JP7230312B2 - 基礎構造及び基礎構築方法 - Google Patents

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本発明は、基礎構造及び基礎構築方法に関する。
下記特許文献1には、基礎梁の下部に柱下杭を設けた杭基礎構造が示されている。
特開2016-199861号公報
上記特許文献1の杭基礎構造では、地震時に杭が地盤に対してせん断抵抗力を発揮するが、地震力が大きくなると杭がせん断破壊する可能性がある。
本発明は上記事実を考慮して、地盤に対する基礎のせん断抵抗力を高めることを目的とする。
請求項1の基礎構造は、地盤上に設けられたコンクリート床版と、前記コンクリート床版の上方へ突出する基礎梁と、前記基礎梁に固定された支持杭と、前記基礎梁の一部に形成され、前記コンクリート床版の下方へ突出して前記地盤へ根入れされた根入れ部と、を有し、前記根入れ部には、あばら筋と、前記基礎梁の中央部から下端部までの範囲において、互いに隣り合う前記あばら筋の間に、前記あばら筋に沿って平行に設けられ、土圧による曲げ変形に対して抵抗する曲げ補強筋と、が設けられている。
請求項1の基礎構造によると、基礎梁は、コンクリート床版の下方へ突出し地盤に根入れされた根入れ部を備えている。このため地震時に基礎梁が地盤に対して動こうとすると、根入れ部が地盤から土のせん断抵抗力を受ける。このため、基礎梁に根入れ部がない構成と比較して、基礎の地盤に対するせん断抵抗力を高めることができる。これにより基礎梁が地盤に対して水平変位し難くなる。
一態様の基礎構造は、前記根入れ部には、あばら筋と、前記基礎梁の中央部から下端部までの範囲において、互いに隣り合う前記あばら筋の間に、前記あばら筋に沿って平行に設けられ、土圧による曲げ変形に対して抵抗する曲げ補強筋と、が設けられている。
一態様の基礎構造によると、根入れ部に、土圧による曲げ変形に対して抵抗する曲げ補強筋が設けられている。このため根入れ部は、土圧に対して曲げ破壊し難い。
一態様の基礎構造は、前記支持杭は前記基礎梁と一体化されたフーチングに固定されると共に長さが異なる複数の前記支持杭を備え、長さが長い前記支持杭が設置された部分の基礎梁に下端面の高さが一定とされた前記根入れ部が形成され、前記フーチングの下端面の高さは、前記根入れ部の下端面の高さより低い。
請求項2の基礎構築方法は、支持杭を構築する工程と、地盤を掘削して掘削溝を形成する工程と、前記掘削溝へ鉄筋を配筋する工程と、前記掘削溝及び前記掘削溝を形成した地盤面にコンクリートを打設して、コンクリート床版及び前記コンクリート床版の下方へ突出した根入れ部を形成する工程と、前記掘削溝の上方及び前記掘削溝が形成されていない前記コンクリート床版の上方へコンクリートを打設して、前記コンクリート床版の上方へ突出し、かつ、一部が前記地盤に根入れされた基礎梁を形成する工程と、を有し、前記鉄筋として、あばら筋と、前記基礎梁の中央部から下端部までの範囲において、互いに隣り合う前記あばら筋の間に、前記あばら筋に沿って平行に設けられ、土圧による曲げ変形に対して抵抗する曲げ補強筋と、が設けられている
請求項2の基礎梁構築方法によると、地盤に根入れされた基礎梁が構築される。このため地震時に基礎梁が地盤に対して動こうとすると、根入部が地盤から土のせん断抵抗力を受ける。このため、基礎梁が地盤に根入れされていない構成と比較して、基礎の地盤に対するせん断抵抗力を高めることができる。これにより基礎梁が地盤に対して水平変位し難くなる。
本発明に係る基礎構造及び基礎構築方法によると、地盤に対する基礎のせん断抵抗力を高めることができる。
本発明の実施形態に係る基礎構造が適用された建物を示す立断面図である。 本発明の実施形態に係る基礎構造が適用された基礎梁を示す基礎伏図である。 本発明の実施形態に係る基礎構造を示す立断面図である。 (A)は本発明の実施形態に係る基礎構築方法において表層地盤を掘削した状態を示しており、(B)は梁型枠を構築した状態を示しており、(C)は掘削溝と梁型枠の間に埋め戻し材を埋め戻した状態を示している。 (A)は本発明の実施形態に係る基礎構築方法において基礎梁の梁鉄筋を配設した状態を示しており、(B)は耐圧版、基礎梁及びスラブのコンクリートを打設した状態を示している。 本発明の実施形態に係る基礎構造が適用された建物が、支持地盤の深さが略一定である敷地に建てられた変形例を示す立断面図である。
(建物)
本発明の実施形態に係る基礎構造が適用される建物10は、図1に示すように、表層地盤G1の下方に、傾斜した支持地盤G2が形成された敷地に立つ構造物である。建物10は、支持地盤G2が浅い位置(図1におけるX方向右側)では、基礎梁12が支持地盤G2に直接載置されて支持された直接基礎形式とされている。
