JPH0623495B2 - 防音床材およびその製法 - Google Patents

防音床材およびその製法

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JPH0623495B2
JPH0623495B2 JP60268889A JP26888985A JPH0623495B2 JP H0623495 B2 JPH0623495 B2 JP H0623495B2 JP 60268889 A JP60268889 A JP 60268889A JP 26888985 A JP26888985 A JP 26888985A JP H0623495 B2 JPH0623495 B2 JP H0623495B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、防音効果を有する床材およびその製法に関
する。
〔背景技術〕
鉄骨,鉄筋等の建築物の床は、コンクリート等からなる
床下地の上に、木製タイル,合成樹脂製タイル,ゴム製
タイル等の床仕上材料を敷いてつくられることが多い。
木製タイルを床仕上材料として用いるようにすると、部
屋等が落ち着いたものとなる、建物に高級感を与えるこ
とができるといったような利点があるが、木製タイルは
吸音性が乏しいので、足音が響くといったような不利益
な点がある。他方、合成樹脂製タイルやゴム製タイルは
木製タイルに比べて吸音性が高いので、これらを床仕上
材料として用いるようにすると、足音があまり響かない
といったような利点があるが、建物に高級感を与えるの
が困難であるという不利益な点がある。
そこで、第3図に示されているような防音床材が開発さ
れた。この防音床材11は、木質ピース2が、ゴムなど
の吸音材からなるシート3表面に接着されている。この
ような防音床材11を、床下地の上に敷きつめて固定す
るようにすると、木質ピース2上面が床面を構成するの
で、部屋等が落ち着いたものとなり、建物に高級感を与
えることもできる。しかも、木質ピース2の裏側には吸
音材からなるシート3が設けられているので、防音効果
を得ることもできる。
しかしながら、このような防音床材では、遮音効果(床
衝撃音の透過損失)が小さく、被取付面の凹凸(不陸)
を吸収しにくいという問題があった。
そこで、ゴムなどの吸着材シートのさらに下側に、発泡
体などのクッション性に優れたシートを設けておくこと
で、床上からの衝撃を緩衝したり、被取付面の凹凸を吸
収したりする技術も提案されている。具体的には、実開
昭59−78436号公報に開示された技術などがあ
る。
ところが、上記先行技術を採用しても、床上を人が歩い
たりしたときに、木質ピース同士が接触してキシミ音が
発生するという問題があった。
前記先行技術では、隣接する木質ピース同士は、互いの
間を接着剤などで完全に接合一体化しているのではな
く、木質ピース同士は互いに独立した状態で、その端面
同士が直に接触するようになっている。これは、隣接す
る木質ピースの間で、木質ピースを支持するシートにあ
る程度の屈曲や変形を許容して、被取付面へのなじみを
良くしたり、防音床材の取扱いや施工作業を行い易くし
たりするために、必要な構造であった。
しかし、木質ピース同士の端面が接触するようになって
いると、床上から荷重や衝撃、振動などが加わったとき
に、隣接する木質ピース同士が衝撃的に接触することに
なり、その結果、キシミ音が発生することになるのであ
る。木質ピースは、その下面を吸音材やクッション材に
接合されてはいるが、それだけでは、木質ピースの接合
面とは平行な方向すなわち木質ピースが互いに衝突した
り擦れたりする方向に運動することを十分に阻止するこ
とはできない。
〔発明の目的〕
この発明は、以上のことに鑑みて、遮音効果が良好で、
床下地への対応性も顕著であり、運搬・保管や施工が容
易である上、キシミ音の発生も抑制できる有用性の顕著
な防音床材を提供することを目的とする。
〔発明の開示〕
この発明は、上記の目的を達成するために、軟質ゴムま
たは軟質プラスチックスで形成された厚み3.0〜2
0.0mmの吸音材からなる1枚のシートの片面に複数個
の木質ピースが敷きつめられて接合され、もう片面に
は、発泡倍率5〜15倍の発泡体で形成された厚み2.
