JP4241792B2 - キャップ及びインクジェット保護アセンブリ - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッドの輸送時などに、吐出口の保護を行うキャップ及びインクジェット保護アセンブリに関する。
吐出口からインク滴を吐出するインクジェットヘッドを輸送、保存する際に、吐出口の保護を行っているものがある。例えば、特許文献1に記載の記録ヘッド(インクジェットヘッド)においては、インク吐出口フェイス面(インク吐出面)にアクリル系粘着剤製のシールを密着させてから、記録ヘッドを導電性ポリスチレン製の保管箱に入れ、さらにアルミ袋に入れて密封して、記録ヘッドを保存している。
特開平7−89085号公報(図1)
しかしながら、インク吐出口フェイス面にシールを密着させていると、シールの粘着剤がインク吐出口フェイス面に転写される。そのため、転写された粘着剤がインク吐出口を塞いでしまい、インクジェットヘッドを使用する際にインクの吐出不良が発生する虞がある。
インク吐出口に粘着剤を付着させないで吐出口を保護する技術としては、環状側壁の先端がインク吐出面の周縁部と当接することが可能な凹部が形成されたキャップと、キャップをインク吐出面に対して押圧することが可能な押圧手段とを含むものを用いることが考えられる。つまり、インクジェットヘッドを輸送するときに、インク吐出面の周縁部に対してキャップの環状側壁の先端が当接するように押圧手段でキャップを押圧する。これにより、インク吐出面とキャップとの間に閉鎖空間が形成され、吐出口がキャップによって保護される。キャップとインク吐出面とは単に当接しているだけで粘着剤などを使用していないので、吐出口が粘着剤で塞がれることがなくなる。なお、ヘッド内のインク流路には、輸送、保存後のインク吐出特性の劣化を防止する液体(封入液)が充填されている。
上述した技術においては、キャップの環状側壁の材質を弾性材料から構成したとしても、インク吐出面に傷がつく虞があるため、それほど大きな押圧力でインク吐出面と環状側壁の先端とを当接させることができない。例えば、キャップで保護されたインクジェットヘッドを航空機などで輸送する際、航空機が離陸すると、キャップ及びインクジェットヘッドの周囲の気圧が大気圧よりも低下する。このとき、周囲の気圧の低下に伴い環状側壁とインク吐出面との当接力が最も弱い部分からキャップによる閉鎖空間の空気が外部に漏れ出し、閉鎖空間内の圧力も低下する。なお、閉鎖空間の圧力は大気圧時よりも減圧されほぼ同じ圧力になる。したがって、吐出口のインクメニスカスにはその耐圧を超える圧力が加えられることがない。一方、航空機が着陸すると、キャップ及びインクジェットヘッドの周囲の気圧が大気圧に戻る。このとき、閉鎖空間内の圧力はすぐには大気圧に戻らない。これは、離陸時において閉鎖空間から空気が漏れ出すときに、その空気が漏れる環状側壁の部分が外側に湾曲するように変形し、閉鎖空間内の圧力と周囲の気圧とがほぼ同じになった後、空気が漏れる環状側壁の部分が変形した状態でインク吐出面と当接しているため、逆にその変形部分から閉鎖空間に外部からの空気が入りにくくなるからである。このように、周囲の気圧と閉鎖空間の圧力(インク吐出面近傍の圧力)とに差が生じ、その差がインクメニスカスの耐圧を超えると、インクメニスカスが壊れヘッド内の液体がキャップ内に漏れ出すとともに、流路内に空気が侵入する。
また、ヘッドのインク流路を構成する壁の一部がフィルムなどの可撓性部材から構成されている場合、大気圧に戻る周囲の気圧の上昇に伴いフィルムがインク流路内側に向かって撓むことが考えられる。これは、上述のように航空機の着陸後においても閉鎖空間内の圧力が大気圧よりも低い状態で長時間保持されているからである。そして、フィルムがインク流路内側に向かって撓むと、インク流路内の液体がフィルムによって押される。これによって、吐出口近傍のインクにキャップ内に漏れ出す方向の力が加わり、キャップ内に大量の液体が漏れ出す虞がある。
そこで、本発明の目的は、ヘッド内外の圧力差を抑制するキャップ及びインクジェット保護アセンブリを提供することである。
本発明のキャップは、インク滴を吐出する吐出口が形成された、インクジェットヘッドのインク吐出面を覆うためのキャップであって、前記インク吐出面に対向する基材と、前記基材の一表面から突出した可撓性を有する環状のリップとを備えており、前記リップが前記インク吐出面に当接することによって、前記インク吐出面を内壁面の一部とした閉塞空間を形成するキャップにおいて、前記リップは、前記閉塞空間内の気圧が前記閉塞空間外の気圧よりも第1の所定値以上大きいときのみに前記閉塞空間の内外が連通するように変形し、前記基材には、前記閉塞空間外の気圧が前記閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上大きいときのみに開く逆止弁が設けられている。
これによると、閉塞空間外の気圧が減圧されたときに、リップが閉塞空間内の気圧が閉塞空間外の気圧よりも第1の所定値以上大きいときのみに変形するので、閉塞空間の内外が連通して閉塞空間内の気体が外に流出し、閉塞空間内の気圧が閉塞空間外の気圧に近づく。このように閉塞空間内の気圧が減圧された状態となっても基材には閉塞空間外の気圧が閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上大きいときのみに開く逆止弁が設けられているので、閉塞空間外の気圧が閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上に上昇したときに、逆止弁を介して閉塞空間の内外が連通して閉塞空間内に外の気体が流入する。そのため、吐出口のインクメニスカスに大きな圧力が加えられにくくなり、閉塞空間内に吐出口からインクが漏れるのを防止することができる。
また、このとき、前記一表面には、前記閉塞空間の内外を連通させる貫通孔と、前記貫通孔を覆いつつ前記貫通孔の周囲と部分的に接合されたフィルムとが設けられており、前記逆止弁が、前記貫通孔と前記フィルムとによって構成されていることが好ましい。これによると、閉塞空間外の気圧が閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上大きいときにフィルムは外気によって押される。このとき、フィルムは一表面と部分的に接合しているだけなので、フィルムと一表面とが接合されてない部分から外気を閉塞空間内に流入させることができる。一方、閉塞空間外の気圧が減圧され閉塞空間内の気圧が閉塞空間外の気圧よりも大きくなると、フィルムの一表面と対向する面全体が閉塞空間内の気体によって一表面に押圧された状態となる。その結果、フィルムが貫通孔の気体の流通を止めるように塞ぐので、閉塞空間内から閉塞空間外に気体が流出しにくくなる。このような簡易な構成によって逆止弁が構成されるため、キャップの構成が簡易になる。
また、前記一表面には、開口を有する凹部が形成されており、前記貫通孔が、前記凹部の底面に形成されており、前記フィルムが、前記凹部を覆うように前記開口周縁と部分的に接合されていてもよい。これにより、ダンパー効果を持たせた凹部を形成することにより、例えば、閉塞空間内の温度が上昇し気体が膨張した場合においても、フィルムが撓むことが可能となっているため、気体の膨張により吐出口のインクメニスカスが壊れるのを防止することができる。したがって、吐出口からヘッド内部に閉塞空間内の気体が侵入しにくくなる。
一方、本発明のキャップは、インク滴を吐出する吐出口が形成された、インクジェットヘッドのインク吐出面を覆うためのキャップであって、前記インク吐出面に対向する基材と、前記基材の一表面から突出した可撓性を有する環状のリップとを備えている。前記リップが前記インク吐出面に当接することによって、前記インク吐出面を内壁面の一部とした閉塞空間を形成するキャップにおいて、前記リップには、前記閉塞空間内の気圧が前記閉塞空間外の気圧よりも第1の所定値以上大きいときのみに前記閉塞空間の内外が連通するように変形する第1の部分と、前記閉塞空間外の気圧が前記閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上大きいときのみに前記閉塞空間の内外が連通するように変形する第2の部分とが設けられている。
