JP4915037B2 - 山留壁の変形量の抑制方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、山留壁に囲まれた地盤の掘削によって生じる山留壁の変形量の抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に地下掘削工事を行う場合には、図7(a)に示すように掘削領域1の周囲に予めコンクリート等により山留壁3を構築して、この山留壁3によって土砂崩れを防止しつつ、図7(b)のようにその内側の掘削領域1を掘削する。しかしながら、掘削深さが深い場合や地盤が軟弱な場合には、図7(b)のように、地下掘削に伴って生じる山留壁3の掘削側への水平変形が過大となり、掘削領域1の周辺地盤5に地盤沈下を誘起して、近接する地上構造物7や共同溝のような地中構造物を傾けたり、道路面を沈下させる虞がある。
【0003】
このため、山留壁3の水平変形量を低減して許容範囲内に収めるべく、以下の対策がとられている。
▲1▼ 山留壁3の剛性や強度を向上する。
▲2▼ 薬剤を注入して地盤1を改質する地盤改良工法により地盤強度や剛性を改善する。
▲3▼ 仮設杭を設けて近接構造物7と連結させて工事中仮受けを行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼の方法は、山留壁3の壁厚を厚くしたり鉄筋や鉄骨等の芯材量を増やして補強するため、材料費が高くなるとともに鉄筋の配筋も複雑となって工期も長期化し、結果施工費用が著しく高くなる。
また、上記▲2▼の方法は、掘削領域1の全てに亘って前記薬剤を注入するため、薬剤量が膨大になって施工費用が著しく高くなる。
更に軟弱地盤では、上記▲1▼や▲2▼の方法で変形量の抑制効果が不十分となる場合が多い。
また、上記▲3▼の方法は、仮設杭を、近隣敷地5内に打設しなければならない場合があり、近隣敷地5の所有者の了解が得られない等、条件によっては施工できない虞がある。
【0005】
本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、地盤掘削後の山留壁の水平変形を確実に小さく抑えることができる安価な山留壁の変形量の抑制方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、山留壁に囲まれた地盤の掘削に先だって、掘削可能な鉛直の柱状貫入物を山留壁近傍の地盤に打設しておくことにより、地盤の掘削後に掘削側へ向けて生じる山留壁の水平変形の一部に相当する水平変形を、逆方向に予め与えておく山留壁の変形量の抑制方法であって、予め原位置土を排土してから前記柱状貫入物を打設する排土工法と、先行削孔を行わずに前記柱状貫入物を打設して、前記排土工法よりもより大きな水平変形を前記山留壁に付与する非排土工法とのいずれかの工法を、打設位置近傍の前記山留壁に予め与えておく前記逆方向への水平変形に応じて選択し且つ組み合わせて前記柱状貫入物を打設することにより、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする。
【0007】
上記発明によれば、地盤の掘削に先だって、柱状貫入物を、山留壁に囲まれた地盤に打設する。すると、その打設時に、前記柱状貫入物の体積分、原位置土の側方移動が生じ、この側方移動が近傍の山留壁に伝搬されて当該山留壁は掘削側の逆側たる背面側へ水平変形する。そして、この打設後に前記地盤を掘削すると、前記山留壁は掘削側へ倒れるが、すなわち掘削側へ水平変形するが、前述したように予め山留壁は背面側へ水平変形しているので、前記掘削側への水平変形は、前記予め与えられた背面側への水平変形と相殺されて、もって山留壁の掘削側への最終的な水平変形量を小さく抑えることができる。
また、前記柱状貫入物は、前記山留壁近傍の地盤に優先的に打設されるので、山留壁に大きな水平変形を効率良く付与することができて、もって、打設する柱状貫入物を少なくすることができる。
更には、前記原位置土の側方移動は、柱状貫入物が貫入された深さまでに亘って発生するので、山留壁を、柱状貫入物の貫入深さに亘って水平変形させることができて、山留壁の最終的な水平変形量を小さく抑えることができる。
また、前記柱状貫入物の打設によって山留壁に予め与える水平変形を、掘削後に掘削側へ向けて生じる山留壁の水平変形の相当量に制限している。このため、前記柱状貫入物の打設によって山留壁を背面側へ著しく大きく水平変形させることに起因した、当該山留壁外周の近隣地盤の浮上を防止できる。
