明するためのフローチャートである。 図1の一般部の梁におけるずれ変形防止の構成例を示す断面図(a)および図3の外周部の梁におけるずれ変形防止の構成例を示す断面図(b)である。 図1の一般部の梁におけるずれ変形防止の別の構成例を示す断面図(a)および図3の外周部の梁におけるずれ変形防止の別の構成例を示す断面図(b)である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の一般部の梁を長手方向に直交する方向に切断してみた断面図である。図2は、図1のセパレータを示す概略図である。
図1のように、本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の梁構造は、梁の底部として設置される梁底プレキャスト板11と、梁底プレキャスト板11の両側に打込み梁型枠として設置される一対の側面プレキャスト板12,13と、梁底プレキャスト板11の上面に配置される底メッシュ材17と、側面プレキャスト板12,13の内側の側面に配置される側メッシュ材18,19と、を備える。
梁底プレキャスト板11には、梁下端に位置する複数の梁下端主筋14と、梁長手方向に所定間隔で配置されたせん断補強筋15とが予め組み込まれ、また、上面(梁型枠の底部に相当)に底メッシュ材17がコンクリートに埋め込まれている。
側面プレキャスト板12,13は、梁底プレキャスト板11に載置される下端面において内側に切り欠かれた切欠部22,23を有することにより、梁底プレキャスト板11と接触する接触面12a,13aの幅が小さくなっている。側面プレキャスト板12,13と梁底プレキャスト板11との界面が直接接触していると、当該部分がひび割れ状態とみなされることから、これを避けるため、接触面12a、13aをたとえば幅10mm程度と短くし、後のコンクリートの打設時にコンクリートが側面プレキャスト板12,13の内側の凹みである切欠部22,23に充填されて界面が切欠部22,23でコンクリートと一体となるようにしている。これにより、界面における直接接触部分を減少できる。
底メッシュ材17は、プレキャスト時にコンクリートにより埋め込まれることで、梁底プレキャスト板11の上面に配置される。これにより、完成した梁において梁底プレキャスト板11の上面とコンクリートとの界面におけるせん断抵抗力を確保できる。底メッシュ材17は、たとえば、鋼製のエキスパンドメタルやワイヤメッシュから構成できる。底メッシュ材17が埋め込まれた部分は、できるだけ平滑に仕上げることが好ましいが、メッシュ材の部分が若干盛り上がっていてもよい。
また、側メッシュ材18,19は、プレキャスト時にコンクリートにより埋め込まれることで、側面プレキャスト板12,13の内側の側面に配置される。これにより、完成した梁において、側面プレキャスト板12,13の内側の側面とコンクリートとの界面におけるせん断抵抗力を確保できる。側メッシュ材18,19は、たとえば、鋼製のエキスパンドメタルやワイヤメッシュから構成できる。側メッシュ材18,19が埋め込まれた部分は、できるだけ平滑に仕上げることが好ましいが、メッシュ材の部分が若干盛り上がっていてもよい。
梁型枠の側面は、かぶり部分のみを打込み形の側面プレキャスト板12,13とし、側面プレキャスト板12と13の間の上下にセパレータ部材20を所定間隔で設置して、後打ちコンクリートの打設時における剛性を確保する。
側面プレキャスト板12,13は梁の側部を構成し、側面プレキャスト板12,13の外面は、そのまま仕上げ面となるため、仕上げに応じた表面仕上げとする。また、側面プレキャスト板12,13は、長手方向のスパン長さに応じて、メッシュ材18,19および細径の補強筋(図示省略)が組み込まれる。
図2のように、セパレータ部材20は、一方の側面プレキャスト板12のみにPコン20bを予め埋め込んでおき、他方の側面プレキャスト板13からPコン20a付きセパレータを差し込むようにして取り付ける。
側面プレキャスト板12,13は、その上端面12b、13bがハーフプレキャストスラブ30の下面位置に達するように構成され、ハーフプレキャストスラブ30が載せ掛けられるようになっている。これにより、梁とスラブの建込みを円滑に行うことができる。