これによると、閉塞空間外の気圧が減圧されたときに、第1の部分が閉塞空間内の気圧が閉塞空間外の気圧よりも第1の所定値以上大きいときのみに変形するので、閉塞空間の内外が連通して閉塞空間内の気体が外に流出し、閉塞空間内の気圧が閉塞空間外の気圧に近づく。このように閉塞空間内の気圧が減圧された状態となってもリップには閉塞空間外の気圧が閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上大きいときのみに変形する第2の部分が設けられているので、閉塞空間外の気圧が閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上に上昇したときに、閉塞空間の内外が連通して閉塞空間内に閉塞空間外の気体が流入する。そのため、吐出口のインクメニスカスに大きな圧力が加えられにくくなり、閉塞空間内に吐出口からインクが漏れるのを防止することができる。
また、本発明において、前記第1の部分は、前記リップの先端が先細りの形状を有し、前記リップの先端において、前記リップの外側面と前記一表面と直交する垂線とのなす角度が、前記リップの内側面と前記垂線とのなす角度より小さく形成され、前記閉塞空間は、前記第1の部分において、前記内側面が前記インク吐出面に当接して形成されていることが好ましい。これにより、第1の部分は、外側面から内側面に向かう方向よりも内側面から外側面に向かう方向への剛性が小さくなり、内側面から外側面に向かう方向に倒れやすくなる。そのため、閉塞空間外の気圧が閉塞空間内よりも減圧したときに、外側面が外側に倒れ、第1の部分がインク吐出面から部分的に離れて閉塞空間の内外が連通する。こうして、閉塞空間内の気体を外に確実に流出させることができる。
また、本発明において、前記第2の部分は、前記リップの先端が先細りの形状を有し、前記リップの先端において、前記リップの外側面と前記一表面と直交する垂線とのなす角度が、前記リップの内側面と前記垂線とのなす角度より大きく形成され、前記閉塞空間は、前記第2の部分において、前記外側面が前記インク吐出面に当接して形成されていることが好ましい。これにより、第2の部分は、内側面から外側面に向かう方向よりも外側面から内側面に向かう方向への剛性が小さくなり、外側面から内側面に向かう方向に倒れやすくなる。そのため、閉塞空間外の気圧が閉塞空間内よりも上昇したときに、内側面が内側に倒れ、第2の部分がインク吐出面から部分的に離れて閉塞空間の内外が連通する。こうして、閉塞空間内に外気を確実に流入させることができる。
また、本発明において、前記リップが、前記基材の長手方向に平行な2つの長手部分を有しており、前記第1の部分及び前記第2の部分が、前記長手部分をそれぞれ構成していることが好ましい。これにより、第1及び第2の部分が形成しやすくなる。
また、本発明のインクジェット保護アセンブリは、インク滴を吐出する吐出口がインク吐出面に形成された第1流路を有する流路ユニット、前記流路ユニットの前記インク吐出面とは反対側の面に固定されているとともに、前記第1流路と連通するように形成された第2流路を有するリザーバユニット、及び、前記流路ユニット及び前記リザーバユニットの表面に当接したカバー部材を有するインクジェットヘッドと、前記インク吐出面に対向する基材と、前記基材の一表面から突出した可撓性を有する環状のリップとを備えており、前記リップが前記インク吐出面に当接することによって、前記インク吐出面を内壁面の一部とした閉塞空間を形成し、前記インク吐出面を覆うためのキャップとを備えており、前記一表面及び前記リップの少なくとも一方には、前記閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられており、前記カバー部材が、前記流路ユニット及び前記リザーバユニットの表面に当接することによって、前記カバー部材内に閉塞空間を形成しており、前記第2流路は、前記カバー部材による閉塞空間内において、その少なくとも一部が可撓性フィルムから構成されており、前記カバー部材及び前記リザーバユニットの少なくとも1つには、前記カバー部材による前記閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられている。
これによると、カバー部材による閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられているので、当該閉塞空間の内外に圧力差が生じにくくなる。すなわち、カバー部材による閉塞空間の気圧は周囲の気圧に連動して圧力変動する。このとき、キャップ内の圧力も周囲の気圧に連動して圧力変動する。そのため、カバー部材による閉塞空間内に形成された可撓性フィルムが第2流路側に押圧されにくくなり、キャップ内に吐出口からインクが漏れるのを防止することができる。また、閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられているので、閉塞空間の内外に圧力差が生じることがない。そのため、吐出口のインクメニスカスに大きな圧力が加えられにくくなり、閉塞空間内に吐出口からインクが漏れるのを防止することができる。
また、本発明のインクジェット保護アセンブリは、上述したいずれかのキャップと、インク滴を吐出する吐出口がインク吐出面に形成された第1流路を有する流路ユニット、前記流路ユニットの前記インク吐出面とは反対側の面に固定されているとともに、前記第1流路と連通するように形成された第2流路を有するリザーバユニット、及び、前記流路ユニット及び前記リザーバユニットの表面に当接したカバー部材を有するインクジェットヘッドとを備えており、前記カバー部材が、前記流路ユニット及び前記リザーバユニットの表面に当接することによって、前記カバー部材内に閉塞空間を形成しており、前記第2流路は、前記カバー部材による閉塞空間内において、その少なくとも一部が可撓性フィルムから構成されており、前記カバー部材及び前記リザーバユニットの少なくとも1つには、前記カバー部材による前記閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられている。
これによると、カバー部材による閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられているので、当該閉塞空間の内外に圧力差が生じにくくなる。すなわち、カバー部材による閉塞空間の気圧は周囲の気圧に連動して圧力変動する。このとき、キャップ内の圧力も周囲の気圧に連動して圧力変動する。そのため、カバー部材による閉塞空間内に形成された可撓性フィルムが第2流路側に押圧されにくくなり、キャップ内に吐出口からインクが漏れるのを防止することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるインクジェット保護アセンブリの概略構成図である。図1に示すように、インクジェット保護アセンブリ1は、インクジェットヘッド2と、インクジェットヘッド2の底面であるインク吐出面30aを覆うキャップユニット110とにより構成されている。インクジェットヘッド2は、図中左右方向に長尺な略直方体形状を有している。
次に、インクジェットヘッド2の全体概略構造について説明する。図2は、インクジェットヘッド2の縦断面図である。図2に示すように、インクジェットヘッド2は、流路ユニット4と圧電アクチュエータ21とを含むヘッド本体13と、ヘッド本体13の上面に配置されこのヘッド本体13にインクを供給するリザーバユニット90と、圧電アクチュエータ21に駆動信号を供給するドライバIC52が実装されたフレキシブルプリント配線基板(Flexible Printed Circuit:FPC)50と、FPC50と電気的に接続された制御基板54と、圧電アクチュエータ21、リザーバユニット90、FPC50及び制御基板54を覆うカバー部材58とを有している。
