JP4987652B2 - 盛土の補強構造と補強方法および線状盛土 - Google Patents

盛土の補強構造と補強方法および線状盛土 Download PDF

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本発明は、液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成された既設もしくは新設の盛土の補強構造と補強方法、および、特にこの補強構造を具備する線状盛土に関するものである。
道路や鉄道、防波堤や護岸などの各種堰堤として供される盛土の造成に際し、その下部地盤が軟弱な場合には盛土を支持し得るだけの強度を有する程度に補強施工される。例えば、下部地盤が軟弱な粘性土層を有している場合には、過度な沈下や不等沈下を防止するために浅層混合処理ないしは深層混合処理をはじめとする適宜の地盤改良施工が当該粘性土層をターゲットに実施される。一方、下部地盤(の特に上部層)に砂質層が存在し、かつ地下水が比較的高い場合には、地震時に当該砂質層が液状化することを防止するために、地下水位低下工法や過剰間隙水圧消散工法などの地盤改良施工が実施される。
ところで、盛土の破壊形態を分類すると、図13a〜dに示すように大きく4つのタイプに分類することができる。図13aに示すタイプIは法面崩壊タイプであり、地震時に盛土自体に作用する慣性力等によって法面の表層部分が地すべり状に崩壊するタイプである。図13bに示すタイプIIは地震時の慣性力等により、盛土内部で円弧すべり破壊を生じる場合や、盛土のみならず、その下部地盤をも巻き込んで円弧すべり破壊を形成する場合である。図13cに示すタイプIIIは盛土自体が分断する破壊態様である。さらに、図13dに示すタイプIVは盛土自体が沈下する形態である。このタイプでは、過度な沈下量の場合に堰堤の機能を確保することができない。
ここで、上記する盛土の破壊形態のうち、特に、タイプII,IIIの場合の破壊形態では、盛土の天端面の平坦性や連続性が失われ、道路や鉄道などの線状盛土の場合には、その機能が完全に失われる。そこで、かかる破壊形態に対しても効果的に盛土の破壊を防止するとともに当該盛土の機能維持を図る盛土補強技術の開発が切望されているところである。ここで、盛土直下の軟弱地盤に薬液注入処理やセメント混合処理等を実施することによって地盤改良をおこなう方策や、基礎地盤内で軟弱地盤下方の比較的硬質で液状化や沈下の可能性のない(低い)地盤まで鋼矢板等を打設して盛土直下地盤を締め切り、さらに矢板頭部をタイロッドで結ぶ等の方策は従来一般におこなわれる方法である。しかし、これらの方策は沈下抑制等に対する高い効果が期待できる一方で、タイロッドで結ぶために施工コストが高くなること、特に既設盛土の補強の場合においてタイロッドの施工が極めて困難であることなどのデメリットも大きい。
また、たとえば、その延長が長スパンに及ぶ道路や鉄道などに供される線状盛土においては、上記デメリットが顕著となる。施工コストと耐震補強の必要性の双方の観点に鑑みれば、盛土の多少の沈下は許容するものの、上記のごとき法面のはらみ出しを防止して該盛土の最低限の機能確保を図ることのできる盛土の補強方法や補強構造が望ましい。
ところで、盛土の補強構造に関する従来の技術として、例えば特許文献1に開示の技術を挙げることができる。この技術は、盛土の両法尻から地盤内へ連続地中壁を造成し、この連続地中壁の頭部から盛土直下側の斜め下方に向うアースアンカーを液状化の可能性の小さな支持層に打設する盛土構造物の液状化対策工法である。
特開平11−1926号公報
特許文献1に開示の液状化対策工法では、鋼矢板を打設するとともにアースアンカーを軟弱地盤下方の支持層まで打設することから工費が極めて高くなり、該盛土が線状盛土の場合にはそれが顕著となる。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、地震時において下部地盤が液状化等によって変状した場合であっても、盛土の損傷をその機能停止にまで至らない程度に補強するとともに、施工コストが比較的安価となる、盛土の補強構造とその補強方法、および線状盛土を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による盛土の補強構造は、液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土の補強構造であって、前記対向する第1の法面および第2の法面の双方に設置された第1の抑え部材および第2の抑え部材と、前記第2の法面側の下方の前記軟弱地盤内に設置されて、該軟弱地盤の変位に追随して変位する第1の抵抗体と、該第1の抵抗体と前記第1の抑え部材を繋ぐ第1の引張部材と、前記第1の法面側の下方の前記軟弱地盤内に設置されて、該軟弱地盤の変位に追随して変位する第2の抵抗体と、該第2の抵抗体と前記第2の抑え部材を繋ぐ第2の引張部材と、を具備することを特徴とするものである。
