JP2606653Y2 - 木製階段 - Google Patents

木製階段

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JP2606653Y2
JP2606653Y2 JP1993073832U JP7383293U JP2606653Y2 JP 2606653 Y2 JP2606653 Y2 JP 2606653Y2 JP 1993073832 U JP1993073832 U JP 1993073832U JP 7383293 U JP7383293 U JP 7383293U JP 2606653 Y2 JP2606653 Y2 JP 2606653Y2
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Inventor
憲志 前田
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段谷産業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、木製階段に係り、更に
詳しくは、踏板の踏み鳴りを解消できる木製階段に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、木製階段のささら桁の素材に
は、主にLVL(単板積層材)が用いられ、また踏板の
素材には、積層合板、LVL、パーティクルボード、繊
維板などが用いられている。以下、図5を参照して従来
の木製階段を説明する。図5に示すように、木製階段1
00は、ささら桁101の対向する内面に、踏板103
を取付ける凹部102が所定間隔毎に形成されており、
これらの凹部102に踏板103を取付け、また必要に
応じて蹴込板104を取付けることにより施工されてい
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術の木製階段100においては、階段100を構成
するささら桁101や踏板103が木製の板であるの
で、加工精度の悪さや水分の吸放出による反りなどによ
り、施工時または施工後しばらくすると、同図鎖線に示
すように凹部形成部105と踏板103との間に隙間が
できて、階段100を昇り降りする際に、使用者の踏付
力により両者103、105が擦れ合って、ギシギシと
いう踏み鳴りが生じるという問題点があった。本考案は
かかる事情に鑑みなされたもので、踏板の踏み鳴りを解
消できる木製階段を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の木製階段は、ささら桁に断面矩形の複数条の凹部
が所定間隔毎に形成され、それぞれの該凹部に複数枚の
踏板が一枚ずつ嵌着された木製階段において、前記ささ
ら桁の凹部形成部と踏板との間に、両面粘着テープを介
して該凹部形成部に固着される断面視L字形かつ発泡倍
率が1〜3倍の発泡体からなる制振材を介在させてい
る。
【0005】
【作用】請求項1記載の木製階段は、ささら桁の凹部に
踏板を嵌着させる際に、凹部形成部と踏板との間に制振
材を介在させるので、例えばささら桁や踏板に水分の吸
放出による反りが発生して凹部形成部と踏板との間に隙
間ができても、階段昇降時に凹部形成部と踏板とは擦れ
合わず、踏み鳴りは起きない。しかも、この階段昇降時
には、制振材が踏板のクッションになるので踏付時の衝
撃を吸収し、足当たりが良くなって昇降中の疲れを和ら
げる。
【0006】
【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案
を具体化した実施例につき説明し、本考案の理解に供す
る。なお、この実施例では、対配置される一方のささら
桁が建物の内壁に取付けられ、他方のささら桁が横方向
に競り出している木製階段を例に説明する。ここに、図
1は本考案の第1の実施例に係る木製階段の斜視図、図
2は同ささら桁と踏板との嵌着部の拡大断面図、図3は
本考案の第2の実施例に係る木製階段の斜視図、図4は
同要部拡大断面図を示している。
【0007】図1に示すように、本考案の第1の実施例
に係る木製階段10は、木造住宅の一、二階間に斜めに
立て掛けられる一対のささら桁11を有している。それ
ぞれのささら桁11の対向する内面には、交差配置され
た複数条の断面矩形の水平凹部12と垂直凹部13とが
所定間隔毎に形成されている。両ささら桁11のそれぞ
れ対向する水平凹部12に踏板14の両端部が嵌着さ
れ、また対向する垂直凹部13に蹴込板15の両端部が
嵌着されることにより、踏板14と蹴込板15とを横架
した木製階段10が構成されている。
【0008】ささら桁11には、表面に化粧単板16が
貼着されたLVL17を用いているが、これに限定しな
くても、例えば合板、繊維板、パーティクルボードなど
の周知の木製板材を採用することもできる。また、踏板
14や蹴込板15には、表面に化粧単板18が貼着され
た積層合板19を用いているが、これに限定しなくて
も、パーティクルボード、繊維板などのその他の一般的
な木製板材を採用してもよい。
【0009】本考案の木製階段10の構成面での特徴
は、図2に示すように、それぞれのささら桁11の水平
凹部形成部11aと踏板14との間に、階段昇降時の踏
み鳴りを解消する制振材20を介在させた点にある。制
振材20は、断面視してL字形の肉厚な帯状物であり、
それぞれの踏板14の両端面および両端部下面に当接さ
れるようになっている。制振材20の外面には、制振材
20を水平凹部形成部11aの奥面と下面とに接着させ
る両面粘着テープ21が設けられている。
【0010】制振材20の素材としては、ゴム系素材や