圧電アクチュエータ21の上面には、図2に示すように、FPC50が電気的に接続されている。また、FPC50は、リザーバユニット90の上方において水平に配置された制御基板54のコネクタ54aに接続されている。そして、制御基板54からの指令に基づいて、ドライバIC52が、FPC50に設けられた配線(信号線)を介して圧電アクチュエータ21に駆動信号を供給するように構成されている。
リザーバユニット90は、ヘッド本体13の上方に配置されている。このリザーバユニット90は、その内部にインクを貯溜するインクリザーバ90aを有しており、このインクリザーバ90aは流路ユニット4のインク供給口5bに連通している。したがって、このインクリザーバ90a内のインクは、インク供給口5bを介して流路ユニット4内のインク流路に供給される。
カバー部材58は、サイドカバー53及びヘッドカバー55から構成されており、圧電アクチュエータ21、リザーバユニット90、FPC50及び基板54等を覆うように配置されている。
サイドカバー53は、金属材料からなり、図1に示すように、上下方向及び流路ユニット4の長手方向に延びた略矩形の外形形状を有する板状部材である。2つのサイドカバー53は、図1及び図2に示すように、流路ユニット4の短手方向の両端部付近において、流路ユニット4の長手方向のほぼ全長にわたって延びており、流路ユニット4の上面に固定されている。サイドカバー53と流路ユニット4との固定部には、外側から長手方向に沿ってシリコン樹脂材料等からなる封止部材56が塗布されている。この封止部材56によって、サイドカバー53と流路ユニット4との隙間が封止され、この隙間から圧電アクチュエータ21側にインクミスト等の侵入が防止されるとともに、サイドカバー53が流路ユニット4に確実に固定されることになる。また、2つのサイドカバー53の間には、圧電アクチュエータ21、リザーバユニット90、FPC50及び制御基板54が配置されている。
ヘッドカバー55は、サイドカバー53と同様の金属材料からなり、2つのサイドカバー53の上端部及び長手方向両端部付近を覆うように配置され、リザーバユニット90に構成された後述するリザーバベースプレート92の上面に当接している。ヘッドカバー55とリザーバベースプレート92との当接部及びサイドカバー53とヘッドカバー55との当接部には外側から封止部材56が塗布されている。このように、2つのサイドカバー53及びヘッドカバー55によって閉塞空間100が形成される。そして、閉塞空間100内に、圧電アクチュエータ21、リザーバユニット90、FPC50及び基板54等が配置されている。
ここで、ヘッドカバー55の上部略中央には、貫通孔(通路)102が形成されており、閉塞空間100の内外が連通している。そのため、インクジェットヘッド2の周囲の気圧が変化しても、閉塞空間100内の圧力と周囲の気圧とが同じになる。また、貫通孔102の開口径は、例えば、0.1〜1.0mm程度であればよく、本実施形態では約0.2mmとなっている。これにより、貫通孔102は、インクミスト等の侵入は防止するが、空気は流通することができる。なお、この貫通孔102は、ヘッドカバー55の中央部に形成されていなくてもよく、ヘッドカバー55及びサイドカバー53のどこかに形成されていればよい。また、貫通孔102は、1つの貫通孔ではなく、ラビリンス構造を有して複数の貫通孔によりフィルタを形成して、インクミスト等の侵入は防止するとともに、空気は流通するように形成されてもよい。
また、図2に示すように、リザーバユニット90の側面とサイドカバー53との間には、弾力性を有するスポンジ51が介装されており、このスポンジ51により、ドライバIC52がFPC50を介してサイドカバー53の内面に押し付けられている。したがって、ドライバIC52で発生した熱がサイドカバー53及びサイドカバー53を経由してヘッドカバー55から速やかに外部へ放散されるようになっている。ここでは、サイドカバー53及びヘッドカバー55は放熱部材としても機能している。
次に、ヘッド本体13について詳細に説明する。図3は、図2のヘッド本体13の平面図である。図4は、図3中の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図3及び図4に示すように、ヘッド本体13の流路ユニット4には、4つの圧力室群9を構成する多数の圧力室10及びこれら圧力室10にそれぞれ連通した多数のノズル8が形成されている。流路ユニット4の上面には、台形形状を有する4つの圧電アクチュエータ21が千鳥状に2列に配列された状態でそれぞれ接着されている。
圧電アクチュエータ21の接着領域に対向した流路ユニット4の下面は、多数のノズル8が配置されたインク吐出領域となっている。また、これに対応した流路ユニット4の上面には、図4に示すように、略菱形形状の複数の圧力室10が2方向に沿ってマトリクス状に配列されている。なお、流路ユニット4の上面において1つの圧電アクチュエータ21の接着領域に対向した領域内に位置する複数の圧力室10が、1つの圧力室群9を構成している。
図4に示すように、流路ユニット4の上面には、この長手方向に等間隔に並ぶ圧力室10の列が、流路ユニット4の短手方向に互いに平行に16列配列されている。各圧力室列に含まれる圧力室10の数は、圧電アクチュエータ21の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。また、ノズル8もこの圧力室10と同様の配置がされている。
図3及び図4に示すように、流路ユニット4内には、インク供給口5bに連なるマニホールド流路5と、このマニホールド流路5から分岐する副マニホールド流路5aが形成されている。マニホールド流路5は、圧電アクチュエータ21の斜辺に沿うように延在しており、流路ユニット4の長手方向と交差して配置されている。また、副マニホールド流路5aは、台形形状のインク吐出領域と対向する領域において、流路ユニット4の長手方向に延在している。
多数のノズル8は、図4に示すように、流路ユニット4の長手方向に配列されている。各ノズル8は、圧力室10と絞り流路であるアパーチャ12を介して副マニホールド流路5aと連通している。なお、図面を分かりやすくするために、図4においては、圧電アクチュエータ21が二点鎖線で描かれており、さらに、圧電アクチュエータ21の下方にあって破線で描くべき圧力室10、アパーチャ12が実線で描かれている。
さらに、ヘッド本体13の断面構造について説明する。図5は、図4のV−V線に沿う断面図である。図5に示すように、ヘッド本体13は、流路ユニット4と圧電アクチュエータ21とが貼り合わされたものである。流路ユニット4は、上から、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29及びノズルプレート30の、9枚の金属プレートが積層された積層構造を有する。そして、これらの金属プレート22〜30にそれぞれ形成された孔により、流路ユニット4内に、副マニホールド流路5aの出口からアパーチャ12、圧力室10を介してノズル8に至る、個別インク流路32(第1流路)が形成されている。そして、圧電アクチュエータ21が圧力室10の開口を塞ぐように流路ユニット4の上面に接着されている。
次に、リザーバユニット90について説明する。図6は、図2のリザーバユニット90の縦断面図である。リザーバユニット90は、図2及び図6に示すように、流路ユニット4の上面に配置された下部リザーバ95と下部リザーバ95の上面に配置された樹脂製の上部リザーバ91とがネジ止めされて構成されている。下部リザーバ95は、金属で形成されたリザーバベースプレート92、リザーバプレート93及びアンダープレート94の3枚のプレートが互いに位置合わせされて積層されたものである。ここで、3枚のプレート92〜94は、流路ユニット4の長手方向と同じ方向が長手方向となっている。また、これら3枚のプレート92〜94の短手方向の長さは、図2に示すように、2つのサイドカバー53間の距離よりも短くなっている。また、リザーバベースプレート92の長手方向の長さは、図1に示すように、リザーバプレート93及びアンダープレート94の長手方向の長さよりも長くなっている。つまり、リザーバベースプレート92の両端が、リザーバプレート93の両端より外側に突出しており、その突出部分が、後述する2つの支持部86とネジS1で固定される。
