JP4239856B2 - 通信装置及びプログラム - Google Patents

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Description

車線変更の可否判断に有用な情報を車両間で通信するための通信装置に関する。
車線変更時における左右後方確認は、インナーミラー、サイドアウターミラーなどを車両運転者が見ることにより行っており、また、いわゆる死角領域に対しては車両運転者が直接その領域を見ることによって他車両の存在有無を確認するのが一般的である。しかしこのような肉眼による視認に委ねると、例えば夜、雨天、濃霧時などにおける確認が困難となり、また、車両運転者の安全確認意識が薄いと死角領域に対する視認自体を怠ることも考えられる。このように車両運転者の肉眼による確認では不十分となることが考えられるため、例えば特許文献1における死角内障害物報知装置では、電波レーダ等のセンサを用いて死角領域内の障害物を検知し、警報を出力するようにしている。
特開平9−188206号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されているように死角領域内の障害物をセンサで検知する手法では、検出時点での死角領域内の障害物の存在有無を判断できるだけである。一方、車線変更に際しては、(1)運転者による周囲の確認→(2)車線変更のための運転操作という順番で運転者による動作がなされるが、上記(1)の確認のためには所定時間(例えば1〜2秒)が必要であり、また上記(2)の車線変更のための運転操作が開始してから終了するまでに所定時間(例えば2〜3秒)が必要である。そのため、現時点で死角領域内に他車両が存在しなくても、実際に車線変更のための動作を開始し始めてから死角領域内に他車両が進入してくる可能性はあり得る。もちろん、インナーミラー、サイドアウターミラーなどで左右後方を十分に確認していれば、そのような他車両の存在を認識することは可能ではあるが、そのためには運転者が他車両の速度までも把握し、車線変更が終了する間に死角領域に進入してこないのか否かを判断する必要がある。この判断はかならずしも容易とは言えず、実際には、一旦車線変更操作を始めたが運転者が認識した速度よりも速い速度で他車両が接近してきたため車線変更操作を途中で断念したり、あるいは認識が不十分なために接触事故につながってしまうこともある。
このように、実際の車線変更の可否判断に際しては、現在の他車両の位置だけでなく、車線変更が完了するまでの間における他車両の位置も重要な情報であり、前者の場合の死角領域内の他車両の位置のみに関しては上述した特許文献1に開示された技術で対応できるが、後者の場合については全く対応できない。
そこで本発明は、運転者が車線変更の可否判断を適切にできる情報を車々間で通信可能とする通信装置を提供することを目的とする。
本発明の通信装置は、車両に搭載され、車両間において直接、情報を相互に通信可能であり、アドレスデータ記憶手段と、通信手段と、車両状況特定手段と、各種制御を実行する制御手段とを備えている。
アドレスデータ記憶手段には共有アドレスデータが記憶されているが、この共有アドレスデータは、地図上の複数車線を有する道路に沿って区分された連続する領域それぞれに、その領域を特定可能なように設定されたアドレスである動的アドレスを対応させて構成されたものである。具体的にはどこを起点として領域を区分設定してもよいが、例えば信号機や料金所などの車両が停止する可能性がある地点を起点とすることが考えられる。なお、本発明は車線変更の可否判断を運転者が適切にできるようにするための工夫であり、その前提として複数車線(一方向に複数の走行レーンが存在する意)を有する道路が対象となる。したがって、車線変更が想定されない単一車線の道路においては動的アドレスを設定する必要はない。
また、通信手段は、任意の前記動的アドレスに対応する領域に存在した場合、少なくとも車両進行方向後ろ側の所定距離内に存在する通信装置と無線通信可能な通信エリアを有する。この所定距離は、例えば100mといった距離が考えられる。本発明では、車線変更に必要な数秒間程度の間に自車の死角領域に進入するような他車両の有無を判断したいため、例えば高速道路での使用も想定し、100m後方に存在する他車両からの情報も得るようにすることが考えられる。もちろん、自車が高速道路を走行しているか一般道を走行しているのかを判別し、それに応じて所定距離を変えるようにしてもよい。なお、この場合の通信方式としてはいわゆる狭域無線通信方式を採用することが考えられる。
また、車両状況特定手段は、少なくとも車両の現在位置、死角領域、速度及び方向を特定する。この場合の死角領域は、実際の死角領域を正確に設定したものでなくてもよく、例えば実際の死角領域を含むような矩形領域を設定してもよい。このような矩形領域とすれば、その4隅の緯度経度によって矩形領域を特定できる。
そして、制御手段は、以下のような情報要求制御、返信制御、報知制御を実行する。
