JPH05328982A - クレゾール異性体混合物から異性体を分離する方法 - Google Patents

クレゾール異性体混合物から異性体を分離する方法

Info

Publication number
JPH05328982A
JPH05328982A JP14424192A JP14424192A JPH05328982A JP H05328982 A JPH05328982 A JP H05328982A JP 14424192 A JP14424192 A JP 14424192A JP 14424192 A JP14424192 A JP 14424192A JP H05328982 A JPH05328982 A JP H05328982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cresol
isomers
mixture
hydroxybenzoic acid
microorganism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14424192A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Uehara
原 健 一 上
Masaharu Ishikura
倉 正 治 石
Daizo Takeuchi
内 大 造 武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP14424192A priority Critical patent/JPH05328982A/ja
Publication of JPH05328982A publication Critical patent/JPH05328982A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の多段蒸留や、圧力晶析法によって分離し
ていたo−,m−,p−クレゾール異性体の分離を、省
エネルギー的な微生物を用いた方法により、安価に分離
する方法。 【構成】微生物を用いて、o−,m−,p−クレゾール
各異性体の混合物からp−クレゾールをp−ヒドロキシ
安息香酸にして、o−,m−クレゾール異性体を分離す
るクレゾール異性体混合物から異性体を分離する方法。
例えば、シュードモナス属細菌および/またはエンテロ
バクター属細菌を用いて、前記微生物の菌体を培養して
増殖させた後、前記各異性体の混合物を添加して培養を
継続するか、増殖後、菌体を回収し、前記各異性体の混
合物を添加した培地に移植し、あるいはさらにその後、
間欠的にまたは連続的に混合物を添加して、o−,m−
クレゾール異性体を分離する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、o−,m−,p−クレ
ゾール異性体混合物から微生物学的方法によりo−,m
−,p−クレゾール各異性体を分離する方法に関する。
さらに詳しく述べると、本発明は、o−,m−,p−ク
レゾール異性体混合物に、シュードモナス属またはエン
テロバクター属に属する細菌あるいはその混合物を作用
させて、p−クレゾールをp−ヒドロキシ安息香酸に選
択的に変換して、p−クレゾールのみを沸点の離れたp
−ヒドロキシ安息香酸とし、o−,m−クレゾールを分
離する異性体混合物から異性体を分離する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、クレゾールのo−,m−,p−各
異性体をそれらの混合物から分離する方法として、蒸留
法を用いると、各異性体の間で沸点が非常に近いため
(o−クレゾール 191.0℃、m−クレゾール 2
02.2℃、p−クレゾール 201.9℃)、分離が
難しく、多くのエネルギーを消費してきた。特に、m−
クレゾールとp−クレゾールの蒸留による分離は極めて
困難で、o−クレゾールを低沸点で初留として分離して
も、さらに高段数による精密な蒸留分離が必要であった
り、あるいはm−クレゾール、p−クレゾールをスルホ
ン化した後、水蒸気分解により、まず分離しやすいm−
クレゾールを分離し、最後にp−クレゾールを得る方法
や、または、m−クレゾールとp−クレゾール混合物を
約1,000kg/cm2 の高圧で加圧する圧力晶析法
によって分離する方法などが行われてきた。しかし、い
