JP2007046348A - コンクリートダムの補修補強構造 - Google Patents

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宏之 木全
Munehisa Fujita
宗久 藤田
Katsuyuki Niimi
勝之 新美
Kazumitsu Takanashi
和光 高梨
Yutaka Fujita
豊 藤田
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Abstract

【課題】コンクリートダムを補修補強することにより大規模地震発生時でも安全性を確保できるようにする。
【解決手段】岩盤40上に建設されたコンクリートダムの上流側にコンクリートの増打ち20を行うことにより、クラック101および102の部分に引張応力が作用するのを防いで、クラックの発生を抑制する。また、コンクリートダムの下流側にコンクリートの増打ち21を行うことにより、クラック100の部分に引張応力が作用するのを防いで、クラックの発生を抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリートダムの補修補強構造に関し、特に、大規模地震によってコンクリートダムに発生することが予想されるクラックに対して効果的に補修補強を行うコンクリートダムの補修補強構造に関するものである。
現在、わが国のコンクリートダムは、震度法に基づいて耐震設計がなされている。今までに震度法の想定を上回る大規模地震の洗礼を受けたコンクリートダムはほとんどなく、地震による致命的なダム被害が報告されることもなかった。このため、大規模地震に対するダムの耐震補強については、ほとんど検討されてこなかったのが現状である。
最近、文部科学省の地震調査研究推進本部を初めとして、地震動予測に関する研究が精力的に進められており、ダムサイトにおいても震度法の想定を上回る大規模地震動の発生が予想されている。また、2000年鳥取県西部地震や2004年新潟県中越地震では、ダムサイトにおいて震度法の想定を大幅に上回る大規模地震動が観測された。このような状況下において、大規模地震に対するコンクリートダムの耐震安全性を確保することが求められており、必要に応じて効果的な対策を立てることが急務の課題となっている。
ところが、震度法は弾性設計法であり、想定以上の大規模地震動を受けた場合の破壊現象を評価することはできない。コンクリートダムは、無筋コンクリート構造物であることから、大規模地震時の破壊現象として、堤体にクラックが発生し、進展することが予想されている。有効な対策を立案するためには、堤体に発生するクラック進展挙動を精緻に予測する必要があるが、最近発明者らを初めとして、予測のための解析的研究が行われ始めた。これによれば、堤体底面やフィレット上部といった断面変化部でクラックが発生、進展することが明らかとなっている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大規模地震が発生した際にコンクリートダムが受ける被害箇所や被害状況をある程度予測し、効果的な補修や補強を行うことによって、安全性を確保することができるコンクリートダムの補修補強構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、コンクリートダムの上流側と下流側の少なくとも一方の側にコンクリートを増打ちすることによって、大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のコンクリートダムの補修補強構造において、前記コンクリートの増打ちは、ダムの堤頂部から岩盤に到るまでの領域を覆い、ダムの堤体底面部と岩盤との接触面を拡大することを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、コンクリートダムの堤体底面部と岩盤とが接する境界部分にまたがると共に、貯水の水圧方向に対して直交方向にトンネルを形成し、当該トンネル内をコンクリートに置換えることによって、大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項3に記載のコンクリートダムの補修補強構造において、前記トンネルは、コンクリートダムの堤体底面部の上流側から一定間隔置きに複数個並べて形成することを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、コンクリートダムの所定領域に対して一定間隔毎に複数のアンカーを使い、上下方向から挟み込んで所定領域にプレストレスをかけることによって、大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載のコンクリートダムの補修補強構造において、前記所定領域は、コンクリートダム全体であって、ダムの堤頂部と下流側勾配面から一定間隔毎に直下の堤体内へ複数のアンカーを通し、岩盤内の定着部との間でプレストレスをかけることを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明は、請求項5に記載のコンクリートダムの補修補強構造において、前記所定領域は、下流側の堤頂部と、上流側の勾配変化部と、上流側の堤体底面部の少なくとも一つであって、それぞれの領域に