JPH07213295A - 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法 - Google Patents

微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法

Info

Publication number
JPH07213295A
JPH07213295A JP6013397A JP1339794A JPH07213295A JP H07213295 A JPH07213295 A JP H07213295A JP 6013397 A JP6013397 A JP 6013397A JP 1339794 A JP1339794 A JP 1339794A JP H07213295 A JPH07213295 A JP H07213295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxy
xylenol
strain
methylbenzoic acid
microorganism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6013397A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Ishikura
倉 正 治 石
Daizo Takeuchi
内 大 造 武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP6013397A priority Critical patent/JPH07213295A/ja
Publication of JPH07213295A publication Critical patent/JPH07213295A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】微生物の作用によって3,4−キシレノールを
位置選択性的に、酸化することによる医薬、香科、農薬
等の原科として有用な4−ヒドロキシ−2−メチル安息
香酸の製造方法。 【構成】微生物シュードモナス・プチダ(Pseudomonas
putida)種を用いて、3,4−キシレノールの4位のメ
チル基のみを選択的に酸化して4−ヒドロキシ−2−メ
チル安息香酸に変換する4−ヒドロキシ−2−メチル安
息香酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物を用いて、3,4
−キシレノールの4位のメチル基のみを選択的に酸化し
て、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を製造する方
法に関する。さらに詳しく述べると、シュードモナス・
プチダKS−0160、シュードモナス・プチダKS−
0180の培養液に3,4−キシレノールを存在させ
て、培養液中に変換生成され蓄積した4−ヒドロキシ−
2−メチル安息香酸を採集することからなる、4−ヒド
ロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでに、3,4−キシレノールから
の微生物変換反応による4−ヒドロキシ−2−メチル安
息香酸の生成は、シュードモナス(Pseudomonas ) 属の
細菌の3,4−シレノール代謝中間体として検出してい
る例(Biochem.J.(1957),66,227 )が、
知られているが、この研究は3,4−キシレノールの分
解が4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を経て進行し
ていることを明らかにしているに過ぎない。また、反応
時に加える3,4−キシレノールの濃度が0.04重量
%以下と低濃度でないとその微生物に与える毒性のため
に反応が進行しなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、微生物、酵
素の持つ反応特異性を用いてより効率的に4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸を生産するために、より高い濃
度の3,4−キシレノールに対して耐性をもつ微生物の
必要性が高まっている。本発明の目的は、反応選択性の
高い微生物変換反応を利用して、4−ヒドロキシ−2−
メチル安息香酸を製造する新規な方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、化学合成
法よりも反応選択性の高い微生物の酵素を用いた酸化反
応に着目した。すなわち、微生物に増殖を支える基質を
与えて増殖させ、この培養液に3,4−キシレノールを
共存させて、この3,4−キシレノールを酸化・変換さ
せるコ・オキシデーション(Co‐oxidation )の方法に
よって4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を生成さ
せ、得られた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を分
解させることなく著量蓄積させる方法を完成することを
目的とした。そこで、本発明者らは、コ・オキシデーシ
ョンにより3,4−キシレノールから4−ヒドロキシ−
2−メチル安息香酸を生産する能力を持つ微生物を検索
した結果、シユードモナス属に属する細菌菌株に、3,
4−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチル安息香
酸に変換する菌抹を見いだし、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、微生物シュードモナ
ス・プチダ種を用いて、3,4−キシレノールの4位の
メチル基のみを選択的に酸化して4−ヒドロキシ−2−
メチル安息香酸に変換する4−ヒドロキシ−2−メチル
安息香酸の製造方法を提供する。また、微生物シュード
