JP4247466B2 - 安全階段 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造安定性、昇降安全性及び装飾性に優れた安全階段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の階段9は、図7に示すごとく、一般に踏み板91に蹴込み板92が直交するように、凹凸嵌合接合93を介在して取付け接合されている。
【0003】
そして踏み板91は、その先端部において、段鼻部911を有している。この段鼻部911には、滑り止め凹部910が形成されている。なお、力桁96には、受け台95が取付けられている。
【0004】
他方、前記滑り止め凹部910に代えて、図8に示すごとく、ノンスリップ材と称する滑り止め用凹凸部94を取付け固定する場合もある。
【0005】
また、図9に示すごとく、踏み板91と蹴込み板92との上方取付け接合近傍には、入隅材80が取付け固定されている。
【0006】
これは、図11に示すごとく、従来の階段9は、踏み板91が蹴込み板92よりも前方に突出した突出端部911を有しているため、この突出端部912に足先8が当接し転倒の原因を生じる。そのため、図10に示すごとく、前述のごとく、入隅材8を取付け固定して、足先の当接を防止し、特に昇段時の安全を図ることが出来ることになる。
【0007】
特許文献1によれば、「仮設兼用階段」に係る発明として、上記のごとく、踏み板91の突出端部911に関する取付け固定9が図7に開示されている。
【0008】
一方、本出願人は、先に「安全踏板階段」を特許文献3により提案している。また、「床鳴り消音階段」に係る発明を特許文献4により提案している。
【0009】
そして、「階段用入隅材及びその取付構造」に関する発明を特許文献5により提案している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示された発明に係る階段9は、踏み板91が突出端部912を有しており、図11に示すごとく、足先がつまずき転倒し易い問題点がある。そして、図8に示すごとく、ノンスリップ材としての滑り止め用凹凸部94を取付け固定する作業は煩わしく、繁雑である。
【0011】
一方、特許文献2に記載の発明に係る階段9は、蹴込み板92の板厚さが比較的薄いため、その目的である床鳴りやキシミ音の発生を防止することが十分でないことが推察される。
【0012】
また、特許文献1によれば、踏み板91の踏面を拡大するものではない。
【0013】
そして、特許文献3〜特許文献5に係る発明は、本発明と共通する目的、例えば階段9の昇降時の安全性確保、床鳴り発生防止、昇段時の足先の当接防止などの課題である。
【0014】
しかしながら、その目的達成手段がそれぞれ異なっており、また本発明のごとく、特に蹴込み板11の構成を異にするものではない。
【0015】
【特許文献】
特開2000−213132号公報
【特許文献】
特開平11−350691号公報
【特許文献】
特願2002−327972号
【特許文献】
特願2003−033364号
【0016】
【特許文献】
特願2003−05549号
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、階段9の昇降時における安全性を十分確すると共に、階段の構造を強固なものとし、更には施工時の省力化や作業の迅速化を図り、装飾性をも向上させる階段用蹴込み板を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、前記従来技術の課題を解決するため下記の発明を採用するものである。
【0018】
なお、本発明を具体的に説明するため、実施例において使用する図面の符号を付して説明する。
【0019】
請求項1に記載の発明が採った手段は、蹴込み板11と、該蹴込み板11と直交するように取付け接合される踏み板12と、蹴込み板11を取付け固定するための側板13とを備えた階段1であって、
前記蹴込み板11は、その上端側において、前記段鼻部111と、この段鼻部111の前側下方に連続する入隅部112と、内側下方に設けられた内部入隅部113と備え、下方部において、湾曲扁平凹部の切り欠き部114を備え、
前記段鼻部111は、踏み板12の上面より突出する湾曲凸状であって、多数の滑り止め凹凸部110を備え、前記入隅部112は、前記段鼻部111の前方側から蹴込み板11の上方側になだらかに傾斜した面を形成するものであって、
