JP2015111801A - 画像処理装置及び画像処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像処理装置であって、第一の出力画像データと原稿画像データの位置を合わせる第一のパラメータを推定し、第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二のパラメータを推定する手段と、前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータ、及び、前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータを生成する手段と、第一の写像と、第二の写像を決定する手段と、前記原稿画像データの画素値を変換する手段と、を有することにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
(実施例1)
まず、
第一の画像出力機器の色再現特性をP1(x)、
第二の画像出力機器の色再現特性をP2(x)、
画像読取装置の色再現特性をS(x)、
と定義する。ここで"x"は色又は画素値である。種々の色空間の存在を考慮すると画素値=色とはならないが、同じ色空間内では画素値=色となるので、厳密には区別していない。例えばRGB色空間の場合、x=[R, G, B]tの3次元データである。また、例えばCMYK色空間の場合、x=[C, M, Y, K]tの4次元データである。
第一の色再現特性はS(P1(x))、
第二の色再現特性はS(P2(x))、
と表すことができる。
・第一の画像出力機器:プリンタ (「基準プリンタ」と呼ぶ)
・第二の画像出力機器:プリンタ (「ユーザプリンタ」と呼ぶ)
・画像読取装置:スキャナ
また、以降で使用する用語を以下のように定義する。
・基準プリンタ:第一の画像出力機器に対応し、色が合わせられる目標となるプリンタ
・ユーザプリンタ:第二の画像出力機器に対応し、基準プリンタ400に色を合わせたいプリンタ
・スキャナ:画像読取装置に対応
・原稿画像データ:プリンタが印刷物を出力する際に用いる画像データ
・基準印刷物:原稿画像データを基準プリンタ400で出力した、色合わせの目標とされる印刷物
・基準画像データ:基準印刷物を画像読取装置で読み取って得られる画像データ
・ユーザ印刷物:原稿画像データをユーザプリンタ200で出力した、基準印刷物に色を合わせたい印刷物
・ユーザ画像データ:ユーザ印刷物を画像読取装置で読み取って得られる画像データ
本実施形態では、基準印刷物とユーザ印刷物とを用い、ユーザプリンタ200に与える原稿画像データに色変換を行うことによって、基準印刷物の色と同等の色のユーザ印刷物が得られるようにする。
まず、基準プリンタ400とスキャナ300を併せた(基準プリンタだけの色再現特性を取り出すことは困難なため)基準色再現特性S(P1(x))を以下の手順で推定する。なお、基準色再現特性S(P1(x))は、第一の写像の一例である。
(1-1) 基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る
(1-2) 原稿画像データと基準画像データとの位置、傾き、大きさを合わせる
(1-3) 原稿画像データと基準画像データの対応する位置にある画素の画素値を色成分の組合せごとに対応付けて記憶する
(1-4) 画素値の対応付けデータから原稿画像データのある色が基準画像データのどの色に対応付くかを求める(このとき、複数の色成分値を基にした多次元のデータを用いて求める)
(2)第二の色再現特性の逆特性の推定
次に、ユーザプリンタ200とスキャナ300を併せた(ユーザプリンタだけの色再現特性の逆特性を取り出すことは困難なため)ユーザ色再現特性S(P2(x))の逆特性P2 -1(S-1(x))を以下の手順で推定する。なお、逆特性P2 -1(S-1(x))は、第二の写像の一例である。
ここで、S-1(x)は、画像読取装置で読み取った場合に画素値xとして読み取られる値(色)である。また、P2 -1(S-1(x))は、第二の画像出力機器で出力した場合に色S-1(x)として出力される画素値である。
(2-1) 原稿画像データをユーザプリンタ200で出力し、ユーザ印刷物を得る
(2-2) ユーザ印刷物をスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る
(2-3) 原稿画像データとユーザ画像データとの位置、傾き、大きさを合わせる
(2-4) 原稿画像データとユーザ画像データとの対応する位置にある画素の画素値を色成分の組合せごとに対応付けて記憶する
(2-5) 画素値の対応付けからユーザ画像データのある色が原稿画像データのどの色に対応付くかを求める(このとき、複数の色成分値を基にした多次元データを用いて求める)
(3)原稿画像データの色変換
最後に、推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて原稿画像データに色変換を施し、原稿画像データを更新する。
(3-1) 基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s=S(P1(a))を得る
(3-2) ユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b=P2 -1(S-1(s))を得る(すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))となる組合せ(a, b)を求める)
(3-3) 原稿画像データの色aをbに変換する
上記(1)〜(3)を行うと、ユーザプリンタ200が原稿画像データに色変換を施して印刷するユーザデータは、基準画像データとほぼ同じ色になる。1回だけではユーザ画像データが基準画像データとほぼ同じ色にならない場合、上記(1)〜(3)までの手順を、基準印刷物とユーザ印刷物との色の差が所定の範囲に収まるようになるまで繰り返し行ってもよい。その場合には、ユーザプリンタ200の色再現特性の逆特性を推定する際に用いる原稿画像データとして色変換後の原稿画像データを用いる。
