JP4245115B2 - 回路基板の実装状態表示方法、その装置、記録媒体、及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板の実装状態表示方法及びその装置に関し、より特定的には、実装装置を用いた回路基板上への電子部品等の実装の前や、検査装置を用いた回路基板の部品実装状態の検査の前に、設計された回路基板の部品実装状態を3次元で仮想的に表示させる方法及び当該方法を用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回路基板の製作においては、電子部品実装装置を動作させるための実装データに問題がないか、すなわち、間違った実装がされていないか、実装動作に非効率的な部分がないか、実装品質は確保されているか等を確認するために、設計された回路基板を実際に試作して、実物基板でこれらの問題の有無を確認することが主流であった。
これに対し、回路基板の実装状態をコンピュータ等の画面上で仮想的に表示させて、実物基板を試作せずに問題の有無を確認する方法が、今までにも種々考案されている。ところが、これらの方法とは、回路基板の実装状態を2次元平面で表現するものである。図23(b)及び(d)に、2次元表現された回路基板の一例を示す。この表現の場合、部品が平面図形でしか表示できないため、図23(a)のように部品の上部形状が異なっていても、同図(b)のように同一の平面図形で表示されてしまう。また、図23(c)のように部品の高さが異なっていても、同図(d)のように同一の平面図形で表示されてしまう。従って、詳細な部品の形状区分や高さ方向に関する実装制約条件のチェック等が不可能であり、十分な検討を行うことができないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そもそも、近年の実装装置では、電子部品の高精度画像認識等の必要性から、実装装置を動作させるための実装データ中には、実装回路基板を3次元立体として表示させるのに必要な項目が含まれていることが多い。しかし、3次元立体として表示させる場合には、部品が他の部品に隠れる部分等が出るため、表示図形の回転や拡大・縮小等の様々な処理を必要とする。ところが、この処理を行うためには、機構系のCADシステムのような大規模なソフトウェアとハードウェアが必要となり、実用的でなかった。
しかしながら近年、コンピュータ技術の発展により、一般的に普及しているパーソナルコンピュータのハードウェアで、上述した実装回路基板を3次元立体で表示処理させることが容易になってきている。
【0004】
それ故、本発明の目的は、回路基板の実装状態を3次元立体として表示させた上で、使用する実装装置や検査装置の動作条件を、各条件の制限範囲や動作順序として3次元図形で同時に表示させることによって、試作した実物基板を用いることなく仮想的かつ確実に実装データや検査データの確認及び検討を行うことができ、回路基板の設計がより短期間かつ低コストで実現可能な回路基板の実装状態表示方法及びその装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示方法であって、
実装装置で使用されるデータとして、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込むステップと、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、実装装置毎に読み込むステップと、
電子部品の実装状態を検査する1つ又は複数の検査装置の動作条件情報を読み込むステップと、
読み込まれた回路基板データ、設備動作データ、及び動作条件情報を記憶するステップと、
記憶された回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するステップと、
選択された回路基板データについて、記憶された設備動作データから吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、各部品を回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップと、
回路基板データの実装位置情報を検査位置情報として用い、各検査装置への部品振り分け状態、部品検査順序、設備動作干渉範囲を3次元図形として表示するための3次元図形データを作成するステップと、
2つの作成するステップで作成された3次元図形データを表示するステップとを備える。
【0006】
上記のように、第1の発明によれば、入力された実装データ(回路基板データ及び設備動作データ)に基づいて部品実装される回路基板の実装状態を、使用する実装装置の動作条件と共に、3次元立体図形で表示する。これにより、実装データの確認を、試作による実物基板を用いずに仮想的に、かつ、より確実に検討することができる。また、試作の手間を削減することで、電子部品実装をより短期間かつ低コストで行うことができるようになる。さらに、複数の実装装置によって部品実装される場合であっても、本発明の方法を適用させることができる。また、部品実装された回路基板の検査状態を使用する検査装置の動作条件と共に、3次元立体図形で表示することが可能となる。これにより、検査不具合の確認を、試作による実物基板を用いずに仮想的に、かつ、より確実に検討することができる。
【0007】
第2の発明は、1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示方法であって、
実装装置で使用されるデータとして、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込むステップと、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の前記実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、実装装置毎に読み込むステップと、
読み込まれた回路基板データ及び設備動作データを記憶するステップと、
記憶された回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するステップと、
選択された回路基板データについて、記憶された設備動作データから吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、各部品を回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップと、
作成された3次元図形データを表示するステップとを備え、
記憶された回路基板データ又は設備動作データについて、部品の変更、実装位置の変更、吸着ノズルの種類や下降位置等の変更を行って記憶し直すステップと、
変更された回路基板データ又は設備動作データを記憶し直す際に、回路基板データについては回路基板データの名称とデータ記憶時の時刻を、設備動作データについては当該設備動作データのデータ記憶時の時刻を履歴として保存するステップと、
変更後のデータから作成された3次元図形データを表示させる場合、変更前の3次元図形データの元になった回路基板データの名称により変更前の3次元図形データを検索し、変更後の3次元図形データと変更前の3次元図形データとを、データ変更による実装状態の相違を示せるように並列的又は重複的に表示するステップと、
変更後の3次元図形データを保存すると共に、記憶時の時刻との関連を履歴として保存するステップとをさらに備える。
【0008】
上記のように、第2の発明によれば、入力された実装データ(回路基板データ及び設備動作データ)に基づいて部品実装される回路基板の実装状態を、使用する実装装置の動作条件と共に、3次元立体図形で表示する。これにより、実装データの確認を、試作による実物基板を用いずに仮想的に、かつ、より確実に検討することができる。また、試作の手間を削減することで、電子部品実装をより短期間かつ低コストで行うことができるようになる。さらに、複数の実装装置によって部品実装される場合であっても、本発明の方法を適用させることができる。また、実装データの変更内容を再び3次元立体図形で表示確認できるようにすることで、より迅速かつ正確に実装データの修正確認を行うことができる。
【0009】
第3の発明は、第1の発明及び第2の発明に従属する発明であって、
回路基板の外形及び各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップは、部品実装後の部品位置、各実装装置への部品振り分け状態、部品実装順序、及び吸着ノズルでの部品装着状態を3次元図形で表示させる3次元図形データを作成することを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、第1〜第3の発明に従属する発明であって、
前記作成された前記3次元図形データを表示するステップは、部品の実装順序に従って、実装動作状態を動画によって連続表示することを特徴とする。
【0011】