また、予め原位置土を排土してから柱状貫入物を打設する排土工法と、先行削孔を行わずに柱状貫入物を打設して排土工法よりもより大きな水平変形を山留壁に付与する非排土工法とのいずれかの工法を、打設位置近傍の山留壁に予め与えておく逆方向への水平変形に応じて選択し且つ組み合わせて柱状貫入物を打設することにより、柱状貫入物が山留壁に予め与える背面側への水平変形を調整することができる。例えば、これら2工法を平面的に組み合わせて使用し、排土工法の適用範囲を広げると、その適用範囲近傍の山留壁の水平変形を小さくできる一方、非排土工法の適用範囲を広げると水平変形を大きくできる。
【0008】
請求項2に示す発明は、前記柱状貫入物を、掘削深さよりも深く打設しておくことを特徴とする。
柱状貫入物を、掘削深さよりも深く打設しておけば、掘削後も、その底部地盤には柱状貫入物の根部が残存し、当該根部による地盤改良にて底部地盤の受働抵抗も強化され、もって山留壁の掘削側への水平変形を更に小さくすることができる。
【0009】
請求項3に示す発明は、前記請求項1又は2に記載の山留壁の変形量の抑制方法であって、前記柱状貫入物が、膨潤性を有する生石灰パイルであることを特徴とする。
上記発明によれば、前記柱状貫入物に生石灰パイルを用いているので、当該打設後に生石灰が周辺地盤の間隙水を吸水して膨張し、この膨張体積と前記周辺地盤の収縮体積との体積差分、周辺土の側方移動が生じる。よって、前記打設時の原位置土の側方移動に加えて、前記周辺土の側方移動が発生するので、単位柱状貫入物当たりの、山留壁に与える背面側への水平変形を大きくすることができる。
【0010】
請求項4に示す発明は、前記請求項1乃至3のいずれかに記載の山留壁の変形量の抑制方法であって、前記山留壁に沿って前記柱状貫入物を所期の打設ピッチで打設して、山留壁に沿う柱状貫入物列を形成するとともに、前記打設ピッチを調整することによって、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする。
【0011】
上記発明によれば、山留壁に沿って複数の前記柱状貫入物を所期の打設ピッチで打設する。そして、基本的に、複数の柱状貫入物を打設した場合に山留壁の所定位置に付与される背面側への水平変形は、各柱状貫入物が前記所定位置近傍の地盤に与える各側方移動の重ね合わせによって、つまり各側方移動の累計によって決まる。よって、柱状貫入物の打設ピッチを小さくすれば、前記所定位置の地盤の側方移動に寄与する柱状貫入物が多くなって、前記各側方移動の累計も大きくなるので、山留壁に予め与えられる前記水平変形は大きくなる。逆に打設ピッチを大きくすると前記水平変形は小さくなる。したがって、打設ピッチを調整することで、山留壁に予め与える背面側への前記水平変形を調整することができる。
【0012】
請求項5に示す発明は、前記請求項4に記載の山留壁の変形量の抑制方法であって、前記柱状貫入物列と山留壁との間の距離を調整することによって、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする。
【0013】
基本的に、前記柱状貫入物は山留壁に近い程、当該山留壁に大きな側方移動を伝達できて、山留壁を背面側へ大きく水平変形させることができる。よって、前記柱状貫入物列と山留壁との間の距離を調整することによって、山留壁に予め与える背面側への前記水平変形を調整することができる。
【0014】
請求項6に示す発明は、前記請求項4又は5に記載の山留壁の変形量の抑制方法であって、前記柱状貫入物列の山留壁からの列数を調整することによって、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする。
【0015】
前記請求項4で述べたのと同様に、複数の柱状貫入物を打設した場合に山留壁の所定位置に付与される背面側への水平変形は、各柱状貫入物が前記所定位置近傍の地盤に与える各側方移動の重ね合わせによって、つまり各側方移動の累計によって決まる。よって、山留壁からの前記柱状貫入物列の列数を増やせば、前記所定位置の地盤の側方移動に寄与する柱状貫入物が多くなるので、山留壁に予め与えられる前記水平変形は大きくなる。逆に列数を減らせば前記水平変形は小さくなる。したがって、山留壁からの列数を調整することによって、前記山留壁に予め与える前記水平変形を調整することができる。
【0016】
請求項7に示す発明は、前記請求項1乃至6のいずれかに記載の山留壁の変形量の抑制方法であって、前記柱状貫入物の打設長さを調整することによって、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする。
