JP4241643B2 - 色判定装置及び色判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像の色を効率よく自動判定することが可能な装置及び方法に関する。
原稿となる画像を紙などのプリント媒体上に再現する画像形成装置の一つに、カラー複写機がある。カラー複写機においては、読取った原画像をフルカラーで再現すること可能であるが、原画像が単色カラーで表現されている場合に、YMCKの4色のエンジンを作動させることは非効率であり、原画像に含まれる色成分に対応するトナーだけで画像形成を行うことができれば、効率的に画像形成を行うことができる。
このためには、原画像の色を判定する必要があるが、それを使用者が目視で行うと、使用者の主観によって誤判定することがある。また、使用者が正しく色を判定できた場合でも、その色相が何であるかをキー入力などによって指定しなければならず、そのような操作が必要となる点での非効率は残る。
このような事情があるため、原画像の色を自動的に判定する装置を、画像形成装置中に組み込んでおくことが望まれる。
色相の自動判定に関する開示がある特許文献1では、原画をOCRで読取った際に書式部分の色を分離する目的で、RGBの3色成分で表現された画像信号をHSV(H=色相、S=彩度:V=輝度)の色空間に変換し、所定の閾値と信号レベルとを比較して色相を判定する色識別回路が設けられている。
また、特許文献2では、画素ごとのRGBの3色成分の画像信号から画素ごとの色差を求め、それらの移動平均によって各画素のうち近似する色をクラスタリングすることによって、固定的な閾値を用いずに色の分離を行うことが可能になっている。
特公平8−10901号公報 特開平2−137079号公報
ところが、これらいずれの従来技術においても、色を判定する基準となる境界のとり方については十分な考察が行われていない。
すなわち、特許文献1では、2つの色差変数で規定された色空間(平面)において、色判定境界線として複数の直線を配置しているが、これらの直線は色相を区別するという条件だけで決められたものであり、それ以上の考慮はなされていない。
このため、2次元色空間(色平面)において、判定対象となる色の座標点が色平面上のどの方向のどの位置にあるかを算出し、それと色判定境界線との位置関係を比較することによって、判定対象色が、色判定境界線のいずれ側の領域に属するを判断する必要がある。そして、このような計算においては、判定対象となる位置が原点からどの方向にあるかを計算しようとすると、逆三角関数などの無理数計算を伴うことが多いために複雑な計算となり、その結果として色判定が非効率なものとなる。
また、特許文献2では、移動平均を用いることにより色分離を行うことが可能になるが、そのようにして分離した色の色相は何かを具体的に判断する段階では、色相境界としての閾値と比較するが、閾値の選定と比較について格別の改良はなされていないという点では同様である。
そして、このような問題は、カラー複写機に限らず、カラーファクシミリにおいて、受信した画像をどの色で単色カラープリントするかをなどを自動判断するような場合一般において生じる問題である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、色判定のための閾値に相当する色判定境界線のとり方に改良を加えることによって計算量を減少させ、効率的に色を自動判別することが可能な装置及び方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、画像の色を自動判定する色判定装置であって、判定対象画像の各部の色を、無彩軸と色相平面を規定する2つの軸とを有する3次元色空間上の座標値で表現した画像データのそれぞれが、前記色相平面を複数の色判定境界線によって分割して得られた、前記判定対象画像の画像形成を実行する画像形成手段に使われる色材の色数により定められる数の複数の部分領域のいずれに属するかを判定する領域判定手段と、前記領域判定手段による領域判定結果の計数を行う計数手段と、前記計数手段による計数結果に基づいて前記判定対象画像の色を判定する色判定手段と、を備え、前記複数の色判定境界線のそれぞれが、前記色相平面を規定する座標軸に対して有理数の傾きを持つ直線により規定され、前記直線として、式「Ax=By(ただし、AおよびBは整数)」で表される直線を含み、前記領域判定手段が、前記複数の色判定境界線のそれぞれを規定する前記直線を表す等式の不等式により前記複数の部分領域のそれぞれを表現し、前記不等式と前記画像データの前記色相平面上の座標値とを用いて、当該画像データが前記複数の部分領域のいずれに属するかを判定する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の色判定装置であって、前記色相平面上での回転を含んだ所定の変換を前記画像データに施す変換手段、をさらに備え、前記所定の変換を受けた後の画像データについて、前記複数の部分領域のいずれに属するかが判定される。
請求項3の発明は、請求項2記載の色判定装置であって、前記所定の変換が、前記色相平面におけるアフィン変換である。
請求項4の発明は、請求項2または3記載の色判定装置であって、前記所定の変換が、前記色相平面において、前記複数の色判定境界線の少なくとも1つを座標軸のいずれかと一致させる回転変換を含む。
請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の色判定装置であって、前記判定対象画像の色が複数種類の3次元色空間のうちのいずれにおいて表現されているかに応じて、前記変換手段を選択的に能動化する選択的能動化手段、をさらに備え、前記判定対象画像が前記複数種類の3次元色空間のいずれにおいて表現されているかにかかわらず、前記複数の色判定境界線に基づく前記画像データの色判定を共通の比較基準に基づいて実行可能である。
請求項6の発明は、請求項2ないし5のいずれかに記載の色判定装置であって、前記所定の変換が、前記色相平面における異方的スケーリングを含み、前記異方的スケーリングは、前記複数の色判定境界線の少なくとも1つについて前記座標軸に対する傾きの絶対値を1とする変換である。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の色判定装置であって、前記判定対象画像において互いに隣接する画素からなる画素集合において画素データを平均し、それによって前記画像データを得る平均化手段、をさらに備える。
請求項8の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の色判定装置であって、前記複数の部分領域が、無彩色に対応する無彩領域を含み、前記無彩領域内に前記色相平面の原点が含まれる。
請求項9の発明は、請求項8記載の色判定装置であって、前記色判定手段が、前記画像データのうち前記無彩領域に属するデータ数に基づいて、前記判定対象画像が、カラー画像かモノクロ画像かを判定するカラーモノクロ判定手段、を備える。
請求項10の発明は、請求項9記載の色判定装置であって、前記計数手段が、前記無彩領域のうち黒色対応部分に属する各判定対象画像データの数を計数する無彩色計数手段と、前記複数の部分領域のうち複数の色相のそれぞれに対応する複数の色相領域について、各色相領域に属する各画像データの数を計数する有彩色計数手段と、を備え、前記カラーモノクロ判定手段が、前記無彩色計数手段と前記有彩色計数手段とのそれぞれにおける計数結果に基づいて、前記判定対象画像が、フルカラー画像、単色カラー画像及び2色カラー画像のいずれであるかを判定するカラー判定手段、を備える。
請求項11の発明は、請求項2ないし10のいずれかに記載の色判定装置であって、前記所定の変換が、前記色相平面における平行移動変換を含む。
請求項12の発明は、請求項1から11のいずれかに記載の色判定装置であって、前記複数の色判定境界線が、前記色相平面の座標軸と非平行な直線を含む。
請求項13の発明は、画像の色を自動判定する色判定方法であって、判定対象画像の各部の色を、無彩軸と色相平面を規定する2つの軸とを有する3次元色空間上の座標値で表現した画像データのそれぞれが、前記色相平面を複数の色判定境界線によって分割して得られた、前記判定対象画像の画像形成を実行する画像形成手段に使われる色材の色数により定められる数の複数の部分領域のいずれに属するかを判定する領域判定工程と、前記領域判定工程における領域判定結果の計数を行う計数工程と、前記計数工程における計数結果に基づいて前記判定対象画像の色を判定する色判定工程と、を備え、前記複数の色判定境界線のそれぞれが、前記色相平面を規定する座標軸に対して有理数の傾きを持つ直線により規定され、前記直線として、式「Ax=By(ただし、AおよびBは整数)」で表される直線を含み、前記領域判定工程において、前記複数の色判定境界線のそれぞれを規定する前記直線を表す等式の不等式により前記複数の部分領域のそれぞれを表現し、前記不等式と前記画像データの前記色相平面上の座標値とを用いて、当該画像データが前記複数の部分領域のいずれに属するかを判定する。
請求項14の発明は、請求項13に記載の色判定方法であって、前記複数の色判定境界線が、前記色相平面の座標軸と非平行な直線を含む。
請求項1及び請求項13記載の発明では、色判定のための閾値に相当する色判定境界線が、色相平面を規定する座標軸に対して有理数の傾きを持つ直線により規定されるため、所属する部分領域の判定における計算に無理数計算が伴わないので、判定のための計算量を減少させ、効率的に色を自動判別することができる。
請求項4記載の発明では、色判定のための閾値に相当する色判定境界線の少なくとも1つが色相平面の座標軸と一致するため、所属する部分領域の判定の一部を正負の符号判定とすることができるので、判定のための計算量をさらに減少させることができる。
請求項5記載の発明では、回転変換を施すことによって異なる3次元色空間の色判定を共通の色判定境界線を用いることができるので、効率的な色判定を行うことができる。
請求項6記載の発明では、色判定のための閾値に相当する色判定境界線の少なくとも1つの傾きの絶対値が1となり、所属する部分領域の判定の一部を大小判定とすることができるので、判定のための計算量をさらに減少させることができる。
請求項7記載の発明では、画像データが互いに隣接する画素からなる画素集合間から得た集合画素データから構成されるので、原画像が目視された場合になされる色の判別と相違しない色の自動判別を行うことできる。
請求項9記載の発明では、部分領域の1つである無彩領域を用いてカラーモノクロ判定を行うことができる。
請求項10記載の発明では、部分領域である無彩領域及び色相領域を用いて、フルカラー、単色カラー及び2色カラーのいずれであるかの判定を行うことができる。
<1.デジタルカラー複合機100>
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の色判定装置の機能を備える画像処理装置の一例として、ファクシミリ機能とコピー機能を備えたデジタルカラー複合機100に適用した場合の構成例を示すものである。なお、図1には特に本実施形態に関係のある機能のみが示されている。
このデジタルカラー複合機100は、カラースキャナ機能等を備える画像読み取り部1と、外部端末500との間で画像データの送受信を行う際に使用される画像送受信部2とを備えている。この画像送受信部2は、PSTN(公衆交換電話網)を介して外部端末500との通信を可能とする図示しないNCUや、LAN及びインターネットを介して外部端末500との通信を可能とする図示しないLANI/Fを備えている。
それに加えて、このデジタルカラー複合機100は、画像データに対する各種の画像処理を施す画像処理部3を備えている。画像処理部3は、操作部31及び表示部32を備えており、ユーザが所望の画像処理を入力することが可能となっている。