0〜5.0mmのクッション材からなるシートが接合され
てなるとともに、前記木質ピースの吸音材接合側である
下面の端縁には切り欠きが設けられていて、この切り欠
きに前記吸音材の一部が充填されている防音床材を第1
の要旨とする。
また、軟質ゴムまたは軟質プラスチックスで形成された
厚み3.0〜20.0mmの吸音材からなる1枚のシート
の片面に複数個の木質ピースが敷きつめられて接合さ
れ、もう片面には、発泡倍率5〜15倍の発泡体で形成
された厚み2.0〜5.0mmのクッション材からなるシ
ートが接合されてなるとともに、前記木質ピースの吸音
材接合側である下面の端縁には切り欠きが設けられてい
て、この切り欠きに前記吸音材の一部が充填されている
防音床材の製造方法であって、前記木質ピースとして、
吸音材接合側である下面の端縁に切り欠きが設けられて
いる木質ピースを用い、複数個の木質ピースが吸音材か
らなる1枚のシートの片面に前記下面を前記片面に向け
て前記切り欠きに前記吸音材の一部が充填されるように
して敷きつめられて接合される工程、および、前記吸音
材からなるシートのもう片面に前記クッション材からな
るシートが接合される工程を備えた防音床材の製法を第
2の要旨としている。
以下、この発明を、その実施例をあらわす図面を参照し
ながら詳しく説明する。
第1図および第2図は、この発明の1実施例をあらわし
ている。第1図および第2図にみるように、この防音床
材1は、複数個の木質ピース2が吸音材からなる1枚の
シート3の片面に敷きつめられて接合されているととも
に、吸音材からなるシート3のもう片面に、クッション
材からなるシート4が接合されている。この発明の防音
床材は、木質ピースのある側が表、クッション材からな
るシートのある側が取付面側となるようにして用いられ
る。
クッション材は、ポリエチレン系樹脂,ポリスチレン系
樹脂,ポリウレタン系樹脂,ゴム類などを発泡させた発
泡体が用いられるが、発泡体を構成する材料は特に限定
されない。発泡体の発泡倍率は、5〜15倍に設定して
おく。この範囲を下まわると遮音効果が低下するおそれ
があり、この範囲を上まわると防音床材の強度が低下す
るおそれがある。発泡体が独立セル構造であると、断熱
性が良くなり、水が透過しにくくなり好ましいが、連続
セル構造,両者を含む構造などでもよい。クッション材
からなるシートの厚みは、2.0〜5.0mmにしてお
く。3.0mmであれば、特に遮音効果がよい。この範囲
を下まわると遮音効果が低下するおそれがあり、この範
囲を上まわると防音床材の表面が安定しなくなるおそれ
がある。
発泡体は、成形時に顔料系着色剤が混入されていると、
より遮音効果を上げることができる。この場合、顔料系
着色剤は、発泡体の1.0〜5.0重量%となるように
するのが遮音効果の点から好ましい。このほか、発泡体
には、炭酸カルシウムなどの無機充填材が含まれていて
もよい。
吸音材としては、たとえば、ウレタンゴム,シリコーン
ゴム等の軟質ゴムまたは軟質プラスチックスで形成され
ている。軟質ゴムまたは軟質プラスチックスの硬化後の
硬度(ショア硬さ)が10〜70゜となるものを用いる
のが好ましい。この範囲を下まわると防音床材の強度が
弱くなるおそれがあり、この範囲を上まわると吸音効果
が得られなくなるおそれがある。吸音材からなるシート
の厚みは、吸音効果,歩行感などを考慮して、3.0〜
20.0mmとする。
なお、前記したクッション材にもある程度の吸音効果は
あり、吸音材にもある程度のクッション効果はあるが、
この発明では、比較的吸音効果の優れた前記材料で形成
されたシートを吸音材からなるシートと呼び、比較的ク
ッション効果の優れた前記材料で形成されたシートをク
ッション材からなるシートと呼ぶ。
木質ピースとしては、ピース全体が1枚ものであっても
よいが、合板,合板からなる基板に人工化粧単板や天然