対して上下方向に複数のアンカーを一定間隔毎に通し、複数のアンカーにプレストレスをかけることを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、請求項7に記載のコンクリートダムの補修補強構造において、前記上流側の勾配変化部と上流側の堤体底面部に対してアンカーを設置する際に、ダム内の既設監査廊を使って施工することを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、コンクリートダムの下流側の堤頂部、上流側の勾配変化部、および上流側の堤体底面部の少なくとも一箇所に対し、鋼材あるいは鋼板を用いてダム表面を補強することによって、大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明は、コンクリートダムの上流側の勾配変化部および上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に一定間隔毎に複数削孔し、当該孔内に鋼材を挿入しコンクリートを打設することによって、大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とする。
また、請求項11にかかる発明は、請求項10に記載のコンクリートダムの補修補強構造において、前記上流側の勾配変化部と上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に一定間隔毎に複数削孔し、当該孔内に鋼材を挿入してコンクリートを打設する際に、ダム内の既設監査廊を使って施工することを特徴とする。
また、請求項12にかかる発明は、コンクリートダムの上流側と下流側の少なくとも一方の側にコンクリートの増打ちを行う増打ち構造と、コンクリートダムの堤体底面部と岩盤とが接する境界部分にまたがって、貯水の水圧方向に対して直交方向にトンネルを形成し、当該トンネル内をコンクリートに置換えるトンネル置換え構造と、コンクリートダムの所定領域に対して一定間隔毎に複数のアンカーを使い、上下方向から挟み込んで所定領域にプレストレスをかけるプレストレス構造と、コンクリートダムの下流側の堤頂部、上流側の勾配変化部、および上流側の堤体底面部の少なくとも一箇所に対し、鋼材あるいは鋼板を用いてダム表面を補強するダム表面補強構造と、コンクリートダムの上流側の勾配変化部および上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に一定間隔毎に複数削孔し、当該孔内に鋼材を挿入してコンクリートを打設する補強杭構造との中で、2つ以上の構造を組み合わせて大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とする。
請求項1にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、コンクリートダムの上流側と下流側の少なくとも一方の側にコンクリートを増打ちする。このため、上流側のコンクリートの増打ちは、大規模地震発生時にコンクリートダムの上流側勾配変化部と上流側の堤体底面部にかかる引張応力を抑制し、クラックの発生を防止するよう補強すると共に、断面積の増加によって形状の安定性を増すことができるという効果を奏する。また、下流側のコンクリートの増打ちは、大規模地震発生時にコンクリートダムの下流側の堤頂部にかかる引張応力を抑制し、クラックの発生を防止すると共に、断面積の増加によって形状の安定性を増すことができるという効果を奏し、上流側勾配変化部と上流側の堤体底面部にかかる引張応力を抑制し、クラックの発生の防止にも効果を奏する。さらに、両方を増打ちする場合は、全ての箇所に対するクラックの発生を防止し、形状も一層安定するという効果を奏する。また、大規模地震発生時に引張応力がかかってクラックが発生した後に上記増打ちをする場合は、余震や同程度の地震がその後発生し、引張応力が加わったとしても、それ以上クラックが進行しないように抑制するための補修が行えるという効果を奏する。
また、請求項2にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、コンクリートの増打ちでダムの堤頂部から岩盤に到るまでの領域を覆い、ダムの堤体底面部と岩盤との接触面を拡大するようにする。このため、形状の安定性がさらに増し、特に、コンクリートダムの上流側の堤体底面部にかかる引張応力を効果的に抑制できるという効果を奏する。
また、請求項3にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、コンクリートダムの堤体底面部と岩盤とが接する境界部分にまたがるようにして、貯水の水圧方向に対して直交方向にトンネルを形成し、そのトンネル内をコンクリートに置換える。このため、上流側の堤体底面部と岩盤との間にクラックが発生し、進行し始めても、コンクリートで置換えたトンネル部分でクラックの進行が妨げられて、クラックの発生自体が抑制されると共に、既に発生したクラックがそれ以上進行するのを抑制するという効果を奏する。
また、請求項4にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、コンクリートに置換える
