JPH07213295A - 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法 - Google Patents
微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法Info
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- JPH07213295A JPH07213295A JP6013397A JP1339794A JPH07213295A JP H07213295 A JPH07213295 A JP H07213295A JP 6013397 A JP6013397 A JP 6013397A JP 1339794 A JP1339794 A JP 1339794A JP H07213295 A JPH07213295 A JP H07213295A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】微生物の作用によって3,4−キシレノールを
位置選択性的に、酸化することによる医薬、香科、農薬
等の原科として有用な4−ヒドロキシ−2−メチル安息
香酸の製造方法。 【構成】微生物シュードモナス・プチダ(Pseudomonas
putida)種を用いて、3,4−キシレノールの4位のメ
チル基のみを選択的に酸化して4−ヒドロキシ−2−メ
チル安息香酸に変換する4−ヒドロキシ−2−メチル安
息香酸の製造方法。
位置選択性的に、酸化することによる医薬、香科、農薬
等の原科として有用な4−ヒドロキシ−2−メチル安息
香酸の製造方法。 【構成】微生物シュードモナス・プチダ(Pseudomonas
putida)種を用いて、3,4−キシレノールの4位のメ
チル基のみを選択的に酸化して4−ヒドロキシ−2−メ
チル安息香酸に変換する4−ヒドロキシ−2−メチル安
息香酸の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物を用いて、3,4
−キシレノールの4位のメチル基のみを選択的に酸化し
て、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を製造する方
法に関する。さらに詳しく述べると、シュードモナス・
プチダKS−0160、シュードモナス・プチダKS−
0180の培養液に3,4−キシレノールを存在させ
て、培養液中に変換生成され蓄積した4−ヒドロキシ−
2−メチル安息香酸を採集することからなる、4−ヒド
ロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法に関する。
−キシレノールの4位のメチル基のみを選択的に酸化し
て、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を製造する方
法に関する。さらに詳しく述べると、シュードモナス・
プチダKS−0160、シュードモナス・プチダKS−
0180の培養液に3,4−キシレノールを存在させ
て、培養液中に変換生成され蓄積した4−ヒドロキシ−
2−メチル安息香酸を採集することからなる、4−ヒド
ロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでに、3,4−キシレノールから
の微生物変換反応による4−ヒドロキシ−2−メチル安
息香酸の生成は、シュードモナス(Pseudomonas ) 属の
細菌の3,4−シレノール代謝中間体として検出してい
る例(Biochem.J.(1957),66,227 )が、
知られているが、この研究は3,4−キシレノールの分
解が4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を経て進行し
ていることを明らかにしているに過ぎない。また、反応
時に加える3,4−キシレノールの濃度が0.04重量
%以下と低濃度でないとその微生物に与える毒性のため
に反応が進行しなかった。
の微生物変換反応による4−ヒドロキシ−2−メチル安
息香酸の生成は、シュードモナス(Pseudomonas ) 属の
細菌の3,4−シレノール代謝中間体として検出してい
る例(Biochem.J.(1957),66,227 )が、
知られているが、この研究は3,4−キシレノールの分
解が4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を経て進行し
ていることを明らかにしているに過ぎない。また、反応
時に加える3,4−キシレノールの濃度が0.04重量
%以下と低濃度でないとその微生物に与える毒性のため
に反応が進行しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、微生物、酵
素の持つ反応特異性を用いてより効率的に4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸を生産するために、より高い濃
度の3,4−キシレノールに対して耐性をもつ微生物の
必要性が高まっている。本発明の目的は、反応選択性の
高い微生物変換反応を利用して、4−ヒドロキシ−2−
メチル安息香酸を製造する新規な方法を提供することで
ある。
素の持つ反応特異性を用いてより効率的に4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸を生産するために、より高い濃
度の3,4−キシレノールに対して耐性をもつ微生物の
必要性が高まっている。本発明の目的は、反応選択性の
高い微生物変換反応を利用して、4−ヒドロキシ−2−
メチル安息香酸を製造する新規な方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、化学合成
法よりも反応選択性の高い微生物の酵素を用いた酸化反
応に着目した。すなわち、微生物に増殖を支える基質を
与えて増殖させ、この培養液に3,4−キシレノールを
共存させて、この3,4−キシレノールを酸化・変換さ
せるコ・オキシデーション(Co‐oxidation )の方法に
よって4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を生成さ
せ、得られた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を分
解させることなく著量蓄積させる方法を完成することを
目的とした。そこで、本発明者らは、コ・オキシデーシ
ョンにより3,4−キシレノールから4−ヒドロキシ−
2−メチル安息香酸を生産する能力を持つ微生物を検索
した結果、シユードモナス属に属する細菌菌株に、3,
4−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチル安息香
