JP2015111801A - 画像処理装置及び画像処理システム - Google Patents

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友保 相▲崎▼
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Abstract

【課題】複数の色成分の値に基づき、画像処理装置の出力結果の色を変換することができる画像処理装置及び画像処理システムを提供することを課題とする。
【解決手段】画像処理装置であって、第一の出力画像データと原稿画像データの位置を合わせる第一のパラメータを推定し、第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二のパラメータを推定する手段と、前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータ、及び、前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータを生成する手段と、第一の写像と、第二の写像を決定する手段と、前記原稿画像データの画素値を変換する手段と、を有することにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像処理装置及び画像処理システムに関する。
印刷機やディスプレイなどの画像出力機器のカラープロファイルについて、カラーチャートを用いずに更新することができる技術が従来より知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記の従来技術においては、例えば二台の画像出力機器間で色合わせを行う場合、各画像出力機器間の色の差が色成分毎に独立でない(換言するとある色成分の値は他の色成分の値と連動している)ときには、色合わせの精度が高くないという問題があった。
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、複数の色成分の値に基づき、画像処理装置の出力結果の色を変換することができる画像処理装置及び画像処理システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本願請求項1は、第一の画像出力機手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力機手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置であって、読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第一の幾何学変換パラメータを推定し、読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二の幾何学変換パラメータを推定する幾何学変換パラメータ推定手段と、前記第一の幾何学変換パラメータを用いて前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータを、前記第二の幾何学変換パラメータを用いて前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをそれぞれ生成する画素値対応付け手段と、前記第一の画素値対応付けデータに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付けデータに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とを決定する写像推定手段と、前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手段と、を有することを特徴とする。
本発明の一実施形態によれば、複数の色成分の値に基づき、画像処理装置の出力結果の色を変換することができる。
画素値aとbの関係を模式的に説明する一例の図である。 本実施形態に係る画像処理システムの一例の構成図である。 本実施形態に係る画像処理システムの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係るMFPの一例のハードウェア構成図である。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である。 基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。 リスト形式で記録したデータの一例の図である。 ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。 リスト形式で記録したデータの一例の図である。 色変換処理の一例のフローチャートである。 本実施形態に係る画像処理システムの一例の構成図である(実施例2)。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例2)。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例3)。 ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例3)。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例3)。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例4)。 基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例4)。 等間隔で分割する場合を説明する図である。 不等間隔で分割する場合を説明する図である。 画素数の累積頻度を用いる場合を説明する図である。 画素数の頻度分布を用いる場合を説明する図である。 色数が同数となるように分割する場合を説明する図である。 クラスタ分析を用いて分割する場合を説明する図である。 リスト形式で記録したデータの一例の図である(実施例4)。 ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例4)。 リスト形式で記録したデータの一例の図である(実施例4)。 色変換処理の一例のフローチャートである(実施例4)。 本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である(実施例5)。 基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである(実施例5)。 色相を用いて分割する場合を説明する図である。 明度を用いて分割する場合を説明する図である。 彩度を用いて分割する場合を説明する図である。 クラスタ分析を用いて分割する場合を説明する図である(実施例5)。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
まず、
第一の画像出力機器の色再現特性をP1(x)、
第二の画像出力機器の色再現特性をP2(x)、
画像読取装置の色再現特性をS(x)、
と定義する。ここで"x"は色又は画素値である。種々の色空間の存在を考慮すると画素値=色とはならないが、同じ色空間内では画素値=色となるので、厳密には区別していない。例えばRGB色空間の場合、x=[R, G, B]tの3次元データである。また、例えばCMYK色空間の場合、x=[C, M, Y, K]tの4次元データである。
第一の色再現特性はS(P1(x))、
第二の色再現特性はS(P2(x))、
と表すことができる。
P1(x)は、第一の画像出力機器が画素値xを印刷した場合の色であり、S(P1(x))は画像読取装置が色P1(x)を読み取った場合の色である。P2(x)は、第二の画像出力機器が画素値xを印刷した場合の色であり、S(P2(x))は画像読取装置が色P2(x)を読み取った場合の色である。
第一の画像出力機器が印刷する画素値xと、第二の画像出力機器が印刷する画素値xとが同じ場合、色再現特性P1(x)及びP2(x)は互いに異なるので、S(P1(x))=S(P2(x))とはならない。一方、第一の画像出力機器が印刷する画素値と、第二の画像出力機器が印刷する画素値が同じでない場合でも、印刷対象の画像データ(後述する原稿画像データ)には、S(P1(a))=S(P2(b))となる色(a,b)の組み合わせが存在することが期待できる(S(P1(a))とS(P2(b))は完全に一致しなくてもよい)。
本実施形態の画像処理装置は、S(P1(a))=S(P2(b))なる組合せ(a, b)を1つ以上求める。すなわち、第二の画像出力機器が、画素値bを印刷してS(P2(b))が得られるのであるから、aをbとみなす変換を行うことで第二の画像出力機器が画素値aを印刷する際に、実際には画素値bを印刷するので、第二の画像出力機器は第一の画像出力機器と同じ色で印刷することができる。
図1は、画素値aとbの関係を模式的に説明する一例の図である。第一の画像出力機器と第二の画像出力機器は、共に同じ画像データを印刷する。この画像データを原稿画像データという。
第一の画像出力機器は画素値aを印刷するとスキャナで読み取った際にsの色となる第一の出力物を印刷する。第二の画像出力機器は画素値bを印刷するとスキャナで読み取った際にsの色となる第二の出力物を印刷する。第二の画像出力機器の色再現特性を第一の画像出力機器にあわせる場合、第二の画像出力機器は画素値aがsになるように(読み取った際にsとなるように)印刷するべきであることが分かる。したがって、第二の画像出力機器は原稿画像データの画素値aをbにて置き換える。この色変換を行うことで、第二の画像出力機器は第一の画像出力機器と同等の色にて印刷することが可能になる。
図2は、本実施形態に係る画像処理システム600の一例の構成図である。第一と第二の画像出力機器間の色を合わせるために原稿画像データに色変換を施す流れを、以下の機器の組合せを例として説明する。
・第一の画像出力機器:プリンタ (「基準プリンタ」と呼ぶ)
・第二の画像出力機器:プリンタ (「ユーザプリンタ」と呼ぶ)
・画像読取装置:スキャナ
また、以降で使用する用語を以下のように定義する。
・基準プリンタ:第一の画像出力機器に対応し、色が合わせられる目標となるプリンタ
・ユーザプリンタ:第二の画像出力機器に対応し、基準プリンタ400に色を合わせたいプリンタ
・スキャナ:画像読取装置に対応
・原稿画像データ:プリンタが印刷物を出力する際に用いる画像データ
・基準印刷物:原稿画像データを基準プリンタ400で出力した、色合わせの目標とされる印刷物
・基準画像データ:基準印刷物を画像読取装置で読み取って得られる画像データ
・ユーザ印刷物:原稿画像データをユーザプリンタ200で出力した、基準印刷物に色を合わせたい印刷物
・ユーザ画像データ:ユーザ印刷物を画像読取装置で読み取って得られる画像データ
本実施形態では、基準印刷物とユーザ印刷物とを用い、ユーザプリンタ200に与える原稿画像データに色変換を行うことによって、基準印刷物の色と同等の色のユーザ印刷物が得られるようにする。
色変換を行う装置は、第二の画像出力機器でもスキャナ300でもよいし、これらとは別体のコンピュータ100でもよい。本実施形態では、情報処理装置の一例としてのコンピュータ100が色変換を行うものとして説明する。
(1)第一の色再現特性の推定
まず、基準プリンタ400とスキャナ300を併せた(基準プリンタだけの色再現特性を取り出すことは困難なため)基準色再現特性S(P1(x))を以下の手順で推定する。なお、基準色再現特性S(P1(x))は、第一の写像の一例である。
(1-1) 基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る
(1-2) 原稿画像データと基準画像データとの位置、傾き、大きさを合わせる
(1-3) 原稿画像データと基準画像データの対応する位置にある画素の画素値を色成分の組合せごとに対応付けて記憶する
(1-4) 画素値の対応付けデータから原稿画像データのある色が基準画像データのどの色に対応付くかを求める(このとき、複数の色成分値を基にした多次元のデータを用いて求める)
(2)第二の色再現特性の逆特性の推定
次に、ユーザプリンタ200とスキャナ300を併せた(ユーザプリンタだけの色再現特性の逆特性を取り出すことは困難なため)ユーザ色再現特性S(P2(x))の逆特性P2 -1(S-1(x))を以下の手順で推定する。なお、逆特性P2 -1(S-1(x))は、第二の写像の一例である。
ここで、S-1(x)は、画像読取装置で読み取った場合に画素値xとして読み取られる値(色)である。また、P2 -1(S-1(x))は、第二の画像出力機器で出力した場合に色S-1(x)として出力される画素値である。
(2-1) 原稿画像データをユーザプリンタ200で出力し、ユーザ印刷物を得る
(2-2) ユーザ印刷物をスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る
(2-3) 原稿画像データとユーザ画像データとの位置、傾き、大きさを合わせる
(2-4) 原稿画像データとユーザ画像データとの対応する位置にある画素の画素値を色成分の組合せごとに対応付けて記憶する
(2-5) 画素値の対応付けからユーザ画像データのある色が原稿画像データのどの色に対応付くかを求める(このとき、複数の色成分値を基にした多次元データを用いて求める)
(3)原稿画像データの色変換
最後に、推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて原稿画像データに色変換を施し、原稿画像データを更新する。
(3-1) 基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s=S(P1(a))を得る