まず、情報要求制御では、次のような送信データを、通信手段を介して他の通信装置へ送信する。すなわち、車両状況特定手段によって特定された現在位置から車両進行方向後ろ側の所定距離までの領域に対応する全ての動的アドレスを送信先のアドレスとして含むと共に車両状況特定手段によって特定された車両の現在位置、死角領域、速度及び方向を含む送信データである。なお、この「所定距離」は上述した通信手段の通信エリアを規定するための所定距離と同じであってもよいしそれ以下であってもよい。
一方、返信制御では次のような制御を実行する。すなわち、通信手段を介して他の通信装置から送信データを受信した場合に、送信データと、車両状況特定手段によって特定した車両の現在位置、速度及び方向とに基づいて、送信データ中に含まれる死角領域に所定時間内に進入するか否かを判断し、少なくともその判断結果を含む返信データを、通信手段を介して情報要求元の通信装置へ返信する。この所定時間とは、車線変更に必要な時間を基に設定することが考えられ、例えば5秒といった時間を採用することが考えられる。もちろん、5秒に限定されることはないが、運転者が車線変更をしようと考え始めてから車線変更が完了するまでには数秒間程度は要するので、それに近い時間は確保しておくことが好ましい。
そして、報知制御では、通信手段を介して他の通信装置から返信データを受信した場合に、返信データに基づいて所定の報知制御を実行する。なお、この報知制御に際しては、少なくとも、死角領域に所定時間内に進入するか否かを報知する。
このように、本発明の通信装置によれば、情報要求側となった場合、少なくとも自車(自装置が搭載されている車両の意)の死角領域に所定時間内に進入してくる他車両の有無を運転者に報知できるため、運転者が車線変更の可否判断を適切にできる。
なお、報知内容については、上述のように、死角領域に所定時間内に進入するか否かが最低限報知されればよいが、ユーザ(運転者)にとっては、進入してくるのであれば何時進入してくるのかも知りたい情報である。したがって、請求項9に示すように、返信制御に際して、死角領域に所定時間内に進入する場合には、その進入タイミングも含む返信データを返信し、報知制御に際して、返信データ中に死角領域へ進入するタイミングが含まれている場合には、そのタイミングについて音声にて報知することが考えられる。このようにすれば、運転者は死角領域に他車両がいつ進入してくるのかまで把握でき、車線変更の可否判断をより適切に行うことができる。
ところで、死角領域は車両の左右両側に存在し、左車線変更時には左側の死角領域、また右車線変更時には右側の死角領域へそれぞれ進入してくる他車両の有無が問題となる。逆に言えば、左車線変更時における右側の死角領域、また右車線変更時における左側の死角領域に関しては特段注意を払う必要がない。したがって、請求項2に示すように構成することが考えられる。つまり、車両状況特定手段が、方向指示器における方向指示信号の内容を特定可能であり、制御手段は、方向指示信号が出されている場合にのみ情報要求制御を実行し、且つ送信データ中に含む死角領域は、方向指示信号の出されている左右何れかの死角領域のみとするのである。このようにすれば、必要な死角領域に関する情報のみを得ることとなり、情報要求側の通信装置における処理負荷低減につながる。
また、請求項3に示すように、制御手段が返信制御に際して次のような制御を実行するようにしてもよい。つまり、送信データ中に含まれる死角領域に進入するか否かを判断し、進入すると判断した場合に限り、返信データを返信するのである。情報要求側としては、死角領域に進入しない他車両からの情報は特に必要な情報でないため、このような情報は返信されないようにすることで、無用な処理をなくすことができる。そして、情報要求側の通信装置における処理負荷低減にもつながる。
また、情報要求側と情報提供側の通信装置間での通信に関して次のような工夫をするとよい。つまり、請求項4に示すように絶対時刻を特定する絶対時刻特定手段を備え、制御手段が、情報要求制御に際して、絶対時刻特定手段によって特定された絶対時刻を送信データ中に含めると共に、受信アドレスを一時的に絶対時刻とし、返信制御に際して、受信した送信データ中から取り出した絶対時刻を送信先のアドレスとして返信するのである。本発明の通信装置は車両に搭載されており、車両走行中に通信することを前提としているため、送信データを送信するタイミングで存在する動的アドレスと返信データを受信すべきタイミングで存在する動的アドレスが異なる可能性がある。その場合、受信アドレスが送信データを送信したタイミングで存在した動的アドレスのままであれば、返信データを受信できなくなる。そこで、情報要求側では、一時的に受信アドレスを動的アドレスではなく絶対時刻に変更する。この状態で、情報提供側が、受信した送信データ中から取り出した絶対時刻を送信先のアドレスとして返信データを返信すれば、情報要求側が確実にその返信データを受信できる。
また、動的アドレスを規定する領域に関しては、ある程度の選択の余地があるが、例えば隣接する動的アドレス間での通信のみで完結するようにすれば、制御手段による情報要求制御や返信制御が簡単になる。つまり、動的アドレスに規定する領域が相対的に短いと二つ後方、三つ後方……というように多数の動的アドレスを送信先アドレスとして設定しなくてはならないが、動的アドレスに規定する領域を相対的に長くして隣接する動的アドレス間での通信のみで完結するよう設定することも可能である。そこで、請求項8に示すように、動的アドレスを規定する領域を、車線変更に際して必要な所定時間内に車両の死角領域に進入する可能性のある他車両が現時点で自車両の存在する動的アドレス及び一つ後方の動的アドレスの何れかに存在するように設定する。そして、制御手段が情報要求制御に際して次のような処理を実行する。すなわち、自車両が現時点で存在する領域に対応する動的アドレス及び一つ後方の動的アドレスを送信先のアドレスとして含む送信データを送信するのである。