また、支持地盤G2が深い位置(図1におけるX方向左側。換言すると、基礎梁12と支持地盤G2とが上下方向に離間している位置)では、基礎梁12の下端部から支持杭20を支持地盤G2へ延設して支持された杭基礎形式とされている。なお、以下の説明においては、基礎梁12及び支持杭20を含んで構成される基礎構造全体を「基礎」と称す。
(支持杭)
支持杭20は、場所打ちコンクリート杭とされている。支持杭20を図1におけるX方向左側から順に支持杭20A、20B、20C、20D、20E、20F、20Gとすると、これらの長さは、それぞれ設置されている位置における基礎梁12から支持地盤G2までの距離に対応しており、支持杭20A>20B>20C>20D>20E>20F>20Gである。
支持杭20(支持杭20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G)の杭頭部は、基礎梁12と一体化されたフーチング14に固定されている。また、それぞれの支持杭20の杭頭部には、柱40の下端部が埋設されている。柱40はコンクリート充填角型鋼管(CFT)で形成された、建物10の本設柱である。なお、柱40はコンクリートを充填しない角型鋼管やH型鋼で形成したり(所謂鉄骨造)、H型鋼をコンクリートで被覆した鉄骨鉄筋コンクリート造とすることもできる。
なお、図1において支持杭20A、20B、20C、20D、20E、20F、20Gはそれぞれ1本ずつ示されているが、以下の説明において支持杭20A、20B、20C、20D、20E、20F、20Gとは、図2に示す支持杭20のうち、同一の軸線(Y方向に沿う軸線)上にある支持杭を総称するものとする。
(基礎梁)
図2に示すように、基礎梁12は、Y方向に沿って延設されX方向に間隔を空けて配置された基礎梁12Xと、X方向に沿って延設されY方向に間隔を空けて配置された基礎梁12Yと、を備えている。
基礎梁12Xは、図2におけるX方向左側から順に、基礎梁12X1、12X2、12X3…12X10、12X11とする。また、基礎梁12Yは、図2におけるY方向上側から順に、基礎梁12Y1、12Y2、12Y3…12Y6、12Y7とする。
図1に示すように、基礎梁12X1、12X3、12X5は、他の基礎梁12X(基礎梁12X2、12X4、12X6、12X7…12X10、12X11)と比較して、梁せいが大きい。より具体的には、基礎梁12X1、12X3、12X5は、上端面の高さ位置が他の基礎梁12Xと同一で、下端面の高さ位置が他の基礎梁12Xより低い。
互いに隣接する基礎梁12X間には、耐圧版16と、スラブ18と、が架け渡されている。耐圧版16は、基礎梁12X1、12X3、12X5以外の基礎梁12X(基礎梁12X2、12X4、12X6、12X7…12X10、12X11)と、下面の高さを揃えて配置されている。これにより、基礎梁12X1、12X3、12X5の下端部は、耐圧版16の下方へ突出して、表層地盤G1へ根入れされている。以下の説明においては、この根入れ部分を、根入れ部12XE(図3参照)と称す。
また、スラブ18は、基礎梁12X(基礎梁12X1、12X2…12X10、12X11)と、上面の高さを揃えて配置されている。なお、耐圧版16とスラブ18の間の空間は、建物10の地下ピットPとして利用されている。
図2には、建物10の基礎伏図であるが、ここには表層地盤G1へ根入れされた根入れ部12XEを備えた基礎梁12X1、12X3、12X5が網掛けして表示されている。
同様に、X方向に沿って延設された基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7において、基礎梁12X1、12X5に挟まれた部分も網掛けして表示されている。すなわち、基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7において、基礎梁12X1、12X5に挟まれた部分も、基礎梁12X1、12X3、12X5と同様に、表層地盤G1へ根入れされた部分を備えている。以下の説明においては、この根入れ部分を、根入れ部12YEと称す。
このため、図2に一点鎖線で囲んで示したように、建物10の底部には、根入れ部12XE、12YEで囲まれた平面視で略四角形の領域Vが形成される。領域Vは四方を根入れ部12XE、12YEで囲まれ、格子状に配置される。また、この領域Vにはそれぞれ表層地盤G1を形成する土砂が充填されている。
図3には、根入れ部12XEを備えた基礎梁12X5の断面が示されている。基礎梁12X5には、基礎梁12X5の上端部から下端部(根入れ部12XEの下端部)までの範囲において、梁主筋32を取り囲むあばら筋34が巻きつけられている。さらに、基礎梁12X5の中央部から下端部までの範囲において、あばら筋34の間に、曲げ補強筋36が配置されている。以下の説明においては、梁主筋32、あばら筋34、曲げ補強筋36を総称して梁鉄筋30と称す。
