JPH11323988A - 耐震補強工法 - Google Patents

耐震補強工法

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JPH11323988A
JPH11323988A JP13149698A JP13149698A JPH11323988A JP H11323988 A JPH11323988 A JP H11323988A JP 13149698 A JP13149698 A JP 13149698A JP 13149698 A JP13149698 A JP 13149698A JP H11323988 A JPH11323988 A JP H11323988A
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reinforcing
diameter
hole
reinforcing bar
bar
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JP13149698A
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Kunio Murai
邦夫 村井
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地中基礎構造物のせん断破壊に対する耐震性
の強化。 【解決手段】 フーチング12(地中基礎構造物)の耐
震補強工法は、掘削工程と、削孔工程と、鉄筋定着工程
と、コンクリート打設工程とにより行われる。掘削工程
では、土留め壁を設けて、その内部を掘削し、フーチン
グ12を露出させる。削孔工程では、掘削工程で露出し
たフーチング12の上端から下側主筋18の下方まで到
達する削孔28を、上側,下側主筋16,18の間隙部
に形成する。鉄筋定着工程では、削孔28内に補強鉄筋
30を挿入して、当該補強鉄筋30を削孔28内に、無
収縮コンクリート36を充填,硬化させることで定着す
る。コンクリート打設工程では、補強鉄筋30を内部に
埋設した状態で、必要な配筋を施して、上側鉄筋16の
上部にコンクリートを打ち増しする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐震補強工法に
関し、特に、橋脚部などの地中基礎構造物の耐震補強工
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高架橋や橋脚などの鉄筋コンクリート構
造物は、兵庫県南部地震のような巨大地震を受けた場合
に、柱部分から基礎構造物へ地震力が伝達される。この
とき、部材に設計荷重以上の荷重が作用すると、部材が
せん断破壊に至り、部材の耐力が減少して、最終的に
は、破壊などの被害が発生する。
【0003】このような部材の被害は、地上の柱部材に
限らず、地中の基礎構造物にもその影響が及ぶ。近時、
このような巨大地震を想定して、高架橋や橋梁の耐震補
強工法が順次施工されている。
【0004】この種の耐震補強工法は、その殆どが柱部
材用であって、柱部材の外周に、鉄筋コンクリートの巻
き立て、鋼板の巻き立て、連続補強繊維の巻き付けなど
が実施されている。
【0005】ところが、地中の基礎構造物の耐震補強工
法には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、基礎構造物
は、地中に存在しているので、外周側に作業スペースを
確保することが難しく、柱部材のように恒久的でかつ効
率的な補強対策ができず、せいぜい基礎構造物の上端部
にコンクリートを打ち増して、定着筋で旧コンクリート
との一体化を図っていた。
【0007】しかしながら、このような補強対策では、
せん断補強となる定着筋が、基礎構造物の下側主筋を拘
束していないので、せん断破壊に対する耐震性の向上が
期待できないという問題があった。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、特に、基
礎構造物において、せん断破壊に対する耐震性の強化が
有効に発揮される耐震補強工法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、高架橋や橋梁の地中基礎構造物の耐震補