一方、このように、隣接する動的アドレス間での通信のみで完結するようにしたとしても、例えば隣接する動的アドレスに存在する車両の通信装置が同時期に情報要求をしてしまうと相対的に後方の動的アドレスに存在する車両の通信装置は、前方の動的アドレスに存在する車両の通信装置からの情報要求に対しても返信しなくてはならず通信衝突が生じる可能性がある。そこで、このような通信衝突を回避するため、所定の条件が成立した場合のみ制御手段が情報要求制御を実行するよう構成するのである。具体的には、動的アドレスに連続番号を付しておき、自装置が現在存在する動的アドレスの番号と絶対時刻特定手段によって特定された絶対時刻とが所定の対応関係にある場合に「所定条件が成立」とする。ここで、「所定の対応関係」とは、動的アドレスの奇遇数と絶対時刻における秒の奇遇数とが一致した場合などが考えられる。つまり、絶対時刻が○時○分1秒では奇数の動的アドレスに存在する通信装置が送信の優先権を持ち、絶対時刻が○時○分2秒では今後は偶数の動的アドレスに存在する通信装置が送信の優先権を持ち、絶対時刻が○時○分3秒では再度奇数の動的アドレスに存在する通信装置が送信の優先権を持ち、という具合に1秒毎に送信の優先権を交代してもるようにするのである。このようにすれば、隣接する動的アドレス間における通信衝突回避に有効である。
但し、隣接する動的アドレス間での通信のみで完結するような動的アドレスの領域設定をした場合、一つの動的アドレスの車両進行方向の長さが例えば50mというように比較的長くなってしまう。すると、一つの動的アドレスに対応する領域内に車両が同時に複数台存在可能となるため、同じ動的アドレスに対応する領域内に、情報通信対象となり得る複数の通信端末が同時に存在する可能性がある。その場合、送信データを複数の通信装置が同時に送信してしまい、通信衝突が生じる可能性がある。そこで、制御手段が請求項5または請求項6に示すような制御を実行するよう構成することが考えられる。すなわち、情報要求制御に先立ち、動的アドレスに対応する領域へ進入してからの移動距離に基づいて決定された絶対時刻である送信許可時刻内に、自車両が存在する領域に対応する動的アドレスを送信先のアドレスとして、送信許可時刻を含む優先権獲得データを送信する。また、通信手段を介して優先権獲得データを受信した場合、その受信データ中に含まれる送信許可時刻(受信した送信許可時刻)と前記送信した優先権獲得データ中に含まれる送信許可時刻(送信した送信許可時刻;実施例では自車の絶対時刻(R)に相当する。)とを比較し、送信した送信許可時刻が受信した送信許可時刻と同じ又は送信した送信許可時刻が前記受信した送信許可時刻よりも早い場合にのみ前記情報要求制御をするのである。このようにすれば、最も早い送信許可時刻を含む優先権獲得データを送信した通信装置のみが情報要求することができ、それ以外の通信装置は情報要求をしないので通信衝突を回避できる。
なお、この場合の前記動的アドレスに対応する領域へ進入してからの移動距離に基づいて決定された絶対時刻である送信許可時刻については、請求項7に示すように、動的アドレスに対応する領域へ進入してからの移動距離が長いほど早期に生じるように決定することが考えられる。このようにすれば、動的アドレス内の先頭車が優先して情報要求することができる。
なお、上述した通信装置における制御手段をコンピュータにて実現する場合にはコンピュータで実行するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして実行したり、ネットワークを介してロードして実行することにより、この制御手段としての機能を実現できる。
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[通信装置の説明]
図1は実施例の通信装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施例の通信装置1は、車両に搭載されており、カーナビゲーション機能も有する通信装置である。通信装置1は、図1に示すように、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、ユーザからの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能なリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す。)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、外部情報入出力装置24と、地図データや各種の情報を記録した外部記録媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器25と、地図表示画面やTV画面等の各種表示を行うための表示装置26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力装置27と、各種のデータを記憶するためのハードディスク28と、無線通信機30と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコン23a,外部情報入出力装置24,地図データ入力器25,ハードディスク28からの入力に応じて各種処理を実行し、位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,外部情報入出力装置24,地図データ入力器25,表示装置26,音声出力装置27,ハードディスク28,無線通信機30を制御する制御回路29とを備えている。
