JP4242558B2 - コハク酸の製造方法および精製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、一般に、有機酸の製造および精製に関する。特に、本発明は、炭化水素の発酵によって生じるコハク酸塩からコハク酸を製造および精製するための改良された方法に関する。
【0002】
コハク酸[110−15−6](ブタン二酸)C4H6O4は、例えば、ウィンストロム、エル.オー.著、カーク−オスマー化学工学百科事典、第4版(1978)、1巻の「コハク酸およびコハク酸無水物」にあるように、植物や動物の組織の構成成分として自然界に存在する。(その内容は、参照したことでここに組み入れられる。)そのため、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)によって安全な食品添加物である(GRAS:generally recognized as safe)と認定された。これにより、例えば、香料、調味料および食肉加工品などの食品のpH調整剤、その他これらに限らず様々な目的に用いられている。
【0003】
多くの特許が、発酵を用いたコハク酸などのカルボン酸の製造について論じている。(例えば、ダッタ(Datta)の5,168,055、その内容は参照したことでここに組み入れられる。)しかしながら、発酵を用いた工業的規模での製造に伴う主要な要素は、生産物を濃縮および精製するのに必要な下流の工程に伴う費用である。例えば、発酵はほぼ中性のpHにおいて最も良く進行することが分かっている。しかしながら、生成した酸は、結果としてpHを下げることになる。発酵工程を行う微生物に有害な、発酵培養液の低いpHを避けるためには、塩基を加えることによって発酵培養液のpHを上げるべきである。しかしながら、加えられた塩基物質は、一般に酸と反応し、所望の遊離酸自身ではなくカルボン酸の塩を生成してしまう。
【0004】
このように、下流工程は一般に塩を遊離酸に変換する工程と、酸性化された生産物を精製する工程の双方を含む。さらに、発酵装置からの死細胞などの不溶物は、一般に除去しなければならない。そのため、経済的に実行可能な発酵を行うために、比較的純粋な酸を製造し、効果的に回収する技術が求められている。
【0005】
ダッタ(Datta)らによる米国特許第5,168,055号(その内容は参照したことでここに組み入れられる)は、コハク酸カルシウムを製造するための炭水化物の発酵と、その後のコハク酸への変換および精製とを組み合わせた方法を提案する。コハク酸塩は、硫酸によって純粋な酸に酸性化され、セッコウ、CaSO4、が副生成物として生成する。生成したコハク酸は、続いて、生成物を精製するために設計された一連の工程によって処理される。しかしながら、生成したコハク酸と等モルのセッコウが副生成物として生成することが分かった。この副生成物のセッコウは、発酵工程からの臭気および色の汚染のために商業用途に適さないため、ほとんど価値がない。さらに、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、および硫酸などの試薬が消費され、工程内で再生できない。
【0006】
グラスナー(Glassner)らによる米国特許第5,143,834号(その内容は参照したことでここに組み入れられる)は、発酵工程で形成されたコハク酸ナトリウムからコハク酸を製造するための発酵および精製の類似した方法を提案する。コハク酸は、最終的に塩基を分離し純粋な酸を生成する電気透析および水分解工程を組み合わせて用いることによって製造される。更なる精製は、一連のイオン交換カラムに生成物ストリームを通すことによって達成される。しかしながら、この方法は、膜の費用や電気透析に伴う電気エネルギーの費用などのコストが高いという難点を有している。
【0007】
バーグランド(Berglund)らによる米国特許第5,034,105号(その内容は参照したことでここに組み入れられる)は、不十分な飽和状態のコハク酸ナトリウム水溶液を、生産物のカルボン酸の結晶化が容易になるように、コハク酸の過飽和溶液に変換するための水分解電気透析を用いることによって、高純度のカルボン酸を得るための方法を提案する。しかしながら、この方法も、グラスナーらの特許と同様に高い費用がかかる。
【0008】
したがって、本発明の目的は、発酵工程によってコハク酸などのカルボン酸を製造および精製するための、改良された方法を提供することである。
【0009】
本発明によれば、概して、コハク酸塩から純粋なコハク酸を製造および回収するための非常に効果的な方法で、追加の試薬の使用を最小限に抑え、副生成物の廃棄物を実質的に生成せず、酸および塩基の内部での再利用が可能な、非常に効果的な方法が提供される。この方法は、発酵装置のpHを中性に保つためにアンモニウムイオンを含む物質を用いるか、または、発酵装置で製造されたコハク酸塩の陽イオンをアンモニウムイオンで置換することによって、コハク酸アンモニウムを形成する工程を含む。続いて、コハク酸アンモニウムと硫酸イオンとを、例えば、コハク酸アンモニウムを硫酸水素アンモニウムおよび/または硫酸と十分に低いpHで混合することによって反応させて、コハク酸および硫酸アンモニウムを生成しても良い。硫酸アンモニウムは、有利に熱分解されてアンモニアおよび硫酸水素アンモニウムを生成する。コハク酸は、メタノールに溶解する工程によって精製されても良い。様々な、ろ過、環流、再利用などの工程が行われても良い。
【0010】
したがって、本発明の目的は、コハク酸を製造および精製するための、改良された方法およびシステムを提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、多くの試薬を消費せず、多くの副生成物を生成しない、コハク酸を製造および精製するための、改良された方法を提供することである。
【0012】
本発明の更に別の目的および利点は、明細書および図面からある程度明白でかつ理解できるものである。
【0013】
したがって、本発明は、以下に続く詳細な説明に例証されるように、いくつかの工程、およびその工程のそれぞれについて他の工程との一つまたは複数の組み合わせ、および特徴、性質、および構成要素の組み合わせを有する構成を含む。本発明の範囲は、特許請求の範囲に示される。