上記のように、第3及び第4の発明は、典型的な情報や表示方法を示したものである。このような情報や表示方法を用いて回路基板の実装状態を表示することにより、より迅速かつ正確に実装データの確認を行うことができる。
【0012】
第5の発明は、第1〜第4の発明に従属する発明であって、
回路基板の外形及び各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップは、回路基板データで指定された位置に部品が実装されない場合、その原因や箇所を示せるエラー状態3次元図形データを作成し、
前記作成された前記3次元図形データを表示するステップは、3次元図形データと同時にエラー状態3次元図形データを表示することを特徴とする。
【0013】
上記のように、第5の発明によれば、実装データの不具合個所を事前にチェックし、同時に表示できるので、実際に実装を実行する前に修正すべき箇所を容易に判別して修正を行うことができる。
【0014】
第6の発明は、1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示装置であって、
実装装置で使用されるデータである、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込む回路基板データ入力部と、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、実装装置毎に読み込み、電子部品の実装状態を検査する1つ又は複数の検査装置の動作条件情報を読み込む設備動作データ入力部と、
読み込まれた回路基板データを記憶する回路基板データ記憶部と、
読み込まれた設備動作データ及び動作条件情報を記憶する設備動作データ記憶部と、
記憶された回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するデータ選択部と、
選択された回路基板データについて、記憶された設備動作データから吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、各部品を回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するデータ作成部と、
データ作成部によって作成された3次元図形データを表示するデータ表示部とを備え、
データ作成部は、回路基板データの実装位置情報を検査位置情報として用い、各前記検査装置への部品振り分け状態、部品検査順序、設備動作干渉範囲を3次元図形として表示するための3次元図形データをさらに作成することを特徴とする。
【0015】
上記のように、第6の発明によれば、入力された実装データ(回路基板データ及び設備動作データ)に基づいて部品実装される回路基板の実装状態を、使用する実装装置の動作条件と共に、3次元立体図形で表示する。これにより、実装データの確認を、試作による実物基板を用いずに仮想的に、かつ、より確実に検討することができる。また、試作の手間を削減することで、電子部品実装をより短期間かつ低コストで行うことができるようになる。さらに、複数の実装装置によって部品実装される場合であっても、本発明の方法を適用させることができる。また、部品実装された回路基板の検査状態を使用する検査装置の動作条件と共に、3次元立体図形で表示することが可能となる。これにより、検査不具合の確認を、試作による実物基板を用いずに仮想的に、かつ、より確実に検討することができる。
【0016】
第7の発明は、1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示装置であって、
前記実装装置で使用されるデータである、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込む回路基板データ入力部と、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の前記実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、前記実装装置毎に読み込む設備動作データ入力部と、
読み込まれた前記回路基板データを記憶する回路基板データ記憶部と、
読み込まれた前記設備動作データを記憶する設備動作データ記憶部と、
記憶された前記回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するデータ選択部と、
前記選択された回路基板データについて、記憶された前記設備動作データから前記吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、前記各部品を前記回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するデータ作成部と、
作成された前記3次元図形データを表示するデータ表示部と、
記憶された前記回路基板データ又は前記設備動作データについて、部品の変更、実装位置の変更、吸着ノズルの種類や下降位置等の変更を行って前記回路基板データ記憶部と前記設備動作データ記憶部に記憶し直す回路基板データ編集部及び設備動作データ編集部と、
変更された前記回路基板データ又は前記設備動作データを記憶し直す際に、前記回路基板データについては当該回路基板データの名称とデータ記憶時の時刻を、前記設備動作データについては当該設備動作データのデータ記憶時の時刻を履歴として保存するデータ履歴管理部と、を備え、
前記データ表示部は、変更後のデータから作成された前記3次元図形データを表示させる場合、変更前の前記3次元図形データの元になった前記回路基板データの名称により変更前の前記3次元図形データを検索し、当該変更後の3次元図形データと当該変更前の3次元図形データとを、データ変更による実装状態の相違を示せるように並列的又は重複的に表示するものであり、
前記データ履歴管理部は、前記変更後の3次元図形データと前記記憶時の時刻との関連を履歴として保存し、
前記変更後の3次元図形データを保存するデータ保存部をさらに備える。
【0017】
上記のように、第7の発明によれば、入力された実装データ(回路基板データ及び設備動作データ)に基づいて部品実装される回路基板の実装状態を、使用する実装装置の動作条件と共に、3次元立体図形で表示する。これにより、実装データの確認を、試作による実物基板を用いずに仮想的に、かつ、より確実に検討することができる。また、試作の手間を削減することで、電子部品実装をより短期間かつ低コストで行うことができるようになる。さらに、複数の実装装置によって部品実装される場合であっても、本発明の方法を適用させることができる。また、実装データの変更内容を再び3次元立体図形で表示確認できるようにすることで、より迅速かつ正確に実装データの修正確認を行うことができる。
【0018】
第8の発明は、1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示方法が、コンピュータ装置上で実行可能なプログラムとして記録された媒体であって、
実装装置で使用されるデータとして、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込むステップと、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、実装装置毎に読み込むステップと、
電子部品の実装状態を検査する1つ又は複数の検査装置の動作条件情報を読み込むステップと、
読み込まれた回路基板データ、設備動作データ、及び動作条件情報を記憶するステップと、
記憶された回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するステップと、
選択された回路基板データについて、記憶された設備動作データから吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、各部品を回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップと、
回路基板データの実装位置情報を検査位置情報として用い、各検査装置への部品振り分け状態、部品検査順序、設備動作干渉範囲を3次元図形として表示するための3次元図形データを作成するステップと、
2つの作成するステップで作成された3次元図形データを表示するステップとを、少なくとも実行させるためのプログラムを記録する。
【0029】
第9の発明は、1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示方法を、コンピュータ装置で実行させるためのプログラムであって、
実装装置で使用されるデータとして、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込むステップと、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、実装装置毎に読み込むステップと、