さらに、画像形成を行う動作モードの選択などの種々の動作を実行するための基礎となる情報処理を行う情報処理部4と、選択された動作モードで画像形成を実行する画像形成部(カラープリンタ部)5とを備えている。画像形成部5には、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色の着色剤(例えばトナー)を収容したカートリッジが装着されており、これらを用いたレーザ電子写真方式で紙媒体その他のシート上にプリントを行えるようになっている。なお、情報処理部4の機能構成については後に詳述する。各機能構成部はバスなどの内部通信手段によって相互に接続されている。
以上が、本実施の形態に係る色判定装置をファクシミリ機能とコピー機能を備えたデジタルカラー複合機100に適用した場合の構成例である。
次に、このデジタルカラー複合機100が原稿画像を普通紙などの紙媒体上に記録して再現する動作の概略を説明する。
まず、原稿となる画像のデジタル画像データを得る。この原稿は、モノクロ原稿、カラー原稿のいずれであってもよい。原稿となる画像のデジタル画像データは以下の2つの方法から得ることができる。第1の方法は画像読み取り部1から原稿画像データを得る方法である。例えば、画像読み取り部1においては、フルカラーのフラットベッドスキャナによる原稿画像の読み取りが画素ごとに行われる。これによって原稿画像の画像データがRGBの各色成分ごとに取得される。ここで取得された原稿画像の画像データ、より具体的に述べるとフラットベッドスキャナのCCDから出力される画素ごとのRGB信号を、以下においてRGB画像データという。
第2の方法は画像送受信部2において原稿画像データを受信する方法である。画像送受信部2は、例えばインターネットを介して接続された外部端末500から電子メール通信によって、原稿画像の画像データを取得する。ここで得られた画像データは例えばJPEG形式で圧縮されており、画像データの色表現はYcc色空間を持つカラー方式によるものである(以下においてYcc画像データという)。
次に、画像処理部3において、原稿画像データに対して色調整などの画像処理が施される。はじめに、RGB画像データが入力された場合の画像処理について説明する。画像処理部3にRGB画像データが入力されると、まずRGB画像データにシェーディング補正やγ補正などのRGB信号に対する所定の補正処理が施される。続いて、RGB画像データは、行列演算などによってRGB色空間による表現から所定の色空間による表現へと変換される。なお、所定の色空間とは例えば3次元空間において1つの無彩軸を有するLabやYccなどの色空間である。本実施形態においてはRGB画像データはLab色空間による表現に変換されるとする(以下においてLab画像データという)。
Ycc画像データが入力された場合の画像処理は以下におけるLab画像データに対する画像処理プロセスと同等である。なお、Ycc画像データもRGB画像データと同様にLab色空間による表現に変換してから以下の処理を行ってもよい。色空間の相互変換はアフィン変換などによって行うことができる。
Lab画像データには続いて、主に拡大縮小処理や色調整処理などの画像処理が施される。これらの画像処理は、ユーザによる操作部31からの画像調整指示に応じてなされるものである。例えば、紙媒体上に再現する再現画像を原稿画像に比べて大きく鮮やかにするように操作部31からの画像調整指示がある場合には、原稿画像の画像データに対して拡大、色調整等の画像処理が行われる。
なお本実施の形態においては、Lab画像データに対してはLab色空間を用いた色調整が、Ycc画像データに対してはYcc色空間を用いた色調整が、それぞれ可能であるとするが、先に述べたようにYcc画像データをLab色空間による表現に変換した上で色調整してもよい。
一方、情報処理部4においては、以下に詳述する方法で原稿画像データの色判定が行われる。本実施形態においては、情報処理部4は各種の色判定の中でも特にカラーモノクロ判定プログラムを備えている。すなわち、原稿画像データがモノクロ画像かカラー画像か、カラー画像の場合にはフルカラー画像、単色カラー画像及び2色カラー画像のいずれであるかの判定が行われ、判定結果は画像形成部5に出力される。
情報処理部4からのカラーモノクロ判定結果を受けた画像形成部5は、当該判定結果に応じた画像形成モードを起動させる。
本実施形態においては、画像形成部5は4通りの動作モードを有している。すなわち、
(1)モノクロ画像を形成するモノクロプリントモード、
(2)カラー画像でも特にフルカラー画像を形成するフルカラープリントモード、
(3)カラー画像でも特に単色カラー画像を形成する単色カラープリントモード、
(4)カラー画像でも特に2色カラー画像を形成する2色カラープリントモード、
の4通りである。なお、本実施形態においては、単色カラープリントモードP3及び2色カラープリントモードP4で選択可能なプリント色は、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、R(赤)、G(緑)、B(青)、の6色である。
画像形成部5においては、入力された画像処理後の原稿画像データは、3次元ルックアップテーブル及び補間演算を用いてC(シアン)・M(マゼンダ)・Y(イエロー)・K(墨)の各色成分のデジタル信号に変換される(以下においてCMYK画像データという)(ステップS5)。ここでは、入力される画像データは、Lab色空間によるLab画像データである場合とYcc色空間によるYcc画像データである場合とがあるので、各色空間に応じた3次元ルックアップテーブルをそれぞれ図示しないROM等に記憶させておく。
さらに、CMYK画像データに、ディザ法や誤差拡散法などを用いたCMYKそれぞれの色成分ごとの2値化処理が施される。
以上の処理を受けたCMYK画像データは、画像形成部5内のCMYKの画像形成エンジンへとそれぞれ出力され、指定された動作モード(プリントモード)によって紙媒体上にプリントされる。
以上が本実施の形態に係るカラー複合機100が原稿画像を紙媒体上に再現する動作の概略である。
<2.情報処理部4>
次に、情報処理部4について説明する。なお、本実施の形態においては情報処理部4はデジタルカラー複合機100に搭載されているが、他の各種の装置へ搭載することが可能であり、カラーモノクロ判定以外の種々の色判定に利用できる。
まず、図1を参照しながら情報処理部4の構成例を説明する。CPU10は所定のプログラムに従ってって情報処理部4を制御する。そのプログラムはROM20に格納されている。また、RAM30には画像データや計数値などが一時的に記憶される。また、後述する各種の機能を実現することが可能である個別回路群40を備える。
さらに、後述する平均化処理を行う平均部50、画像データへの各種の変換処理を行う変換処理部60、後述する単位データが後述する色相平面の部分領域のいずれに属するかを判定する領域判定部70、各部分領域に属する単位データの数を計数する計数部80、計数部80による計数結果を受けて入力された画像データの色判定をを行う色判定部90を備える。以上の各構成部分が互いにバスで接続され、情報処理部4を構成している。以上が、情報処理部4の構成例である。
次に、情報処理部4の処理動作を図2のフローチャートに基づいて説明する。はじめに、画像処理部3より各種の画像処理を施されたLab画像データもしくはYcc画像データ(以下単に画像データD1という)が読み込まれる(S1)。読み込まれた画像データD1は一旦RAM30に記憶される。
ここで入力される画像データD1は本実施の形態においてはLabもしくはYccのいずれかの3次元色空間によるものであるが、無彩軸を有する各種の3次元色空間によるデータであればよい。例えばXYZ、YIQ、Luvなどの3次元色空間による画像データを扱うことも可能である。
なお、3次元色空間において無彩軸の成分(Lab色空間における明度成分及びYcc色空間における輝度成分)を除く2成分(Lab色空間における色度成分及びYcc色空間における色差成分)、すなわち色相に関連する2つのパラメータを、この明細書では一般に「色相パラメータ」と、さらに、色相パラメータで規定される2次元色平面を以下において色相平面という。
次に、ステップS1で読み込まれた画像データD1の種類に基づいて、当該画像データD1に平均化処理を施す必要があるか否かが判断される(ステップS2)。この平均化処理指示は、画像データの解像度などを基準として自動的に生成されるようにROM20内にプログラムされていてもよく、ユーザが操作部31から操作入力することによって指示するものであってもよい。
平均化処理指示のある種類の画像データD1の場合、平均化処理が平均部50において施される(ステップS3)。
なお、この平均化処理は必ずしも全ての種類の画像データD1に対して施す必要はない。入力された画像データD1に平均化処理を施す必要がないと判断された場合(ステップS2)は、平均化処理を行わずにステップS4に進む。
ここで、具体的な平均化処理動作について説明する。この平均化処理とは、画素ごとの色情報を有する画像データD1から、画素集合ごとの色情報を有する粗画像データD2を得るものである。
具体的には、まず画像データD1を構成する画素データを、互いに隣接する複数画素からなる画素ブロック(例えば、縦横それぞれが8画素からなるマトリクス配置された画素クラスター(図3参照))ごとに区分し、各ブロック内に含まれる全画素(8×8=64個の画素)からなる画素集合を規定する。ただし、画像データD1を構成する全画素データではなく、画像中の特定領域であるサンプリング領域内の画素データについてのみ画素集合を規定してもよい。
なお、画素ブロックは上記の例に限られるものではなく、ブロックの形状や構成画素数は任意に規定することができる。特に、ブロックの大きさは、処理する画像(読み取って得た画像または出力する画像)の解像度に応じて変化させるのが好ましい。さらに、画像全体における相対位置によって画素ブロックの形状や大きさを変化させてもよい。
次に、各画素集合において、当該画素集合を構成する画素のデータ値が各成分(Lab画像データの場合であれば、L成分、a成分及びb成分)ごとに平均される。この平均された各成分値が当該画素集合のデータ値となる。つまり、画像データに規定された全ての画素集合のデータ値が、画素集合に相当する単位領域の色を表現する単位データとして得られることになる。
以上が平均部50による平均化処理(ステップS3)である。なお以下において、この画素集合の単位データ値の全体からなるデータを粗画像データDaという。また、このような平均化処理を行わない場合には、個々の画素が単位領域となり、個々の画素の色データが単位データとなる。
目視によって認識される色は、画素という微少単位で認識される色とは異なる場合がある。平均化処理によって得られる粗画像データDaは、平均化処理前の画像データD1に比べて画像が目視されたときに感じられる色特性に近い色表現となっている。従って、粗画像データを用いた色判定を行った場合、より目視感覚に近い色判定を行うことが可能となる。
再び図2のフローチャートに戻って説明を続ける。なお、以下においてステップS2からステップS3を経てステップS4に進んだ画像データ(すなわち、平均化処理を施された粗画像データDa)及び、ステップS2からステップS3を経ずにステップS4に進んだ画像データ(すなわち、平均化処理を施されていない画像データD1)を総称して変換対象画像データD2という。
次に、変換対象画像データD2の種類に応じた変換処理が、変換処理部60において施される(ステップS4)。
ここで、入力される変換対象画像データD2の種類に応じた各種の変換処理の手順は予めROM20に記憶されている。複数種類の変換対象画像データD2が入力されうる場合は、複数種類の変換処理が記憶される。
変換対象画像データD2の構成要素である単位データ(すなわち、平均化処理を施されていない画像データD1における画素データ、粗画像データDaにおける画素集合データ)はLabもしくはYccによる3次元色空間の各軸から規定される3成分を有している。変換処理によって、このLabもしくはYccにおける色相平面(以下において変換処理を施される前の色相平面を色相平面H0という)は、各種の色相平面に変換される。なお、具体的な変換処理については後述する。