ずれもエネルギー消費量が大きく、経費がかかり高価な
分離方法が行われているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、常温
・常圧で進行する経済的な微生物による物質の変換法を
利用して、o−,m−,p−クレゾール異性体混合物中
のp−クレゾールを高選択的に種々の原料として有用な
p−ヒドロキシ安息香酸に変換することにより、クレゾ
ールの各異性体を省エネルギー的に分離する方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、沸点が近
似しているクレゾールの各異性体混合物からo−,m
−,p−クレゾール異性体をそれぞれ分離するために、
微生物による省エネルギー的な方法によって、混合物中
のp−クレゾールのみをp−ヒドロキシ安息香酸に変換
して沸点を変化させ、沸点の近いm−クレゾールとp−
クレゾールを蒸留や圧力晶析法によらないで、効率的で
省エネルギー的に分離する方法を見出だし、本発明を完
成した。
【0005】すなわち、本発明は、微生物を用いて、o
−,m−,p−クレゾール各異性体の混合物からp−ク
レゾールをp−ヒドロキシ安息香酸にして、o−,m−
クレゾール異性体を分離するクレゾール異性体混合物か
ら異性体を分離する方法を提供する。また、前記微生物
がシュードモナス属細菌および/またはエンテロバクタ
ー属細菌である、クレゾール異性体混合物から異性体を
分離する方法を提供する。さらに、前記微生物が、Pseu
domonas aeruginosa(シュードモナス・エルギノーザ)
KS−0181株、Pseudomonas putida(シュードモナ
ス・プチダ)KS−0180株、Pseudomonas putida
(シュードモナス・プチダ)KS−0160株から選ば
れる少なくとも1つである、クレゾール異性体混合物か
ら異性体を分離する方法を提供する。また、前記微生物
の菌体を培養して増殖させた後、前記o−,m−,p−
クレゾール各異性体の混合物を添加して培養を継続し、
p−クレゾール異性体をp−ヒドロキシ安息香酸に選択
的に変換する、クレゾール異性体混合物から異性体を分
離する方法を提供する。また、前記微生物の菌体を培養
して増殖させた後、菌体を回収し、前記o−,m−,p
−クレゾール各異性体の混合物を該菌体の静止菌体反応
によって、クレゾール異性体混合物から異性体を分離す
る方法を提供する。また、前記o−,m−,p−クレゾ
ール各異性体の混合物を間欠的または連続的に、前記微
生物の培地に添加する、クレゾール異性体混合物から異
性体を分離する方法を提供する。
【0006】o−,m−,p−クレゾール異性体混合物
を分離する方法を以下に詳細に説明する。本発明の方法
に使用する細菌菌株は、シュードモナス属に属する細菌
およびエンテロバクター属に属する細菌の内、p−クレ
ゾールをp−ヒドロキシ安息香酸に微生物学的に変換す
る能力を有する菌体を包含する。前記菌体は、土壌中か
ら通常の菌体分離の方法によって、新たに分離してもよ
いが、下記の菌体を工業技術院微生物工業技術研究所、
特にIFO株については、財団法人発酵研究所(大阪
市)から入手することができる。
【0007】シュードモナス属としては、平成4年3月
17日付で寄託されたシュードモナス・プチダ(Pseudo
monas pitida) KS−0180株(微工研菌寄第128
80号)、平成4年3月17日付で寄託されたシュード
モナス・プチダ(Pseudomonas pitida) KS−0160
株(微工研菌寄第12879号)および平成4年3月1
7日付で寄託されたシュードモナス・エルギノーザ(Ps
eudomonas aeruginosa) KS−0181株(微工研菌寄
第12881号)が挙げられ、エンテロバクター属とし
ては、エンテロバクター・クロッカエ(Enterobactor c
loacae) IFO 13535株が挙げられる。
【0008】本発明の方法で使用する細菌菌株の培養の
ための培地としては、通常の細菌用培地を使用してもよ
い。この時に用いる培地は、培地成分として、適当な炭
素源、窒素源および無機塩などを含有しうる。
【0009】炭素源としては、本発明の菌株が利用でき
る任意の炭素源を使用できる。かかる炭素源として利用
できる有機物には、グリセリンなどの有機化合物、グル