電子部品の実装状態を検査する1つ又は複数の検査装置の動作条件情報を読み込むステップと、
読み込まれた回路基板データ、設備動作データ、及び動作条件情報を記憶するステップと、
記憶された回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するステップと、
選択された回路基板データについて、記憶された設備動作データから吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、各部品を回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップと、
回路基板データの実装位置情報を検査位置情報として用い、各検査装置への部品振り分け状態、部品検査順序、設備動作干渉範囲を3次元図形として表示するための3次元図形データを作成するステップと、
2つの作成するステップで作成された3次元図形データを表示するステップとをコンピュータ装置に実行させる。
【0043】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法を用いた装置の構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態に係る回路基板の実装状態表示装置は、回路基板データ入力部1と、設備動作データ入力部2と、回路基板データ記憶部3と、設備動作データ記憶部4と、データ選択部5と、3次元図形データ作成部6と、データ表示部7とを備える。
まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る回路基板の実装状態表示装置の各構成の概要を説明する。
【0044】
回路基板データ入力部1には、他の装置(図示せず)で作成された回路基板に関するデータ、例えば各部品の実装位置や形状情報、及び回路基板の形状情報等が入力される。一方、設備動作データ入力部2には、他の装置で作成された設備動作に関するデータ、例えば使用する吸着ノズルの種類や下降位置、及び部品装着可能範囲等の実装装置の動作条件情報等が入力される。これらデータは、実装装置から取得してもよいし、実装装置のNCデータを作成するCAMシステムから取得してもよいし、また手入力で作成されたデータでもよい。いずれにしても、入力された各データを用いて、使用する実装装置で部品が実装された結果を3次元図形で表示することで、部品が正しく実装されるか否かを検証することになる。こうして入力された回路基板データは、回路基板毎に、回路基板データ記憶部3に記憶される。また、設備動作データは、設備毎及び部品毎に、設備動作データ記憶部4に記憶される。
データ選択部5は、別途与えられる指示に従って、複数の回路基板データが記憶されている回路基板データ記憶部3から、3次元表示したい回路基板データを選択して取得する。さらに、データ選択部5は、設備動作データ記憶部4に記憶されている設備動作データから、取得した回路基板データで使用されている部品の設備動作データを、検索して取得する。
3次元図形データ作成部6は、データ選択部5で取得された各データに基づいて、回路基板の実装後の状態を算出し、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成する。また、3次元図形データ作成部6は、実装装置の動作を示せるように、部品振り分け状態及び部品実装順序を色や補助線で区分できる3次元図形データや、吸着ノズルによる部品装着状態等を表示できる3次元図形データも作成する。
データ表示部7は、3次元図形データ作成部6で作成された3次元図形データを表示する。なお、このデータ表示部7では、3次元で立体表現された図形の内容を漏れなく確認できるように、図形の回転や拡大・縮小等の処理が可能である。
【0045】
次に、図2〜図7をさらに参照して、上記構成による実装状態表示装置で行われる回路基板の実装状態表示方法を、具体例を挙げて説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法の手順を示すフローチャートである。
まず、回路基板データ入力部1には、他の装置で作成された回路基板データが入力される(ステップS201)。この回路基板データの一例を図3に示す。図3に示すように、回路基板データは、回路番号、部品名称、及び実装位置(XY座標)等を示す実装位置情報リスト31、使用される基板の名称や寸法(縦横寸法)等を示す回路基板形状情報リスト32、部品名称と部品形状コードとの関連を示す対応リスト33、及び部品形状コード別の実際の部品各部の寸法値を示す部品形状情報リスト34等で構成される。なお、実装部品には、外形形状が同一で抵抗値等の内部機能値が異なるものが多いので、部品形状は、部品形状コードを付与した部品形状情報リスト34で管理し、対応リスト33で部品名称毎の部品形状コードを定義している。また、この例では基板を直方体形状に近似しているが、より実際の形状に近づけるためには、別途可変長のデータで定義してもよい。この可変長データは、どのような表現方法を用いて表されても構わないが、例えばガーバフォーマットを用いて表されるのが一般的である。
この入力された回路基板データは、装置内の回路基板データ記憶部3で一旦保存される(ステップS202)。このとき、通常、入力された回路基板データは、その形式のままで回路基板データ記憶部3に保存されるが、入力される回路基板データが複数の形式に分かれているときは、以降の処理を簡便化するために、回路基板データの形式を所定の統一形式に変換させて保存しておいてもよい。
【0046】
次に、保存された回路基板データに対し、新規部品が存在しているかどうかがチェックされる(ステップS203)。もし、以前に使用した部品であれば、すでにその部品の設備動作データを記憶しているので、改めて読み込む必要がないためである。新規の部品がある場合は、設備動作データ入力部2には、他の装置で作成された設備動作データが入力される(ステップS204)。この設備動作データの一例を図4に示す。図4に示すように、設備動作データは、部品名称と部品動作コードとの関連を示す対応リスト41、使用する吸着ノズルの種類や移動速度、吸着ノズルの下降位置等の部品動作コード別動作条件情報リスト42、及び設備固有で各部品に共通な基板上の実装不可範囲やノズル種類別サイズ等の共通動作条件情報リスト43で構成される。部品形状の場合と同様に、同一条件で定義できるものが多いため、部品動作コードを付与して、部品動作コード別動作条件情報リスト42で管理し、対応リスト41で部品名称毎の部品動作コードを定義している。また、部品に共通な共通動作条件情報リスト43は、一度読み込むと通常は変更する必要がないため、2回目以降の設備動作データの読み込み時には、読み込みを省略してもよい。
【0047】
回路基板データは、回路基板名毎にデータ名が異なって存在するのに対し、設備動作データは、回路基板に共通な情報なので、1つのまとまったデータしかなく、特にデータ名は付加されない。実際、設備動作データをファイルで管理する場合は、設備動作データに追加入力があるときに、設備動作データ記憶部4においてファイルに追加登録されることになる。
入力された設備動作データは、装置内の設備動作データ記憶部4で一旦保存される(ステップS205)。このとき、通常、入力された設備動作データは、その形式のままで設備動作データ記憶部4に保存されるが、入力される設備動作データが複数の形式に分かれているときは、以降の処理を簡便化するために、設備動作データの形式を所定の統一形式に変換させて保存しておいてもよい。
【0048】
次に、回路基板データ記憶部3に保存されている回路基板データの中から、3次元表示を行いたい回路基板が選択される(ステップS206)。この選択は、例えば図5に示す回路基板データのリスト51を用いて、入力時の回路基板データ名からいずれかの回路基板が選択されることで行われる。ここでは、回路基板データ「BRD0011」が選択されたものとする。そして、選択された回路基板データの内容が読み込まれ、そのデータ内で使用されている部品について、部品名称をキーとして設備動作データ記憶部4に保存されている設備動作データから動作条件情報が取得される(ステップS207)。例えば、図3及び図4から回路基板データ「BRD0011」で使用されている部品名称「ERJ3EYG10」について、回路基板データとして、部品形状、すなわち縦寸法「1.6mm」や横寸法「0.8mm」等が、設備動作データとして、吸着ノズル「S」やノズル下降位置「0.5mm」等が取得される。
そして、選択されたこれらのデータに基づいて部品実装された回路基板イメージが求められ、このイメージを3次元で画面表示させるための3次元図形データが作成される(ステップS208)。図6は、このステップS208で、3次元図形データ作成部6が行う処理を詳細に示すフローチャートである。
【0049】
図6を参照して、3次元図形データ作成部6は、部品の実装順序を示すカウンタを用いて、回路基板上に部品が実際に実装される順序で以下の処理を行う(ステップS601,S608,S609)。