強工法において、前記基礎構造物を露出させる掘削工程
と、前記掘削工程で露出した前記基礎構造物の上端から
下側主筋の下方まで到達する削孔を上側,下側主筋の間
隙部に形成する削孔工程と、前記削孔内に補強鉄筋を挿
入して、当該補強鉄筋を前記削孔内に定着する鉄筋定着
工程と、前記補強鉄筋を内部に埋設した状態で、必要な
配筋を施して、前記上側鉄筋の上部にコンクリートを打
ち増しするコンクリート打設工程とで構成した。このよ
うに構成した耐震補強工法では、基礎構造物の上端から
下側主筋の下方まで到達する削孔内に補強鉄筋を挿入,
定着するので、基礎構造物の下側主筋が、補強鉄筋によ
り拘束され、基礎構造物のせん断破壊に対する耐震性が
向上する。前記削孔工程は、前記上側主筋の間隙部にお
いて、前記下側主筋の上部まで到達する大径削孔を形成
する第1削孔工程と、前記下側主筋の間隙部において、
前記大径削孔の底部から、前記下側主筋の下方まで到達
する前記大径削孔よりも小径の小径削孔を形成する第2
削孔工程とで構成することができる。この構成によれ
ば、一般に、基礎構造物では、下側主筋の配筋密度が上
側主筋よりも密になっているので、下側主筋に損傷を与
えることなく補強鉄筋を挿入,定着する削孔を形成する
ことができる。前記鉄筋定着工程は、前記補強鉄筋を前
記大径および小径削孔内に挿入した状態で、これらの削
孔内に無収縮コンクリートを充填して行うことができ
る。この構成によれば、補強鉄筋のせん断拘束力を、無
収縮コンクリートにより、下側主筋に効率良く作用させ
ることができる。前記第2削孔工程で、一対の前記小径
削孔を相互に連通するように形成し、前記鉄筋定着工程
で、前記補強鉄筋を前記小径削孔内にそれぞれ挿入し
て、前記下側主筋に前記補強鉄筋を係止することができ
る。この構成によれば、補強鉄筋が下側主筋に係止され
ているので、補強鉄筋の拘束力を直接下側主筋に作用さ
せることができる。前記補強鉄筋は、予め先端にフック
部を設けておき、前記小径削孔に挿入した後に、前記フ
ック部を前記下側主筋に係止するとともに、前記補強鉄
筋と前記下側主筋とを溶接固定することができる。この
構成によれば、補強鉄筋が下側主筋に係止,溶接固定さ
れているので、補強鉄筋の拘束力を直接かつ確実に下側
主筋に作用させることができる。前記第2削孔工程の後
に、前記小径削孔の下端側に拡径削孔を形成し、前記補
強鉄筋をこの拡径削孔内に充填した無収縮コンクリート
により定着させることができる。この構成によれば、拡
径削孔内に補強鉄筋を無収縮コンクリートにより定着す
るので、拡径削孔のアンカー効果により、補強鉄筋の引
き抜き抵抗が増大し、これに伴う補強鉄筋の拘束力を下
側主筋に作用させることができる。前記補強鉄筋の先端
に、偏心位置をピン支持した回動片を回動自在に取付け
ておき、この回動片が前記補強鉄筋と略直交するよう
に、前記拡径削孔内で回動させることができる。この構
成によれば、拡径削孔内で回動片を回動させて無収縮コ
ンクリートにより定着するので、拡径削孔と回動片との
アンカー効果により、補強鉄筋の引き抜き抵抗が非常に
大きくなり、これに伴う補強鉄筋の拘束力を下側主筋に
作用させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1か
ら図7は、本発明にかかる耐震補強工法の第1実施例を
示している。同図に示した耐震補強工法は、橋脚10の
地中基礎構造物であるフーチング12に本発明を適用し
た場合を例示している。
【0011】フーチング12は、コンクリート躯体14
と、この躯体14中に埋設された上側および下側主筋1
6,18と備えていて、躯体14の下方には、均しコン
クリート層20と基礎砕石層22とが設けられている。
【0012】また、フーチング12は、地盤の所定深度
まで貫入した複数の基礎杭24により支持されている。
上側および下側主筋16,18は、それぞれ縦主筋16
a,18aと、横主筋16b,18bとから構成されて
いて、これらの縦,横主筋16a,18a,16b,1
8bが格子状に配筋されている。
【0013】本実施例の場合には、下側主筋18の縦,
横主筋18a,18bは、コンクリート躯体14の下面
側において、上下方向に間隔を置いて2段状に配置され
ている。
【0014】このようなフーチング12に耐震補強を施