位置検出器21は、GPS用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置等を検出するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の走行した距離を検出するための距離センサ21cと、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ21dとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21dは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、またステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
操作スイッチ群22としては、表示装置26と一体に構成され、表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。なおタッチパネルと表示装置26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、いずれを用いてもよい。
外部情報入出力装置24は、各種の外部情報を入出力するためのものであり、例えば図示しない方向指示器(ウインカ)からの方向指示信号を入力したり、また、図示しないラジオアンテナを介して受信したFM放送信号や、道路近傍に配置されたVICS(道路交通情報システム)サービス用の固定局から受信した電波ビーコン信号及び光ビーコン信号などを入力する。
地図データ入力器25は、ネットワークデータとしての道路データ、位置特定の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ等の地図データ、施設を示すマークデータ、案内用の画像や音声データ等を含む各種のデータを入力するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、CD−ROM、DVD、ハードディスク、メモリ、メモリカード等を用いることができる。
表示装置26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,CRTなどがあるが、そのいずれを用いてもよい。表示装置26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。そして、音声出力装置27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声や、外部情報入出力装置24を介して取得した情報の読み上げ音声を出力することができる。
ハードディスク28には、共有アドレスデータ28aが格納されている。この共有アドレスデータについては後で詳しく説明する。
また、無線通信機30は、車々間通信を行うためのものであり、他の車両に搭載された通信装置1(の無線通信機30)との間で無線通信を行う。通信方式としては、例えばDSRC、BlueTooth(登録商標)、無線LAN、UWB、ミリ波通信など主に狭域での無線通信方式を採用することが考えられる。なお、この無線通信機30において必要とされる通信エリアは、後述する動的アドレスとの関係で決定されるため、その動的アドレスの説明の際に併せて説明する。
制御回路29は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在位置付近の地図や、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作によって指示された範囲の地図等を表示装置26に表示する地図表示処理や、地図データ入力器25に格納された地点データに基づき、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う経路案内処理を行う。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、制御回路29は、無線通信機30を介して他の車両に搭載された通信装置1(の無線通信機30)との間で情報交換をすることができる。
[共有アドレスデータの説明]
次に、共有アドレスデータ28aに関して説明する。