前記蹴込み板11と前記踏み板12とは、該段鼻部111の後方側に形成したサネ凹部1110内に、踏み板12の先端部に形成したサネ凸部112を嵌め込んで凹凸嵌合接合したものであり、
前記内部入隅部113は、上記凹凸嵌合接合された踏み板12の前方側から蹴込み板11の内側面に至る傾斜面を形成するものであることを特徴とする安全階段1を提供するものである。
【0020】
これにより、構造安定性、昇降安全性及び装飾性に優れた階段用蹴込み板を使用した階段を得ることが出来る。
【0021】
次に本発明が採った手段は、段鼻部111の上方表面に滑り止め用凹凸部110有することを特徴とする安全階段 1を提供するものである。
【0022】
これにより、従来の階段9のごとく、ノンスリップ材としての滑り止め用凹凸部94を施工時に取付け固定する必要がなく、省力化及び作業の迅速化を図り、作業性を向上させた階段用蹴込み板11を使用した安全階段1を提供することが出来る。
【0023】
そして、本発明が採った手段は、段鼻部111は、プレカット製品として予め木工加工品したもの、寸法安定集成材として成形加工されたものであることを特徴とする階段用蹴込み板11を使用した安全階段1を提供することが出来る。これにより、段鼻部111を現場加工したり、ノンスリップ材としての滑り止め用凹凸部910を釘打ち等による取付け固定する必要がなく、作業性を向上させることができる。
【0024】
次に、本発明が採った手段は、寸法安定集成材は、木造建築廃棄物、木工端尺材のいずれかであることを特徴とする階段用蹴込み板11を使用した安全階段1を提供するものである。
【0025】
これにより、寸法安定性や諸物理的特性に優れ、反りやねじれなどの少ない、高精度でかつ丈夫な構造の安全階段1を得ることが出来る。
【0026】
また、本発明が採った手段は、下方部において、略扁平三角形状、湾曲扁平状凹部の踏面(踏み板の面積)を広げるための切り欠き部114を有し、その下方部に踏板後方受け部115を有することを特徴とする階段用蹴込み板11を使用した安全階段1を提供するものである。
【0027】
これにより、踏面(踏み板の踏む面積)を拡大して、特に昇段時において、足を踏み外して転倒することがない。
【0028】
一方、本発明が採った手段は、蹴込み板11は側板13に取付け接合され、踏み板12は蹴込み板11に凹凸嵌合接合されることを特徴とする階段用蹴込み板11を使用した安全階段1を提供するものである。
【0029】
これにより、階段を組み立てるに当たって、作業性が向上すると共に、蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合が強固となり、丈夫な構造の安全階段1を得ることが出来る。
【0030】
次に、本発明が採った手段は、側板13は、取付け接合に蟻継ぎ接合、凹凸サネ接合、腰掛け鎌継のいずれかにより強固接合されていることを特徴とする階段用蹴込み板11を使用した安全階段1を提供するものである。
【0031】
これにより、凹凸嵌合接合のうち蟻継ぎ接合及び腰掛け鎌継は、引き抜き力に対する耐久力が最大に発揮され、一方凹凸サネ接合は比較的簡単に形成することが出来る。
【0032】
また、本発明が採った手段は、踏み板12は、蹴込み板11の段鼻部111に凹凸サネ接合され、後方部は踏み板後方受け部115に支承されていることを特徴とする階段用蹴込み板11を使用する安全階段1を提供するものである。
【0033】
これにより、蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合が強固となり、反りやねじれなどの歪みが生じること少ない安全階段1を得ることが出来る。
【0034】
そして、本発明が採った手段は、踏み板12は、吸着材等含有の接着剤を使用し、及び又は釘打ち等接合により取付け接合されていることを特徴とする安全階段1を提供するものである。
【0035】
これにより、寸法精度が優れ、かつ反りやねじれの発生による歪みの少ない安全階段1を得ることが出来る。
【0036】
また、本発明が採った手段は、側板13は、図3に示すように開き止めボルト5を使用して取付固定されていることを特徴とする安全階段1を提供するものである。これにより、側板13、13同士が強固に取付け固定されると共に、蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合をも補強して、強固接合の安全階段1を得ることが出来る。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態につき、請求項1及び実施例1〜2に対応させながら、特に実施例で使用する図面に基づいて、本発明の各種態様を具体的に説明する。