す際には、まず、図2に示すように、フーチング12の
上部と側部とを露出させる掘削工程が行われる。この掘
削工程では、フーチング12の側方の地盤中に、例え
ば、鋼矢板製の土留め壁26を所定深度まで打設形成
し、内部の土砂を掘削排除する。
【0015】次に、図2に示すように、掘削工程で露出
したフーチング12の上端から下側主筋18の下方まで
到達する削孔28を、上側,下側主筋16,18の間隙
部に形成する削孔工程が行われる。
【0016】なお、露出したフーチング12のコンクリ
ート躯体14の表面は、削孔工程の前に、少なくとも削
孔28を形成する個所の周辺のコンクリートをはつり作
業により除去し、上側主筋16が露出するようにする。
【0017】削孔工程では、削孔28がフーチング12
のコンクリート躯体14を鉛直方向に貫通するように形
成され、削孔28は、コンクリート躯体14の縦横方向
に所定の間隔を隔てて複数設けられる。この削孔工程の
詳細を図3,4に示している。
【0018】同図に示した削孔工程では、フーチング1
2に埋設されている下側主筋18の配筋密度が、上側主
筋16の配筋密度よりも2倍ほど密になっていて、同一
直径の削孔28を形成すると、下側主筋18に損傷を与
える恐れがあるので、直径の異なる大径および小径削孔
28a,28bを第1,2削孔工程でそれぞれ形成する
ようにした。
【0019】すなわち、本実施例の場合には、図3に示
すように、格子状に配列された上側主筋16の縦,横主
筋16a,16bの間隙部の中心に、格子状に配列され
た下側主筋18の縦,横主筋18a,18bの交点が位
置している。
【0020】このような配筋状態で、コンクリート躯体
14を鉛直方向に貫通する削孔28を同じ径で形成する
と、下側主筋18を損傷することになる。
【0021】そこで、第1削孔工程では、大径削孔28
aは、図3,4に示すように、格子状に配置された上側
主筋16の縦,横主筋16a,16bの間隙部におい
て、フーチング12のコンクリート躯体14の上端か
ら、下側主筋18の上部まで到達するように形成する。
【0022】この大径削孔28aの形成は、例えば、コ
アボーリングマシンを用いることにより形成することが
できる。このような大径削孔28aが形成されると、次
に第2削孔工程が行われる。
【0023】この第2削孔工程では、図4に示すよう
に、大径削孔28aよりも直径の小さい小径削孔28b
が、格子状に配置された下側主筋18の縦,横主筋18
a,18bの間隙部において、大径削孔28aの底部か
ら下側主筋18の下方の均しコンクリート層20を貫通
するように形成される。
【0024】この小径削孔28bは、本実施例の場合に
は、一対の小径削孔28bが相互に連通するようにし
て、大径削孔28aの底部から平行に形成される。この
小径削孔28bは、例えば、ウォータージェット水の下
方噴射により形成することができる。
【0025】小径削孔28bは、ウォータージェット水
で削孔する場合には、下側主筋18に損傷を与えないの
で、図3に仮想線で示すように、大径削孔28aの直径
の1/2よりも若干大きな直径の孔が、相互に接触する
ような位置を想定して削孔すると、下側主筋18に曲が
りなどの不都合があって、いずれかの小径削孔28bが
下側主筋18により閉塞されて、削孔不能になったとし
ても、少なくとも一対の小径削孔28bを相互に連通す
るように形成することができる。
【0026】以上のようにして大径および小径削孔28
a,28bが形成されると、次に、図5,6に示す補強
鉄筋定着工程が行われる。これらの図に示した補強鉄筋
30は、普通鋼棒などの他にPC鋼棒も使用することが
でき、直線状の本体の下端に、予めL字形に折曲したフ
ック部32が形成されている。
【0027】この補強鉄筋30は、フック部32を含む
幅が、小径削孔28bの直径よりも小さくなっている。
本実施例の場合には、一対の補強鉄筋30が、大径削孔
28aを介して一対の小径削孔28b内にそれぞれ挿入
され、その後、1本の縦主筋18aの下方において、各
削孔28b内で回転させることにより、各フック部32
が、相互に重なり合うようにして下側主筋18の縦主筋
18aに係止される。
【0028】このようにしてフック部32を係止した補
強鉄筋30の設置状態を図6に示している。補強鉄筋3
0が係止されると、横主筋18bと補強鉄筋18とを溶