【0017】
基本的に打設される柱状貫入物の体積に比例して原位置土の側方移動が生じ、この側方移動が山留壁に伝搬されて、当該山留壁は掘削側の逆側たる背面側へ水平変形する。よって、柱状貫入物の打設長さを長くすれば、打設される柱状貫入物の体積が大きくなるので、前記原位置土の側方移動も大きくなる結果、山留壁に予め与える前記水平変形は大きくなる。逆に短くすると前記水平変形は小さくなる。したがって、打設長さを調整することで、山留壁に予め与える背面側への前記水平変形を調整することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を適用する地下掘削工事敷地の平面図であり、図2は図1中のII−II線矢視の断面図であって、本実施形態に係る山留壁の変形量の抑制方法の実施手順を示す。
【0022】
本実施形態の山留壁の変形量の抑制方法は、図1に示すように、既存構造物7に近接した地盤の地下掘削工事に適用される。この地下掘削工事は、先ず掘削に先だって、図1および図2(a)に示すように、当該掘削領域1の周囲を覆うように山留壁3を構築する。この山留壁3としては、ほぼ壁厚に掘られた掘削溝にH型鋼等の芯材を所定間隔をもって配するものや、同掘削溝に鉄筋を配しコンクリートを打設して構築するものがある。そして、この山留壁3が完成すると、通常は、その内側の前記掘削領域1を掘削する。しかしながら、掘削深さが深い場合や地盤が軟弱な場合には、図7(b)に示すように、掘削に伴う山留壁3の水平変形が過大となり、掘削領域の周辺地盤に変状をもたらし、結果的に前記既存構造物7が傾く等の不具合を生じる。
【0023】
本実施形態の山留壁の変形量の抑制方法は、これに対処すべく、掘削後の山留壁3の変形量を小さく抑制して、近接する既存構造物7への影響を無くすことができる。
【0024】
図1および図2に示すように、本実施形態の山留壁の変形量の抑制方法がその基本とするところは、掘削領域1を囲む前記山留壁3を完成した後、当該掘削領域1の掘削に先だって、該掘削領域1に掘削可能な鉛直の柱状貫入物9を打設しておくことにより、前記掘削領域1の掘削後に掘削側へ向けて生じる山留壁3の水平変形量の一部に相当する水平変形を、場合によっては前記山留壁3の水平変形量に相当する水平変形を、図2(b)に示すように逆方向に予め山留壁3に与えておくことである。そして、図2(c)に示すように、掘削時に生じる前記掘削側への山留壁3の水平変形が、前記予め背面側へ与えておいた水平変形に相殺されて、掘削後の山留壁3の最終的な水平変形を小さく抑えることができるようになっている。
【0025】
本実施形態にあっては、図1に示すように、山留壁3の周囲四面の内の一面にのみに隣接する既存構造物7の地盤沈下を抑制することが目的であるため、この面の山留壁3に選択的に沿わせて、適宜間隔に複数の柱状貫入物9を打設している。また、前記山留壁3に沿って二列だけ柱状貫入物9を打設しているが、その二列の柱状貫入物9は、当該山留壁3の近傍に優先的に打設されているため、二列でも十分大きな水平変形を前記山留壁3に付与することができる。
【0026】
このような柱状貫入物9としては、膨潤性を有する生石灰パイルが特に好適である。この生石灰パイルは直径0.4mで打設長が5〜23mの円柱体であり、その打設方法としては非排土工法と排土工法とがある。前者の非排土工法は、山留壁3に大きな水平変形を与えることができ、後者は前者よりも小さな水平変形を与えることができる。
【0027】
非排土工法による生石灰パイルの打設手順を図3に示すが、当該生石灰パイルの打設は、クレーン11などに鉛直に吊下されて所期の打設位置に配される生石灰パイル打設装置13によってなされる。
【0028】
この生石灰パイル打設装置13は、図中▲1▼の如く、先端外周に螺旋刃15が形成されて鉛直軸周りに回転しつつ地中に貫入するケーシングパイプ17と、このケーシングパイプ17を回転駆動するターンテーブル19と、前記ケーシングパイプ17に連通して生石灰を一時貯蔵するサイドホッパー21とを備える。そして、図中▲2▼に示すように、ケーシングパイプ17を前記軸周りに回転させながら地盤1に回転貫入させて、先端が所期深度に達したら、図中▲3▼に示すように、前記サイドホッパー21上部に生石灰缶23を接続し、当該サイドホッパー21を介してケーシングパイプ17内に生石灰9aを投入する。次いで、図中▲4▼に示すように、加圧機25にてケーシングパイプ17内を加圧して生石灰9aをケーシングパイプ17先端の先端シュー17aから押し出し易くしたら、図中▲4▼、▲5▼に示すように、ケーシングパイプ17を逆回転させて地盤1から引き抜きつつその先端の先端シュー17aを開口して、引き抜いた孔9bに生石灰9aを充填していく。そして、図中▲6▼の如く、孔9bと生石灰9aとからなる生石灰パイル9が完成する。