【0014】
本発明は、ある程度具体例に基づいて、コハク酸を製造および生成するための有利な方法を提供する。精製工程で副生成物として生成する硫酸アンモニウムを再利用し、望まない副生成物が実質的に生成せず、多くの試薬を消費しないような製造方法を提供する。
【0015】
ある特定の生化学物質は、発酵によりコハク酸を生成する。酸が生成するにつれて、発酵培養液のpHは徐々に下がり、生化学物質に有害な条件になるほど減少する。発酵培養液はおよそ6以上、より好ましくはおよそ7のpHに保たれるのが有利である。収率を上げるための一つの方法は、塩基を加えることによってpHを上げる(すなわち、実質的に中性のpHに保つ)ことである。しかしながら、塩基は一般にコハク酸と反応して、コハク酸イオンと塩基の陽イオンが形成され、コハク酸塩を生成する。
【0016】
製造および精製における最初の工程は、コハク酸アンモニウムを製造することである。これは、アンモニウムイオンで形成された塩基物質を加えることによって製造される。コハク酸アンモニウムを得る第2の経路は、発酵培養液に水酸化ナトリウムなどの異なる塩基を加え、続いて、ナトリウムイオンをアンモニウムイオンに置換することである。ほとんどの塩基が適しているが、水酸化カルシウムなどの2価の塩基は、下流の工程において溶解度の問題を生じさせる可能性があることが分かった。このため、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの1価の塩基(例えばアルカリ金属の塩基)が好ましい。
【0017】
コハク酸ナトリウムなどの塩基の塩は、続いて、例えばアンモニアを加えることなどによるイオン交換を通じて、コハク酸アンモニウムに変換される。一つの好ましい実施例においては、コハク酸ナトリウムの懸濁液に二酸化炭素およびアンモニアを混合し、コハク酸アンモニウムと、副生成物として炭酸水素ナトリウムを含む懸濁液を生成する。
【0018】
コハク酸アンモニウムが形成された後、硫酸イオン源からの硫酸イオンと反応させ、硫酸アンモニウムおよび純粋なコハク酸を形成する。この反応は、コハク酸の結晶を形成するために2以下、好ましくは1.5から1.8の間のpHで行われることが好ましいので、硫酸を加えることによって達成されても良い。コハク酸は、2以下、特に1.5から1.8の範囲のpHにおいては、水溶液に対する溶解度が非常に低い。好ましい方法においては、硫酸水素アンモニウムをコハク酸アンモニウムと反応させ、遊離のコハク酸および硫酸アンモニウムを生成する。コハク酸は、硫酸アンモニウムを含む生産物ストリームからろ過され、メタノールを加えることによって更に精製されても良い。残っているいかなる硫酸塩もメタノールには不溶であり、他方、コハク酸はメタノールにかなり良く溶ける。メタノールが蒸発された後、非常に純粋なコハク酸の結晶が残っている。蒸発したメタノールは、濃縮され、再利用されても良い。
【0019】
硫酸アンモニウムは、およそ300℃の温度で容易に分解され、硫酸水素アンモニウムとアンモニアガスの混合物を生成する。塩基の硫酸塩が別の副生成物として生成するかもしれない。2段階の変換において、コハク酸ナトリウムをコハク酸アンモニウムに変換する際に生じた炭酸水素ナトリウムは、pHを中性に保つために発酵装置へ再利用される。これにより、水酸化ナトリウムを追加すべき必要量を減らすことができる。
【0020】
高純度のカルボン酸を製造する発酵工程および改良された精製工程を提供する有利な例として、コハク酸アンモニウム(発酵装置からのもの、またはコハク酸ナトリウムから変換されたもののいずれでも良い)をコハク酸に変換し、高純度の生産物を得るために結晶化するための一連の操作が提供される。これらの操作は、更なる理解のために、図1および図2の流れ図に概略的に示される。好ましい実施例の方法において、追加の試薬の使用は最小限に抑えられており、廃棄される副生成物の量はかなり少ない。さらに、特に好ましい実施例においては、試薬は工程内で再生され、補給のみが必要である。
【0021】
本発明の好ましい実施例においては、コハク酸を他の中間物質から分離するために、二つの重要な物理的性質が用いられる。第一に、硫酸または硫酸水素イオンの存在下におけるコハク酸の水への溶解度が非常に低いことが、硫酸塩からコハク酸を分離するために用いられる。第二に、硫酸塩はメタノールにほとんど溶けないのに対して、メタノールはコハク酸を良く溶かす。このため、この性質は、硫酸塩を再利用するために分離するとともに、コハク酸から硫酸塩の不純物を除き更に高い純度を得るために用いられる。
【0022】
本発明の形態および特徴は、以下の例を参照して例示される。これは、説明のみを目的として提供されるのであって、限定的な意味に解釈されることを意図していない。
【0023】
例1 − コハク酸アンモニウムからのコハク酸の製造
【0024】
図1を参照して説明する。炭水化物(例えばトウモロコシ由来の炭水化物、例えばグルコース)が、発酵装置101で、コハク酸を生産できる、またはコハク酸を生産するよう遺伝子操作された微生物によって嫌気的に発酵される。一つの特に適した有機体は、大腸菌(E. Coli)AFP−111(American Type Culture Collection ATCC 202021) である。発酵装置101は、必要なバイオマス、二酸化炭素、およびアンモニアを、コハク酸を高い収率で生産するために制御した条件下で運転される(例えば、1995年11月2日に出願された米国出願番号08/556,805を参照。その内容は、参照したことでここに組み入れられる)。6.0以上のpH、好ましくは約7のpHが良い。
【0025】
熱分解装置102から再生利用されるアンモニア(ストリーム18)は、微生物によって生産されるコハク酸を中和してコハク酸アンモニウムにするために、発酵装置101へ有利に加えられる。必要であれば、更なるアンモニアを水酸化アンモニウムから製造することができる。中和は、嫌気性の発酵が一般に最も生産的となる、実質的に中性のpHを維持するために行われる。発酵装置101の生産物は、一般に、死んだ細胞やタンパク質などの多くの不溶性不純物を含んだ、コハク酸アンモニウムの薄い水溶液(重量パーセント濃度で6〜10%)(ストリーム1)である。