この共有アドレスデータ28aは、地図上の道路に沿って区分された連続する領域それぞれに、その領域を特定可能なように設定されたアドレスである動的アドレスを対応させて構成されたものである。なお、本実施例では自車が車線変更しようとした場合の死角領域に進入する他車両の存在有無を判断するための情報を取得することを想定しているため、この場合の「道路」は進行方向が異なれば違う道路と考える。そのため、上り車線側・下り車線側それぞれの道路に沿って区分された連続する領域を設定する。また、この領域の道路に沿った長さは本実施例では固定(例えば50m)とされている。
また、領域の長さについては例えば上述の50mは一例であり、種々の長さを採用できる。但し、本実施例では、車線変更に必要な数秒間程度の間に自車の死角領域に進入するような他車両の有無を判断したいため、例えば100m後方に存在する他車両からの情報も得ることが好ましい。そして、そのための情報を、後述するように自車が存在する動的アドレス及びその一つ後方の動的アドレスに存在する他車両からの情報を得るようにしているため、動的アドレスの長さを50mとしたのである。もちろん、一つの動的アドレスの長さを短くし、二つ以上後方の動的アドレスに存在する他車両からの情報も取得するようにしてもよい。
なお、動的アドレスは、例えば隣接する動的アドレス同士で連番となるような付番を行えば、各動的アドレスが他の動的アドレスに対してどのような位置関係にあるかが容易に判断できる。本実施例においてもそのような符番がされており、その結果、隣接する動的アドレスの番号は当然ながら奇数と偶数の組み合わせとなる。
したがって、図2(a)にも例示するように、動的アドレスとそれに対応する領域特定情報(例えば緯度経度)、及びその動的アドレスの長さを含む共有アドレスデータ28aがハードディスク28に格納されることとなる。なお、ここでいう「動的アドレスの長さ」とは、実際にはその動的アドレスに対応する領域の道路に沿った長さの意味であるが、以下の説明においては単に「動的アドレスの長さ」と表現する。
なお、無線通信機30において必要とされる通信エリアは、動的アドレスとの関係で決定される旨を説明した。それは、本実施例では、隣接する動的アドレスに対応する領域に存在する通信装置1同士で無線通信可能である必要があるため、そのようなことが可能な通信エリアに設定するという意味である。つまり、本実施例では、先方に存在する動的アドレスに対応する領域の最前部に存在する車両の通信装置1と、後方に存在する動的アドレスに対応する領域の最後部に存在する車両の通信装置1との間で通信が実現される必要があるため、半径100mの通信エリアがあればよい。なお、左右方向については、道路の幅員よりも大きな通信エリアは不要なので、幅員方向は相対的にエリアを狭くし、車両の前後方向に長い通信エリアとなるよう指向性を持たせてもよい。
[通信装置1の動作説明]
まず、動作の概要を説明する。本実施例の通信装置1では、共有アドレスデータを用いて車々間通信を行い、自車の死角領域内に所定時間内に進入してくる他車両の有無を判断し、そのような進入車両がある場合には、その旨を報知して運転者に注意を促すようにしている。
このような動作を実行する場合の通信装置1にて実行される処理について、図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
図4の送信スタートから説明する。送信処理が開始すると、まず位置検出器21(図1参照)からの情報に基づき、自車の現在位置を緯度経度で確認する(S10)。 次に、方向信号の有無を判断する(S20)。この判断は、例えば方向指示器(ウインカ)の作動信号の有無によって行えばよい。そして、方向信号が無い場合(S20:N)には図5に示すS310へ移行し受信処理がスタートするが、方向信号がある場合(S20:Y)には、S30へ移行する。
S30では、他車両への情報提供の要求を送信済みか否か確認する。この情報提供の要求とは、後述するS230,S240において自車が存在する動的アドレス及びその一つ後方の動的アドレスに存在する他車両に対しての情報提供要求である。したがって、このS230,S240の処理を実行済みか否かによって、他車両への情報提供要求を送信済みであるか否かを判断することとなる。情報提供の要求を送信済みであれば(S30:Y)、図5のS310へ移行し受信処理がスタートするが、未送信であれば(S30:N)、S40へ移行する。
S40では、ハードディスク28内の共有アドレスデータ28aを参照し、S10で確認した緯度経度に基づき現在の動的アドレスを確認し、続くS50では、現在の動的アドレスが送信許可アドレスであるか否かを判断する。これは、隣接する動的アドレスから同時に情報要求を送信してしまうことを防ぐための工夫であり、絶対時刻を用いて交互に送信を許可するようにしている。なお、絶対時刻は、例えばGPS受信機21aにて受信したGPS信号中に含まれている時刻情報に基づいて算出できる。例えば図示しないリアルタイムクロック(RTC)にて計時することを基本とし、GPS信号が30秒ごとに受信できるのであれば、その受信毎に受信した時刻情報に更新していくことにより、ほぼ正確な絶対時刻を算出することができる。