【0038】
まず、図3は、本発明に係る安全階段1の主要部の断面図であり、実施例1に係る安全階段1の一実施態様である。
【0039】
ここで図1は、実施例1における蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合の状態を示す一部斜視図である。
【0040】
ここで注目すべきことは、蹴込み板11は、その上端部において、段鼻部111及び入隅部112を有することである。
【0041】
したがって、蹴込み板11は図1及び図5に示すごとく、上記段鼻部111とこれに下方に連なる入隅部112を有するものである。
【0042】
また、図1及び図5に示すごとく、また実施例1及び実施例2に記載されているごとく、踏み板12を蹴込み板11に凹凸嵌合接合するに当たっては、吸着材等含有の接着剤の他に、釘やその他の接合金具を使用する態様と、釘やその他の接合金具を使用しない態様とがある。これは、凹凸嵌合接合の態様が段鼻部111に形成された嵌合凹部1110内に踏み板12の嵌合凸部122を凹凸嵌合接合する態様(図1参照)と、蹴込み板11の上方かつ後方平滑部に形成された嵌合凸部を踏み板12の嵌合凹部123内に凹凸嵌合接合する態様とがあるからである。
【0043】
つまり、上記に示すごとく、「吸着材等含有の接着剤及び又は釘打ち等接合により取付け接合されている」とは、これらのことを意味するものである。
【0044】
図1に示す態様においては吸着材等含有の接着剤の他に釘打ち等接合を併用した方がより強固に蹴込み板11と踏み板12とを釘打ち等接合できるのに対し、図5に示す態様においては、吸着材等含有の接着剤の他に釘打ち等接合を併用しないことが、釘打ち等接合の亀裂などを生じさせないため、好ましいからである。
【0045】
【0046】
他方、実施例2及び図6に示すごとく、蹴込み板11を側板13に立設して取付け固定するに当たっては、一対の側板13、13の内部側、即ち2本の側板13、13が相互に相向う側において、まず、側板13に蟻掛け凹部141を形成しておき、これに蹴込み板11の下方両端部に形成された蟻掛け凸部117を凹凸嵌合接合する。これにより、上記のごとき蟻継ぎ接合は、蟻と呼ばれる逆台形上の柄を加工した蹴込み板11を側板13に形成した蟻掛け凹部141内に嵌め込んで接合されているため、引き抜きの力に対して強力に耐えられる強固接合を形成することになるからである。
【0047】
次に、図4は、実施例1及び実施例2において採用する安全階段1の組み立て手順及びこれによって得られる安全階段1の形成を示すフローチャート図である。
【0048】
ここで注目すべきことは、本発明の方法(図4の左側参照)が従来の工法(図4の右側参照)と比較して、蹴込み板11の取付けと踏み板12の取付けの手順が逆になっていることである。これは、本発明に係る安全階段1の強固な構造と密接に関係する。
【0049】
即ち、従来の工法は、側板13に形成した大入れ踏み板12挿入溝(図示略)内に、まず踏み板91をくさび等に用いて取付け施工するに対し、本発明においては、まず側板13に図2及び図6に示すごとく、蟻掛け嵌合凹部を形成した後、これに蹴込み板11に形成した蟻掛け凸部114を嵌め込み接合することが肝要となる。
【0050】
また、本発明に係る階段用蹴込み板には、請求項1の記載に示すごとく、蹴込み板11の上端部において段鼻部111及び又は入隅部112を有するため、従来工法のごとく、ノンスリップ材の取付け(図4の右側の(7))及び入隅材の取付け(同(8))が省略することが出来る利点がある。これは、本発明に係る階段用蹴込み板としての蹴込み板11がプレカット製品などの予め木工加工品として形成されている態様により、現場における階段9組付けの作業性向上を図ることが出来る。
【0051】
一方、図4の左側下段に示すごとく、本発明に係る安全階段1においては、(6)補強剤の取付け、(7)開き止め部材の取付け、(8)手すりの取付けにより、強固な構造にして、かつ装装性に優れた効果を発揮することができる。
【0052】
そして、更に注目すべきことは、本発明の場合にあっては、木造建築廃棄物、木工端尺材を有効利用することが出来るため、資源の有効利用としての循環型社会に適応できる。
【0053】
特に木造建築廃棄物や木工端尺材として、ブナやケヤキのごとく、広葉樹木や落葉樹木のごとく、針葉樹木に比較して硬度や諸強度が強い堅牢木材を使用した寸法安定集成材を蹴込み板11、踏み板12、側板13に使用することが好ましい。
【0054】