【0026】
ストリーム1は、不溶物を取り除くために、フィルター103によってろ過されるのが好ましい。ろ液(ストリーム2)は、一般に、薄い(重量パーセント濃度で10%以下)溶液になっている。溶液は、次の分離操作の効率を最大限にするために、濃縮されるのが好ましい。蒸発装置、例えば多重効用蒸発装置104が、コハク酸アンモニウム溶液を重量パーセント濃度で25〜30%に濃縮するために用いられる。この濃縮された、pHが約7.0の溶液(ストリーム3)は、続いて結晶化装置105へ供給される。結晶化装置105には、硫酸イオン源、ここでは、再生利用された硫酸水素アンモニウム(ストリーム17)が加えられる。これにより、溶液のpHはほぼ1.5〜1.8に下がる。このような低いpHにおいては、コハク酸イオンは硫酸水素アンモニウムによってプロトン化され、硫酸アンモニウムとコハク酸を形成する。
(NHA+2NHHSO = HA+2(NHSO
ここで、A=コハク酸イオン=−(HOOC)(CH(COOH)−
【0027】
コハク酸は、このpHでは溶解度が低いので、結晶化する。望ましいpH(2以下、好ましくは1.5〜1.8)は、新たな硫酸水素アンモニウムまたは硫酸の補給によって得られる。追加される硫酸水素アンモニウムの量は、pHを1.5から1.8の間に維持するために重要である。一般に、最善の収率は、このpH範囲で得られる。この結果得られるスラリー(ストリーム4)は、続いてフィルター106でろ過され、洗浄されても良い。
【0028】
結晶状のコハク酸(ストリーム5)は、続いてメタノール精製ステーション107において、コハク酸と一緒に結晶化した全ての硫酸塩からコハク酸を分離するために、メタノール(ストリーム10)に有利に溶解される。硫酸塩(ストリーム8)は、もしあれば、メタノールに対して比較的溶けにくいので、ろ過によって除くことができ、ストリーム12とともに熱分解装置へ送られる。他のアルコールを用いることもできると考えられるが、メタノールが最も良い結果を与える。続いて、蒸発装置108によって、コハク酸のメタノール溶液(ストリーム6)からメタノールを蒸発させ、純粋なコハク酸結晶(ストリーム7)を得ることができる。蒸発したメタノール(ストリーム9)は、再生利用するために、メタノール貯蔵タンク109へ集められ、貯蔵される。
【0029】
メタノール(ストリーム15)は、結晶化装置110で、硫酸アンモニウム、残留したコハク酸、硫酸水素アンモニウム、および硫酸を含むろ液(ストリーム11)に加えられても良い。メタノールによって、実質的に全ての硫酸塩が溶液から結晶化する。結晶化した硫酸塩は、ろ過110によって有利に分離される。この結晶化は、硫酸塩がメタノールにほとんど溶けないために起こる。この工程によって、硫酸塩とコハク酸の残留分とを分離することができ、続いて行われる硫酸塩の分解工程において炭化した有機物の存在を減らすことができる。
【0030】
主に硫酸アンモニウムと、多少の硫酸水素アンモニウムおよび硫酸の残査を含む硫酸塩(ストリーム12)は、続いて熱分解装置102へ供給されても良い。熱分解装置102は、200〜310℃、好ましくは、290〜310℃、最も好ましくは、約300℃に維持されても良い。この温度範囲では、硫酸アンモニウムは分解してアンモニアと硫酸水素アンモニウムを生成する。硫酸の生成もまた可能である。
(NHSO = NHHSO + NH
【0031】
硫酸水素アンモニウム、硫酸の残査、および分解されなかった硫酸アンモニウムの残査(ストリーム17)は、コハク酸結晶化装置105に戻されて再利用されても良い。アンモニアは、中和のための塩基として機能させるために、発酵装置101へ供給されても良い(ストリーム18)。
【0032】
結晶化装置からの、メタノール、水、およびコハク酸の残査を含むろ液(ストリーム13)は、メタノール分離装置111によって、水を含むろ液からメタノールを分離するために、蒸留されても良い。メタノール(ストリーム14)は、再利用のために貯蔵されても良く、直接タンク109へ供給されても良い。蒸留の際に底に溜まった、コハク酸の残査およびいくらかの硫酸塩を含む水溶液である生産物(ストリーム16)は、濃縮のために、ストリーム2に加えられても良い。
【0033】
コハク酸の結晶は、この工程によって生産される実質的に唯一の生産物である。
【0034】
例2 − コハク酸ナトリウムからのコハク酸の製造
【0035】
図2を参照して説明する。炭水化物(例えばトウモロコシ由来の炭水化物、例えばグルコース)は、発酵装置101で、コハク酸を生産する微生物によって嫌気的に発酵される。発酵装置101は、必要なバイオマス、二酸化炭素、および塩基が、コハク酸を高い収率で生産するために制御された条件下で運転される。図1および例1で参照して詳述されたストリーム番号および他の参照番号と同一の番号が、図2におけるストリームまたは機能要素が図1のものと似ているものに対して、それらが全く同一でないとしても、繰り返し用いられている。
【0036】
最高の生産量を得るために、再生利用された炭酸水素ナトリウム(ストリーム2b)が、発酵培養液を中性のpHに維持する目的で発酵装置101に加えられる。発酵装置の嫌気性条件のための炭酸水素塩もまたこのストリームで供給される。必要であれば、更なる塩基が、例えば水酸化ナトリウムを追加することで供給されても良い。ナトリウム以外の他の陽イオンを含む塩基が用いられても良い。しかしながら、例えばカリウムのような1価の陽イオンが、最適の結果を与えることが観測されている。発酵装置101の生産物は、一般に、死んだ細胞やタンパク質などの多くの不溶性不純物を含んだ、コハク酸アンモニウムの薄い水溶液(重量パーセント濃度で6〜10%)(ストリーム1)である。
【0037】