トンネルをコンクリートダムの堤体底面部の上流側から一定間隔置きに複数個並べて形成する。このため、大規模地震発生時にコンクリートダムの上流側の堤体底面部と岩盤との間に引張応力が発生し、クラックが上流から下流に向かって進行する際に、堤体底面部の上流側から岩盤にまたがるように形成されたコンクリートのトンネルを一定間隔置きに複数個配置したので、クラックが発生しても初期段階からクラックの進行が妨げられ、効果的にクラックの発生が抑制されるという効果を奏する。また、既にクラックが発生している場所にコンクリートのトンネルを一定間隔置きに複数個配置し、クラックを分断するように設けることで、それ以上クラックが進行しないような補修が行えるという効果を奏する。
また、請求項5にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、コンクリートダムの所定領域に対し一定間隔毎に複数のアンカーを使って上下方向から挟み込んでプレストレスをかけるようにする。このため、クラックの発生が予想される箇所に常にプレストレスがかかっているので、大規模地震によって所定領域に引張応力が発生しないか、または、発生したとしても引張強度以下に抑制して、クラックが発生しないようにする効果を奏する。
また、請求項6にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、アンカーを使ってコンクリートダム全体を岩盤との間でプレストレスかけるようにする。このため、大規模地震によってコンクリートダムの堤体内に引張応力が加わって、クラックの発生が予想される場合でも、コンクリートダム全体にプレストレスがかかっていることから、クラックの発生を抑制する補強構造と、既に発生しているクラックがそれ以上進行しないように防止する補修構造とが得られるという効果を奏する。
また、請求項7にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、下流側の堤頂部と、上流側の勾配変化部と、上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域に対して上下方向に複数のアンカーを一定間隔毎に通し、複数のアンカーにプレストレスをかけるようにする。このため、大規模地震によってクラックの発生が予想される領域を個別かつ選択的に補修補強することが可能となり、ダムの形状や引張応力の状態、あるいは、他の補修補強構造との組み合わせ等が自由に行えるという効果を奏する。
また、請求項8にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、上流側の勾配変化部と上流側の堤体底面部の領域に対してアンカーを設置する際に、ダム内の既設監査廊を使って施工するようにする。このため、施工時にダムの貯水位を下げることなく、通年施工が可能になるという効果を奏する。
また、請求項9にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、コンクリートダムの下流側の堤頂部、上流側の勾配変化部、および上流側の堤体底面部の少なくとも一箇所に対して鋼材あるいは鋼板を用いてダム表面を補強するようにする。このため、大規模地震によってクラックの発生が予想される領域を個別かつ選択的に補修補強することが可能となり、ダムの形状や引張応力の状態、あるいは、他の補修補強構造との組み合わせ等が自由に行えるという効果を奏する。
また、請求項10にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、コンクリートダムの上流側の勾配変化部および上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に一定間隔毎に複数削孔し、当該孔内に鋼材を挿入しコンクリートを打設するようにする。このため、大規模地震によってクラックの発生が予想される堤体の領域の上下方向に鋼材とコンクリートからなる杭を複数本形成することによって、コンクリートダムに加えられた引張応力に対向できるようになり、クラックの発生を抑制する補強構造と、既に発生しているクラックをそれ以上進行させない補修構造とが得られるという効果を奏する。
また、請求項11にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、上流側の勾配変化部と上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に複数削孔し、当該孔内に鋼材を挿入しコンクリートを打設する際に、ダム内の既設監査廊を使って施工するようにする。このため、施工時にダムの貯水位を下げることなく、通年施工が可能になるという効果を奏する。
また、請求項12にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、コンクリートの増打ち構造と、トンネル置換え構造と、プレストレス構造と、ダム表面補強構造と、補強杭構造との中で、2つ以上の構造を組み合わせるようにする。このため、コンクリートダムの大きさや種類、地形、地質、施工コスト、施工の容易性、工期、あるいは、構造強度などに基づいて最も適した組み合わせを適宜選択することが可能となり、大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して確実な補修補強が行えるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかるコンクリートダムの補修補強構造の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