本発明の盛土の補強構造は、所定勾配を有する対向した2つの法面を有する既設もしくは新設の盛土にかかり、特にこの盛土は液状化の可能性のある砂質系で地下水位の高い地盤、もしくは圧密沈下の可能性のあるN値の小さな粘性地盤のような軟弱地盤の上に造成される、もしくは造成された盛土の補強構造に関するものである。この補強構造の設計思想は、盛土下方地盤がたとえば地震時の液状化に伴い盛土重量を支持しきれずに側方や下方に変状を来たして盛土がはらみ出そうとした際に、法面を抑える抑え部材と引張部材を介して接続する抵抗体(この抵抗体は他方の法面側下方の軟弱地盤内に設置されている)が、軟弱地盤内にて他方の法面外方へ変位することにより、該抑え部材のはらみ出し方向とこの抵抗体の変位方向が相反する方向となることを利用して、法面のはらみ出しをこの抵抗体の変位によって抑制させるものである。
ここで、軟弱地盤の各箇所ごとの変位量(たとえば水平方向への側方変位量)は、地盤層厚や地盤密度、盛土の寸法や形状、入力地震動等によって変化するが、たとえば法尻直下付近で変位量は最大となる傾向にある。そこで、上記する本発明の設計思想に鑑みれば、変位量が大きな地盤内領域に抵抗体を配設することが法面のはらみ出し抑制に関して大きな効果を期待することができる。なお、この抵抗体が軟弱地盤内に設置される位置が、液状化時もしくは地盤沈下時において水平変位が最大となる位置である場合に、最も大きな法面のはらみ出し抑制効果を期待できる。
ここで、たとえば第1の抵抗体が設置される「第2の法面側の下方の軟弱地盤内」とは、少なくとも盛土の中心線から第2の法面側の領域の軟弱地盤内であればよく、したがって、第2の法面の直下領域や第2の法面の法尻から外側の領域などを含むものである。盛土が側方にはらみ出そうとして抑え部材を側方へ押出す変形(例えば右側)と、下部地盤が側方へ流動しようとして反対側の法面下方の軟弱地盤内で抵抗体が地盤変位に追随して側方へ移動する変位(例えば左側)が作用して互いの変形が相殺される、という技術思想は、地盤内変位を法面のはらみ出し抑制に積極的に利用しようとする、従来にはない新規の着想に基づいている。この技術思想によれば、地震時に軟弱地盤が液状化等した場合において、盛土の多少の沈下は許容するものの、盛土が供用停止となるような大きな破壊には至らしめないという補強目標を達成することができ、従来のごとき盛土直下地盤の全部を地盤改良等するような補強施工に比してその工費は格段に廉価となる。
ここで、抑え部材は特に限定されるものではないが、それ自体が破壊することなく盛土を拘束できる強度を具備する適宜の材料から構成され、例えば、鋼板やコンクリートブロック、鋼繊維や炭素繊維等を含んだシート材、土嚢、所定間隔で設置されたH鋼と該H鋼間に配設された木板とからなる親杭横矢板など、適宜の材料(部材)から抑え部材を構成することができる。さらに、抑え部材が設置される法面箇所は、法尻のみの形態、法肩のみの形態、法面全面の形態、法尻〜法面の中段の所定レベルまでの範囲の形態など、抑え部材にて法面のはらみ出しが抑制できる適宜の箇所を選定できる。
また、引張部材は、タイロッド、PC鋼棒、PC鋼線、高張力棒鋼など、法面がはらみ出そうとした際に生じ得る張力にて耐え得る引張体力を具備する適宜の素材を選定できる。
本発明の盛土補強構造は、新設する盛土の補強構造として適用できることは勿論のこと、既存の盛土を経済的に補強施工できることに大きな利点がある。盛土直下の地盤を改良等する方法に比べて、既存の盛土を残し、さらには該盛土を供用させながら補強施工をおこなうことができるからである。
この盛土が道路や鉄道などの線状盛土の場合には、かかる線状に沿って所定間隔に引張部材が配設される。なお、必要な場合には、この引張部材は法面の法尻から天端方向に2段、または3段の多段に設置することもできる。
引張部材に連結される抵抗体は、軟弱地盤内に設置され、この地盤が側方へ変位した場合に、この地盤内での自身の位置を確保しながら、すなわち、設置当初のまわりの地盤の変位に追随して同様の変位を来たすことのできる部材であれば、その材質も形状も特に限定されるものではない。たとえば、引張部材先端に装着される支圧板、コンクリートの柱状ブロックなど、少なくとも引張部材よりもその断面が大きく、引張部材から伝達される引張力に対して地盤内に留まろうとして抗する形状、強度(引張強度、摩擦強度など)を具備していればよい。