以下においては、変換などの処理を施された変換対象画像データD2を判定対象画像データD3という。なお、いずれの変換処理も行われない場合もあるが、そのときには判定対象画像データD3は変換対象画像データD2そのものとなる。
なお、平均化処理(ステップS3)と変換処理(ステップS4)とはいずれを先に行ってもかまわない。変換処理を先に行う場合、変換処理を受けた入力画像データD1に対して平均化処理が行われることになる。
続いて、領域判定部70において各単位データが部分領域のいずれに属するかが判定される(ステップS5)。
判定対象画像データD3における色相平面(例えば図4のH01)は、所定の色判定境界線によって色相や彩度に応じた複数の部分領域(例えば図4のmC、mM、・・・mR)に区分されている。なお、各種の変換処理から得られる色相平面のそれぞれに固有の色判定境界線(例えば図4のd01)が設定されており、予めROM20に記憶されている。なお、色判定境界線については以下に詳述する。
ステップS5では、領域判定部70において、単位データがこれら部分領域のいずれに属するかが判定される。なお、具体的な判定操作の処理工程は、色判定境界線に応じたものであり、以下に詳述する。全単位データへの所属部分領域のラベリングが終了すると、ステップS6に移る。
続いて、計数部80において、各部分領域に属する単位データの数が計数される(ステップS6)。なお、各部分領域ごとに所定の閾値を設けておき、属する単位データの数が所定数を超えるか否かを判定させる構成でもよい。
さらに続いて、色判定部90において、ステップS6で得られた計数結果から画像の色判定が行われる(ステップS7)。この色判定は各種の目的に応じたものであるが、例えばデジタルカラー複合機100においては、画像形成部5の有する各種画像形成モードの中から適切なモードを選択して起動させるという目的に応じて、カラーモノクロ判定が行われる。
なお、領域判定部70における区分判定と計数部80における計数は一つの動作として行うことも可能である。つまり、この場合、計数部80が各単位データが各部分領域のいずれに属するかを直接判定し、その判定結果から計数を行う構成となる。以上が情報処理部4の処理動作である。
<3.変換処理>
次に、変換処理(図2ステップS4)についてさらに説明する。この変換処理は、変換対象画像データD2の3次元色空間(LabもしくはYcc)の色相平面H0(2次元色平面)を各種の色相平面に変換するものである。そこでまず、このような変換処理の概要を、後に詳述する具体例中の図を適宜に参照して説明しておく。
この発明は、2次元色平面上において、座標軸に対する傾きが有理数となっている色判定境界線を使用することを特徴とする。従って、例えばLab色空間の色相平面(図7)において、座標軸に対する色相境界線d02の傾きが無理数であるときには、これらの色相境界線d02に最も近く、かつ座標軸に対する傾きが有理数となっているような色相境界線d3を予め設定し、色相境界線d02のかわりに用いる。
ここで、一方の座標軸(例えばLab色空間におけるa成分に相当する座標軸a3)に対して有理数「A/B」(Aは整数、Bは自然数)の傾きを持つ直線は、他方の座標軸(b成分に相当する座標軸b3)に対する傾きが「B/A」となり、これもまた有理数であるから、いずれの座標軸に対して傾きを有理化しても、結果として双方の座標軸に対して有理化していることになる。
一方、このように、色判定境界線を少しずらせて有理化を行うだけでなく、色判定をさらに容易にするために、座標軸に対する傾きが有理数となるという条件を守りつつ色判定境界線を新たな位置に変化させ、その変化に応じた変換を画像データに施して、これらを相互に比較することができる。比較基準となる色判定境界線と比較対象となる画像データ(この実施形態では単位データ)とに変換を行って相互に比較するということは、数学的には(つまり数式上は)そのような変化を与える前と等価な比較であっても、「数値」上からは異なった効果を与える。
すなわち、比較処理において基準となる数が無理数である場合と、有理数である場合とでは、デジタル処理上、前者は桁数が多く計算が複雑になる上に誤差を含みやすいが、後者は簡単な計算ですみ、誤差も小さい。
そこで、以下では、このような処理態様つまり色判定境界線の傾きを有理数にする処理態様(以下「有理化変換」)を施すことによって、判定における計算量を減少させる種々の処理態様について順次に説明する。
ここでの変換処理は、例えばアフィン変換によってなされる。周知のようにアフィン変換は、平行移動、回転、拡大縮小(スケール変換)、鏡映、シアーなどの座標変換を含む斉次または非斉次の1次変換として定義される。
この発明の実施形態においては、各変換対象画像データD2に応じた各種の変換処理が設定される。ここで、各変換処理は次の3つの変換処理要素、すなわち「回転」「拡大縮小」及び「平行移動」の組み合わせによって主に構成されている。そこで、特定の変換対象画像データD2に応じた具体的な変換処理を説明する前にこれら3つの変換処理要素について個別に説明する。
<3−0.色判定境界線d0の設定>
まず、3つの変換処理要素を説明する前に、変換前の色相平面H0における色判定境界線d0について説明する。色判定境界線は色相平面を所定の部分領域に区分するものであり、その境界が有彩色面の境界であるのか、それとも有彩色と無彩色との境界であるかによって色相境界線と彩度境界線に大別される。
<色相境界線の設定>
図4及び図5は、変換処理前の色相平面H0を示す図である。図4はYcc色空間における色相平面H01を、図5はLab色空間における色相平面H02を、それぞれ示している。図4の色相平面H01上にある点M(Mr,Mb)の色相H(M)は、例えば、
Figure 0004241643
と表すことができる。このような色相平面H0の一般的性質に従ってって、色相平面を各色相に応じた複数の部分領域に分割して区分することができる。
例えば本実施の形態のようにデジタルカラー複合機100に搭載された情報処理部4の場合、画像形成部5のプリントモードで選択可能なプリント色に応じた色判定が必要となるので、色相境界線としての色判定境界線は各プリント色に相当する部分領域を規定するものとなる。図4及び図5には、C(シアン)、B(青)、M(マゼンダ)、R(赤)、Y(イエロー)、G(緑)の6つの色相に対応する部分領域mC、mB、mM、mR、mY、mGに区分された色相平面H0の一例が示されている。以下では、彩度境界線から規定される部分領域のうち原点に近い側の領域(例えば図16のmK)を無彩部分領域mKといい、無彩部分領域mK以外の領域、すなわち有彩領域において、色相境界線から規定される部分領域(例えば図4のmC〜mG)を「色相部分領域」と総称する。色相領域は、有彩色における色相の違いを判定する基礎となる部分領域である。なお、実際の色判定境界線d0の位置は各トナーの色味などから個別的に規定される。図4及び図5には、色相平面に定めた代表点C、B、M、R、Y、Gの座標位置が当該色相部分領域の中心となるように色相境界線を規定している。
他にも、例えば、情報処理部4において、一般に「赤」と認識される色相部分領域の中でも特定の「青みのある赤」の色を識別したい場合は、識別したい「青みのある赤」の領域を規定する色相境界線が色相平面H01上に設定される。
<彩度境界線の設定>
図16は、変換処理前のLab色空間における色相平面H0を示す図である。色相平面H03上にある点T(Ta,Tb)の彩度C(T)は、例えば、
Figure 0004241643
と表すことができる。つまり、原点に近いほど彩度は低くなる。このような色相平面の一般的性質に従ってって、色相平面に彩度境界線を設定することができる。彩度境界線からは無彩部分領域mKが規定される。
例えば本実施の形態のようにデジタルカラー複合機100に搭載された情報処理部4の場合、無彩部分領域mKを規定する彩度境界線は、データが無彩色(白または黒)か有彩色(カラー)かを判定する際の閾値wに相応するものとなる。図16には、色相平面H03における彩度境界線d03の一例が示されている。なお、実際の彩度境界線の位置は各装置態様から個別的に規定される。
<3−1.第1の変換処理要素>
第1の変換処理要素は回転変換である。2次元平面に対する回転変換は一般に、
Figure 0004241643
と表すことができる。ここでパラメータθは回転させる角度であり色判定境界線の位置に応じて設定される。
色判定境界線が色相平面において原点を通る直線である場合、色相平面に回転変換を施すことによって、任意の傾きの色判定境界線を得ることができる。
<3−2.第2の変換処理要素>
第2の変換処理要素は拡大縮小変換(スケーリング)である。2次元平面に対する拡大縮小変換は一般に、
Figure 0004241643
と表すことができる。ここでパラメータKx,Kyは拡大縮小の係数であり色判定境界線の位置に応じて設定される。
色判定境界線が色相平面において原点を通る直線である場合、色相平面に異方的な拡大縮小変換(異方的スケーリング)を施すことによって、任意の傾きの色判定境界線を得ることができる。
例えば複数の色判定境界線のうちの一部がすでにいずれかの座標軸と一致している場合(図13参照)、異方的なスケーリング変換を用いることによって複数の色判定境界線の一部をひとつの座標軸と一致させたまま、各座標軸に対する残りの色判定境界線のそれぞれの傾きを変えることができる。
<3−3.第3の変換処理要素>
第3の変換処理要素は平行移動変換である。2次元平面に対する平行移動変換は一般に、
Figure 0004241643
と表すことができる。ここでパラメータp、qは平行移動の定数であり色判定境界線の位置に応じて設定される。
このような平行移動を用いる場合のメリットについては後述する。
<4.領域判定の個別的処理態様>
次に、上記に説明した3つの変換処理要素を組み合わせた各種の変換処理が施された色相平面及び当該色相平面における領域判定処理について個別的に説明する。
ところで、変換処理を行う目的は2つに大別される。第1の目的は、判定における計算量を減らすことができる色判定境界線を得ることであり、第2の目的は、3次元色空間の種類や、各装置態様に依存する誤差等から由来する判定処理の煩雑さを解消することである。
第1の目的に対応した各種の処理態様は、
(1) 基準となる色判定境界線にアフィン変換を施すことにより色相平面(2次元色平面)の座標軸に対する傾きを有理化した新たな色判定境界線を予め準備して用いる一方で、判定対象となる画像データ(この実施形態では単位データ)については変換を施さないで色相平面上の位置を判定するタイプの方式(以下「境界調整方式」)と、
(2) 基準となる色判定境界線にアフィン変換を施すことにより色相平面の座標軸に対する傾きを有理化した新たな色判定境界線を用いるとともに、判定対象となる画像データについても同じアフィン変換を施すタイプの方式(以下「双方調整方式」)と、
に大別される。
このうち、境界調整方式では、色相平面上における画像データの位置は変化しないことから、色判定境界線を変換したときに生じる変化分だけ、何の変換を行わない場合と比較して色判定の結果に誤差が出る場合がある。しかしながら、色判定境界線の傾きを有理化することにより得られる計算上の利点(後述する)が大きいことに比べて、傾きの有理化により生じる誤差は小さく、このような変換を行う意義は大きい。
この境界調整方式では、基準となる色判定境界線に対して予めアフィン変換を施したものを装置内に設定して記憶しておくが、画像データについては変換を行わずに領域判定処理に移る。従って、境界調整方式だけを用いる場合には図2のフローチャートにおけるステップS4は省略される。