例えばS(P1(a))=s=S(P2(a'))となる画素値の組合せ(a, a')と、S(P1(b))=s=S(P2(b'))となる画素値の組合せ(b, b')があったとする。このとき、原稿画像データの画素値aをa'に、bをb'に置き換える事で第一及び第二の画像出力機器間の色が合うことが期待される。ここで、各画素値a, a', b, b'を256階調のRGB空間で表すと、
a =(128, 74, 153)
a'=(138, 79, 159)
b =(128, 23, 24)
b'=(118, 19, 36)
であったとする。画素値aと画素値bの色成分の組合せは異なるが、R成分値は128と同じである。しかし、画素値aに対応するa'のR成分値は138(画素値aとbのR成分値よりも高い値)であるのに対して、画素値bに対応するb'のR成分値は118(画素値aとbのR成分値よりも低い値)である。
このような場合、色成分ごとに独立して処理してしまうと、画素値aとbのR成分値には同じ色変換を施すことになり、画素値a, b両方に最適な色変換を施すことができない。よって、第一及び第二の画像出力機器間の色合わせの精度が低下してします。
図2に示した画像処理システム600は、ネットワーク500を介して接続された、コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及び、スキャナ300を有する。ユーザプリンタ200の代わりにオフセット印刷機やグラビア印刷機などを用いてもよく、また、スキャナ300の代わりに分光測色器やカメラを用いてもよい。基準プリンタ400は、画像処理システム600のユーザ側に存在しないことを想定しているためネットワークに接続されていないが、接続されていてもよい。画像処理システム600のユーザは、基準プリンタ400が基準画像データを出力した基準印刷物をすでに取得しているか、取得することができる。
図3は、本実施形態に係る画像処理システムの一例のハードウェア構成図である。画像処理システム600は、画像入力部601、画像出力部602、画像記憶部603、画像解析部604、パラメータ記憶部605、及び、画像処理部606を有する。
図6は、画像処理システム600又はMFP700の機能ブロック図の一例である。画像処理システム600又はMFP700は、画像読み取り部301、幾何学変換パラメータ推定部302、画素値対応付け部303、色再現特性推定部304、及び、色変換部305、を有する。
次に、本実施形態に係る画像処理システムの処理の詳細について説明する。
図7は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図7では、画像読取部301が基準印刷物を読み取り、色再現特性推定部304が基準色再現特性を推定するまでの処理について説明する。
a) マーカーを用いる方法
「トンボ」と呼ばれるマーカーを原稿画像データの四隅や各辺の中央に配置したうえで出力し、基準画像データを読み取った際に、このトンボマーカの位置のずれを用いて、変位量や回転角、変倍率を求める方法である。
b) パターンマッチング法を用いる方法
変位量のみを推定する方法の一例としては、テンプレートマッチング法が挙げられる。テンプレートマッチング法は一方の画像をテンプレートとし、位置を少しずつずらしながら他方の画像と一致度を求め、最も一致度の高くなる位置を検出するものである。幾何学変換が変位だけに限定できない場合には、回転角を推定する方法(ハフ変換など)や変倍量を推定する方法(マルチスケール解析など)と組み合わせて利用する必要がある。
c) 位相限定相関法を用いる方法
高い精度で変位量や回転角、変倍率を求める方法の例として、位相限定相関法(POC、Phase Only Correlation)や回転不変位相限定相関法(RIPOC、Rotation Invariant Phase Only Correlation)がある。位相限定相関法は、画像に対して離散フーリエ変換をかけて得られる位相画像を用い、比較対象の二枚の画像から得られる二つの位相画像の相関が最も高くなる位置を検出することにより、変位量を求める手法である。また、回転不変位相限定相関法は、上記位相画像を対数極座標変換することにより、回転角と変倍率を変換された位相画像上での変位量として検出できるようにしたものである。
画素値のリストへの記録は次の手順で行う。
2)原稿画像データのある座標を選択する
3)2)で選択された原稿画像データの画素のR成分値(Rin)と、G成分値(Gin)と、B成分値(Bin)と、基準画像データの対応する画素のR成分値(Rout1)と、G成分値(Gout1)と、B成分値(Bout1)と、を束ねてリストに追加する
4)これを原稿画像データの全ての座標について繰り返す
これらのリストは必要に応じて昇順や降順に並び替えてもよい。処理を簡略化するために、原稿画像データの全ての座標について繰り返すのではなく、特定の範囲に限定したり、所定の刻み幅で座標を移動したりしてもよい。なお、リスト形式で記録したデータの一例を図8に示す。図8では、左半分に原稿画像データの画素の各成分値(Rin, Gin, Bin)が記録されており、右半分に基準画像データの対応する画素各成分値(Rout1, Gout1, Bout1)が記録されている。
f(X)=[Rin, Gin, Bin, Rin 2, Gin 2, Bin 2, RinGin, GinBin, BinRin, Rin 3, Gin 3, Bin 3, Rin 2Gin, Gin 2Bin, Bin 2Rin, ・・・, 1]t
などが用いられる。原稿画像データと基準画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rin, Gin, Bin]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
図9は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図9では、画像読取部301がユーザ印刷物を読み取り、色再現特性推定部304がユーザ色再現特性を推定するまでの処理について説明する。