(3-2) ユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b=P2 -1(S-1(s))を得る(すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))となる組合せ(a, b)を求める)
(3-3) 原稿画像データの色aをbに変換する
上記(1)〜(3)を行うと、ユーザプリンタ200が原稿画像データに色変換を施して印刷するユーザデータは、基準画像データとほぼ同じ色になる。1回だけではユーザ画像データが基準画像データとほぼ同じ色にならない場合、上記(1)〜(3)までの手順を、基準印刷物とユーザ印刷物との色の差が所定の範囲に収まるようになるまで繰り返し行ってもよい。その場合には、ユーザプリンタ200の色再現特性の逆特性を推定する際に用いる原稿画像データとして色変換後の原稿画像データを用いる。
なお、従来技術では、上記(3)の色変換を施すに際して色成分ごとに独立して処理を行っており、第一及び第二の画像出力機器間の出力結果の色の差が色成分ごとに独立していることを前提としている。しかしながら、一般に、第一及び第二の画像出力機器間の出力結果の色の差が色成分ごとに独立であるとは限らない。
例えばS(P1(a))=s=S(P2(a'))となる画素値の組合せ(a, a')と、S(P1(b))=s=S(P2(b'))となる画素値の組合せ(b, b')があったとする。このとき、原稿画像データの画素値aをa'に、bをb'に置き換える事で第一及び第二の画像出力機器間の色が合うことが期待される。ここで、各画素値a, a', b, b'を256階調のRGB空間で表すと、
a =(128, 74, 153)
a'=(138, 79, 159)
b =(128, 23, 24)
b'=(118, 19, 36)
であったとする。画素値aと画素値bの色成分の組合せは異なるが、R成分値は128と同じである。しかし、画素値aに対応するa'のR成分値は138(画素値aとbのR成分値よりも高い値)であるのに対して、画素値bに対応するb'のR成分値は118(画素値aとbのR成分値よりも低い値)である。
このような場合、色成分ごとに独立して処理してしまうと、画素値aとbのR成分値には同じ色変換を施すことになり、画素値a, b両方に最適な色変換を施すことができない。よって、第一及び第二の画像出力機器間の色合わせの精度が低下してします。
したがって、本実施形態では、原稿画像データの画素値と基準画像データまたはユーザ画像データの対応する位置にある画素値の対応付けにおいて、色成分の組合せごとに対応付けて記憶している。また、基準色再現特性またはユーザ色再現特性の逆特性の推定において、複数の色成分値を基にした多次元データを入力として各色成分値を推定している(つまり、色成分の組合せを考慮して処理を行っている)。
<システム構成>
図2に示した画像処理システム600は、ネットワーク500を介して接続された、コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及び、スキャナ300を有する。ユーザプリンタ200の代わりにオフセット印刷機やグラビア印刷機などを用いてもよく、また、スキャナ300の代わりに分光測色器やカメラを用いてもよい。基準プリンタ400は、画像処理システム600のユーザ側に存在しないことを想定しているためネットワークに接続されていないが、接続されていてもよい。画像処理システム600のユーザは、基準プリンタ400が基準画像データを出力した基準印刷物をすでに取得しているか、取得することができる。
ネットワークは、社内LAN、広域LAN(WAN)、IP−VNP(Virtual Private Network)、インターネットVPN、又は、インターネットなどである。これらが組み合わされたネットワーク等、コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及び、スキャナ300が通信可能であればよい。一部に電話回線を含んでいてもよく、また、有線接続か無線接続は問わない。
なお、同じ一台のプリンタで過去と現在の色を合わせる場合など、基準プリンタ400とユーザプリンタ200はそれぞれ異なる装置である必要はない。また、基準プリンタ400及びユーザプリンタ200は、プリンタ機能を有していれば、スキャナ機能、FAX機能及びコピー機能の1つ以上を有していてもよい。同様に、スキャナ300は、スキャナ機能を有していれば、プリンタ機能、FAX機能及びコピー機能の1つ以上を有していてもよい。複数の機能を有する装置はMFP(Multifunction Peripheral)と称されることがある。
また、コンピュータ100は、基準プリンタ400が基準印刷物の出力に使用した原稿画像データ、基準印刷物をスキャナ300が読み取った基準画像データ、及び、ユーザプリンタ200が原稿画像データを出力したユーザ印刷物をスキャナ300が読み取ったユーザ画像データ、の3つの画像データから基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を推定する。原稿画像データは、ユーザプリンタ200が予め記憶しておいてもよいし、基準プリンタ400から取得してもよい。コンピュータ100、ユーザプリンタ200、及び、スキャナ300は一台のMFPに搭載することもできる。
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係る画像処理システムの一例のハードウェア構成図である。画像処理システム600は、画像入力部601、画像出力部602、画像記憶部603、画像解析部604、パラメータ記憶部605、及び、画像処理部606を有する。
画像入力部601は、画像出力機器により出力された画像を入力するものであり、図2ではスキャナ300が相当する。画像記憶部603は、画像入力部601が入力を受け付けた画像データを記憶するものであり、図2ではコンピュータ100が相当する。画像解析部604は、基準画像データ、ユーザ画像データ、及び、原稿画像データを解析して基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を推定するもので、図2ではコンピュータ100が相当する。パラメータ記憶部605は、画像を解析して得られた基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性を記憶するもので、図2ではコンピュータ100が相当する。画像処理部606は、得られた基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性に基づいて画像データを色変換するもので、図2ではユーザプリンタ200が相当する。画像出力部602は、色変換された画像を出力するもので、図2ではユーザプリンタ200が相当する。
図4は、コンピュータ100のハードウェア構成図の一例を示す。コンピュータ100はそれぞれバスで相互に接続されているCPU101、RAM102、ROM103、記憶媒体装着部104、通信装置105、入力装置106、描画制御部107、及び、HDD108を有する。CPU101は、OS(Operating System)やプログラムをHDD108から読み出して実行することで種々の機能を提供すると共に、基準色再現特性及びユーザ色再現特性の逆特性の推定を行う。
RAM102はCPU101がプログラムを実行する際に必要なデータを一時保管する作業メモリ(主記憶メモリ)になり、ROM103はBIOS(Basic Input Output System)やOSを起動するためのプログラム、静的なデータが記憶されている。
記憶媒体装着部104には記憶媒体110が着脱可能であり、記憶媒体110に記録されたデータを読み込み、HDD108に記憶させる。また、記憶媒体装着部104は、HDD108に記憶されたデータを記憶媒体110に書き込むこともできる。記憶媒体110は例えば、USDメモリ、SDカード等である。プログラム111は、記憶媒体110に記憶された状態や不図示のサーバからダウンロードすることで配布される。
入力装置106は、キーボードやマウス、トラックボールなどであり、コンピュータ100へのユーザの様々な操作指示を受け付ける。
HDD108は、SSD等の不揮発メモリでもよく、OS、プログラム、画像データなどの各種のデータが記憶されている。
通信装置105は、インターネットなどのネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)であり、例えば、イーサネット(登録商標)カードである。
描画制御部107は、CPU101がプログラム111を実行してグラフィックメモリに書き込んだ描画コマンドを解釈して、画面を生成しディスプレイ109に描画する。
図5は、画像処理システム600を一台のMFPで実現した場合の、MFP700のハードウェア構成図の一例を示す。MFP700は、コントローラ30、操作部31、ファックス制御ユニット32、プロッタ33、スキャナ34、及び、その他ハードウェアリソース35を有する。コントローラ30は、CPU11,MEM−P12,NB(ノースブリッジ)13、ASIC16,MEM−C14,HDD15(Hard Disk Drive)、及び、PCIバスを介してNB13と接続された周辺機器17を有する。
コントローラ30において、ASIC16にはMEM−C14、HDD15、及び、NB13が接続されると共に、NB13にはCPU11とMEM−P12が接続されている。NB13はCPUチップセットの1つであり、CPU11,MEM−P12,ASIC16,及び、周辺機器を接続するためのブリッジである。
ASIC16は、画像処理用途向けのICであり各種の画像処理を行う。ASIC16は、AGP、HDD15、及び、MEM−C14をそれぞれ接続するブリッジの役割も果たす。CPU11は、MFP700の全体制御を行うと共にMFP700に実装されている各種アプリケーションを起動して実行させる。
MEM−P12は、MFP700のシステムが使用するシステムメモリであり、MEM−C14は、画像処理中の画像データのバッファとして用いられるローカルメモリである。
HDD15は、大容量のストレージであり、SSD(Solid State Drive)などを用いてもよい。HDD15には、OS、各種のアプリケーション、フォントデータ等が記憶される。また、HDD15には色変換を行うプログラム23が記憶されている。プログラム23は、記憶媒体18に記憶された状態や不図示のサーバを介して配布される。
周辺機器17は、シリアルバス、NIC、USBホスト、IEEE802.11a/b/g/n、IEEE1394、及び、メモリカードI/Fである。シリアルバスには、例えばセントロニクスケーブルが接続される。NICはネットワークを介した通信を制御する。USBホストにはUSBケーブルを介して機器が接続される。IEEE802.11a/b/g/nはこれらの規格に従った無線LAN用のインタフェースであり、無線LANによる通信を制御する。IEEE1394は、高速なシリアル通信を制御するインタフェースである。メモリカードI/Fには各種のメモリカードが装着され、データの読み書きを行う。メモリカードは、例えば、SDカード、マルチメディアカード、xDカード等である。
操作部31は、ハード的なキーボードと液晶などの表示手段とを有する。操作部31は、ユーザからの入力操作の受け付け、ユーザに向けた各種の画面の表示をおこなう。操作部31はタッチパネルを搭載しており、表示したソフトキーからユーザ操作を受け付けることもできる。
ファックス制御ユニット32は、NCU(Network Control Unit)を介して公衆通信網に接続し、例えばG3、G4規格のファクシミリに対応した通信手順(通信プロトコル)等に従いファクシミリの送受信を行う。ファックス制御ユニット32は、画像データにデータ圧縮や変調等の信号処理を施して送信すると共に、相手先から受信した画像データにデータの伸長やエラー訂正等を施し画像データを復元する。
プロッタ33は、例えば、電子写真方式による白黒プロッタ又はカラープロッタであり、印刷対象データやスキャナ34が読み取った画像データに基づき、1ページ毎の画像を形成し、用紙に転写する。例えば、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、感光ドラム等に形成したトナー画像を用紙に転写し、定着装置により熱と圧力により定着して出力する。また、インク液滴を塗布する形態で印刷してもよい。
スキャナ34は、コンタクトガラスに載置された原稿を光学的に走査して、その反射光をA/D変換して公知の画像処理を施し所定の解像度のデジタルデータに変換し画像データを生成する。
図5のMFPでは、図2の画像入力部601はスキャナ34が相当し、画像出力部602はプロッタ33が相当し、画像記憶部603はHDD15が相当し、画像解析部604はCPU11が相当し、パラメータ記憶部605はHDD15が相当し、画像処理部606はASIC16が相当する。
<機能構成>
図6は、画像処理システム600又はMFP700の機能ブロック図の一例である。画像処理システム600又はMFP700は、画像読み取り部301、幾何学変換パラメータ推定部302、画素値対応付け部303、色再現特性推定部304、及び、色変換部305、を有する。
画像読み取り部301は原稿画像データの出力結果である基準印刷物及びユーザ印刷物を読み取り、基準画像データ及びユーザ画像データを生成する。
幾何学変換パラメータ推定部302は原稿画像データと基準画像データ、原稿画像データとユーザ画像データのそれぞれの幾何学変換パラメータを推定する。
画素値対応付け部303は、幾何学変換パラメータを用いて、原稿画像データの画素に対応する位置の基準画像データの画素を検出し、それらの画素値を色成分の組合せごとに対応付けて画素値対応付けデータを作成する。同様に、幾何学変換パラメータを用いて、原稿画像データの画素に対応する位置のユーザ画像データの画素を検出し、それらの画素値を色成分の組合せごとに対応付けて画素値対応付けデータを作成する。