プラスチック系素材などが採用できる。ゴム系素材とし
ては、例えば天然ゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ア
クリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴムなどが挙げら
れる。なお、発泡剤を添加して発泡体とすることにより
比較的大きなクッション性を与えるようにしてもよい。
この場合の発泡倍率は、1〜3倍程度が好ましい。これ
は、3倍を超えると踏板14に沈みが生じてしまうから
である。
【0011】また、プラスチック系素材としては、例え
ばポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂等が挙げられる。ただし、軟質のものが好まし
く、ゴム系素材の場合と同様の倍率で発泡させた方がよ
い。制振材20の厚さは、1〜3mm、特に2mm程度
が好ましく、1mm未満では薄すぎて制振効果が低下
し、また3mmを超えると厚すぎて踏板14が取付け難
くなると共に、経済的でない。
【0012】次に、本考案の第1の実施例に係る木製階
段10の施工方法を説明する。図1において、予め、図
外のささら桁切込み加工機などにより水平、垂直凹部1
2、13が形成されたささら桁11を用意し、その一方
を建物の階段施工箇所の内壁に取付ける。それから、図
2に示すように、両面テープ21を介して、両ささら桁
11の各水平凹部形成部11aに制振材20を貼着し、
次いで一方のささら桁11の各水平、垂直凹部12、1
3に、踏板14および蹴込板15の一端部を嵌着し、釘
22により堅固に固定する。この際、水平凹部12に嵌
着された踏板14の端面および端部下面は、制振材20
に圧接される。その後、こうして片持ち支持された各水
平、垂直凹部12、13の他端部に、他方のささら桁1
1の水平、垂直凹部12、13を同様に嵌着して、他方
のささら桁11を釘打ちすることにより、図1に示すよ
うに他方のささら桁11が横方向に競り出した状態で、
木製階段10が施工される。
【0013】例えば、加工精度の悪さや水分の吸放出に
よる反りなどにより、施工時または施工後しばらくして
から、同図鎖線に示すように水平凹部形成部11aと踏
板14との間に隙間ができる場合があるが、仮にそのよ
うな状態で使用者が階段10を昇降しても、両者11
a、14間には制振材20が介在されているので、木材
どうしが互いに擦れ合うことはなく、従ってどんなに大
きな踏付力が踏板14にかかっても踏み鳴りは発生しな
い。また、階段昇降時には、制振材20が踏板14のク
ッション材を兼務するので、踏付時の衝撃を制振材20
が吸収し、階段10を昇り降りする際の足当たりが良く
なって昇降中の疲れを和らげることができる。
【0014】次に、図3、4に基づいて、本考案の第2
の実施例に係る木製階段を説明する。図3に示すよう
に、本考案の第2の実施例の木製階段30は蹴込板のな
い階段の例であり、階段の一側に手すり31が設けら
れ、それぞれの踏板32の両端部付近に一対のささら桁
33が取付けられている。図4に示すように、踏板32
の取付けにあっては、第1の実施例と同様に、ささら桁
33に形成されたそれぞれの水平凹部34に、制振材3
5を介して踏板32が取付けている。
【0015】以上、本考案を図面に基づいて説明した
が、本考案はこの実施例に限定されるものではなく、要
旨を逸脱しない範囲での設計変更などがあっても本考案
に含まれる。例えば、木製階段は、実施例のタイプの階
段に限定されるものではなく、ささら桁に形成された凹
部に踏板が嵌着されたものであれば、どのようなタイプ
の階段であってもよい。また、実施例では、ささら桁の
凹部形成部と踏板との間にだけ制振材を介在させたが、
これに限定しなくても、例えばささら桁の垂直凹部形成
部と蹴込板との間に介在させてもよい。
【0016】
【考案の効果】請求項1記載の木製階段は、このよう
に、ささら桁の凹部形成部と踏板との間に制振材を介在
させたので、何らかの原因により凹部形成部と踏板との
間に隙間ができても木材どうしが擦れ合うことはなく、
踏み鳴りの発生を解消できる。また、制振材は適度なク
ッション性を有しているので、階段昇降の際に足当たり
が良くなって疲れ難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例に係る木製階段の斜視図
である。
【図2】ささら桁と踏板との嵌着部の拡大断面図であ
る。
【図3】本考案の第2の実施例に係る木製階段の斜視図
である。
【図4】同要部拡大断面図である。
【図5】従来手段に係る木製階段のささら桁と踏板との
嵌着部の拡大断面図である。
【符号の説明】
10:木製階段、11:ささら桁、11a:水平凹部形
成部、12:水平凹部、13:垂直凹部、14:踏板、
15:蹴込板、16:化粧単板、17:LVL、18:
化粧単板、19:積層合板、20:制振材、21:両面
テープ、22:釘、30:木製階段、31:手すり、3
2:踏板、33:ささら桁、34:水平凹部、35:制
振材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ささら桁に断面矩形の複数条の凹部が所
    定間隔毎に形成され、それぞれの該凹部に複数枚の踏板
    が一枚ずつ嵌着された木製階段において、前記ささら桁
    の凹部形成部と踏板との間に、両面粘着テープを介して
    該凹部形成部に固着される断面視L字形かつ発泡倍率が
    1〜3倍の発泡体からなる制振材を介在させたことを特
    徴とする木製階段。
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