JP7145717B2 - 建築物の構築方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係る建築物の構築方法は、プレキャストコンクリート部材を水平方向に隣り合うように配置し、隣り合うプレキャストコンクリート部材の間に該プレキャストコンクリート部材と接合して鉄筋を配筋するプレキャストコンクリート部材設置工程と、前記隣り合うプレキャストコンクリート部材の間に型枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠及び前記隣り合うプレキャストコンクリート部材で囲まれた空間内にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、を備え、前記プレキャストコンクリート部材が柱型部材をなし、前記隣り合うプレキャストコンクリート部材の間に配置された鉄筋及びコンクリートが壁部材をなし、所定の階において前記プレキャストコンクリート部材設置工程から前記コンクリート打設工程までを行って前記所定の階の壁部材を施工した後に、上階において前記プレキャストコンクリート部材設置工程を行い、前記所定の階で使用した前記壁部材の施工用の前記型枠を、上階のプレキャストコンクリート部材に支持させて鉛直上方に移動させ、前記上階において前記型枠設置工程及び前記コンクリート打設工程を行って前記上階の壁部材を施工することを特徴とする。
また、成形されたプレキャストコンクリート部材を型枠とするため、現場で精度よく施工することができる。
また、所定の階で使用された型枠は、コンクリート打設後に、上階の作業で使用される。この際には、型枠を上階に設置されたプレキャストコンクリート部材に支持させて上方に移動させるため、型枠の移動作業を円滑に行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る建築物を示す平断面図である。
図1に、本実施形態に係る建築物の構築方法により構築された建築物100を示す。建築物100は、鉛直方向に延びる筒状をなす塔体であり、平断面が略矩形状をなしている。なお、所定の階に床部材(不図示)が設置されていてもよい。以下の説明において、建築物100の一つの層を「階」と称して説明するが、本実施形態のような塔体では、「階」は「層」と同様の意味である。
建築物100は、塔体の周方向に沿って間隔を有して配置された柱型部材1と、隣り合う柱型部材1の間に配置された壁部材2と、を有している。本実施形態では、柱型部材1のスパンが、6~8m程度とされている。本実施形態では、柱型部材1は、四箇所の隅部(四隅)101に配置されている。
図1及び図2に示すように、各柱型部材1は、予め工場で製造されたプレキャストコンクリート部材10で構成されている。
(1階構築)
図3は、合体部材組み立て工程を説明する図であり、正面から見た状態を模式的に示し、(a)組み立て前を示し、(b)組み立て後を示している。図4は、合体部材組み立て工程を説明する平断面図であり、(a)組み立て前を示し、(b)鉄筋接合工程前を示している。
まず、プレキャストコンクリート部材設置工程のうち合体部材組み立て工程を行う。
図3(a)及び図4(a)に示すように、予め工場で製造されたプレキャストコンクリート部材10を用意する。プレキャストコンクリート部材10は、建築物100の隅部101(図1参照。以下同じ。)に配置されるものである。
クレーン等で合体部材(第一の合体部材)35を楊重して、一の隅部101に設置する。
同様に、クレーン等で二つ目の合体部材(第二の合体部材)35を楊重して、先に設置した合体部材35と隣接する隅部101に設置する。この際に、隣り合って配置された合体部材35において、第一先組鉄筋31どうしは互いに近接配置されている。
クレーン等で第二先組鉄筋32を楊重して、隣り合って配置された合体部材35の第一先組鉄筋31の間に配置する。図2に示すように、第二先組鉄筋32の連結筋34aを第一先組鉄筋31側にスライドさせる。連結筋34aが、第二先組鉄筋32と第一先組鉄筋31とにまたがって配置するようにする。連結筋34aのスライド方向の先端部側を第一先組鉄筋31の横筋22等と連結し、連結筋34aのスライド方向の後端部側を第二先組鉄筋32の横筋34等と連結する。