色再現特性推定部304は、画素値対応付けデータを用いて、基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を推定する。
色変換部305は、基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて、原稿画像データに色変換を施す。
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る画像処理システムの処理の詳細について説明する。
≪基準色再現特性の推定処理≫
図7は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図7では、画像読取部301が基準印刷物を読み取り、色再現特性推定部304が基準色再現特性を推定するまでの処理について説明する。
画像読み取り部301は、基準印刷物を読み取り、基準画像データを生成する(ステップS101)。
幾何学変換パラメータ推定部302は、原稿画像データと基準画像データの位置を合わせる(ステップS102)。
2つの画像データの位置合わせを行うに先立って、幾何学変換パラメータ推定部302は、原稿画像データを基準とした時の基準画像データの幾何学変換パラメータを求める。幾何学変換パラメータの例としては、変位量、回転角、変倍率などがある。幾何学パラメータの推定には公知の技術を用いればよい。その例としては、マーカーを用いる方法や、マーカーを用いないパターンマッチング法や位相限定相関法などが挙げられる。
a) マーカーを用いる方法
「トンボ」と呼ばれるマーカーを原稿画像データの四隅や各辺の中央に配置したうえで出力し、基準画像データを読み取った際に、このトンボマーカの位置のずれを用いて、変位量や回転角、変倍率を求める方法である。
b) パターンマッチング法を用いる方法
変位量のみを推定する方法の一例としては、テンプレートマッチング法が挙げられる。テンプレートマッチング法は一方の画像をテンプレートとし、位置を少しずつずらしながら他方の画像と一致度を求め、最も一致度の高くなる位置を検出するものである。幾何学変換が変位だけに限定できない場合には、回転角を推定する方法(ハフ変換など)や変倍量を推定する方法(マルチスケール解析など)と組み合わせて利用する必要がある。
テンプレートマッチングを応用したブロックマッチング法では、一方の画像をブロックに分割し、ブロックごとに他方の画像と最も一致度の高くなる位置を検出することにより変位量を求めることができる。ブロックマッチング法では、ブロックごとの変位量から回転角や変倍率を推定することも可能である。
c) 位相限定相関法を用いる方法
高い精度で変位量や回転角、変倍率を求める方法の例として、位相限定相関法(POC、Phase Only Correlation)や回転不変位相限定相関法(RIPOC、Rotation Invariant Phase Only Correlation)がある。位相限定相関法は、画像に対して離散フーリエ変換をかけて得られる位相画像を用い、比較対象の二枚の画像から得られる二つの位相画像の相関が最も高くなる位置を検出することにより、変位量を求める手法である。また、回転不変位相限定相関法は、上記位相画像を対数極座標変換することにより、回転角と変倍率を変換された位相画像上での変位量として検出できるようにしたものである。
以上により幾何学変換パラメータが求まったら、幾何学変換パラメータ推定部302は基準画像データに幾何学変換を実行する。変換に際してサブピクセル精度の移動や何らかの回転、実数値での変倍などにより変換前後の画素が一対一で対応付かないようなケースでは、適宜画素補間手法を用いて画素値を導出すればよい。画素補間手法の例としては、バイリニア法、バイキュービック法などが挙げられる。
なお、幾何学変換は必須ではなく、次ステップにおいて原稿画像データと基準画像データにおいて同じ位置の画素を取得する際に、幾何学変換パラメータを用いて座標変換を行い、同じ位置か否かを判断することによって代替してもよい。後者を換言すれば、各画像の原点を基準とする座標系では異なる座標値を保持していても、幾何学変換の結果、同じ座標値となる画素を「同じ位置の画素」と見なすことになる。
原稿画像データを出力して得られた印刷物には画像の周囲に余白が存在するケースが存在する。この様なケースでは、幾何学変換の変位量に余白部分の高さや幅が含まれるため余白部分を参照することはないが、出力画像データにおいて余白部分を排除するように必要な領域を切り出し、各画像における原点の位置を一致させてもよい。
次に、画素値対応付け部303は、原稿画像データと基準画像データの同じ位置の画素値を色成分の組合せごとに対応付ける(ステップS103)。すなわち、画素値対応付け部303は、原稿画像データと基準画像データの位置合わせが完了したら、二つの画像データにおいて対応する画素の画素値を取得し、これらを色成分の組合せごとに対応付けて画素値対応付けデータを作成する。なお、画像データを幾何学変換して位置合わせを行う場合には、「対応する画素」とは「同じ位置にある画素」である。一方、画像データを幾何学変換しない場合には、座標変換によって同じ座標値となる位置を「同じ位置」とし、その位置に存在する画素を「対応する画素」と見なす。
画素値を色成分の組合せごとに対応付けて記録する方法の例としては、リスト形式で記録する方法がある。原稿画像データと基準画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるケースを想定して説明する。
画素値のリストへの記録は次の手順で行う。
1)リストを1枚用意する
2)原稿画像データのある座標を選択する
3)2)で選択された原稿画像データの画素のR成分値(Rin)と、G成分値(Gin)と、B成分値(Bin)と、基準画像データの対応する画素のR成分値(Rout1)と、G成分値(Gout1)と、B成分値(Bout1)と、を束ねてリストに追加する
4)これを原稿画像データの全ての座標について繰り返す
これらのリストは必要に応じて昇順や降順に並び替えてもよい。処理を簡略化するために、原稿画像データの全ての座標について繰り返すのではなく、特定の範囲に限定したり、所定の刻み幅で座標を移動したりしてもよい。なお、リスト形式で記録したデータの一例を図8に示す。図8では、左半分に原稿画像データの画素の各成分値(Rin, Gin, Bin)が記録されており、右半分に基準画像データの対応する画素各成分値(Rout1, Gout1, Bout1)が記録されている。
なお、画素値対応付けデータを生成する際には、画像データ(原稿画像データ、基準画像データ)のコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であり、画素値の対応付けに誤りが発生する可能性があるためである。画素値対応付けに誤りが発生すると、後述する色再現特性の推定精度を低下させてしまう。
輪郭部分を検出する方法としては、例えば、二値化を用いる方法や、エッジ検出を用いる方法がある。
二値化を用いる方法としては、例えば、画像データを所定の閾値で白黒に二値化し、白い領域と黒い領域とが隣接する箇所を輪郭部分として判断する方法がある。
エッジ検出を用いる方法としては、例えば、画像データからSobel法などを用いてエッジ画像を生成し、これを所定の閾値で二値化して閾値以上の画素を輪郭部分として判断する方法がある。
なお、輪郭部分を除去せずに、上記の推定精度の低下を緩和する方法もある。例えば、画像データを平滑化して輪郭部分を滑らかにし、輪郭部分で出現する色差を低減するというものである。平滑化には、平均化フィルタやローパスフィルタなど従来技術を用いればよい。
次に、色再現特性推定部304は、基準色再現特性を推定する(ステップS104)。すなわち、ステップS103で生成した画素値対応付けデータを用いて、原稿画像データのある画素値が基準画像データのどの画素値が対応付くかを求める。ステップS103と同様に原稿画像データと基準画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるとして説明する。
基準色再現特性の推定とは、画素値対応付けデータを用いて、原稿画像データの色成分値(Rin, Gin, Bin)から基準画像データの色成分値(Rout1, Gout1, Bout1)への色変換を行なう際の対応関係を表す色変換特性を推定することである。
基準色再現特性を推定する方法としては、例えば次のような多項式関数近似が挙げられる。
Figure 2015111801
ここで、Xは原稿画像データの色成分値[Rin, Gin, Bin]t、Yは基準画像データの色成分値[Rout1, Gout1, Bout1]t、MSは補正係数行列、fは補正関数である。補正関数f(X)は、
f(X)=[Rin, Gin, Bin, Rin 2, Gin 2, Bin 2, RinGin, GinBin, BinRin, Rin 3, Gin 3, Bin 3, Rin 2Gin, Gin 2Bin, Bin 2Rin, ・・・, 1]t
などが用いられる。原稿画像データと基準画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rin, Gin, Bin]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
補正係数MSは、例えば最小2乗法により求めることができる。画素値対応付けデータに記憶されたN個の基準画像データの色成分値Y(n)(n=1〜N)に対応する原稿画像データの色成分値X(n)(n=1〜N)を用いて、
Figure 2015111801
の最小条件により、次式で計算される。
Figure 2015111801
ここで、YN及びXNはN個の画素値対応付けデータ行列を表し、YNは基準画像データの色成分値行列であり、XNは原稿画像データの色成分値行列を表す。
Figure 2015111801
Figure 2015111801
ここで、Rout1(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目の基準画像データのR成分値を表し、Rin(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目の原稿画像データのR成分値を表す(Gout1(n)、Bout1(n)、Gin(n)、Bin(n)も同様である)。
f(XN)は、原稿画像データの色成分値の関数項行列で、2次関数の場合を例にとれば、次の10×Nの行列となる。
Figure 2015111801
なお、基準色再現特性の推定に用いる関数項は、複数の色成分値を基にした多次元のデータであれば、上述したものに限定されるものではない。また、基準色再現特性の推定方法の一例として多項式近似を挙げたが、その他にも画素値対応付けデータを学習データに用いたニューラルネットワークなどで特性を推定することも可能である。また、ステップS103で生成した画素値対応付けデータにおいて原稿画像データの全ての座標について対応関係を記録してある場合には、画素値対応付けデータをそのまま基準色再現特性として用いることもできる。
≪ユーザ色再現特性の推定処理≫
図9は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図9では、画像読取部301がユーザ印刷物を読み取り、色再現特性推定部304がユーザ色再現特性を推定するまでの処理について説明する。
ステップS201〜ステップS203の処理は、それぞれ図7のステップS101〜ステップS103の処理において「基準画像データ」を「ユーザ画像データ」と読み替える。すると、ステップS201〜ステップS203の処理は、それぞれ図7のステップS101〜ステップS103の処理と同様のため説明を省略する。
ステップS203においてリスト形式で記録したデータの一例を図10に示す。図10では、左半分に原稿画像データの画素の各成分値(Rin, Gin, Bin)が記録されており、右半分にユーザ画像データの対応する画素各成分値(Rout2, Gout2, Bout2)が記録されている。
次に、色再現特性推定部304は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する(ステップS204)。すなわち、ステップS203で生成した画素値対応付けデータを用いて、ユーザ画像データのある画素値が原稿画像データのどの画素値が対応付くかを求める。ステップS103と同様にユーザ画像データと原稿画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるとして説明する。
ユーザ色再現特性の逆特性の推定とは、画素値対応付けデータを用いて、ユーザ画像データの色成分値(Rout2, Gout2, Bout2)から原稿画像データの色成分値(Rin, Gin, Bin)への色変換を行なう際の対応関係を表す色変換特性を推定することである。
ユーザ色再現特性の逆特性を推定する方法としては、例えば次のような多項式関数近似が挙げられる。
Figure 2015111801
ここで、Xはユーザ画像データの色成分値[Rout2, Gout2, Bout2]t、Yは原稿画像データの色成分値[Rin, Gin, Bin]t、MSは補正係数行列、fは補正関数である。補正関数f(X)は、
f(X)=[Rout2, Gout2, Bout2, Rout2 2, Gout2 2, Bout2 2, Rout2Gout2, Gout2Bout2, Bout2Rout2, Rout2 3, Gout2 3, Bout2 3, Rout2 2Gout2, Gout2 2Bout2, Bout2 2Rout2, ・・・, 1]t
などが用いられる。ユーザ画像データと原稿画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rout2, Gout2, Bout2]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