3次元図形データ作成部6は、カウンタが示す処理の対象となる部品(以下、対象部品と記す)について、実装位置や形状等の回路基板データと、使用ノズルやノズル下降位置等の設備動作データとを取得する(ステップS602)。次に、3次元図形データ作成部6は、その対象部品が、回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断する(ステップS603)。判断基準としては、ノズル選択ミスのチェックや、ノズル下降位置と基板上面のギャップのチェック、指定位置周辺の干渉物の有無等がある。このステップS603において、対象部品が実装可能と判断した場合、3次元図形データ作成部6は、回路基板データで指定された位置に対象部品の外形形状を3次元表現で配置させるための3次元図形データを作成する(ステップS604)。例えば、図3に示す回路基板データ「BRD0011」において、最初の部品「R101」は、問題なく実装可能であるので、そのまま指定された位置に実装される(図7(a))。
【0050】
一方、ステップS603において、対象部品が実装不可能と判断した場合、3次元図形データ作成部6は、すでに実装済みの部品の影響(干渉等)によって、対象部品が回路基板データで指定された位置以外に実装されてしまうかを判断する(ステップS605)。例えば、図3に示す回路基板データ「BRD0011」において、2番目の部品「R102」は、実装位置が部品「R101」と同じ(誤ったデータ)になってしまっているため、XY座標は指定された位置であっても、基板平面上の位置には実装できない。このような場合、3次元図形データ作成部6は、すでに実装済みの部品の影響によって変化するであろう実装位置を予測し、予測した位置に対象部品の外形形状を3次元表現で配置させるための3次元図形データを作成する(ステップS606)。従って、部品「R102」については、部品「R101」の上に重ねて実装されるイメージとなる(図7(b))。なお、干渉によって対象部品のみならず、すでに実装済みの部品位置が変化するような場合には、3次元図形データ作成部6は、この部品の3次元図形データを作成し直すことを行う(ステップS606)。
【0051】
上記ステップS605において対象部品が回路基板データで指定された位置以外にも実装されないと判断した場合、3次元図形データ作成部6は、この対象部品を実装したイメージの3次元図形データは作成しない(ステップS607)。例えば、図3に示す回路基板データ「BRD0011」において、3番目の部品「C101」について算出した実装位置が、回路基板面より距離72の分だけノズル下降距離が不足しているとする(図7(c))。この場合、部品「C101」は、他の位置にも実装できないこととなり、3次元図形データが作成されない。従って、イメージは図7(b)と同じになる。
【0052】
このようにして作成された3次元図形データが、データ表示部7で表示される(ステップS209)。回路基板データ「BRD0011」を3次元表示したイメージは、図7(d)のようになる。なお、3次元図形データの形式は、データ表示部7に合わせて決めればよいが、標準的なデータ形式として、VRML、STL等があり、これらの形式を適用することにより、データ表示部7の処理を市販のツールで流用することも可能になる。また、データ表示部7では、仮想的に実装結果の検討を行うために、3次元図形イメージの視点を変えた表示や、拡大・縮小などの機能がより有効になる。
なお、この例では、部品形状情報リスト34にリードに関連する情報があるので、リード形状も表示しているが、リード情報のない環境においては、部品高さ情報のみに基づいて各部品を直方体に近似してもよい。
【0053】
さて次に、1枚の回路基板上の部品が複数の実装装置によって分担して実装されるライン(以下、多装置ラインという)において製作される回路基板を、3次元図形データで表示する場合を考える。この場合、回路基板データ入力部1に入力される回路基板データ及び設備動作データ入力部2に入力される設備動作データが、上記図3及び図4で説明したデータと少し異なる。以下、図8及び図9を参照してそれを説明する。
【0054】
図8は、回路基板データ入力部1に入力される回路基板データの他の一例を示す図である。図8に示すように、多装置ラインに用いられる回路基板データの実装位置情報リスト81には、上記図3の回路基板データの実装位置情報リスト31に、部品がどの実装装置で実装されるのかという情報がさらに付加されている。従って、部品の実装順序も装置毎に決められている。それ以外の情報は、図3の回路基板データ(実装装置が1台の場合)と同じである。
一方、図9は、設備動作データ入力部2に入力される設備動作データの他の一例を示す図である。図9に示すように、多装置ラインに用いられる設備動作データでは、部品動作コードが部品名称と実装装置名との組み合わせで対応リスト91のように決められている。使用する吸着ノズルの種類や移動速度、吸着ノズルの下降位置等の部品動作コード別動作条件情報リスト92も実装装置別となる。また、各部品に共通な基板上の実装不可範囲やノズル種類別サイズ等の共通動作条件情報リスト93も実装装置別で構成される。さらに、実装ライン上での各実装装置の順番を定義したライン構成情報リスト94が新たに付加される。
【0055】
図8及び図9の例においては、例えば、実装位置情報リスト81から、部品「ERJ3EYG10」が実装装置「MH1」で実装されることがわかる。そこで、データ選択部5は、設備動作データより対応リスト91から、この組み合わせである部品動作コード「M1608R」を取得する。次に、データ選択部5は、この部品動作コードを元に、詳細な設備動作条件を取得する。また、部品共通の条件は、実装装置「MH1」をキーに、共通動作条件情報リスト93から取得できる。次に、3次元図形データ作成部6では、データ選択部5で取得された各データに基づいて、回路基板の実装後の状態を算出し、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成する。このとき、作成する順番は、ライン構成情報リスト94の実装装置順で、さらに各実装装置内の部品実装順序となる。図8及び図9においては、「ERJ3EYG10」、「ERJ3EYG20」、「ECJ4EYD10」及び「TRD3GEY」の順に実装されることになる。最後に、データ表示部7が、3次元図形データ作成部6で作成された3次元図形データを表示する。
これにより、複数台の実装装置を備える多装置ラインの場合でも、1台の場合と同様の結果を得ることができる。
【0056】
最後に、本発明の実装状態表示方法を用いて実現される3次元図形表示を、具体例を挙げて説明する。
まず、本発明の方法では、部品の実装順序を表示することが可能となる。例えば図10(a)に示すように、実装の順番を矢印線で結んで表示する。このような表示を行うことにより、部品101から部品102の順で基板に実装されることがわかる。実装順序は、実装位置情報リスト31を見ても、間違いがわかりくい。また、試作後の実物基板では、当然、実装順序は表示されていないので、それを確認するためには試打ち中に設備の動作を監視する必要があった。従って、このような表示を行うことで、その順序が明確になる。さらに、従来の2次元表示と違い、3次元表示にすることによって、上方向から見ると同じ表面積の部品でも、部品の形状の違いを確実に区分できる。
一方、本発明の方法では、図7(a)〜(d)で示す画面を連続して表示することによっても、部品の実装順序を表示することができる。このような表示を行うことにより、どの部品で実装順序に問題が生じているかをよりわかりやすく表現できる。例えば、図7の場合、同図(b)で部品「R102」が部品「R101」の上に実装されてしまうことが発生しているため、この実装の時点で問題が生じていることがわかる。実際には、実装位置情報リスト81上で、同じ実装座標に実装指示を出しており、実装位置が間違っていたことがわかる。しかし、部品「C101」については、図7(d)上では実装されていないが、この時点の表示だけでは部品「C101」の実装時に問題があったのか、それとも以降の他の部品の実装動作によって、跳ね飛ばされたのかがわからない。従って、このような表示を行うことにより、図7(c)に示すように、部品「C101」を実装する時点で、ノズル下降量の不足から、部品「C101」の実装そのものが不成功であったことが容易にわかる。
なお、多装置ラインにおいてこの実装順序表示を行う場合、ライン先頭の1番目の実装装置から順に、各実装装置の分を連続して表示すればよい。
【0057】
また、本発明の方法では、吸着ノズルによる部品の装着状態を表示することが可能となる。例えば図10(b)に示すように、基板への実装時にノズル107が部品105のどの位置を吸着しているか、基板に対してどの位置まで下降しているか、他の部品106と干渉していないかといったことを表示できる。コネクタ部品に代表される左右非対称の部品の場合、部品全体の重力バランスや、上面中央部に吸着に適切な平面形状がない等の理由で、ノズルが部品中心を吸着しない場合がある。しかし、このような場合、吸着位置と部品実装位置、すなわち部品中心位置との間には適切なオフセット量の設定が必要になるが、この値の設定が間違いやすい。従って、このような表示を行うことで、吸着場所が適切かどうか、またオフセット量が正確かどうかといったことを、視覚的に理解することができる。