リザーバベースプレート92には、上部リザーバ91内の後述するインク流路96と、リザーバプレート93に形成された後述するインク流路62とを連通させる貫通孔61が形成されている。リザーバプレート93には、貫通孔61及びアンダープレート94に形成された後述する10個の貫通孔63に連通するインク流路62となる孔が形成されている。アンダープレート94には、平面視で、10個のインク供給口5bに対向する位置に、それぞれ貫通孔63が形成されている。また、アンダープレート94には、その下面の貫通孔63が形成されていない部分にその厚みが小さくなった凹部94aが形成されている。これにより、下部リザーバ95を流路ユニット4に接合したときに、凹部94aが形成された部分において流路ユニット4と下部リザーバ95との間に隙間が形成される。そして、この隙間に圧電アクチュエータ21が配置されている。
上部リザーバ91には、その内部にインク流路96(第2流路)が形成されている。インク流路96は、図6の左上部に、上面が開口したインク供給部96aを有しており、このインク供給部96aからインクや出荷液が供給される。また、上部リザーバ91の図6の下部には、インク流路96の経路に沿って、ダンパフィルム(可撓性フィルム)101が設けられている。このダンパフィルム101は、リザーバユニット90内のインクに伝わった振動を減衰するものである。ダンパフィルム101は、インク流路96の内外両方向に変形可能に設置されている。貫通孔102がヘッドカバー55に設けられているので、ダンパフィルム101は、カバー部材58の内圧で規制させることなく自由に変形できる。
そして、インク流路96の途中部位であって、ダンパフィルム101と対向する領域には、フィルタ97が設けられている。このため、インク供給部96aから供給されたインクは、フィルタ97によって混入した異物が取り除かれ、下部リザーバ95に流れ込む。このように、リザーバユニット90には、インク流路96及びインク流路62からなるインクリザーバ90aが形成されており、インク供給部96aから供給されたインクが、貫通孔63を介してインク供給口5bに分配される。
ここで、インクジェットヘッド2がプリンタ等に取り付けられ、印刷を行うときには、流路ユニット4及びリザーバユニット90の各インク流路内にはインクが充填されているが、図1のように、インクジェット保護アセンブリ1の場合には、インクジェットヘッド2を保護するためにこれらのインク流路内にはインクの代わりに、例えば、金属錆防止剤、乾燥防止剤及び界面活性剤を含む出荷液が充填されている。出荷液に金属錆防止剤が含まれていることにより、インクジェットヘッド2のインク流路を構成する金属部材が錆びにくくなる。また、出荷液に乾燥防止剤が含まれていることにより、出荷液が蒸発しにくく、インクジェットヘッド2のインク流路内が空気や異物の浸入から保護された状態となる。さらに、出荷液に乾燥防止剤及び界面活性剤が含まれていることにより、出荷液の表面張力が小さくなり、インクジェットヘッド2のインク流路内に出荷液を充填する際に気泡が残留しにくくなる。本実施の形態では、出荷液は、インクの組成から色材を除いた構成となっている。
次に、キャップユニット110について、図1及び図7を用いて説明する。図7は、図1に描かれたヘッドキャップ70の平面図である。図1に示すように、キャップユニット110は、図中左右方向に長尺な支持部材80と、その上面の両端中央部に取り付けられた上方に延びた円筒形状の2つの支持部86と、支持部86の上端に取り付けられるネジS1と、支持部材80の上面に下端部が固定された2つのばね75と、2つのばね75の上端部に固定されたヘッドキャップ(キャップ)70とを有している。2つのばね75は、ヘッドキャップ70のほぼ両端に固定されるように、支持部材80の長手方向に関して、等間隔に配置されている。
次に、ヘッドキャップ70について説明する。ヘッドキャップ70は、図1及び図7に示すように、流路ユニット4と支持部材80との間に2つのばね75を介して挟まれて配置されており、板部材(基材)71、2枚のフィルム72及びリップ73を有している。板部材71は、図7に示すように、略矩形平面形状を有する平板であり、インクジェットヘッド2がキャップユニット110に取り付けられた状態で、その上面(一表面)がインク吐出面30aの4つのインク吐出領域に対向している。板部材71には、その上面に開口する2つの凹部71aが形成されている。2つの凹部71aは、板部材71の短手方向の中心線に対して対称に配置されている。各凹部71aの底面の略中央には、板部材71を貫通する貫通孔71bがそれぞれ形成されている。板部材71の上面側に形成された凹部71aの開口径は貫通孔71bの径よりも大きくなっている。
リップ73は、弾性材料(例えば、ゴム)からなり、板部材71の上面において、平面視で、板部材71の外縁に沿ってその全周にわたって配設されている。リップ73は、その先端中央部において高さが最も高くなっている。このリップ73の先端がインク吐出面30aに当接することにより、板部材71の上面、リップ73及びインク吐出面30aにより画定された閉塞空間81が形成される。これにより、インク吐出面30aの複数のインク吐出口8aが保護される。
2枚のフィルム72は、可撓性を有しており、各凹部71aを覆うように配置されている。各フィルム72は、凹部71aの開口における長手部分近傍(図7のハッチング部)とそれぞれ接着されている。一方、凹部71aの開口における短手部分近傍は、接着されずに開放されている。この構成において、閉塞空間81の圧力が外部よりも低くなったときは、内外の圧力差によって、貫通孔71bから凹部71a内に流入した空気は、フィルム72をインク吐出面30a側に押し上げる。このとき、フィルム72は、板部材71とフィルム72の長手方向に沿う端部としか接着されていないので、フィルム72の短手方向に沿う端部と板部材71との間に隙間が生じる。そして、その隙間から閉塞空間81内に空気が侵入し、閉塞空間81の圧力が外部と同程度となる。一方、閉塞空間81の圧力が、外部よりも高くなったときは、閉塞空間81の空気が、貫通孔71bから流出しようとしてフィルム72を押し下げる。そして、フィルム72と板部材71との接着されていない箇所は、フィルム72によって、封止されるので、閉塞空間81の空気が外部に流出しない。しかし、フィルム72の変形によって、閉塞空間81の容積が大きくなり、閉塞空間81の内外で圧力差が緩和されることになる。このような、貫通孔71b及び板部材71と長手方向に沿う端部のみ接着されたフィルム72により逆止弁が構成されている。
次に、キャップユニット110によって、インクジェットヘッド2を保護する方法について説明する。
まず、インクジェットヘッド2を用意する。インクジェットヘッド2は、インク供給部96aに弁が固定されており、流路を開閉可能になっている。そして、この弁を介してインクジェットヘッド2の内部に出荷液が充填され、流路内に空気や異物がほぼ流出した状態となっている。出荷液がインクジェットヘッド2内に充填された後は、弁は閉の状態にされる。これによって、インク供給部96aから空気や異物が侵入したり、出荷液が漏れ出すことが防止される。次に、リザーバベースプレート92の両端部をネジS1を介して支持部材86に固定する。図1に示すように、インクジェットヘッド2がキャップユニット110に取り付けられる。このとき、2つのばね75によって、板部材71がインク吐出面30aに向かって付勢される。これにより、リップ73が全てのインク吐出口8aを取り囲むようにインク吐出面30aに当接し、閉塞空間81が形成される。こうして、インクジェットヘッド2が保護される。