酸に変換する菌抹を見いだし、本発明を完成した。
法よりも反応選択性の高い微生物の酵素を用いた酸化反
応に着目した。すなわち、微生物に増殖を支える基質を
与えて増殖させ、この培養液に3,4−キシレノールを
共存させて、この3,4−キシレノールを酸化・変換さ
せるコ・オキシデーション(Co‐oxidation )の方法に
よって4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を生成さ
せ、得られた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を分
解させることなく著量蓄積させる方法を完成することを
目的とした。そこで、本発明者らは、コ・オキシデーシ
ョンにより3,4−キシレノールから4−ヒドロキシ−
2−メチル安息香酸を生産する能力を持つ微生物を検索
した結果、シユードモナス属に属する細菌菌株に、3,
4−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチル安息香
酸に変換する菌抹を見いだし、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、微生物シュードモナ
ス・プチダ種を用いて、3,4−キシレノールの4位の
メチル基のみを選択的に酸化して4−ヒドロキシ−2−
メチル安息香酸に変換する4−ヒドロキシ−2−メチル
安息香酸の製造方法を提供する。また、微生物シュード
モナス・プチダKS−0160株、シュードモナス・プ
チダKS‐0180株を用いて、3,4−キシレノール
を4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する4−
ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法を提供す
る。さらに、その微生物菌体を培養して、3,4−キシ
レノールを添加した培地で培養する4−ヒドロキシ−2
−メチル安息香酸の製造方法を提供する。また、その微
生物の菌体を培養して増殖させた後、3,4−キシレノ
ールを添加して培養を継続し、3,4−キシレノールを
4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する4−ヒ
ドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法を提供する。
ス・プチダ種を用いて、3,4−キシレノールの4位の
メチル基のみを選択的に酸化して4−ヒドロキシ−2−
メチル安息香酸に変換する4−ヒドロキシ−2−メチル
安息香酸の製造方法を提供する。また、微生物シュード
モナス・プチダKS−0160株、シュードモナス・プ
チダKS‐0180株を用いて、3,4−キシレノール
を4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する4−
ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法を提供す
る。さらに、その微生物菌体を培養して、3,4−キシ
レノールを添加した培地で培養する4−ヒドロキシ−2
−メチル安息香酸の製造方法を提供する。また、その微
生物の菌体を培養して増殖させた後、3,4−キシレノ
ールを添加して培養を継続し、3,4−キシレノールを
4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する4−ヒ
ドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法を提供する。
【0006】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方
法は、シュードモナス属に属する菌株、特に、シュード
モナス・プチダKS−0160株、シュードモナス・プ
チダKS‐0180株の菌体のコ・オキシデーション作
用を利用することにより、微生物の培養液中に出発物質
を共存させ、微生物の増殖は、変換させたい物質とは別
の増殖に必要な炭素源、窒素源で行ない、増殖した微生
物が培養液中に共存した出発物質を酸化変換させること
である。本発明では、微生物シュードモナス属に属する
菌株を用いて工業的規模で、3,4−キシレノールを4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に酸化することがで
きる。特に、シュードモナス・プチダKS−0160
株、シュードモナス・プチダKS−0180株を用い
て、3,4−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチ
ル安息香酸に酸化することである。
本発明の4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方
法は、シュードモナス属に属する菌株、特に、シュード
モナス・プチダKS−0160株、シュードモナス・プ
チダKS‐0180株の菌体のコ・オキシデーション作
用を利用することにより、微生物の培養液中に出発物質
を共存させ、微生物の増殖は、変換させたい物質とは別
の増殖に必要な炭素源、窒素源で行ない、増殖した微生
物が培養液中に共存した出発物質を酸化変換させること
である。本発明では、微生物シュードモナス属に属する
菌株を用いて工業的規模で、3,4−キシレノールを4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に酸化することがで
きる。特に、シュードモナス・プチダKS−0160
株、シュードモナス・プチダKS−0180株を用い
て、3,4−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチ
ル安息香酸に酸化することである。
【0007】本発明で使用する菌株は、シュードモナス
・プチダ種に属すると同定される細菌であって、3,4
−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸
に変換する能力のある菌株であればよい。特に、シュー
ドモナス・プチダKS‐0160株、シュードモナス・
プチダKS‐0180株が好ましい。したがって、土壌
から単離した菌株で、バージーズ・マニュアル・オブ・
システマチツク・バクテリオロジー(Bergey's Mannual
of Systematic Bacteriology)、Vol.1, 141〜199
(1984)に記載の基準により、シュードモナス属の菌株
であると同定した菌株であってもよい。また微工研など
の機関から入手したものであってもよい。シュードモナ
ス・プチダKS−0160株は、平成4年3月17日付