ストリーム1は、不溶物を取り除くために、フィルター103によってろ過されるのが好ましい。ろ液(ストリーム2)は、一般に、薄い(重量パーセント濃度で10%以下)溶液になっている。溶液は、次の分離操作の効率を最大限にするために、濃縮されるのが好ましい。多重効用蒸発装置104が、溶液をほぼ飽和するまで(重量パーセント濃度で50%)濃縮するために用いられる。この濃縮された、pHが一般に約7.0の溶液(ストリーム2a)は、結晶化装置105'へ供給される。結晶化装置105には、再生利用されたアンモニア(ストリーム18)および二酸化炭素が加えられても良い。これにより、コハク酸ナトリウムがコハク酸アンモニウム(ストリーム3)に変換されるとともに、固体の炭酸水素ナトリウム(ストリーム2b)が形成される。結晶化装置105におけるアンモニアおよび二酸化炭素を用いたコハク酸ナトリウムからコハク酸アンモニウムへの変換は、炭酸ナトリウムを生産するためのソルベー法の変形である(ラウー(Rauh)、スープラ(Supra)参照。その内容は参照したことでここに組み入れられる。)。
【0038】
NaA+2NH+2HCO = (NHA+2NaHCO
ここで、A=コハク酸イオン=−(HOOC)(CH(COOH)−
【0039】
固体の炭酸水素ナトリウム(ストリーム2b)は、塩基性試薬として発酵装置へ戻され有利に再利用される。
【0040】
上述のように、例2におけるストリームは、本質的に例1のものと同じであり、最終的にはコハク酸アンモニウムが生成される。しかしながら、一つ異なる点は、ストリーム18である。図2では、分解によって生じたアンモニア(ストリーム18)は、コハク酸ナトリウムをコハク酸アンモニウムに変換するために再利用される。例1では、ストリーム18のアンモニアは、発酵装置へ再利用される。
【0041】
結晶化装置105'からのコハク酸アンモニウムは、結晶化装置105内で熱分解装置102からのNHHSO(ストリーム17)を追加することによって、コハク酸に変換され、結晶化される。
【0042】
コハク酸の結晶およびいくらかの硫酸水素ナトリウム(副生成物)が、この工程で生産される。
【0043】
以下の実験が、上記の工程の実行可能性を証明するために行われた。
【0044】
例3 − 23℃における硫酸水素アンモニウム水溶液に対するコハク酸の溶解度の決定(実験I)
【0045】
この実験は、結晶化装置105においてコハク酸を最大の収率で得るための、最適なpH範囲を証明する。
【0046】
20グラムのコハク酸が、50ミリリットルの水に懸濁された。懸濁液は、29ミリリットルの58パーセント水酸化アンモニウムを追加することによって中和された(pH=7)。この溶液の全体積は、87ミリリットルである。コハク酸を4.6グラムずつ含む20ミリリットルの5つの画分が、溶液から用意された。5つの画分のpHが、硫酸水素アンモニウム水溶液中におけるコハク酸の溶解度を決定するために、硫酸水素アンモニウムによって調整された。結果は、図3および図4に示される。
【0047】
データより、最大の収率のための最適なpH範囲は、1.2から2.5、好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5〜1.8であることが分かる。
【0048】
例4 − 23℃におけるメタノール−水溶液に対する硫酸アンモニウムの溶解度の決定(実験II)
【0049】
過剰の硫酸アンモニウムが、異なる割合のメタノール−水溶液に、24時間懸濁された。残留重量の決定により、図5に示される溶解度曲線が得られた。データより、メタノールの割合が高いメタノール−水溶液には、硫酸塩はほとんど溶けないことが分かる。
【0050】
例5 − 23℃における水に対する硫酸アンモニウムの溶解度の決定(実験III)
【0051】
過剰の硫酸アンモニウムが、水に24時間懸濁された。残留重量に基づいて計算された溶解度は、重量パーセント濃度で43.8%であった。
【0052】
例6 − 予備的な工程のシミュレーション
【0053】
図1および図2におけるストリーム3、4、5、11、12、13、および15を含む操作が、実験I、II、およびIIIで収集されたデータに基づいて模擬的に実験された。実験Iから、コハク酸の結晶化のためのpHとして、1.6のpH値が選ばれた。実験IIから、硫酸塩の結晶化のためのメタノール−水の割合として、80%の重量パーセント濃度のメタノール溶液が選ばれた。実験IIIの結果を用いて、コハク酸アンモニウムの初期濃度は、コハク酸アンモニウムをコハク酸に変換するときに生成する硫酸アンモニウムを溶解させるに十分な水があるように選ばれた。この予防策は、硫酸塩によるコハク酸の汚染を最小限にするためにとられた。
【0054】
ストリーム3: コハク酸アンモニウム25.4グラムおよび水61.3グラムを含む水溶液(コハク酸アンモニウムの重量パーセント濃度28.6%)が用意された。化学量論的には、25.4グラムのコハク酸アンモニウムからコハク酸20グラムが生成することが期待される。
【0055】
硫酸水素アンモニウムが、溶液のpHを1.6に調整するために、段階的に加えられた。加えられた硫酸水素アンモニウムの総量は、38.5グラムであった。図3および図4によると、硫酸水素アンモニウムは41.4グラム必要である。加えられた量と要求された量との間の一致は、妥当である。
【0056】
ストリーム5: 上記のpH調整により、コハク酸は懸濁状態になった。懸濁液はろ過され、コハク酸の結晶は70℃で終夜乾燥された。図3によると、収率は89%なので、ストリーム5はおよそ17.8グラムのコハク酸を生成するはずであった。しかしながら、実際の量は18.7グラムであり、硫酸塩が混合している可能性が示唆された。硫黄および窒素の元素分析からは、生産物におよそ0.5グラムの硫酸塩が存在することが示された。純粋な生成物を得るために、さらに多くの水を用いて硫酸塩を溶解できるように保つことは、賢明であると思われる。さらに、メタノールを用いた精製工程が組み込まれた(ストリーム5および10)。
【0057】
ストリーム11および15: 245グラムのメタノールが、コハク酸をろ別したろ液(ストリーム11)に加えられた。メタノールは、混合溶液が予め決められた80%の重量パーセント濃度のメタノール溶液と一致するように、加えられた。これにより、38.4グラムの硫酸塩の結晶が得られた。期待された硫酸塩の量は41.7グラムであった。実験で得られた収率と計算された収率との間の不一致は、非現実的ではない。
【0058】
例6 − 硫酸アンモニウムの熱分解
【0059】