梁上端に位置する複数の梁上端主筋16をせん断補強筋15の内側に配置し、また、スラブ主筋(図示省略)を配置してから、梁底プレキャスト板11の両側に設置された側面プレキャスト板12,13から構成される梁型枠内にコンクリートを打設し、梁コンクリート部29を形成し、次に、スラブコンクリートを打設し、スラブ31を完成させる。
次に、本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の外周部の構成について図3を参照して説明する。図3は本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の外周部の梁を長手方向に直交する方向に切断してみた断面図である。
図3のように、外周部の梁は、外周部の梁型枠を、外周面側をスラブ上面32まで立ち上げた側面プレキャスト板13Aとした以外は、図1の般部と同様の構成である。すなわち、外周面側の側面プレキャスト板13Aは、その上端面13cがスラブ31のスラブ上面32と同じ高さになるように構成される。
次に、本実施形態による図1,図2の鉄筋コンクリート構造物の施工工程について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の施工工程を説明するためのフローチャートである。
本実施形態による鉄筋コンクリート構造物の施工工程S01〜S09についてプレキャストからなる(N−1)階の柱が建て込まれている段階から説明する。
まず、予め工場等において、図1のように梁下端に位置する複数の梁下端主筋14と、梁長手方向に所定間隔で配置されたせん断補強筋15とを組み込んだ梁底プレキャスト板11を作製しておく。同様に、側面プレキャスト板12,13を作製しておく。また、梁底プレキャスト板11には、多数のせん断補強筋15の内側に梁上端主筋16を挿入しておく。また、底メッシュ材17を、プレキャスト時に梁底プレキャスト板11の上面に埋め込んでおく。同様に、側メッシュ材18,19を、プレキャスト時に側面プレキャスト板12,13の内側の側面に埋め込んでおく。
(N−1)階の柱と柱の間に、梁底プレキャスト板11をクレーンによりワイヤーロープで吊り上げてセットし、次に、側面プレキャスト板12,13をセットする(S01)。セパレータ部材20を所定間隔で設置する。
次に、梁底プレキャスト板11の両端から突き出ている梁下端主筋14を、柱と梁との柱梁接合部(図示省略)内で、柱を挟んで隣接する梁の梁底プレキャスト板の梁下端主筋と接合する(S02)。
次に、梁底プレキャスト板11の上方に位置する梁上端主筋16を所定位置に結束し、隣接する梁上端主筋と所定位置で接合する(S03)。
次に、柱梁接合部で配筋をし、型枠を組み立てる(S04)。次に、ハーフプレキャストスラブ30を側面プレキャスト板12,13の上端面12b,13bの上に載せかけて取り付ける(S05)。次に、梁上端およびハーフプレキャストスラブ30の上に配筋をする(S06)。
次に、柱梁接合部にコンクリートを打設し(S07)、梁底プレキャスト板11の両側に設置された側面プレキャスト板12,13から構成される梁型枠内にコンクリートを打設し(S08)、次に、スラブコンクリートを打設する(S09)。これにより、梁コンクリート部29およびスラブ31を完成させる。
本実施形態によれば、梁底プレキャスト板11を柱間に配置し、続いて側面プレキャスト板12,13を梁底プレキャスト板11の上に配置することで、梁型枠の軽量化を実現できるので、クレーンによる梁型枠の揚重負荷を低減できる。また、梁底プレキャスト板11および側面プレキャスト板12,13を予め工場等で作製できるので、梁型枠の施工現場での施工作業が無くなり、また、梁完成のためのコンクリート打設は1回で済み、さらに、型枠撤去工程も不要である。このようにして、梁に関し、施工が簡略化でき、施工コストを低減できる。