で、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に、Ps
eudomonas putida KS−0160という識別のための
表示で寄託・保管されており、その寄託番号は、微工研
菌寄第12879号(FERM P−12879)であ
る。シュードモナス・プチダKS‐0180株は、平成
4年3月17日付で、通商産業省工業技術院微生物工業
技術研究所に、Pseudomonas putida KS−0180と
いう識別のための表示で寄託・保管されており、その寄
託番号は、微工研菌寄第12880号(FERM P−
12880)である。シュードモナス・プチダKS−0
160株およびシュードモナス・プチダKS0180株
の単離・同定は、特願平4−145729号および特願平4−
145730号に記載の通りである。本発明は、これらの記載
を引用して本明細書の範囲とする。
・プチダ種に属すると同定される細菌であって、3,4
−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸
に変換する能力のある菌株であればよい。特に、シュー
ドモナス・プチダKS‐0160株、シュードモナス・
プチダKS‐0180株が好ましい。したがって、土壌
から単離した菌株で、バージーズ・マニュアル・オブ・
システマチツク・バクテリオロジー(Bergey's Mannual
of Systematic Bacteriology)、Vol.1, 141〜199
(1984)に記載の基準により、シュードモナス属の菌株
であると同定した菌株であってもよい。また微工研など
の機関から入手したものであってもよい。シュードモナ
ス・プチダKS−0160株は、平成4年3月17日付
で、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に、Ps
eudomonas putida KS−0160という識別のための
表示で寄託・保管されており、その寄託番号は、微工研
菌寄第12879号(FERM P−12879)であ
る。シュードモナス・プチダKS‐0180株は、平成
4年3月17日付で、通商産業省工業技術院微生物工業
技術研究所に、Pseudomonas putida KS−0180と
いう識別のための表示で寄託・保管されており、その寄
託番号は、微工研菌寄第12880号(FERM P−
12880)である。シュードモナス・プチダKS−0
160株およびシュードモナス・プチダKS0180株
の単離・同定は、特願平4−145729号および特願平4−
145730号に記載の通りである。本発明は、これらの記載
を引用して本明細書の範囲とする。
【0008】本発明の製造方法は、微生物を増殖させる
工程および微生物を利用して3,4−キシレノールを4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する工程を包
含する。また、微生物を増殖させる工程(増殖工程)と
微生物を利用して3,4−キシレノールを4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸に酸化する工程(変換工程)
は、別々の工程であっても、同時に行なわれる工程であ
ってもよい。本発明の方法で使用する細菌菌株を増殖さ
せる(増殖工程)のための培地としては、通常の細菌用
培地を使用してもよいが、この菌株が良好に成育できる
培地で、かつ微生物による酸化反応を進行させるもので
あれば、いかなる組成の培地も使用できる。この時に用
いる培地は、培地成分として、適切な炭素源、窒素源お
よび無機塩などを含有しうる。また、本発明の変換工程
に使用する培地は、菌体増殖用と同様の培地を用いても
よく、また異なる培地を用いてもよい。培地成分に、前
記菌体を増殖するための培地に含まれる成分と同じ成分
を含み得る。
工程および微生物を利用して3,4−キシレノールを4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する工程を包
含する。また、微生物を増殖させる工程(増殖工程)と
微生物を利用して3,4−キシレノールを4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸に酸化する工程(変換工程)
は、別々の工程であっても、同時に行なわれる工程であ
ってもよい。本発明の方法で使用する細菌菌株を増殖さ
せる(増殖工程)のための培地としては、通常の細菌用
培地を使用してもよいが、この菌株が良好に成育できる
培地で、かつ微生物による酸化反応を進行させるもので
あれば、いかなる組成の培地も使用できる。この時に用
いる培地は、培地成分として、適切な炭素源、窒素源お
よび無機塩などを含有しうる。また、本発明の変換工程
に使用する培地は、菌体増殖用と同様の培地を用いても
よく、また異なる培地を用いてもよい。培地成分に、前
記菌体を増殖するための培地に含まれる成分と同じ成分
を含み得る。
【0009】炭素源としては、本発明の菌株が利用でき
る任意の炭索源を使用できる。かかる炭素源としてリボ
ース、グルコース、フルクトース、マンノースなどの糖
類、大豆油、オリーブ油などの脂質、メタノール、エタ
ノール、グリセロール(グリセリン)などのアルコー
ル、コハク酸、マロン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸な
どの有機酸、廃糖蜜などの農産物残渣が例示できる。菌
体増殖用の培地の場合には、上述したような本発明の菌
体が利用しうる1種または2種以上の有機化合物を任意
に炭素源として利用できる。また、変換培養用の培地の
場合には増殖に使用したすべての炭素源が利用できる、
グルコース、グリセリンなど本発明に使用する細菌の利
用しやすい有機化合物や単糖類が望ましい。炭素源の含
有量は、炭素源の種類によっても異なるが、培地中0.
2重量%以上、特に0.2〜10重量%であるのが菌体
を充分に増殖させる点で望ましい。
る任意の炭索源を使用できる。かかる炭素源としてリボ
ース、グルコース、フルクトース、マンノースなどの糖
類、大豆油、オリーブ油などの脂質、メタノール、エタ
ノール、グリセロール(グリセリン)などのアルコー
ル、コハク酸、マロン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸な
どの有機酸、廃糖蜜などの農産物残渣が例示できる。菌
体増殖用の培地の場合には、上述したような本発明の菌
体が利用しうる1種または2種以上の有機化合物を任意
に炭素源として利用できる。また、変換培養用の培地の
場合には増殖に使用したすべての炭素源が利用できる、
グルコース、グリセリンなど本発明に使用する細菌の利
用しやすい有機化合物や単糖類が望ましい。炭素源の含
有量は、炭素源の種類によっても異なるが、培地中0.