補正係数MSは、例えば最小2乗法により求めることができる。画素値対応付けデータに記憶されたN個の原稿画像データの色成分値Y(n)(n=1〜N)に対応するユーザ画像データの色成分値X(n)(n=1〜N)を用いて、
Figure 2015111801
の最小条件により、次式で計算される。
Figure 2015111801
ここで、YN及びXNはN個の画素値対応付けデータ行列を表し、YNは基準画像データの色成分値行列であり、XNは原稿画像データの色成分値行列を表す。
Figure 2015111801
Figure 2015111801
ここで、Rout2(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目のユーザ画像データのR成分値を表し、Rin(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目の原稿画像データのR成分値を表す(Gout2(n)、Bout2(n)、Gin(n)、Bin(n)も同様である)。
f(XN)は、原稿画像データの色成分値の関数項行列で、2次関数の場合を例にとれば、次の10×Nの行列となる。
Figure 2015111801
なお、ユーザ色再現特性の逆特性の推定に用いる関数項は、複数の色成分値を基にした値を含む多次元のデータであれば、上述したものに限定されるものではない。また、ユーザ色再現特性の逆特性の推定方法の一例として多項式近似を挙げたが、その他にも画素値対応付けデータを学習データに用いたニューラルネットワークなどで特性を推定することも可能である。ただし、ステップS104とは異なり、ステップS203で生成した画素値対応付けデータをそのままユーザ色再現特性の逆特性として用いることはできない。これは、基準画像データにある画素値の色成分の組合せが、ユーザ画像データ内にあるとは限らないため、画素値対応付けデータには存在しない画素値の色成分の組合せに対しても、推定する必要があるためである。
≪色変換処理≫
続いて、色変換処理の詳細について説明する。図11は、色変換処理の一例のフローチャートである。
まず、色再現特性推定部304は、基準色再現特性を推定する(ステップS301)。すなわち、図7を用いて説明した基準色再現特性の推定処理を行う。なお、本ステップは1回だけ実行すればよい。仮に複数回実行する場合、本ステップで使用する原稿画像データはオリジナルのものを用い、色変換後のものを用いないことに留意する必要がある。
次に、例えばユーザはユーザプリンタ200で原稿画像データを印刷する(ステップS302)。ユーザプリンタ200を用いて原稿画像データを印刷することにより、ユーザ印刷物を得る。
色変換部305は、ユーザ印刷物を評価する(ステップS303)。そして、ユーザ印刷物と基準印刷物とを比較してユーザ印刷物の品質を評価する(ステップS304)。
ユーザ印刷物の品質が十分であれば(ステップS304のYes)、処理を終了し、そうでなければ(ステップS304のNo)、次ステップS305に進む。
ユーザ印刷物の品質を評価する方法の例として、基準印刷物との色差を用いる方法がある。他の例としては、色相差を用いる方法や、各色成分の差の絶対値を用いる方法もある。
a) 色差を用いる評価方法
色差とは、L*a*b*色空間やL*u*v*色空間における二つの色の距離である。本実施例は画像出力機器としてプリンタを用いていることからL*a*b*色空間を用いて説明する。
L*a*b*色空間の色差ΔE*abは以下の式で定義される。
Figure 2015111801
ここで、(ΔL*, Δa* ,Δb*)はL*a*b*色空間における2色の色度差である。
基準印刷物とユーザ印刷物の色差を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ印刷物を(1)と同じスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)デバイス非依存の色空間に変換された基準画像データとユーザ画像データとをL*a*b*色空間に変換する
(5)上式により画素ごとの色差を求める
基準印刷物とユーザ印刷物とを同じスキャナ300で読み取るとしているが、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換できる条件の元で、二つの印刷物を別々のスキャナ300で読み取ってもよい。
スキャナ300を一台のみ使用する場合には、カラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではない。色差の値を定量的に評価するケースでは、絶対的な値が重要であるためデバイス非依存の色空間への変換が必要であるが、色差の値を定性的に評価するケースでは相対的な傾向がつかめればよいためデバイス非依存の色空間への変換を省略してもよい。
画素ごとの色差が求まったら、この情報を統計的に分析し、ユーザ印刷物の品質を定量的に評価することができる。分析方法の例としては、色差の平均値、最大値、値の分布、分散などが挙げられる。
品質が十分であるか否かの判断は、
・平均色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・最大色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・分散が所定の値以内に収まっているか否か、
などの基準で判断することができる。なお、ユーザ印刷物の品質を評価する際には、画像データのコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、
・後の処理で必要な位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であること、
・プリンタによって輪郭部分の再現性が異なること (色味やシャープなど)
などの理由から、輪郭部分で大きな色差が出現する可能性があるためである。
輪郭部分の面積は全印刷物の面積のごく一部であるため、目視による全体的な色の評価に与える影響は限定的である。一方、定量的な評価においては、上述の輪郭部分の大きな色差が外れ値として評価結果の信頼性を低下させる懸念があることから、輪郭部分のデータを無視する方が高い精度の評価結果が期待できる。
輪郭部分を検出する方法の例としては、二値化を用いる方法や、エッジ検出を用いる方法が挙げられる。二値化を用いる方法の一例としては、画像データを所定の閾値で白黒に二値化し、白い領域と黒い領域とが隣接する箇所を輪郭部分として判断する方法がある。エッジ検出を用いる方法の一例としては、画像データからSobel法などを用いてエッジ画像を作成し、これを所定の閾値で二値化して閾値以上の画素を輪郭部分として判断する方法がある。
輪郭部分を除去せずに、上記課題を緩和する方法もある。例えば、画像データを平滑化して輪郭部分を滑らかにし、輪郭部分で出現する色差を低減するというものである。平滑化には、平均化フィルタやローパスフィルタなど従来技術を用いればよい。
また、上記例では色差式にCIE1976色差式を用いて説明したが、この色差式に限定されるものではなく、CIE1994色差式やCIE2000色差式、CMC(1:c)色差式などを用いてもよい。
b) 色相差を用いる評価方法
L*a*b*色空間の色相差ΔH*abは次式で定義される。
Figure 2015111801
ここで、ΔE*abは色差、(ΔL*, Δa* , Δb*)は2色の色度差、ΔC*abはクロマの差ある。クロマC*abは次式で定義される。
Figure 2015111801
基準印刷物とユーザ印刷物の色相差を求める手順は色差を求める手順と同じであるが、色差ではなく色相差を算出する。また、統計的な分析方法や品質の判定方法も同様である。
c) 各色成分の差の絶対値を用いる評価方法
所定の色空間において、基準印刷物とユーザ印刷物との各色成分の差の絶対値を取り、評価を行う方法である。RGB色空間を例に取れば、R成分値の絶対値の差、G成分値の絶対値の差、B成分値の絶対値の差を用いる。
基準印刷物とユーザ印刷物の各色成分の差の絶対値を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準印刷物をスキャナ300により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ印刷物を1)と同じスキャナ300により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをスキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)変換後の色空間において、画素ごとに各色成分値の差の絶対値を求める。
なお、色差のケースと同様に、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではなく、スキャナ300のデバイス依存の色空間で直接差の絶対値を求めてもよい。また、統計的な分析方法や品質の判定方法は色差のケースと同様である。
次に、色再現特性推定部304は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する(ステップS305)。すなわち、図9を用いて説明したユーザ色再現特性の推定処理を行う。
続いて、色変換部305は、推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を評価する(ステップS306)。推定した色再現特性が妥当であれば(ステップS307のYes)、次ステップS308に進み、そうでなければ(ステップS307のNo)、処理を終了する。
色再現特性が妥当か否かを判断するのは、この特性で色変換を実行することに意味があるか否かを判断するためであり、色変換の収束判定と換言することもできる。このため、ステップS307は必要に応じて省略しても良い。色変換を実行する意味がない例としては、次のようなものが挙げられる。
a)推定した色再現特性の推定精度が極端に低いケース
このような場合、色変換を施しても基準印刷物の色に合わせることができないので変換しないことが好ましい。
b)色変換の変換前後で画像データがほとんど変化しないケース
このような場合、色変換を実行する意味がない。
c)色変換の変換前後で画像データが極端に変化するケース
このような場合、色変換はユーザ印刷物の色を大きく変化させるので変換しないことが好ましい。
上記a)で記載の色再現特性の妥当性を判断する基準の例としては、実測値と推定値がどれだけ離れているかが挙げられる。基準色再現特性を例にとれば、画素値対応付けデータに登録されている基準画像データの値(実測値)と基準色再現特性で推定した値(推定値)の差を用いる。
この離れ具合を測る尺度の例としては、
・実測値と推定値の差の絶対値を累積した値
・実測値と推定値の二乗を累積した値
・実測値と推定値の差の絶対値の最大値
・実測値と推定値との相関係数
などが挙げられる。
また、上記b)、c)で記載の色再現特性の妥当性を判断する基準の例としては、色変換において画素値がどれだけ変換するかが挙げられる。RGB色空間を例に取れば、変換前後のR成分値の差、変換前後のG成分値の差、変換前後のB成分値の差を用いる。
この変換度合いを測る尺度の例としては、
・変換前後の画素値の差の絶対値を累積した値
・変換前後の画素値の差の二乗を累積した値
・変換前後の画素値の差の絶対値の最大値
などが挙げられる。
これらの尺度で計測して得られる評価値が予め決められた所定の範囲内に存在することで、色再現特性が妥当であると判断することができる。
続いて、色変換部305は、原稿画像データを色変換する(ステップS308)。すなわち、推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて原稿画像データに色変換を施し、原稿画像データを更新する。
推定した基準色再現特性S(P1(x))と、ユーザ色再現特性S(P2(x))の逆特性P2 -1(S-1(x))を用いて原稿画像データに色変換を施す手順の一例を以下に示す。
(1)基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s= S(P1(a))を得る
(2)ユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b= P2 -1(S-1(s))を得る。すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))なる組合せ(a, b)を求める
(3)原稿画像データの色aをbに変換する
これによって、一連の流れが完了する。色変換は、予め定められた所定の回数だけ繰り返し行われる。よって、色変換の回数が所定の回数に達したら(ステップS309のYes)、処理は終了する。色変換は1回だけ実行されても、十分な色変換が実現できると考えらえるが複数回実行することで色合わせの精度を向上できる。
継続する場合(ステップS309のNo)、色変換済みの原稿画像データを入力としてユーザプリンタ200から印刷(ステップS302)、同様の処理を行う。なお、次のループで用いる原稿画像データは全て色変換済みのものである。
図11の手順では、終了条件の判定が3つ設定されているが、これら全てを設定する必要はない。必要に応じて適宜省略してもよいが、何れか1つは少なくとも設定されることが望ましい。
本実施例では、スキャナ300で読み取った際に使用された色空間をそのまま使用しているが、この色空間はデバイス依存の色空間であるため、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することが望ましい。デバイス非依存の色空間の例としては、デバイス非依存のRGB色空間、XYZ色空間などが挙げられる。更に、L*a*b*色空間など均等色空間に変換すればなおよい。