なお、第二先組鉄筋32の横筋34と各第一先組鉄筋31の横筋22とを、重ね継手や機械式継手等の周知の継手構造(不図示。以下同じ。)で接合してもよい。
次に、型枠設置工程を行う。
図6及び図7に示すように、隣り合うプレキャストコンクリート部材10にまたがるように大型の型枠39を設置する。型枠39を、後工程で設置される壁部材2の壁厚方向の両側に設置する。
図8に示すように、型枠39の設置方法の一例として、プレキャストコンクリート部材10が離間して配置され、隣り合うプレキャストコンクリート部材10における型枠39の支持面10cどうしが水平方向に沿う直線状に配置されているものとして説明する。
両側の型枠39及び隣り合うプレキャストコンクリート部材10の端面10a,10bで囲まれた空間内に、コンクリートを打設する。コンクリートが硬化すれば壁部材2のコンクリート部24が形成される。1階における他の箇所も同様にして、柱型部材1及び壁部材2を構築する。
図5に示すように、2階において、上記と同様に、プレキャストコンクリート部材設置工程(合体部材組み立て工程、第一合体部材設置工程、第二合体部材設置工程及び鉄筋部接合工程)を行う。なお、図5では、2階の鉄筋部接合工程が行われる前を示している。合体部材35を、1階の合体部材35の直上に設置する。プレキャストコンクリート部材10の上下の縦筋11(図2参照。以下同じ。)は、スリーブ継手等の周知の継手構造(不図示。以下同じ。)で接合する。また、上下の第一先組鉄筋31の縦筋21どうしや上下の第二先組鉄筋32の縦筋33どうしは、重ね継手等の周知の継手構造(不図示。以下同じ。)で接合する。
1階で使用した型枠39(図6及び図7の二点鎖線参照。以下同じ。)の幅方向の両端部を、2階に設置したプレキャストコンクリート部材10で支持させて、型枠39を2階に楊重機械を用いて移動する。
2…壁部材
10…プレキャストコンクリート部材
31…第一先組鉄筋(鉄筋部)
32…第二先組鉄筋
35…合体部材
39…型枠
100…建築物
101…隅部
Claims (3)
- プレキャストコンクリート部材を水平方向に隣り合うように配置し、隣り合うプレキャストコンクリート部材の間に該プレキャストコンクリート部材と接合して鉄筋を配筋するプレキャストコンクリート部材設置工程と、
前記隣り合うプレキャストコンクリート部材の間に型枠を設置する型枠設置工程と、
前記型枠及び前記隣り合うプレキャストコンクリート部材で囲まれた空間内にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、を備え、
前記プレキャストコンクリート部材が柱型部材をなし、
前記隣り合うプレキャストコンクリート部材の間に配置された鉄筋及びコンクリートが壁部材をなし、
所定の階において前記プレキャストコンクリート部材設置工程から前記コンクリート打設工程までを行って前記所定の階の壁部材を施工した後に、上階において前記プレキャストコンクリート部材設置工程を行い、前記所定の階で使用した前記壁部材の施工用の前記型枠を、上階のプレキャストコンクリート部材に支持させて鉛直上方に移動させ、前記上階において前記型枠設置工程及び前記コンクリート打設工程を行って前記上階の壁部材を施工することを特徴とする建築物の構築方法。 - 前記プレキャストコンクリート部材設置工程は、
前記プレキャストコンクリート部材の水平方向の一端部から突出する接合鉄筋に、前記鉄筋を配筋した鉄筋部を接合して合体部材を複数組み立てる合体部材組み立て工程と、
第一の合体部材を設置する第一合体部材設置工程と、
第二の合体部材の前記鉄筋部が前記第一の合体部材の前記鉄筋部側を向くように、前記第二の合体部材を設置する第二合体部材設置工程と、
前記第一の合体部材の前記鉄筋部と前記第二の合体部材の前記鉄筋部とを接合する鉄筋部接合工程と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の建築物の構築方法。 - 前記建築物は、鉛直方向に延びる筒状をなす塔体であり、
前記プレキャストコンクリート部材設置工程では、前記プレキャストコンクリート部材を前記塔体の周方向に沿って配置することを特徴とする請求項1または2に記載の建築物の構築方法。
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