化粧単板を接合したもの等が用いられる。木質ピースと
しては、モノマー類を含浸させたのち、これを放射線照
射や触媒を使って化学的に重合させる等して、樹脂によ
り強化するようにした強化木材(WPC)を用いるよう
にするのが好ましい。木質ピースの強度,寸法安定性,
耐候性,耐腐食性,耐磨耗性といったような性質が向上
するからである。木質ピースの厚みは、木質ピースの強
度,吸音効果,歩行感などを考慮すると、1.0〜2
0.0mmとするのが好ましい。
また、木質ピースの伸び縮みによる木質ピースの突き上
げ現象を防ぐということを考慮すると、木質ピース同士
の間隔は0.5mm以上離すようにするのが好ましい。こ
のようにすると、1つの木質ピース内を通った歩行音等
の音は、その木質ピースを囲む吸音材にはばまれて隣り
の木質ピースに伝わりにくくなる。但し、木質ピース同
士が離れていても、経時的な伸びが生じたり、床上から
の荷重や衝撃が大きかったりすると、端面同士が接触し
てキシミ音を発生する可能性があるので、後述する切り
欠きの構成が有効である。
木質ピースのそりなどで防音床材の表側の面が平らでな
くなるのを防ぐということを考慮すると、第2図にみる
ように、木質ピース同士を本さね継ぎなどの凹凸のはめ
合わせでつなぐようにするのが好ましい。但し、木質ピ
ース同士を凹凸嵌合で連結していても、わずかなガタや
隙間はあるので、前記したキシミ音が発生する可能性は
あり、後述する切り欠きの構成が有効となる。
クッション材からなるシート,吸音材からなるシートや
木質ピースの大きさ、吸音材からなるシートに接合する
木質ピースの数は設置場所等に応じて適宜決める。
なお、第2図にみるように、合板等からなる基板2a
と、樹脂により強化された木口模様を有する化粧単板2
bとが接合一体化されてなる木質ピース2を用いるよう
にすると、得られた防音床材を用いて床面に木口模様を
配することができるようになる。
木材を輪切りにして木口模様を有する木質ピースをつく
った場合、木の繊維が短く切断させるため、乾燥させる
と、割れ,欠け,反り等が非常に発生しやすくなる。
1.0〜10.0mm程度の厚みとすると、薄いのでいっ
そう割れ等が発生しやすくなる、したがって、この発明
にかかる防音床材にそのような木質ピースを用いること
は困難である。しかし、前述のように、木口模様を有す
る化粧単板を樹脂により強化すると、割れ,欠け,反
り,くるい等ができにくく、耐水性も良好になるので、
防音床材に用いても全くさしつかえなくなる。
木質ピースは、たとえば、つぎのようにしてつくること
ができる。まず、なら,かし,せん,ラワン等の広葉樹
(濶葉樹)や、まつ,すぎ,もみ,ひのき等の針葉樹,
その他の原木,角材等を輪切りにして単板をつくる。厚
みは1.0〜10.0mmとするのが好ましい。つぎに、
ポリエステル樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂を真空加圧含浸により単板に含浸させる。
含浸量は100〜120%とするのが好ましい。このあ
と、合板等の基板に単板を接着し、含浸させた樹脂を硬
化させる。基板に単板を接着したあと、吸音材と一体成
形し、含浸させた樹脂を硬化させるようにしてもよい。
基板は、合板を用いるのがよい。普通、合板は導管が粗
になっていることが多いので、木質ピースの吸音材に対
する接合(接着)性が良くなるからである。
木質ピースは正方形に限定されるものではなく、また、
第2図に示されているように、木質ピースが吸音材から
なるシートに対して平行に配置されるようにする必要も
ない。たとえば、長方形の木質ピースが吸音材からなる
シートに敷きつめられ接合されるようにしてもよい。
木質ピースとして基部が表側よりも広がったものを用
い、吸音材と一体成形する際に、木質ピースの基部側面
に離型剤を塗る等して、木質ピースの基部裏面は吸音材
に接合されるが、木質ピースの基部側面同士は確実に接