f(X)=[Rout2, Gout2, Bout2, Rout2 2, Gout2 2, Bout2 2, Rout2Gout2, Gout2Bout2, Bout2Rout2, Rout2 3, Gout2 3, Bout2 3, Rout2 2Gout2, Gout2 2Bout2, Bout2 2Rout2, ・・・, 1]t
などが用いられる。ユーザ画像データと原稿画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rout2, Gout2, Bout2]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
続いて、色変換処理の詳細について説明する。図11は、色変換処理の一例のフローチャートである。
a) 色差を用いる評価方法
色差とは、L*a*b*色空間やL*u*v*色空間における二つの色の距離である。本実施例は画像出力機器としてプリンタを用いていることからL*a*b*色空間を用いて説明する。
L*a*b*色空間の色差ΔE*abは以下の式で定義される。
基準印刷物とユーザ印刷物の色差を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ印刷物を(1)と同じスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)デバイス非依存の色空間に変換された基準画像データとユーザ画像データとをL*a*b*色空間に変換する
(5)上式により画素ごとの色差を求める
基準印刷物とユーザ印刷物とを同じスキャナ300で読み取るとしているが、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換できる条件の元で、二つの印刷物を別々のスキャナ300で読み取ってもよい。
・平均色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・最大色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・分散が所定の値以内に収まっているか否か、
などの基準で判断することができる。なお、ユーザ印刷物の品質を評価する際には、画像データのコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、
・後の処理で必要な位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であること、
・プリンタによって輪郭部分の再現性が異なること (色味やシャープなど)
などの理由から、輪郭部分で大きな色差が出現する可能性があるためである。
b) 色相差を用いる評価方法
L*a*b*色空間の色相差ΔH*abは次式で定義される。
c) 各色成分の差の絶対値を用いる評価方法
所定の色空間において、基準印刷物とユーザ印刷物との各色成分の差の絶対値を取り、評価を行う方法である。RGB色空間を例に取れば、R成分値の絶対値の差、G成分値の絶対値の差、B成分値の絶対値の差を用いる。
基準印刷物とユーザ印刷物の各色成分の差の絶対値を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ印刷物を1)と同じスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)変換後の色空間において、画素ごとに各色成分値の差の絶対値を求める。
なお、色差のケースと同様に、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではなく、スキャナ300のデバイス依存の色空間で直接差の絶対値を求めてもよい。また、統計的な分析方法や品質の判定方法は色差のケースと同様である。
a)推定した色再現特性の推定精度が極端に低いケース
このような場合、色変換を施しても基準印刷物の色に合わせることができないので変換しないことが好ましい。
b)色変換の変換前後で画像データがほとんど変化しないケース
このような場合、色変換を実行する意味がない。
c)色変換の変換前後で画像データが極端に変化するケース
このような場合、色変換はユーザ印刷物の色を大きく変化させるので変換しないことが好ましい。
この離れ具合を測る尺度の例としては、
・実測値と推定値の差の絶対値を累積した値
・実測値と推定値の二乗を累積した値
・実測値と推定値の差の絶対値の最大値
・実測値と推定値との相関係数
などが挙げられる。
この変換度合いを測る尺度の例としては、
・変換前後の画素値の差の絶対値を累積した値
・変換前後の画素値の差の二乗を累積した値
・変換前後の画素値の差の絶対値の最大値
などが挙げられる。
(1)基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s= S(P1(a))を得る
(2)ユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b= P2 -1(S-1(s))を得る。すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))なる組合せ(a, b)を求める
(3)原稿画像データの色aをbに変換する
これによって、一連の流れが完了する。色変換は、予め定められた所定の回数だけ繰り返し行われる。よって、色変換の回数が所定の回数に達したら(ステップS309のYes)、処理は終了する。色変換は1回だけ実行されても、十分な色変換が実現できると考えらえるが複数回実行することで色合わせの精度を向上できる。
(実施例2)
本実施例では第一の画像出力機器としてディスプレイを、第二の画像出力機器としてプロジェクタを、画像読み取り部としてデジタルカメラを用いる例について説明する。なお、本実施例では二つの画像出力機器は共にユーザの管理下にあるため、カラーチャートを表示するなどしてカラープロファイルを得ることができる。しかし、本実施例の方法を用いることで、カラープロファイルを使わずに色合わせすることができる。