絶対時刻を用いて交互に送信を許可する具体的な手法としては、図3(b)に例示するように、絶対時刻が奇数秒である場合には奇数番号の動的アドレスを送信許可アドレスとし、絶対時刻が偶数秒である場合には偶数番号の動的アドレスを送信許可アドレスとすることが考えられる。つまり、各動的アドレスは1秒毎に送信許可アドレスとなるが、その送信許可アドレスとなるタイミングは、隣接する動的アドレスで1秒毎に交代することとなる。なお、このように送信許可アドレスとなるタイミングが隣接する動的アドレスで1秒毎に交代する状況を発生させることが目的であるため、例えば奇数秒である場合には偶数番号の動的アドレスが送信許可アドレスとなり、絶対時刻が偶数秒である場合には奇数番号の動的アドレスが送信許可アドレスとなるようにしても、同様に実現できる。そして、現在の動的アドレスが送信許可アドレスでない場合(S50:N)には、図5のS310へ移行し受信処理がスタートするが、送信許可アドレスである場合(S50:Y)には、S60へ移行する。
S60では、現在の動的アドレスへの進入距離の算出を開始する。この進入距離は、動的アドレスに対応する領域の端部から現在位置までの距離である。動的アドレスの端部の位置は分かっているので、S10で取得した現在位置とから進入距離は容易に算出できる。
そして、送信マップを確認する(S70)。この送信マップは、図2(b)に示すように送信順位を決定するためのマップデータであり、同一動的アドレス内において複数の車両、すなわち複数の通信装置1が存在した場合に、それらの内から優先して送信することのできる通信装置1を選ぶために用いる。具体的には、動的アドレスに対応する領域内において最も先頭に存在する車両に搭載された通信装置1を選ぶための工夫である。この送信マップは、動的アドレス進入距離と送信開始の絶対時刻との関係を示すものであり、本実施例では進入距離が長いほど送信開始時刻が早くなるよう設定、つまり優先的に送信可能なように設定されている。具体的には、絶対時刻のコンマ1秒単位で送信インターバルを設定している。例えば現在の動的アドレスが奇数アドレスであり、絶対時刻が00時00分01秒になったため送信許可アドレスであるケースを想定して説明する。この時点で進入距離が40mを超えていれば秒単位がジャストタイム、つまり00時00分01.0秒の時点を送信タイミングとする。また、進入距離が30mを超えて40m以下の場合には00時00分01.1秒の時点を送信タイミングとする。同様に、進入距離が20mを超えて30m以下の場合には00時00分01.2秒の時点、進入距離が10mを超えて20m以下の場合には00時00分01.3秒の時点、進入距離が10m以下の場合には00時00分01.4秒の時点をそれぞれ送信タイミングとする。
S80では、S70での判断結果に基づき送信タイミングであるか否か判断し、送信タイミングでなければ(S80:N)、S60へ戻り、送信タイミングであれば(S80:Y)、S90へ移行する。
S90では優先権用の絶対時刻(R)を決定する。そしてS100では、現在の動的アドレス(つまりS40にて確認した動的アドレスと同じ。)に、S90にて決定した優先権用の絶対時刻(R)を付加した送信フォーマット(図3(a)中の情報要求側=同時発信対策(優先権)=部分参照)によるデータを送信する。その後、S110へ移行し、受信したか否か判断する。
ここで、受信処理に関して一部のみ説明しておく。上述したように送信処理が開始してもS20で否定判断、S30で肯定判断、S50で否定判断となった場合には、図5のS310へ移行する。S310では送信時の絶対時刻(A)をアドレスとしたデータを受信したか否かを判断する。この判断は、後述するS250の処理に関係するものであるため詳しくは後で説明することとする。このようなデータを受信していない場合には(S310:N)、位置検出器21(図1参照)からの情報に基づき、自車の現在位置を緯度経度で確認し(S320)、ハードディスク28内の共有アドレスデータ28aを参照して特定した現在の動的アドレスを受信動的アドレスとして設定する(S330)。そして、他の通信装置1からの信号を受信したか否かを判断し(S340)、受信していない場合は(S340:N)、図4のS10へ移行し送信処理がスタートする。一方、受信した場合場は(S340:Y)、S350へ移行する。
上述したS110における「受信したか否か」の判断は、上述したS340での判断と同様であり、現在の動的アドレスが受信動的アドレスとして設定された状態で、他の通信装置1からの信号を受信したか否かを判断している。ここで、受信した場合は(S110:Y)、S340で肯定判断された場合と同じくS350へ移行する。一方、受信していない場合は(S110:N)、S230へ移行する。なお、S110で否定判断、つまり他車両から受信してしない場合とは、現在の動的アドレスにおいては自車両のみが優先権用の絶対時刻(R)を付加した送信フォーマットによるデータを送信し、他車両はそのようなデータは送信しない状態を意味している。したがって、送信の優先権は自車にあるとみなすことができるため、S230,S240での送信に移行する。
S230では、現在の動的アドレス及び一つ後方の動的アドレスを設定し、S240では、それらの動的アドレスに、その時点の絶対時刻である送信時の絶対時刻(A)・現在位置・死角領域・車速・方向を付加した送信フォーマット(図3(a)中の情報要求側=要求側データフレーム=部分参照)によるデータを送信する。なお、車両の現在位置・車速・方向については位置検出器21(図1参照)からの情報に基づき得ることができる。また、死角領域は、車両に対する相対位置として設定されており、車両の現在位置に基づいて絶対位置が算出される。例えば図3(b)には右車線変更の場合の死角領域が示されているが、ここでは、矩形形状の死角領域として設定されている。矩形形状であれば、例えば4隅の緯度経度にて領域を特定することができる。