着されないようにしておけば、装着状態では吸音材から
はがれにくいが、必要に応じて、ひとつづつの木質ピー
スを、吸音材からなるシートから、他の木質ピースに影
響を与えずに取り除くことのできる防音床材を得ること
ができるようになる。このようにすると、多数の木質ピ
ースのうち、傷ついたり、すり減ったりしたものだけを
容易に取り換えることができるようになる。但し、木質
ピースの基部が表側よりも広がっていても、少なくとも
基部側では端面同士が接触し、木質ピースの経時的伸張
や荷重の大きさによっては表側でも端面同士が接触する
可能性があるので、前記したキシミ音の問題は生じ、後
述する切り欠きを、木質ピースの基部で底面近くに設け
ておくことが有効となる。
木質ピースとして裏面に蟻溝を備えたものを用いるよう
にすれば、木質ピースが吸音材からなるシートに強固に
接合した防音床材を得ることができるようになる。吸音
材,クッション材に難燃剤をふくませるか、木質ピース
に難燃剤を含浸させることとすれば、難燃性の防音床材
を得ることができるようになる。
つぎに、第2図にみるように、木質ピース2として、吸
音材からなるシート3に接合させる部分の端面におい
て、吸音材からなるシート3に敷きつめられたときに同
部分の木質ピース2間の間隔を増すような切り欠き5が
設けられたものを用い、この切り欠き5に吸音材の一部
を充填しておくことで、木質ピース2が吸音材からなる
シート3からはがれる恐れが少なくなる上、前記したキ
シミ音の発生を良好に防止できるようになる。
すなわち、木質ピース2が、平坦な底面だけで吸音材か
らなるシート3と接合しているのに比べて、切り欠き5
による凹凸部分でも吸音材からなるシート5と接合して
いれば、接合面積が増えることにより、木質ピース2と
吸音材からなるシート3との接合力が増す。
また、隣接する木質ピース2同士の間で、切り欠き5の
部分に、吸音材からなるシート3の一部が存在していれ
ば、木質ピース2同士が端面で互いに衝撃的に接触する
際のエネルギーを、木質ピース2の端面同士の間に存在
する、軟質ゴムや軟質プラスチックスで形成された吸音
材の弾性的な圧縮変形によって吸収または緩衝すること
ができる。吸音材で一部の衝突エネルギーが吸収されて
いれば、木質ピース2同士が接触したとしても、衝撃的
に接触するのではなく、比較的穏やかに接触することに
なるので、大きく耳障りなキシミ音を発生することは無
くなる。
この発明にかかる防音床材の製法では、勿論、吸音材か
らなる1枚のシートの片面に複数個の木質ピースが敷き
つめられて接合され、もう片面にはクッション材からな
るシートが接合されてなるとともに、前記木質ピースの
吸音材接合側である下面の端縁には切り欠きが設けられ
ていて、この切り欠きに吸音材の一部が充填されている
防音床材を得るのであるが、吸音材接合側である下面の
端縁に切り欠きが設けられた木質ピースを用いており、
また、複数個の木質ピースが吸音材からなる1枚のシー
トの片面に前記下面を前記片面に向けて前記切り欠きに
吸音材の一部が充填されるようにして敷きつめられて接
合される工程(以下、A工程と記す)、および、前記吸
音材からなるシートのもう片面に前記クッション材から
なるシートが接合される工程(以下、B工程と記す)は
いずれを先に行ってもよい。
A工程は、例えば、複数個の木質ピースを接着剤で、吸
音材からなるシートの片面に敷きつめるようにして接着
接合する際に、木質ピースがぴったりと嵌まる凹部、逆
に言うと、切り欠きに充填される凸部を、吸着材からな
るシートの表面に凹凸形成しておき、その凹部に木質ピ
ースをはめ込み、凸部が木質ピースの切り欠きに嵌まり
込むようにすればよい。
また、枠内底部が平らになっている箱状型枠を用い、こ
の型枠内に液状の吸音材を流し込み、その上に複数個の
木質ピースを敷きつめたのち、その液状の吸音材を硬化