図12は、本実施例の画像処理システム600の構成図の一例を示す。本実施例の画像処理システム600は、ネットワークを介して接続された、コンピュータ100、プロジェクタ800、及び、デジタルカメラ900を有する。
図12と図2を比較すると、
a)ディスプレイ109が基準プリンタ400に対応し
b)ディスプレイ109の基準表示画面が基準印刷物に対応し
c)プロジェクタ800がユーザプリンタ200に対応し
d)プロジェクタ800が投影したユーザ表示画面がユーザ印刷物に対応し、
e)デジタルカメラ900がスキャナ300に対応する。
≪色変換処理≫
図13は、画像処理システム600又はMFP700の色変換処理の一例のフローチャート図である。図13の手順は図11とほぼ同様であり、登場する機器が異なっている。図13において図11と同等の処理は説明を簡略化する。
a) 色差を用いる評価方法
色差とは、L*a*b*色空間やL*u*v*色空間における二つの色の距離である。本実施例は画像出力機器としてディスプレイを用いていることからL*u*v*色空間を用いて説明する。
L*u*v*色空間の色差ΔE*uvは以下の式で定義される。
基準表示画面とユーザ表示画面の色差を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準表示画面をデジタルカメラ900により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ表示画面を(1)と同じデジタルカメラ900により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをデジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)デバイス非依存の色空間に変換された基準画像データとユーザ画像データとをL*u*v*色空間に変換する
(5)上式により画素ごとの色差を求める
基準表示画面とユーザ表示画面とを同じデジタルカメラ900で読み取るとしているが、デジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換できる条件の元で、二つの表示画面を別々のデジタルカメラ900で読み取ってもよい。
・平均色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・最大色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・分散が所定の値以内に収まっているか否か、
などの基準で判断することができる。なお、ユーザ表示画面の品質を評価する際には、画像データのコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、
・後の処理で必要な位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であること、
・プリンタによって輪郭部分の再現性が異なること (色味やシャープなど)
などの理由から、輪郭部分で大きな色差が出現する可能性があるためである。
b) 色相差を用いる評価方法
L*u*v*色空間の色相差ΔH*uvは次式で定義される。
c) 各色成分の差の絶対値を用いる評価方法
所定の色空間において、基準表示画面とユーザ表示画面との各色成分の差の絶対値を取り、評価を行う方法である。RGB色空間を例に取れば、R成分値の絶対値の差、G成分値の絶対値の差、B成分値の絶対値の差を用いる。
基準表示画面とユーザ表示画面の各色成分の差の絶対値を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準表示画面をデジタルカメラ900により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ表示画面を1)と同じデジタルカメラ900により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをデジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)変換後の色空間において、画素ごとに各色成分値の差の絶対値を求める。
なお、色差のケースと同様に、デジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではなく、デジタルカメラ900のデバイス依存の色空間で直接差の絶対値を求めてもよい。また、統計的な分析方法や品質の判定方法は色差のケースと同様である。
a)推定した色再現特性の推定精度が極端に低いケース
このような場合、色変換を施しても基準表示画面の色に合わせることができないので変換しないことが好ましい。
b)色変換の変換前後で画像データがほとんど変化しないケース
このような場合、色変換を実行する意味がない。
c)色変換の変換前後で画像データが極端に変化するケース
このような場合、色変換はユーザ表示画面の色を大きく変化させるので変換しないことが好ましい。
この離れ具合を測る尺度の例としては、
・実測値と推定値の差の絶対値を累積した値
・実測値と推定値の二乗を累積した値
・実測値と推定値の差の絶対値の最大値
・実測値と推定値との相関係数
などが挙げられる。
この変換度合いを測る尺度の例としては、
・変換前後の画素値の差の絶対値を累積した値
・変換前後の画素値の差の二乗を累積した値
・変換前後の画素値の差の絶対値の最大値
などが挙げられる。
1)基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s= S(P1(a))を得る
2)ユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b= P2 -1(S-1(s))を得る。すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))なる組合せ(a, b)を求める
3)原稿画像データの色aをbに変換する