これに対して、双方調整方式は、色判定境界線と画像データとの双方が同じ変換を受けるため、それらの相対位置関係は変換前とは変わらない。しかしながら、色相平面の座標軸と色判定境界線との位置関係が変わることにより、色相判定のための比較演算が特に容易になる(これも後述する)という特質を有する。
双方調整方式では、基準となる色判定境界線に対して予めアフィン変換を施して得た新たな色判定境界線を装置内に設定して記憶しておくほか、判定対象となる画像データについてもアフィン変換を行ってから、領域判定処理に移る。図2のフローチャートにおけるステップS4は、双方調整方式を含む場合に設けられる。
また、色相平面の座標軸に対する傾きを有理化するこのような変換(以下「有理化変換」)をさらに有効に適用するために、以下のような予備的処理態様の一方または双方を、必要に応じて有理化変換の前に、または有理化変換と組み合わせて一体的に行うことができる。これらの予備的処理態様は、上記の第2の目的に対応している。
(1) 「入出力環境誤差補正」…画像入力装置や画像形成装置など装置環境に依存した誤差などを補償するための画像データの変換。
(2) 「色空間補償」…一般に、判定対象となる画像データが表現されている色空間の種類によって色判定境界線の方向などが相違するが、これを補償して色判定境界線を統一的に扱うために、特定の基準色空間(以下の例ではLab色空間)を定め、それ以外の色空間で表現された画像データを基準色空間に換算する変換。
これらはいずれも、画像データを変換するだけであり、色判定境界線の変換を必須としないから、上記の2つの大分類とは別の「画像データ調整方式」と呼ぶことができる。この場合もまた、画像データの変換は、図2のフローチャートにおけるステップS4で実行される。
後述する諸例で示されているように、境界調整方式、双方調整方式及び画像データ調整方式のうちの2つ以上を順次に行い、あるいはそれら2つ以上を組合せて一括して行う態様もある。この場合には、それら全体として双方調整方式に属することになる。
以下では、処理態様の各種の例と、それらに対応する色判定処理について列挙して説明するが、その例が多数になっているため、それらの違いを項目として予め列挙しておくと、以下のようなものとなっている。
なお、以下では「色相平面の座標軸に対する色判定境界線の傾き」を、「色判定境界線の傾き」または単に「傾き」と略称する。
1) 処理態様1…予備的変換(「入出力環境誤差補正」:画像データ調整方式)
2) 処理態様2…予備的変換(「色空間補償」:画像データ調整方式)
3) 処理態様3…基本的な有理化(「傾きの単純有理化」:境界調整方式)
4) 処理態様4…一部の色判定境界線を座標軸へと一致させる有理化(「単純座標軸一致化」:境界調整方式)
5) 処理態様5…全体の色判定境界線を回転させて、一部の色判定境界線を座標軸へと一致させる有理化(「回転座標軸一致化」:双方調整方式)
6) 処理態様6…基本的な有理化に加えて、原点を通る色判定境界線の対を一直線化する有理化(「有理一直線化」:境界調整方式);
7) 処理態様7…処理態様6(一直線化)と処理態様4(単純座標軸一致化)との組合せ(境界調整方式)
8) 処理態様8…処理態様6(一直線化)の後に処理態様5(回転座標軸一致化)を行う態様(双方調整方式)
9) 処理態様9…処理態様5(回転座標軸一致化)の後に処理態様6(一直線化)を行う態様(双方調整方式)
10) 処理態様10…処理態様6(一直線化)、処理態様5(回転座標軸一致化)、及び異方的スケーリングを行う有理化(双方調整方式)
11)処理態様10K…無彩色領域の色判定境界線の有理化(境界調整方式)
12)処理態様11…無彩色領域の色判定境界線の平行移動を伴う有理化(双方調整方式)
13)処理態様11K…カラーモノクロ判定と色相判定とを行うための色判定境界線の有理化(双方調整方式)
以下、これらについて説明するが、そこでは下記のように略記する。
・基準となる所定の色判定境界線…「色判定基準境界線」
・所定の基準色空間に対応する色相平面…「基準色相面」
・Ycc色空間に対応する色相平面…「Ycc色相平面」
・Lab色空間に対応する色相平面…「Lab色相平面」
・Ycc色空間で表現された画像データ…「Ycc画像データ」
・Lab色空間で表現された画像データ…「Lab画像データ」
<処理態様1>
画像入力装置としてのスキャナや、画像形成装置としてのプリンタの特性によって、Ycc色空間(図4)やLab色空間(図5)における各種のずれが生じる場合がある。例えば、スキャナ特性によって、Lab色空間へのマッピングにおいてa軸方向に対して微少量のずれ(誤差)が生じる場合がその例である。このような誤差を補償するために、第3の変換処理要素(平行移動)を用いることによって、色相平面上での変換を行うのがこの処理態様1である。この平行移動変換における平行移動パラメータp、qは、基準となる所定の画像入力装置や画像形成装置の特性に合わせるように、実際に使用するスキャナやプリンタの特性に応じて設定される。
この処理態様1は予備的変換のひとつであって「入出力環境誤差補正」に相当し、画像データ調整方式に属する。従って、この処理態様1によって色判定境界線は画像データに対して相対的には変化することになる。
以下の諸例における入力画像データは、この処理態様1を行った後のものも含まれる。
<処理態様2>
複数種の色空間のうちのいずれの色空間で画像データが表現されている場合においても共通の色判定ルーチンを適用できるようにするために、当該画像データが表現されている色空間での色判定境界線を、基準色相面上での色判定境界線へと変換する処理が、この処理態様2である。
ここで、Lab色相平面が基準色相平面として予め設定されている場合を考える。そして、画像データが図4のYcc色相平面H01で表現されており、このYcc色相平面H01が6本の色相境界線d01によって、C、B、M、R、Y、Gの各6つの色相部分領域mC〜mGに区分されているとする。このときには、この色相平面H01に「処理態様2」を施すことにより、色相平面H2(図6)を得る。
この「処理態様2」は、鏡映変換と第1の変換処理要素(回転)から構成される。より具体的に述べると、cr軸に対する鏡映変換とθ=35度の回転変換の合成変換であり、次の変換式で表すことができる。
Figure 0004241643
ここで図6に示されるYcc色相平面H2における色判定境界線d2は、図5に示されているLab色相平面H02の色判定境界線d02とほぼ同位置となる。つまり、Ycc画像データに処理態様2を施すことによってLab画像データと共通の色判定を行うことが可能となる。
この処理態様2は予備的変換のひとつであって「色空間補償」のための変換に相当し、画像データ調整方式に属する。
以下の諸例では、入力された画像データがLab画像データである場合のほか、入力されたYcc画像データをこの処理態様2によって等価的にLab画像データに変換したものである場合も含まれる。
<処理態様3>
処理態様3は、最も基本的な有理化変換であり、傾きが無理数となっている色判定境界線を、その傾きに最も近い有理数の傾きを持つ色判定境界線へと変更する処理である。
例えば、図5のLab色相平面H02は、6本の色判定基準境界線d02によってC、B、M、R、Y、Gの各6つの色相部分領域mC〜mGに区分されているが、それらの傾きが無理数であった場合、各色判定基準境界線d02のそれぞれにつき、その無理数の傾きに最も近い有理数の傾きを持つような色判定境界線d3(図7)へと、各色判定基準境界線d02を変換する。図7では6本の色判定基準境界線d02の傾きが全て無理数であるとして、それら全てを、有理数の傾きを持つ色判定境界線d3へ変換しているが、一部の色判定基準境界線d02だけが無理数の傾きを持つときには、その色判定基準境界線d02だけを有理化すればよい。なお、図7におけるa3軸は図5のa軸と同一であり、b3軸は図5のb軸と同一である。
この変換後の傾きは、変換前の傾きの値との差が最小である有理数が好ましいが、そのような有理数の桁数が多いときには、分子分母のそれぞれが所定の桁数以下となっている既約分数のうちで、当該無理数との差が最も小さいものを選ぶこともできる。変換の前後における色判定境界線の位置の変化量は微少なものであり、この有理化による誤差は小さい。また、判定対象画像データ(より具体的には単位データ)は無理数のデータ成分値は取り得ないので、処理態様3によって色判定の精度が落ちることはない。
この処理態様3は、色判定境界線の変換だけを行うものであるため、境界調整方式に属する。従って、処理態様3だけを行う場合には、画像データの変換は不要である。
<判定処理3>
次に、処理態様3を施された判定対象画像データD3の単位データが、色相平面H3における部分領域のいずれに属するかを判定する処理(判定処理3)について説明する(図2のステップS6)。
処理態様3を施された判定対象画像データD3の判定処理動作3は図19のフローチャートに示されている。ただし、判定対象の単位データは色相平面H3において、座標(x,y)で表されるとする。
はじめに、x及びyの符号から、単位データが色相平面H3の4つの象限のうちのいずれに属するかが判断される(ステップS11〜S12)。
単位データが第1象限にあると判断された場合、続いて、色相部分領域mY、mR、mMのいずれに属するかが判断される。例えば、色相部分領域mYとmRとの領域境界にある色判定境界線d3の傾きを(Ayr/Byr)とすると、
Figure 0004241643
の場合、単位データが色相部分領域mYに属すると判断される(ステップS13−1)。
また、単位データが色相部分領域mYに属さないと判断された場合、さらに色相部分領域mRとmMとの領域境界にある色判定境界線d3の傾きを(Arm/Brm)とすると、
Figure 0004241643
の場合には単位データが色相部分領域mRに属すると判断されるが、色相部分領域mRに属さないと判断された場合は、色相部分領域mMに属すると判断される(ステップS14−1)。
単位データが第1象限以外の象限にあると判断された場合も、同様の処理によって単位データの属する色相部分領域が判定される。なお、例えば第2象限においては、色相部分領域mM及びmBのいずれに属するかのみを判断すればよい(ステップS13−2)。
以上のステップS11〜S14が全ての単位データに対して終了すると、領域判定処理が終了する。
6本の色判定境界線d3には傾きが無理数の部分がない。つまり、領域判定のステップS13、14におけるA及びBは整数となる。従って、無理数の部分を含む色判定基準境界線d02をそのまま用いた場合に比べて、領域判定(色判定)における計算量を減らすことができる。
処理態様3は境界調整方式であり、色判定基準境界線を予め有理数の傾きを持つ色判定境界線へと変換しておき、それの傾きの値を図1のROM20あるいはRAM30に記憶させておくことによって達成される。
従って、この処理態様3を単独で行う場合には、画像データ(単位データ)についての変換を伴うものではない。
この処理態様3は、色相平面の全体回転などを伴わずに実行可能であることから、「傾きの単純有理化」と呼ぶこともできる。
<処理態様4>
処理態様4は、一部の色判定境界線を座標軸へと一致させるような有理化変換であり、「単純座標軸一致化」と呼ぶことができる。「単純」と呼ぶのは、後述する「回転座標軸一致化」と区別するためである。
上記の処理態様3すなわち「傾きの単純有理化」を行った場合の図7の6本の色判定境界線d3はいずれも座標軸と一致していないため、有理数に相当する傾きの値を設定して領域判定を行う必要がある。これに対して、6本の色判定境界線のうちの一部を座標軸に一致させれば、それを領域境界とするような領域判定では、画像データ(単位データ)の正負の符号だけで、その色判定境界線のいずれの側に当該画像データがあるかを判定できることになる。
処理態様4はこの観点から構成された変換であり、図8の例では、色判定境界線群d3のうちの一部(図示例では1本)を座標軸(たとばa軸)に一致させるように変換を行って色判定境界線d4を得る。なお、図8におけるa4軸は図5のa軸と同一であり、b4軸は図5のb軸と同一である。