また、実施例1に示すごとく、上記寸法安定集成材をサンドイッチ構造により形成したランバー合板を踏み板12に使用することにより、寸法安定性や諸物理特性に優れた安全階段1を得ることが出来る。
【0055】
これは、寸法安定集成材が木材繊維方向が多方向に配列されており、寸法変化率が小さくなる反面、衝撃強度や引張り強度が優れているからである。
【0056】
他方、本発明においては、吸着材等含有の接着剤を使用することとしている。これは、例えば活性炭や活性白土の徴粉又はベントナイトやゼオライトの徴粉などの吸着剤を混入した接着剤を使用するものである。これにより、蹴込み板11や踏み板12に空気中の水分が含有される状態にあっても、吸着材等含有の接着剤により水分を吸収して、蹴込み板11や踏み板12の反りやねじれなどの歪みの発生を防止することが出来る。また、上記吸湿剤の他に銅粉等の導電性物質の微料を混入することにより、蹴込み板11や踏み板12の凹凸嵌合接合における熱の移動を防止することも出来る。蹴込み板11や踏み板12の反りやねじれは、水分や熱の移動により生じ易いからである。
【0057】
そのため、本発明においては、吸着材等含有の接着剤は吸着剤や導電性物質を含有する他に、界面活性剤や接着剤硬化促進剤などを含有するものであることを意味する。
【0058】
このように、吸着材等含有の接着剤に各種物質を混入させる目的は、記載2及び図5に示すごとく、釘打ち等接合を吸着材等含有の接着剤と併用しない態様においても蹴込み板11と踏み板12とを強力な凹凸嵌合接合することが出来るからである。
【0059】
他方、蹴込み板11は下方部において、例えば断面形状が緩やかな湾曲凹部や略三角形状の切り欠き部114(図1、図3参照)を有することが好ましい。
【0060】
これにより、図3に示すごとく、踏み板12の踏面を拡大することにより、特に昇段時における不都合(図11参照)を解消して、入隅部112を有する蹴込み板11の態様との併用による足先きの踏み板12当接防止を相乗効果として発揮することが出来る。
【0061】
また、上記相乗効果に加えて、本発明に係る階段用蹴込み板の最大の特徴である蹴込み板11の上端部において、足先が踏み板12に当接することを防止することが出来る。これは、段鼻部111は、日本工業規格などにおいて、大きさが規制(出鼻寸法は30ミリメートル)されていることにもよる。
【0062】
以上説明したごとく、本発明の実施の形態については、各種の態様が含まれているため、構造安定性、昇降安定性及び装飾性に優れた階段用蹴込み板及びその取付構造を提供することが出来るばかりでなく、蹴込み板11と踏み板12との強固接合により、強固な構造の安全階段1を提供し、吸音遮音性、寸法安定性、階段の昇降時における安全性を向上させることが出来る。
【0063】
以下に、本発明の好ましい実施例1及び実施例2について、図面を用いて具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の一実施態様であって、本発明の技術的範囲は、実施例に拘束されるものではなく、更に変形や改良も可能である。
(実施例1)
本例は、図1、3、4に示すごとく、蹴込み板11の上端部において、段鼻部111及び入隅部112を有すると共に、下方部において踏面(ふみづら)を広げるための切り欠き部114を有する階段用蹴込み板を提供するものである。
【0064】
まず、図1に示すごとく、段鼻部111は緩やかな湾曲面を有すると共に、その下方において入隅部112と緩らからに連なった形状をしている。また、段鼻部111の頭部においては、滑り止め用凹凸部110を多数有している。
【0065】
そのため、従来のノンスリップ材としての機能を発揮すると共に、入隅材としての両機能を発揮することが出来る。
【0066】
したがって、従来の階段99のごとく、ノンスリップ材94(図8参照)を取付け固定する必要もなく、また入隅材8(図9参照)を取付け固定する必要がない。
【0067】
これにより、安全階段1を組み付け施工するに当たって、図4に示すごとく、本発明は従来工法(図4参照)に比較して現場施工を迅速容易に行うことが出来るため、作業性を向上することが出来る。これは、蹴込み板11がプレカット製品としての予め木工加工品又は寸法安定集成材としての成形加工の各種の様態を採用し得るからである。
【0068】