これによって、一連の流れが完了する。色変換は、予め定められた所定の回数だけ繰り返し行われる。よって、色変換の回数が所定の回数に達したら(ステップS309のYes)、処理は終了する。色変換は1回だけ実行されても、十分な色変換が実現できると考えらえるが複数回実行することで色合わせの精度を向上できる。
(実施例3)
本実施例は、実施例1のように繰り返し処理を行う際に、その都度色変換済みの原稿画像データをユーザプリンタ200で印刷したユーザ印刷物を、スキャナで読み取ってユーザ画像データを生成するのではなく、推定したユーザ色再現特性と色変換済み原稿画像データを用いてユーザ画像データを生成する。このような方法により、繰り返し処理における印刷の手間やスキャンの手間、損紙を低減することができる。
図14は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である。図14は、図6と比較すると色再現特性推定部306の機能が異なっている。実施例1と共通する機能ブロックの説明は省略し、色再現特性推定部306について説明する。
≪ユーザ色再現特性の推定処理≫
図15は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図15は、図9と比較すると、ステップS505の処理が追加されている。ステップS501〜S504の処理は、図9のステップS201〜S204の処理と同様であるため説明を省略する。
f(X)=[Rin, Gin, Bin, Rin 2, Gin 2, Bin 2, RinGin, GinBin, BinRin, Rin 3, Gin 3, Bin 3, Rin 2Gin, Gin 2Bin, Bin 2Rin, ・・・, 1]t
などが用いられる。ユーザ画像データと原稿画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rin, Gin, Bin]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
図16は、色変換処理の一例のフローチャートである。図16は、図11と比較するとステップS605においてユーザ色再現特性も推定する点で異なる。また、ステップS610の処理が追加されている。ステップS601〜S604及びステップS606〜S609の処理は、それぞれ図11のステップS301〜S304及びステップS306〜S309の処理と同様であるため説明を省略する。
推定したユーザ色再現特性S(P2(x))を用いてユーザ画像データを生成する手順を以下に示す。
1)ユーザ色再現特性から、色変換済みの原稿画像データの色aが対応付くユーザ画像データの色s= S(P2(a))を得る
2)原稿画像データの色aをsに変換する
ステップS610の処理終了後、ユーザ画像データを評価し(ステップS603)、処理を継続する。なお、次のループで用いる原稿画像データは全て色変換済みのものである。
スキャナで読み取った基準画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須であるが、原稿画像データと基準画像データ、又は原稿画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須ではない。例えば、原稿画像データの色空間がCMYK色空間であり、基準画像データとユーザ画像データがRGB色空間であっても構わない。
(実施例4)
実施例1から実施例3では、色合わせを行うに際して、原稿画像の色空間全域に対して一様に処理を行っている。このため、画像出力機器の色再現特性が色空間全域に対して均一でない(色空間の部分領域ごとに特性が異なる)場合には、高い精度で色を合わせることができない。
図17は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である。図17は、図6と比較すると色空間分割部307を更に有する構成となっている。実施例1と共通する機能ブロックの説明は省略し、色空間分割部307について説明する。
≪基準色再現特性の推定処理≫
図18は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図18では、色空間分割部307が原稿画像データの色空間を部分色空間に分割し、色再現特性推定部304がすべての部分色空間の基準色再現特性を推定するまでの処理について説明する。
a) 等間隔で分割する
原稿画像データの色空間の各軸を予め決定された間隔で分割するか、予め決定された分割数で間隔を決定することにより、同一体積の部分色空間を作成する方法である。図19は、R軸、G軸、B軸をそれぞれ等間隔で2分割した例である。この方法は最も簡便で汎用的である。
原稿画像データの色空間の各軸の各階調に属する画素数を用いて、分割された際の各軸の画素数が所定の数又は割合となるように分割幅を適応的に決定する。図20は、R軸、G軸、B軸をそれぞれ不等間隔で2分割した例である。不等間隔で分割する方法の例としては、各軸の各階調に属する画素数の累積出現頻度を等間隔で分割する方法や、各軸の各階調に属する画素数の出現頻度分布を用いる方法が挙げられる。
各軸の各階調に属する画素数の累積出現頻度を等間隔で区切り、区切り位置に対応する階調で分割する方法である。図21は、0から255までの256階調を不等間隔で2分割する例である。縦軸の累積出現頻度の最大値を1.0としたときに、区切り位置として0.5となる階調を求めることにより、分割位置を決定する。この例では、R軸の累積出現頻度が0.5となるR軸の階調a、G軸の累積出現頻度が0.5となるG軸の階調b、B軸の累積出現頻度が0.5となるB軸の階調cが求まる。
図22のように、各軸の各階調に属する画素数の出現頻度分布を作成し、極小となる階調で分割する方法である。この例では、R軸の出現頻度分布が極小となる階調a、G軸の出現頻度分布が極小となる階調b、B軸の出現頻度分布が極小となる階調cが求まる。
原稿画像データの色空間を部分空間に分割するとき、各部分色空間に含まれる色数が同数となるように分割領域を決定する。図23は各部分空間に含まれる色数が同数となるように分割した例である。色数が同数となるように分割する方法の一例を以下に示す。なお、以下では一例として、原稿画像データの色数は32であるとして説明する。