そして、このような情報要求のためのデータ送信をした場合には、その要求に対する返信待ちとするため、それまで受信用のアドレスとして使用していた自車動的アドレスを送信時の絶対時刻(A)に変更する(S250)。詳しくは後述するが、情報要求のためのデータを受信した通信装置1では、その返信としての通報情報を送信するアドレスとして、受信データ中に含まれている送信時の絶対時刻(A)を用いるため、結果として、情報要求を送信した通信装置1へ正しく返信されることとなる。
一方、S110で肯定判断、すなわち他の通信装置1からの信号を受信した場合は、S350へ移行する。S350では、その受信内容を確認し、受信内容が優先権用の絶対時刻(R)のみであった場合は、S210へ移行する。なお、受信内容が優先権用の絶対時刻(R)のみである状態とは、自車と同一の動的アドレス内に他車両が存在することを意味する。
S210では、S20と同様、方向信号の有無を判断する。そして、方向信号が無い場合(S210:N)にはS10へ戻るが、方向信号がある場合(S210:Y)には、S220へ移行し、受信した絶対時刻(R)と自車の送信した絶対時刻(R)とを比較し、自車の送信した絶対時刻(R)と受信した絶対時刻(R)とが同一、又は自車の送信した絶対時刻(R)の方が受信した絶対時刻(R)よりも早いかどうかを判断する。そして、自車の送信した絶対時刻(R)と受信した絶対時刻(R)とが同一、又は自車の送信した絶対時刻(R)の方が受信した絶対時刻(R)よりも早い場合には、送信のための優先権を得たと判断し、S230へ移行する。S230〜S250の処理については既に説明したのでここでは繰り返さない。一方、S220にて自車の送信した絶対時刻(R)の方が受信した絶対時刻(R)よりも遅い場合には、S260へ移行し、送信を中止し、未受信フラグを設定する。S250またはS260の処理後は、S10へ戻る。
続いて、図5に示す受信側の処理について説明する。上述のように、S20にて否定判断、S30にて肯定判断、S50にて否定判断の場合に移行するS310では、送信時の絶対時刻(A)をアドレスとしたデータを受信したか否かを判断する。上述のように、S250では、受信用のアドレスとして使用していた自車動的アドレスを送信時の絶対時刻(A)に変更している。したがって、S310では、この送信時の絶対時刻(A)をアドレスとして使用したデータを受信したか否かを判断する。このS310にて否定判断の場合に実行されるS320〜S350に関しては上述したので繰り返さない。また、S350での受信内容の確認の結果、受信内容が優先権用の絶対時刻(R)のみであった場合はS210へ移行するが、情報がある場合には、S360へ移行する。ここで「情報がある」場合とは、上述のS240にて送信した送信時の絶対時刻(A)・現在位置・死角領域・車速・方向の情報がある場合を意味する。
S360では、受信したデータ中に含まれていた送信時の絶対時刻(A)・現在位置・死角領域・車速・方向と、自車の現在位置・車速・方向などから、自車が死角領域へ進入する時刻、その時の位置及び方向を算出する。そして、その算出の結果に基づいて死角領域へ向かうのか否かを判断し(S370)、死角領域へ向かわないのであれば(S370:N)、図4のS10へ移行するが、死角領域へ向かうのであれば(S370:Y)、所定時間内に進入するか否かを判断する(S380)。この判断は、S360にて算出した進入時刻から受信したデータ中に含まれていた送信時の絶対時刻(A)を減算して得た時間が所定時間内か否かで判断する。具体的には、例えば5秒以内か否かといった判断基準とすることが考えられる。
そして、所定時間内に進入するのであれば(S380:Y)、受信したデータ中に含まれていた送信時の絶対時刻(A)をアドレスとして進入通報を送信し(S390)、所定時間内に進入しないのであれば(S380:N)、受信したデータ中に含まれていた送信時の絶対時刻(A)をアドレスとして進入なし通報を送信する(S400)。ここで、S400で送信する進入なし通報は、単に「所定時間内に死角領域に進入しない」旨を示すだけでよいが、S390で送信する進入通報は、死角領域に進入する絶対時刻である通報時刻と、その時の自車位置・車速・方向である。このS390にて送信する場合の送信フォーマットは図3(a)中の情報提供側=返信データフレーム=として示してある。S390またはS400の処理後は、S10へ戻る。
次に、S390またはS400にて情報提供側からの返信を受けた情報要求側の対応を説明する。S310にて肯定判断の場合がそれに相当し、送信時の絶対時刻(A)をアドレスとして使用したデータを受信した場合(S310:Y)、その受信内容が進入通報か否かを判断する(S410)。
進入通報である場合には(S410:Y)、添付されていたデータ(通報時刻と、その時の自車位置・車速・方向)に基づいて再度進入確認を行う(S420)。具体的には、添付データ中の通報時刻における自車の予想位置での死角領域を計算し、その死角領域内に、添付データ中の自車位置(つまり進入してくる他車両の位置)が含まれているか否かで判断する。