このようなインクジェットヘッド2の保護状態(輸送状態)において、気圧の変化が生じた場合のヘッドキャップ70の動作について図8を用いて説明する。図8は、ヘッドキャップ70によりインク吐出面30aを保護した状態において、周囲の気圧に変化が生じたときのヘッドキャップ70の状況を示す図である。
図8(a)に示すように、通常、ヘッドキャップ70によりインク吐出面30aが保護されたときは、閉塞空間81の圧力は、周囲の気圧と同じであるので、フィルム72は湾曲せずに、インク吐出面30aと平行な状態である。
ここで、例えば、インクジェット保護アセンブリ1を航空機で輸送する場合において説明する。航空機が離陸すると、上空の気圧は低くなるが、閉塞空間100がカバー部材58の貫通孔102を介して、周囲の気圧と同程度となるように低下する。このとき、閉塞空間81の圧力は周囲の気圧よりも、例えば40kPa(第1の所定値)以上高いため、図8(b)に示すように、フィルム72が凹部71aの内側に向かって湾曲するように変形する。これで、閉塞空間81の容積が拡大し、内外の圧力差が緩和される。さらに、内外の圧力差が大きければ、リップ73とインク吐出面30aとの当接部分において、当接力の最も弱い部分のリップ73が外側に倒れるように変形し、そのリップ73の倒れた部分から閉塞空間81の空気が外部に漏れ出し、閉塞空間81の圧力が減圧され、周囲の気圧とほぼ同じになる。こうして、閉塞空間100の圧力と閉塞空間81の圧力とが同程度に保たれるので、ダンパフィルム101がインク流路96の外側に湾曲することがなく、インク吐出口8aにおけるインクメニスカスにはその耐圧を超える圧力が加えられることがない。これにより、気泡がインク吐出面30a(ノズル8)を介して流路内に侵入することが防止される。なお、閉塞空間81の圧力と周囲の気圧とが同程度になると、リップ73の倒れた部分は変形した状態で、インク吐出面30aと当接し封止する。また、フィルム72もインク吐出面30aとほぼ平行な状態に戻る。
一方、航空機が着陸すると、周囲の気圧は、大気圧に戻るので、閉塞空間100の圧力も、周囲の気圧と同じように減圧された状態から元の状態に戻る。閉塞空間81の圧力は大気圧よりも、例えば40kPa(第2の所定値)以上低いため、図8(c)に示すように、フィルム72がインク吐出面30aに向かって膨らむように変形する。このとき、フィルム72の接着されていない箇所(短手方向に沿う端部)及び貫通孔71bを介して閉塞空間81と周囲とが連通する。そのため、閉塞空間81の圧力も減圧された状態から元の状態にすみやかに戻る。したがって、閉塞空間100の圧力と閉塞空間81の圧力は同程度となるので、ダンパフィルム101がインク流路96の内側に湾曲することがなく、インク吐出口8aにおけるインクメニスカスにはその耐圧を超える圧力が加えられることがない。つまり、インクメニスカスが破壊されず、出荷液が閉塞空間81に漏れ出さない。
このように、フィルム72は、一部分のみを板部材71に接着しているので、周囲の気体は貫通孔71bを介して閉塞空間81側に流入することができるが、閉塞空間81の気体は外部へ流出しない。また、フィルム72は、内外の圧力差で容易に湾曲変形可能に構成されている。このような簡易な構成によってダンパー効果を有した逆止弁が構成されるため、ヘッドキャップ70の構成が簡易になる。
また、板部材71の上面には、凹部71aが形成されており、その凹部71aを覆うようにフィルム72が配置されていることにより、例えば、閉塞空間81の温度が上昇し気体が膨張した場合においても、ダンパー効果によりフィルム72が凹部71aの内側に向かって撓むことが可能になる。そのため、閉塞空間81の空気が膨張して、圧力が上昇しようとしても、フィルム72の撓みによって圧力上昇分を吸収するので、閉塞空間81の圧力はほとんど変化しない。さらに、空気が膨張しようとすれば、リップ73が外側に倒れて内外の圧力差が調整される。すなわち、閉塞空間100の圧力と閉塞空間81の圧力に差が生じないため、インク吐出口8aのインクメニスカスが壊れるのを防止することができる。したがって、インク吐出口8aからインクジェットヘッド2内部に閉塞空間81の空気が侵入しにくくなる。
さらに、閉塞空間81は、内外の圧力差によって外部に開放状態となるが、一時的であるので、出荷液のインク吐出面30aからの蒸発がほとんどない。そのため、インクジェットヘッド2を良好な状態に維持でき、確実にインクの吐出特性を所望の状態で発揮できる。以上のように、本実施形態によるインクジェット保護アセンブリ1によると、周囲の気圧が減圧されたときに、閉塞空間100の圧力は、周囲の気圧と同程度となるように低下する。このとき、閉塞空間81の圧力が周囲の気圧よりも所定値以上大きくなると、リップ73が変形して、閉塞空間81の気体が外部に流出し、閉塞空間81の圧力が周囲の気圧に近づく。また、板部材71には、周囲の気圧が閉塞空間81の気圧よりも所定値以上大きくなると開く逆止弁が設けられている。そのため、周囲の気圧が上昇すると、逆止弁を介して閉塞空間81に外部の空気が流入し、閉塞空間81の圧力が周囲の気圧に近づく。このとき、閉塞空間100の圧力は、周囲の気圧に近づく。すなわち、閉塞空間100の圧力と閉塞空間81の圧力とに差が生じないため、ダンパフィルム101がインク流路96に対して湾曲することがなく、インク吐出口8aのインクメニスカスに大きな圧力が加えられることがない。そのため、閉塞空間81に対して周囲の気圧が高くなってもインク吐出口8aからインクが漏れることがなく、逆に、周囲の気圧が低くなってもインク吐出口8aから流路内に気泡が侵入することがない。インク吐出口8aからインクが漏れることがない。
続いて、本発明の第2実施形態によるインクジェット保護アセンブリについて、図9及び図10を用いて説明する。図9は、ヘッドキャップ170の平面図である。図10は、ヘッドキャップ170によりインク吐出面30aを保護した状態を示す図である。本実施形態では、リップ173及び板部材171の構成が第1実施形態のリップ73及び板部材71と若干異なるだけで、それ以外は第1実施形態と同様である。従って、第1実施形態と同様なものは同符号で示し、説明を省略する。
ヘッドキャップ170は、図9に示すように、板部材(基材)171及びリップ173から構成されている。板部材171は、略矩形平面形状を有する平板であり、その上面(一表面)がインク吐出面30aの複数のインク吐出口8aが形成された領域に対向している。
リップ173は、弾性材料(例えば、ゴム)からなり、板部材171の長手方向に沿う2つの長手部分174、175と板部材171の短手方向に沿う2つの短手部分176、177とを有している。2つの長手部分174、175及び2つの短手部分176、177は、互いに連続して形成されており、板部材171の上面において、板部材171の外縁に沿ってその全周にわたって配設されている。これら2つの長手部分174、175及び短手部分176、177の先端がインク吐出面30aに当接することにより、板部材171の上面、リップ173及びインク吐出面30aにより画定された閉塞空間181が形成される。これにより、インク吐出面30aが保護される。
次に、2つの長手部分174、175及び2つの短手方向176、177について図9及び図10を用いて詳細に説明する。長手部分174(第1の部分)は、図10に示すように、板部材171上において、図中左方に配設されており、長手部分174の先端において、長手部分174の外側面174aと板部材171の上面と直交する垂線とのなす角度が、長手部分174の内側面174bと垂線とのなす角度より小さく形成されている。これより、長手部分174は、インク吐出面30aに当接するとき、長手部分174の内側面174bがインク吐出面30aに当接する。このため、長手部分174は、内側面174bから外側面174aに向かう方向に倒れやすくなる。