大規模地震(レベル2地震)に対するコンクリートダムの耐震安定性を評価するにあたって、従来からの震度法が想定する地震規模(レベル1地震)で行っていた評価は、地震規模の違いからそのまま用いることができなかった。そこで、本願発明者らは、大規模地震発生時にコンクリートダムの堤体に発生する引張応力によるクラックの発生と、その進行や挙動について精緻に追跡するため、コンクリートの引張軟化特性を考慮した動的非線形解析(以下、クラック進展解析ともいう)を独自に開発し、コンクリートダムの大規模地震発生時における挙動を把握することから始めた。
図9−1〜図9−4は、クラック進展解析により重力式コンクリートダムの地震時におけるクラック進展の推移を示した断面図である。このクラック進展解析の解析モデルに使用したダムは、ここでは堤高150m、堤体底面長136.8m、フィレット高46mの国内最大級のダムであり、内陸直下型地震が作用した場合を想定したものである。
クラック進展解析を行う場合は、コンクリートの非線形材料特性を評価する必要があり、例えば、くさび挿入型割裂試験を行って、コンクリートの引張軟化構成則を求める。入力地震動は、基礎岩盤表面で大崎スペクトルをターゲットスペクトルとしてマグニチュード8.0、震源距離25kmの地震を想定し、最大加速度が574 galとなる振動を40秒間加えて行った。
このようにして得られたクラック進展解析の解析結果に基づいて、重力式コンクリートダムの断面図に見られるクラック進展の推移を時間と共に追って行く。まず、図9−1に示すように、大規模地震により引張応力がダムに加わると、最初は岩盤と接する堤体底面部の上流側からクラック102が進行する。この段階ではまだ堤頂部10に引張応力が加わっていない。
続く図9−2では、堤体底面部の上流側からのクラック102が一層大きく進行すると共に、フィレット11の上部から下流側に向かって新たなクラック101が進行を開始する。
そして、図9−3では、堤体底面部の上流側からのクラック102の進行は止まるが、フィレット11上部のクラック101が大きく進行する。さらに、図9−4では、フィレット11上部のクラック101の進行度合いは鈍化するが、わずかに進行すると共に、堤頂部10の下流側にも引張応力が加わり、新たなクラック100が進行する。
従って、図9−1〜図9−4に見られるように、大規模地震に対するダムのクラック進展解析結果は、ダムの上流側の勾配変化部(フィレット上部)と、上流側の堤体底面部と、下流側の堤頂部の3箇所にクラックの発生が集中し、進行することがわかった。
本願発明者らは、これらの解析結果を踏まえた上で、以下の実施の形態においてコンクリートダムの補修補強構造を提案している。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。図1に示すコンクリートダムは、岩盤40の上に重力式コンクリートダムが建設され、堤頂部10とフィレット11を備えており、ダムの堤体内にはメンテナンス用の監査廊12が設けられている。堤体内に描かれているクラック100〜102は、大規模地震によってクラックの発生が予想される箇所、あるいはクラックが既に発生している2通りの状態を示すものである。
まず、大規模地震が発生する前にダムの上流側に施工されるコンクリートの増打ち20は、クラック101,102の部分に引張応力が作用するのを防いで、クラックの発生を抑制すると共に、上流側の堤体底面部の面積を広げる構造として、形状による安定性を増加させたものである。上流側にコンクリートの増打ち20をする場合は、貯水30を空虚にしてダム内の堆砂を除去した後、コンクリートを打設する。
また、ダムの下流側に施工されるコンクリートの増打ち21は、大規模地震発生時にコンクリートダムの下流側の堤頂部10にかかる引張応力を抑制し、クラックの発生を防止すると共に、断面積を増加させて形状の安定性を増加させるものである。下流側にコンクリートの増打ち21をする場合は、転流により貯水位を低下させた後、堤体下流面にコンクリートを打設する。
このように、大規模地震発生前のコンクリートの増打ちは、大規模地震の引張応力による堤体のクラック発生が抑制可能な補強構造を提供することができる。
さらに、地震発生後に図1に示すようなクラック100〜102が発生した場合、上記と同様にコンクリートの増打ち20,21を行うことによって、それ以上クラックが進行しないようにし、堤体のクラック貫通破壊を防止する補修構造を提供することができる。
なお、実施の形態1では、ダムの上流側と下流側の両方にコンクリートの増打ちを行った例で説明したが、これに限定されず、状況に応じて何れか一方の増打ちを行っても良い。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。図2に示すコンクリートダムは、岩盤40の上に重力式コンクリートダムが建設され、堤頂部10とフィレット11を備えており、ダムの堤体内にはメンテナンス用の監査廊12が設けられている。堤体内に描かれているクラック100〜102は、大規模地震によってクラックの発生が予想される箇所、あるいはクラックが既に発生している2通りの状態を示すものである。