Step1)
原稿画像データの色数(32)が半数(16)となるR軸の階調aを求める。
Step2)
R軸の階調が0からa−1の階調に含まれる色数(16)が半数(8)となるG軸の階調bと、R軸の階調がaから255の階調に含まれる色数(16)が半数(8)となるG軸の階調b'を求める。
Step3)
領域(1)(R軸の階調が0からa−1で、且つ、G軸の階調が0からb−1)に含まれる色数(8)が半数(4)となるB軸の階調cと、領域(2)(R軸の階調が0からa−1で、且つ、G軸の階調がbから255)に含まれる色数(8)が半数(4)となるB軸の階調c'と、領域(3)(R軸の階調がaから255で、且つ、G軸の階調が0からb')に含まれる色数(8)が半数(4)となるB軸の階調c''と、領域(4)(R軸の階調がaから255で、且つ、G軸の階調がb'から255)に含まれる色数(8)が半数(4)となるB軸の階調c'''と、を求める。
ここで、各軸の分割する順番に関しては、特に上記の順番(R軸、G軸、B軸の順番)限定されない。また、色数が半数となる階調の決定方法も、色数が半数となる階調であればどのような方法でもよい。例えば、分割前の階調の中央値を用いる方法などでもよい。
原稿画像データの色空間を分割する方法として、原稿画像データに含まれる各画素に対してクラスタ分析を用いて分割領域を決定する。ここで、クラスタリング処理する方法の例としては、K-meansアルゴリズムなどが挙げられる。K-meansアルゴリズムとは、予め定めたクラスタ数KとそのK個のクラスタ中心をランダムに決め、サンプル点をK個のクラスタ中心との距離を計算し、最も近いクラスタに分類することで、クラスタリングを行う手法である。クラスタリング時に、同一クラスタに該当するサンプル点の重心を計算し、クラスタ中心の更新を繰り返し、クラスタ中心の更新が収束したら処理を終了させる。分割数(クラスタ数K)は、予め決定しておいた分割数を使用するか、又は画素数などに応じて経験的に決定する方法などが挙げられる。
図24は、K-meansアルゴリズムを用いて原稿画像データの各画素を8個のクラスタに分割した例である。図24(a)は、R軸とG軸の2次元空間にプロットしたものと、R軸とB軸の2次元空間にプロットしたものである。図24(b)は、R軸とG軸とB軸の3次元空間にプロットしたものである(図24(a)と図24(b)は同じデータを用いたものである)。なお、図24(a)及び図24(b)の数字は、クラスタ番号(1〜8)を表している。
画素値のリストへの記録は次の手順で行う。
2)原稿画像データのある座標を選択する
3)2)で選択された原稿画像データの画素のR成分値(Rin)と、G成分値(Gin)と、B成分値(Bin)と、基準画像データの対応する画素のR成分値(Rout1)と、G成分値(Gout1)と、B成分値(Bout1)と、を束ねて該当する部分色空間用のリストに追加する
4)これを原稿画像データの全ての座標について繰り返す
これらのリストは必要に応じて昇順や降順に並び替えてもよい。処理を簡略化するために、原稿画像データの全ての座標について繰り返すのではなく、特定の範囲に限定したり、所定の刻み幅で座標を移動したりしてもよい。なお、リスト形式で記録したデータの一例を図25に示す。図25は、部分色空間(1)から部分色空間(m)のm個の部分空間について、それぞれ左半分に原稿画像データの画素の各成分値が記録されており、右半分に基準画像データの対応する画素各成分値が記録されている。
図26は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図26では、画像読み取り部301がユーザ印刷物を読み取り、色再現特性推定部304がすべての部分色空間のユーザ色再現特性の逆特性を推定するまでの処理について説明する。
続いて、色変換処理の詳細について説明する。図28は、色変換処理の一例のフローチャートである。
(1)部分色空間mの基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s=Sm(P1 m(a))を得る
(2)部分色空間mのユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く基準画像データの色b=P2 m(Sm(s)-1)-1を得る。すなわち、Sm(P1 m(a))=s=Sm(P2 m(b))なる組合せ(a, b)を求める
(3)原稿画像データの色aをbに変換する
これによって一連の流れが完了する。なお、部分色空間ごとに完全に独立した色再現特性を用いて原稿画像データに色変換を施すと、部分色空間の境界部で色が不連続になる恐れがあるため、境界部では隣接する部分色空間の色再現特性を用いて色変換を行った結果と合成することが望ましい。合成方法の例としては、近傍の部分色空間の色再現特性を用いて色変換を行った結果で算術平均をとる方法や、色変換を施す原稿画像データの色と部分色空間の中心の色との距離(色差)の逆数を重みとして加重平均をとる方法などが考えられる。
(実施例5)
本実施例では、実施例4のように原稿画像の色空間を部分色空間に分割する際に、原稿画像データの色空間をそのまま使用するのではなく、色相、明度、彩度が表現可能な色空間に変換した後、部分色空間に分割する。これにより、色相、明度、又は、彩度ごとに画像出力機器の色再現特性が異なる場合でも、安定、且つ、高精度で色合わせを行うことができる。
図29は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である。図29は、図17と比較すると色空間変換部308を更に有する構成となっている。実施例4と共通する機能ブロックの説明は省略し、色空間変換部308について説明する。
基準色再現特性の推定処理以外の処理については、実施例4と同様であるため説明を省略し、基準色再現特性の推定処理についてのみ説明する。