長手部分175(第2の部分)は、図10に示すように、板部材171上において、図中右方に配設されており、長手部分175の先端において、長手部分175の外側面175aと板部材171の上面と直交する垂線とのなす角度が、長手部分175の内側面175bと垂線とのなす角度より大きく形成されている。これより、長手部分175は、インク吐出面30aに当接するとき、長手部分175の外側面175aがインク吐出面30aに当接する。このため、長手部分175は、外側面175aから内側面175bに向かう方向に倒れやすくなる。
2つの短手部分176、177は、図9に示すように、板部材171上において、図中左右両端に配設されており、2つの短手部分176、177の先端において、2つの短手部分176、177の外側面と板部材171の上面と直交する垂線とのなす角度が、2つの短手部分176、177の内側面と垂線とのなす角度と等しく形成されている。すなわち、2つの短手部分176、177は、内側面から外側面に向かう方向と外側面から内側面に向かう方向とで倒れやすさ(剛性)が同じである。そして、2つの短手部分176、177についての内側面から外側面に向かう方向への倒れやすさ(又は外側面から内側面に向かう方向への倒れやすさ)は、長手部分174の外側面174aから内側面174bに向かう方向への倒れやすさ、及び、長手部分175の内側面175bから外側面175aに向かう方向への倒れやすさよりも小さく、且つ、長手部分174の内側面174bから外側面174aに向かう方向への倒れやすさ、及び、長手部分175の外側面175aから内側面175bに向かう方向への倒れやすさよりも大きい。
ここで、第1実施形態と同様に、インクジェットヘッド2の保護状態(すなわち、輸送状態)において、気圧の変化が生じた場合のヘッドキャップ170の動作について図10を用いて説明する。
例えば、インクジェット保護アセンブリ1を航空機で輸送する場合において説明する。航空機が離陸すると、上空の気圧は低くなるが、閉塞空間100がカバー部材58の貫通孔102を介して、周囲の気圧と同程度となるように低下する。このとき、閉塞空間181の圧力は周囲の気圧よりも、例えば40kPa(第1の所定値)以上高いため、リップ173とインク吐出面30aとの当接部分において、長手部分174の最も当接力が弱い部分が外側に倒れるように変形し、その長手部分174の倒れた部分から閉塞空間181の空気が外部に漏れ出し、閉塞空間181の圧力が減圧され、周囲の気圧と同じになる。一方、長手部分175及び2つの短手部分176、177は、長手部分174よりも外側に倒れにくい形状であるため、インク吐出面30aに当接したままである。こうして、閉塞空間100の圧力と閉塞空間181の圧力が同程度に保たれるので、ダンパフィルム101がインク流路96の外側に湾曲することがなく、インク吐出口8aにおけるインクメニスカスにはその耐圧を超える圧力が加えられることがない。これにより、気泡が流路内に侵入することが防止される。なお、閉塞空間181の圧力と周囲の気圧とが同程度になると、長手部分174の倒れた部分は自動的に元の状態に戻り、リップ173はインク吐出面30aと当接し封止する。
このように、長手部分174が、外側面174aから内側面174bに向かう方向よりも内側面174bから外側面174aに向かう方向への剛性が小さいため、周囲の気圧が閉塞空間181よりも低いときに、内側面174bから外側面174aに向かう方向に倒れる。このとき、長手部分174は、インク吐出面30aから部分的に離れて閉塞空間181内外が連通する。こうして、閉塞空間181の空気を外部に確実に流出させることができる。
一方、航空機が着陸すると、周囲の気圧は、大気圧に戻るので、閉塞空間100の圧力も、周囲の気圧と同じように減圧された状態から元の状態に戻る。閉塞空間181の圧力は大気圧よりも、例えば40kPa(第2の所定値)以上低いため、リップ173とインク吐出面30aとの当接部分において、長手部分175の最も当接力が弱い部分が内側に倒れるように変形し、その長手部分175の倒れた部分から閉塞空間181へ外部の空気が流入する。そのため、閉塞空間181の圧力も減圧された状態から元の状態に戻る。一方、長手部分174及び2つの短手部分176、177は、長手部分175よりも内側に倒れにくい形状であるため、インク吐出面30aに当接したままである。こうして、閉塞空間100の圧力と閉塞空間181の圧力は同程度となるので、ダンパフィルム101がインク流路96側に湾曲することがなく、インク吐出口8aにおけるインクメニスカスにはその耐圧を超える圧力が加えられることがない。つまり、インクメニスカスが破壊されず、出荷液が閉塞空間181に漏れ出さない。なお、閉塞空間181の圧力と周囲の気圧とが同程度になると、長手部分175の倒れた部分は自動的に元の状態に戻り、リップ173はインク吐出面30aと当接し封止する。
このように、長手部分175が、内側面175bから外側面175aに向かう方向よりも外側面175aから内側面175bに向かう方向への剛性が小さいため、周囲の気圧が閉塞空間181よりも高いときに、外側面175aから内側面175bに向かう方向に倒れる。このとき、長手部分175は、インク吐出面30aから部分的に離れて閉塞空間181内外が連通する。こうして、閉塞空間181に外部の空気を確実に流入させることができる。
以上のように、本実施形態によるインクジェット保護アセンブリ1によると、周囲の気圧が減圧されたときに、閉塞空間100の圧力は、周囲の気圧とともに低下する。このとき、閉塞空間181の圧力が周囲の気圧よりも所定値以上大きくなると、長手部分174が変形して、閉塞空間181の空気が外部に流出し、閉塞空間181の圧力が周囲の気圧に近づく。逆に、閉塞空間181の圧力が減圧された状態となっても、周囲の気圧が閉塞空間181の圧力よりも所定値以上大きくなると、長手部分175が変形して、閉塞空間181に外部の空気が流入し、閉塞空間181の圧力が周囲の気圧に近づく。このとき、閉塞空間100の圧力は、周囲の気圧とともに上昇する。すなわち、閉塞空間100の圧力と閉塞空間181の圧力に差がほとんど生じないため、ダンパフィルム101がインク流路96に対して湾曲することがなく、インク吐出口8aのインクメニスカスに大きな圧力が加えられることがない。そのため、閉塞空間181対して周囲の気圧が高くなってもインク吐出口8aからインクが漏れることがなく、逆に、周囲の気圧が低くなってもインク吐出口8aから流路内に気泡が侵入することがない。
また、リップ173の内側面がインク吐出面30aに当接するように形成した部分やリップ173の外側面がインク吐出面30aに当接するように形成した部分を、隅部に形成する際、リップ173を曲げることが困難となる。すなわち、リップ173の長手部分174の内側面174bがインク吐出面30aに当接するように形成したり、長手部分175の外側面175aがインク吐出面30aに当接するように形成したりした方が形成しやすい。
続いて、本実施形態の第3実施形態によるインクジェット保護アセンブリについて図11〜図13を用いて説明する。図11は、本発明の第3実施形態によるインクジェット保護アセンブリの概略構成図である。図12は、図11中の一点鎖線で囲まれた領域の平面図及び拡大図である。図13は、図11に描かれたヘッドキャップ270の平面図である。本実施形態では、板部材271、カバー部材258及びリザーバベースプレート292の構成が第1実施形態の板部材71、カバー部材58及びリザーバベースプレート92の構成と若干異なるだけで、それ以外は第1実施形態と同様である。従って、第1実施形態と同様なものは同符号で示し、説明を省略する。
カバー部材258は、サイドカバー53及びヘッドカバー255から構成されている。ヘッドカバー255は、第1実施形態におけるヘッドカバー55に形成された貫通孔102が形成されていないものである。そして、2つのサイドカバー53及びヘッドカバー255によって閉塞空間200が形成される。なお、カバー部材258のリザーバベースプレート292との当接部には、ほぼ全長に亘って封止部材56が塗布されている。