この処理態様4は特定の色判定境界線を変換して設定しておくだけであるから境界調整方式に属しており、この処理態様4だけを行う場合には画像データの変換は不要である。
ここで、色判定境界線d4の位置は次の方法で規定される。まず、変換前の色判定境界線のうち色相平面H4の座標軸(どちらの座標軸でもよい)に最も近いものがいずれかを判断する。傾きが座標軸に最も近い色判定境界線以外の色判定境界線の位置及び方向はそのまま保存される。一方、傾きが座標軸に最も近い色判定境界線は、その最も近い座標軸に一致するように変換される。
なお、座標軸と一致させる色判定境界線の選択方法は上記のものに限らない。例えば、所定の一方の座標軸に最も近い色判定境界線を当該一方の座標軸と一致させてもよい。
また、上記においては、傾きが座標軸に最も近いひとつの色判定境界線のみを当該座標軸に一致させているが、さらに、傾きが座標軸に2番目に近い色判定境界線もその座標軸に一致させてもよい。つまり、座標軸に一致させる色判定境界線は複数あってもかまわない。
この明細書では、色相平面上で規定された直交する2本の座標軸のうち少なくとも1本についての傾きが有理数であれば、その色判定境界線の傾きは有理数であるとみなす。従って、例えば後述する図7のLab色空間のb軸に色判定境界線を一致させたとき、a軸から見ると傾きは無限大であるために有理数と無理数との区別が曖昧になるが、b軸に対する傾きは「0」(有理数)であるため、そのような色判定境界線も、有理数の傾きを持つものとして扱う。このため、この処理態様4も、この発明の特徴である有理化変換の条件を満足している。
<判定処理4>
次に、色相平面H4における判定処理4について説明する。
処理態様4を施された判定対象画像データD3の判定処理動作4は図20のフローチャートに示されている。ただし、判定対象の単位データは色相平面H4において、座標(x,y)で表されるとする。
はじめに、x及びyの符号から、単位データが色相平面H4の4つの象限のうちのいずれに属するかが判断される(ステップS21〜S22)。単位データが第1象限にあると判断された場合、続いて、先の色相平面H3における判定動作と同様の方法で、色相部分領域mYとmRのどちらに属するかが判断される。
単位データが第1象限以外の象限にあると判断された場合も、同様の処理によって単位データの属する部分領域が判定される。
以上のステップS21〜S24が全ての単位データに対して終了すると、領域判定処理が終了する。
処理態様4を施された判定対象画像データD3の判定処理4(図19)と処理態様3を施される前の判定対象画像データD3の判定処理3(図18)とを比べると、判定処理4においては、色判定境界線d4に軸と一致した部分があるために、図18のステップS14−1に相当する判定動作を省くことが可能となっている。従って色判定境界線d4が軸と一致した部分を含まない場合に比べて領域判定における計算量を減らすことができる。
<処理態様5>
複数本の色判定境界線のうちの一部を座標軸に一致させる方法は、上記の処理態様4のように、座標軸一致の対象となる色判定境界線だけを移動させるほか、色判定境界線群の全体を色相平面上で回転させることによっても実現できる。つまり、アフィン変換のうちの第1の変換処理要素(回転)を利用する。
図9はそのような「回転座標軸一致化」を実現する処理態様5を例示しており、一例として回転前の色判定境界線群として図5の色判定基準境界線d02の群を示している。
ここで、色判定境界線d5の位置、つまり回転変換における回転角は次の方法で規定される。まず、変換前の色判定境界線d02の中から選択した1本の色判定境界線を、所定の一方の座標軸に一致させるために必要な角度が求められる。この角度が処理態様5における回転変換の回転角となる。当該1本の色判定境界線の選択は任意であるが、例えばa5軸に最も傾きが近い色判定境界線を選択すればよい。そして、その回転角度で全ての色判定境界線を回転させ、回転変換後の各色判定境界線を規定するパラメータをROM20あるいはRAM30内に記憶させて利用する。ただし、いずれかの座標軸に一致させた色判定境界線については色相平面上における画像データの符号判定によって実現できるから、傾きの値を保持する必要はない。
この処理態様5では、色判定境界線群を回転させた角度と同じ角度だけ、判定対象となる画像データも色彩平面上で回転させる。つまり、単位データごとに、この回転変換を行うわけであり、処理態様5は双方調整方式に属する。従って、図9におけるa5軸及びb5軸は、色相平面の回転前のa軸及びb軸に相当する方向を向いているが、回転後のa軸及びb軸の方向とは同一ではなく、色判定境界線群の回転角をθとすると、回転後にはa軸及びb軸からそれぞれ(−θ)だけずれた方向にある。
処理態様5においては、色判定境界線群を構成する各色判定境界線の相対角度は変化せず、また画像データ側も回転させて色判定境界線との相対位置も維持されるから、相対回転角度が大きくなっても色判定の精度を落とすことがない。従って、座標軸と一致させる色判定境界線はどれであってもかまわない。上記のように所定の座標軸に最も近い色判定境界線を当該座標軸と一致させる回転角を規定するほか、回転後の色判定境界線群の座標軸に対する対称性が最も高くなるように回転角を設定してもよい。
<判定処理5>
色相平面H5における判定処理5は判定処理4と同様である(図20参照)。
処理態様5を施された判定対象画像データD3の判定処理動作(図20)と処理態様3を施された判定対象画像データD3の判定処理動作(図29)とを比べると、先に述べたように、図19のステップS14−1に相当する判定動作を省くことが可能となっている。従って色判定境界線d4が軸と一致した部分を含まない場合に比べて、精度を落とすことなく、領域判定における計算量を減らすことができる。
<処理態様6>
図5の色相平面H02では、6本の色判定境界線d3のうち、2本ずつからなる色判定境界線の対が互いにほぼ反対側に伸びているように描かれているが、これらの対は正確に1本の直線となっているとは限らず、一般的には「折れ線」状態になっている。従って、対をなすそれぞれの色判定境界線の傾きは互いに異なっており、領域判定においても別々の傾きの値を扱う必要がある。そこで、処理態様6では、色判定境界線のそれぞれの対が一直線になるという条件を満足させつつ、各色判定境界線の傾きの有理化を行う。
図10は処理態様6における色相平面H6の例を示しており、処理態様6の変換を受けた後の色判定境界線d6(d6−1〜d6−3)に加えて、変換前の色判定基準境界線d02(d02−1〜d02−6)が比較のために点線で示されている。図10におけるa6軸は図5のa軸と同一であり、b6軸は図5のb軸と同一である。
色判定境界線d6の位置は次の方法で規定される。まず、変換前の6本の色判定基準境界線(正確には原点を端点とする半直線)d02を、それぞれの傾きの差が所定の近似差内である色判定境界線の対、すなわちそれらの傾きがほぼ同一と判断することができる色判定境界線の対(d02−1、d02−4),(d02−2、d02−5),(d02−3、d02−6)に分類する。そして、これら色判定境界線の対(d02−1、d02−4),(d02−2、d02−5),(d02−3、d02−6)につき、それぞれの対を構成する2本の色判定境界線の双方の傾きの平均値を傾きとするような新たな直線d06−1〜d06−3に変換する。ただし、当該平均値が無理数の場合、当該平均値との差が最小である有理数を傾きとして有する直線に変換される。
処理態様6は、色判定境界線の変換を行う処理であり、画像データの変換を必須としないため、境界調整方式に属する。処理態様6は、基本的な有理化に加えて、原点を通る色判定境界線の対を一直線化する有理化を伴うことから、この処理を「有理一直線化」と呼ぶことができる。
<判定処理6>
次に、色相平面H6における判定処理6について説明する。
処理態様6での処理を施された判定対象画像データD3の判定処理動作6は図21のフローチャートに示されている。ただし、判定対象の単位データは色相平面H6において、座標(x,y)で表されるとする。
はじめに、単位データが色相平面H3において色判定境界線d6−1についてどちらの側に属するか(ステップS31)、続いて、色判定境界線d6−2についてどちらの側に属するか(ステップS32)が順次判断される。以上から、色相部分領域mRもしくはmCのいずれにも属さないと判断された場合は、さらに色判定境界線d6−3についてどちらの側に属するか(ステップS33)が判断される。
以上のステップS31〜S33が全ての単位データに対して終了すると、領域判定処理が終了する。
なお、色判定境界線d6においては、傾きが無理数の部分がない。つまり、領域判定ステップS31〜S33におけるA及びBは整数となる。従って、色判定境界線に傾きが無理数の部分が含まれる場合に比べて領域判定における計算量を減らすことができる。また、3工程の判定動作によって領域判定を行うことができる。従って、色判定境界線が傾きが互いに異なる場合に比べて領域判定における計算量を減らすことができる。
<処理態様7>
この処理態様7は、処理態様6(一直線化)と処理態様4(単純座標軸一致化)とを組合せたものであり、境界調整方式に属する。
この処理態様7の例を示す図11の色相平面H7では、変換後の色判定境界線d7(d7−1〜d7−3)に加えて、処理態様6で得られる色判定境界線d6(d6−1〜d6−6)が比較のために点線で示されている。この図11では、「一直線化」によって得られる3本の色判定境界線d6のうちのひとつd6−1が、「単純座標軸一致化」によって色判定境界線d7−1に変換されている。「一直線化」及び「単純座標軸一致化」を行うための手順などは、それぞれ処理態様6及び処理態様4と同じである。
<判定処理7>
次に、色相平面H7における判定処理7について説明する。
処理態様7を施された判定対象画像データの判定処理動作7は図22のフローチャートに示されている。ただし、判定対象の単位データは色相平面H7において、座標(x,y)で表されるとする。
はじめに、x及びyの符号から、単位データが色相平面H7の4つの象限のうちのいずれに属するかが判断される(ステップS41〜S42)。単位データが第1象限にあると判断された場合、続いて、色相部分領域mYとmRのどちらに属するかについて判定される(ステップS43)。
単位データが第1象限以外の象限にあると判断された場合も、同様の処理によって単位データの属する色相部分領域が判定される。
以上のステップS41〜S43が全ての単位データに対して終了すると、領域判定処理が終了する。
処理態様7における判定対象画像データD3の判定処理7(図21)と、処理態様7の処理を施される前の判定対象画像データD3の判定処理6(図20)とを比べると、判定処理7においては、色判定境界線d7に軸と一致した部分があるために、図20のステップS31、32に相当する判定動作を符号判定で行うことが可能となっている。従って色判定境界線d7が軸と一致した部分を含まない場合に比べて領域判定における計算量を減らすことができる。
<処理態様8>
処理態様8は、処理態様6(一直線化)の後に処理態様5(回転座標軸一致化)を行う態様であり、双方調整方式に属する。従って、これを例示した図12における色相平面H8のa8軸及びb8軸は、色相平面の回転前のa軸及びb軸に相当する方向にあるが、回転後においては図5のa軸及びb軸からそれぞれ(−θ)だけずれた方向にある(θは色判定境界線群の回転角)。
1直線化後の色判定境界線d6−1〜d6−3と比較すれば、処理態様8後の3本の色判定境界線d8は全体としてθだけ回転した関係にあり、色判定境界線d8のうちの1本がb8軸に一致した状態となっている。
一直線化の手法及び回転角θの選定方法は、処理態様6及び処理態様5と同じである。双方向変換方式であるから、画像データもθだけ、元の色相平面上で回転を受けて、新たな色相平面H8上にマッピングされる。
<判定処理8>
色相平面H8における判定処理8は、判定処理7と同様である(図22参照)。