2重量%以上、特に0.2〜10重量%であるのが菌体
を充分に増殖させる点で望ましい。
【0010】窒素源としては、とくに限定されないが、
肉エキス、ペプトン、酵母エキス、コーンスティープリ
カー、カザミノ酸、尿素などの有機窒素源、および硝酸
アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの無機窒素源が利
用できる。また、窒素源の含有量は、培養液に対して、
0.1〜10重量%、特に、0.2〜5重量%であるの
が、菌体を充分に増殖させる点で好ましい。有機窒素源
を用いた場合、これには炭素源も含まれているので、別
の炭素源を新たに加えることは増殖用培地の場合には必
すしも必要ではない。
肉エキス、ペプトン、酵母エキス、コーンスティープリ
カー、カザミノ酸、尿素などの有機窒素源、および硝酸
アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの無機窒素源が利
用できる。また、窒素源の含有量は、培養液に対して、
0.1〜10重量%、特に、0.2〜5重量%であるの
が、菌体を充分に増殖させる点で好ましい。有機窒素源
を用いた場合、これには炭素源も含まれているので、別
の炭素源を新たに加えることは増殖用培地の場合には必
すしも必要ではない。
【0011】無機塩類としては各種の硫酸塩、リン酸
塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、カ
リウム塩などが使用できる。具体的には、硫酸鉄、リン
酸1水素2ナトリウム、リン酸2水素1カリウム、炭酸
ナトリウム、塩化カルシウム等が挙げられる。無機塩類
の好ましい添加量は、0.1〜10重量%、特に、リン
酸1水素2ナトリウムの場合、0.2〜1.0重量%で
あるのが、菌体を充分に増殖させる点で好ましい。さら
に、微量の重金属塩、例えば鉄塩、マンガン塩、銅塩、
亜鉛塩、モリプデン塩、コパルト塩などを培地に含有さ
せてもよい。
塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、カ
リウム塩などが使用できる。具体的には、硫酸鉄、リン
酸1水素2ナトリウム、リン酸2水素1カリウム、炭酸
ナトリウム、塩化カルシウム等が挙げられる。無機塩類
の好ましい添加量は、0.1〜10重量%、特に、リン
酸1水素2ナトリウムの場合、0.2〜1.0重量%で
あるのが、菌体を充分に増殖させる点で好ましい。さら
に、微量の重金属塩、例えば鉄塩、マンガン塩、銅塩、
亜鉛塩、モリプデン塩、コパルト塩などを培地に含有さ
せてもよい。
【0012】培養方法としては、通常の振盪培養法、深
部通気攪拌培養法などの方法により行なうことができ
る。培養温度は20〜37℃、pHは中性付近が望ましい。培
養日数は反応の進行に応じて決めることができるが、通
常は菌体増殖に1日、基質の変換に1〜2日であるのが
好ましい。基質の変換が1日未満であると、酸化中間体
である、4−ヒドロキシ−2−メチルベンジルアルコー
ル、4−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒドが生
じる。また、変換から3日以上であると、微生物の2次
代謝産物が増えるため、生成物の分離が難しくなり不利
である。また必要に応じて、脂肪酸エステル系、シリコ
ン系などの消泡剤を添加してもよい。
部通気攪拌培養法などの方法により行なうことができ
る。培養温度は20〜37℃、pHは中性付近が望ましい。培
養日数は反応の進行に応じて決めることができるが、通
常は菌体増殖に1日、基質の変換に1〜2日であるのが
好ましい。基質の変換が1日未満であると、酸化中間体
である、4−ヒドロキシ−2−メチルベンジルアルコー
ル、4−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒドが生
じる。また、変換から3日以上であると、微生物の2次
代謝産物が増えるため、生成物の分離が難しくなり不利
である。また必要に応じて、脂肪酸エステル系、シリコ
ン系などの消泡剤を添加してもよい。
【0013】本発明の製造方法に用いる3,4−キシレ
ノールは、菌体の増殖培養開始時に添加してもよく、ま
た、菌体の増殖培養後に添加してもよい。さらに増殖培
養時および増殖培養後の両方に添加してもよい。また、
菌体の増殖培殖後に添加する場合、3,4−キシレノー
ルを添加する時期は、菌体濃度が、660nm の吸光度で、
1.0から10.0、特に2.0〜8.0の時に添加する
のが変換速度を確保するために望ましい。3,4−キシ
レノールの添加方法としては、一度に、あるいは少しづ
つ添加してもよいし、その添加時期は、菌体増殖の開始
点で加えてもよく、また、経時的に添加する場合、増殖
後1日目、2日目に等量に分割して添加してもよい。添
加する3,4−キシレノールの培養液中の濃度は、1重
量%以下、特に0.5重量%以下であることが好まし
く、さらに0.1〜0.2重量%であるのが好ましい。
3,4−キシレノールの培養液中の濃度が、0.1重量
%未満では反応の効率が悪く、1重量%超では、微生物
が充分に作用しなくなるので好ましくない。さらに3,
4−キシレノールが0.1〜0.2重量%、特に0.1
〜0.15重量%となるように連続的に添加してもよ
い。3,4−キシレノールを添加する時期を、菌体増殖
前にするのと増殖後にするのでは、菌体の増殖後に添加
したほうが5〜10%変換率(4−ヒドロキシ−2−メ
チル安息香酸の収率)が高い。
ノールは、菌体の増殖培養開始時に添加してもよく、ま
た、菌体の増殖培養後に添加してもよい。さらに増殖培
養時および増殖培養後の両方に添加してもよい。また、
菌体の増殖培殖後に添加する場合、3,4−キシレノー
ルを添加する時期は、菌体濃度が、660nm の吸光度で、
1.0から10.0、特に2.0〜8.0の時に添加する
のが変換速度を確保するために望ましい。3,4−キシ
レノールの添加方法としては、一度に、あるいは少しづ
つ添加してもよいし、その添加時期は、菌体増殖の開始
点で加えてもよく、また、経時的に添加する場合、増殖
後1日目、2日目に等量に分割して添加してもよい。添