リザーバベースプレート292は、図12に示すように、図11中における左方の上面略中央のヘッドカバー255とリザーバベースプレート292との当接部近傍領域において、閉塞空間200の内外が連通するように、長手方向に延びた凹部292aが形成されている。これにより、閉塞空間200の圧力が周囲の気圧に連動して圧力変動する。
ヘッドキャップ270は、図13に示すように、板部材271、及びリップ73を有している。板部材271は、図13に示すように、略矩形平面形状を有する平板であり、インクジェットヘッド2がインクジェット保護アセンブリ1に取り付けられた状態で、その上面(一表面)がインク吐出面30aの複数のインク吐出口8aが形成された領域に対向している。板部材271には、略中央に板部材271を貫通する貫通孔(通路)271aが形成されている。貫通孔271aは、幅約0.1mmのスリットとなっている。本実施形態では、スリット長さは、3mmとした。そして、リップ73の先端がインク吐出面30aに当接することにより、板部材271の上面、リップ73及びインク吐出面30aにより画定された閉塞空間281が形成される。これにより、インク吐出面30aの複数のインク吐出口8aが保護される。なお、貫通孔271aのスリット幅は、0.05〜0.5mmの範囲が好ましい。この範囲内であると、ヘッドキャップ270による閉塞空間281内の保湿を維持することができ、インク吐出面30aの表面からインクが乾きにくくなる。一方、貫通孔271aのスリット幅が0.5mm以上であると、ヘッドキャップ270による閉塞空間281の内外への気体の流通が多くなる。したがって、ヘッドキャップ270による閉塞空間281内の保湿を維持することが難しくなり、インク吐出面30aの表面からインクが乾いてしまう。また、貫通孔271aのスリット幅が0.05mm以下であると、加工誤差によって、ヘッドキャップ270による閉塞空間281の内外への気体の流通が非常に少なくなる。したがって、ヘッドキャップ270による閉塞空間281の圧力が周囲の気圧に連動して圧力変動しにくくなる。また、貫通孔271aの外側開口を覆うシール材が板部材271の下面に貼付されていて、そのシール材の内側表面に沿って、微小断面積を有する複雑な形状の空気通路を構成するラビリンスと称される凹部が形成されており、このラビリンスを介して閉塞空間281と外部空間とが連通していてもよい。これにより、閉塞空間281の保湿をさらに維持しやすくなる。なお、シール材に対してレーザ加工によって10〜20μm程度の孔を形成し、この孔を介して外部と連通してもよい。
ここで、第1実施形態と同様に、インクジェットヘッド2の保護状態(すなわち、輸送状態)において、気圧の変化が生じた場合のヘッドキャップ270の動作について説明する。
例えば、インクジェット保護アセンブリ1を航空機で輸送する場合において説明する。航空機が離陸すると、上空は気圧が低くなるが、閉塞空間200がリザーバベースプレート292の凹部292aを介して、周囲の気圧とともに低下する。このとき、閉塞空間281の圧力も貫通孔271aを介して低下する。こうして、閉塞空間200の圧力と閉塞空間281の圧力は同程度となるので、ダンパフィルム101がインク流路96の外側に湾曲することがなく、インク吐出口8aにおけるインクメニスカスにはその耐圧を超える圧力が加えられることがない。つまり、気泡が流路内に侵入することがない。
一方、航空機が着陸すると、周囲の気圧は、大気圧に戻るので、閉塞空間200の圧力も、周囲の気圧と同じように減圧された状態から元の状態に戻る。閉塞空間281の圧力も貫通孔271aを介して減圧された状態から元の状態に戻る。こうして、閉塞空間200の圧力と閉塞空間281の圧力は同程度となるので、ダンパフィルム101がインク流路96側に湾曲することがなく、インク吐出口8aにおけるインクメニスカスにはその耐圧を超える圧力が加えられることがない。つまり、インクメニスカスが破壊されず、出荷液が閉塞空間281に漏れ出さない。
以上のように、本実施形態によるインクジェット保護アセンブリ1によると、リザーバベースプレート292の凹部292aを介して閉塞空間200と周囲とは連通しているので、閉塞空間200の圧力は、周囲の気圧と同程度となるように変動する。このとき、閉塞空間281の圧力も貫通孔271aを介して周囲の気圧と同程度となるように変動する。すなわち、閉塞空間200の圧力と閉塞空間281の圧力に差が生じないため、ダンパフィルム101がインク流路96側に湾曲することがなく、インク吐出口8aのインクメニスカスに大きな圧力が加えられることがない。そのため、閉塞空間281に対して周囲の気圧が高くなってもインク吐出口8aからインクが漏れることがなく、逆に周囲の気圧が低くなってもインク吐出口8aから流路内に気泡が侵入することがない。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した第1実施形態では、板部材71の上面に開口する2つの凹部71aが形成され、各凹部71aの底面に、板部材71を貫通する貫通孔71bが形成されていたが、2つの凹部71aは形成されずに、平面形状の板部材に貫通孔が形成されていてもよい。
また、第1実施形態では、フィルム72は、凹部71aの開口における長手部分近傍と接着されており、凹部71aの開口における短手部分近傍と接着されていなかったが、フィルム72が、凹部71aの開口における短手部分近傍と接着されており、凹部71aの開口における長手部分近傍と接着されていなくてもよい。また、フィルム72は、凹部71aの開口周縁において大部分と接着されており、一部が接着されていなくてもよい。
さらに、第2実施形態におけるリップ173は、板部材171の長手方向に平行な2つの長手部分に第1の部分と第2の部分とをそれぞれ構成していたが、第1の部分と第2の部分は、短手方向に平行な2つの短手部分にそれぞれ構成していてもよい。また、隅部にそれぞれ構成していてもよい。また、板部材171の長手方向に平行な2つの長手部分又は、短手方向に平行な2つの短手部分の一部に構成していてもよい。
加えて、第2実施形態では、第1の部分と第2の部分とをリップ173の先端において、リップ173の内側面と板部材171の上面と直交する垂線とのなす角度とリップ173の外側面と垂線とのなす角度によって形成されていたが、図14に示すように、リップ274とリップ274の図中右側部にリップ274よりも高さの低い支持部276とで、第1の部分を形成していてもよい。この場合、リップ274が外側に倒れるときは、リップ274の下端が支点となり、内側に倒れるときは、リップ274の支持部276の上端に接触している部分が支点となる。これにより、リップ274は内側よりも外側に倒れやすい構成となっている。また、リップ275とリップ275の図中右側部にリップ275よりも高さの低い支持部277とによって、第2の部分を形成していてもよい。この場合、リップ275が内側に倒れるときは、リップ275の下端が支点となり、外側に倒れるときは、リップ275の支持部277の上端に接触している部分が支点となる。これにより、リップ275は外側よりも内側に倒れやすい構成となっている。これにおいても、第2実施形態と同様の効果が得られる。