実施の形態2の特徴的な構造は、ダムの堤体底面と岩盤40とが接する境界面にまたがるように複数のトンネル50,51が上流側から一定間隔を置いて形成され、このトンネル50,51内にコンクリートを打設して置換えるものである(トンネル置換え工法)。これに似た工法としてダウエリングが知られているが、ダウエリングはダムを設置する岩盤内部に破砕層などが分布している場合、剪断強度を改良するため岩盤内部にトンネルを掘ってコンクリートで置き換えるもので、剪断に対する抵抗力の強化を図る技術であって、本実施の形態2はその応用であり、剪断抵抗力と併せて引張抵抗力の強化を図る技術である。
このように、ダムの堤体底面と岩盤40とが接する境界面にまたがるように形成された複数のトンネル50,51をコンクリートに置き換えることで、堤体底面部と岩盤40との間で上流側からクラック102が発生しても、トンネル50,51によってクラックの発生、および進行を妨げることができる。このため、大規模地震の引張応力により堤体底面部におけるクラックの発生が抑制可能な補強構造を提供することができる。
また、地震発生後に図2に示すようなクラック102が発生した場合、上記と同様にダムの堤体底面と岩盤40とが接する境界面にまたがるように複数のトンネル50,51を形成し、コンクリートで置き換えることによって、それ以上クラック102が進行して堤体底面部のクラック貫通破壊が起こるのを防止可能な補修構造を提供することができる。
(実施の形態3)
図3−1は、実施の形態3にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図であり、図3−2は、実施の形態3にかかるコンクリートダムの別の補修補強構造を示す断面図である。図3−1および図3−2に示すコンクリートダムは、岩盤40の上に重力式コンクリートダムが建設され、堤頂部10とフィレット11を備えており、ダムの堤体内にはメンテナンス用の監査廊12が設けられている。堤体内に描かれているクラック100〜102は、大規模地震によってクラックの発生が予想される箇所、あるいはクラックが既に発生している2通りの状態を示すものである。
実施の形態3の特徴的な構造は、アンカーを使ってクラックの発生が予想される箇所、あるいはクラックが既に発生している箇所にプレストレスをかけて引張応力を低減させることにより、クラックの発生を抑制し、既にクラックが発生している場合はクラックの進行を防止するものである。
まず、図3−1は、先端に定着部を有し、ワイヤーや鋼棒等からなるアンカーを使ってプレストレスをかけるプレストレス構造60をコンクリートダム全体に適用した場合である。すなわち、ダムの堤頂部10と下流側の勾配面とを使い、一定間隔毎に垂直方向に堤体内へボーリングマシーンにて堤体および岩盤40を削孔して、永久アンカーを設置し、コンクリートダム全体にプレストレスをかけるものである。
このため、図3−1のプレストレス構造60は、大規模地震によってコンクリートダムの堤体内に引張応力が加わったとしても、クラック100〜102の発生が予想される領域に対して常にプレストレスがかかっているので、引張応力が低減され、クラックの発生を抑制することができる補強構造が得られる。
また、コンクリートダムの堤体内に既にクラック100〜102が発生している場合に、図3−1のようなプレストレス構造60を形成することによって、クラック100〜102がそれ以上進行しないようにする補修構造を得ることができる。
次に、図3−2は、アンカーを使ってプレストレスをかけるプレストレス構造61,62,63をクラック100〜102の発生が予想される領域、あるいは、既にクラック100〜102が発生している領域に対して、個別に形成する場合である。すなわち、下流側堤頂部のクラック100、上流側勾配変化部のクラック101、および上流側堤体底面部のクラック102の少なくとも一つの領域に対して上下方向に複数のアンカーを通すようにボーリングマシーンにて堤体を削孔し、アンカーを設置して、プレストレスをかけるものである。
このため、図3−2のプレストレス構造61,62,63は、大規模地震によってコンクリートダムの堤体内に引張応力が加わったとしても、クラック100〜102の発生が予想される領域に対して、個別かつ選択的にプレストレスをかけることができるので、引張応力が低減され、クラックの発生が抑制される補強構造が得られる。また、図3−2の構造は、アンカーの距離が短いため、プレストレスの効果が高くなって、十分な引張応力の発生抑制効果を期待することができる。さらに、個別かつ選択的にプレストレスがかけられるので、状況に合わせて他のコンクリートダムの補修補強構造と組み合わせて用いることもできる。
また、図3−2におけるプレストレス構造62および63を形成する場合は、ダムの堤体内の既設監査廊12を使ってボーリングを行い、施工することが可能となる。これによって施工時にダムの貯水位を下げる必要がなくなり、通年施工が可能となる。
(実施の形態4)
図4は、実施の形態4にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。図4に示すコンクリートダムは、岩盤40の上に重力式コンクリートダムが建設され、堤頂部10とフィレット11を備えており、ダムの堤体内にはメンテナンス用の監査廊12が設けられている。堤体内に描かれているクラック100〜102は、大規模地震によってクラックの発生が予想される箇所、あるいはクラックが既に発生している2通りの状態を示すものである。