モナス・プチダKS−0160株、シュードモナス・プ
チダKS‐0180株を用いて、3,4−キシレノール
を4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する4−
ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法を提供す
る。さらに、その微生物菌体を培養して、3,4−キシ
レノールを添加した培地で培養する4−ヒドロキシ−2
−メチル安息香酸の製造方法を提供する。また、その微
生物の菌体を培養して増殖させた後、3,4−キシレノ
ールを添加して培養を継続し、3,4−キシレノールを
4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する4−ヒ
ドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法を提供する。
【0006】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方
法は、シュードモナス属に属する菌株、特に、シュード
モナス・プチダKS−0160株、シュードモナス・プ
チダKS‐0180株の菌体のコ・オキシデーション作
用を利用することにより、微生物の培養液中に出発物質
を共存させ、微生物の増殖は、変換させたい物質とは別
の増殖に必要な炭素源、窒素源で行ない、増殖した微生
物が培養液中に共存した出発物質を酸化変換させること
である。本発明では、微生物シュードモナス属に属する
菌株を用いて工業的規模で、3,4−キシレノールを4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に酸化することがで
きる。特に、シュードモナス・プチダKS−0160
株、シュードモナス・プチダKS−0180株を用い
て、3,4−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチ
ル安息香酸に酸化することである。
【0007】本発明で使用する菌株は、シュードモナス
・プチダ種に属すると同定される細菌であって、3,4
−キシレノールを4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸
に変換する能力のある菌株であればよい。特に、シュー
ドモナス・プチダKS‐0160株、シュードモナス・
プチダKS‐0180株が好ましい。したがって、土壌
から単離した菌株で、バージーズ・マニュアル・オブ・
システマチツク・バクテリオロジー(Bergey's Mannual
of Systematic Bacteriology)、Vol.1, 141〜199
(1984)に記載の基準により、シュードモナス属の菌株
であると同定した菌株であってもよい。また微工研など
の機関から入手したものであってもよい。シュードモナ
ス・プチダKS−0160株は、平成4年3月17日付
で、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に、Ps
eudomonas putida KS−0160という識別のための
表示で寄託・保管されており、その寄託番号は、微工研
菌寄第12879号(FERM P−12879)であ
る。シュードモナス・プチダKS‐0180株は、平成
4年3月17日付で、通商産業省工業技術院微生物工業
技術研究所に、Pseudomonas putida KS−0180と
いう識別のための表示で寄託・保管されており、その寄
託番号は、微工研菌寄第12880号(FERM P−
12880)である。シュードモナス・プチダKS−0
160株およびシュードモナス・プチダKS0180株
の単離・同定は、特願平4−145729号および特願平4−
145730号に記載の通りである。本発明は、これらの記載
を引用して本明細書の範囲とする。
【0008】本発明の製造方法は、微生物を増殖させる
工程および微生物を利用して3,4−キシレノールを4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変換する工程を包
含する。また、微生物を増殖させる工程(増殖工程)と
微生物を利用して3,4−キシレノールを4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸に酸化する工程(変換工程)
は、別々の工程であっても、同時に行なわれる工程であ
ってもよい。本発明の方法で使用する細菌菌株を増殖さ
せる(増殖工程)のための培地としては、通常の細菌用
培地を使用してもよいが、この菌株が良好に成育できる
培地で、かつ微生物による酸化反応を進行させるもので
あれば、いかなる組成の培地も使用できる。この時に用
いる培地は、培地成分として、適切な炭素源、窒素源お
よび無機塩などを含有しうる。また、本発明の変換工程
に使用する培地は、菌体増殖用と同様の培地を用いても
よく、また異なる培地を用いてもよい。培地成分に、前
記菌体を増殖するための培地に含まれる成分と同じ成分
を含み得る。
【0009】炭素源としては、本発明の菌株が利用でき
る任意の炭索源を使用できる。かかる炭素源としてリボ
ース、グルコース、フルクトース、マンノースなどの糖
類、大豆油、オリーブ油などの脂質、メタノール、エタ
ノール、グリセロール(グリセリン)などのアルコー
ル、コハク酸、マロン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸な
どの有機酸、廃糖蜜などの農産物残渣が例示できる。菌
体増殖用の培地の場合には、上述したような本発明の菌
体が利用しうる1種または2種以上の有機化合物を任意
に炭素源として利用できる。また、変換培養用の培地の
場合には増殖に使用したすべての炭素源が利用できる、
グルコース、グリセリンなど本発明に使用する細菌の利
用しやすい有機化合物や単糖類が望ましい。炭素源の含
有量は、炭素源の種類によっても異なるが、培地中0.