図29は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図29は、図18と比較すると、ステップS1001の処理が追加されている。また、図29のステップS1002は、図18のステップS701に対応する処理であるが、処理内容が異なる。なお、ステップS1003〜S1008の処理は、それぞれ実施例4の図18のステップS702〜S707の処理と同様であるため説明を省略する。
L*a*b*色空間における彩度C*と色相hの値を用いて、色相で部分色空間に分割する方法である。図31は、L*a*b*色空間において、色相ごとに色空間を分割した例である。領域(1)は彩度C*がある閾値以下の無彩色を表す領域であり、領域(2)は色相hがある範囲内の"red"を表す領域であり、領域(3)は"yellow"を、領域(4)は"green"を、領域(5)は"cyan"を、領域(6)は"blue"を、領域(7)は"magenta"を表す領域である。分割数や分割するための彩度C*の閾値や色相hは、例えば、経験的に決められた所定の値を用いる方法や、各領域に色数が同数となるように決定する方法などが挙げられる。
L*a*b*色空間における明度L*の値を用いて、明度で部分色空間に分割する方法である。図32は、L*a*b*色空間において、明度ごとに領域(1)〜(7)の部分色空間に色空間を分割した例である。分割数や分割するためのL*の閾値は、例えば、経験的に決められた所定の値を用いる方法や、各領域に色数が同数となるように決定する方法などが挙げられる。
L*a*b*色空間における彩度C*の値を用いて、彩度で部分色空間に分割する方法である。図33は、L*a*b*色空間において、彩度ごとに領域(1)〜(7)の部分色空間に色空間を分割した例である。分割数や分割するためのC*の閾値は、例えば、経験的に決められた所定の値を用いる方法や、各領域に色数が同数となるように決定する方法などが挙げられる。
L*a*b*色空間における原稿画像データに含まれる各画素に対してクラスタ分析を用いて分割領域を決定する。分割数は、予め決定しておいた分割数を使用するか、又は画素数などに応じて経験的に決定する方法などが挙げられる。ここで、クラスタリング処理する方法の例としては、K-meansアルゴリズムなどが挙げられる。K-meansアルゴリズムとは、予め定めたクラスタ数KとそのK個のクラスタ中心をランダムに決め、サンプル点をK個のクラスタ中心との距離を計算し、最も近いクラスタに分類することで、クラスタリングを行う手法である。クラスタリング時に、同一クラスタに該当するサンプル点の重心を計算し、クラスタ中心の更新を繰り返し、クラスタ中心の更新が収束したら処理を終了させる。分割数(クラスタ数K)は、予め決定しておいた分割数を使用するか、又は画素数などに応じて経験的に決定する方法などが挙げられる。
図34は、原稿画像データの各画素のa*とb*の値をK-meansアルゴリズムを用いて8個のクラスタに分割した例である。図34は、a*軸とb*軸の2次元空間にプロットしたものである。なお、図34の数字は、クラスタ番号(1〜8)を表している。
302 幾何学変換パラメータ推定部
303 画素値対応付け部
304 色再現特性推定部
305 色変換部
100 コンピュータ
200 ユーザプリンタ
300 スキャナ
400 基準プリンタ
500 ネットワーク
600 画像処理システム
601 画像入力部
602 画像出力部
603 画像記憶部
604 画像解析部
605 パラメータ記憶部
606 画像処理部
700 MFP
800 プロジェクタ
900 デジタルカメラ
Claims (15)
- 第一の画像出力機手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力機手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置であって、
読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第一の幾何学変換パラメータを推定し、読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二の幾何学変換パラメータを推定する幾何学変換パラメータ推定手段と、
前記第一の幾何学変換パラメータを用いて前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータを、前記第二の幾何学変換パラメータを用いて前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをそれぞれ生成する画素値対応付け手段と、
前記第一の画素値対応付けデータに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付けデータに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とを決定する写像推定手段と、
前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手段と、
を有する画像処理装置。 - 前記原稿画像データの色空間を複数の部分色空間に分割する色空間分割手段を有し、
前記画素値対応付け手段は、前記色空間分割手段により分割された前記原稿画像データの複数の前記部分色空間ごとに、前記第一の画素値対応付けデータと、前記第二の画素値対応付けデータとをそれぞれ生成し、
前記写像推定手段は、前記原稿画像データの複数の前記部分色空間ごとに前記第一の写像と、前記第二の写像とを決定し、
前記変換手段は、複数の前記部分色空間ごとに決定した前記第一の写像と、前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する、請求項1記載の画像処理装置。 - 前記色空間分割手段は、前記原稿画像データの色空間を等間隔で分割して、該色空間を前記複数の部分色空間に分割する、請求項2記載の画像処理装置。
- 前記色空間分割手段は、前記原稿画像データの色空間における画素値の出現頻度分布又は画素値の累積出現頻度に基づいて、該色空間を前記複数の部分色空間に分割する、請求項2記載の画像処理装置。