実施の形態4の特徴的な構造は、コンクリートダムの下流側の堤頂部、上流側の勾配変化部、および上流側の堤体底面部の少なくとも一箇所に対して鋼材あるいは鋼板70,71,72を用いてダム表面を補強し、クラックの発生の抑制や既に発生しているクラックの進行を個別かつ選択的に防止できるようにするものである。
図4に示すように、鋼材あるいは鋼板70,71,72をダム表面に設置、固定し、さらにその上をコンクリートで覆うようにする(図示せず)。下流側堤頂部に設置する鋼材あるいは鋼板70の場合は、貯水位に関係なく施工が可能であるが、鋼材あるいは鋼板71,72を設置する場合は、貯水位を下げてから施工する必要がある。
このため、図4の鋼材あるいは鋼板70,71,72を用いた構造は、大規模地震によってコンクリートダムの堤体内に引張応力が加わったとしても、クラック100〜102の発生が予想される領域を確実に補強するので、引張応力が低減され、クラックの発生が抑制される補強構造を得ることができる。
また、コンクリートダムの堤体内に既にクラック100〜102が発生している場合は、図4に示すような鋼材あるいは鋼板70,71,72を後から設置することにより、クラック100〜102がそれ以上進行しないような補修構造を得ることができる。
なお、この鋼材あるいは鋼板70,71,72を用いた構造は、クラック100〜102の発生が予想される領域、あるいは、既にクラック100〜102が発生している領域に対して、個別に形成できるため、状況に合わせて他のコンクリートダムの補修補強構造と組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
図5は、実施の形態5にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。図5に示すコンクリートダムは、岩盤40の上に重力式コンクリートダムが建設され、堤頂部10とフィレット11を備えており、ダムの堤体内にはメンテナンス用の監査廊12が設けられている。堤体内に描かれているクラック100〜102は、大規模地震によってクラックの発生が予想される箇所、あるいはクラックが既に発生している2通りの状態を示すものである。
実施の形態5の特徴的な構造は、コンクリートダムの上流側の勾配変化部および上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に一定間隔毎に複数削孔し、各孔内に鋼材を挿入すると共に、その周りにコンクリートを打設することによって、強固な補強杭80,81を堤体内に形成するようにしたものである。
図5に示すように、補強杭80,81を堤体内に設置する場合は、ここでは、監査廊12から堤体および岩盤40に対してボーリングマシーンにて削孔し、H鋼などの鋼材を挿入後、その周囲の空間にコンクリートを打設することによって、クラックの発生が予想されるコンクリートダムの上流側の勾配変化部および上流側の堤体底面部を補強している。
このため、大規模地震によってクラックの発生が予想される堤体の領域に補強杭80,81がダムの川幅方向に一定所定間隔毎に複数本形成することにより構造体が補強され、大規模地震発生時にコンクリートダムに加えられる引張応力に対向できるようになり、クラックの発生を抑制する補強構造と、既に発生しているクラックをそれ以上進行させない補修構造とを得ることができる。
また、実施の形態5では、補強杭80,81を施工するにあたって、ダム内に既設された監査廊12を使って施工するため、施工時にダムの貯水位を下げる必要がなく、通年施工が可能になる。
なお、実施の形態5では、補強杭80,81の両方を形成した場合の例で説明したが、何れか一方だけを選択的に施工したり、他のコンクリートダムの補修補強構造と組み合わせて施工することも可能である。
(実施の形態6)
実施の形態6では、上記実施の形態1〜5で説明した個別のコンクリートダムの補修補強構造に対して、これらを組み合わせて施工する場合の組み合わせ例について説明する。
(コンクリートの増打ちとトンネル置換え工法との組み合わせ)
図6は、実施の形態6にかかるコンクリートの増打ちとトンネル置換え工法とを組み合わせたコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。図6の例では、クラック102に対して、トンネル50,51を形成し、コンクリートに置換えるトンネル置換え工法によって補修補強を行っている。また、クラック101および102に対しては、ダム上流側のコンクリートの増打ち20によって補修補強を行っている。さらに、クラック100に対しては、ダム下流側のコンクリートの増打ち21によって補修補強を行っている。
このように、上流側と下流側のコンクリートの増打ち20,21とトンネル置換え工法とを組み合わせることによって、コンクリートダムの補修補強構造がより強固になると共に、コンクリートダムの大きさや種類、地形、地質等によって、増打ちの量を調整したり、トンネルの数や大きさ、あるいは、トンネル同士の間隔を適宜調整することによって、コスト、施工の容易性、工期、構造強度などを最適化することが可能となる。