なお、図3においては基礎梁12X5の構成を明確にするため、フーチング14の図示は省略されているが、図1に示すように、根入れ部12XEを備えた基礎梁12X1、12X3、12X5が接合されるフーチング14は、下端面の高さ位置が基礎梁12X1、12X3、12X5の下端面より低い位置とされている。
基礎梁12X1、12X3も基礎梁12X5と同様の構成とされており、根入れ部12YEを備えた基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7も、基礎梁12X5と同様の構成とされている。
(基礎構築方法)
根入れ部12XEを備えた基礎梁12X1、12X3、12X5、根入れ部12YEを備えた基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7の構築方法について説明する。なお、これらの基礎梁12X、12Yの構築方法は同様であるが、ここでは一例として基礎梁12X5について説明するものとする。
まず図4(A)に示すように、表層地盤G1を掘削して、掘削溝50を形成する。掘削溝50は、基礎梁12X5(不図示)の延設方向に沿って形成され、溝底52は略水平に地均しされ、溝壁である法面54は溝底52に対して傾斜して形成される。
次に図4(B)に示すように、溝底52に砕石及び捨てコンクリート56を敷設後、梁型枠58を構築する。梁型枠58は亜鉛めっき鋼板で形成され、法面54と離間した位置に、略鉛直方向に沿って立設される。
次に図4(C)に示すように、梁型枠58と法面54との間に、埋め戻し材60を埋め戻す。埋め戻し材60は、掘削溝50を形成する際に掘り出した土砂(表層地盤G1を形成する土砂)にセメントを混合した改良土であり、掘削前の表層地盤G1と比較してせん断強度が高められている。
次に図5(A)に示すように、埋め戻し材60の上部及び表層地盤G1の上部に砕石及び捨てコンクリート62を敷設後、梁型枠58の内側及び梁型枠58の内側から上方へ突出する部分に、梁鉄筋30を配設する。また、耐圧版16のスラブ主筋(不図示)を配設する。
次に図5(B)に示すように、根入れ部12XEを形成するコンクリートと耐圧版16を形成するコンクリートとを一体的に打設する(点線P1で示される部分まで)。また、耐圧版16の上部へ梁型枠64を構築し、基礎梁12X5を形成するコンクリートを打設する(点線P2で示される部分まで)。さらに、スラブ型枠66を構築し、スラブ18を形成するコンクリートを打設する。
以上の工程により、耐圧版16の上方及び下方に突出した基礎梁12X5が構築される。この基礎梁12X5においては、耐圧版16の下方に突出した部分は、表層地盤G1に根入れされて根入れ部12XEを形成している。また、耐圧版16の上方に突出した部分には、スラブ18が接合されている。なお図3においては、捨てコンクリート56、62、梁型枠58の図示は省略されている。
(作用・効果)
本実施形態の基礎構造においては、基礎梁12X1、12X3、12X5が、耐圧版16の下方へ突出し表層地盤G1に根入れされた根入れ部12XEを備えている。また、基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7が、耐圧版16の下方へ突出し表層地盤G1に根入れされた根入れ部12YEを備えている。
このため地震時に図2に示すX方向の力が作用した際、基礎梁12X1、12X3、12X5が地盤に対して動こうとすると、根入れ部12XEが表層地盤G1から土のせん断抵抗力を受ける。また、Y方向の力が作用した際、基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7が地盤に対して動こうとすると、根入れ部12YEが表層地盤G1から土のせん断抵抗力を受ける。
これに対して、基礎梁に根入れ部がない場合、この基礎梁は表層地盤G1から土のせん断抵抗を得ることができない。このため、基礎梁12X、12Yは、根入れ部12XE、12YEがない基礎梁と比較して、基礎の地盤に対するせん断抵抗力を高めることができる。
また、本実施形態の基礎構造においては、根入れ部12XE、12YEが表層地盤G1を四方から取り囲むように配置されている。このため、地震時にどの方向から力が作用しても、何れかの基礎梁12が表層地盤G1から土のせん断抵抗力を受ける。これにより、根入れ部12XE、12YEが表層地盤G1を四方から取り囲まない場合(例えば三方から取り囲む場合、二方向から接する場合等)と比較して、基礎の地盤に対するせん断抵抗力を高めることができる。