また、本発明による盛土の補強構造の他の実施の形態において、前記第2の法面側の下方の前記軟弱地盤内に根入れされた第1の地下壁と、前記第1の法面側の下方の前記軟弱地盤内に根入れされた第2の地下壁と、をさらに具備しており、第1の地下壁は第1の抑え部材と第1の抵抗体の間に介在し、第1の引張部材が該第1の地下壁を貫通して設置されるものであり、第2の地下壁は第2の抑え部材と第2の抵抗体の間に介在し、第2の引張部材が該第2の地下壁を貫通して設置されるものである。
本実施の形態は、たとえば法尻付近にさらに地下壁を設け、この地下壁に引張部材を貫通させて抵抗体を配置することにより、地下壁にて軟弱地盤の側方変位を抑制しながら、それでも生じる地盤の側方変位に追随して抵抗体を変位させることにより、同様に盛土法面のはらみ出しを効果的に抑制するものである。
ここで、地下壁としては、施工が比較的容易で、盛土の供用を阻害することなくその施工が可能な、鋼矢板を使用した地下壁が好ましい。
なお、この地下壁の設置は抵抗体の変位によって法面のはらみ出し抑制効果を高めるための補助工法であり、その根入れ長は軟弱地盤内の所定深度まででよいため、工費の大きなコストアップを齎すものではない。
また、前記引張部材と前記抵抗体が、先端に定着体を有するグラウンドアンカーからなる実施の形態であってもよい。
グラウンドアンカーは、引張力を地盤に伝達するために、グラウトによって造成されるアンカー体と引張部、アンカー頭部によって大略構成されるものである。 ここで、アンカー頭部は、盛土法面がはらみ出そうとする際に受ける力を引張部に伝達させる箇所であり、定着金具や支圧板、台座ブロック等から構成できる。また、引張部はアンカー頭部からの引張り力を軟弱地盤内に設置されたアンカー体に伝達させる箇所であり、引張材であるテンドンとシース等で構成でき、地盤や法面と絶縁されて伸縮自在な構造になっている。さらにアンカー体は、 テンドンの引張力を地盤に伝達させるために地中に造成あるいは設置された引抜きに対する抵抗部分である。このアンカー体は、セメント系のグラウト(セメントペーストやモルタル)、合成樹脂系グラウト等を注入して造成できる。
また、本発明による盛土の補強構造のさらに他の実施の形態は、液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土の補強構造であって、前記対向する第1の法面および第2の法面の双方に設置された第1の抑え部材および第2の抑え部材と、前記第2の法面側の下方の前記軟弱地盤内に根入れされた第1の地下壁と、該第1の地下壁と前記第1の抑え部材を繋ぐ第1の引張部材と、前記第1の法面側の下方の前記軟弱地盤内に根入れされた第2の地下壁と、該第2の地下壁と前記第2の抑え部材を繋ぐ第2の引張部材と、を具備することを特徴とするものである。
本実施の形態は、抵抗体を使用せず、地下壁と抑え部材とを引張部材で繋いだ構成とすることにより(よって、その正面視は、2つの抑え部材から2つの引張部材が対応するそれぞれの地下壁の接続箇所に向かって交差した形態となる)、軟弱地盤の側方変位による地下壁の変位によって対応する抑え部材を抑え、法面のはらみ出しを抑制しようとするものである。
また、本発明による盛土の補強方法は、液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土を補強する方法であって、モデル実験もしくは数値解析により、盛土下方の前記軟弱地盤内における位置ごとの水平変位量を予め算定しておく第1のステップと、対向する第1の法面および第2の法面の双方に第1の抑え部材および第2の抑え部材を設置し、第2の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第1の抵抗体を設置し、第1の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第2の抵抗体を設置し、第1の抵抗体と第1の抑え部材を第1の引張部材で繋ぐとともに、第2の抵抗体と第2の抑え部材を第2の引張部材で繋ぐ、第2のステップと、からなるものである。
本発明の補強方法は、既述する補強構造で説明したように、軟弱地盤内における水平変位量成分が対応する法面のはらみ出し量と相反する方向の変位量を有する領域に抵抗体を配置することを特徴としている。ここで、所定の水平変位量とは、上記のごとく対応する法面のはらみ出し量と相反する水平変位量成分をはじめ、法面のはらみ出しを抑止するに十分な水平変位量のことを意味しており、可及的に変位量の大きな地盤領域に配置されるのが好ましく、最大変位量を有する地盤領域に配置されるのが特に好ましい。