【0029】
この非排土工法によれば、図3の▲3▼に示すように、先ずケーシングパイプ17を地盤1に貫入した際に、そのケーシングパイプ17の体積分、原位置土が側方へ移動して、図2(b)に示すように、前記山留壁3は背面側へ水平変形する。また、図3の▲6▼に示すように、ケーシングパイプ17を引き抜いた孔9bに充填された生石灰9aが、その後、周辺地盤の間隙水と反応して膨張し、この膨張体積と前記周辺地盤の収縮体積との体積差分、周辺土の側方移動が生じる。よって、前記ケーシングパイプ17貫入時の原位置土の側方移動に加えて、前記周辺土の側方移動が発生し、もって図2(b)に示すように、山留壁3に、背面側への大きな水平変形を与えることができる。
【0030】
一方、排土工法は、図4に示すように、前記生石灰パイル打設装置13に加えて削孔用のアースオーガー27を用いて施工する。つまり、ケーシングパイプ17を地盤1に入れる前に、予めアースオーガー27によってケーシングパイプ17と概ね同径の削孔(不図示)を形成して原位置土を排土しておく。そして、この削孔に前記ケーシングパイプ17を挿入して、その先端が所定深度まで到達したら、前記非排土工法と同じように先端シュー17aを開口して当該削孔に生石灰を充填しつつケーシングパイプ17を上方へ引き抜いて、もって生石灰パイルを打設する。よって、この排土工法によれば、排土によって前記原位置土の側方移動がない分だけ、前記山留壁3に与える背面側への水平変形が小さくなる。 尚、これら2工法のいずれを選択するかは、この打設位置近傍の山留壁3に予め与える背面側への水平変形に応じて決定される。
【0031】
このような生石灰パイルの打設を繰り返して、図1および図2(b)に示すように生石灰パイル9を山留壁3に沿って2列打設した後、掘削領域1を掘削する。この掘削時には、掘削側の土圧が無くなるため、図2(c)に示すように前記山留壁3は掘削側へ水平変形して倒れ込むが、前述の如く、予め山留壁3にはその背面側への水平変形を付与しているので、これによって前記掘削側への水平変形が相殺されて、図2(c)の如く掘削後における山留壁3の最終的な水平変形を小さく抑えることができる。尚、同図のように生石灰パイル9を掘削深さよりも深く打設しておけば、掘削後も、その底部地盤1aには生石灰パイル9の根部9cが残存し、当該根部9cによる地盤改良にて底部地盤1aの受働抵抗も強化され、もって山留壁3の掘削側への水平変形を更に小さくすることができる。
【0032】
この生石灰パイルの打設による、前記山留壁に予め与える背面側への前記水平変形量の調整方法(調整パラメータ)としては以下が挙げられる。
【0033】
▲1▼ 山留壁に沿って列状に打設された生石灰パイルの打設ピッチの調整
図5(a)に山留壁および生石灰パイルを打設した地盤の平面図を示す。基本的に、山留壁3の所定位置3jに付与される水平変形は、生石灰パイル9iの打設による前記所定位置3j近傍の地盤の水平変位yiの内の、山留壁3と直交する成分yi・cosθiによって決まる。そして、図示の如く、山留壁3に沿って複数の生石灰パイル9を所期の打設ピッチで打設して生石灰パイル列を形成した場合には、前記地盤の水平変位の直交成分は、各生石灰パイル9の打設による前記水平変位の直交成分yi・cosθiの累計Y(=Σyi・cosθi)となる。
よって、打設ピッチが小さければ、前記山留壁3の所定位置3jの地盤は、多くの生石灰パイル9から水平変位yi・cosθiを与えられ、その所定位置3j近傍の地盤の、山留壁3と直交する水平変位Yは大きくなる結果、山留壁3の所定位置3jの水平変形は大きくなる。逆に打設ピッチが大きければ、前記所定位置の水平変形は小さくなる。よって、打設ピッチの調整によって山留壁の水平変形量を調整可能である。
【0034】
▲2▼ 生石灰パイル列と山留壁との間の距離の調整
基本的に、生石灰パイルは山留壁に近接している程、当該山留壁に大きな側方移動を直接的に伝達できて、山留壁を背面側へ大きく水平変形させることができる。よって、前記生石灰パイル列と山留壁との間の距離を調整することによって、山留壁に予め与える背面側への前記水平変形を調整することができる。
【0035】
▲3▼ 山留壁からの生石灰パイル列の列数の調整