硫酸水素アンモニウムを用いたコハク酸アンモニウムからコハク酸への変換によって、硫酸アンモニウムが生成する。硫酸アンモニウムの熱分解は、逆に硫酸アンモニウムを生成するので、コハク酸の結晶化のために再利用することができる。
【0060】
管状の回転炉が、熱分解に用いられた。炉には、排ガスを排出するための吸気器が取り付けられた。管状の回転炉は、300℃に予熱された。20グラムの硫酸アンモニウムが1時間分解され、17.8グラムの分解された硫酸塩が回収された。化学量論的には、17.4グラムの硫酸水素アンモニウムが、20グラムの硫酸アンモニウムから生成すると期待される。質量としては、実験量と計算量とは一致していた。それゆえ、これらの条件は、硫酸アンモニウムの分解に適していると考えられた。
【0061】
上述の結果に基づいて、コハク酸を分離するための工程は、ストリーム3と17の間で模擬実験された。工程は3回のサイクルで行われた。
【0062】
例7 − 23℃におけるメタノールに対するコハク酸の溶解度の決定
【0063】
過剰のコハク酸が、メタノールに24時間懸濁された。残留重量に基づいて計算された溶解度は、79グラムのメタノールに対してコハク酸16.5グラムであった。
【0064】
以下は、工程の模擬実験を示す。これは、例証のみを目的として示されるのであって、限定的な意味に解釈されることを意図したものではない。
【0065】
例8 − サイクルI
【0066】
重量パーセント濃度で25.6%のコハク酸アンモニウム水溶液(ストリーム3)が、20グラムのコハク酸と55グラムの水を含む懸濁液を、27.5グラムの58%水酸化アンモニウム溶液で中和することによって用意された。
A + 2NHOH = (NHA + 2H
ここで、A=コハク酸イオン=−(HOOC)(CH(COOH)−
【0067】
コハク酸アンモニウム溶液は、コハク酸25.4グラムを水74グラムに溶解して用意しても良い。
【0068】
pHが7.0のコハク酸水溶液を結晶化装置へ移し、39グラムの硫酸水素アンモニウムを加えると、pHが1.6に調整され、コハク酸が結晶化する。
【0069】
得られた懸濁液(ストリーム4)はろ過された。分離されたコハク酸の結晶(ストリーム5)は、70℃で終夜乾燥された。乾燥重量は16.5グラムであった。
【0070】
コハク酸の結晶(ストリーム5)は、コハク酸と一緒に結晶化したかもしれない全ての硫酸塩からコハク酸を分離するために、79グラムのメタノール(ストリーム10)に溶解された。溶解しなかった硫酸塩(ストリーム8)はろ過され、乾燥され、熱分解のために貯蔵された。硫酸塩の乾燥重量は、0.9グラムであった。それゆえ、メタノールに溶解しているコハク酸の重量は、15.6グラムであった。この量は、78%の収率に対応する(ストリーム7)。これは、最初のサイクルなので、低い収率であることが予測された。
【0071】
286グラムのメタノール(ストリーム15)が、結晶化装置において、硫酸アンモニウムと、コハク酸、硫酸水素アンモニウム、および硫酸の残査とを含むろ液(ストリーム11)に加えられた。生成した懸濁液は、ろ過された。硫酸塩の結晶は70℃で終夜乾燥された。乾燥重量は40.3グラムであり、収率は90.1%であった。理論収率は、93.6%であった。
【0072】
主に硫酸アンモニウムを含み、いくらかの硫酸水素アンモニウムおよび硫酸の残査を含む硫酸塩(ストリーム12)は、熱分解ユニットに加えられ、300℃に50分保たれた。分解工程の間、溶融した硫酸塩は黒色に変わり、炭化した有機物の存在が示唆される。溶融した硫酸塩は、室温まで冷やされた。冷却の間、50ミリリットルの水が硫酸塩を溶解させるために加えられた。炭化した物質を含む溶液は、0.2ミクロンのフィルターでろ過された。炭化した物質は廃棄された。透明な溶液は、硫酸塩を濃縮するために約40ミリリットルになるまで蒸発された。蒸発の間、硫酸塩のいくらかは突沸のため失われた。190グラムのメタノールが残った溶液に加えられた。得られた硫酸塩の懸濁液は、ろ過され、続いて70℃で終夜乾燥された。17.8グラムの硫酸塩が回収された。
【0073】
ろ液は、メタノールを分離するために蒸留され、166グラムのメタノールが回収され、再利用のため貯蔵された。炭化した物質からの硫酸塩の分離を含むこの工程は、工程の流れ図(図1および図2)には示されていない。しかしながら、これは、いくらかの有機物が含まれることを避けられない可能性があるので、ある特定の環境下では必要であろう。
【0074】
メタノール、水、およびコハク酸の残査を含むろ液(ストリーム13)は、水を含むろ液からメタノールを分離するために、蒸留された。250グラムのメタノール(ストリーム14)が回収され、再利用のために貯蔵された。蒸留の際に底に溜まった、コハク酸の残査およびいくらかの硫酸塩を含む水溶液である生産物(ストリーム16)は、60ミリリットルの溶液になるまで蒸発された。溶液は、新たなコハク酸とともに、重量パーセント濃度でほぼ25〜30%のコハク酸アンモニウムからなる溶液(ストリーム3)を中和によって生成するために、60ミリリットルまで蒸発された。この調製は、コハク酸アンモニウムからコハク酸を製造するために構想された工程(図1)の場合において、ストリーム3を生成するために、ストリーム2および16を蒸発によって濃縮したことと似ている。同様に、この調製は、コハク酸ナトリウムからコハク酸を製造するために構想された工程(図2)の場合において、ストリーム2aを生成するために、ストリーム2および16を蒸発によって濃縮したことと似ている。双方の場合において、ストリーム16は、収率を最大限にするために、コハク酸を再利用する。
【0075】
例9 − サイクルII
【0076】
サイクルIで濃縮されたストリーム16に、16.5グラムの新たなコハク酸が加えられた。生成した懸濁液は、58%の水酸化アンモニウム28.5ミリリットルで中和された。
【0077】