また、蹴込み板11は、通常の蹴込み板よりも板厚さを2〜3割増大させて、下方部において、扁平湾曲状の断面形状からなる切り欠き部114を有する。これにより、図3に示すごとく、踏み板12は切り欠き部114のスペース分だけ踏面、即ち踏み板12を足で踏む面積を拡げることが出来る。そのため、特に昇降時において踏み板12を踏み外すことがなく、安全に階段9を昇ることが出来る。そのため、本例によれば、階段の昇段時における安全性を向上させることが出来ると共に、一定のスペースにおいて踏み板12の段数を増加させたり、階段9の勾配を緩やかにすることが出来る。
【0069】
これにより、老人や子供にやさしい安全階段1を提供し、安全性を確保することが出来る。
【0070】
一方、蹴込み板11は、図1に示すごとく、内側においても内部入隅部113を有する。これにより、踏み板12を載置する面積をも拡大することが出来るため、吸着材等含有の接着剤の使用及び釘3などの接合具を併用して強固な凹凸嵌合接合を形成することが出来る。
【0071】
また、上記段鼻部111の後方側に形成したサネ凹部1110内に、踏み板12の先端部に形成したサネ凸部112を嵌め込んで凹凸嵌合接合してある。そのため、比較的狭いスペースにおいて、強固な凹凸嵌合接合を行うことが出来る。
【0072】
そして、上記蹴込み板11及び踏み板12は、木材繊維方向が多方向に配列した寸法安定集成材及び又はこの寸法安定集成材をサンドイッチ構造により構成したランバー合板を使用する。
【0073】
特に、寸法安定集成材を使用する場合にあっては、蹴込み板11の積層接着の加圧成形時において、前記段鼻部111をも一体成形することも出来る。これにより、段鼻部111の取付け固定作業を省くことが出来ると共に、強固な段鼻部111を形成することが出来る。
【0074】
そして、蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合に当たっては、本発明の吸着材等含有の接着剤を使用してある。そのため、蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合部においては、反りやねじれなどの歪みを生じることがなく、また寸法安定性や諸物理特性、例えば圧縮強度や引張り硬度などに優れる。そのため、強固な構造を有する安全階段1を得ることが出来る。
【0075】
【0076】
また、図3及び図4(7)に示すごとく、上記側板13、13は2本一対に使用し、その間を開き止めボルト5を取付け固定する。これにより、2本の側板13、13は、強固接合されると共に、蹴込み板11と踏み板12との強固な凹凸嵌合接合を容易に確保することが出来る。そのため、本例によれば、構造安定性、昇降安定性、装飾性などに優れた安全階段1を提供することが出来る。
【0077】
そして、図4に示すごとく、従来の工法(右側)に比較して、本発明の方法は、蹴込み板11をまず側板13に立設し、この蹴込み板11に踏み板12を前述の通り凹凸嵌合接合(図1参照)する。また、従来の工法のごとく、ノンスリップ材94の取付け(図8)や入隅材の取付け(図9)を、側板1313に蹴込み板11を立設する作業により同時に行うことが出来る。そのため、作業能率性に優れた安全階段1を得ることが出来る。
(実施例2)
本例は、図5及び図6に示すごとく、蹴込み板11の上端部において、段鼻部111を有し、段鼻部111が緩やかな斜傾により本体部と一体成形されているものである。
【0078】
この構成によれば、入隅材を取付け固定したと同様に、蹴込み板11と踏み板12との前面上部における補強効果、装飾効果、吸音遮音効果は、実施例1において示したごとく、通常の蹴込み板11よりも板厚さを2〜3割増大させているため、従来の蹴込み板92(図7参照)よりも板厚さを増大させた割合に比例して増大する。
【0079】
また、図6に示すごとく、2本の側板13、13の間においては、蹴込み板11と側板13とが蟻継ぎ接合されている。つまり、蹴込み板11の両端部に形成された蟻掛け凹部143とが相互に嵌め合わされて、蟻継ぎ接合を形成している。そのため、蹴込み板11は内側に引き抜く力に対して強固接合されている。これにより、実施例1のごとく、開き止めボルト22を用いて補強する必要はない。
【0080】
その他の構成は、実施例1と同様の構成とした。
したがって、本例は、実施例1と比較して開き止めボルト5の使用を必要とすることなく、また蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合に当たっては、釘打ち等接合を必要としない。そのため、蟻継ぎ接合の組み立て作業性を向上させることが出来る。
【0081】
【発明の効果】
本発明は、上記に記載された発明により構成されているため、下記に示すような諸々の効果を奏するものである。
【0082】