【0058】
また、本発明の方法では、多装置ラインについては、部品の実装装置への振り分け状態を表示することが可能となる。すなわち、上述したように複数の実装装置が存在する場合には、部品がどの実装装置によって実装されるかは、実装位置情報リスト81で与えられる。また、同じ実装装置間でどの順番で実装されるかも、実装位置情報リスト81で与えられる。そこで、これらの情報を利用して、実装装置の割り当て結果を、例えば図10(c)のように、実装状態表示上の部品を色で区分して表示する。このような表示を行うことにより、部品101及び102と、部品103又は部品104とが、別の実装装置に振り分けられることがわかる。
【0059】
さらに、本発明の方法では、部品が基板上に正しく実装されないと判断した場合に、そのエラー内容を同時表示することが可能である。すなわち、上述したように3次元図形データ生成部6で回路基板データ及び設備動作データに基づいて、指定された位置に部品が実装されるかどうかが判断される。従って、この指定位置に実装されないと判断した場合に、その判断の元となった値や制約条件を表す3次元図形データを作成して、合わせて表示すればよい。
例えば、図6のステップS603において、対象部品が回路基板データで指定された位置座標に実装できるかどうかが判断されるときに、まず、どの位置に実装されることになるかを、ノズル選択チェック、ノズル下降位置と基板上面とのギャップ、指定位置周辺の干渉物、及び設備動作可能範囲等に基づいて判断する。このとき、期待される指定位置へ実装できるという結果と異なる結果の場合に、問題が生じたチェック項目について、その項目を3次元表現できる予め定められたエラー図形を作成する。図3及び図4の例では、回路基板データ「BRD0011」において部品「R102」の実装位置が部品「R101」と同じになってしまっているため、XY座標は指定された位置であっても、基板平面上の位置には実装できない。この場合は、図11(a)のように、原因となった干渉物である部品「R101」を色を変えた図形111で表現する。また、部品「C101」については、実装位置を判断した場合、ノズル下降距離不足で実装できないとすると、そのギャップ分を表現する補助線図形112を、図11(b)のように作成する。その他にも、実装可能範囲外の実装位置指示であった場合に、図11(c)のように、その制約条件を示す図形113を表現したり、他の部品114とノズル115とが干渉する場合に、図11(d)のように、ノズル115と部品114とを干渉位置で表示したりする等が考えられる。これは、従来の2次元平面図形表現では、ノズルと部品との区別がつかず分かり難かったが、3次元立体図形表現することにより、その区分もし易くなる。
こうすることで、正しく実装されない場合の原因が素早く把握できるので、より的確に修正対策が行え、修正確認の時間も短縮できる。
【0060】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法及び装置によれば、回路基板の実装状態をコンピュータ等の画面上で3次元立体として表示する。これにより、部品形状が平面図形では区別できない場合でも、十分な区別が可能になる。また、高さ方向に関する実装制約条件のチェックも可能になる。従って、試作した実物基板を用いることなく仮想的かつ確実に実装データの確認及び検討を行うことができ、回路基板の設計がより短期間かつ低コストで実現可能となる。
【0061】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、回路基板の実装状態を表示する方法及び装置を説明した。次に、第2の実施形態では、表示結果を踏まえて回路基板データ及び設備動作データを適宜変更する手法を説明する。
【0062】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法を用いた装置の構成を示すブロック図である。図12において、第2の実施形態に係る回路基板の実装状態表示装置は、回路基板データ入力部1と、設備動作データ入力部2と、回路基板データ記憶部3と、設備動作データ記憶部4と、データ選択部5と、3次元図形データ作成部6と、データ表示部7と、回路基板データ編集部8と、設備動作データ編集部9とを備える。
図12に示すように、第2の実施形態に係る実装状態表示装置は、上記第1の実施形態に係る実装状態表示装置に、回路基板データ編集部8及び設備動作データ編集部9をさらに加えた構成である。以下、この異なる構成部分を中心に第2の実施形態に係る実装状態表示装置を説明する。
【0063】
回路基板データ編集部8は、回路基板データ記憶部3に記憶されている回路基板データを読み込んで内容を編集し、編集した結果を再び書き込んで保存することを行う。同様に、設備動作データ編集部9は、設備動作データ記憶部4で記憶されている設備動作データを読み込んで内容を編集し、編集した結果を再び書き込んで保存することを行う。
【0064】
図13及び図14は、本発明の第2の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法の手順を示すフローチャートである。なお、図13及び図14において、図2と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
回路基板データ記憶部3に回路基板データが記憶され、設備動作データ記憶部4に設備動作データが記憶されると(ステップS201〜S205)、この状態で、データ変更を行うか、3次元図形データを作成するかが選択される(ステップS1301)。
【0065】
データ変更が選択された場合は、回路基板データ又は設備動作データのいずれが変更対象のデータかが選択される(ステップS1302)。変更対象として回路基板データが選択された場合、回路基板データ編集部8は、回路基板データ記憶部3から該当する回路基板データを読み込む(ステップS1303)。そして、回路基板データ編集部8は、ユーザの指示に従ってデータの編集を行い、編集終了後に回路基板データ記憶部3へ当該データを保存する(ステップS1304)。一方、変更対象として設備動作データが選択された場合、設備動作データは回路基板の種類にはよらないので、設備動作データ編集部9は、設備動作データ記憶部4に記憶されている設備動作データ全体を読み込む(ステップS1305)。そして、設備動作データ編集部9は、ユーザの指示に従ってデータの編集を行い、編集終了後に設備動作データ記憶部4へ当該データを保存する(ステップS1306)。ステップS1304又はS1306で編集処理が終了すると、ステップS1301に戻って、データ変更を行うか、3次元図形データを作成するかが再度選択される。
【0066】
3次元図形データの作成が選択された場合は、上述したように、3次元表示を行いたい回路基板について3次元図形データが作成され、データ表示部7で表示される(ステップS206〜S209)。
そして、表示されたイメージを確認してデータ修正すべき不具合箇所がないかどうかを判断し、不具合箇所がない場合には、そのまま処理を終了し、不具合箇所があった場合には、ステップS1301に戻ってデータ変更を再度選択する(ステップS1307)。
【0067】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法及び装置によれば、内部でのデータ編集を可能にして編集毎に実装状態を表示確認できるようにしている。これにより、3次元表示画面上でデータの不具合箇所が発見された場合でも、外部で変更を行ったデータを再度入力し直す必要がなく、修正確認の時間が短縮できる。
【0068】
(第3の実施形態)
上記第2の実施形態では、表示結果を踏まえて回路基板データ及び設備動作データを適宜変更する方法及び装置を説明した。次に、第3の実施形態では、データ変更を行った箇所等、データ変更による影響の確認をより容易に行うために、変更部分の差分表示を行う手法を説明する。
【0069】
図15は、本発明の第3の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法を用いた装置の構成を示すブロック図である。図15において、第3の実施形態に係る回路基板の実装状態表示装置は、回路基板データ入力部1と、設備動作データ入力部2と、回路基板データ記憶部3と、設備動作データ記憶部4と、データ選択部5と、3次元図形データ作成部6と、データ表示部17と、回路基板データ編集部8と、設備動作データ編集部9と、データ履歴管理部10と、データ保存部11とを備える。