加する3,4−キシレノールの培養液中の濃度は、1重
量%以下、特に0.5重量%以下であることが好まし
く、さらに0.1〜0.2重量%であるのが好ましい。
3,4−キシレノールの培養液中の濃度が、0.1重量
%未満では反応の効率が悪く、1重量%超では、微生物
が充分に作用しなくなるので好ましくない。さらに3,
4−キシレノールが0.1〜0.2重量%、特に0.1
〜0.15重量%となるように連続的に添加してもよ
い。3,4−キシレノールを添加する時期を、菌体増殖
前にするのと増殖後にするのでは、菌体の増殖後に添加
したほうが5〜10%変換率(4−ヒドロキシ−2−メ
チル安息香酸の収率)が高い。
【0014】さらに、増殖工程および変換工程を、3,
4−キシレノールを添加する時期の組み含わせで考える
と、以下の組み合わせが例示される。 1)3,4−キシレノールを、増殖工程の開始点で加
え、増殖工程と変換工程を同時に行う。 2)微生物を増殖させた後、3,4−キシレノールを加
えて、変換反応を行う。3,4−キシレノールの添加
は、反応工程の途中または、開始点と途中の両方で行
う。 3)3,4−キシレノールの添加を増殖工程と変換工程
とに各々少なくとも1回以上行い、増殖工程の後に菌体
を培地から分離して変換反応の培地に移植する。
4−キシレノールを添加する時期の組み含わせで考える
と、以下の組み合わせが例示される。 1)3,4−キシレノールを、増殖工程の開始点で加
え、増殖工程と変換工程を同時に行う。 2)微生物を増殖させた後、3,4−キシレノールを加
えて、変換反応を行う。3,4−キシレノールの添加
は、反応工程の途中または、開始点と途中の両方で行
う。 3)3,4−キシレノールの添加を増殖工程と変換工程
とに各々少なくとも1回以上行い、増殖工程の後に菌体
を培地から分離して変換反応の培地に移植する。
【0015】上述の変換工程の培地は、増殖工程に用い
た培地と同様の培地であってもよく、また、本発明の菌
体が有する変換作用を妨げない溶液、例えば、各種緩衝
液、生理食塩水のような溶液であってもよい。リン酸緩
衝液を使用する場合、用いるリン酸緩衝液の濃度は、
0.05〜1.0Mであるのが、変換率の点で好まし
い。また、リン酸緩衝液を使用する場合、炭素源とし
て、グリセリン、グルコース、フルクトース等を添加す
るのが好ましく、窒素源は添加しなくてもよいが、窒素
源として、尿素、酵母エキス、コーンスティープリカー
等を添加してもよい。緩衝液で反応させる場合は、窒素
源はなくても変換可能である。この場合、炭素源の添加
量は、培地中の炭素源の濃度が0.1〜1.0重量%に
なるように添加するのが、変換反応時間を短くすませる
ことができる点で好ましい。また、窒素源の添加量は、
培地中の窒素源の濃度が0〜1.0重量%になるように
添加するのが、変換反応時間を短くすませることができ
る点で好ましい。また前記2)の方法では、菌体を増殖
後、3,4−キシレノールを添加して培養を継続するこ
とが望まれる。
た培地と同様の培地であってもよく、また、本発明の菌
体が有する変換作用を妨げない溶液、例えば、各種緩衝
液、生理食塩水のような溶液であってもよい。リン酸緩
衝液を使用する場合、用いるリン酸緩衝液の濃度は、
0.05〜1.0Mであるのが、変換率の点で好まし
い。また、リン酸緩衝液を使用する場合、炭素源とし
て、グリセリン、グルコース、フルクトース等を添加す
るのが好ましく、窒素源は添加しなくてもよいが、窒素
源として、尿素、酵母エキス、コーンスティープリカー
等を添加してもよい。緩衝液で反応させる場合は、窒素
源はなくても変換可能である。この場合、炭素源の添加
量は、培地中の炭素源の濃度が0.1〜1.0重量%に
なるように添加するのが、変換反応時間を短くすませる
ことができる点で好ましい。また、窒素源の添加量は、
培地中の窒素源の濃度が0〜1.0重量%になるように
添加するのが、変換反応時間を短くすませることができ
る点で好ましい。また前記2)の方法では、菌体を増殖
後、3,4−キシレノールを添加して培養を継続するこ
とが望まれる。
【0016】変換反応の終了後、生成した4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸の培養液からの分離・精製は、
一般の有機化合物の分離・精製と同様に、溶媒抽出、カ
ラムクロマトグラフィー、中和、濃縮、結晶化等の当業
者に周知の手段を適宜組み合わせることにより行なうこ
とができる。例えば、培養液から菌体などの固体を遠心
分離によって除去した後、上清を濃縮し、ついで濃縮液
を酸性にして、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を
沈澱させて固液分離する方法、あるいは上清を酸性にし
た後に、ジエチルエーテル、酢酸エチル、トルエン、ク
ロロホルムなどの有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に
よって抽出することにより分離する方法がある。このよ
うにして得られた粗精製物を各種クロマトグラフィー、
再結晶あるいはこれらを組み合わせることによって精製
することができる。本発明の方法により製造される4−
ヒドロキシ−2−メチル安息香酸は、医薬原料、香料中
間体、農薬原料等として有用である。
シ−2−メチル安息香酸の培養液からの分離・精製は、
一般の有機化合物の分離・精製と同様に、溶媒抽出、カ
ラムクロマトグラフィー、中和、濃縮、結晶化等の当業
者に周知の手段を適宜組み合わせることにより行なうこ
とができる。例えば、培養液から菌体などの固体を遠心
分離によって除去した後、上清を濃縮し、ついで濃縮液
を酸性にして、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を
沈澱させて固液分離する方法、あるいは上清を酸性にし
た後に、ジエチルエーテル、酢酸エチル、トルエン、ク
ロロホルムなどの有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に
よって抽出することにより分離する方法がある。このよ
うにして得られた粗精製物を各種クロマトグラフィー、
再結晶あるいはこれらを組み合わせることによって精製