させるようにしてもよい。さらに、箱状型枠を用い、こ
の箱状型枠内底部に、表側を奥に向けて複数個の木質ピ
ースを敷きつめた(このとき、液状の吸音材を流し込ん
でも木質ピースの表側にその吸音材が届かないような型
などを用いるのがよい。)のち、液状の吸音材を流し込
み、これを硬化させるものでもよく、その他の方法で行
ってもよい。
A工程を、今述べた1番目,3番目の方法で行うように
すれば、木質ピースが吸音材や接着剤で汚れるといった
ことをなくすことができる。何れにしても、A工程で
は、木質ピースを吸音材からなるシートに良好に接合で
きるとともに、木質ピースの切り欠きに、吸音材の一部
が確実に充填されるような方法を採用すればよい。
B工程は、たとえば、吸音材からなるシートとクッショ
ン材からなるシートとの間に粘着接着剤を介在させ、こ
の粘着接着剤を常温硬化させる方法、その他の方法で行
われる。この発明の防音床材は、この製法以外の方法に
よってつくられたものであってもよい。
この発明の防音床材は、吸音材からなるシートの片面に
木質ピースが敷きつめられ接合されているとともに、吸
音材からなるシートのもう片面にクッション材からなる
シートが接合されているので、木質ピースの表側が面し
ている空間内の音を吸収する効果、すなわち、吸音効果
を有するとともに、この防音床材を通ってその取付部
(床下地)を通って隣り合う空間(階下)に伝わる音
(たとえば、床衝撃音など)を遮る効果、すなわち、遮
音効果を有する。しかも、被取付面が凹凸を有していて
平らでない(「不陸」という)場合でも、クッション材
からなるシートがその凹凸を吸収するので、この防音床
材の表側の面が平らになる。さらに、この発明の防音床
材は、前記の効果に加えて、歩行感が柔らかいという効
果も得られるので、歩きごこちがよく、足音などがあま
り響かず、下の階に衝撃音などがあまり響かない(床衝
撃音のL−55をクリアする)フロアーをつくることが
できる。
前記した材料からなる吸音材は、通常の音を吸収する性
質には優れてはいるが、比較的変形し難いものであり、
衝撃的な音が加わった場合には吸音性能が十分ではない
とともに、被取付面の凹凸に合わせて変形するような機
能はない。また、前記した材料からなるクッション材
は、通常の音に対する吸音性はそれほどないが、変形し
易く内部に空気を保持していることなどから、衝撃音を
吸収したり、被取付面の凹凸に合わせて容易に変形した
りすることができる。このような利点および欠点のある
吸音材とクッション材とを組み合わせることにより、前
記したような優れた作用効果が達成されるのである。
しかも、前記したように、木質ピースに切り欠きを備
え、この切り欠きに吸音材の一部が充填されていること
により、切り欠きに充填された吸音材の弾性的な変形能
力によって、キシミ音の発生を良好に防ぐことができる
ので、使用感に優れた快適な床構造を構成することがで
きる。
つぎに実施例および比較例を示す。
(実施例) 厚み5.5mmの合板と、樹脂により強化され木口模様を
有する化粧単板(厚み0.3mm)とが接合一体化されて
なる正方形の木質ピースを用意した。木質ピースには、
第2図に示すような切り欠きを形成している。枠内底部
が平らになっている箱状型枠を用い、吸音材としてウレ
タンゴムを用いることとし、その型枠内に液状のウレタ
ンゴムを流し込み、その上に用意した木質ピースを表面
が平らになるよう敷きつめたのち、液状のウレタンゴム
を硬化させ、木質ピースがウレタンゴムからなるシート
の片面に敷きつめられて接合されているものを得た。ウ
レタンゴムのシートの厚みは3.2mmであった。これ
の、もう片面に粘着接着剤(大鹿振興(株)のTS−1)
を塗布し、ポリエチレン系樹脂の発泡体からなるシート
(ライオンボード(株)製。厚み3.0mm,発泡倍率5〜
15倍,独立セル構造,ブラウン色の顔料系着色剤を