前述のように、山留壁3の所定位置3jの水平変形は、各生石灰パイルが、前記所定位置近傍3jの地盤に与える水平変位の直交成分の累計Y(=Σyi・cosθi)で決まるため、図5(b)に示すように前記生石灰パイル列の列数が多い方が、前記所定位置3j近傍の地盤は、多くの生石灰パイルから水平変位yiを与えられて前記所定位置3jの山留壁3の水平変形は大きくなる。逆に前記列数が少なければ、前記所定位置3jの水平変形は小さくなる。よって、生石灰パイル列の列数の調整によって山留壁の水平変形量を調整可能である。
【0036】
▲4▼ 生石灰パイルの打設長さの調整
基本的には、打設される生石灰パイル体積に比例して原位置土の側方移動が生じ、この側方移動が近傍の山留壁に伝搬されて当該山留壁は掘削側の逆側たる背面側へ水平変形する。よって、生石灰パイルの打設長さを長くすると、山留壁に予め与える前記水平変形は大きくなり、逆に短くすると、前記水平変形を小さくなる。したがって、打設長さを調整することで、山留壁に予め与える背面側への前記水平変形を調整することができる。
【0037】
また、この生石灰パイルの打設深さ等を調整することにより、前記水平変形の深さ方向分布を調整することができる。例えば、図6に示すように、山留壁3の深さ方向の中間部3aに大きな水平変形を付与したい場合には、生石灰パイル9の打設深さを山留壁3の2/3程度に浅くするとともに、上部1/3の孔10は生石灰パイル9を打設せずにそのまま埋め戻す。このようにすれば、山留壁3の下部3bには水平変形は全く付与されず、また山留壁3の上部3cには、原位置土の側方移動に起因した小さい水平変形しか付与されないところ、同山留壁3の中間部3aには、前記側方移動による水平変形に加えて更に生石灰パイル9の吸水膨張に起因した側方移動による水平変形が付与されるため、当該中間部3aにのみ大きな水平変形を付与することができる。
このような調整は、浅層および深層は硬質地盤で、中間層に軟弱地盤があるような地盤に適用される。尚、同図中の破線は、生石灰パイル9打設前の山留壁3の状態を示している。
【0038】
▲5▼ 生石灰パイルを打設する打設方法(非排土工法若しくは排土工法)の選択非排土工法は、排土工法よりも前記原位置土分、側方移動が大きくなり、その分大きな水平変形を山留壁に付与することができる。よって、非排土工法または排土工法のいずれを選択するかによって、生石灰パイルが山留壁に予め与える背面側への前記水平変形を調整することができる。そして、前記排土工法と非排土工法とを、打設位置に応じて使い分けることによって、前記水平変形を微調整することができる。例えば、これら2工法を平面的に組み合わせて使用し、排土工法の適用範囲を広げると、その適用範囲近傍の山留壁の前記水平変形を小さくできる一方、非排土工法の適用範囲を広げると前記水平変形を大きくできる。
【0039】
以上、本実施形態の山留壁の変形量の抑制方法について説明してきたが、前記山留壁の最終的な水平変形を許容範囲内に確実に収めるためには、掘削時に想定される山留壁の水平変形に合わせて、これの一部に相当する量の逆方向の水平変形を、場合によってはこれに相当する逆方向の水平変形を山留壁に確実に与えておく必要がある。このためには、図7(b)に示すような、掘削時に生じる掘削側への土留壁3の水平変形量を予測するとともに、図3(a)に示すような、生石灰パイル9打設時に背面側へ生じる土留壁3の水平変形量を予測する必要がある。
【0040】
前者の水平変形量の予測は、掘削後の土留壁外周地盤の土圧による山留壁の撓み計算によって容易に求めることができる。また、後者の水平変形量の予測は、後記する「生石灰パイル工法による山留壁の背面側への所期変位の予測方法」に基づいて、前記水平変形量を調整するパラメータである打設ピッチ、山留壁と生石灰パイルとの距離、および打設長さ等の条件を反映させて求めることができる。
したがって、これら予測計算に基づいて前記水平変形の調整方法を用いて、山留壁に予め与える前記水平変形を調整すれば、前記山留壁の最終的な水平変形を許容範囲内に確実に収めることができる。
【0041】
ここで、前記「生石灰パイルによる山留壁の背面側への水平変形量の予測方法」を説明する。尚、ここでは、山留壁の水平変形量の予測例として極限られた条件での予測結果のみを示すが、基本的に同じようにすれば、他の様々な条件における山留壁の背面側への水平変形量たる初期変形量を予測することができる。
【0042】
(1)生石灰パイル施工による周辺土の側方移動量の算定
以下で生石灰パイルを1カ所施工した場合の、周辺土の側方移動量V0の算定方法を記述する。V0が得られれば、図1に示すモデルでこの生石灰パイルから任意の位置の地盤変位量yを求めることができる。
【0043】
1)ケーシングの地盤への強制貫入による原位置土の側方移動