することができる。本発明の方法により製造される4−
ヒドロキシ−2−メチル安息香酸は、医薬原料、香料中
間体、農薬原料等として有用である。
【0017】
【実施例】以下に、実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、これによって、本発明がいかなる限定を
受けるものではない。培地は、下記の組成の培地
(I)、(II)を使用した。 培地(I) リン酸1水素2ナトリウム 3.0g リン酸2水素1カリウム 2.0g 礒酸マグネシウム・7水和物 0.2g 炭酸ナトリウム 0.1g 塩化カルシウム・2水和物 10mg 硫酸鉄・7水和物 5mg グリセリン 2.0g 尿素 2.0g 酵母エキス 1.0g イオン交換水 1L ───────────────────────── pH 6.8 (p H調製後、120℃、1.2Kg/c m2、20分間滅
菌して使用)
に説明するが、これによって、本発明がいかなる限定を
受けるものではない。培地は、下記の組成の培地
(I)、(II)を使用した。 培地(I) リン酸1水素2ナトリウム 3.0g リン酸2水素1カリウム 2.0g 礒酸マグネシウム・7水和物 0.2g 炭酸ナトリウム 0.1g 塩化カルシウム・2水和物 10mg 硫酸鉄・7水和物 5mg グリセリン 2.0g 尿素 2.0g 酵母エキス 1.0g イオン交換水 1L ───────────────────────── pH 6.8 (p H調製後、120℃、1.2Kg/c m2、20分間滅
菌して使用)
【0018】培地(II) 培地(I)に、培地(I)中の濃度が0.2重量%にな
るように3,4−キシレノールを添加した培地
るように3,4−キシレノールを添加した培地
【0019】(実施例1)上記培地(I)50mlにシュ
ードモナス・プチダKS‐0160を1白金耳接種し、30
℃、pH68、180rpmで1夜振盪培養した。得ら
れた培養液の5mlを上記培地(I)50mlを仕込んだ3
00ml容フラスコに接種して1日間振盪培養を行なっ
た。培養条件は、温度30℃、pH6.8、180rp
m であった。この培養液に100mgの3,4−キシレ
ノールを添加して、30℃、pH6.8、180rpm
で24時間振盪培養を行なった。培養終了後、遠心分離
によって菌体を除去し、上清を1N塩酸でpH2とした
後、塩化ナトリウムで飽和し酢酸エチル30mlで3回抽
出した。有機層を30ml飽和塩化ナトリウムで2回洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、減圧濃縮し
粗精製物を得た。この粗精製物を分離用薄層クロマトグ
ラフィーにより精製し、76mg(61%)の固体を得
た。この物質は、この固体をエタノール:キシレン
(1:1)の混合溶媒から再結晶し、得られた結晶の融
点、元素分析、1 H−NMR 分析、IR分析することによ
り、4−ヒトロキシ−2−メチル安息香酸であると同定
した。また、反応時間を短くすることにより、酸化中間
体である、4−ヒドロキシ−2−メチルベンジルアルコ
ール、4−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒドも
検出された。
ードモナス・プチダKS‐0160を1白金耳接種し、30
℃、pH68、180rpmで1夜振盪培養した。得ら
れた培養液の5mlを上記培地(I)50mlを仕込んだ3
00ml容フラスコに接種して1日間振盪培養を行なっ
た。培養条件は、温度30℃、pH6.8、180rp
m であった。この培養液に100mgの3,4−キシレ
ノールを添加して、30℃、pH6.8、180rpm
で24時間振盪培養を行なった。培養終了後、遠心分離
によって菌体を除去し、上清を1N塩酸でpH2とした
後、塩化ナトリウムで飽和し酢酸エチル30mlで3回抽
出した。有機層を30ml飽和塩化ナトリウムで2回洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、減圧濃縮し
粗精製物を得た。この粗精製物を分離用薄層クロマトグ
ラフィーにより精製し、76mg(61%)の固体を得
た。この物質は、この固体をエタノール:キシレン
(1:1)の混合溶媒から再結晶し、得られた結晶の融
点、元素分析、1 H−NMR 分析、IR分析することによ
り、4−ヒトロキシ−2−メチル安息香酸であると同定
した。また、反応時間を短くすることにより、酸化中間
体である、4−ヒドロキシ−2−メチルベンジルアルコ
ール、4−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒドも
検出された。
【0020】(実施例2)実施例1で使用したものと同
じ組成の培地(I)に対して、0.2重量%の3,4−
キシレノールを添加した培地(II)50mlにシュード
モナス・プチダKS−0180株を1白金耳接種して、30
℃、pH6.8、180rpmで一夜培養した培養液5
mlを、上記培地(II)50mlを仕込んだ300m
l容フラスコに接種して、30℃、pH6.8、180
rpmで、48時間振盪培養を行った。得られた培養液
からの4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の分離・精
製は遠心分離によって菌体を除き、上清に塩酸を加えp
H1とした後、この酸性溶液よりジエチルエーテルで4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を抽出分離し、抽出
液を減圧濃縮することにより粗結晶を得た。この粗結晶
を実施例1と同様にエタノール:キシレン(1:1)混
合溶媒から再結晶することにより白色結晶70mg(56
%)を得た。
じ組成の培地(I)に対して、0.2重量%の3,4−
キシレノールを添加した培地(II)50mlにシュード
モナス・プチダKS−0180株を1白金耳接種して、30
℃、pH6.8、180rpmで一夜培養した培養液5
mlを、上記培地(II)50mlを仕込んだ300m
l容フラスコに接種して、30℃、pH6.8、180
rpmで、48時間振盪培養を行った。得られた培養液