また、本実施形態の基礎構造では、図3に示すように、根入れ部12XE、12YEは基礎梁12X、12Yの一部であり、根入れ部12XE、12YEの内部には、基礎梁12X、12Yのあばら筋34の他、あばら筋34の間に配置された曲げ補強筋36が設けられている。
このため、根入れ部12XE、12YEには、土圧による曲げモーメントが加わるが、これらのあばら筋34及び曲げ補強筋36が根入れ部12XE、12YEの曲げ変形を抑制する。このため根入れ部12XE、12YEは、土圧に対して曲げ破壊し難い。
また、本実施形態の基礎構造では、基礎梁12X5の上端部にスラブ18が接合されている。このため、根入れ部12XEに土圧が作用して基礎梁12X5の上端部に回転モーメントが作用しても、基礎梁12X5は、スラブ18から受ける反力により変形が抑制される。基礎梁12X1、12X3についても同様であり、根入れ部12YEを備えた基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7についても同様である。
また、本実施形態の基礎構築方法より形成される基礎梁12X5においては、梁型枠58が亜鉛めっき鋼板とされているため、木製の型枠と比較して腐食しにくい。このため基礎梁12X5の根入れ部12XEと埋め戻し材60との間に隙間が生じにくく、地震時に基礎梁12X5が表層地盤G1に対して動いた際、表層地盤G1はせん断抵抗力を即座に発揮することができる。基礎梁12X1、12X3についても同様であり、根入れ部12YEを備えた基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7についても同様である。
なお、本実施形態に係る建物10は、図1に示すように、表層地盤G1の下方に、傾斜した支持地盤G2が形成された敷地に立つ構造物である。そして建物10は、図1におけるX方向右側では直接基礎で支持され、X方向左側では杭基礎で支持されている。また、支持杭20は、X方向左側に向かう程長い。このため、建物10の基礎はせん断剛性の偏りが大きく、建物10の右側に寄るほどせん断剛性が高い。
本実施形態に係る建物10では、支持杭20F、20Gと比較して長さが長い支持杭20A、20C、20Eが設置された部分、すなわち他の部分と比較して基礎のせん断剛性が低い部分の基礎梁12に、根入れ部12XE、12YEを設けている。これにより、基礎のせん断剛性が平準化されている。このため、支持杭20がせん断破壊し難い。
これに対して、根入れ部12XE、12YEを設けない場合、地震時には、他の支持杭と比較して長さが短い支持杭20F、20Gに、せん断力が集中しせん断破壊しやすい。
なお、本実施形態の基礎梁12X5においては、あばら筋34の間に曲げ補強筋36が設けられているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば曲げ補強筋36に代えて、根入れ部12XEを持たない基礎梁12X2、12X4等よりあばら筋34のピッチを細かくして曲げ補強してもよい。
または、あばら筋34の本数を変えず、径を太くしてもよい。このような構成によっても、根入れ部12XEが土圧に対して曲げ破壊し難くすることができる。基礎梁12X1、12X3についても同様であり、根入れ部12YEを備えた基礎梁12Y1、12Y3、12Y5、12Y7についても同様である。
なお、根入れ部12XE、12YEの根入れ深さが大きくない場合(例えば1m未満の場合)、根入れ部12XE、12YEの底部が受ける最大土圧は小さくなる。このような場合、曲げ補強筋は必ずしも設けなくてもよい。
また、本実施形態においては、基礎梁12X5の上端部にスラブ18が接合されているが、本発明の実施形態はこれに限らず、スラブ18は基礎梁12X5の中央部に設けてもよいし、あるいは設けなくてもよい。スラブ18を設けなくても、基礎梁12X5にはX方向に延設された基礎梁12Yが接合されているため、根入れ部12XEに土圧が作用した際に、基礎梁12X5の回転抑制効果を得ることができる。
なお、本実施形態において、梁型枠58として亜鉛めっき鋼板を用いているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えばステンレス板や樹脂板、プレキャストコンクリート板等を用いても、木製の型枠より腐食しにくいため、表層地盤G1はせん断抵抗力を発揮しやすい。
また、本実施形態においては梁型枠58と掘削溝50の法面54との間の埋め戻し材60として、表層地盤G1を形成する土砂にセメントを混合した改良土を用いたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば表層地盤G1を形成する土砂に生石灰を混和した改良土や、固化材を混和した改良土等を用いてもよい。すなわち、埋め戻し材60の周囲にある、表層地盤G1を形成する土砂よりせん断強度が低くなければよい。