生石灰パイル工法の標準工法である非排土工法では、アースオーガー等による先行削孔を行わずケーシングを原位置土に圧入するため、このケーシングの体積分、原位置土を周囲に押し出すことになる。
この側方移動量V1は、生石灰パイルの直径をR0とした場合、下式(1,1)で表される。
【0044】
2)生石灰が周辺地盤の間隙水と反応して膨張することによる周辺土の側方移動地中に挿入された生石灰パイルは周辺地盤の間隙水を吸水、膨張し、消石灰となる。また、周辺地盤はこの吸水された水量の体積分だけ体積収縮すると考えられる。この生石灰の膨張による体積増分V2,吸水による周辺地盤の体積変動分をV3とし、以下の手順で算出する。
【0045】
生石灰パイルの充填密度をρ t/m3、間隙率をα、飽和度をβ、消石灰の比重を2.2 t/m3とする。また、生石灰は吸水反応する時に重量の約27%の水を吸水するとする。
【0046】
3)生石灰膨張による圧密での周辺地盤の体積減少
周辺地盤の水は生石灰が膨張する時に吸水されるが、引き続いて消石灰の間隙に吸水される。
周辺地盤の水と反応し膨張した消石灰の間隙への毛管吸着水量
【0047】
4)生石灰パイル施工による周辺土の側方移動量の算定
標準工法である非排土工法を採用し、かつ地上まで生石灰を充填した場合、側方移動量は上記1)から3)の算定方法より以下のようにまとめることができる。
【0048】
5)計算例
具体的に生石灰材料のなかでも比較的良く使用され、(4)の実測例の現場でも使用した改良材(商品名C-100)を用いた場合の計算を例として示す。
【0049】
(2)山留壁と任意の位置関係(距離・角度)にある生石灰パイル施工による、山留壁位置での地盤変形量の算定
1)基本的な考え方と計算方法
標準工法である非排土工法を採用し、かつ地上まで生石灰を充填した場合の基本的な考え方と計算方法を下記に示す。
生石灰パイル施工にともない、図2のように平面距離rの地盤が、yだけ変位するものとするとき、地盤を押し出す体積膨張量V0と変位量yとの関係は下記の式で表される。
山留壁位置での地盤の変位量yは、図3に示すように、各生石灰パイル施工による山留壁位置の水平変位yiの山留壁と直交する成分の累計となる。
【0050】
2)排土工法の場合
山留壁の近傍等で山留壁に与える初期変形量が過大にならなうように生石灰パイル施工に先立ち、アースオーガー等で原位置土を排土する工法がしばしば採用されており、排土工法と呼ばれている。この工法の場合、(1)1)で与えたケーシングの地盤への貫入による側方移動V1が0になる。
非排土工法の場合と同様に排土工法についてVを算出すると以下のようになる。
具体的に生石灰にC-100を用いた場合を計算すると、以下のようになる。
この場合、周辺地盤を側方移動させる指標はV/V1=0.3/1.26=0.24となる。
【0051】
3)浅層地盤が比較的良い地盤で、この部分に生石灰を充填しない場合
浅層部分が比較的良い地盤の場合地盤の改良の必要がないため、浅層部分には生石灰を充填しない場合がある。この場合の工法は、以下の2ケースに分類される。
CASE1:排土工法で全長削孔し、深層部分のみに生石灰をせこうする場合CASE2:浅層部分のみをアースオーガーでゆるめる程度に先行削孔し、深層部分に非排土工法で生石灰を施工する場合。この工法はケーシングの貫入を容易にすることを目的にしばしば採用される。
【0052】
図5に浅層部分に生石灰を充填しない場合の生石灰パイル施工にともなう地盤変位モデルを示す。ここでLaは生石灰を充填しないパイル長、Lbは生石灰を施工するパイル長を示す。浅層部分に生石灰が充填されない場合は表層部分での山留め変位は小さいため、図5に示すように変位yは台形分布になると仮定する。この場合のV0とyとの関係式は以下のようになる。
【0053】
(3)山留め変形量の算定
(2)で山留め近傍で得られた地盤変形量を荷重に変換して山留め変形応力解析を行うことにより、地盤常数の違い・山留壁の仕様(長さ・剛性・硬質層への値入れの有無等)を反映した山留壁の初期変形量の算定を行うことができる。
【0054】
1)基本的な考え方と計算方法
地盤の水平方向地盤反力係数をEs、(2)で計算された山留壁位置での地盤の水平変位をyとした場合、生石灰パイル施工により山留壁に加わる荷重Pは以下のように算出することができる。
P=Es×y
山留め変形応力解析において、上記の荷重を背面側方向に側圧として与えることより、生石灰パイル施工にともなう山留壁の変形量を求めることができる。
【0055】
2)解析手法の特徴
上記の解析手法により下記の要因を反映した初期山留め変形量を算定することができる。
・ 生石灰パイルの打設ピッチや長さ