からの4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の分離・精
製は遠心分離によって菌体を除き、上清に塩酸を加えp
H1とした後、この酸性溶液よりジエチルエーテルで4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を抽出分離し、抽出
液を減圧濃縮することにより粗結晶を得た。この粗結晶
を実施例1と同様にエタノール:キシレン(1:1)混
合溶媒から再結晶することにより白色結晶70mg(56
%)を得た。
【0021】(実施例3)上記培地(I)50mlにシュ
ードモナス・プチダKS‐0180を1白金耳接種し、30
℃、pH6.8、180rpmで1夜振盪培養した。得
られた培養液の5mlを培地(I)50mlを仕込んだ30
0ml容フラスコに接種して1日振盪培養を行なった。培
養条件は、温度30℃、pH6.8、180rpmであ
った。この培養液を遠心分離(8000rpm,10分)し
て菌体を分離採取した。得られた菌体は1/15Mのリ
ン酸緩衝液で3回洗浄し、1/15Mリン酸緩衝液25
mlに懸濁し、菌体懸濁液を得た。さらに、50mgのグ
リセリンと50mgの3,4−キシレノールとを1/15M
リン酸緩衝液25mlに溶解し、この菌体懸濁液に添加
して24時問、30℃、pH6.8、180rpmで反
応を行なった。反応終了後、遠心分離によって菌体を除
去し上清を1N塩酸でpH2とした後、塩化ナトリウム
で飽和し、酢酸エチル30mlで3回抽出した。有機層を
30ml飽和塩化ナトリウムで2回洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで脱水し、濾過、減圧濃縮し、粗精製物を得
た。この粗精製物を分離用薄層クロマトグラフィーによ
り、精製し、40mgの固体を得た。この粗結晶を実施例
1と同様にエタノール:キシレン(1:1)混合溶媒か
ら再結晶することにより白色結晶38mg(61%)を得
た。
ードモナス・プチダKS‐0180を1白金耳接種し、30
℃、pH6.8、180rpmで1夜振盪培養した。得
られた培養液の5mlを培地(I)50mlを仕込んだ30
0ml容フラスコに接種して1日振盪培養を行なった。培
養条件は、温度30℃、pH6.8、180rpmであ
った。この培養液を遠心分離(8000rpm,10分)し
て菌体を分離採取した。得られた菌体は1/15Mのリ
ン酸緩衝液で3回洗浄し、1/15Mリン酸緩衝液25
mlに懸濁し、菌体懸濁液を得た。さらに、50mgのグ
リセリンと50mgの3,4−キシレノールとを1/15M
リン酸緩衝液25mlに溶解し、この菌体懸濁液に添加
して24時問、30℃、pH6.8、180rpmで反
応を行なった。反応終了後、遠心分離によって菌体を除
去し上清を1N塩酸でpH2とした後、塩化ナトリウム
で飽和し、酢酸エチル30mlで3回抽出した。有機層を
30ml飽和塩化ナトリウムで2回洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで脱水し、濾過、減圧濃縮し、粗精製物を得
た。この粗精製物を分離用薄層クロマトグラフィーによ
り、精製し、40mgの固体を得た。この粗結晶を実施例
1と同様にエタノール:キシレン(1:1)混合溶媒か
ら再結晶することにより白色結晶38mg(61%)を得
た。
【0022】(実施例4)微生物シュードモナス・プチ
ダKS−0160の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0180を用いた以外は、実施例1と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸68
mg(55%)を得た。
ダKS−0160の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0180を用いた以外は、実施例1と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸68
mg(55%)を得た。
【0023】(実施例5)微生物シュードモナス・プチ
ダKS−0180の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0160を用いた以外は、実施例2と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸63
mg(50%)を得た。
ダKS−0180の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0160を用いた以外は、実施例2と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸63
mg(50%)を得た。
【0024】(実施例6)微生物シュードモナス・プチ
ダKS−0180の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0160を用いた以外は、実施例3と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸34
mg(55%)を得た。
ダKS−0180の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0160を用いた以外は、実施例3と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸34
mg(55%)を得た。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法により、3,4−キシレノ
ールから微生物の作用によって位置選択的に、酸化する
ことにより、医薬、香科、農薬等の原科として有用な4
−ジドロキシ−2−メチル安息香酸を製造することがで
きる。
ールから微生物の作用によって位置選択的に、酸化する
ことにより、医薬、香科、農薬等の原科として有用な4
−ジドロキシ−2−メチル安息香酸を製造することがで
きる。
Claims (5)
- 【請求項1】微生物シュードモナス・プチダ種を用い