また、第3実施形態では、リザーバベースプレート292の上面に、図11中における左方の上面略中央のヘッドカバー255とリザーバベースプレート292との当接部において、長手方向に延びた長尺な凹部292aが形成されていたが、図15に示すように、閉塞空間200内に位置するリザーバベースプレート392の上面から貫通した貫通孔392aと、リザーバベースプレート392の下面にリザーバベースプレート392の左方端部に延びた長尺な凹部392bが形成され、貫通孔392aと凹部392bとが連通していてもよい。これにおいても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の第1実施形態によるインクジェット保護アセンブリの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの縦断面図である。 図2のヘッド本体の平面図である。 図3中の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図4のV−V線に沿う断面図である。 図2のリザーバユニットの縦断面図である。 図1に描かれたヘッドキャップの平面図である。 本発明の第1実施形態によるヘッドキャップによりインク吐出面を保護した状態において、周囲の気圧に変化が生じたときのヘッドキャップの状況を示す図である。 本発明の第2実施形態によるヘッドキャップの平面図である。 ヘッドキャップによりインク吐出面を保護した状態を示す図である。 本発明の第3実施形態によるインクジェット保護アセンブリの概略構成図である。 図11中の一点鎖線で囲まれた領域の平面図及び拡大図である。 図11に描かれたヘッドキャップの平面図である。 本発明の第2実施形態によるヘッドキャップの変形例を示す図である。 本発明の第3実施形態によるインクジェット保護アセンブリの変形例を示す図である。
符号の説明
1 インクジェット保護アセンブリ
2 インクジェットヘッド
4 流路ユニット
8a インク吐出口
30a インク吐出面
32 個別インク流路
58 カバー部材
70 ヘッドキャップ
71 板部材
71a 凹部
71b 貫通孔
72 フィルム
73 リップ
81 閉塞空間
90 リザーバユニット
96 インク流路
100 閉塞空間
101 ダンパフィルム
102 貫通孔
110 キャップユニット
170 ヘッドキャップ
171 板部材
173 リップ
174 長手部分
174a 外側面
175 長手部分
175b 内側面
181 閉塞空間
200 閉塞空間
258 カバー部材
271 板部材
281 閉塞空間
271a 連通孔

Claims (9)

  1. インク滴を吐出する吐出口が形成された、インクジェットヘッドのインク吐出面を覆うためのキャップであって、
    前記インク吐出面に対向する基材と、
    前記基材の一表面から突出した可撓性を有する環状のリップとを備えており、
    前記リップが前記インク吐出面に当接することによって、前記インク吐出面を内壁面の一部とした閉塞空間を形成するキャップにおいて、
    前記リップは、前記閉塞空間内の気圧が前記閉塞空間外の気圧よりも第1の所定値以上大きいときのみに前記閉塞空間の内外が連通するように変形し、
    前記基材には、前記閉塞空間外の気圧が前記閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上大きいときのみに開く逆止弁が設けられていることを特徴とするキャップ。
  2. 前記一表面には、前記閉塞空間の内外を連通させる貫通孔と、前記貫通孔を覆いつつ前記貫通孔の周囲と部分的に接合されたフィルムとが設けられており、
    前記逆止弁が、前記貫通孔と前記フィルムとによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
  3. 前記一表面には、開口を有する凹部が形成されており、
    前記貫通孔が、前記凹部の底面に形成されており、
    前記フィルムが、前記凹部を覆うように前記開口周縁と部分的に接合されていることを特徴とする請求項2に記載のキャップ。
  4. インク滴を吐出する吐出口が形成された、インクジェットヘッドのインク吐出面を覆うためのキャップであって、
    前記インク吐出面に対向する基材と、
    前記基材の一表面から突出した可撓性を有する環状のリップとを備えており、
    前記リップが前記インク吐出面に当接することによって、前記インク吐出面を内壁面の一部とした閉塞空間を形成するキャップにおいて、
    前記リップには、前記閉塞空間内の気圧が前記閉塞空間外の気圧よりも第1の所定値以上大きいときのみに前記閉塞空間の内外が連通するように変形する第1の部分と、前記閉塞空間外の気圧が前記閉塞空間内の気圧よりも第2の所定値以上大きいときのみに前記閉塞空間の内外が連通するように変形する第2の部分とが設けられていることを特徴とするキャップ。
  5. 前記第1の部分は、前記リップの先端が先細りの形状を有し、前記リップの先端において、前記リップの外側面と前記一表面と直交する垂線とのなす角度が、前記リップの内側面と前記垂線とのなす角度より小さく形成され、
    前記閉塞空間は、前記第1の部分において、前記内側面が前記インク吐出面に当接して形成されていることを特徴とする請求項4に記載のキャップ。
  6. 前記第2の部分は、前記リップの先端が先細りの形状を有し、前記リップの先端において、前記リップの外側面と前記一表面と直交する垂線とのなす角度が、前記リップの内側面と前記垂線とのなす角度より大きく形成され、
    前記閉塞空間は、前記第2の部分において、前記外側面が前記インク吐出面に当接して形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のキャップ。
  7. 前記リップが、前記基材の長手方向に平行な2つの長手部分を有しており、
    前記第1の部分及び前記第2の部分が、前記長手部分をそれぞれ構成していることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のキャップ。
  8. インク滴を吐出する吐出口がインク吐出面に形成された第1流路を有する流路ユニット、前記流路ユニットの前記インク吐出面とは反対側の面に固定されているとともに、前記第1流路と連通するように形成された第2流路を有するリザーバユニット、及び、前記流路ユニット及び前記リザーバユニットの表面に当接したカバー部材を有するインクジェットヘッドと、
    前記インク吐出面に対向する基材と、前記基材の一表面から突出した可撓性を有する環状のリップとを備えており、前記リップが前記インク吐出面に当接することによって、前記インク吐出面を内壁面の一部とした閉塞空間を形成し、前記インク吐出面を覆うためのキャップとを備えており、
    前記一表面及び前記リップの少なくとも一方には、前記閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられており、
    前記カバー部材が、前記流路ユニット及び前記リザーバユニットの表面に当接することによって、前記カバー部材内に閉塞空間を形成しており、
    前記第2流路は、前記カバー部材による閉塞空間内において、その少なくとも一部が可撓性フィルムから構成されており、
    前記カバー部材及び前記リザーバユニットの少なくとも1つには、前記カバー部材による前記閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられていることを特徴とするインクジェット保護アセンブリ。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載のキャップと、
    インク滴を吐出する吐出口がインク吐出面に形成された第1流路を有する流路ユニット、前記流路ユニットの前記インク吐出面とは反対側の面に固定されているとともに、前記第1流路と連通するように形成された第2流路を有するリザーバユニット、及び、前記流路ユニット及び前記リザーバユニットの表面に当接したカバー部材を有するインクジェットヘッドとを備えており、
    前記カバー部材が、前記流路ユニット及び前記リザーバユニットの表面に当接することによって、前記カバー部材内に閉塞空間を形成しており、
    前記第2流路は、前記カバー部材による閉塞空間内において、その少なくとも一部が可撓性フィルムから構成されており、
    前記カバー部材及び前記リザーバユニットの少なくとも1つには、前記カバー部材による前記閉塞空間の内外を連通させる通路が設けられていることを特徴とするインクジェット保護アセンブリ。
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