図15に示すように、第3の実施形態に係る実装状態表示装置は、上記第2の実施形態に係る実装状態表示装置のデータ表示部7をデータ表示部17に代え、データ履歴管理部10及びデータ保存部11をさらに加えた構成である。以下、この異なる構成部分を中心に第3の実施形態に係る実装状態表示装置を説明する。
【0070】
データ履歴管理部10は、回路基板データ記憶部3に記憶された回路基板データについて、回路基板データ名とその記憶時刻を保存する。同様に、データ履歴管理部10は、設備動作データ記憶部4に記憶された設備動作データについて、その記憶時刻を保存する。なお、設備動作データは、回路基板共通なので、1種類のみのデータが保存されることとなる。
データ表示部17は、3次元図形データ作成部6で作成された3次元図形データを表示する際に、当該3次元図形データの元になった回路基板データ名で、データ履歴管理部10に問い合せを行う。そして、データ表示部17は、問い合わせの結果、その回路基板データで以前に3次元図形データが作成され、かつ、その後に回路基板データ又は設備動作データが編集されていると判断した場合は、以前の3次元図形データを、データ保存部11から読み出し、現在表示中のデータと同時に表示させる。
データ保存部11には、データ表示部17にて表示終了された3次元図形データが、回路基板データ名と関連付けて保存される。
【0071】
図16及び図17は、本発明の第3の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法の手順を示すフローチャートである。なお、図16及び図17において、図2、図13及び図14と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
回路基板データ記憶部3に、入力された回路基板データが記憶されると、この回路基板データの名称と記憶時刻とがデータ履歴管理部10に保存される(ステップS1601)。また、設備動作データ記憶部4に、入力された設備動作データが記憶されると、この設備動作データの記憶時刻がデータ履歴管理部10に保存される(ステップS1602)。
【0072】
図18は、データ履歴管理部10で管理されるデータ履歴管理情報の一例を示す図である。図18において、データ履歴管理情報は、回路基板データ記憶時刻管理表181、設備動作データ記憶時刻管理表182、及び3次元図形データ管理表183からなる。回路基板データの記憶時刻は、回路基板データ記憶時刻管理表181に登録され、設備動作データの記憶時刻は、設備動作データ記憶時刻管理表182に登録される。初期の時点では、図18(a)に示すように、3次元図形データが作成されていないため、3次元図形データ管理表183には、回路基板データに関連する情報は何も登録されていない。
【0073】
データ履歴管理部10への保存が終了すると、次にデータ変更を行うか、3次元図形データを作成するかが選択される(ステップS1301)。ここで、3次元図形データの作成が選択された場合を、まず説明する。この場合、上述したように、3次元表示を行いたい回路基板について3次元図形データが作成され、データ表示部17へ与えられる(ステップS206〜S208)。ここで、データ表示部17は、表示する基板回路について以前の3次元図形データが存在するかどうかを検索し、該当する他の3次元図形データがあれば3次元図形データ管理表183から取得する(ステップS1605)。図18(a)に示す例では、以前のデータが存在しないので、データ表示部17は、作成された3次元図形データのみを画面表示する(ステップS1606、S209)。
そして、データ表示部17は、3次元イメージ画像の表示を終了した時に、今回作成した3次元図形データと同時刻の回路基板データ及び/又は設備動作データを使用した3次元図形データが存在するかどうかを、再度3次元図形データ管理表183で検索する(ステップS1608)。今回は、最初の作成になるので、3次元図形データを、その元となる回路基板データ及び設備動作データの記憶時刻と共に、3次元図形データ管理表183に登録する。ここで、3次元図形データ名は、回路基板データ名に基づいて、回路基板データ名、回路基板データの記憶時刻及び設備動作データの記憶時刻の組み合せで一意に決定されるように自動的に付与される。そして、データ保存部11には、付与された名前で3次元図形データが保存される。
【0074】
次に、上記ステップS1301においてデータ変更が選択された場合を、説明する。変更対象として回路基板データが選択され、データが編集されて回路基板データ記憶部3に記憶されると、ステップS1601で回路基板データ記憶時刻管理表181に保存された記憶時刻が更新される(ステップS1603)。一方、変更対象として設備動作データが選択され、データが編集されて設備動作データ記憶部4に記憶されると、ステップS1602で設備動作データ記憶時刻管理表182に保存された記憶時刻が更新される(ステップS1604)。
例えば、図3に示すデータは、図7(d)に表したように、部品の実装位置が重なってしまうために、回路基板データの実装位置情報が図19のように変更される。従って、この変更結果を記憶したときの時刻によって、図18(b)のように回路基板データ記憶時刻管理表181の記憶時刻が更新される。なお、図3の例では、設備動作データは変更されないので、設備動作データ記憶時刻管理表182には変更はない。
【0075】
そして、この変更結果に基づいて、再度3次元図形データが作成されて画面表示される際には、今度はデータ履歴管理部10の3次元図形データ管理表183に変更前の3次元図形データ「BRD0011−1」が存在する(図18(b))。従って、データ表示部17は、変更された3次元図形データと共に、保存されている3次元図形データ「BRD0011−1」も同時に画面表示を行う(ステップS1606、S1607)。
図21は、変更前と変更後との図形イメージの差を表示する具体例である。図21(a)のように同時並列的に表示したり、同図(b)のように色を変えて重ねて表示したり、同図(c)のように2つの3次元図形データを比較して、異なる図形部分のみ表示する(回転によって視点を変えた例を示している)等の手法が考えられる。このように表示させることで、データ変更を行った場合、その変更内容や影響の確認をより容易に行うことができる。
【0076】
そして、データ表示部17は、3次元イメージ画像の表示を終了した時に、今回変更した3次元図形データと同時刻の回路基板データ及び/又は設備動作データを使用した3次元図形データが存在するかどうかを、再度3次元図形データ管理表93で検索する(ステップS1608)。このとき、前回の作成とは回路基板データの記憶時刻が異なるので、今回の3次元図形データも、その元となる回路基板データ及び設備動作データの記憶時刻と共に、3次元図形データ管理表183に登録する(図20)。このようにすることで、回路基板データ又は設備動作データに変更があった場合にのみ、差分データとして3次元図形データをデータ保存部11に保存することができる。
なお、データ保存部11に保存されている3次元図形データの削除に関しては明記していないが、元になる回路基板データの削除時に同時に削除してもよいし、保存できる更新世代を予め決めておいて、その世代まで到達したら、一番古い世代から順番に削除するようにして、保存領域を確保すればよい。
【0077】
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法及び装置によれば、過去のデータ履歴を保持しており、現在のデータと以前のデータとを差分で表示させる。これにより、データ変更を行った箇所等のデータ変更による影響の確認を、より容易に行うことができる。
【0078】
ところで、上記第1〜第3の実施形態で説明した回路基板の実装状態表示方法を、部品が実装された回路基板を検査する際の検査状態の表示にも応用することが可能である。以下にその手順の一例を説明する。
本発明の方法を検査状態の表示に用いる場合、回路基板データ入力部1には、上述したデータの他に各部品の検査位置データ等が入力される。一方、設備動作データ入力部2には、上述したデータの他に検査設備に関連する検査可能範囲等の検査動作条件情報が入力される。これらの各データは、回路基板データ記憶部3及び設備動作データ記憶部4に各々記憶される。データ選択部5では、3次元表示させたい回路基板及び検査項目に関するデータを、回路基板データ記憶部3及び設備動作データ記憶部4から取得する。3次元図形データ作成部6は、データ選択部5で取得された各データに基づいて、回路基板の部品実装後の状態を算出し、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成する。また、3次元図形データ作成部6は、検査項目に応じた動作内容表現(例えば、部品振り分け状態や部品検査順序を、色や補助線で区分する表現、レーザ光軸等の部品検査状態の表現)ができる3次元図形データを作成する。データ表示部7又は17は、3次元図形データ作成部6で作成された部品実装に関する3次元図形データと部品検査に関する3次元図形データとを同時に表示する。
【0079】