pHが7.00のコハク酸アンモニウム水溶液は、結晶化装置へ移され、17.8グラムの回収された硫酸水素アンモニウム(ストリーム17)と、33.2グラムの新たな硫酸水素アンモニウムが加えられた。硫酸水素アンモニウムの追加量は、理論的に必要な量よりもほぼ10グラム多かった。一因となる要素としては、硫酸水素アンモニウムが高い吸湿性を持つことが挙げられる。過剰の重量は、回収された、または新たな硫酸水素アンモニウムの水和によるものであろう。これらの実験中、硫酸水素アンモニウムの水和を防ぐための措置はなされていなかった。また、コハク酸懸濁液のpHの減少は、最適な1.6という値を超えていた。pH値は1.45となり、さらに多くの硫酸水素アンモニウムが必要であった。この結果は、計画的ではない。
【0078】
生成した懸濁液(ストリーム4)はろ過された。分離されたコハク酸の結晶(ストリーム5)は、70℃で終夜乾燥された。乾燥重量は、19.4グラムであった。理論的には、16.5グラムが期待された。この結果は、コハク酸ストリーム中に硫酸塩がまだ混入していることを示唆した。
【0079】
いくらかの硫酸塩を含むコハク酸の結晶(ストリーム5)は、コハク酸とともに結晶化した硫酸塩からコハク酸を分離するために、79グラムのメタノール(ストリーム10)に溶解された。溶解しなかった硫酸塩(ストリーム8)は、ろ過され、乾燥され、熱分解のために貯蔵された。硫酸塩の乾燥重量は、4グラムであった。それゆえ、メタノールに溶解したコハク酸の重量は、15.4グラムであった。この量は、93.3%の収率に対応する(ストリーム7)。
【0080】
286グラムのメタノール(ストリーム15)が、結晶化装置において、硫酸アンモニウムと、コハク酸、硫酸水素アンモニウム、および硫酸の残査とを含むろ液(ストリーム11)に加えられた。生成した懸濁液は、ろ過された。硫酸塩の結晶は70℃で終夜乾燥された。乾燥重量は47.5グラムであり、収率は83.6%であった。ストリーム8において溶解しなかった4グラムの硫酸塩を考慮すると、収率は90.7%に増加する。理論収率は、94.9%であった。実際の収率と理論収率との不一致は、硫酸水素アンモニウムの水和による重量増加に起因する、系に存在する硫酸塩の過大評価のためだと考えられる。
【0081】
主に硫酸アンモニウムを含み、いくらかの硫酸水素アンモニウムおよび硫酸の残査を含む硫酸塩(ストリーム12)は、熱分解ユニットに加えられ、300℃で55分保たれた。分解工程の間、溶融した硫酸塩は黒色に変わり、炭化した有機物の存在が示唆された。溶融した硫酸塩は、室温まで冷やされた。冷却の間、50ミリリットルの水が硫酸塩を溶解させるために加えられた。炭化した物質を含む溶液は、0.2ミクロンのフィルターでろ過された。炭化した物質は廃棄された。透明な溶液は、硫酸塩を濃縮するために約40ミリリットルになるまで蒸発された。198グラムのメタノールが残った溶液に加えられた。得られた硫酸塩の懸濁液は、ろ過され、続いて70℃で終夜乾燥された。硫酸塩の乾燥重量は、25グラムであった。ろ液は、メタノールを分離するために蒸留され、154グラムのメタノールが回収され、再利用のために貯蔵された。
【0082】
メタノール、水、およびコハク酸の残査を含むろ液(ストリーム13)は、水を含むろ液からメタノールを分離するために、蒸留された。250グラムのメタノール(ストリーム14)が回収され、再利用のために貯蔵された。蒸留の際に底に溜まった、コハク酸の残査およびいくらかの硫酸塩を含む水溶液である生産物(ストリーム16)は、60ミリリットルの溶液になるまで蒸発された。
【0083】
例10 − サイクルIII
【0084】
サイクルIIで濃縮されたストリーム16に、17.7グラムの新たなコハク酸が加えられた。得られた懸濁液は、58%の水酸化アンモニウム28.5ミリリットルで中和された。
【0085】
コハク酸アンモニウム水溶液は、結晶化装置へ移され、25グラムの回収された硫酸水素アンモニウム(ストリーム17)と、25.5グラムの新たな硫酸水素アンモニウムが加えられた。酸性化によってpHは1.6に調整され、コハク酸が結晶化した。サイクルIIと同様に、硫酸水素アンモニウムの追加量は、理論的に必要な量よりもほぼ10グラム多かった。
【0086】
生成した懸濁液(ストリーム4)はろ過された。分離されたコハク酸の結晶(ストリーム5)は、70℃で終夜乾燥された。乾燥重量は、24.5グラムであった。理論的には、17.7グラムが期待された。この結果は、コハク酸ストリーム中に硫酸塩がまだ混入していることを示唆した。いくらかの硫酸塩を含むコハク酸の結晶(ストリーム5)は、コハク酸とともに結晶化した硫酸塩からコハク酸を分離するために、79グラムのメタノール(ストリーム10)に溶解された。溶解しなかった硫酸塩(ストリーム8)は、ろ過され、乾燥され、熱分解のために貯蔵された。硫酸塩の乾燥重量は、7.7グラムであった。それゆえ、メタノールに溶解したコハク酸の重量は、16.8グラムであった。この量は、94.9%の収率に対応する(ストリーム7)。
【0087】
276グラムのメタノール(ストリーム15)が、結晶化装置において、硫酸アンモニウムと、コハク酸、硫酸水素アンモニウム、および硫酸の残査とを含むろ液(ストリーム11)に加えられた。生成した懸濁液は、ろ過された。硫酸塩の結晶は70℃で終夜乾燥された。乾燥重量は46.7グラムであり、収率は83%であった。ストリーム8において溶解しなかった7.7グラムの硫酸塩を考慮すると、収率は96.7%に増加する。理論収率は、94.9%であった。
【0088】
主に硫酸アンモニウムを含み、いくらかの硫酸水素アンモニウムおよび硫酸の残査を含む硫酸塩(ストリーム12)は、熱分解ユニットに加えられ、300℃で50分保たれた。分解工程の間、溶融した硫酸塩は黒色に変わり、炭化した有機物の存在が示唆された。溶融した硫酸塩は、室温まで冷やされた。冷却の間、50ミリリットルの水が硫酸塩を溶解させるために加えられた。炭化した物質を含む溶液は、0.2ミクロンのフィルターでろ過された。炭化した物質は廃棄された。透明な溶液は、硫酸塩を濃縮するために約45ミリリットルになるまで蒸発された。237グラムのメタノールが懸濁液に加えられた。得られた硫酸塩の懸濁液は、ろ過され、続いて70℃で終夜乾燥された。硫酸塩の乾燥重量は、28.3グラムであった。ろ液は、メタノールを分離するために蒸留され、225グラムのメタノールが回収され、再利用のために貯蔵された。
【0089】