また、底メッシュ材17を梁底プレキャスト板11の上面に埋め込むことで、梁底プレキャスト板11の上面とコンクリートの界面におけるせん断抵抗力を確保することができる。同様に、側面プレキャスト板12,13の内側の側面に側メッシュ材18,19を埋め込むことで、側面プレキャスト板12,13の内側の側面とコンクリートとの界面におけるせん断抵抗力を確保することができる。また、底メッシュ材17および側メッシュ材18,19は、プレキャスト時に予め埋め込まれているので、梁型枠の施工現場での施工作業が増えることはない。
また、上記打設工程S08,S09は、梁コンクリートの強度とスラブコンクリートの強度とが同じ場合、同時に連続して実施でき、梁とスラブを容易に一体化できる。
また、上記打設工程S08,S09において、梁コンクリートとスラブコンクリートとの打ち分けが可能であるので、梁コンクリートの強度とスラブコンクリートの強度とが異なる場合にも対応することができる。これにより、梁コンクリートとスラブコンクリートの強度が異なる構造を実現できる。
また、梁主筋14,16の継ぎ手位置は、一般には、スパン中央で継ぐ方法と、柱梁接合部内で継ぐ方法の2通りが考えられるが、いずれかにより上記工程の順序が変化することになる。
梁施工の省力化のために、従来、ハーフPCa化(上端後打ち)や外殻PCa化などのプレキャスト工法(PCa)の適用、または、型枠をユニット化し、着脱、揚重、移動を省力化する方法などの適用が知られていたが、前者はコスト面の問題があり、後者は型枠工事が残るため現在の労務費高騰の影響を大きく受ける可能性が高く、いずれも施工コストが増大してしまう問題を有していたのに対し、本実施形態によれば、プレキャスト化部分を手間の少ない梁底部分のみと最小にし、側面を後付けのプレキャスト板とし、型枠工事を零化することで、鉄筋コンクリート(RC)工事における梁型枠の省力化とコスト低減を達成することができる。
次に、図5,図6を参照して側面プレキャスト板12,13と梁底プレキャスト板11との界面(接触面12a,13a)におけるずれ変形防止のための構成例を説明する。図5は、図1の一般部の梁におけるずれ変形防止の構成例を示す断面図(a)および図3の外周部の梁におけるずれ変形防止の構成例を示す断面図(b)である。図6は、同じく別の構成例を示す断面図(a)(b)である。
図5(a)(b)の構成例は、縦方向の中子筋41をせん断補強筋15と同程度の間隔で配置し、中子筋41の下端41a、上端41bをフック状にして梁底プレキャスト板11内の梁下端主筋14と梁上端主筋16との間に掛け渡すようにして中子筋41を梁コンクリート部29に埋め込む。これにより、側面プレキャスト板12,13と梁底プレキャスト板11との界面(接触面12a,13a)におけるずれ変形を防止することができる。
構造計算上、上記界面(接触面12a,13a)におけるずれ変形の防止が必要な場合、中子筋41を構造計算に基づいて縦方向に必要数だけ配置する。梁底プレキャスト板11には予め中子筋41を組み込んでおく。
図6(a)(b)の構成例は、梁底プレキャスト板11内の梁下端主筋14から縦方向に突き出るようにして中子筋42をせん断補強筋15と同程度の間隔で配置する。中子筋42は、図5の場合とは異なって短く構成され、下端42aがフック状になって梁下端主筋14に掛けられるが、上端42bが梁上端主筋16に達せずに途中で自由端になっており、コンクリート打設後に梁コンクリート部29内に定着する。これにより、側面プレキャスト板12,13と梁底プレキャスト板11との界面(接触面12a,13a)におけるずれ変形を防止することができる。
図6の構成例でも、中子筋42を構造計算に基づいて必要長さ(上端42bまでの長さ)で縦方向に必要数だけ配置する。梁底プレキャスト板11には予め中子筋42を組み込んでおく。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。たとえば、図4では、図1の梁の一般部分についての施工工程を説明したが、図3の梁の外周部についても図4と基本的に同様の工程で施工することができる。
本発明によれば、揚重負荷・工費・工期に大きな影響を及ぼす鉄筋コンクリート構造物の梁部分の施工について、労務費を押し上げる大きな要因である現場における鉄筋・型枠工事の作業量を大幅に低減することができる。