1.0〜5.0重量%および炭酸カルシウムを含有)を
接合し、粘着接着剤を常温硬化させて接着し、180cm
×180cm×12.0mmの、第1図に示すような防音床
材を得た。
(比較例) 実施例で用いたものと同じ、枠内底部が平らになってい
る箱状型枠を用い、吸音材としてウレタンゴムを用いる
こととし、その型枠内に液状のウレタンゴムを流し込
み、その上に実施例で用いたものと同じ木質ピースを実
施例のときと同様に敷きつめたのち、液状のウレタンゴ
ムを硬化させ、木質ピースがウレタンゴムからなるシー
トの片面に敷きつめられて接合されている防音床材(1
80cm×180cm×9.0mm)を得た。ウレタンゴムの
シートの厚みは3.2mmであった。
実施例および比較例で得た各防音床材を、それぞれ、表
面が同じようにでこぼこしているコンクリートスラブに
貼りつけたところ、実施例の防音床材では、コンクリー
トスラブのでこぼこが吸収されて表面が平らになってい
たが、比較例の防音床材ではコンクリートスラブのでこ
ぼこがあまり吸収されていなくて、表面が平らでなかっ
た。
また、実施例および比較例で得た各防音床材を、それぞ
れ、厚み150mmのコンクリートスラブに貼りつけてJ
IS A 1418に準拠して床衝撃音レベルを測定
し、結果を第4図に示した。また、それぞれの防音床材
を厚み180mmのコンクリートスラブに貼りつけてJI
S A 1418に準拠して床衝撃音レベルを測定し、
結果を第5図に示した。第4図および第5図は、いずれ
も、横軸に測定周波数〔Hz〕を対数目盛りでとり、左の
縦軸に床衝撃音レベル〔dB〕を等間隔目盛りでとってい
る。いずれもAが実施例、Bが比較例である。
第4図にみるように、コンクリートスラブの厚みが15
0mmと薄くても実施例のものは遮音等級L−65である
のに対し、比較例のものは等級外と悪い。第5図にみる
ように、コンクリートスラブの厚みが180mmと厚くな
ると、実施例のものでは、遮音等級L−55であるのに
対し、比較例のものはL−65と悪い。
床衝撃音レベルの測定に用いた各防音床材の上を歩いて
みたところ、実施例のものは、柔らかな歩行感を感じた
のに、比較例ものは、硬い歩行感を感じた。
さらに、木質ピースに切り欠きを形成しないものを用意
して、実施例と同様にして、防音床材を製造し、その上
を歩いてみたところ、耳障りなキシミ音が発生した。実
施例の場合には、このような耳障りなキシミ音は発生し
なかった。
〔発明の効果〕
この発明にかかる防音床材は、以上に述べた通りの構成
であるがため、下記の効果(1)〜(4)を一挙同時に達成す
ることが出来、有用性が非常に顕著である。
効果(1) 吸音効果に優れ衝撃音の透過損失が大きくて
遮音効果が顕著である。
これは、前記構成を備えた吸音材からなる1枚のシート
の片面に複数個の木質ピースが敷きつめられて接合さ
れ、もう片面には前記構成を備えたクッション材からな
るシートが接合されていて、吸音材およびクッション材
の組み合わせにより、衝撃音その他の音が十分に吸収さ
れるからである。
効果(2) 床下地への対応性が非常に顕著である。
これは、クッション材からなるシートが床下地の凹凸を
吸収するので、木質ピースの表面で構成される床表面
は、平らになるからである。
効果(3) 運搬・保管や施工が容易である。
これは、複数個の木質ピースが吸音材からなる1枚のシ
ートで一体化されていて、まとめて運搬・保管および施
工などの取扱いが行えるからである。木質ピースをばら
ばらの状態で取り扱うと、木質ピース同士が衝突したり
擦れ合ったりして、傷がついたり角が欠けたりする心配
があるが、1枚のシートに一体化されていれば、このよ
うな問題は生じ難い。
効果(4) 木質ピースの隣接部分でのキシミ音の発生が
抑制される。
これは、木質ピース同士の端面の間の切り欠きに、吸音
材の一部が充填されていることで、木質ピースの端面同