メタノール、水、およびコハク酸の残査を含むろ液(ストリーム13)は、水を含むろ液からメタノールを分離するために、減圧蒸留された。190グラムのメタノール(ストリーム14)が回収され、再利用のために貯蔵された。減圧蒸留の際に底に溜まった、コハク酸の残査およびいくらかの硫酸塩を含む水溶液である37ミリリットルの生産物(ストリーム16)は、60ミリリットルの水溶液になるまで蒸留された。
【0090】
例11
【0091】
トウモロコシ由来の炭化水素からのグルコースが、微生物(ATCC 登録番号29405、アメリカン タイプ カルチャー コレクション、12301 パークローンドライブ、ロックビル、MD 20852)によって嫌気的に発酵された。微生物によって製造されたコハク酸をコハク酸アンモニウムに中和するために、中和のための塩基としてアンモニアが発酵装置に加えられる。発酵装置からの産出物は、不純物を含むコハク酸アンモニウムの薄い(重量パーセント濃度で6〜10%)水溶液である。ストリームは不溶物を除去するためにろ過され、重量パーセント濃度で約30%になるように多重効用蒸発装置で濃縮された。濃縮された、pHが約7の溶液は、コハク酸結晶装置へ供給され、pHを1から2の間に下げるために、硫酸水素アンモニウムが加えられる。ここで、硫酸を加えても良い。硫酸アンモニウムおよび/または硫酸の量は、溶液のpHを観測することによって決定される。
【0092】
結晶化したコハク酸は、ろ過され、重量でほぼ90%のコハク酸が得られる。硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、および硫酸を含むろ液は、およそ300℃の熱分解ユニットへ供給される。熱分解ユニットからの産出物は、アンモニアおよび硫酸水素アンモニウムである。硫酸水素アンモニウムおよび硫酸の残査は、コハク酸結晶化装置へ戻され再利用される。アンモニアは、熱分解ユニットから発酵装置へ供給される。
【0093】
例12
【0094】
グルコースが、コハク酸を生成する微生物によって発酵される。pHをほぼ7に保つために、中和のための塩基として炭酸水素ナトリウムが加えられる。産出物は、コハク酸ナトリウムの重量パーセント濃度で6〜10%の水溶液である。ストリームはろ過され、続いてほぼ飽和するまで(重量パーセント濃度で50%)濃縮される。濃縮された、pHが約7.0の溶液は、結晶装置へ供給され、アンモニア(好ましくは再利用されたアンモニア)および二酸化炭素が加えられる。これにより、コハク酸ナトリウムはコハク酸アンモニウムに変換され、同時に固体の炭酸水素ナトリウムが生成する。炭酸水素塩は、中和のための塩基として発酵装置へ戻され再利用される。
【0095】
コハク酸アンモニウムは、続いてコハク酸結晶化装置へ供給され、硫酸水素アンモニウムがpHをおよそ1.0から2.4の範囲に下げるために加えられる。このとき、pHを下げるために硫酸が加えられても良い。この工程により、重量でおよそ90%のコハク酸が得られる。コハク酸懸濁液のろ過によって生じた、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、および硫酸の混合物を含むろ液は、約300℃の熱分解ユニットへ供給される。
【0096】
本発明の方法は、コハク酸塩の溶液の準備する工程と、好ましくはほぼ飽和するまで溶液を濃縮する工程と、結晶化したコハク酸を得るために、硫酸水素アンモニウムまたは硫酸の追加などによる硫酸イオンの存在で、溶液のpHがおよそ1.0から2.5の範囲になるように酸性化する工程とを含む。メタノールなどのアルコール中での、硫酸塩とコハク酸との溶解度の相違は、更なる精製および生産物のストリームからコハク酸を分離するために利用することができる。コハク酸ナトリウムなどの金属塩の場合は、炭酸水素ナトリウムを沈殿させるために、中性のpHでアンモニアおよび二酸化炭素を混合しても良い。炭酸水素ナトリウムは、発酵培養液のpHを上げるために再利用されても良い。
【0097】
上述したように、酸性化工程からろ別された、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、および硫酸を含むろ液を分解する工程が行われても良い。ろ液は、熱分解ユニットへ供給され、アンモニアおよび硫酸アンモニウムを生成するために、およそ290℃から310℃の範囲で処理される。アンモニアおよび硫酸アンモニウムは、それまでの工程で再利用されても良い。
【0098】
酸性化工程の後に、硫酸塩を結晶化させる工程をさらに行っても良い。メタノールが懸濁液に加えられ、硫酸塩が結晶化し、コハク酸の結晶が溶解してメタノール/コハク酸溶液が生成する。硫酸塩は、ろ過され、およそ300℃で分解されても良い。コハク酸は、蒸発によってメタノール溶液から結晶化されても良い。蒸発したメタノールは、濃縮され、更なる使用のために再利用されても良い。
【0099】
このように、本発明は、コハク酸金属塩などのコハク酸塩、またはコハク酸アンモニウムのいずれかをコハク酸に変換する方法と、アルコール、好ましくはメタノールへの溶解を含むコハク酸の精製工程とを提供する。
【0100】
このように、上述の目的は、先の記述から明白なように、効果的に達成される。本発明の意図および形態を越えない範囲で、上記の方法の実行および示された構成を変更することができるので、上記の説明および付随する図面に含まれる全ての事項は、例証として解釈されるべきであり、限定的な意味に解釈されることを意図していない。
【0101】
特許請求の範囲は、言語の問題で行間が抜け落ちたとしても、ここで説明された本発明の全ての一般的および特別な特徴、および本発明の形態の全ての文を、範囲に入れることを意図していると理解されるべきである。
【0102】
特に、特許請求の範囲において、単数形で書かれた構成要素または構成は、その意味が許す限りにおいて、その構成要素の互換な混合を含むことを意図していると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の好ましい実施形態に係るコハク酸アンモニウムからコハク酸を製造するための工程の流れを示す概略ブロック図である。
【図2】 図2は、本発明の他の好ましい実施形態に係るコハク酸ナトリウムからコハク酸を製造するための工程の流れを示す概略ブロック図である。