接により固定する。
【0029】この溶接固定の個所の一例を図6に▼印で
示している。そして、溶接固定が終了すると、図6に示
すように、一対の補強鉄筋30の上端側から、環状の幅
止め筋34を嵌着挿入して、補強鉄筋30の一体性を強
化する。
【0030】この後に、削孔(大径および小径削孔28
a,28b)内に無収縮コンクリート36を充填硬化さ
せ、補強鉄筋30の定着工程が終了すると、図7に示す
コンクリート打設工程が行われる。
【0031】このコンクリート打設工程は、フーチング
12の上端から上方に延設された補強鉄筋30に、新た
な配筋38を結合させて配置し、型枠を設置してコンク
リートを打設することにより行われ、打設されたコンク
リートが硬化して脱型した後に、土留め壁26を撤去し
て、埋め戻すと、耐震補強が完了する。
【0032】さて、以上のように構成した耐震補強工法
では、フーチング12(基礎構造物)の上端から下側主
筋18の下方まで到達する削孔28内に補強鉄筋30を
挿入,定着するので、フーチング12の下側主筋18
が、補強鉄筋30により拘束され、フーチング12のせ
ん断破壊に対する耐震性が向上する。
【0033】この場合、本実施例では、削孔工程は、上
側主筋16の間隙部において、下側主筋18の上部まで
到達する大径削孔28aを削孔する第1削孔工程と、下
側主筋18の間隙部において、大径削孔28aの底部か
ら、下側主筋18の下方まで到達する大径削孔28aよ
りも小径の小径削孔28bを削孔する第2削孔工程とで
構成している。
【0034】このため、下側主筋18の配筋密度が上側
主筋16よりも密になっていても、下側主筋18に損傷
を与えることなく補強鉄筋30を挿入,定着する削孔を
形成することができる。
【0035】また、本実施例では、記第2削孔工程で、
小径削孔28bを相互に連通するようにして一対形成
し、鉄筋定着工程で、補強鉄筋30を小径削孔28b内
にそれぞれ挿入して、下側主筋18に補強鉄筋30を係
止するので、補強鉄筋30の拘束力を直接下側主筋18
に作用させることができる。
【0036】さらに、本実施例では、補強鉄筋30は、
予め先端にフック部32を設けておき、小径削孔28b
に挿入した後に、フック部32を下側主筋18に係止す
るとともに、補強鉄筋30と下側主筋18とを溶接固定
するので、補強鉄筋30の拘束力を直接かつ確実に下側
主筋18に作用させることができる。
【0037】なお、本実施例では、削孔(大径および小
径削孔28a,28b)内に無収縮コンクリート36を
充填硬化させる場合を例示したが、補強鉄筋30のフッ
ク部32を下側主筋18に係止しているので、無収縮コ
ンクリート36に代えて通常のモルタルなどを用いるこ
ともできる。
【0038】また、本実施例では、補強鉄筋30のフッ
ク部32を下側主筋18に係止し、かつ、これらを溶接
固定する場合を例示したが、溶接固定は、必ずしも必要
とせず、フック部32を下側主筋18に単に係止した状
態だけでもよい。
【0039】図8,9は、本発明にかかる耐震補強工法
の第2実施例を示しており、上記第1実施例と同一もし
くは相当する部分には、同一符号を付してその説明を省
略するとともに、以下にその特徴点についてのみ説明す
る。
【0040】これらの図に示した実施例では、上記第1
実施例と同様に、大径および小径削孔28a,28bが
フーチング12に形成されるが、本実施例の場合には、
大径削孔28aの底部に形成される小径削孔28bは、
1個であり、かつ、図9に示すように、均しコンクリー
ト層20,基礎砕石層22を貫通して、その下方の地盤
に到達し、地盤中の所定深度まで形成される。
【0041】このような小径削孔28bが形成される
と、フック部32が設けられていない補強鉄筋30’が
大径および小径削孔28a,28b内に挿入され、この
後に、大径および小径削孔28a,28b内に無収縮コ
ンクリート36を充填,硬化させることにより、補強鉄
筋30’が定着される。
【0042】このように構成した第2実施例によれば、
フーチング12(基礎構造物)の上端から下側主筋18
の下方まで到達する削孔28a,28b内に補強鉄筋3
0’を挿入,定着するので、フーチング12の下側主筋
18が、補強鉄筋30’により拘束され、フーチング1
2のせん断破壊に対する耐震性が向上する。