・ 生石灰パイルの平面的な施工範囲(掘削範囲全面を施工する場合と山留壁近傍のみを施工する場合など)
・ 生石灰パイルの施工方法(非排土工法や排土工法など)
・ 土質の分布や土質常数
・ 山留壁の仕様(長さ・剛性・硬質層への根入れの有無など)
【0056】
(4)計算例と実測結果の比較
以下に計算例と算定した山留壁の初期変形量と現場における実測結果の比較の例を示す。
1)検討条件
▲1▼生石灰パイルの施工長さ
生石灰を充填しないパイル長La=5m
生石灰を充填するパイル長 Lb=7.35m
L1=La+Lb=12.35m
L2=4.15m
▲2▼生石灰パイルの工法
・ 山留壁に近接した2列:(2)の3)のCASE1
排土工法で全長削孔し、深層部分のみに生石灰を施工する。
【0057】
・ 山留壁近傍の2列以外:(2)の3)のCASE2
浅層部分のみをアースオーガーでゆるめる程度に先行削孔し、深層部分には非排土工法で生石灰を施工する。
【0058】
【0059】
▲3▼地盤常数と生石灰パイルが及ぼす荷重分布
【0060】
2)計算例
上記検討条件より、各打設工法における生石灰パイル1本による周辺土の側方移動量は以下のようにもとめられる。
が成立し、生石灰パイルから距離rの位置での地盤変形量yが算定できる。
【0061】
山留壁の背面側への初期変形量は、各生石灰パイルが及ぼす変位の累計であるため、山留壁位置での地盤の水平変位をy=Σyiよりもとめることができる。
以上の検討より、y=34.0(mm)となる。
これを用いると生石灰パイル施工により山留壁に作用する荷重は以下のように算出される。
【0062】
以下に解析結果例を示す。
【0063】
3)算定した山留壁の初期変形量と現場における実測結果との比較
本願出願人が施工を行った物件での初期変形量の解析結果と実測結果を下記に示す。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
(a)本実施形態においては、柱状貫入物として生石灰パイルを用いたが、掘削可能で、地盤貫入時等に山留壁に水平変形を付与できるものであればこれに限るものではなく、例えば、前記柱状貫入物としてサンドコンパクションパイルを用いることもできる。このサンドコンパクションパイルは横断面円形状のよく占め固めた砂杭であり、これを地中に貫入した際には、前記生石灰パイルと同様に、原位置土の側方移動が生じて、山留壁に背面側への水平変形を付与することができる。このサンドコンパクションパイルの施工は、バイブロハンマーでケーシングパイプを地盤に貫入し、ケーシングパイプ内に砂を投入し、ケーシングパイプ先端を開口してからケーシングパイプを引き抜いて、引き抜いた孔に砂を充填してなされる。
【0065】
(b)本実施形態においては、山留壁3の周囲四面の内、一面の山留壁3にのみ、これに沿わせて柱状貫入物9を打設したが、打設配置はこれに限るものではなく、必要に応じて適宜配置される。例えば、前記周囲四面の全ての山留壁3に沿わせて平面視ロ字状に打設しても良いし、対向する二面のみの山留壁3に沿わせて平面視ニ字状に打設しても良い。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に示す発明によれば、山留壁の掘削側への最終的な水平変形量を小さく抑えることができるので、山留壁外周の近隣地盤の地盤沈下を効果的に防止することができる。
また、打設する柱状貫入物を少なくすることができて、その施工費用を廉価にできるとともに工期の短縮化も図れる。
更には、前記柱状貫入物の打設によって山留壁を背面側へ著しく大きく水平変形させることに起因した、当該山留壁外周の近隣地盤の浮上も防止できる。
また、予め原位置土を排土してから柱状貫入物を打設する排土工法と、先行削孔を行わずに柱状貫入物を打設して排土工法よりもより大きな水平変形を山留壁に付与する非排土工法とのいずれかの工法を、打設位置近傍の山留壁に予め与えておく逆方向への水平変形に応じて選択し且つ組み合わせて柱状貫入物を打設することにより、柱状貫入物が山留壁に予め与える背面側への水平変形を調整することができる。例えば、これら2工法を平面的に組み合わせて使用し、排土工法の適用範囲を広げると、その適用範囲近傍の山留壁の水平変形を小さくできる一方、非排土工法の適用範囲を広げると水平変形を大きくできる。
【0067】
請求項2に示す発明によれば、柱状貫入物を、掘削深さよりも深く打設しておけば、掘削後も、その底部地盤には柱状貫入物の根部が残存し、当該根部による地盤改良にて底部地盤の受働抵抗も強化され、もって山留壁の掘削側への水平変形を更に小さくすることができる。