て、3,4−キシレノールの4位のメチル基のみを選択
的に酸化して4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変
換することを特徴とする4−ヒドロキシ−2−メチル安
息香酸の製造方法。 - 【請求項2】前記微生物シュードモナス・プチダ(Pseu
domonas putida)種が、シュードモナス・プチダKS−
0160である請求項1に記載の4−ヒドロキシ−2−
メチル安息香酸の製造方法。 - 【請求項3】前記微生物シュードモナス・プチダ(Pseu
domonas putida)種が、シュードモナス・プチダKS−
0180である請求項1に記載の4−ヒドロキシ−2−
メチル安息香酸の製造方法。 - 【請求項4】前記微生物を、3,4−キシレノールを添
加した培地で培養する請求項1〜3のいずれかに記載の
4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法。 - 【請求項5】前記微生物を培養して増殖させた後、3,
4−キシレノールを添加し、4−ヒドロキシ−2−メチ
ル安息香酸を得る請求項1〜3のいずれかに記載の4−
ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6013397A JPH07213295A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6013397A JPH07213295A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07213295A true JPH07213295A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=11831988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6013397A Withdrawn JPH07213295A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07213295A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7863027B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-01-04 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
KR20210136990A (ko) | 2019-03-06 | 2021-11-17 | 혼슈우 카가쿠고교 가부시키가이샤 | 4-히드록시-2-메틸안식향산의 제조방법 |
-
1994
- 1994-02-07 JP JP6013397A patent/JPH07213295A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7863027B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-01-04 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7867739B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-01-11 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7867737B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-01-11 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7867738B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-01-11 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7875443B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-01-25 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7919287B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-04-05 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7919288B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-04-05 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7919286B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-04-05 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7927846B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-04-19 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
US7927847B2 (en) | 2007-10-31 | 2011-04-19 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid |
KR20210136990A (ko) | 2019-03-06 | 2021-11-17 | 혼슈우 카가쿠고교 가부시키가이샤 | 4-히드록시-2-메틸안식향산의 제조방법 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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