2重量%以上、特に0.2〜10重量%であるのが菌体
を充分に増殖させる点で望ましい。
【0010】窒素源としては、とくに限定されないが、
肉エキス、ペプトン、酵母エキス、コーンスティープリ
カー、カザミノ酸、尿素などの有機窒素源、および硝酸
アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの無機窒素源が利
用できる。また、窒素源の含有量は、培養液に対して、
0.1〜10重量%、特に、0.2〜5重量%であるの
が、菌体を充分に増殖させる点で好ましい。有機窒素源
を用いた場合、これには炭素源も含まれているので、別
の炭素源を新たに加えることは増殖用培地の場合には必
すしも必要ではない。
【0011】無機塩類としては各種の硫酸塩、リン酸
塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、カ
リウム塩などが使用できる。具体的には、硫酸鉄、リン
酸1水素2ナトリウム、リン酸2水素1カリウム、炭酸
ナトリウム、塩化カルシウム等が挙げられる。無機塩類
の好ましい添加量は、0.1〜10重量%、特に、リン
酸1水素2ナトリウムの場合、0.2〜1.0重量%で
あるのが、菌体を充分に増殖させる点で好ましい。さら
に、微量の重金属塩、例えば鉄塩、マンガン塩、銅塩、
亜鉛塩、モリプデン塩、コパルト塩などを培地に含有さ
せてもよい。
【0012】培養方法としては、通常の振盪培養法、深
部通気攪拌培養法などの方法により行なうことができ
る。培養温度は20〜37℃、pHは中性付近が望ましい。培
養日数は反応の進行に応じて決めることができるが、通
常は菌体増殖に1日、基質の変換に1〜2日であるのが
好ましい。基質の変換が1日未満であると、酸化中間体
である、4−ヒドロキシ−2−メチルベンジルアルコー
ル、4−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒドが生
じる。また、変換から3日以上であると、微生物の2次
代謝産物が増えるため、生成物の分離が難しくなり不利
である。また必要に応じて、脂肪酸エステル系、シリコ
ン系などの消泡剤を添加してもよい。
【0013】本発明の製造方法に用いる3,4−キシレ
ノールは、菌体の増殖培養開始時に添加してもよく、ま
た、菌体の増殖培養後に添加してもよい。さらに増殖培
養時および増殖培養後の両方に添加してもよい。また、
菌体の増殖培殖後に添加する場合、3,4−キシレノー
ルを添加する時期は、菌体濃度が、660nm の吸光度で、
1.0から10.0、特に2.0〜8.0の時に添加する
のが変換速度を確保するために望ましい。3,4−キシ
レノールの添加方法としては、一度に、あるいは少しづ
つ添加してもよいし、その添加時期は、菌体増殖の開始
点で加えてもよく、また、経時的に添加する場合、増殖
後1日目、2日目に等量に分割して添加してもよい。添
加する3,4−キシレノールの培養液中の濃度は、1重
量%以下、特に0.5重量%以下であることが好まし
く、さらに0.1〜0.2重量%であるのが好ましい。
3,4−キシレノールの培養液中の濃度が、0.1重量
%未満では反応の効率が悪く、1重量%超では、微生物
が充分に作用しなくなるので好ましくない。さらに3,
4−キシレノールが0.1〜0.2重量%、特に0.1
〜0.15重量%となるように連続的に添加してもよ
い。3,4−キシレノールを添加する時期を、菌体増殖
前にするのと増殖後にするのでは、菌体の増殖後に添加
したほうが5〜10%変換率(4−ヒドロキシ−2−メ
チル安息香酸の収率)が高い。
【0014】さらに、増殖工程および変換工程を、3,
4−キシレノールを添加する時期の組み含わせで考える
と、以下の組み合わせが例示される。 1)3,4−キシレノールを、増殖工程の開始点で加
え、増殖工程と変換工程を同時に行う。 2)微生物を増殖させた後、3,4−キシレノールを加
えて、変換反応を行う。3,4−キシレノールの添加
は、反応工程の途中または、開始点と途中の両方で行
う。 3)3,4−キシレノールの添加を増殖工程と変換工程
とに各々少なくとも1回以上行い、増殖工程の後に菌体
を培地から分離して変換反応の培地に移植する。
【0015】上述の変換工程の培地は、増殖工程に用い
た培地と同様の培地であってもよく、また、本発明の菌
体が有する変換作用を妨げない溶液、例えば、各種緩衝
液、生理食塩水のような溶液であってもよい。リン酸緩
衝液を使用する場合、用いるリン酸緩衝液の濃度は、
0.05〜1.0Mであるのが、変換率の点で好まし
い。また、リン酸緩衝液を使用する場合、炭素源とし
て、グリセリン、グルコース、フルクトース等を添加す
るのが好ましく、窒素源は添加しなくてもよいが、窒素
源として、尿素、酵母エキス、コーンスティープリカー
等を添加してもよい。緩衝液で反応させる場合は、窒素
源はなくても変換可能である。この場合、炭素源の添加
量は、培地中の炭素源の濃度が0.1〜1.0重量%に
なるように添加するのが、変換反応時間を短くすませる
ことができる点で好ましい。また、窒素源の添加量は、
培地中の窒素源の濃度が0〜1.0重量%になるように
添加するのが、変換反応時間を短くすませることができ
る点で好ましい。また前記2)の方法では、菌体を増殖
後、3,4−キシレノールを添加して培養を継続するこ
とが望まれる。
【0016】変換反応の終了後、生成した4−ヒドロキ
シ−2−メチル安息香酸の培養液からの分離・精製は、