特に、図6の組み合わせ例では、堤体底面と岩盤40との間に発生するクラック102に対して、上流側のコンクリートの増打ち20とトンネル置換え工法とによって二重に補強されるため、この部分を確実に補強すべきコンクリートダムに対しては有効な補修補強構造となる。
(コンクリートの増打ちとプレストレス構造との組み合わせ)
図7は、実施の形態6にかかるコンクリートの増打ちとプレストレス構造とを組み合わせたコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。図7の例では、クラック100に対して、複数のアンカーを設置してプレストレスをかけるプレストレス構造61によって補修補強を行っている。また、クラック101および102に対しては、ダム上流側のコンクリートの増打ち20によって補修補強を行っている。
このように、上流側のコンクリートの増打ち20とプレストレス構造61とを組み合わせることによって、コンクリートダムの大きさや種類、地形、地質等に基づいて、コスト、施工の容易性、工期、構造強度などを最適化することが可能となる。
特に、図7の組み合わせ例では、下流側の堤頂部に発生するクラック100に対して、
プレストレス構造61を効果的に用いているため、上記実施の形態1(図1参照)でコンクリートの増打ち21を行っていた場合と比較すると、施工コストを大幅に低減できるとともに、工期も大幅に短縮することができる。
(プレストレス構造とトンネル置換え工法との組み合わせ)
図8は、実施の形態6にかかるプレストレス構造とトンネル置換え工法とを組み合わせたコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。図8の例では、クラック100,101に対して、複数のアンカーを設置してプレストレスをかけるプレストレス構造61および62により補修補強を行っている。また、クラック102に対しては、トンネル50,51を形成し、コンクリートに置換えるトンネル置換え工法によって補修補強を行っている。
このように、プレストレス構造とトンネル置換え工法とを組み合わせることによって、
コンクリートダムの大きさや種類、地形、地質等に基づいて、コスト、施工の容易性、工期、構造強度などを最適化することが可能となる。
特に、図8の組み合わせ例では、下流側の堤頂部に発生するクラック100に対して、
プレストレス構造61を用い、上流側の勾配変化部に発生するクラック101に対して、監査廊12から施工するプレストレス構造62を用い、上流側の堤体底面部に発生するクラック102に対して、トンネル50,51を形成するトンネル置換え工法を用いたため、施工時にダムの貯水位を下げる必要がなく、通年施工が可能になる。
なお、上記実施の形態6では、コンクリートの増打ちとプレストレス構造とトンネル置換え工法の3者の組み合わせ例について説明したが、必ずしもこの組み合わせ例に限定されるものではなく、上記実施の形態4の鋼材あるいは鋼板70,71,72などを使ってクラック100,101,102に相当するダム表面を補強するダム表面補強構造と、上記実施の形態5の補強杭80,81を使ってクラック101,102の領域を補強する補強杭構造とを加えた上記5種類の補修補強構造の中から2種類以上を組み合わせ、コンクリートダムの大きさや種類、地形、地質、施工コスト、施工の容易性、工期、あるいは、構造強度などに基づいて最も適した組み合わせを適宜選択可能としても良い。
以上のように、本発明にかかるコンクリートダムの補修補強構造は、既存のコンクリートダムの耐震安全性評価が得られるように補修補強を行う場合に有用であり、特に、大規模地震に対するコンクリートダムの補修補強構造に適している。
実施の形態1にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。 実施の形態2にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。 実施の形態3にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。 実施の形態3にかかるコンクリートダムの別の補修補強構造を示す断面図である。 実施の形態4にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。 実施の形態5にかかるコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。 実施の形態6にかかるコンクリートの増打ちとトンネル置換え工法とを組み合わせたコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。 実施の形態6にかかるコンクリートの増打ちとプレストレス構造とを組み合わせたコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。 実施の形態6にかかるプレストレス構造とトンネル置換え工法とを組み合わせたコンクリートダムの補修補強構造を示す断面図である。 クラック進展解析により重力式コンクリートダムの地震時におけるクラック進展の推移を示した断面図である。 クラック進展解析により重力式コンクリートダムの地震時におけるクラック進展の推移を示した断面図である。 クラック進展解析により重力式コンクリートダムの地震時におけるクラック進展の推移を示した断面図である。 クラック進展解析により重力式コンクリートダムの地震時におけるクラック進展の推移を示した断面図である。