コース、フラクトースなどの炭水化物、オリーブ油、大
豆油などの脂質、メタノール、エタノールなどのアルコ
ール、コーンスティープリカー、廃糖蜜などの農産物抽
出・精製残渣、あるいはマロン酸、クエン酸などの有機
酸が例示できる。さらに、本発明の菌株が利用し得る1
種または2種以上の炭素化合物を任意に炭素源として利
用できる。炭素源の含有量は、炭素源の種類によっても
異なるが、培地中2〜10重量%以上であるのが好まし
い。
【0010】窒素源としては、特に限定されないが、硫
酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの無機窒素化合
物、およびペプトン、酵母エキスなどの有機窒素源が利
用できる。有機窒素化合物を用いた場合、これには炭素
も含まれているので、別の炭素源は必ずしも必要でな
い。
【0011】無機塩類としては、各種の硫酸塩、リン酸
塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネ
シウム塩などが使用できる。さらに、微量の重金属類
(例えば、鉄塩、マンガン塩など)を培地に含有させて
もよい。
【0012】培養方法としては、振盪培養法、深部通気
攪拌培養法などの方法により行うことができる。培養温
度は、20〜37℃、PHは中性付近、攪拌は80〜4
00rpm、培養日数は反応の進行に応じて決めること
ができるが、通常は1〜2日が適当である。2日を超え
ると、副生物を生じることや若干の変換生成物の分解を
生じる点で好ましくない。
【0013】これらの細菌菌株は、p−クレゾールをp
−ヒドロキシ安息香酸に変換することができる。o−,
m−,p−クレゾール異性体混合物を、本発明の微生物
菌体と共存させることによって、p−クレゾールのみを
p−ヒドロキシ安息香酸に選択的に変換することができ
る。
【0014】p−クレゾールをp−ヒドロキシ安息香酸
に変換する方法は、上述のようにして得られたシュード
モナス属またはエンテロバクター属に属する細菌あるい
はその混合物の菌体培養物にo−,m−,p−クレゾー
ル異性体混合物を添加するか、または、前記菌体培養物
を遠心分離等により回収して、分離した微生物の生菌体
をグルコース0.1gを含有する0.85%(0.8〜
0.95%)生理食塩水あるいは各種緩衝液に懸濁し、
これにo−,m−,p−クレゾール異性体混合物を添加
することによって行われる。また、o−,m−,p−ク
レゾール異性体混合物の添加は、培養後1度に添加する
か、または2回以上に分けて間欠的に添加してもよい。
さらに、パラクレゾールの含有量が0.1〜0.2重量
%となるように連続して添加してもよい。微生物の菌体
を生理食塩水、各種緩衝液に懸濁する場合、培養時と同
様の界面活性剤および消泡剤を添加してもよい。この変
換反応の条件は、常圧、20〜37℃、PHは中性付近
である。また、変換反応の期間は、1時間〜2日位、特
に12時間程度であるのが好ましい。添加するo−,m
−,p−クレゾール各異性体混合物は、培養液中3重量
%以下、特に1重量%以下であるのが好ましく。さらに
0.2〜0.5重量%であるのが好ましい。3重量%以
上であると、微生物が十分に作用しなくなるので好まし
くない。また、常法により、本発明の微生物菌体を固定
化菌体としてカラムに充填して、クレゾールの異性体の
混合物を流加するリアクター方式でp−クレゾールをp
−ヒドロキシ安息香酸に変換することもできる。
【0015】上記変換反応が終了した後、o−クレゾー
ル、m−クレゾールおよび生成したp−ヒドロキシ安息
香酸を培養液から分離・精製する。この方法は、一般の
有機化合物の分離・精製と同様に、溶媒抽出、カラムク
ロマトグラフィー、中和、濃縮、結晶化などの当業者の
周知の手段を適宜組み合わせることにより行うことがで
きる。まず、反応液を遠心分離することにより、微生物
菌体を培養液から取り除く。次に、残った上清中に含ま
れるo−クレゾール、m−クレゾールおよびp−ヒドロ
キシ安息香酸の混合物を分離する方法は、以下のとおり
である。
【0016】先にp−ヒドロキシ安息香酸を分離する。
分離の方法は、たとえば、得られた上清を濃縮し、次い
で酸性化してp−ヒドロキシ安息香酸を沈殿させて固液
分離して、p−ヒドロキシ安息香酸を分離することがで
きる。分離したp−ヒドロキシ安息香酸を再びp−クレ
ゾールに変換してもよい。