【0043】図10,11は、本発明にかかる耐震補強
工法の第3実施例を示しており、上記第1実施例と同一
もしくは相当する部分には、同一符号を付してその説明
を省略するとともに、以下にその特徴点についてのみ説
明する。
【0044】これらの図に示した実施例では、上記第1
実施例と同様に、大径および小径削孔28a,28bが
フーチング12のコンクリート躯体14に形成される。
本実施例の場合には、小径削孔28bが形成されると、
この小径削孔28bの下端に拡径削孔42が形成され
る。
【0045】本実施例の拡径削孔42は、逆円錐台孔4
2aと、これに連なる円筒孔42bとから構成され、全
体が漏斗状に形成されている。逆円錐台孔42aは、基
礎砕石層22を貫通して形成されている。
【0046】円筒孔42bは、基礎砕石層22の下方の
地盤中に到達氏、地盤中の所定深度まで形成されてい
る。このような拡径削孔42は、例えば、ウォータージ
ェット水の垂直噴射により、小径削孔28bと同じ径の
下孔を形成した後に、ウォータージェット水を回転させ
ながら、水平噴射することや、高圧の水噴射削孔などに
より形成することができる。
【0047】拡径削孔42が形成されると、上記第2実
施例と同様に、フック部32が設けられていない補強鉄
筋30’が大径,小径,拡径削孔28a,28b,42
内に挿入され、この後に、大径,小径,拡径削孔28
a,28b,42内に無収縮コンクリート36を充填,
硬化させることにより、補強鉄筋30’が定着される。
【0048】このように構成した第3実施例によれば、
拡径削孔42内に補強鉄筋30’を無収縮コンクリート
36により定着するので、拡径削孔40のアンカー効果
により、補強鉄筋30’の引き抜き抵抗が増大し、これ
に伴う補強鉄筋30’の拘束力を下側主筋18に作用さ
せることができる。
【0049】図12,13は、本発明にかかる耐震補強
工法の第4実施例を示しており、上記第1実施例と同一
もしくは相当する部分には、同一符号を付してその説明
を省略するとともに、以下にその特徴点についてのみ説
明する。
【0050】これらの図に示した実施例では、上記第3
実施例と同様に、小径削孔28bの下端に拡径削孔42
が形成される。この拡径削孔42内に挿入される補強鉄
筋30”は、その下端に、偏心位置がピン44により支
持された回動片44が取り付けられている。
【0051】回動片46は、平板状のものであって、補
強鉄筋30”の下端に開口形成されたスリット孔48内
に挿入され、下端が補強鉄筋30”の下方に突出するよ
うにしてピン44により結合されている。
【0052】ピン44による回動片46の支持点は、回
動片46の重心位置よりも下方に設定されている。
【0053】この回動片46の長さLは、小径削孔28
bの直径よりも大きく、かつ、拡径削孔42の逆円錐台
孔42aの部分で水平状態に回動し、補強鉄筋30”と
略直交し得る長さになっている。
【0054】このような回動片46が設けられた補強鉄
筋30”を小径削孔28b内を挿通させて、拡径削孔4
20内に位置させ、振動などを加えると、偏心位置がピ
ン44により支持された回動片46は、拡径削孔42内
で、図13に示すように、略水平状態になるように回動
する。
【0055】この状態で補強鉄筋30”を上方に引上げ
ると、回動した回動片46が均しコンクリート層20の
下面に当接して係止される。補強鉄筋30”をこのよう
にして係止した後に、第3実施例と同様に、大径,小
径,拡径削孔28a,28b,42内に無収縮コンクリ
ート36を充填,硬化させることにより、補強鉄筋3
0”が定着される。
【0056】このように構成した第4実施例によれば、
拡径削孔42内で回動片46を回動させて無収縮コンク
リート36により定着するので、拡径削孔42と回動片
46とのアンカー効果により、補強鉄筋30”の引き抜
き抵抗が非常に大きくなり、これに伴う補強鉄筋30”
の拘束力を下側主筋18に作用させることができる。
【0057】なお、上記実施例では、削孔工程で大径削
孔28aと小径削孔28bとを形成する場合を例示した
が、本発明の実施は、これに限定されることはなく、例
えば、下側主筋18の配筋密度が上側主筋16と同じ程
度であれば、同じ径の削孔28をコンクリート躯体14
を貫通するように形成してもよい。