符号の説明
10 堤頂部
11 フィレット
12 監査廊
20 コンクリートの増打ち
21 コンクリートの増打ち
30 貯水
40 地盤
50 トンネル
51 トンネル
60 プレストレス構造
61 プレストレス構造
62 プレストレス構造
63 プレストレス構造
70 鋼材あるいは鋼板
71 鋼材あるいは鋼板
72 鋼材あるいは鋼板
80 補強杭
81 補強杭
100 クラック
101 クラック
102 クラック

Claims (12)

  1. コンクリートダムの上流側と下流側の少なくとも一方の側にコンクリートを増打ちすることによって、
    大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とするコンクリートダムの補修補強構造。
  2. 前記コンクリートの増打ちは、ダムの堤頂部から岩盤に到るまでの領域を覆い、ダムの堤体底面部と岩盤との接触面を拡大することを特徴とする請求項1に記載のコンクリートダムの補修補強構造。
  3. コンクリートダムの堤体底面部と岩盤とが接する境界部分にまたがると共に、貯水の水圧方向に対して直交方向にトンネルを形成し、当該トンネル内をコンクリートに置換えることによって、
    大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とするコンクリートダムの補修補強構造。
  4. 前記トンネルは、コンクリートダムの堤体底面部の上流側から一定間隔置きに複数個並べて形成することを特徴とする請求項3に記載のコンクリートダムの補修補強構造。
  5. コンクリートダムの所定領域に対して一定間隔毎に複数のアンカーを使い、上下方向から挟み込んで所定領域にプレストレスをかけることによって、
    大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とするコンクリートダムの補修補強構造。
  6. 前記所定領域は、コンクリートダム全体であって、ダムの堤頂部と下流側勾配面から一定間隔毎に直下の堤体内へ複数のアンカーを通し、岩盤内の定着部との間でプレストレスをかけることを特徴とする請求項5に記載のコンクリートダムの補修補強構造。
  7. 前記所定領域は、下流側の堤頂部と、上流側の勾配変化部と、上流側の堤体底面部の少なくとも一つであって、それぞれの領域に対して上下方向に複数のアンカーを一定間隔毎に通し、複数のアンカーにプレストレスをかけることを特徴とする請求項5に記載のコンクリートダムの補修補強構造。
  8. 前記上流側の勾配変化部と上流側の堤体底面部に対してアンカーを設置する際に、ダム内の既設監査廊を使って施工することを特徴とする請求項7に記載のコンクリートダムの補修補強構造。
  9. コンクリートダムの下流側の堤頂部、上流側の勾配変化部、および上流側の堤体底面部の少なくとも一箇所に対し、鋼材あるいは鋼板を用いてダム表面を補強することによって、
    大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とするコンクリートダムの補修補強構造。
  10. コンクリートダムの上流側の勾配変化部および上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に一定間隔毎に複数削孔し、当該孔内に鋼材を挿入しコンクリートを打設することによって、
    大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とするコンクリートダムの補修補強構造。
  11. 前記上流側の勾配変化部と上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に一定間隔毎に複数削孔し、当該孔内に鋼材を挿入してコンクリートを打設する際に、ダム内の既設監査廊を使って施工することを特徴とする請求項10に記載のコンクリートダムの補修補強構造。
  12. コンクリートダムの上流側と下流側の少なくとも一方の側にコンクリートの増打ちを行う増打ち構造と、
    コンクリートダムの堤体底面部と岩盤とが接する境界部分にまたがって、貯水の水圧方向に対して直交方向にトンネルを形成し、当該トンネル内をコンクリートに置換えるトンネル置換え構造と、
    コンクリートダムの所定領域に対して一定間隔毎に複数のアンカーを使い、上下方向から挟み込んで所定領域にプレストレスをかけるプレストレス構造と、
    コンクリートダムの下流側の堤頂部、上流側の勾配変化部、および上流側の堤体底面部の少なくとも一箇所に対し、鋼材あるいは鋼板を用いてダム表面を補強するダム表面補強構造と、
    コンクリートダムの上流側の勾配変化部および上流側の堤体底面部の少なくとも一つの領域の堤体に対して上下方向に一定間隔毎に複数削孔し、当該孔内に鋼材を挿入してコンクリートを打設する補強杭構造と
    の中で、2つ以上の構造を組み合わせて大規模地震によりコンクリートダムの所定箇所に発生が予想されるクラックに対して補修補強を行うことを特徴とするコンクリートダムの補修補強構造。
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