この地盤変位の特定方法として、その一つは盛土直下の地盤と該盛土を所定の縮小スケールにてモデル化した模型を作成し、所定の地震力でこの模型を加振した際のモデル地盤の側方変位量を箇所ごとに求める方法がある。また、他の方法として、電算機内で盛土およびその下方の軟弱地盤をモデル化し(たとえば2次元、3次元のFEM解析用のメッシュモデル)、電算機内でこのモデルに所定の入力地震動を載荷した際の地盤内の変位分布や変位ベクトル、変位コンタなどを作成する方法がある。
いずれの方法によるにせよ、対象となる盛土に対して対象となる軟弱地盤内の地震時等の変位量を求め、この変位量のうちの水平変位量成分が対応する法面のはらみ出し量と相反する方向の変位量を有する領域に抵抗体を配置するものである。なお、抵抗体の配置位置が液状化時もしくは地盤沈下時において水平変位が最大となる位置である場合に、最も大きな法面のはらみ出し抑制効果を期待できることは既述の通りである。
また、本発明による盛土の補強方法の他の実施の形態は、液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土を補強する方法であって、モデル実験もしくは数値解析により、盛土下方の前記軟弱地盤内における位置ごとの水平変位量を予め算定しておく第1のステップと、対向する第1の法面および第2の法面の双方に第1の抑え部材および第2の抑え部材を設置し、第2の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第1の抵抗体を設置するとともに該軟弱地盤内に第1の地下壁を設置し、第1の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第2の抵抗体を設置するとともに該軟弱地盤内に第2の地下壁を設置し、第1の引張部材が第1の地下壁を貫通した姿勢で第1の抵抗体と第1の抑え部材を繋ぎ、第2の引張部材が第2の地下壁を貫通した姿勢で第2の抵抗体と第2の抑え部材を繋ぐ、第2のステップと、からなるものである。
本実施の形態は、地下壁を施工する場合の補強方法に関するものであり、既述の補強方法と同様に、軟弱地盤内における位置ごとの水平変位量を予め算定し、これに基づいて抵抗体を配置することは同様である。なお、本実施の形態では、この水平変位量に基づいて鋼矢板等の地下壁の設置位置を決定することになる。
なお、前記引張部材と前記抵抗体が、先端に定着体を有するグラウンドアンカーからなる場合には、抵抗体の設置と引張部材の設置が同時におこなわれることになる。
さらに、本発明による盛土の補強方法のさらに他の実施の形態は、モデル実験もしくは数値解析により、盛土下方の前記軟弱地盤内における位置ごとの水平変位量を予め算定しておく第1のステップと、対向する第1の法面および第2の法面の双方に第1の抑え部材および第2の抑え部材を設置し、第2の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第1の地下壁を設置し、第1の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第2の地下壁を設置し、第1の引張部材で第1の地下壁と第1の抑え部材を繋ぎ、第2の引張部材で第2の地下壁と第2の抑え部材を繋ぐ、第2のステップと、からなるものである。
本実施の形態は、抵抗体を地盤内に配置することなく、引張部材と対応する地下壁とを直接接続するものである。地下壁と引張部材との接続に際しては、地下壁側方を掘削して作業床を設け、地下壁の所定部位に貫通孔を設け、地盤内で推進等してこの貫通孔に到達した引張部材を貫通孔に通し、双方を溶接接合したり定着金具等を介して接続し、作業床用掘削領域を埋め戻す方法などがある。
以上の説明から理解できるように、本発明の盛土の補強構造と補強方法および線状盛土によれば、比較的安価な工費にて、盛土(鉄道や道路など)を供用させた状態で、多少の盛土天端の沈下は許容しながらも、その供用停止にまでは至らない耐震補強や沈下対策補強等を実施することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の補強構造の一実施の形態の断面図であり、図2は液状化時の軟弱地盤内の水平変位コンタ図の一実施の形態である。図3a,bは図1の補強構造で、抵抗体の配置位置が異なる実施の形態を示した図である。図4は盛土法面がはらみ出そうとした際に抑え部材に作用する力と、抵抗体が変位した際に引張部材に作用する力を説明した図であり、図5,6は本発明の補強構造の他の実施の形態の断面図である。図7は遠心力載荷模型実験によって確認された実施例モデルと比較例モデルの変形状況を示したグラフであり、図8は抵抗体の設置箇所を特定するための、2次元FEM液状化流動解析による一解析モデルの解析結果であって、図8aは変位分布図を、図8bは変位ベクトル図を、図8cは水平変位コンタ図をそれぞれ示したものである。図9,10は他の解析モデルの場合の水平変位コンタ図である。図11は過剰間隙水圧比の変化を調べるための遠心力載荷模型実験で使用した実施例の盛土モデル図であり、図12は遠心力載荷模型実験における過剰間隙水圧比の時系列変化を示したグラフであって、図12aは比較例の結果であり、図12bは本発明の実施例の結果である。