このデータ表示部7又は17で表示される部品の検査状態の一例を、図22に示す。図22(a)は、回路基板の実装外観を上方向のカメラによって画像チェックする検査項目について、検査状態を表示させた図である。図22(a)のように、回路基板データの誤りにより、部品222が部品221と同じ実装位置に重ねて配置されるような回路基板では、部品221を検査不可能部品として色の変化等で表示させる。また、図22(b)は、部品の実装位置をレーザ光を用いてチェックする検査項目について、検査状態を表示させた図である。図22(b)のように、レーザ光の照射平面225を表示させることにより、部品223が背の高い部品224によって検査不可能部品となっていることを容易に判断することができる。
このように、回路基板の実装状態表示に加え、その検査状態をも表示させることによって、試作した実物基板を用いることなく仮想的かつ確実に検査データの確認及び検討をも行うことができ、回路基板の設計がより短期間かつ低コストで実現可能となる。
【0080】
なお、本発明の実装状態表示方法は、プリント基板回路をはじめ、折り曲げ可能なフレキ樹脂基板回路や、筐体等への印刷やエッチングにより作成された回路に適用可能である。
また、典型的には、上記実施形態に係る実装状態表示方法は、所定のプログラムをコンピュータ装置上で実行させることで実現され、当該方法を用いた装置は、所定のプログラムが格納された記憶装置(ROM、RAM、ハードディスクユニット等)と、このプログラムを実行するCPU(セントラル・プロセシング・ユニット)とによって実現される。この場合、所定のプログラムは、CD−ROMやフロッピーディスク等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体を介して導入されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法を用いた装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】回路基板データ入力部1に入力される回路基板データの一例を示す図である。
【図4】設備動作データ入力部2に入力される設備動作データの一例を示す図である。
【図5】回路基板データの一覧リストの一例を示す図である。
【図6】3次元図形データ作成部6が行う処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】3次元図形データ作成部6で作成される3次元図形データに基づいて表示させた3次元イメージの一例を示す図である。
【図8】回路基板データ入力部1に入力される回路基板データの他の一例を示す図である。
【図9】設備動作データ入力部2に入力される設備動作データの他の一例を示す図である。
【図10】データ表示部7で表示される3次元イメージの一例を示す図である。
【図11】データ表示部7で表示される3次元イメージの一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法を用いた装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法を用いた装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る回路基板の実装状態表示方法の手順を示すフローチャートである。
【図18】データ履歴管理部10で管理される履歴管理情報の一例を示す図である。
【図19】回路基板データ編集部8で変更された回路基板データの一例を示す図である。
【図20】データ履歴管理部10で管理される履歴管理情報の他の一例を示す図である。
【図21】データ表示部17で表示される3次元イメージの一例を示す図である。
【図22】本発明を回路基板の検査状態表示に適用した場合でのデータ表示部17で表示される3次元イメージの一例を示す図である。
【図23】従来の回路基板の実装状態表示方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1…回路基板データ入力部
2…設備動作データ入力部
3…回路基板データ記憶部
4…設備動作データ記憶部
5…データ選択部
6…3次元図形データ作成部
7,17…データ表示部
8…回路基板データ編集部
9…設備動作データ編集部
10…データ履歴管理部
11…データ保存部
31〜34,81〜84,197…回路基板データ
41〜43,91〜94…設備動作データ
51…回路基板データリスト
72…ギャップ
101〜106,111,114,221〜224…部品
107,115…ノズル
181〜183,208…履歴管理データ
112,113,225…エラー関連条件図形
Claims (9)
- 1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示方法であって、
前記実装装置で使用されるデータとして、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込むステップと、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の前記実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、前記実装装置毎に読み込むステップと、
電子部品の実装状態を検査する1つ又は複数の検査装置の動作条件情報を読み込むステップと、
読み込まれた前記回路基板データ、前記設備動作データ、及び前記動作条件情報を記憶するステップと、
記憶された前記回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するステップと、
前記選択された回路基板データについて、記憶された前記設備動作データから前記吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、前記各部品を前記回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップと、
前記回路基板データの実装位置情報を検査位置情報として用い、各前記検査装置への部品振り分け状態、部品検査順序、設備動作干渉範囲を3次元図形として表示するための3次元図形データを作成するステップと、
前記2つの作成するステップで作成された前記3次元図形データを表示するステップとを備える、実装状態表示方法。 - 1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示方法であって、
前記実装装置で使用されるデータとして、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込むステップと、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の前記実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、前記実装装置毎に読み込むステップと、
読み込まれた前記回路基板データ及び前記設備動作データを記憶するステップと、
記憶された前記回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するステップと、
前記選択された回路基板データについて、記憶された前記設備動作データから前記吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、前記各部品を前記回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップと、
作成された前記3次元図形データを表示するステップとを備え、
記憶された前記回路基板データ又は前記設備動作データについて、部品の変更、実装位置の変更、吸着ノズルの種類や下降位置等の変更を行って記憶し直すステップと、
変更された前記回路基板データ又は前記設備動作データを記憶し直す際に、前記回路基板データについては当該回路基板データの名称とデータ記憶時の時刻を、前記設備動作データについては当該設備動作データのデータ記憶時の時刻を履歴として保存するステップと、
変更後のデータから作成された前記3次元図形データを表示させる場合、変更前の前記3次元図形データの元になった前記回路基板データの名称により変更前の前記3次元図形データを検索し、当該変更後の3次元図形データと当該変更前の3次元図形データとを、データ変更による実装状態の相違を示せるように並列的又は重複的に表示するステップと、
前記変更後の3次元図形データを保存すると共に、前記記憶時の時刻との関連を履歴として保存するステップとをさらに備える、実装状態表示方法。 - 前記回路基板の外形及び各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップは、部品実装後の部品位置、各実装装置への部品振り分け状態、部品実装順序、及び吸着ノズルでの部品装着状態を3次元図形で表示させる前記3次元図形データを作成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の実装状態表示方法。