ただし、判定処理8では、判定処理動作における数式に現れる係数において以下の関係が成り立つ。
Figure 0004241643
処理態様8による処理を行った判定対象画像データD3の判定処理8(図22)と処理態様8による処理をを施される前の判定対象画像データD3の判定処理6(図21)とを比べると、判定処理8においては、色判定境界線d8に軸と一致した部分があるために、図20のステップS31、32に相当する判定動作を符号判定で行うことが可能となっている。また、ステップS43−1とS43−3、ステップS43−2とS43−4とを、それぞれ同じ数式で処理することができる。従って色判定境界線が軸と一致した部分を含まない場合に比べて、精度を落とすことなく、領域判定における計算量を減らすことができる。
<処理態様9>
処理態様9は、処理態様5(回転座標軸一致化)の後に処理態様6(一直線化)を行う態様であり、双方調整方式に属する。
既述した処理態様8では「一直線化」を行った後に「回転座標軸一致化」を行っているから、処理態様9は処理態様8における処理順序を逆にしたものに相当する。ただし、「回転座標軸一致化」によって座標軸の一方(図13の色相平面H9の例ではb9軸)に一致させた特定の色判定境界線については次の「一直線化」処理において不動とし、この特定の色判定境界線と対になっている他方の色判定境界線の傾きを、当該特定の色判定境界線の傾きと一致させる。
従って、「一直線化」の後には、元の2本の色判定境界線をまとめていずれかの座標軸(a9軸またはb9軸)上に配置させたもの(図13の例では色判定境界線d9−1)と、それ以外の2本の色判定境界線d9−2、d9−3とが得られることになる。
なお、ここでさらに、この2本の色判定境界線を、当該色判定境界線の双方の傾きの絶対値の平均値を、傾きの絶対値として有する新たな直線にそれぞれ変換してもよい。ただし、ここにおいて、傾きの絶対値は保存されるものとする。当該平均値が無理数の場合、当該平均値との差が最小である有理数を傾きとして有する直線に変換される。これによって、b10軸に関して互いに線対称となる色判定境界線d9−2、d9−3が得られる。
残余の事項は処理態様8と同様である。
<判定処理9>
色相平面H9における判定処理9は、判定処理7と同様である(図22参照)。
なお、色判定境界線d9−2、d9−3がb10軸に関して互いに線対称の場合には、判定処理動作における数式に現れる係数において以下の関係が成り立つ。
Figure 0004241643
この場合、処理態様9を施された判定対象画像データD3の判定処理9と処理態様9を施される前の判定対象画像データD3の判定処理8とを比べると、判定処理9においては、ステップS43−1とS43−3、ステップS43−2とS43−4とにおける各数式の係数の絶対値が等しい。従って色判定境界線が軸に対して対称ではない場合に比べて、領域判定における計算量を減らすことができる。
<処理態様10>
「一直線化」と「回転座標軸一致化」とを組み合わせた変換としては、
※処理態様8、すなわち「一直線化」の後に「回転座標軸一致化」を行う変換;
※処理態様9、すなわち「回転座標軸一致化」の後に「一直線化」を行う変換;
があるが、ここでの処理態様10は、このような組合せに対してさらに異方的スケーリング変換(軸方向によって異なる率で拡大あるいは縮小する処理態様)をも行って有理化する変換処理である。この処理態様10は双方調整方式に属する。
図14の座標軸a10、b10で規定される色相平面H10の例では、処理態様9によって得た色判定境界線d9−1〜d9−3が参考のため点線で示されているが、処理態様10では、b10軸方向の成分とa10軸方向との一方を拡大あるいは縮小変換させるような異方性スケーリングを行うことによって、色判定境界線d9−2,d9−3がa10軸方向とb10軸方向とを2分する方向(45度方向)に変換され、それぞれ色判定境界線d10−2、d10−3になっている。
ここで、色判定境界線d10−2、d10−3が伸びる方向を規定するパラメータとしての、異方性スケーリング変換における係数kは次の方法で規定される。まず、「回転座標軸一致化」と「一直線化」とを経た状態の色判定境界線d9−1〜d9−3において、座標軸に一致していない2本の色判定境界線d9−2、d9−3を特定する。
そして、一方の色判定境界線d9−2について、その傾きの絶対値が1となるように異方性スケーリングにおける拡大あるいは縮小変換の係数kが規定され、それによって色判定境界線d9−2が新たな色判定境界線d10−2となる。例えば、a軸(変換前においてa10軸に相当する座標軸)に対する傾きの絶対値が、規約分数表現で「A/B」(A,Bは互いに異なる整数)のように表されている色判定境界線d9−2の傾きの絶対値を1とするためには、スケーリング係数(拡大率)は次のように規定される。
Figure 0004241643
ただし、
kxは、a10軸(旧a軸)方向のスケーリング係数(拡大率);
kyは、b10軸(旧b軸)方向のスケーリング係数(拡大率);
であり、ここでのスケーリング係数kx,kyが「縮小率」とならないのは、「A/B」を規約分数としていることに起因して、A,Bのそれぞれは1以上の整数となっているためである。
他方の色判定境界線d9−3については、それがb軸に関して上記色判定境界線d9−2と線対称となっているときには、上記のようにして求めたスケーリング係数kx,kyをこの色判定境界線d9−3にも適用可能である。
換言すれば、一直線化された3本の色判定境界線のうちの1本が特定の座標軸に一致しており、残余の2本が当該特定の座標軸に一致していない場合において、それら2本が当該特定の座標軸に関して線対称でない場合には、それらを当該特定の座標軸に関して線対称とするようにする変換を行った後に、上記の異方性スケーリング変換を行うことによって、その2本の色判定境界線のそれぞれを、2本の座標軸の2等分方向に伸びる2直線とすることができる。
もっとも、異方性スケーリング変換によって1本の色判定境界線だけを、2本の座標軸の2等分方向に伸びる直線とした場合であっても、その1本を境界とする色領域については、後記のように色判定ルーチンを簡略化できる。
また、異方性スケーリングは「一直線化」や「回転座標軸一致化」を必須の前提とするものではなく、単独で実行することもできる。この場合は図14ほどには対称性が高くならないが、少なくとも1本の色判定境界線については2本の座標軸の2等分方向に伸びる直線とすることができる。
この処理態様10では、上記のようにして決定した異方性スケーリング係数を画像データにも適用することにより、画像データについても異方性スケーリングを行う。このため、処理態様10は双方調整方式に属する。
<判定処理10>
色相平面H10における判定処理10は、判定処理7と同様である(図22参照)。
ただし、判定処理10では、判定処理動作における数式に現れる係数において以下の関係が成り立つ。
Figure 0004241643
処理態様10を施された判定対象画像データD3の判定処理10と処理態様10を施される前の判定対象画像データD3の判定処理9とを比べると、判定処理10においては、ステップS43−1〜4とにおける各数式の係数の絶対値が1である。つまり、ステップS43を成分間の大小比較とすることができる。従って色判定境界線dの傾きの絶対値が1ではない場合に比べて、領域判定における計算量を減らすことができる。
<処理態様10K>
この処理態様10Kは、判定対象となる画像データが有彩色であるか無彩色(モノクロ)であるかというカラーモノクロ判定に利用されるものであり、無彩色領域を規定する彩度境界線を有理化する。処理態様10K自身は境界調整方式である。
図15の色相平面H10Kにおいて、色相境界線である色判定境界線d10hによって領域分けされた各色相部分領域には、カラー領域とモノクロ領域との境界を規定する彩度境界線である色判定境界線d10c(d10c−1〜d10c−6)が配置される。図15の例では、有彩色の色相判定のための色判定境界線d10hは処理態様10によって得られたものを示しているが、これは他の処理態様で得られたものであってもよく、色判定基準境界線であってもよい。彩度境界線d10c−1〜d10c−6で囲まれた領域(原点側の領域)が無彩部分領域mKとなる。
彩度境界線d10cは、各座標軸に平行な線分であり、それゆえにこれらの彩度境界線d10cは各座標軸に対して有理数の傾きを持つ。
各色相部分領域ごとに彩度境界線d10cを規定することによって、色相によって無彩部分領域mKの大きさを変えることができる。図15においては、色相領域mC〜mGのそれぞれに連続する無彩部分領域mKの大きさが互いに異なるような領域分けとなっている。
<判定処理10K>
次に、色相平面H10Kにおける判定処理10Kについて説明する。
ここでの判定処理動作10Kは図23のフローチャートに示されている。ただし、単位データは色相平面H10Kにおいて、座標(x,y)で表されるとする。
はじめに、単位データが色相部分領域mC〜mGのいずれに属するかが判定される(ステップS51)。なお、この判定動作は判定処理10によってなされる。
次に、各色相部分領域mC〜mGに応じて定められた彩度境界線d10cの位置に応じて、単位データが無彩部分領域mKに属するか否かが判断される。
ここでは彩度境界線d10cはいずれかの座標軸に平行である。そして、各彩度境界線d10cの構成部d10c−1〜d10c−6における原点との距離が、当該領域境界の閾値wC〜wGに相当する。従って、単位データがどの色相部分領域mC〜mGに対応する方向に存在するかに応じて、
(1) 単位データのa10K軸成分の大きさを、閾値wM,wGのうちのひとつの閾値と比較するか、あるいは、
(2) 単位データのb10K軸成分の大きさを、閾値wC,mB,mY,mRのうちのひとつと比較する、
ことにより、その成分(の絶対値)が比較基準となった閾値よりも小さい場合に、当該単位データは無彩部分領域mKに属すると判断される(ステップS52)。
以上のステップS51〜52が全ての単位データに対して終了すると、判定処理が終了する。
この処理態様10Kでは、彩度境界線d10cの各構成部は色相平面H10のいずれかの座標軸と平行であるため、領域判定を、単位データの2つの座標成分のうちの1成分と、所定の閾値との大小比較によって行うことができる。
また、後述する図17のように、全方位について一定の彩度値を閾値とする彩度境界線dcRを採用すると、このような彩度境界線dcRは円の方程式で記述されるため、領域判定においては2次関数などのべき乗演算を用いる必要が生じる。これに対して、色判定境界線d10cのように、彩度境界線を、有理数の傾きを持つ直線として、特に色相平面の座標軸と平行な直線とすることにより、色判定境界線dcRのような曲線や、無理数の傾きを持つ色判定境界線を用いる場合に比べて、領域判定の計算量を減らすことができる。
<処理態様11>
処理態様11は、無彩色領域の色判定境界線の平行移動を伴う有理化であり、双方調整方式に属する。
図16は、Lab画像データにおける色相平面H03を無彩部分領域mKを規定する色判定境界線d03を模式的に示す図である。なお、この色判定境界線d03は彩度境界線である。ここで無彩部分領域mKは原点を含む正方形であり、この正方形の幾何学的中心W03は原点からずれている。
色相平面H03に、処理態様11の処理を施して得られた色相平面H11が図17に示されている。図17には色相平面H11における色判定境界線d11に加え変換前の色判定境界線d03が比較のために点線で示されている。
変換処理11は、第3の変換処理要素すなわち平行移動から構成される。
ここで、色判定境界線d11の位置、つまり平行移動変換におけるパラメータp、qは、変換前の無彩部分領域mKの幾何学的中心W03が、変換後の色相平面H11の原点に一致するように規定する。