図1は、補強盛土の一実施の形態を断面図として示したものである。この補強盛土10は、硬質地盤G2上に堆積する液状化の可能性の高い砂質地盤G1上に造成された既設または新設の盛土Bが補強されたものであり、具体的には、対向する法面の法尻にそのはらみ出しを抑制するための抑え部材1,1’が設けられ、これに法尻直下の砂質地盤G1内に設置された抵抗体3,3’が、引張部材2,2’にてそれぞれ繋がれた補強構造を呈している。また、この補強盛土はその延長が長スパンに亘る線状盛土であり、鉄道や道路などのインフラ施設として供されるものである。
ここで、抑え部材1,1’は、鋼板やコンクリートブロック、鋼繊維や炭素繊維等を含んだシート材、土嚢などのうちのいずれか一種、もしくはこれらのうちの複数の組合せを使用でき、少なくとも法面が地震時にはらみ出そうとした際に、作用するはらみ出し力に抗し得る強度を具備するものである。
また、引張部材2,2’は、タイロッド、PC鋼棒、PC鋼線、高張力棒鋼などのうちのいずれか一種を使用でき、法面がはらみ出そうとした際に抑え部材1,1’を介して伝達される張力に耐え得る引張体力を具備するものである。
さらに、抵抗体3,3’は、支圧板、コンクリートの柱状ブロックなど、少なくとも引張部材よりもその断面が大きく、引張部材から伝達される引張力に対して地盤内に留まろうとして抗する形状、強度を具備するものである。
また、引張部材と定着体のユニットとして、テンドンとシース等で構成される引張部材と、セメント系のグラウトからなる抵抗体と、を具備するグラウンドアンカーを適用することもできる。
図1に示すように、各抑え部材1,1’に対応する抵抗体3,3’は、それぞれ対向する法尻直下の砂質地盤G1内に設置され、したがって、双方が図示するように交差態様で補強部材が形成されている。
この抵抗体3,3’の設置位置は、砂質地盤G1が液状化した際に、それぞれの水平変位が大きくなる、好ましくは最も大きくなる領域に設置される。具体的には、図2の液状化時の砂質地盤の各部位の水平変位をコンタで示した図において、最大変位領域C1に抵抗体が設置されるのが好ましい。しかし、施工状況や境界条件をはじめとする様々な要因を勘案して、この最大変位領域C1よりも変位が小さな変位領域C2,またはより変位の小さな変位領域C3に抵抗体が設置される場合もあり得る。たとえば、図3aで示すように、天端直下の軟弱地盤内に抵抗体3,3’を配置する形態であってもよいし、図3で示すように、法面直下に抵抗体3,3’を配置する形態であってもよい。
図1に戻り、たとえば抵抗体3の設置領域の目安として、盛土中心線CLを挟んで対応する抑え部材1と反対側の領域であって、水平方向には盛土幅の半分(幅B)の3倍の領域(幅3B)までの範囲であり、深さ方向には盛土の高さHの3倍の領域(3H)までが設置領域の目安となる(図中のA1,A2,A3,A4で囲まれた領域)。
尤も、上記領域は、地盤条件や入力地震動、盛土の寸法や形状、盛土上部の上載荷重の程度などによって変化するものである。したがって、抵抗体の設置に際しては、予め、モデル実験を実施したり、数値解析を実施することによって液状化時の地盤内変位を特定し、地盤内の水平変位が大きな領域、好ましくは水平変位が最大となる領域に抵抗体を設置する施工方法が望ましい。
図4は、盛土法面がはらみ出そうとした際に抑え部材に作用する力と、抵抗体が変位した際に引張部材に作用する力を説明した図である。この補強盛土10は、法面のはらみ出し等による破壊に至ることを防止し、多少の沈下を許容するものである。ここで、下部地盤の液状化により、盛土Bが若干量δ沈下した場合には、法面上の抑え部材1,1’にはらみ出そうとする力Pが作用する。その一方で、液状化によって地盤には水平変位が生じ、図2のコンタ図で示したように特に法尻直下にてそれが顕著となる。ここで、抑え部材1と引張部材2で繋がれている抵抗体3は、地盤の水平変位に追随して外周の土とともに側方へ変位することにより、引張部材2には張力Qが作用する。
この法面がはらみ出そうとする方向とこれを抑えようとする抑え部材に繋がれた抵抗体の変位方向が相反する方向であることにより、双方の力が相殺されて盛土のはらみ出しが効果的に抑止される。なお、他方の抑え部材1’とこれが引張部材2’を介して繋がれた抵抗体3’の関係も同様である。