請求項3に示す発明によれば、生石灰パイルを使用した場合、単位柱状貫入物当たりの山留壁に与える背面側への水平変形を大きくすることができるので、柱状貫入物の打設数を減らせて、その施工費用を廉価にできるとともに工期の短縮化も図れる。
【0068】
請求項4に示す発明によれば、打設ピッチを調整することで、山留壁に予め与える背面側への前記水平変形を調整することができるので、地盤掘削後における山留壁の最終的な水平変形を確実に許容範囲内に収めることができる。
【0069】
請求項5に示す発明によれば、柱状貫入物列と山留壁との間の距離を調整することによって、山留壁に予め与える背面側への前記水平変形を調整することができるので、地盤掘削後における山留壁の最終的な水平変形を確実に許容範囲内に収めることができる。
【0070】
請求項6に示す発明によれば、山留壁からの列数を調整することによって、前記山留壁に予め与える前記水平変形を調整することができるので、地盤掘削後における山留壁の最終的な水平変形量を確実に許容範囲内に収めることができる。
【0071】
請求項7に示す発明によれば、柱状貫入物の打設長さを調整することによって、前記山留壁に予め与える前記水平変形を調整することができるので、地盤掘削後における山留壁の最終的な水平変形量を確実に許容範囲内に収めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用される地下掘削工事敷地の平面図である。
【図2】図1中のII−II線矢視の断面図であって、本実施形態に係る山留壁の変形量の抑制方法の実施手順を示す。
【図3】非排土工法による生石灰パイルの打設手順を示す側面図である。
【図4】排土工法に用いる生石灰パイル打設装置およびアースオーガーを示す側面図である。
【図5】山留壁および生石灰パイルを打設した地盤の平面図である。
【図6】山留壁および生石灰パイルを打設した地盤の側断面図である。
【図7】従来の、山留壁を用いた地下掘削工事を示す概念図であって、掘削領域の掘削時に生じる山留壁の掘削側への水平変形の様子を示す。
【符号の説明】
1 掘削領域、地盤
2 切梁
3 山留壁
7 既存構造物
9 柱状貫入物、生石灰パイル
Claims (7)
- 山留壁に囲まれた地盤の掘削に先だって、掘削可能な鉛直の柱状貫入物を山留壁近傍の地盤に打設しておくことにより、地盤の掘削後に掘削側へ向けて生じる山留壁の水平変形の一部に相当する水平変形を、逆方向に予め与えておく山留壁の変形量の抑制方法であって、
予め原位置土を排土してから前記柱状貫入物を打設する排土工法と、先行削孔を行わずに前記柱状貫入物を打設して、前記排土工法よりもより大きな水平変形を前記山留壁に付与する非排土工法とのいずれかの工法を、打設位置近傍の前記山留壁に予め与えておく前記逆方向への水平変形に応じて選択し且つ組み合わせて前記柱状貫入物を打設することにより、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする山留壁の変形量の抑制方法。 - 前記柱状貫入物を、掘削深さよりも深く打設しておくことを特徴とする請求項1に記載の山留壁の変形量の抑制方法。
- 前記柱状貫入物が、膨潤性を有する生石灰パイルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の山留壁の変形量の抑制方法。
- 前記山留壁に沿って前記柱状貫入物を所期の打設ピッチで打設して、山留壁に沿う柱状貫入物列を形成するとともに、前記打設ピッチを調整することによって、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の山留壁の変形量の抑制方法。
- 前記柱状貫入物列と山留壁との間の距離を調整することによって、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする請求項4に記載の山留壁の変形量の抑制方法。
- 前記柱状貫入物列の山留壁からの列数を調整することによって、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする請求項4又は5に記載の山留壁の変形量の抑制方法。
- 前記柱状貫入物の打設長さを調整することによって、山留壁に予め与える前記水平変形を調整することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の山留壁の変形量の抑制方法。
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