一般の有機化合物の分離・精製と同様に、溶媒抽出、カ
ラムクロマトグラフィー、中和、濃縮、結晶化等の当業
者に周知の手段を適宜組み合わせることにより行なうこ
とができる。例えば、培養液から菌体などの固体を遠心
分離によって除去した後、上清を濃縮し、ついで濃縮液
を酸性にして、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を
沈澱させて固液分離する方法、あるいは上清を酸性にし
た後に、ジエチルエーテル、酢酸エチル、トルエン、ク
ロロホルムなどの有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に
よって抽出することにより分離する方法がある。このよ
うにして得られた粗精製物を各種クロマトグラフィー、
再結晶あるいはこれらを組み合わせることによって精製
することができる。本発明の方法により製造される4−
ヒドロキシ−2−メチル安息香酸は、医薬原料、香料中
間体、農薬原料等として有用である。
【0017】
【実施例】以下に、実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、これによって、本発明がいかなる限定を
受けるものではない。培地は、下記の組成の培地
(I)、(II)を使用した。 培地(I) リン酸1水素2ナトリウム 3.0g リン酸2水素1カリウム 2.0g 礒酸マグネシウム・7水和物 0.2g 炭酸ナトリウム 0.1g 塩化カルシウム・2水和物 10mg 硫酸鉄・7水和物 5mg グリセリン 2.0g 尿素 2.0g 酵母エキス 1.0g イオン交換水 1L ───────────────────────── pH 6.8 (p H調製後、120℃、1.2Kg/c m2、20分間滅
菌して使用)
【0018】培地(II) 培地(I)に、培地(I)中の濃度が0.2重量%にな
るように3,4−キシレノールを添加した培地
【0019】(実施例1)上記培地(I)50mlにシュ
ードモナス・プチダKS‐0160を1白金耳接種し、30
℃、pH68、180rpmで1夜振盪培養した。得ら
れた培養液の5mlを上記培地(I)50mlを仕込んだ3
00ml容フラスコに接種して1日間振盪培養を行なっ
た。培養条件は、温度30℃、pH6.8、180rp
m であった。この培養液に100mgの3,4−キシレ
ノールを添加して、30℃、pH6.8、180rpm
で24時間振盪培養を行なった。培養終了後、遠心分離
によって菌体を除去し、上清を1N塩酸でpH2とした
後、塩化ナトリウムで飽和し酢酸エチル30mlで3回抽
出した。有機層を30ml飽和塩化ナトリウムで2回洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過、減圧濃縮し
粗精製物を得た。この粗精製物を分離用薄層クロマトグ
ラフィーにより精製し、76mg(61%)の固体を得
た。この物質は、この固体をエタノール:キシレン
(1:1)の混合溶媒から再結晶し、得られた結晶の融
点、元素分析、1 H−NMR 分析、IR分析することによ
り、4−ヒトロキシ−2−メチル安息香酸であると同定
した。また、反応時間を短くすることにより、酸化中間
体である、4−ヒドロキシ−2−メチルベンジルアルコ
ール、4−ヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒドも
検出された。
【0020】(実施例2)実施例1で使用したものと同
じ組成の培地(I)に対して、0.2重量%の3,4−
キシレノールを添加した培地(II)50mlにシュード
モナス・プチダKS−0180株を1白金耳接種して、30
℃、pH6.8、180rpmで一夜培養した培養液5
mlを、上記培地(II)50mlを仕込んだ300m
l容フラスコに接種して、30℃、pH6.8、180
rpmで、48時間振盪培養を行った。得られた培養液
からの4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の分離・精
製は遠心分離によって菌体を除き、上清に塩酸を加えp
H1とした後、この酸性溶液よりジエチルエーテルで4
−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸を抽出分離し、抽出
液を減圧濃縮することにより粗結晶を得た。この粗結晶
を実施例1と同様にエタノール:キシレン(1:1)混
合溶媒から再結晶することにより白色結晶70mg(56
%)を得た。
【0021】(実施例3)上記培地(I)50mlにシュ
ードモナス・プチダKS‐0180を1白金耳接種し、30
℃、pH6.8、180rpmで1夜振盪培養した。得
られた培養液の5mlを培地(I)50mlを仕込んだ30
0ml容フラスコに接種して1日振盪培養を行なった。培
養条件は、温度30℃、pH6.8、180rpmであ
った。この培養液を遠心分離(8000rpm,10分)し
て菌体を分離採取した。得られた菌体は1/15Mのリ
ン酸緩衝液で3回洗浄し、1/15Mリン酸緩衝液25
mlに懸濁し、菌体懸濁液を得た。さらに、50mgのグ
リセリンと50mgの3,4−キシレノールとを1/15M
リン酸緩衝液25mlに溶解し、この菌体懸濁液に添加
して24時問、30℃、pH6.8、180rpmで反
応を行なった。反応終了後、遠心分離によって菌体を除