【0017】次に、o−クレゾールとm−クレゾール混
合物の分離は、一般の有機化合物の分離精製と同様の処
理により分離することが出来る。すなわち、p−ヒドロ
キシ安息香酸を析出させて除いた後、o−クレゾールと
m−クレゾール混合物を蒸留し、o−クレゾールとm−
クレゾール異性体混合物とを分離すればよい。
【0018】別の方法として、反応液の蒸留によりo−
クレゾールを分離した後、残ったm−クレゾールとp−
ヒドロキシ安息香酸との混合物を濃縮して、p−ヒドロ
キシ安息香酸を析出させることにより容易に分離するこ
とが出来る。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0020】(実施例1)本実施例は、本発明の方法に
よるo−,m−,p−クレゾール異性体の混合物からo
−,m−,p−クレゾールの各々を微生物によって分離
する方法を例示する。使用した培地は下記組成のもので
あった。 培地組成 リン酸2ナトリウム 3.0g リン酸1カリウム 2.0g 尿素 2.0g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g 炭酸ナトリウム 0.1g 塩化カルシウム・2水塩 0.01g 硫酸鉄・7水塩 0.005g グリセリン 2.0g 酵母エキス 1.0g イオン交換水 1.0L PH 6.8 (PH調整後、120℃、1.2kg/cm2 、20分間滅菌して使用)
【0021】上記培地100mLにシュードモナス・プ
チダ(Pseudomonas putida) KS−0180菌株(微工
研菌寄第12880号)の菌株1白金耳を接種し、30
℃で1夜振盪培養した。得られた培養液の10mLを、
前記と同様の培地100mLを仕込んだ300mL容フ
ラスコに接種して1日間振盪培養を行った。培養条件
は、温度30℃、PH6.8、180rpmであった。
培養終了後、培養液を8,000×Gで20分間、5℃
で遠心分離し、生菌体を分離した。集菌した生菌体を生
理食塩水で洗浄した後、グルコース0.1gを含有する
0.85%生理食塩水50mlに懸濁し、これにクレゾ
ールのo−,m−,p−各異性体の等モル混合物0.1
5gを添加して、30℃で時々弱く攪拌しながら12時
間反応を行った。反応終了後、前述と同じ遠心分離法に
より菌体を分離し、上清に硫酸を加えてPH1とした
後、この酸性溶液をクロロホルム20mlで抽出し、抽
出液を濃縮して油状物を得た。これを減圧濃縮し、18
7〜193℃の画分でo−クレゾール47mgを分取
し、次いで198〜203℃画分としてm−クレゾール
46mgを分取した。蒸留残渣をエタノール:キシレン
の1:1混合溶媒で再結晶することによりp−ヒドロキ
シ安息香酸の白色針状結晶60mgを得た。同定は、常
法によりo−,m−クレゾールおよびp−ヒドロキシ安
息香酸は、ガスクロマトグラフィーと赤外吸収スペクト
ルで確認した。分離した各成分の純度は、ガスクロマト
グラフィーによる分析から、o−クレゾール99.4
%、m−クレゾール99.5%、p−ヒドロキシ安息香
酸99.2%であった。
【0022】(実施例2)微生物としてシュードモナス
・プチダKS−0160菌株(微工研菌寄第12879
号)を使用した以外、実施例1と同じ条件で反応させ
て、o−クレゾール46mg、m−クレゾール46m
g、p−ヒドロキシ安息香酸58mgを得た。
【0023】(実施例3)実施例1で使用したものと同
じ組成の培地にp−クレゾール0.2gを添加した培地
100mLを仕込んだ300mL容三角フラスコに実施
例1と同様にシュードモナス・プチダKS−0180の
菌株を1白金耳接種して培養した。この培養液を前培養
液として10mLを、前記と同様のp−クレゾールを
0.2重量%含有した培地90mLに接種して1日間、
実施例1と同じ培養条件で培養を行った。1日後にo
−,m−,p−クレゾール異性体の等モル混合物0.3
gを添加して、さらに1日間培養を続けた。2日後の培
養液中のo−クレゾール、m−クレゾールは各々97m
g、98mgであり、p−クレゾールは検出されず、p
−ヒドロキシ安息香酸376mgを生成した。この反応
液を、実施例1と同じ方法によって各々、o−クレゾー
ル95mg、m−クレゾール94mg、p−ヒドロキシ
安息香酸365mgを取得した。
【0024】(実施例4)微生物としてシュードモナス
・エルギノーザKS−0181菌株(微工研菌寄第12