スキャナ300で読み取った基準画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須であるが、原稿画像データと基準画像データ、または原稿画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須ではない。例えば、原稿画像データの色空間がCMYK色空間であり、基準画像データとユーザ画像データがRGB色空間であっても構わない。
(実施例2)
本実施例では第一の画像出力機器としてディスプレイを、第二の画像出力機器としてプロジェクタを、画像読み取り部としてデジタルカメラを用いる例について説明する。なお、本実施例では二つの画像出力機器は共にユーザの管理下にあるため、カラーチャートを表示するなどしてカラープロファイルを得ることができる。しかし、本実施例の方法を用いることで、カラープロファイルを使わずに色合わせすることができる。
<システム構成>
図12は、本実施例の画像処理システム600の構成図の一例を示す。本実施例の画像処理システム600は、ネットワークを介して接続された、コンピュータ100、プロジェクタ800、及び、デジタルカメラ900を有する。
図12と図2を比較すると、
a)ディスプレイ109が基準プリンタ400に対応し
b)ディスプレイ109の基準表示画面が基準印刷物に対応し
c)プロジェクタ800がユーザプリンタ200に対応し
d)プロジェクタ800が投影したユーザ表示画面がユーザ印刷物に対応し、
e)デジタルカメラ900がスキャナ300に対応する。
また、実施例1では画像出力機器としてプリンタを採用したため、均等色空間としてL*a*b*色空間を用いたが、実施例2では画像出力機器としてディスプレイ109やプロジェクタ800を採用するため、均等色空間としてL*u*v*色空間を用いる。なお、機能ブロック図は実施例1と同様なので省略する。
<処理の詳細>
≪色変換処理≫
図13は、画像処理システム600又はMFP700の色変換処理の一例のフローチャート図である。図13の手順は図11とほぼ同様であり、登場する機器が異なっている。図13において図11と同等の処理は説明を簡略化する。
色再現特性推定部304などが、ディスプレイ109の色再現特性を推定する(ステップS401)。すなわち、ディスプレイ109で出力された基準表示画面と、原稿画像データからディスプレイ109の色再現特性を推定する。
次に、ユーザはプロジェクタ800で原稿画像データを投影する(ステップS402)。プロジェクタ800を用いて原稿画像データを投影することにより、ユーザ表示画面を得る。ユーザは、ユーザ表示画面をデジタルカメラ900を用いて読み取る。
次に、色変換部305は、ユーザ表示画面を評価する(ステップS403)。すなわち、ユーザ表示画面と基準表示画面とを比較してユーザ表示画面の品質を評価する(ステップS403)。ユーザ表示画面の品質が十分であれば(ステップS404のYes)、処理を終了し、そうでなければ(ステップS404のNo)、次ステップS405に進む。
ユーザ表示画面の品質を評価する方法の例としては、基準表示画面との色差を用いる方法がある。他の例としては、色相差を用いる方法や、各色成分の差の絶対値を用いる方法もある。なお、品質の評価は目視で行ってもよい。品質の評価方法は実施例1とほぼ同じである。
a) 色差を用いる評価方法
色差とは、L*a*b*色空間やL*u*v*色空間における二つの色の距離である。本実施例は画像出力機器としてディスプレイを用いていることからL*u*v*色空間を用いて説明する。
L*u*v*色空間の色差ΔE*uvは以下の式で定義される。
Figure 2015111801
ここで、(ΔL*, Δu* ,Δv*)はL*u*v*色空間における2色の色度差である。
基準表示画面とユーザ表示画面の色差を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準表示画面をデジタルカメラ900により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ表示画面を(1)と同じデジタルカメラ900により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをデジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)デバイス非依存の色空間に変換された基準画像データとユーザ画像データとをL*u*v*色空間に変換する
(5)上式により画素ごとの色差を求める
基準表示画面とユーザ表示画面とを同じデジタルカメラ900で読み取るとしているが、デジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換できる条件の元で、二つの表示画面を別々のデジタルカメラ900で読み取ってもよい。
デジタルカメラ900を一台のみ使用する場合には、カラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではない。色差の値を定量的に評価するケースでは、絶対的な値が重要であるためデバイス非依存の色空間への変換が必要であるが、色差の値を定性的に評価するケースでは相対的な傾向がつかめればよいためデバイス非依存の色空間への変換を省略してもよい。
画素ごとの色差が求まったら、この情報を統計的に分析し、ユーザ表示画面の品質を定量的に評価することができる。分析方法の例としては、色差の平均値、最大値、値の分布、分散などが挙げられる。
品質が十分であるか否かの判断は、
・平均色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・最大色差が所定の値以内に収まっているか否か、
・分散が所定の値以内に収まっているか否か、
などの基準で判断することができる。なお、ユーザ表示画面の品質を評価する際には、画像データのコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。これは、
・後の処理で必要な位置合わせにおいて、輪郭部分を完全に合わせることが困難であること、
・プリンタによって輪郭部分の再現性が異なること (色味やシャープなど)
などの理由から、輪郭部分で大きな色差が出現する可能性があるためである。
輪郭部分の面積は全印刷物の面積のごく一部であるため、目視による全体的な色の評価に与える影響は限定的である。一方、定量的な評価においては、上述の輪郭部分の大きな色差が外れ値として評価結果の信頼性を低下させる懸念があることから、輪郭部分のデータを無視する方が高い精度の評価結果が期待できる。
輪郭部分を検出する方法の例としては、二値化を用いる方法や、エッジ検出を用いる方法が挙げられる。二値化を用いる方法の一例としては、画像データを所定の閾値で白黒に二値化し、白い領域と黒い領域とが隣接する箇所を輪郭部分として判断する方法がある。エッジ検出を用いる方法の一例としては、画像データからSobel法などを用いてエッジ画像を作成し、これを所定の閾値で二値化して閾値以上の画素を輪郭部分として判断する方法がある。
輪郭部分を除去せずに、上記課題を緩和する方法もある。例えば、画像データを平滑化して輪郭部分を滑らかにし、輪郭部分で出現する色差を低減するというものである。平滑化には、平均化フィルタやローパスフィルタなど従来技術を用いればよい。
b) 色相差を用いる評価方法
L*u*v*色空間の色相差ΔH*uvは次式で定義される。
Figure 2015111801
ここで、ΔE*uvは色差、(ΔL*, Δu* ,Δv*)は2色の色度差、ΔC*uvはクロマの差ある。クロマC*uvは次式で定義される。
Figure 2015111801
基準表示画面とユーザ表示画面の色相差を求める手順は色差を求める手順と同じであるが、色差ではなく色相差を算出する。また、統計的な分析方法や品質の判定方法も同様である。
c) 各色成分の差の絶対値を用いる評価方法
所定の色空間において、基準表示画面とユーザ表示画面との各色成分の差の絶対値を取り、評価を行う方法である。RGB色空間を例に取れば、R成分値の絶対値の差、G成分値の絶対値の差、B成分値の絶対値の差を用いる。
基準表示画面とユーザ表示画面の各色成分の差の絶対値を求める手順の一例を以下に示す。
(1)基準表示画面をデジタルカメラ900により読み取り基準画像データを得る
(2)ユーザ表示画面を1)と同じデジタルカメラ900により読み取りユーザ画像データを得る
(3)基準画像データとユーザ画像データとをデジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間(XYZ色空間など)に変換する
(4)変換後の色空間において、画素ごとに各色成分値の差の絶対値を求める。
なお、色差のケースと同様に、デジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することは必須ではなく、デジタルカメラ900のデバイス依存の色空間で直接差の絶対値を求めてもよい。また、統計的な分析方法や品質の判定方法は色差のケースと同様である。
次に、色再現特性推定部304は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する(ステップS405)。すなわち、図9を用いて説明したユーザ色再現特性の推定処理を行う。
続いて、色変換部305は、推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を評価する(ステップS406)。推定した色再現特性が妥当であれば(ステップS407のYes)、次ステップS408に進み、そうでなければ(ステップS407のNo)、処理を終了する。
色再現特性が妥当か否かを判断するのは、この特性で色変換を実行することに意味があるか否かを判断するためであり、色変換の収束判定と換言することもできる。このため、ステップS307は必要に応じて省略しても良い。色変換を実行する意味がない例としては、次のようなものが挙げられる。
a)推定した色再現特性の推定精度が極端に低いケース
このような場合、色変換を施しても基準表示画面の色に合わせることができないので変換しないことが好ましい。
b)色変換の変換前後で画像データがほとんど変化しないケース
このような場合、色変換を実行する意味がない。
c)色変換の変換前後で画像データが極端に変化するケース
このような場合、色変換はユーザ表示画面の色を大きく変化させるので変換しないことが好ましい。
上記a)で記載の色再現特性の妥当性を判断する基準の例としては、実測値と推定値がどれだけ離れているかが挙げられる。基準色再現特性を例にとれば、画素値対応付けデータに登録されている基準画像データの値(実測値)と基準色再現特性で推定した値(推定値)の差を用いる。
この離れ具合を測る尺度の例としては、
・実測値と推定値の差の絶対値を累積した値
・実測値と推定値の二乗を累積した値
・実測値と推定値の差の絶対値の最大値
・実測値と推定値との相関係数
などが挙げられる。
また、上記b)、c)で記載の色再現特性の妥当性を判断する基準の例としては、色変換において画素値がどれだけ変換するかが挙げられる。RGB色空間を例に取れば、変換前後のR成分値の差、変換前後のG成分値の差、変換前後のB成分値の差を用いる。
この変換度合いを測る尺度の例としては、
・変換前後の画素値の差の絶対値を累積した値
・変換前後の画素値の差の二乗を累積した値
・変換前後の画素値の差の絶対値の最大値
などが挙げられる。
これらの尺度で計測して得られる評価値が予め決められた所定の範囲内に存在することで、色再現特性が妥当であると判断することができる。
続いて、色変換部305は、原稿画像データを色変換する(ステップS408)。すなわち、推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて原稿画像データに色変換を施し、原稿画像データを更新する。
推定した基準色再現特性S(P1(x))と、ユーザ色再現特性S(P2(x))の逆特性P2 -1(S-1(x))を用いて原稿画像データに色変換を施す手順を以下に示す。
1)基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s= S(P1(a))を得る
2)ユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く原稿画像データの色b= P2 -1(S-1(s))を得る。すなわち、S(P1(a))=s=S(P2(b))なる組合せ(a, b)を求める
3)原稿画像データの色aをbに変換する
これによって、一連の流れが完了する。色変換は、予め定められた所定の回数だけ繰り返し行われる。よって、色変換の回数が所定の回数に達したら(ステップS309のYes)、処理は終了する。色変換は1回だけ実行されても、十分な色変換が実現できると考えらえるが複数回実行することで色合わせの精度を向上できる。
継続する場合(ステップS309のNo)、色変換済みの原稿画像データを入力としてプロジェクタ800から投影(ステップS402)、同様の処理を行う。なお、次のループで用いる原稿画像データは全て色変換済みのものである。
図13の手順では、終了条件の判定が3つ設定されているが、これら全てを設定する必要はない。必要に応じて適宜省略してもよいが、何れか1つは少なくとも設定されることが望ましい。
本実施例では、デジタルカメラ900で読み取った際に使用された色空間をそのまま使用しているが、この色空間はデバイス依存の色空間であるため、デジタルカメラ900のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することが望ましい。デバイス非依存の色空間の例としては、デバイス非依存のRGB色空間、XYZ色空間などが挙げられる。更に、L*u*v*色空間など均等色空間に変換すればなおよい。
デジタルカメラ900で読み取った基準画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須であるが、原稿画像データと基準画像データ、または原稿画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須ではない。例えば、原稿画像データの色空間がRGB色空間であり、基準画像データとユーザ画像データがL*u*v*色空間であっても構わない。