【0058】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる耐震補強工法によれば、せん断破壊に対
する耐震性の強化が有効に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる耐震補強工法が適用される橋脚
の断面説明図である。
【図2】同耐震補強工法の掘削工程の断面説明図であ
る。
【図3】同耐震補強工法の第1削孔工程の平面説明図で
ある。
【図4】同耐震補強工法の第2削孔工程の縦断面説明図
である。
【図5】同耐震補強工法の鉄筋定着工程の平面説明図で
ある。
【図6】図5の縦断面説明図である。
【図7】同耐震補強工法のコンクリート打設工程の断面
説明図である。
【図8】本発明にかかる耐震補強工法の第2実施例の鉄
筋定着工程の平面説明図である。
【図9】図8の縦断面説明図である。
【図10】本発明にかかる耐震補強工法の第3実施例の
削孔工程の断面説明図である。
【図11】本発明にかかる耐震補強工法の第3実施例の
鉄筋定着工程の断面説明図である。
【図12】本発明にかかる耐震補強工法の第4実施例で
用いる補強鉄筋の要部側面図である。
【図13】図12の補強鉄筋の回動片を回動させた状態
の側面図である。
【符号の説明】
10 橋脚 12 フーチング(地中基礎構造物) 14 コンクリート躯体 16 上側主筋 18 下側主筋 28 削孔 28a 大径削孔 28b 小径削孔 30 補強鉄筋 36 無収縮コンクリート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高架橋や橋梁の地中基礎構造物の耐震補
    強工法において、 前記基礎構造物を露出させる掘削工程と、 前記掘削工程で露出した前記基礎構造物の上端から下側
    主筋の下方まで到達する削孔を上側,下側主筋の間隙部
    に形成する削孔工程と、 前記削孔内に補強鉄筋を挿入して、当該補強鉄筋を前記
    削孔内に定着する鉄筋定着工程と、 前記補強鉄筋を内部に埋設した状態で、必要な配筋を施
    して、前記上側鉄筋の上部にコンクリートを打ち増しす
    るコンクリート打設工程とからなることを特徴とする耐
    震補強工法。
  2. 【請求項2】 前記削孔工程は、前記上側主筋の間隙部
    において、前記下側主筋の上部まで到達する大径削孔を
    形成する第1削孔工程と、 前記下側主筋の間隙部において、前記大径削孔の底部か
    ら、前記下側主筋の下方まで到達する前記大径削孔より
    も小径の小径削孔を形成する第2削孔工程とからなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の耐震補強工法。
  3. 【請求項3】 前記鉄筋定着工程は、前記補強鉄筋を前
    記大径および小径削孔内に挿入した状態で、これらの削
    孔内に無収縮コンクリートを充填して行うことを特徴と
    する請求項1または2記載の耐震補強工法。
  4. 【請求項4】 前記第2削孔工程で、一対の前記小径削
    孔を相互に連通するように形成し、 前記鉄筋定着工程で、前記補強鉄筋を前記小径削孔内に
    それぞれ挿入して、前記下側主筋に前記補強鉄筋を係止
    することを特徴とする請求項2記載の耐震補強工法。
  5. 【請求項5】 前記補強鉄筋は、予め先端にフック部を
    設けておき、前記小径削孔に挿入した後に、前記フック
    部を前記下側主筋に係止するとともに、前記補強鉄筋と
    前記下側主筋とを溶接固定することを特徴とする請求項
    4記載の耐震補強工法。
  6. 【請求項6】 前記第2削孔工程の後に、前記小径削孔
    の下端側に拡径削孔を形成し、前記補強鉄筋をこの拡径
    削孔内に充填した無収縮コンクリートにより定着させる
    ことを特徴とする請求項2または3項記載の耐震補強工
    法。
  7. 【請求項7】 前記補強鉄筋の先端に、偏心位置をピン
    支持した回動片を回動自在に取付けておき、この回動片
    が前記補強鉄筋と略直交するように、前記拡径削孔内で
    回動させることを特徴とする請求項6記載の耐震補強工
    法。
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