図5は、補強盛土の他の実施の形態を示したものである。この補強盛土10Aは、さらに貫通孔を具備する鋼矢板等からなる地下壁4,4’を具備するものであり、この貫通孔に引張部材2,2’が貫通し、その先端に抵抗体3,3’が装着されている。
また、図6は、補強盛土のさらに他の実施の形態を示したものである。この補強盛土10Bは、抵抗体を有さず、抑え部材1,1’と対応する地下壁4,4’とが引張部材2,2’にて直接繋げられた構造を呈するものである。
[実証実験1とその結果]
本発明者等は、図1に示す形態の補強盛土の補強効果について、遠心力載荷模型実験を実施し、その効果を確認した。ここで、実験模型の図示は省略するが、実施例として図1に示す形態の補強盛土モデルを地盤モデル上に作成し、比較例として同形状および寸法の盛土モデルを同様の地盤モデル上に作成した。この各モデルに対し、遠心加速度が30g、正弦波40波、最大で400Gal相当の地震波を地盤モデル下方から入力し、双方の盛土モデルの変形の状況や盛土天端の損傷の有無を確認した。なお、図7は、加振前の状況と、実施例モデル、比較例モデルの変形の程度に関する計測結果をグラフで示したものである。
実験の結果、盛土天端における損傷に関しては、実施例モデルでは亀裂等の損傷は全く確認されなかった。一方、比較例モデルでは天端に複数の亀裂が確認された。
また、図7の変形状況結果を見ると、実施例モデルによる盛土高さ130mm(実物換算で3.9mに相当)に対して天端で10mm程度(実物換算で0.3m程度に相当)のわずかな沈下が確認されたものの、盛土法面のはらみ出し量はほとんどなく、これらの結果から天端が無損傷であったものと結論付けることができた。これに対して、比較例モデルでは、同じく盛土高さ130mm(実物換算で3.9mに相当)に対して天端で50mm程度(実物換算で1.5m程度に相当)も沈下し、さらには法面のはらみ出しも顕著で天端の平坦性も著しく損なわれており、このことは液状化によって盛土の供用を停止せざるを得ない結果となることを示すものであった。この実施例モデルと比較例モデルの実験結果より、本発明の補強構造により、極めて大きな補強効果を期待することができると結論づけるものである。
[抵抗体の設置箇所を特定するための2次元FEM解析とその結果]
本発明者等は、さらに補強盛土を施工するに際し、抵抗体を設置する地盤内位置を、盛土の高さや天端幅等を相違させて解析をおこない、特定した。ここで、解析は2次元FEM液状化流動解析:ALIDによるものであり、入力加速度振幅を400Gal相当とし、地盤強度Rを変化させておこなった。なお、液状化安全率:F=R/Lであり、Rは繰り返し三軸強度比(液状化強度に相当)であり、Lは地震時せん断応力比(入力加速度振幅に相当)である。
図8は、解析モデルとして、盛土高が3.6m、天端幅が3m、法面勾配が1:1.5でR=3.1の場合の解析結果であり、図8aは変位分布を、図8bは変位ベクトルを、図8cは水平変位コンタを示した図である。
たとえば上記寸法および形状の盛土に対し、図8cの解析結果で特定された変位領域において、より大きな変位領域に抵抗体を配置するように施工計画が作成される。
また、図9は、盛土高が6.0m、天端幅が10.8m、法面勾配が1:1.5の鉄道盛土の場合でR=3.1の場合の解析結果であり、図10は、盛土高が8.0m、天端幅が25.0m、法面勾配が1:1.8の高速道路盛土の場合でR=3.1の場合の解析結果である。なお、本発明者等は、各盛土モデルにおいて、Rを種々変化させたケースの解析も同様に実施し、対応するコンタを得ているが、その図示は省略する。
上記のごとく、予め解析等にて液状化時の地盤内水平変位を求めておき、施工条件をはじめとする種々の条件を勘案して抵抗体の設置位置を計画した後に、図1にて示すような補強盛土を施工する。
本発明の盛土の補強構造と、これを具備する線状盛土によれば、液状化時の地盤の水平変位を法面の抑えに積極的に利用するという技術思想により、全線に亘り、対策が必要な箇所に対して必要十分(たとえば多少の沈下は許容する等)な盛土の耐震補強を実現することができ、可及的に安価な工費で線状構造物としての機能向上を実現することが可能となる。
[実証実験2とその結果]
本発明者等は、遠心力載荷模型実験において、軟弱地盤内に配置した抵抗体の周辺および抵抗体と盛土底面とで囲まれた領域において、地震時に発生する過剰間隙水圧の発生が抑制される効果も確認している。本実験は、図11で示す実施例モデル(法面上に設置された抑え部材と豊浦砂で作られた液状化地盤内に設置された抵抗体を引張部材で接続してなる盛土モデル)を示しており、地盤内の各箇所には加速度計と過剰間隙水圧計を配置し、図中のMP点でその過剰間隙水圧の時系列的変化を検証した。なお、比較例モデルとして、抑え部材等による補強のない従来の盛土モデルを作成し、同様の地盤モデル条件で同様の遠心力載荷実験をおこない、その過剰間隙水圧の時系列的変化を検証した。