(実施例3)
本実施例は、実施例1のように繰り返し処理を行う際に、その都度色変換済みの原稿画像データをユーザプリンタ200で印刷したユーザ印刷物を、スキャナで読み取ってユーザ画像データを生成するのではなく、推定したユーザ色再現特性と色変換済み原稿画像データを用いてユーザ画像データを生成する。このような方法により、繰り返し処理における印刷の手間やスキャンの手間、損紙を低減することができる。
システム構成は、実施例1と同様であるため省略する。
<機能構成>
図14は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である。図14は、図6と比較すると色再現特性推定部306の機能が異なっている。実施例1と共通する機能ブロックの説明は省略し、色再現特性推定部306について説明する。
色再現特性推定部306は、画素値対応付けデータを用いて、基準色再現特性、ユーザ色再現特性、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する(図6と比較して、ユーザ色再現特性の推定が追加されている)。
<処理の詳細>
≪ユーザ色再現特性の推定処理≫
図15は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図15は、図9と比較すると、ステップS505の処理が追加されている。ステップS501〜S504の処理は、図9のステップS201〜S204の処理と同様であるため説明を省略する。
色再現特性推定部306は、ユーザ色再現特性を推定する(ステップS505)。すなわち、ステップS503で生成した画素値対応付けデータを用いて、原稿画像データのある画素値がユーザ画像データのどの画素値と対応付くかを求める。ステップS203と同様にユーザ画像データと原稿画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるとして説明する。
ユーザ色再現特性の推定とは、画素値対応付けデータを用いて、原稿画像データの色成分値(Rin, Gin, Bin)からユーザ画像データの色成分値(Rout2, Gout2, Bout2)への色変換を行なう際の対応関係を表す色変換特性を推定することである。
ユーザ色再現特性を推定する方法としては、例えば次のような多項式関数近似が挙げられる。
Figure 2015111801
ここで、Xは原稿画像データの色成分値[Rin, Gin, Bin]t、Yはユーザ画像データの色成分値[Rout2, Gout2, Bout2]t、MSは補正係数行列、fは補正関数である。補正関数f(X)は、
f(X)=[Rin, Gin, Bin, Rin 2, Gin 2, Bin 2, RinGin, GinBin, BinRin, Rin 3, Gin 3, Bin 3, Rin 2Gin, Gin 2Bin, Bin 2Rin, ・・・, 1]t
などが用いられる。ユーザ画像データと原稿画像データとの間が線形歪みをもつときは、補正係数f(X)=[Rin, Gin, Bin]tの3項に、3×3の補正係数行列MSを操作した線形変換による推定で十分であるが、複雑な非線形歪みをもつときは高次の関数項を用いて高精度の色再現特性の推定が必要となる。
補正係数MSは、例えば最小2乗法により求めることができる。画素値対応付けデータに記憶されたN個の原稿画像データの色成分値Y(n)(n=1〜N)に対応するユーザ画像データの色成分値X(n)(n=1〜N)を用いて、
Figure 2015111801
の最小条件により、次式で計算される。
Figure 2015111801
ここで、YN及びXNはN個の画素値対応付けデータ行列を表し、YNはユーザ画像データの色成分値行列であり、XNは原稿画像データの色成分値行列を表す。
Figure 2015111801
Figure 2015111801
ここで、Rout2(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目のユーザ画像データのR成分値を表し、Rin(n)は画素値対応付けデータに登録されているn番目の原稿画像データのR成分値を表す(Gout2(n)、Bout2(n)、Gin(n)、Bin(n)も同様である)。
f(XN)は、原稿画像データの色成分値の関数項行列で、2次関数の場合を例にとれば、次の10×Nの行列となる。
Figure 2015111801
なお、ユーザ色再現特性の推定に用いる関数項は、複数の色成分値を基にした値を含む多次元のデータであれば、上述したものに限定されるものではない。また、ユーザ色再現特性の推定方法の一例として多項式近似を挙げたが、その他にも画素値対応付けデータを学習データに用いたニューラルネットワークなどで特性を推定することも可能である。また、ステップS503で生成した画素値対応付けデータにおいて原稿画像データの全ての座標について対応関係を記録してある場合には、画素値対応付けデータをそのままユーザ色再現特性として用いることもできる。
≪色変換処理≫
図16は、色変換処理の一例のフローチャートである。図16は、図11と比較するとステップS605においてユーザ色再現特性も推定する点で異なる。また、ステップS610の処理が追加されている。ステップS601〜S604及びステップS606〜S609の処理は、それぞれ図11のステップS301〜S304及びステップS306〜S309の処理と同様であるため説明を省略する。
色再現特性推定部306は、原稿画像データとユーザ画像データから、ユーザ色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を推定する(ステップS605)。すなわち、図15を用いて説明したユーザ色再現特性の推定処理を行う。
色変換部305は、ユーザ色再現特性を用いてユーザ画像データを生成する(ステップS610)。すなわち、色変換部305は、ステップS608で色変換を施した色変換済みの原稿画像データと、ステップS605で推定したユーザ色再現特性を用いてユーザ画像データを生成する。
ユーザ色再現特性とは、原稿画像データのある画素値とユーザ画像データのどの画素値が対応づくかということであり、換言すると、原稿画像データの色成分値の組合せから、ユーザ画像データの色成分値の組合せへの色変換と見なすことができる。
推定したユーザ色再現特性S(P2(x))を用いてユーザ画像データを生成する手順を以下に示す。
1)ユーザ色再現特性から、色変換済みの原稿画像データの色aが対応付くユーザ画像データの色s= S(P2(a))を得る
2)原稿画像データの色aをsに変換する
ステップS610の処理終了後、ユーザ画像データを評価し(ステップS603)、処理を継続する。なお、次のループで用いる原稿画像データは全て色変換済みのものである。
図16の手順では、終了条件の判定が3つ設定されているが、これら全てを設定しなければならない訳ではない。必要に応じて適宜省略しても良いが、何れか一方は少なくとも設定されることが望ましい。
本実施例では、スキャナで読み取った際に使用された色空間をそのまま使用しているが、この色空間はデバイス依存の色空間であるため、スキャナのカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することが望ましい。デバイス非依存の色空間の例としては、デバイス非依存のRGB色空間やXYZ色空間、L*a*b*色空間などが挙げられる。
スキャナで読み取った基準画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須であるが、原稿画像データと基準画像データ、又は原稿画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須ではない。例えば、原稿画像データの色空間がCMYK色空間であり、基準画像データとユーザ画像データがRGB色空間であっても構わない。
本実施例では、繰り返し色変換を行う場合、色変換済みの原稿画像データをユーザプリンタ200で印刷し、スキャナで読み取ってユーザ画像データを生成する必要がない。したがって、印刷の手間やスキャンの手間、損紙を低減することができる。
(実施例4)
実施例1から実施例3では、色合わせを行うに際して、原稿画像の色空間全域に対して一様に処理を行っている。このため、画像出力機器の色再現特性が色空間全域に対して均一でない(色空間の部分領域ごとに特性が異なる)場合には、高い精度で色を合わせることができない。
本実施例では、原稿画像の色空間を複数の部分色空間に分割し、分割された部分色空間ごとに画像出力機器間の色再現特性を推定する。これにより、画像出力機器の色再現特性が色空間全域に対して均一でない場合においても、安定且つ高い精度で色を合わせることができる。
本実施例のシステム構成及びハードウェア構成は、実施例1と同様であるため説明を省略する。
<機能構成>
図17は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である。図17は、図6と比較すると色空間分割部307を更に有する構成となっている。実施例1と共通する機能ブロックの説明は省略し、色空間分割部307について説明する。
色空間分割部307は、原稿画像データの色空間を所定の部分色空間に分割する。なお、色空間を分割した結果は、色空間分割情報として画素値対応付け部303に渡される。
<処理の詳細>
≪基準色再現特性の推定処理≫
図18は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図18では、色空間分割部307が原稿画像データの色空間を部分色空間に分割し、色再現特性推定部304がすべての部分色空間の基準色再現特性を推定するまでの処理について説明する。
色空間分割部307は、原稿画像データの色空間を部分色空間に分割する(ステップS701)。
色空間分割部307は、原稿画像データの色空間を所定の基準に従って部分色空間に分割する。分割の基準としては次のようなものが挙げられる。ここでは原稿画像データがRGB画像で各成分が256階調であるケースを例に説明する。
a) 等間隔で分割する
原稿画像データの色空間の各軸を予め決定された間隔で分割するか、予め決定された分割数で間隔を決定することにより、同一体積の部分色空間を作成する方法である。図19は、R軸、G軸、B軸をそれぞれ等間隔で2分割した例である。この方法は最も簡便で汎用的である。
b) 不等間隔で分割する
原稿画像データの色空間の各軸の各階調に属する画素数を用いて、分割された際の各軸の画素数が所定の数又は割合となるように分割幅を適応的に決定する。図20は、R軸、G軸、B軸をそれぞれ不等間隔で2分割した例である。不等間隔で分割する方法の例としては、各軸の各階調に属する画素数の累積出現頻度を等間隔で分割する方法や、各軸の各階調に属する画素数の出現頻度分布を用いる方法が挙げられる。
b−1) 各軸の各階調に属する画素数の累積出現頻度を用いる方法
各軸の各階調に属する画素数の累積出現頻度を等間隔で区切り、区切り位置に対応する階調で分割する方法である。図21は、0から255までの256階調を不等間隔で2分割する例である。縦軸の累積出現頻度の最大値を1.0としたときに、区切り位置として0.5となる階調を求めることにより、分割位置を決定する。この例では、R軸の累積出現頻度が0.5となるR軸の階調a、G軸の累積出現頻度が0.5となるG軸の階調b、B軸の累積出現頻度が0.5となるB軸の階調cが求まる。
b−2) 各軸の各階調に属する画素数の出現頻度分布を用いる方法
図22のように、各軸の各階調に属する画素数の出現頻度分布を作成し、極小となる階調で分割する方法である。この例では、R軸の出現頻度分布が極小となる階調a、G軸の出現頻度分布が極小となる階調b、B軸の出現頻度分布が極小となる階調cが求まる。
c) 色数同数で分割する
原稿画像データの色空間を部分空間に分割するとき、各部分色空間に含まれる色数が同数となるように分割領域を決定する。図23は各部分空間に含まれる色数が同数となるように分割した例である。色数が同数となるように分割する方法の一例を以下に示す。なお、以下では一例として、原稿画像データの色数は32であるとして説明する。
Step1)
原稿画像データの色数(32)が半数(16)となるR軸の階調aを求める。
Step2)
R軸の階調が0からa−1の階調に含まれる色数(16)が半数(8)となるG軸の階調bと、R軸の階調がaから255の階調に含まれる色数(16)が半数(8)となるG軸の階調b'を求める。
Step3)
領域(1)(R軸の階調が0からa−1で、且つ、G軸の階調が0からb−1)に含まれる色数(8)が半数(4)となるB軸の階調cと、領域(2)(R軸の階調が0からa−1で、且つ、G軸の階調がbから255)に含まれる色数(8)が半数(4)となるB軸の階調c'と、領域(3)(R軸の階調がaから255で、且つ、G軸の階調が0からb')に含まれる色数(8)が半数(4)となるB軸の階調c''と、領域(4)(R軸の階調がaから255で、且つ、G軸の階調がb'から255)に含まれる色数(8)が半数(4)となるB軸の階調c'''と、を求める。
ここで、各軸の分割する順番に関しては、特に上記の順番(R軸、G軸、B軸の順番)限定されない。また、色数が半数となる階調の決定方法も、色数が半数となる階調であればどのような方法でもよい。例えば、分割前の階調の中央値を用いる方法などでもよい。
d) クラスタ分析を用いて分割する方法
原稿画像データの色空間を分割する方法として、原稿画像データに含まれる各画素に対してクラスタ分析を用いて分割領域を決定する。ここで、クラスタリング処理する方法の例としては、K-meansアルゴリズムなどが挙げられる。K-meansアルゴリズムとは、予め定めたクラスタ数KとそのK個のクラスタ中心をランダムに決め、サンプル点をK個のクラスタ中心との距離を計算し、最も近いクラスタに分類することで、クラスタリングを行う手法である。クラスタリング時に、同一クラスタに該当するサンプル点の重心を計算し、クラスタ中心の更新を繰り返し、クラスタ中心の更新が収束したら処理を終了させる。分割数(クラスタ数K)は、予め決定しておいた分割数を使用するか、又は画素数などに応じて経験的に決定する方法などが挙げられる。