これに対応して、画像データ(単位データ)もパラメータp、qによる平行移動変換を受ける。このため、色判定境界線と画像データとの相対的位置関係は変わらないことになるが、色判定境界線の位置を規定する閾値wがそれぞれの座標軸の正負の方向からなる計4方向で共通となるため、カラーモノクロ判定が容易となる。
<判定処理11>
次に、色相平面H11における判定処理11について説明する。
処理態様11による平行移動変換を施された判定対象画像データD3の判定処理動作11は図24のフローチャートに示されている。ただし、判定対象の単位データは色相平面H11において、座標(x,y)で表されるとする。
はじめに、xの絶対値の大きさが所定の閾値wよりも大きいか否かが判断され(ステップS61)、続いてyの絶対値の大きさが所定の値wよりも大きいか否かが判断される(ステップS62)。
つまり、単位データのx、y成分の絶対値が所定の値wよりも共に小さい場合に、当該単位データは無彩部分領域mKに属すると判断される。
以上のステップS61〜S62が全ての単位データに対して終了すると、判定処理が終了する。
色判定境界線d11においては、色相平面の原点が無彩部分領域mKの中心、すなわち正方形の中心となっているため、2工程で判定処理を行うことができる。従って、無彩部分領域mKの中心が原点でない場合に比べて領域判定における領域判定の工程を減らすことができる。
また、彩度境界線である色判境界線d11を、所定の彩度値に対して設定すると、例えば図17における彩度境界線dcRのようになる。ところが、このような彩度境界線dcRを規定した場合、領域判定においてべき乗演算(xの2乗と、yの2乗との和を求める演算)を用いる必要が生じる。色判定境界線d11においては、幾何学的形状が正方形であるため、色判定境界線dcRの場合に比べて領域判定における領域判定の計算量を減らすことができる。
なお、無彩部分領域mKの幾何学的形状が長方形であるときには、閾値の数は一つ増えるが、べき乗演算などが不要であるという点において同様の効果を得ることができる。
<処理態様11K>
処理態様11Kは、カラーモノクロ判定と色相判定とを行うための色判定境界線の有理化の例である。
図18の例では、色相平面H11Kにおいて色相部分領域mC〜mGを規定する色相境界線d11h及び、無彩部分領域mKを規定する彩度境界線d11cからなる色判定境界線が規定されている。
このような色相平面H11Kは、例えば色相境界線については図14で例示した処理態様10を、また、彩度境界線については図17で例示した処理態様11とを組み合わせることによって実現できるが、他の組合せでもこれを実現可能であり、そのような組合せの種類に応じて境界調整方式または双方調整方式に属することになる。
<判定処理11K>
次に、色相平面H11Kにおける判定処理11Kについて説明する。
ここでの領域判定処理動作は判定処理11及び判定処理10の両方の処理を行うことによってなされる。はじめに、単位データが無彩部分領域mKに属するか否かが判定される(判定処理11)。ここで無彩部分領域mKに属さないと判定された単位データのみが引き続いて色相部分領域mC〜mGのいずれに属するかが判定される(判定処理10)。
以上の各工程が全ての単位データに対して終了すると、領域判定処理が終了する。
<5.カラーモノクロ判定>
次に領域判定部70における判定結果からカラーモノクロ判定を行う場合について説明する。ここでは、単位データが、色相境界線d10h及び彩度境界線d10c−1〜d10c−6からなる色判定境界線が規定された色相平面H10K(図15)もしくは色相境界線d11h及び彩度境界線d11cからなる色判定境界線が規定された色相平面H11K(図18)の部分領域のいずれに属するかが領域判定部70における判定処理10Kもしくは11Kによって判定されている。なお、ここでの部分領域とは無彩部分領域mK及び6つの色相部分領域mC〜mGの計7つの領域の総称である。
<5−1.判定動作>
領域判定部70において全ての単位データにおける判定処理が終了すると、計数部80によって各7つの部分領域のそれぞれに属する単位データの数が計数される。なお、以下において部分領域に属する単位データの数を当該部分領域における要素数nという。
ここで、計数部80によって各部分領域に属する単位データの数が計数されるが、無彩部分領域mKについては、属する全単位データのうちでも、特に無彩軸に対する成分が負のものだけを計数する。つまり、Lab色空間における明度成分もしくはYcc色空間における輝度成分の符号が負の単位データのみが計数される。これは、無彩部分領域mKに属する単位データのうちで、黒色のものだけを計数することを意味する(理由は後述)。ただし、ここでは、無彩軸に対する閾値を0として白色と黒色との判別を行っているが、任意の閾値を設けることが可能である。
各部分領域には各要素数nについての所定の閾値xが設定されている。この閾値xは全ての部分領域について等しい値としてもよいし、部分領域ごとに異なる値としてもよい。ただし、閾値xの設定レベルとして好ましい条件については後に詳述する。
計数部80は、色相部分領域mC〜mGにおける要素数nが、当該部分領域における閾値xを超える場合に、当該部分領域の識別情報を色判定部90に通知する。以下においてこの通知を出力信号1とする。
また、無彩部分領域mKにおける要素数nが、当該部分領域mKにおける閾値xを超える場合に、その旨を色判定部90に通知する。以下においてこの通知を出力信号2とする。
また、全ての単位データついて計数が終了した場合には、計数終了を色判定部90に通知する。以下においてこの通知を出力信号3とする。なお、計数部80は、色判定部90から計数中断命令を受けた場合には全単位データについて、もしくは全部分領域についての計数が終了していない場合にも計数処理を終了する。
次に、色判定部90における判定動作を図25のフローチャートに基づいて説明する。
まず、出力信号1の有無、すなわち要素数nが閾値xを超える部分領域があるか否かが判断される(ステップS71)。出力信号1がない場合は、さらに出力信号3の有無、すなわち全ての単位データについての計数が終了したか否かが判断される(ステップS72)。ここで、出力信号3がない場合、すなわち全ての単位データについての計数が終了していない場合は再びステップS71に戻る。
一方、出力信号3がある場合、すなわち全ての単位データについての計数が終了した場合は、判定対象画像データD3はモノクロ画像であると判断する(ステップS73)。つまり、計数対象である7つの部分領域のうち無彩部分領域mKを除いた6つの色相部分領域mC〜mGにおいて要素数nが閾値xを超える領域が一つもない場合にモノクロ画像と判定する。
ステップS71において出力信号1がある場合は、当該出力信号1の出力内容、すなわち閾値xを超える色相部分領域の識別情報をRAM30に記憶させる(ステップS74)。この色相部分領域情報を以下、第1部分領域と呼ぶ。
さらに、2回目の出力信号1の有無、すなわち第1部分領域以外で要素数nが閾値xを超える部分領域があるか否かがが判断される(ステップS75)。
2回目の出力信号1がない場合は、さらに出力信号3の有無が判断される(ステップS76)。ここで、出力信号3がない場合は再びステップS75に戻る。
一方、出力信号3がある場合は、さらに出力信号2の有無、すなわち無彩部分領域mKにおける要素数nが閾値xを超えているか否かが判断される(ステップS77)。
出力信号2がない場合、すなわち無彩部分領域mKにおける要素数nが閾値xを超えていない場合は、判定対象画像データD3は単色カラー画像であると判断する(ステップS78)。つまり、計数対象である7つの部分領域のうち第1部分領域のみにおいて要素数nが閾値xを超える場合に単色カラー画像と判定する。当該単色カラーの色相は第1部分領域に相当する色相である。
出力信号2がある場合、すなわち無彩部分領域mKにおける要素数nが閾値xを超えている場合は、判定対象画像データD3は2色カラー画像であると判断する(ステップS83)。つまり、計数対象である7つの部分領域のうち色相部分領域である第1部分領域及び無彩部分領域mKのいずれにおいても要素数nがそれぞれの(あるいは共通の)閾値xを超える場合に2色カラー画像と判定する。当該2色カラーの色相は第1部分領域相当する色相及び黒である。
既述したように、計数部80では、無彩色の単位データのうち黒色側にあるものだけをカウント対象とし、白色側の単位データはカウントの対象外としている。これは、1つの有彩色だけを用いた単色カラー画像においても白色成分が含まれるのが通例であるため、白色側の単位データをも無彩色としてカウントしてしまうと、そのようなカラー画像をモノクロ画像と誤認してしまう可能性があるためである。
ステップS75において2回目の出力信号1がある、すなわち第1部分領域以外で要素数nが閾値xを超える2つ目の部分領域がある場合は、当該部分領域の識別情報をRAM303に記憶させる(ステップS79)。この色相部分領域を以下、第2部分領域と呼ぶ。
続いて、3回目の出力信号1の有無、すなわち第1及び第2部分領域以外で要素数nが閾値xを超える部分領域があるか否かがが判断される(ステップS80)。
3回目の出力信号1がない場合は、さらに出力信号3の有無が判断される(ステップS81)。ここで、出力信号3がない場合は再びステップS80に戻る。
一方、出力信号3がある場合は、さらに出力信号2の有無、すなわち無彩部分領域mKにおける要素数nが閾値xを超えているか否かが判断される(ステップS82)。
出力信号2がない場合、すなわち無彩部分領域mKにおける要素数nが閾値xを超えていない場合は、判定対象画像データD3は2色カラー画像であると判断する(ステップS83)。つまり、計数対象である7つの部分領域のうち第1及び第2部分領域のみにおいて要素数nが閾値xを超える場合に2色カラー画像と判定する。当該2色カラーの色相は第1部分領域及び第2部分領域に相当する各色相である。
出力信号2がある場合、すなわち無彩部分領域mKにおける要素数nが閾値xを超えている場合は、判定対象画像データD3はフルカラー画像であると判断する(ステップS85)。つまり、計数対象である7つの部分領域のうち色相部分領域である第1部分領域、第2部分領域及び無彩部分領域mKにおいて要素数nが閾値xを超える場合にフルカラー画像と判定する。当該画像の実際の色相は第1部分領域、第2部分領域に相当する各色相及び黒であり、YMCの3原色全てを含まない場合もあるが、ここではそれもフルカラー画像とみなす扱いをする。
ステップS80において3回目の出力信号1がある場合は、計数部80に計数を中止させ(ステップS84)、判定対象画像データD3はフルカラー画像であると判断する(ステップS85)。つまり、計数対象である7つの部分領域のうち少なくとも3つの部分領域において要素数nが閾値xを超える場合にフルカラー画像と判定する。
<5−2.閾値x>
次に、閾値xの設定方法について説明する。この閾値xは各色が目視状態で認識されるレベルを余さず検出しながら、目視状態では認識されないがデータに表れる非可視レベルは検出しない範囲で設定されるものである。
例えば、モノクロ画像に1カ所だけ、幅が1ミリメートルで長さが2ミリメートルの赤い線分の箇所がある原稿画像を再現する場合、この赤い線分に由来する単位データの構成数Q1は原稿画像の解像度と単位データを構成する画素数から算出することができる。
従って、このような判定対象画像データD3においては、構成数Q1個の単位データが赤の色相部分領域に、残りの単位データは全て無彩部分領域mKに、それぞれ属している。
ところで、ユーザは一般にこのような画像を視覚的ないしは心理的にはモノクロ画像と判断すると考えられる。従って閾値xは構成数Q1以上に設定することが望ましい。つまり閾値xを構成数Q1以上に設定することによって、要素数nが構成数Q1に満たない部分領域はプリント色として認識されないことになる。
逆に、例えば、モノクロ画像に1カ所だけ、幅が1ミリメートルで長さが50ミリメートルの赤い線分の箇所がある原稿画像を再現する場合、この赤い線分に由来する単位データの構成数Q2もやはり原稿画像の解像度と単位データを構成する画素数から算出することができ、このような判定対象画像データD3においては、構成数Q2個の単位データが赤の色相部分領域に、残りの単位データは全て無彩部分領域mKに、それぞれ属している。