11 梁底プレキャスト板
12,13 側面プレキャスト板
12a,13a 接触面
12b,13b 上端面
13A 側面プレキャスト板
13c 上端面
14 梁下端主筋
15 せん断補強筋
16 梁上端主筋
17 底メッシュ材
18,19 側メッシュ材
20 セパレータ部材
22,23 切欠部
29 梁コンクリート部
30 ハーフプレキャストスラブ
31 スラブ
32 スラブ上面
41,42 中子筋

Claims (9)

  1. 梁下端に位置する梁下端主筋とせん断補強筋とが組み込まれかつ上面に底メッシュ材が埋め込まれた梁底プレキャスト板を梁の底部として設置し、
    内側の側面に側メッシュ材が埋め込まれた一対の側面プレキャスト板を梁型枠として設置し、
    前記一対の側面プレキャスト板間にセパレータ部材が配置され、
    梁上端に位置する梁上端主筋が配置された前記梁型枠内にコンクリート打設を行い、前記側面プレキャスト板が梁側面を形成する鉄筋コンクリート構造物の施工方法。
  2. 前記側面プレキャスト板は、前記梁底プレキャスト板に載置されて接触する下端面において、その接触幅が小さくなるように切り欠かれた切欠部を有し、
    前記梁型枠内へのコンクリート打設のとき、前記切欠部にコンクリートが充填される請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物の施工方法。
  3. 前記梁型枠内に縦方向に中子筋を配置し、前記側面プレキャスト板と前記梁底プレキャスト板との界面におけるずれ変形を防止する請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート構造物の施工方法。
  4. 前記底メッシュ材は前記梁底プレキャスト板の作製時にコンクリートにより埋め込まれ、
    前記側メッシュ材は前記側面プレキャスト板の作製時にコンクリートにより埋め込まれる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造物の施工方法。
  5. 前記側面プレキャスト板の少なくともいずれか一方の上端面にハーフプレキャストスラブを載せかけ、
    前記ハーフプレキャストスラブ上にコンクリート打設を行うことでスラブを形成する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造物の施工方法。
  6. 梁下端に位置する梁下端主筋とせん断補強筋とが組み込まれて梁の底部に設置された梁底プレキャスト板と、
    前記梁底プレキャスト板の両側に梁型枠として設置された一対の側面プレキャスト板と、
    前記梁底プレキャスト板の上面に埋め込まれた底メッシュ材と、
    前記側面プレキャスト板の内側の側面に埋め込まれた側メッシュ材と、を備え、
    梁上端に位置する梁上端主筋が配置された前記梁型枠内にコンクリート打設が行われることで前記側面プレキャスト板により梁側面が形成される鉄筋コンクリート構造。
  7. 前記側面プレキャスト板は、前記梁底プレキャスト板に載置されて接触する下端面において、その接触幅が小さくなるように切り欠かれた切欠部を有し、
    前記梁型枠内へのコンクリート打設のとき、前記切欠部にコンクリートが充填される請求項6に記載の鉄筋コンクリート構造。
  8. 前記梁型枠内に縦方向に配置された中子筋により前記側面プレキャスト板と前記梁底プレキャスト板との界面におけるずれ変形を防止する請求項6または7に記載の鉄筋コンクリート構造。
  9. 前記側面プレキャスト板の少なくともいずれか一方の上端面に載せかけられるハーフプレキャストスラブを備え、
    前記ハーフプレキャストスラブ上にコンクリート打設を行うことでスラブが構成される請求項6乃至8のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構造。
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