図24は、K-meansアルゴリズムを用いて原稿画像データの各画素を8個のクラスタに分割した例である。図24(a)は、R軸とG軸の2次元空間にプロットしたものと、R軸とB軸の2次元空間にプロットしたものである。図24(b)は、R軸とG軸とB軸の3次元空間にプロットしたものである(図24(a)と図24(b)は同じデータを用いたものである)。なお、図24(a)及び図24(b)の数字は、クラスタ番号(1〜8)を表している。
次のステップS702及びS703の処理は、それぞれ図7のステップS101及びS102の処理と同様のため、説明を省略する。
次に、画素値対応付け部303は、上記のステップS701で分割した部分色空間ごとに、原稿画像データと、基準画像データの同じ位置の画素値を色成分の組合せごとに対応付ける(ステップS704)。すなわち、画素値対応付け部303は、原稿画像データと基準画像データの位置合わせが完了したら、部分色空間ごとに、二つの画像データにおいて対応する画素の画素値を取得し、これらを色成分の組合せごとに対応付けて画素値対応付けデータを作成する。なお、画像データを幾何学変換して位置合わせを行う場合には、「対応する画素」とは「同じ位置にある画素」である。一方、画像データを幾何学変換しない場合には、座標変換によって同じ座標値となる位置を「同じ位置」とし、その位置に存在する画素を「対応する画素」と見なす。
部分色空間ごとに、画素値を色成分の組合せごとに対応付けて記録する方法の例としては、リスト形式で記録する方法がある。原稿画像データと基準画像データが両方ともRGB画像で各色成分が256階調であるケースを想定して説明する。
画素値のリストへの記録は次の手順で行う。
1)リストを部分色空間の数分用意する
2)原稿画像データのある座標を選択する
3)2)で選択された原稿画像データの画素のR成分値(Rin)と、G成分値(Gin)と、B成分値(Bin)と、基準画像データの対応する画素のR成分値(Rout1)と、G成分値(Gout1)と、B成分値(Bout1)と、を束ねて該当する部分色空間用のリストに追加する
4)これを原稿画像データの全ての座標について繰り返す
これらのリストは必要に応じて昇順や降順に並び替えてもよい。処理を簡略化するために、原稿画像データの全ての座標について繰り返すのではなく、特定の範囲に限定したり、所定の刻み幅で座標を移動したりしてもよい。なお、リスト形式で記録したデータの一例を図25に示す。図25は、部分色空間(1)から部分色空間(m)のm個の部分空間について、それぞれ左半分に原稿画像データの画素の各成分値が記録されており、右半分に基準画像データの対応する画素各成分値が記録されている。
なお、実施例1において説明したのと同様に、画素値対応付けデータを生成する際には、画像データ(原稿画像データ、基準画像データ)のコンテンツの輪郭部分を除くことが望ましい。
次に、色再現特性推定部304は、基準色再現特性を推定する部分色空間を選択する(ステップS705)。すなわち、色再現特性推定部304は、上記のステップS701で得られた複数の部分色空間から基準色再現特性を推定する部分色空間を一つ選択する。以降、原稿画像データや基準画像データは特筆しない限りそれぞれの画像データの対応する部分色空間を指すものとして説明する。
次に、色再現特性推定部304は、基準色再現特性を推定する(ステップS706)。すなわち、色再現特性推定部304は、上記のステップS704で生成した該当する部分色空間の画素値対応付けデータを用いて、原稿画像データのある画素値が基準画像データのどの画素値に対応付くかを求める。これは、実施例1の図7のステップS104と同様の方法で求めることができるため、説明を省略する。なお、実施例1の場合と同様に、ステップS704で生成した該当する部分色空間の画素値対応付けデータにおいて原稿画像データの全ての座標について対応関係を記録してある場合には、部分空間の画素値対応付けデータをそのまま基準色再現特性として用いることもできる。
色再現特性推定部304は、すべての部分色空間の基準色再現特性を推定するまで、上記のステップS705及びS706の処理を繰り返す(ステップS707)。すなわち、色再現特性推定部304は、上記のステップS701で得られた複数の部分色空間について、すべての部分色空間の基準色再現特性を推定するまで、上記のステップS705及びS706の処理を繰り返す。
≪ユーザ色再現特性の推定処理≫
図26は、ユーザ色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図26では、画像読み取り部301がユーザ印刷物を読み取り、色再現特性推定部304がすべての部分色空間のユーザ色再現特性の逆特性を推定するまでの処理について説明する。
ステップS801及びS802の処理は、それぞれ図9のステップS201及びS202の処理と同様であるため、説明を省略する。
画素値対応付け部303は、図18のステップS701で分割した部分色空間ごとに、原稿画像データと、ユーザ画像データの同じ位置の画素値を色成分の組合せごとに対応付ける(ステップS803)。すなわち、画素値対応付け部303は、原稿画像データとユーザ画像データの位置合わせが完了したら、図18のステップS701で分割した部分色空間ごとに、二つの画像データにおいて対応する画素の画素値を取得し、これらの色成分の組合せごとに対応付けて画素値対応付けデータを生成する。画素値対応付けデータの生成方法は、図18のステップS704と同様である。なお、リスト形式で記録したデータの一例を図27に示す。図27は、部分色空間(1)から部分色空間(m)のm個の部分色空間について、それぞれ左半分に原稿画像データの画素の各成分値が記録されており、右半分にユーザ画像データの対応する画素各成分値が記録されている。
次に、色再現特性推定部304は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する部分色空間を選択する(ステップS804)。すなわち、色再現特性推定部304は、図18のステップS701で分割した部分色空間からユーザ色再現特性の逆特性を推定する部分色空間を一つ選択する。以降、原稿画像データやユーザ画像データは特筆しない限りそれぞれの画像データの対応する部分色空間を指すものとして説明する。
次に、色再現特性推定部304は、ユーザ色再現特性の逆特性を推定する(ステップS805)。すなわち、色再現特性推定部304は、上記のステップS803で生成した該当する部分色空間の画素値対応付けデータを用いて、原稿画像データのある画素値がユーザ画像データのどの画素値に対応付くかを求める。これは、実施例1の図9のステップS204と同様の方法で求めることができるため、説明を省略する。ただし、実施例1の場合と同様に、ステップS803で生成した該当する部分色空間の画素値対応付けデータをそのままユーザ色再現特性の逆特性として用いることはできない。これは、基準画像データにある画素値の色成分の組合せが、ユーザ画像データ内にあるとは限らないため、画素値対応付けデータには存在しない画素値の色成分の組合せに対しても、推定する必要があるためである。
≪色変換処理≫
続いて、色変換処理の詳細について説明する。図28は、色変換処理の一例のフローチャートである。
まず、色再現特性推定部304は、基準画像データと原稿画像データから部分色空間ごとの基準色再現特性を推定する(ステップS901)。すなわち、図18を用いて説明した基準色再現特性の推定処理を行う。なお、本ステップは、常に同じ部分色空間を用いる場合には1回だけ実行すれば良く、途中で部分色空間の分割方法を変更する場合には逐次実行する必要がある。仮に複数回実行する場合には、本ステップで使用する原稿画像データはオリジナルのものを用い、色変換後のものを用いないことに留意する必要がある。
次のステップS902〜S904の処理は、それぞれ図11のステップS302〜S304の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、色再現特性推定部304は、ユーザ画像データと原稿画像データから部分色空間ごとのユーザ色再現再現特性の逆特性を推定する(ステップS905)。すなわち、図26を用いて説明したユーザ色再現特性の推定処理を行う。
続いて、色変換部305は、推定した部分色空間ごとの基準色再現特性と、ユーザ色再現特性の逆特性を評価する(ステップS906)。推定した部分色空間ごとの色再現特性が妥当であれば(ステップS907のYes)、次ステップS908に進み、そうでなければ(ステップS907のNo)、処理を終了する。
色再現特性が妥当か否かの判断は、部分色空間ごとに、実施例1の図11のステップS306と同様に判断すればよい。なお、このように色再現特性の評価は部分色空間ごとに行うが、一つでも妥当でないものが見つかった場合には処理を終了させてもよいし、その部分色空間の色再現特性を周囲の部分色空間のもので補間してもよい。補間を行う例としては、隣接する部分色空間の色再現特性で推定した値(推定値)の平均を取る方法や、いずれか一つの部分色空間の色再現特性で代替する方法が挙げられる。ただし、妥当でない色再現特性が一定数存在する場合には処理を終了することが望ましい。この判断方法の例としては、妥当でない色再現特性を持つ部分色空間の数を用いる方法や、すべての部分色空間の数に占める妥当でない色再現特性を持つ部分色空間の割合を用いる方法などが考えられる。
続いて、色変換部305は、原稿画像データを色変換する(ステップS908)。すなわち、部分色空間ごとに推定した基準色再現特性とユーザ色再現特性の逆特性を用いて原稿画像データに部分色空間ごとに色変換を施し、原稿画像データを更新する。
原稿画像データの色aが部分色空間mに含まれている場合について、推定した部分色空間mの基準色再現特性Sm(P1 m(x))と、ユーザ色再現特性Sm(P2 m(x))の逆特性P2 m(Sm(x)-1)-1を用いて原稿画像データに色変換を施す手順の一例を以下に示す。
(1)部分色空間mの基準色再現特性から、原稿画像データの色aが対応付く基準画像データの色s=Sm(P1 m(a))を得る
(2)部分色空間mのユーザ色再現特性の逆特性から、ユーザ画像データの色sが対応付く基準画像データの色b=P2 m(Sm(s)-1)-1を得る。すなわち、Sm(P1 m(a))=s=Sm(P2 m(b))なる組合せ(a, b)を求める
(3)原稿画像データの色aをbに変換する
これによって一連の流れが完了する。なお、部分色空間ごとに完全に独立した色再現特性を用いて原稿画像データに色変換を施すと、部分色空間の境界部で色が不連続になる恐れがあるため、境界部では隣接する部分色空間の色再現特性を用いて色変換を行った結果と合成することが望ましい。合成方法の例としては、近傍の部分色空間の色再現特性を用いて色変換を行った結果で算術平均をとる方法や、色変換を施す原稿画像データの色と部分色空間の中心の色との距離(色差)の逆数を重みとして加重平均をとる方法などが考えられる。
色変換は、予め定められた所定の回数だけ繰り返し行われる。よって、色変換の回数が所定の回数に達したら(ステップS909のYes)、処理は終了する。色変換は1回だけ実行されても、十分な色変換が実現できると考えられるが複数回実行することで色合わせの精度を向上できる。
継続する場合(ステップS909のNo)、色変換済みの原稿画像データを入力としてユーザプリンタ200から印刷(ステップS902)し、同様の処理を行う。なお、次のループで用いる原稿画像データはすべて色変換済みのものである。
図28の手順では、終了条件の判定が3つ設定されているが、これら全てを設定する必要はない。必要に応じて適宜省略してもよいが、何れか1つは少なくとも設定されることが望ましい。
実施例1と同様に、本実施例においても、スキャナ300で読み取った際に使用された色空間をそのまま使用しているが、この色空間はデバイス依存の色空間であるため、スキャナ300のカラープロファイルを用いてデバイス非依存の色空間に変換することが望ましい。デバイス非依存の色空間の例としては、デバイス非依存のRGB色空間、XYZ色空間などが挙げられる。更に、L*a*b*色空間など均等色空間に変換すればなおよい。
スキャナ300で読み取った基準画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須であるが、原稿画像データと基準画像データ、または原稿画像データとユーザ画像データは同じ色空間である事は必須ではない。例えば、原稿画像データの色空間がCMYK色空間であり、基準画像データとユーザ画像データがRGB色空間であっても構わない。
(実施例5)
本実施例では、実施例4のように原稿画像の色空間を部分色空間に分割する際に、原稿画像データの色空間をそのまま使用するのではなく、色相、明度、彩度が表現可能な色空間に変換した後、部分色空間に分割する。これにより、色相、明度、又は、彩度ごとに画像出力機器の色再現特性が異なる場合でも、安定、且つ、高精度で色合わせを行うことができる。
本実施例のシステム構成及びハードウェア構成は、実施例4と同様であるため説明を省略する。
<機能構成>
図29は、本実施形態に係る画像処理システム又はMFPの一例の機能ブロック図である。図29は、図17と比較すると色空間変換部308を更に有する構成となっている。実施例4と共通する機能ブロックの説明は省略し、色空間変換部308について説明する。
色空間変換部308は、原稿画像データの色空間を色相、明度、彩度を表現可能な色空間に変換する。
<処理の詳細>
基準色再現特性の推定処理以外の処理については、実施例4と同様であるため説明を省略し、基準色再現特性の推定処理についてのみ説明する。