このような画像として例えばモノクロ表現された文書の署名欄に朱肉色の「赤」で押印されたものが想定されるが、ユーザは一般にこのような画像をカラー画像と判断すると考えられる。従って閾値xは構成数Q2以下に設定することが望ましい。
このように、単位データが目視状態でどれほどの大きさに相当するものであるかに基づいて閾値xを設定することで、ユーザ判断と相違しないカラーモノクロ判定を行うことができる。また、このように閾値xを設定することによって、例えばサイズの大きなモノクロ画像に赤で押印された場合、すなわち全画素中における赤色の画素の割合が小さい場合もカラー画像と判定することができる。
以上が、色判定部90においてカラーモノクロ判定を行う際の判定動作である。
例えば色判定部90のカラーモノクロ判定結果に基づいて画像形成部の動作モードを決定することができる。
<5−3.プリント動作>
ここで、画像形成部におけるプリント動作について簡単に説明する。
フルカラープリントモードにおいてはYMCKの4色のトナーを用いてプリントを行い、モノクロプリントモードにおいては、K(黒)のトナーだけを用いてプリントを行う。
単色カラープリントモードにおいて、その単色がY、M、Cのいずれかであればそれぞれ、Y、M、Cの1色のトナーだけを用いたプリントが実現される。2色カラープリントモードにおいても同様である。
一方、カラー複合機100が備えるトナーはY、M、C、Kだけであるため、単色カラープリントモードもしくは2色カラープリントモードにおけるその単色がB、G、Rのいずれかである場合には、Y、M、C、Kのうちのいずれか一つのトナーだけではB、G、Rのうちの1色を表現することはできない。そこで、このような場合は、2色分のカラートナー(すなわちB色プリントの場合は、MとC、G色プリントの場合はYとC、R色プリントの場合はYとM)を用いた2色混合プリントを行うことによって等価的に単色プリントを行うことができる。この場合、カラートナー(Y,M,C)のうちの2つは使用することになる。しかしながら、この場合はYMCの3色全部を使用するわけではなく、また2色のそれぞれの感光ドラムに与えるレーザ制御変調信号は同じものでよいし、プリントされた画像はあくまでB、G、Rのうちの1色として視認されるから、複数の色が空間的に分布したものとしてのフルカラープリントではない。従って、この場合も広義の単色プリントが実現されることになる。
もっとも、準備されている3色トナー(Y,M,C)の1つだけを用いるプリントを単色プリントとし、R、G、Bのいずれかの色の場合にはフルカラープリントモードでプリントしてもよい。カラーモノクロ判定の結果に応じて直ちにプリントを行う場合にはこのような態様が選択され得るが、カラーモノクロ判定の結果を画像データに付加して記憶または外部に伝送するような場合には、後にプリントを行う装置として、どのような組合せの着色剤を装備している装置を使用するかを特定できない。このような場合には、Y、M、CだけでなくR、G、Bをも加えた6色の中で単色の判定を行い、その判定結果情報を画像データファイルに付加しておいた方が汎用性は高まる。
また、インクジェットプリンタなどではY、M、C、K以外に特色(肌色や緑)のインキを備えるものがあり、これらの特色インキに相当する領域を色相面上で特定しておき、それに属する要素数を計数すれば、これらの特色インキだけを用いた単色プリントも可能となる。
本発明の実施形態の色判定装置の機能を備えるデジタルカラー複合機100の構成例を示す図である。 情報処理部4の処理動作を示すフローチャートである。 画素ブロックを示す図である。 Ycc色空間における色相平面H01を示す図である。 Lab色空間における色相平面H02を示す図である。 処理態様2に相当する色相平面H2を示す図である。 処理態様3に相当する色相平面H3を示す図である。 処理態様4に相当する色相平面H4を示す図である。 処理態様5に相当する色相平面H5を示す図である。 処理態様6に相当する色相平面H6を示す図である。 処理態様7に相当する色相平面H7を示す図である。 処理態様8に相当する色相平面H8を示す図である。 処理態様9に相当する色相平面H9を示す図である。 処理態様10に相当する色相平面H10を示す図である。 処理態様10Kに相当する色相平面H10Kを示す図である。 Lab色空間における色相平面H03を示す図である。 処理態様11に相当する色相平面H11を示す図である。 処理態様11Kに相当する色相平面H11Kを示す図である。 領域判定処理動作3を示すフローチャートである。 領域判定処理動作4を示すフローチャートである。 領域判定処理動作6を示すフローチャートである。 領域判定処理動作7を示すフローチャートである。 領域判定処理動作10Kを示すフローチャートである。 領域判定処理動作11を示すフローチャートである。 色判定部90の処理動作を示すフローチャートである。
符号の説明
50 平均部
60 変換処理部
70 領域判定部
80 計数部
90 色判定部
100 デジタルカラー複合機
di(i=01、02、・・) 色判定境界線
mC〜mG 色相部分領域
mK 無彩部分領域
D1 画像データ
D2 変換対象画像データ
D3 判定対象画像データ

Claims (14)

  1. 画像の色を自動判定する色判定装置であって、
    判定対象画像の各部の色を、無彩軸と色相平面を規定する2つの軸とを有する3次元色空間上の座標値で表現した画像データのそれぞれが、前記色相平面を複数の色判定境界線によって分割して得られた、前記判定対象画像の画像形成を実行する画像形成手段に使われる色材の色数により定められる数の複数の部分領域のいずれに属するかを判定する領域判定手段と、
    前記領域判定手段による領域判定結果の計数を行う計数手段と、
    前記計数手段による計数結果に基づいて前記判定対象画像の色を判定する色判定手段と、
    を備え、
    前記複数の色判定境界線のそれぞれが、前記色相平面を規定する座標軸に対して有理数の傾きを持つ直線により規定され、前記直線として、式「Ax=By(ただし、AおよびBは整数)」で表される直線を含み、
    前記領域判定手段が、前記複数の色判定境界線のそれぞれを規定する前記直線を表す等式の不等式により前記複数の部分領域のそれぞれを表現し、前記不等式と前記画像データの前記色相平面上の座標値とを用いて、当該画像データが前記複数の部分領域のいずれに属するかを判定することを特徴とする色判定装置。
  2. 請求項1に記載の色判定装置であって、
    前記色相平面上での回転を含んだ所定の変換を前記画像データに施す変換手段、
    をさらに備え、
    前記所定の変換を受けた後の画像データについて、前記複数の部分領域のいずれに属するかが判定されることを特徴とする色判定装置。
  3. 請求項2記載の色判定装置であって、
    前記所定の変換が、前記色相平面におけるアフィン変換であることを特徴とする色判定装置。
  4. 請求項2または3記載の色判定装置であって、
    前記所定の変換が、
    前記色相平面において、前記複数の色判定境界線の少なくとも1つを座標軸のいずれかと一致させる回転変換を含むことを特徴とする色判定装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれかに記載の色判定装置であって、
    前記判定対象画像の色が複数種類の3次元色空間のうちのいずれにおいて表現されているかに応じて、前記変換手段を選択的に能動化する選択的能動化手段、
    をさらに備え、
    前記判定対象画像が前記複数種類の3次元色空間のいずれにおいて表現されているかにかかわらず、前記複数の色判定境界線に基づく前記画像データの色判定を共通の比較基準に基づいて実行可能であることを特徴とする色判定装置。
  6. 請求項2ないし5のいずれかに記載の色判定装置であって、
    前記所定の変換が、前記色相平面における異方的スケーリングを含み、
    前記異方的スケーリングは、前記複数の色判定境界線の少なくとも1つについて前記座標軸に対する傾きの絶対値を1とする変換であることを特徴とする色判定装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の色判定装置であって、
    前記判定対象画像において互いに隣接する画素からなる画素集合において画素データを平均し、それによって前記画像データを得る平均化手段、
    をさらに備えることを特徴とする色判定装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の色判定装置であって、
    前記複数の部分領域が、無彩色に対応する無彩領域を含み、
    前記無彩領域内に前記色相平面の原点が含まれることを特徴とする色判定装置。
  9. 請求項8記載の色判定装置であって、
    前記色判定手段が、
    前記画像データのうち前記無彩領域に属するデータ数に基づいて、前記判定対象画像が、カラー画像かモノクロ画像かを判定するカラーモノクロ判定手段、
    を備えることを特徴とする色判定装置。
  10. 請求項9記載の色判定装置であって、
    前記計数手段が、
    前記無彩領域のうち黒色対応部分に属する各判定対象画像データの数を計数する無彩色計数手段と、
    前記複数の部分領域のうち複数の色相のそれぞれに対応する複数の色相領域について、各色相領域に属する各画像データの数を計数する有彩色計数手段と、
    を備え、
    前記カラーモノクロ判定手段が、
    前記無彩色計数手段と前記有彩色計数手段とのそれぞれにおける計数結果に基づいて、前記判定対象画像が、フルカラー画像、単色カラー画像及び2色カラー画像のいずれであるかを判定するカラー判定手段、
    を備えることを特徴とする色判定装置。
  11. 請求項2ないし10のいずれかに記載の色判定装置であって、
    前記所定の変換が、前記色相平面における平行移動変換を含むことを特徴とする色判定装置。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の色判定装置であって、
    前記複数の色判定境界線が、前記色相平面の座標軸と非平行な直線を含むことを特徴とする色判定装置。
  13. 画像の色を自動判定する色判定方法であって、
    判定対象画像の各部の色を、無彩軸と色相平面を規定する2つの軸とを有する3次元色空間上の座標値で表現した画像データのそれぞれが、前記色相平面を複数の色判定境界線によって分割して得られた、前記判定対象画像の画像形成を実行する画像形成手段に使われる色材の色数により定められる数の複数の部分領域のいずれに属するかを判定する領域判定工程と、
    前記領域判定工程における領域判定結果の計数を行う計数工程と、
    前記計数工程における計数結果に基づいて前記判定対象画像の色を判定する色判定工程と、
    を備え、
    前記複数の色判定境界線のそれぞれが、前記色相平面を規定する座標軸に対して有理数の傾きを持つ直線により規定され、前記直線として、式「Ax=By(ただし、AおよびBは整数)」で表される直線を含み、
    前記領域判定工程において、前記複数の色判定境界線のそれぞれを規定する前記直線を表す等式の不等式により前記複数の部分領域のそれぞれを表現し、前記不等式と前記画像データの前記色相平面上の座標値とを用いて、当該画像データが前記複数の部分領域のいずれに属するかを判定することを特徴とする色判定方法。
  14. 請求項13に記載の色判定方法であって、
    前記複数の色判定境界線が、前記色相平面の座標軸と非平行な直線を含むことを特徴とする色判定方法。
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