まず、請求項1に記載された発明によれば、構造安定性、昇降安全性及び装飾性に優れた安全階段1を提供することが出来る。
【0083】
そして、本発明によれば、従来の階段9のごとく、ノンスリップ材としての滑り止め用凹凸部910を施工時に取付け固定する必要がなく、省力化及び作業の迅速化を図り、作業能率向上させることが出来る。
【0084】
次に、本発明によれば、段鼻部111を現場加工したり、ノンスリップ材としての滑り止め用凹凸部94(図8参照)を取付け固定する必要がなく、作業性を向上させることが出来る。
【0085】
また、本発明によれば、寸法安全性や諸物理特性に優れ、反りやねじれなどの少ない高精度でかつ丈夫な構造の安全階段1を得ることが出来る。
【0086】
そして、本発明によれば、踏み板12を足で踏む面積としての踏面を拡大して、特に昇段時において、足を踏み外して転倒することがない。
【0087】
本発明によれば、階段を組み立てるに当たって、作業性が向上すると共に、蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合が強固となり、丈夫な構造の安全階段1を得ることが出来る。
【0088】
また、本発明によれば、凹凸嵌合接合のうち蟻継ぎ接合及び腰掛け鎌継は、引き抜き力に対して耐久力が最大に発揮され、一方凹凸サネ接合は比較的簡単に形成することが出来る。
【0089】
本発明によれば、蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合が強固となり、反りやねじれなどの歪が生じるとこが少なくない安全階段1を得ることが出来る。
【0090】
また、本発明によれば、寸法精度が優れ、かつ反りやねじれの発生による歪みの少ない安全階段1を得ることが出来る。
【0091】
そして、本発明によれば、側板13、13同士が強固に取付け固定されると共に、蹴込み板11と踏み板12との凹凸嵌合接合をも補強して、強固接合の安全階段1を得ることが出来る。
【0092】
以上のごとく、本発明によれば、構造安定性、昇降安全性、装飾性及び作業能率性に優れた階段用蹴込み板を使用した安全階段1を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る蹴込み板と踏み板との凹凸嵌合接合状態を示す一部斜視図である。
【図2】図1と同じ図である。
【図3】本発明の実施例1により得られる安全階段の一部断面図である。
【図4】本発明の実施例1に係る安産側板階の組立て手順を従来の工法と比較したフローチャート図である。
【図5】本発明の実施例2に係る蹴込み板と踏み板との凹凸嵌合接合状態を示す一部斜視図である。
【図6】本発明の実施例2において使用する蹴込み板を側板に取付け固定した状態を示す一部平面図である。
【図7】従来の階段の取付け状態を示す中央部近傍の一部断面図である。
【図8】従来の階段におけるノンスリップ材を取付け固定した状態を示す一部斜視図である。
【図9】特許文献5に係る入隅材を取付け固定した状態を示す一部斜傾図である。
【図10】特許文献5に係る入隅材を取付け固定した効果を説明するための一部斜傾図である。
【図11】従来の階段における突出踏み板に足先が当接する状態の問題点を説明する一部側面図である。
【符号の説明】
1 安全階段
11 蹴込み板
110 滑り止め用凹凸部
111 段鼻部
112 入隅部
114 切り欠き部
12 踏み板
13 側板
Claims (1)
- 蹴込み板11と、該蹴込み板11と直交するように取付け接合される踏み板12と、蹴込み板11を取付け固定するための側板13とを備えた階段1であって、
前記蹴込み板11は、その上端側において、段鼻部111と、この段鼻部111の前側下方に連続する入隅部112と、内側下方に設けられた内部入隅部113と備え、下方部において、湾曲扁平凹部の切り欠き部114を備え、
前記段鼻部111は、踏み板12の上面より突出する湾曲凸状であって、多数の滑り止め凹凸部110を備え、前記入隅部112は、前記段鼻部111の前方側から蹴込み板11の上方側になだらかに傾斜した面を形成するものであって、
前記蹴込み板11と前記踏み板12とは、該段鼻部111の後方側に形成したサネ凹部1110内に、踏み板12の先端部に形成したサネ凸部112を嵌め込んで凹凸嵌合接合したものであり、
前記内部入隅部113は、上記凹凸嵌合接合された踏み板12の前方側から蹴込み板11の内側面に至る傾斜面を形成するものであることを特徴とする安全階段1。
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