さらに、梁型枠58及び埋め戻し材60を省略することもできる。この場合、図4(A)に示された掘削溝50を形成した後、図5(A)に示された梁鉄筋30を配設し、さらにこの掘削溝50及び表層地盤G1の上部へ、図5(B)にP1で示された位置までコンクリートを打設する。その後、梁型枠64を組付けコンクリートを打設して基礎梁を形成する。このようにすることでも、表層地盤G1に根入れされた根入れ部を備えた基礎梁を形成することができる。
また、本実施形態に係る基礎構造は、互いに長さの異なる複数の支持杭(支持杭20A、20B…20G)を備えた建物10において、他の支持杭より長い支持杭20A、20C、20Eが設置された部分の基礎梁12X1、12X3、12X5、12Y1、12Y3、12Y5、12Y7に適用したが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば基礎のせん断抵抗力を高くしたい場合は、どのような場所に適用してもよい。
例えば、基礎梁12X2、12X4、基礎梁12Y2、12Y4、12Y6において基礎梁12X1及び基礎梁12X5に挟まれた部分に根入れ部12XE、12YEを適用すれば、上記実施形態よりせん断抵抗力を高くすることができる。
あるいは、基礎梁12X1、12X5、基礎梁12Y1、12Y7において基礎梁12X1及び基礎梁12X5に挟まれた部分のみに根入れ部12XE、12YEを適用すれば、根入れ部12XE、12YEを全く備えない構成よりせん断抵抗力は高くなるが、上記実施形態よりせん断抵抗力を低くすることができる。このように、本実施形態に係る基礎構造を適用する基礎梁は、求められるせん断抵抗力に応じて、適宜選択することができる。
また、本実施形態に係る基礎構造が適用される建物は、表層地盤G1の下方に傾斜した支持地盤G2が形成された敷地に建つ建物としたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図6に示す建物70のように、支持地盤G2の深さが略一定である敷地に建つ建物としてもよい。このような建物70の任意の基礎梁12についても、表層地盤G1に対するせん断抵抗力を高めることができる。
具体的には、例えば建物70の重心位置と剛心位置が異なる場合、剛心から離れた位置の基礎梁12に本実施形態に係る基礎構造を適用することで、剛心位置を重心位置に近づけて建物70の捩れ変形を抑制することができる。
またさらに、本発明の実施形態に係る基礎構造は、根入れ部12XE又は12YEを有する基礎梁12を備えていれば、支持杭20は備えていなくてもよい。すなわち、支持地盤上に直接支持されている建物において適用できる。この場合、根入れ部12XE又は12YEは比較的硬質な支持地盤からせん断抵抗を受けるので、基礎のせん断抵抗力向上効果を得やすい。
16 耐圧版(コンクリート床版)
12X1、12X3、12X5 基礎梁
12Y1、12Y3、12Y5、12Y7 基礎梁
12XE、12YE 根入れ部
36 曲げ補強筋
50 掘削溝
54 溝壁
58 梁型枠
60 埋め戻し材
G1 表層地盤(地盤)

Claims (2)

  1. 地盤上に設けられたコンクリート床版と、
    前記コンクリート床版の上方へ突出する基礎梁と、
    前記基礎梁に固定された支持杭と、
    前記基礎梁の一部に形成され、前記コンクリート床版の下方へ突出して前記地盤へ根入れされた根入れ部と、
    を有し、
    前記根入れ部には、
    あばら筋と、
    前記基礎梁の中央部から下端部までの範囲において、互いに隣り合う前記あばら筋の間に、前記あばら筋に沿って平行に設けられ、土圧による曲げ変形に対して抵抗する曲げ補強筋と、
    が設けられている、基礎構造
  2. 支持杭を構築する工程と、
    地盤を掘削して掘削溝を形成する工程と、
    前記掘削溝へ鉄筋を配筋する工程と、
    前記掘削溝及び前記掘削溝を形成した地盤面にコンクリートを打設して、コンクリート床版及び前記コンクリート床版の下方へ突出した根入れ部を形成する工程と、
    前記掘削溝の上方及び前記掘削溝が形成されていない前記コンクリート床版の上方へコンクリートを打設して、前記コンクリート床版の上方へ突出し、かつ、一部が前記地盤に根入れされた基礎梁を形成する工程と、
    を有し、
    前記鉄筋として、あばら筋と、
    前記基礎梁の中央部から下端部までの範囲において、互いに隣り合う前記あばら筋の間に、前記あばら筋に沿って平行に設けられ、土圧による曲げ変形に対して抵抗する曲げ補強筋と、が設けられている基礎構築方法。
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