881号)を使用した以外、実施例3と同じ条件で反応
させて、o−クレゾール94mg、m−クレゾール94
mg、p−ヒドロキシ安息香酸349mgを取得した。
【0025】(実施例5)微生物としてエンテロバクタ
ー・クロッカエ(Enterobacter cloacae) IFO1353
5株を使用した以外は、実施例1と同様の条件で反応さ
せて、o−クレゾール47mg、m−クレゾール46m
gおよびp−ヒドロキシ安息香酸57mgを得た。
【0026】(実施例6)微生物としてエンテロバクタ
ー・クロッカエ(Enterobacter cloacae) IFO1353
5株を使用した以外は、実施例3と同様の条件で培養を
行った。1日後にo−,m−,p−クレゾール異性体の
等モル混合物0.15gを添加して、さらに1日間培養
を続けた。2日後の培養液中のo−クレゾール、m−ク
レゾールは各々48mg、48mgであり、p−クレゾ
ールは検出されず、p−ヒドロキシ安息香酸295mg
を生成した。この反応液を、実施例1と同様の方法によ
って各々、o−クレゾール46mg、m−クレゾール4
5mg、p−ヒドロキシ安息香酸282mgを取得し
た。
【0027】(実施例7)実施例1で使用したものと同
じ組成の培地100mLを仕込んだ300mL容三角フ
ラスコ3本を使用し、各々のフラスコにシュードモナス
・ブチダKS−0180株を1白金耳接種して、30
℃、180rpmで振盪培養した。得られた培養液30
0mLを母菌として、前記と同じ減菌した3.5Lの培
地を仕込んだ5L容のジャー・ファーメンターに接種し
て2日間培養を行った。培養条件は、温度30℃、pH
7.0、攪拌300rpm、通気量0.5容量/容量/
分であった。培養終了後、10,000×Gで、10分
間の遠心分離によって集菌した。菌体収量は、105
℃、2時間乾燥で5.3g/Lであった。集菌した生菌
体全量をグリセリン0.1%を含有する0.2%の生理
食塩水500mLに懸濁し、これにo−,m−,p−ク
レゾール異性体の等モル混合物1.5gを添加して30
℃で弱く攪拌しながら1時間反応させた。反応収量後の
反応液中のo−クレゾール、m−クレゾールは各々49
3mg、491mgであり、p−クレゾールは検出され
ず、p−ヒドロキシ安息香酸630mgを生成した。こ
の反応液を、実施例1と同じ方法によって各々、o−ク
レゾール476mg、m−クレゾール470mg、p−
ヒドロキシ安息香酸610mgを取得した。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法により、従来は多段蒸留
や、圧力晶析法によって分離していたo−,m−,p−
クレゾール各異性体の分離を、m−,p−クレゾールの
分離に関してはエネルギーをほとんど要せずに微生物的
な方法により安価に分離することができた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物を用いて、o−,m−,p−クレゾ
    ール各異性体の混合物からp−クレゾールをp−ヒドロ
    キシ安息香酸にし、o−,m−クレゾール異性体を分離
    することを特徴とする、クレゾール異性体混合物から異
    性体を分離する方法。
  2. 【請求項2】前記微生物がシュードモナス属細菌および
    /またはエンテロバクター属細菌である請求項1に記載
    の分離する方法。
  3. 【請求項3】前記微生物が、Pseudomonas aeruginosa
    (シュードモナス・エルギノーザ)KS−0181株、
    Pseudomonas putida(シュードモナス・プチダ)KS−
    0180株、Pseudomonas putida(シュードモナス・プ
    チダ)KS−0160株から選ばれる少なくとも1つで
    ある請求項1または2に記載の分離する方法。
  4. 【請求項4】前記微生物の菌体を培養して増殖させた
    後、前記o−,m−,p−クレゾール各異性体の混合物
    を添加して培養を継続し、p−クレゾール異性体をp−
    ヒドロキシ安息香酸に選択的に変換する請求項1〜3の
    いずれかに記載の分離する方法。
  5. 【請求項5】前記微生物の菌体を培養して増殖させた
    後、菌体を回収して、該菌体を用いて前記o−,m−,