士が衝撃的に接触することを防ぎ、キシミ音の原因とな
る衝撃エネルギーを良好に吸収できるからである。
しかも、この発明では、予め複数個の木質ピースを吸音
材からなる1枚のシートで一体化しておくので、木質ピ
ースの切り欠きに吸音材の一部をぴったりと充填した状
態に施工するのも容易である。すなわち、現場施工で、
個々の木質ピースを吸音材からなるシートに接合する
と、木質ピースの切り欠きに吸音材の一部をぴったりと
充填して接合するのに手間がかかるとともに、作業のば
らつきによって、切り欠きと吸音材の間に隙間があいた
りして、キシミ音の防止効果が低下してしまうおそれが
ある。しかし、工場などで、木質ピースの切り欠きに吸
音材の一部を充填して接合するのであれば、十分な作業
管理が可能であり、また、液状の吸音材を成形すると同
時に木質ピースの切り欠きに充填する方法なども採用で
きるので、木質ピースの切り欠きに吸音材が確実に充填
され、キシミ音の防止効果を良好に発揮できるのであ
る。
この発明の防音床材の製法は、勿論、上記効果(1)〜(4)
を一挙同時に奏する有用性が顕著な防音床材を得ること
が出来るという効果を奏する。
特に、前記したA工程で、複数個の木質ピースを吸音材
からなる1枚のシートで一体化しておけば、木質ピース
の切り欠きに吸音材の一部を確実かつ能率的に充填する
ことが可能になり、前記したキシミ音の抑制などの優れ
た性能を有する防音床材を、能率的に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の防音床材の1実施例をあらわす斜
視図、第2図はその一部分の断面図、第3図は従来例の
一部分をあらわす断面図、第4図および第5図は、それ
ぞれ、床衝撃音レベルの周波数特性をあらわすグラフで
ある。 1……防音床材、2……木質ピース、3……吸音材から
なるシート、4……クッション材からなるシート

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟質ゴムまたは軟質プラスチックスで形成
    された厚み3.0〜20.0mmの吸音材からなる1枚の
    シートの片面に複数個の木質ピースが敷きつめられて接
    合され、もう片面には、発泡倍率5〜15倍の発泡体で
    形成された厚み2.0〜5.0mmのクッション材からな
    るシートが接合されてなるとともに、前記木質ピースの
    吸音材接合側である下面の端縁には切り欠きが設けられ
    ていて、この切り欠きに前記吸音材の一部が充填されて
    いる防音床材。
  2. 【請求項2】発泡体が独立セル構造のものである特許請
    求の範囲第1項記載の防音床材。
  3. 【請求項3】発泡体が顔料系着色剤を含んでいる特許請
    求の範囲第1項または第2項記載の防音床材。
  4. 【請求項4】木質ピースが、合板からなる基板の表面に
    化粧単板を接合一体化したものである特許請求の範囲第
    1項ないし第3項のいずれかに記載の防音床材。
  5. 【請求項5】化粧単板が木口模様を有するものである特
    許請求の範囲第4項記載の防音床材。
  6. 【請求項6】木質ピースが強化木材からなる特許請求の
    範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載の防音床材。
  7. 【請求項7】木質ピースの厚みが1.0〜20.0mmで
    ある特許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかに記
    載の防音床材。
  8. 【請求項8】木質ピース同士の間隔が0.5mm以上であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第7項のいずれかに記載
    の防音床材。