去し上清を1N塩酸でpH2とした後、塩化ナトリウム
で飽和し、酢酸エチル30mlで3回抽出した。有機層を
30ml飽和塩化ナトリウムで2回洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで脱水し、濾過、減圧濃縮し、粗精製物を得
た。この粗精製物を分離用薄層クロマトグラフィーによ
り、精製し、40mgの固体を得た。この粗結晶を実施例
1と同様にエタノール:キシレン(1:1)混合溶媒か
ら再結晶することにより白色結晶38mg(61%)を得
た。
【0022】(実施例4)微生物シュードモナス・プチ
ダKS−0160の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0180を用いた以外は、実施例1と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸68
mg(55%)を得た。
【0023】(実施例5)微生物シュードモナス・プチ
ダKS−0180の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0160を用いた以外は、実施例2と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸63
mg(50%)を得た。
【0024】(実施例6)微生物シュードモナス・プチ
ダKS−0180の代わりに、シュードモナス・プチダ
KS−0160を用いた以外は、実施例3と同じ条件で
培養を行い、4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸34
mg(55%)を得た。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法により、3,4−キシレノ
ールから微生物の作用によって位置選択的に、酸化する
ことにより、医薬、香科、農薬等の原科として有用な4
−ジドロキシ−2−メチル安息香酸を製造することがで
きる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物シュードモナス・プチダ種を用い
    て、3,4−キシレノールの4位のメチル基のみを選択
    的に酸化して4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸に変
    換することを特徴とする4−ヒドロキシ−2−メチル安
    息香酸の製造方法。
  2. 【請求項2】前記微生物シュードモナス・プチダ(Pseu
    domonas putida)種が、シュードモナス・プチダKS−
    0160である請求項1に記載の4−ヒドロキシ−2−
    メチル安息香酸の製造方法。
  3. 【請求項3】前記微生物シュードモナス・プチダ(Pseu
    domonas putida)種が、シュードモナス・プチダKS−
    0180である請求項1に記載の4−ヒドロキシ−2−
    メチル安息香酸の製造方法。
  4. 【請求項4】前記微生物を、3,4−キシレノールを添
    加した培地で培養する請求項1〜3のいずれかに記載の
    4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法。
  5. 【請求項5】前記微生物を培養して増殖させた後、3,
    4−キシレノールを添加し、4−ヒドロキシ−2−メチ
    ル安息香酸を得る請求項1〜3のいずれかに記載の4−
    ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法。
JP6013397A 1994-02-07 1994-02-07 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法 Withdrawn JPH07213295A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6013397A JPH07213295A (ja) 1994-02-07 1994-02-07 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6013397A JPH07213295A (ja) 1994-02-07 1994-02-07 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07213295A true JPH07213295A (ja) 1995-08-15

Family

ID=11831988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6013397A Withdrawn JPH07213295A (ja) 1994-02-07 1994-02-07 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07213295A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7863027B2 (en) 2007-10-31 2011-01-04 E.I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