    p−クレゾール各異性体の混合物からp−クレゾール異
    性体をp−ヒドロキシ安息香酸に選択的に変換する請求
    項1〜4のいずれかに記載の分離する方法。
  6. 【請求項6】前記o−,m−,p−クレゾール各異性体
    の混合物を間欠的または連続的に、前記微生物の培地に
    添加する請求項4または5に記載の分離する方法。
JP14424192A 1992-06-04 1992-06-04 クレゾール異性体混合物から異性体を分離する方法 Withdrawn JPH05328982A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14424192A JPH05328982A (ja) 1992-06-04 1992-06-04 クレゾール異性体混合物から異性体を分離する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14424192A JPH05328982A (ja) 1992-06-04 1992-06-04 クレゾール異性体混合物から異性体を分離する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05328982A true JPH05328982A (ja) 1993-12-14

Family

ID=15357530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14424192A Withdrawn JPH05328982A (ja) 1992-06-04 1992-06-04 クレゾール異性体混合物から異性体を分離する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05328982A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0738796B2 (ja) 醗酵法による2−ケト−d−グルカル酸の製造法
WO2000075355A1 (fr) Nouveau procede de production de l-epi-2-inosose et de production d'epi-inositol
JPH0775589A (ja) プロトカテキュ酸の製造方法
JPH03130084A (ja) トレハロースの製造法
JPH05328982A (ja) クレゾール異性体混合物から異性体を分離する方法
JPH05328981A (ja) パラヒドロキシ安息香酸の製造方法
JPH05336979A (ja) パラヒドロキシ安息香酸の製造方法
US2798839A (en) Production of l-glutamic acid
JPH05336980A (ja) パラヒドロキシ安息香酸の製造方法
JPH0568576A (ja) コハク酸の製造法
JP3609210B2 (ja) ラフィノース液の精製方法
JPH07313176A (ja) 新規微生物および該微生物を用いた 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法
JPS5923794B2 (ja) ジヒドロキシアセトンの製造法
JPS5943157B2 (ja) ピキア属菌によるソルビト−ルの製造法
JPH0740951B2 (ja) 微生物による含窒素複素環化合物の水酸化物の製造方法
JPH06277078A (ja) パラヒドロキシベンズアルデヒドの製造方法
JPH0728750B2 (ja) 微生物によるピラジン酸の水酸化物の製造方法
JPH07213295A (ja) 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法
JPS5921599B2 (ja) D(−)−β−ヒドロキシイソ酪酸の製造法
JPH05328980A (ja) パラヒドロキシ安息香酸の製造方法
JPS5953839B2 (ja) (−)−α−ヒドロキシメチル酪酸の製造方法
JP3012990B2 (ja) D―アスパラギン酸の製造法
JPH06277079A (ja) パラトルイル酸の製造方法
JPS6310996B2 (ja)
JPS6221520B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990831