実験の結果を図12に示しており、具体的には、比較例モデルの実験結果を図12aに、実施例モデルの実験結果を図12bに示している。図12aより、比較例モデルで最大過剰間隙水圧比(当該箇所の初期有効上載圧に対する過剰間隙水圧の比)が最大で約0.8付近まで上昇しているのに対し、図12bから、実施例モデルではその値が約0.4と半減しており、同様の状況がその他の遠心載荷模型実験においても確認された。
抵抗体を配することにより他の一般部地盤よりも拘束された状況となっており、地震によるせん断に対し正のダイレイタンシー(せん断に伴う体積膨張)を示すために過剰間隙水圧の発生が抑制されたことが考えられる。ちなみに、通常の地盤の液状化は地震によって地盤が負のダイレイタンシー特性(せん断に伴う体積収縮)を示すために過剰間隙水圧が上昇することが知られている。この実験結果より、軟弱地盤内に配した抵抗体による周辺地盤への拘束効果によって、他領域の軟弱地盤よりも過剰間隙水圧が発生し難い環境が形成され、過剰間隙水圧の上昇が抑えられて液状化による地盤の剛性低下が小さくなり、結果として抵抗体の抵抗力が増すものと結論付けることができる。
また、この実験結果より、必ずしも解析等にて地盤内の水平変位を求めておかなくても、一方の法面の抑え部材に対応する抵抗体を盛土の中心線から反対側の法面側の軟弱地盤内に設置して本発明の補強構造を形成することで、本発明の盛土の補強方法の効果を奏することができる。
また、この抵抗体付近の地盤が液状化しにくい状況であるか否かは、盛土の対策工の設計を行う上で非常に重要となり、たとえば、液状化しないことが期待されるのであれば、非常に大きな抵抗力を設計に見込むことができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の補強構造の一実施の形態の断面図である。 液状化時の軟弱地盤内の水平変位コンタ図の一実施の形態である。 図1の補強構造で、抵抗体の配置位置が異なる実施の形態を示した図である。 盛土法面がはらみ出そうとした際に抑え部材に作用する力と、抵抗体が変位した際に引張部材に作用する力を説明した図である。 本発明の補強構造の他の実施の形態の断面図である。 本発明の補強構造のさらに他の実施の形態の斜視図である。 遠心力載荷模型実験によって確認された実施例モデルと比較例モデルの変形状況を示したグラフである。 2次元FEM液状化流動解析によって地盤内の変位を求めた一解析モデルの解析結果であり、(a)は変位分布図を、(b)は変位ベクトル図を、(c)は水平変位コンタ図をそれぞれ示したものである。 他の解析モデルの場合の水平変位コンタ図である。 さらに他の解析モデルの場合の水平変位コンタ図である。 過剰間隙水圧比の変化を調べるための遠心力載荷模型実験で使用した実施例の盛土モデル図である。 遠心力載荷模型実験における過剰間隙水圧比の時系列変化を示したグラフであって、(a)は比較例の結果であり、(b)は本発明の実施例の結果である。 (a)〜(d)は、盛土の破壊形態を示した模式図である。
符号の説明
1,1’…抑え部材、2,2’…引張部材、3,3’…抵抗体、4、4’…地下壁、10、10A,10B…補強盛土、B…盛土、G1…砂質地盤(液状化地盤)、G2…硬質地盤

Claims (10)

  1. 液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土の補強構造であって、
    前記対向する第1の法面および第2の法面の双方に設置された第1の抑え部材および第2の抑え部材と、
    前記第2の法面側の下方の前記軟弱地盤内に設置されて、該軟弱地盤の変位に追随して変位する第1の抵抗体と、該第1の抵抗体と前記第1の抑え部材を繋ぐ第1の引張部材と、
    前記第1の法面側の下方の前記軟弱地盤内に設置されて、該軟弱地盤の変位に追随して変位する第2の抵抗体と、該第2の抵抗体と前記第2の抑え部材を繋ぐ第2の引張部材と、
    を具備することを特徴とする、盛土の補強構造。
  2. 前記盛土の補強構造は、前記第2の法面側の下方の前記軟弱地盤内に根入れされた第1の地下壁と、前記第1の法面側の下方の前記軟弱地盤内に根入れされた第2の地下壁と、をさらに具備しており、
    第1の地下壁は第1の抑え部材と第1の抵抗体の間に介在し、第1の引張部材が該第1の地下壁を貫通して設置されるものであり、