≪基準色再現特性の推定処理≫
図29は、基準色再現特性の推定処理の一例のフローチャートである。図29は、図18と比較すると、ステップS1001の処理が追加されている。また、図29のステップS1002は、図18のステップS701に対応する処理であるが、処理内容が異なる。なお、ステップS1003〜S1008の処理は、それぞれ実施例4の図18のステップS702〜S707の処理と同様であるため説明を省略する。
色空間変換部308は、原稿画像データの色空間を色相、明度、彩度が表現可能な色空間に変換する(ステップS1001)。色相、明度、彩度を表現可能な色空間の例としては、HSV色空間、HLS色空間、YCbCr色空間、L*a*b*色空間、L*u*v*色空間などが挙げられる。
色空間分割部307は、上記のステップS1001の処理で変換した原稿画像データの色空間を、所定の基準に従って部分色空間に分割する。分割の基準としては次のようなものが挙げられる。ここでは原稿画像データの色空間をL*a*b*色空間に変換したケースを例に説明する。L*a*b*色空間における色相hと彩度C*は、次式で定義される。
Figure 2015111801
Figure 2015111801
a) 色相で分割する
L*a*b*色空間における彩度C*と色相hの値を用いて、色相で部分色空間に分割する方法である。図31は、L*a*b*色空間において、色相ごとに色空間を分割した例である。領域(1)は彩度C*がある閾値以下の無彩色を表す領域であり、領域(2)は色相hがある範囲内の"red"を表す領域であり、領域(3)は"yellow"を、領域(4)は"green"を、領域(5)は"cyan"を、領域(6)は"blue"を、領域(7)は"magenta"を表す領域である。分割数や分割するための彩度C*の閾値や色相hは、例えば、経験的に決められた所定の値を用いる方法や、各領域に色数が同数となるように決定する方法などが挙げられる。
b) 明度で分割する
L*a*b*色空間における明度L*の値を用いて、明度で部分色空間に分割する方法である。図32は、L*a*b*色空間において、明度ごとに領域(1)〜(7)の部分色空間に色空間を分割した例である。分割数や分割するためのL*の閾値は、例えば、経験的に決められた所定の値を用いる方法や、各領域に色数が同数となるように決定する方法などが挙げられる。
c) 彩度で分割する
L*a*b*色空間における彩度C*の値を用いて、彩度で部分色空間に分割する方法である。図33は、L*a*b*色空間において、彩度ごとに領域(1)〜(7)の部分色空間に色空間を分割した例である。分割数や分割するためのC*の閾値は、例えば、経験的に決められた所定の値を用いる方法や、各領域に色数が同数となるように決定する方法などが挙げられる。
d) クラスタ分析を用いて分割する方法
L*a*b*色空間における原稿画像データに含まれる各画素に対してクラスタ分析を用いて分割領域を決定する。分割数は、予め決定しておいた分割数を使用するか、又は画素数などに応じて経験的に決定する方法などが挙げられる。ここで、クラスタリング処理する方法の例としては、K-meansアルゴリズムなどが挙げられる。K-meansアルゴリズムとは、予め定めたクラスタ数KとそのK個のクラスタ中心をランダムに決め、サンプル点をK個のクラスタ中心との距離を計算し、最も近いクラスタに分類することで、クラスタリングを行う手法である。クラスタリング時に、同一クラスタに該当するサンプル点の重心を計算し、クラスタ中心の更新を繰り返し、クラスタ中心の更新が収束したら処理を終了させる。分割数(クラスタ数K)は、予め決定しておいた分割数を使用するか、又は画素数などに応じて経験的に決定する方法などが挙げられる。
図34は、原稿画像データの各画素のa*とb*の値をK-meansアルゴリズムを用いて8個のクラスタに分割した例である。図34は、a*軸とb*軸の2次元空間にプロットしたものである。なお、図34の数字は、クラスタ番号(1〜8)を表している。
なお、色相、明度、彩度を個別に分割する上記のa)、b)、c)の方法だけでなく、それぞれを組合わせた方法で分割してもよい。例えば上記のa)の方法を用いて色相を分割した後、各色相において、上記のb)又はc)の方法を用いてさらに分割してもよい。
301 画像読み取り部
302 幾何学変換パラメータ推定部
303 画素値対応付け部
304 色再現特性推定部
305 色変換部
100 コンピュータ
200 ユーザプリンタ
300 スキャナ
400 基準プリンタ
500 ネットワーク
600 画像処理システム
601 画像入力部
602 画像出力部
603 画像記憶部
604 画像解析部
605 パラメータ記憶部
606 画像処理部
700 MFP
800 プロジェクタ
900 デジタルカメラ
特開2013−30996号公報

Claims (15)

  1. 第一の画像出力機手段が原稿画像データを出力した第一の出力結果の色を、第二の画像出力機手段が前記原稿画像データを出力した第二の出力結果において再現する画像処理装置であって、
    読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第一の幾何学変換パラメータを推定し、読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二の幾何学変換パラメータを推定する幾何学変換パラメータ推定手段と、
    前記第一の幾何学変換パラメータを用いて前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータを、前記第二の幾何学変換パラメータを用いて前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをそれぞれ生成する画素値対応付け手段と、
    前記第一の画素値対応付けデータに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付けデータに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像とを決定する写像推定手段と、
    前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手段と、
    を有する画像処理装置。
  2. 前記原稿画像データの色空間を複数の部分色空間に分割する色空間分割手段を有し、
    前記画素値対応付け手段は、前記色空間分割手段により分割された前記原稿画像データの複数の前記部分色空間ごとに、前記第一の画素値対応付けデータと、前記第二の画素値対応付けデータとをそれぞれ生成し、
    前記写像推定手段は、前記原稿画像データの複数の前記部分色空間ごとに前記第一の写像と、前記第二の写像とを決定し、
    前記変換手段は、複数の前記部分色空間ごとに決定した前記第一の写像と、前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する、請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記色空間分割手段は、前記原稿画像データの色空間を等間隔で分割して、該色空間を前記複数の部分色空間に分割する、請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記色空間分割手段は、前記原稿画像データの色空間における画素値の出現頻度分布又は画素値の累積出現頻度に基づいて、該色空間を前記複数の部分色空間に分割する、請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記色空間分割手段は、各部分色空間に含まれる画素数が同数となるように、前記原稿画像データの色空間を前記複数の部分色空間に分割する、請求項2記載の画像処理装置。
  6. 前記色空間分割手段は、前記原稿画像データの色空間をクラスタ分析を用いて前記複数の部分色空間に分割する、請求項2記載の画像処理装置。
  7. 前記原稿画像データの色空間を、色相、明度、又は彩度を表すことができる色空間に変換する第一の色空間変換手段を有し、
    前記色空間分割手段は、前記第一の色空間変換手段による変換後の色空間を、色相、明度、又は彩度のうち、少なくとも1つを用いて前記変換後の色空間を分割する、請求項2記載の画像処理装置。
  8. 前記色空間分割手段は、前記第一の色空間変換手段による変換後の色空間を、色相、明度、又は彩度のうち、少なくとも1つを用いたクラスタ分析により前記複数の部分色空間に分割する、請求項7記載の画像処理装置。
  9. 前記写像推定手段は、
    前記原稿画像データの複数の色成分値を基にした多次元のデータを用いて前記第一の出力画像データの色を推定する前記第一の写像を決定し、前記第二の出力画像データの複数の色成分値を基にした多次元のデータを用いて前記原稿画像データの色を推定する前記第二の写像を決定する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 画像データをデバイス非依存の色空間に変換する第二の色空間変換手段を有し、
    前記写像推定手段は、
    前記第一の出力画像データ及び前記第二の出力画像データを前記第二の色空間変換手段によりデバイス非依存の色空間に変換した後、該変換された第一の出力画像データ及び第二の出力画像データを用いて前記第一の写像及び前記第二の写像を決定する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記画素値対応付け手段は、
    前記原稿画像データ、前記第一の出力画像データ、及び前記第二の出力画像データの各コンテンツの輪郭部分を除外した後、前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せの対応付け、及び、前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けを行う、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記第一の出力画像データと前記第二の出力画像データとの一致度を所定の方法により判定する一致度判定手段を有し、
    前記写像推定手段は、
    前記一致度判定手段による一致度が所定の基準を満たす場合、前記第二の画素値対応付けデータに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像を決定する、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記第一の写像及び前記第二の写像が所定の基準を満たすか否かを判定する写像判定手段を有し、
    前記変換手段は、
    前記写像判定手段により、前記第一の写像及び前記第二の写像が前記所定の基準を満たすと判定された場合、該第一の写像及び前記第二の写像に基づいて前記原稿画像データの画素値を変換する、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 前記幾何学変換パラメータ推定手段は、前記変換手段により変換された原稿画像データを前記第二の画像出力機手段が出力した第三の出力結果を前記読み取り装置が読み取った第三の出力画像データと、前記変換された原稿画像データとの位置を合わせる第三の幾何学変換パラメータを推定し、
    前記画素値対応付け手段は、
    前記第三の幾何学変換パラメータを用いて前記第三の出力画像データと前記変換された原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第三の画素値対応付けデータを生成し、
    前記写像推定手段は、
    前記第三の画素値対応付けデータに基づいて前記第三の出力画像データの色から前記変換された原稿画像データの色を推定する第三の写像を決定し、
    前記変換手段は、
    前記第一の写像と前記第三の写像とに基づいて、前記変換された原稿画像データの画素値を変換する、、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  15. 原稿画像データから第一の出力結果を出力する第一の画像出力機手段と、前記原稿画像データから第二の出力結果を出力する第二の画像出力機手段と、前記第一の出力結果及び前記第二の出力結果を読み取る読み取り装置と、前記第二の出力結果の色を前記第一の出力結果の色に近づけるため写像を決定する情報処理装置と、を有する画像処理システムであって、
    前記読み取り装置が前記第一の出力結果を読み取った第一の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第一の幾何学変換パラメータを推定し、前記読み取り装置が前記第二の出力結果を読み取った第二の出力画像データと前記原稿画像データの位置を合わせる第二の幾何学変換パラメータを推定する幾何学変換パラメータ推定手段と、
    前記第一の幾何学変換パラメータを用いて前記第一の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第一の画素値対応付けデータを、前記第二の幾何学変換パラメータを用いて前記第二の出力画像データと前記原稿画像データの対応する画素の色成分の組合せが対応付けられた第二の画素値対応付けデータをそれぞれ生成する画素値対応付け手段と、
    前記第一の画素値対応付けデータに基づいて前記原稿画像データから前記第一の出力画像データの色を推定する第一の写像と、前記第二の画素値対応付けデータに基づいて前記第二の出力画像データの色から前記原稿画像データの色を推定する第二の写像を決定する写像推定手段と、
    前記第一の写像と前記第二の写像とに基づいて、前記原稿画像データの画素値を変換する変換手段と、
    を有する画像処理システム。
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