- 前記作成された前記3次元図形データを表示するステップは、部品の実装順序に従って、実装動作状態を動画によって連続表示することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の実装状態表示方法。
- 前記回路基板の外形及び各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップは、前記回路基板データで指定された位置に部品が実装されない場合、その原因や箇所を示せるエラー状態3次元図形データを作成し、
前記作成された前記3次元図形データを表示するステップは、前記3次元図形データと同時に前記エラー状態3次元図形データを表示することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の実装状態表示方法。 - 1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示装置であって、
前記実装装置で使用されるデータである、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込む回路基板データ入力部と、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の前記実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、前記実装装置毎に読み込み、電子部品の実装状態を検査する1つ又は複数の検査装置の動作条件情報を読み込む設備動作データ入力部と、
読み込まれた前記回路基板データを記憶する回路基板データ記憶部と、
読み込まれた前記設備動作データ及び前記動作条件情報を記憶する設備動作データ記憶部と、
記憶された前記回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するデータ選択部と、
前記選択された回路基板データについて、記憶された前記設備動作データから前記吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、前記各部品を前記回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するデータ作成部と、
前記データ作成部によって作成された3次元図形データを表示するデータ表示部とを備え、
前記データ作成部は、前記回路基板データの実装位置情報を検査位置情報として用い、各前記検査装置への部品振り分け状態、部品検査順序、設備動作干渉範囲を3次元図形として表示するための3次元図形データをさらに作成する、実装状態表示装置。 - 1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示装置であって、
前記実装装置で使用されるデータである、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込む回路基板データ入力部と、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の前記実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、前記実装装置毎に読み込む設備動作データ入力部と、
読み込まれた前記回路基板データを記憶する回路基板データ記憶部と、
読み込まれた前記設備動作データを記憶する設備動作データ記憶部と、
記憶された前記回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するデータ選択部と、
前記選択された回路基板データについて、記憶された前記設備動作データから前記吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、前記各部品を前記回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するデータ作成部と、
作成された前記3次元図形データを表示するデータ表示部と、
記憶された前記回路基板データ又は前記設備動作データについて、部品の変更、実装位置の変更、吸着ノズルの種類や下降位置等の変更を行って前記回路基板データ記憶部と前記設備動作データ記憶部に記憶し直す回路基板データ編集部及び設備動作データ編集部と、
変更された前記回路基板データ又は前記設備動作データを記憶し直す際に、前記回路基板データについては当該回路基板データの名称とデータ記憶時の時刻を、前記設備動作データについては当該設備動作データのデータ記憶時の時刻を履歴として保存するデータ履歴管理部と、を備え、
前記データ表示部は、変更後のデータから作成された前記3次元図形データを表示させる場合、変更前の前記3次元図形データの元になった前記回路基板データの名称により変更前の前記3次元図形データを検索し、当該変更後の3次元図形データと当該変更前の3次元図形データとを、データ変更による実装状態の相違を示せるように並列的又は重複的に表示するものであり、
前記データ履歴管理部は、前記変更後の3次元図形データと前記記憶時の時刻との関連を履歴として保存し、
前記変更後の3次元図形データを保存するデータ保存部をさらに備える、実装状態表示装置。 - 1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示方法が、コンピュータ装置上で実行可能なプログラムとして記録された媒体であって、
前記実装装置で使用されるデータとして、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込むステップと、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の前記実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、前記実装装置毎に読み込むステップと、
電子部品の実装状態を検査する1つ又は複数の検査装置の動作条件情報を読み込むステップと、
読み込まれた前記回路基板データ、前記設備動作データ、及び前記動作条件情報を記憶するステップと、
記憶された前記回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するステップと、
前記選択された回路基板データについて、記憶された前記設備動作データから前記吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、前記各部品を前記回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップと、
前記回路基板データの実装位置情報を検査位置情報として用い、各前記検査装置への部品振り分け状態、部品検査順序、設備動作干渉範囲を3次元図形として表示するための3次元図形データを作成するステップと、
前記2つの作成するステップで作成された前記3次元図形データを表示するステップとを、少なくとも実行させるためのプログラムを記録する、記録媒体。 - 1つ又は複数の実装装置を用いて電子部品等が回路基板上に実装される状態を、当該実装装置で使用されるデータに基づいて仮想的に表示する回路基板の実装状態表示方法を、コンピュータ装置で実行させるためのプログラムであって、
前記実装装置で使用されるデータとして、回路基板に実装される各部品の実装位置情報及び形状情報と、回路基板の形状情報とからなる回路基板データを読み込むステップと、
使用する吸着ノズルの種類や下降位置、部品の隣接許容範囲、及び動作制約範囲等の前記実装装置に関する動作条件情報からなる設備動作データを、前記実装装置毎に読み込むステップと、
電子部品の実装状態を検査する1つ又は複数の検査装置の動作条件情報を読み込むステップと、
読み込まれた前記回路基板データ、前記設備動作データ、及び前記動作条件情報を記憶するステップと、
記憶された前記回路基板データから3次元図形表示したい回路基板を選択するステップと、
前記選択された回路基板データについて、記憶された前記設備動作データから前記吸着ノズルの種類や下降位置を取得して、前記各部品を前記回路基板データで指定された位置座標に実装できるか否かを判断し、実装できると判断した場合に部品実装後の回路基板の状態を求め、回路基板の外形及び実装位置における各部品の外形を表示するための3次元図形データを作成するステップと、
前記回路基板データの実装位置情報を検査位置情報として用い、各前記検査装置への部品振り分け状態、部品検査順序、設備動作干渉範囲を3次元図形として表示するための3次元図形データを作成するステップと、
前記2つの作成するステップで作成された前記3次元図形データを表示するステップとを前記コンピュータ装置に実行させるためのプログラム。
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