    第2の地下壁は第2の抑え部材と第2の抵抗体の間に介在し、第2の引張部材が該第2の地下壁を貫通して設置されるものである、請求項1に記載の盛土の補強構造。
  3. 前記抵抗体が前記軟弱地盤内に設置される位置が、液状化時もしくは地盤沈下時において水平変位が最大または略最大となる位置であることを特徴とする、請求項1または2に記載の盛土の補強構造。
  4. 前記引張部材と前記抵抗体が、先端に定着体を有するグラウンドアンカーからなり、該定着体が前記軟弱地盤内に設置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の盛土の補強構造。
  5. 液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土の補強構造であって、
    前記対向する第1の法面および第2の法面の双方に設置された第1の抑え部材および第2の抑え部材と、
    前記第2の法面側の下方の前記軟弱地盤内に根入れされた第1の地下壁と、該第1の地下壁と前記第1の抑え部材を繋ぐ第1の引張部材と、
    前記第1の法面側の下方の前記軟弱地盤内に根入れされた第2の地下壁と、該第2の地下壁と前記第2の抑え部材を繋ぐ第2の引張部材と、
    を具備することを特徴とする、盛土の補強構造。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の盛土の補強構造を具備し、その延長が長スパンに及ぶ、線状盛土。
  7. 液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土を補強する方法であって、
    モデル実験もしくは数値解析により、盛土下方の前記軟弱地盤内における位置ごとの水平変位量を予め算定しておく第1のステップと、
    対向する第1の法面および第2の法面の双方に第1の抑え部材および第2の抑え部材を設置し、第2の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第1の抵抗体を設置し、第1の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第2の抵抗体を設置し、第1の抵抗体と第1の抑え部材を第1の引張部材で繋ぐとともに、第2の抵抗体と第2の抑え部材を第2の引張部材で繋ぐ、第2のステップと、からなる、盛土の補強方法。
  8. 液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土を補強する方法であって、
    モデル実験もしくは数値解析により、盛土下方の前記軟弱地盤内における位置ごとの水平変位量を予め算定しておく第1のステップと、
    対向する第1の法面および第2の法面の双方に第1の抑え部材および第2の抑え部材を設置し、第2の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第1の抵抗体を設置するとともに該軟弱地盤内に第1の地下壁を設置し、第1の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第2の抵抗体を設置するとともに該軟弱地盤内に第2の地下壁を設置し、第1の引張部材が第1の地下壁を貫通した姿勢で第1の抵抗体と第1の抑え部材を繋ぎ、第2の引張部材が第2の地下壁を貫通した姿勢で第2の抵抗体と第2の抑え部材を繋ぐ、第2のステップと、からなる、盛土の補強方法。
  9. 前記引張部材と前記抵抗体が、先端に定着体を有するグラウンドアンカーからなる場合に、前記抵抗体の設置と前記引張部材の設置が同時におこなわれる、請求項7または8に記載の盛土の補強方法。
  10. 液状化もしくは沈下の可能性のある軟弱地盤の上に造成され、対向する法面を有する盛土を補強する方法であって、
    モデル実験もしくは数値解析により、盛土下方の前記軟弱地盤内における位置ごとの水平変位量を予め算定しておく第1のステップと、
    対向する第1の法面および第2の法面の双方に第1の抑え部材および第2の抑え部材を設置し、第2の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第1の地下壁を設置し、第1の法面側の下方の前記軟弱地盤において所定の水平変位量を有する位置に第2の地下壁を設置し、第1の引張部材で第1の地下壁と第1の抑え部材を繋ぎ、第2の引張部材で第2の地下壁と第2の抑え部材を繋ぐ、第2のステップと、からなる、盛土の補強方法。
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