  9. 【請求項9】軟質ゴムまたは軟質プラスチックスで形成
    された厚み3.0〜20.0mmの吸音材からなる1枚の
    シートの片面に複数個の木質ピースが敷きつめられて接
    合され、もう片面には、発泡倍率5〜15倍の発泡体で
    形成された厚み2.0〜5.0mmのクッション材からな
    るシートが接合されてなるとともに、前記木質ピースの
    吸音材接合側である下面の端縁には切り欠きが設けられ
    ていて、この切り欠きに前記吸音材の一部が充填されて
    いる防音床材の製造方法であって、前記木質ピースとし
    て、吸音材接合側である下面の端縁に切り欠きが設けら
    れている木質ピースを用い、複数個の木質ピースが吸音
    材からなる1枚のシートの片面に前記下面を前記片面に
    向けて前記切り欠きに前記吸音材の一部が充填されるよ
    うにして敷きつめられて接合される工程、および、前記
    吸音材からなるシートのもう片面に前記クッション材か
    らなるシートが接合される工程を備えた防音床材の製
    法。
  10. 【請求項10】クッション材からなるシートが吸音材か
    らなるシートのもう片面に接合される工程が、前記吸音
    材からなるシートと前記クッション材からなるシートと
    の間に粘着接着剤を介在させ、粘着接着剤を常温硬化さ
    せることにより行われる特許請求の範囲第9項記載の防
    音床材の製法。
  11. 【請求項11】複数個の木質ピースが吸音材からなる1
    枚のシートの片面に下面を前記片面に向けて前記切り欠
    きに前記吸音材の一部が充填されるようにして敷きつめ
    られて接合される工程が、枠内底部が平らになっている
    箱状型枠を用い、この型枠内に液状の吸音材を流し込
    み、その上に複数個の木質ピースを敷きつめたのち、前
    記液状の吸音材を硬化させることにより行われる特許請
    求の範囲第9項または第10項記載の防音床材の製法。
  12. 【請求項12】複数個の木質ピースが吸音材からなる1
    枚のシートの片面に下面を前記片面に向けて前記切り欠
    きに前記吸音材の一部が充填されるようにして敷きつめ
    られて接合される工程が、箱状型枠を用い、この箱状型
    枠内底部に、表側を奥に向けて複数個の木質ピースを敷
    きつめたのち、液状の吸音材を流し込み、これを硬化さ
    せることにより行われる特許請求の範囲第9項または第
    10項記載の防音床材の製法。
  13. 【請求項13】発泡体が独立セル構造のものである特許
    請求の範囲第9項ないし第12項のいずれかに記載の防
    音床材の製法。
  14. 【請求項14】発泡体が顔料系着色剤を含んでいる特許
    請求の範囲第9項ないし第13項のいずれかに記載の防
    音床材の製法。
  15. 【請求項15】木質ピースが、合板からなる基板の表面
    に化粧単板を接合一体化したものである特許請求の範囲
    第9項ないし第14項のいずれかに記載の防音床材の製
    法。
  16. 【請求項16】化粧単板が木口模様を有するものである
    特許請求の範囲第15項記載の防音床材の製法。
  17. 【請求項17】木質ピースが強化木材からなる特許請求
    の範囲第9項ないし第16項のいずれかに記載の防音床
    材の製法。
  18. 【請求項18】木質ピースの厚みが1.0〜20.0mm
    である特許請求の範囲第9項ないし第17項のいずれか
    に記載の防音床材。
  19. 【請求項19】木質ピース同士の間隔が0.5mm以上で
    ある特許請求の範囲第9項ないし第18項のいずれかに
    記載の防音床材の製法。
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