【図3】 図3は、硫酸水素アンモニウム水溶液中でのコハク酸の溶解度(グラム/グラム−水)の、pHの関数としての変化を示すグラフである。
【図4】 図4は、硫酸水素アンモニウム水溶液中でのコハク酸の収率の、pHの関数としての変化を示すグラフである。
【図5】 図5は、メタノール−水混合溶液中での硫酸アンモニウムの溶解度の変化を示すグラフである。

Claims (19)

  1. コハク酸を製造する方法であって、
    発酵装置において、コハク酸を製造する微生物によって発酵培養液の中の炭化水素を発酵する工程と、
    発酵中に、前記微生物によるコハク酸の製造に適した中性のpHに維持するべく、効果的な量の塩基成分を前記発酵培養液に加える工程と、
    前記発酵装置から、コハク酸イオンおよび他のイオンを含む前記発酵培養液の一部を抜き取る工程と、
    結晶化装置において、コハク酸結晶および硫酸アンモニウムを製造するべく、前記抜き取られた培養液からのイオンと硫酸イオンおよびアンモニウムイオンのイオン源とを、pHが2.5以下の状態のままで混合する工程と、
    少なくともアンモニアおよび硫酸水素アンモニウムを製造するべく、前記硫酸アンモニウムを分解する工程と、
    前記コハク酸を製造する方法において前記アンモニアの少なくとも一部を再利用し、前記結晶化装置へ前記硫酸水素アンモニウムの少なくとも一部を供給する工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記分解する工程からのアンモニアと前記抜き取られた培養液からのイオンとを反応させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記分解する工程からの前記アンモニアの少なくとも一部が前記発酵装置へ供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. アンモニアおよび前記抜き取られた培養液からのイオンと反応させるために二酸化炭素を加え、炭酸水素ナトリウムおよびコハク酸アンモニウムを製造し、続いて、前記発酵装置へ前記炭酸水素ナトリウムの少なくとも一部を供給する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 前記結晶化装置内の前記pHが2.0以下に維持されたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記結晶化されたコハク酸の少なくとも一部が前記結晶化装置から除去され、残りの少なくとも一部がメタノールと混合され、続いて、更なるコハク酸を提供するために前記メタノールが蒸発されて除去されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. コハク酸を製造する方法であって、
    コハク酸イオンを含む水溶液を与える工程と、
    前記水溶液に硫酸イオンのイオン源およびアンモニウムイオンを加え、前記水溶液からコハク酸を結晶化させるべく、2.5以下まで前記水溶液のpHを下げる工程と、
    前記コハク酸を除去する工程と、
    コハク酸塩を形成し、続いて、前記コハク酸塩の陽イオンをアンモニウムイオンに置換する工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 前記コハク酸塩の前記陽イオンは、アルカリ金属イオンであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記陽イオンは、ナトリウムイオンであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 前記コハク酸イオンは、発酵装置において、コハク酸を製造する微生物によって発酵培養液内の炭化水素を発酵することにより準備され、発酵中には前記発酵培養液に少なくとも一つの塩基が加えられることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  11. 前記塩基はアンモニアを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記塩基は炭酸水素ナトリウムを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. 前記少なくとも一つの塩基がコハク酸と反応して、コハク酸アンモニウムを生成することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  14. 前記塩基は、前記コハク酸と反応してコハク酸塩を形成する、アルカリ金属の水酸化物であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  15. 硫酸水素アンモニウムがコハク酸アンモニウムと反応して結晶化されたコハク酸および硫酸アンモニウムを生成し、前記硫酸アンモニウムは分解してアンモニアおよび硫酸水素アンモニウムを生成し、生成した前記硫酸水素アンモニウムの少なくとも一部が更なるコハク酸アンモニウムと反応するために用いられることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  16. 前記pHが1.2から2.5に下げられたことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  17. 前記pHが1.5から1.8に下げられたことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  18. 前記除去されたコハク酸はアルコールに溶解され、コハク酸およびアルコールの混合物がろ過され、前記アルコールを蒸発させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  19. 前記アルコールは、メタノールであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
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