- 前記色空間分割手段は、各部分色空間に含まれる画素数が同数となるように、前記原稿画像データの色空間を前記複数の部分色空間に分割する、請求項2記載の画像処理装置。
- 前記色空間分割手段は、前記原稿画像データの色空間をクラスタ分析を用いて前記複数の部分色空間に分割する、請求項2記載の画像処理装置。
- 前記原稿画像データの色空間を、色相、明度、又は彩度を表すことができる色空間に変換する第一の色空間変換手段を有し、
前記色空間分割手段は、前記第一の色空間変換手段による変換後の色空間を、色相、明度、又は彩度のうち、少なくとも1つを用いて前記変換後の色空間を分割する、請求項2記載の画像処理装置。 - 前記色空間分割手段は、前記第一の色空間変換手段による変換後の色空間を、色相、明度、又は彩度のうち、少なくとも1つを用いたクラスタ分析により前記複数の部分色空間に分割する、請求項7記載の画像処理装置。
- 前記写像推定手段は、
前記原稿画像データの複数の色成分値を基にした多次元のデータを用いて前記第一の出力画像データの色を推定する前記第一の写像を決定し、前記第二の出力画像データの複数の色成分値を基にした多次元のデータを用いて前記原稿画像データの色を推定する前記第二の写像を決定する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 画像データをデバイス非依存の色空間に変換する第二の色空間変換手段を有し、
前記写像推定手段は、
前記第一の出力画像データ及び前記第二の出力画像データを前記第二の色空間変換手段によりデバイス非依存の色空間に変換した後、該変換された第一の出力画像データ及び第二の出力画像データを用いて前記第一の写像及び前記第二の写像を決定する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記画素値対応付け手段は、
前記原稿画像データ、前記第一の出力画像データ、及び前記第二の出力画像データの各コンテンツの輪郭部分を除外した後、前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せの対応付け、及び、前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けを行う、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第一の出力画像データと前記第二の出力画像データとの一致度を所定の方法により判定する一致度判定手段を有し、
前記写像推定手段は、
前記一致度判定手段による一致度が所定の基準を満たす場合、前記第二の画素値対応付けデータに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像を決定する、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第一の写像及び前記第二の写像が所定の基準を満たすか否かを判定する写像判定手段を有し、
前記変換手段は、
前記写像判定手段により、前記第一の写像及び前記第二の写像が前記所定の基準を満たすと判定された場合、該第一の写像及び前記第二の写像に基づいて前記原稿画像データの画素値を変換する、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記幾何学変換パラメータ推定手段は、前記変換手段により変換された原稿画像データを前記第二の画像出力機手段が出力した第三の出力結果を前記読み取り装置が読み取った第三の出力画像データと、前記変換された原稿画像データとの位置を合わせる第三の幾何学変換パラメータを推定し、
前記画素値対応付け手段は、
前記第三の幾何学変換パラメータを用いて前記第三の出力画像データと前記変換された原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第三の画素値対応付けデータを生成し、
前記写像推定手段は、
前記第三の画素値対応付けデータに基づいて前記第三の出力画像データの色から前記変換された原稿画像データの色を推定する第三の写像を決定し、
前記変換手段は、
前記第一の写像と前記第三の写像とに基づいて、前記変換された原稿画像データの画素値を変換する、、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 原稿画像データから第一の出力結果を出力する第一の画像出力機手段と、前記原稿画像データから第二の出力結果を出力する第二の画像出力機手段と、前記第一の出力結果及び前記第二の出力結果を読み取る読み取り装置と、前記第二の出力結果の色を前記第一の出力結果の色に近づけるため写像を決定する情報処理装置と、を有する画像処理システムであって、
前記読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第一の幾何学変換パラメータを推定し、前記読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二の幾何学変換パラメータを推定する幾何学変換パラメータ推定手段と、
前記第一の幾何学変換パラメータを用いて前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータを、前記第二の幾何学変換パラメータを用いて前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをそれぞれ生成する画素値対応付け手段と、
前記第一の画素値対応付けデータに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付けデータに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像を決定する写像推定手段と、
前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手段と、
を有する画像処理システム。
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