KR20210136990A (ko) 2019-03-06 2021-11-17 혼슈우 카가쿠고교 가부시키가이샤 4-히드록시-2-메틸안식향산의 제조방법

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7863027B2 (en) 2007-10-31 2011-01-04 E.I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7867739B2 (en) 2007-10-31 2011-01-11 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7867737B2 (en) 2007-10-31 2011-01-11 E.I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7867738B2 (en) 2007-10-31 2011-01-11 E.I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7875443B2 (en) 2007-10-31 2011-01-25 E.I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7919287B2 (en) 2007-10-31 2011-04-05 E.I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7919288B2 (en) 2007-10-31 2011-04-05 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7919286B2 (en) 2007-10-31 2011-04-05 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7927846B2 (en) 2007-10-31 2011-04-19 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
US7927847B2 (en) 2007-10-31 2011-04-19 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for enzymatically converting glycolonitrile to glycolic acid
KR20210136990A (ko) 2019-03-06 2021-11-17 혼슈우 카가쿠고교 가부시키가이샤 4-히드록시-2-메틸안식향산의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4394647B2 (ja) 光学活性テトラヒドロチオフェン誘導体の製造方法、および、光学活性テトラヒドロチオフェン−3−オールの晶析方法
JPH0775589A (ja) プロトカテキュ酸の製造方法
JPH07213295A (ja) 微生物を用いた4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の製造方法
EP0784697B1 (en) Bacterial process for the resolution of racemic cis-diols
JPH05328981A (ja) パラヒドロキシ安息香酸の製造方法
JPH05336979A (ja) パラヒドロキシ安息香酸の製造方法
JPH05336980A (ja) パラヒドロキシ安息香酸の製造方法
FR2558481A1 (fr) Procede de preparation de l'acide 4-amino-3-hydroxybutyrique optiquement actif
JPH06277078A (ja) パラヒドロキシベンズアルデヒドの製造方法
JP2624296B2 (ja) γ−ハロ−β−ヒドロキシ酪酸エステルの製造法
JPS5953838B2 (ja) β−ヒドロキシ吉草酸の製造方法
JP3217301B2 (ja) 光学活性グリシド酸エステル及び光学活性グリセリン酸エステルの製造方法
JPS5921599B2 (ja) D(−)−β−ヒドロキシイソ酪酸の製造法
JPH05328980A (ja) パラヒドロキシ安息香酸の製造方法
JPS6012993A (ja) 光学活性カルボン酸の製造法
JP2981250B2 (ja) D―パントテノニトリルの製造法
JPS5921600B2 (ja) D(−)−β−ヒドロキシイソ酪酸の製造方法
JPS6312598B2 (ja)
JPH04248989A (ja) 8−ヒドロキシカルボスチリル及び/または8−ヒド            ロキシクマリンの製造方法
JPS60153797A (ja) メバロン酸の発酵生産法
JPH0632635B2 (ja) 光学活性カルボン酸及びその対掌体エステルの製造法
JPH0538294A (ja) 標識されたポルフイリン化合物の製造方法
JPS63207391A (ja) 芳香族化合物の微生物酸化方法
JPS59166094A (ja) 生理活性物質ml−236bの製造法
JPS5953839B2 (ja) (−)−α−ヒドロキシメチル酪酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010508