そして、その確認の結果、やはり死角領域に進入すると判断された場合は(S430:Y)、音声出力装置27(図1参照)を介して進入時間を音声案内する(S440)。この音声案内に際しては、進入する絶対時刻を報知してもそれを聞いた運転者にとっては実感しにくいので、例えば「3秒後に他車両が死角に進入します」や「3秒後に死角に進入する他車両があります」というように何秒後に進入するかを報知した方が好ましい。何秒後に進入するかは、添付データ中の通報時刻から現在時刻を減算すれば容易に求めることができる。
一方、死角領域に進入しないと判断された場合は(S430:N)、音声出力装置27(図1参照)を介して進入しない旨を音声案内する(S450)。この音声案内に際しては、例えば「所定定時間は安全に車線変更可能です」や「車線変更が可能です。」といった内容を案内することが考えられる。
また、S410にて否定判断、すなわち進入なし通報である場合には、S460へ移行し、音声出力装置27(図1参照)を介してS450と同様の音声案内、つまり進入しない旨を報知する。
S440,S450,S460の処理後はS470へ移行し、フラグのリセットを行う。これは、図3のS260にて未受信フラグをセットしていた場合、それをリセットするための措置である。S470の処理後は、図3のS10へ戻る。
なお、本実施例においては、ハードディスク28が「アドレスデータ記憶手段」に相当し、無線通信機30が「通信手段」に相当する。また、制御回路29が「制御手段」に相当し、位置検出器21、外部情報入出力装置24及び制御回路29が「車両状況特定手段」に相当する。
[実施例の通信装置1による効果]
(1)本実施例の通信装置1によれば、通信装置1を搭載した車両の運転者が左右何れかに車線変更をしようと考えて方向指示器を操作すると、通信装置1(情報要求側)は、自車の死角領域に今後所定時間内に進入してくる後続車両があるか否か、そして進入するとしたら何時かを問い合わせるため、現在の動的アドレス及び一つ後方の動的アドレスに、その時点の絶対時刻である送信時の絶対時刻(A)・現在位置・死角領域・車速・方向を付加した送信データを送信する。
この送信データを受信した後続車両の通信装置1(情報提供側)では、受信したデータ中に含まれていた送信時の絶対時刻(A)・現在位置・死角領域・車速・方向と、自車の現在位置・車速・方向などから、自車が死角領域へ進入する時刻、その時の位置及び方向を算出する。その結果、死角領域へ向かわないのであれば返信せず、死角領域へ向かう場合のみ返信する。但し、所定時間内に進入するのであれば進入通報を送信し、所定時間内に進入しないのであれば進入なし通報を送信する。進入通報は、死角領域に進入する絶対時刻である通報時刻と、その時の自車位置・車速・方向である。この情報提供側からの返信を受けた情報要求側では、所定の音声案内を行う。例えば「3秒後に他車両が死角に進入します」といった案内である。この案内によって運転者は車線変更の可否を適切に判断できる。
(2)また、情報要求側の通信装置1が送信データを送信した場合(S240)、受信アドレスをそれまでの自車の動的アドレスから送信絶対時刻(A)に一時的に変更し、情報提供側が返信データを送信する際の送信先アドレスもこの送信絶対時刻(A)としている。これによって、情報要求側の通信装置1が情報要求時に存在した動的アドレスから別の動的アドレスに移動していたとしても、情報要求側の通信装置1は情報提供側の通信装置1からの返信データを確実に受信できる。
(3)また、本実施例の通信装置1の場合は、隣接する動的アドレスから同時に情報要求を送信してしまうことを防止するため、絶対時刻を用いて交互に送信を許可するようにしている。具体的には、図3(b)に例示するように、絶対時刻が奇数秒である場合には奇数番号の動的アドレスを送信許可アドレスとし、絶対時刻が偶数秒である場合には偶数番号の動的アドレスを送信許可アドレスとしている。つまり、各動的アドレスは1秒毎に送信許可アドレスとなるが、その送信許可アドレスとなるタイミングは、隣接する動的アドレスで1秒毎に交代することとなる。
(4)また、本実施例の場合には、同一動的アドレス内において複数の車両、すなわち複数の通信装置1が存在した場合に、それらの内から優先して送信することのできる通信装置1を、図2(b)の送信マップを用いて決定している。この送信マップは、動的アドレス進入距離と送信開始の絶対時刻との関係を示すものであり、本実施例では進入距離が長いほど送信開始時刻が早くなるよう設定、つまり優先的に送信可能なように設定されている。これによって、同じ動的アドレスに存在する複数の通信装置1が同時に情報要求してしまい通信衝突を生じる、といった不都合を回避できる。
[その他]
(a)上記実施例で例示した数値は一例であり、例えば動的アドレスの進行方向長さについても50mに限定されることはない。上記実施例では、車線変更に必要な数秒間程度の間に自車の死角領域に進入するような他車両の有無を判断することを目的とし、且つ隣接する動的アドレス内に存在する通信装置1間での通信にて情報要求・提供を完結させるために50mという長さを採用したが、例えば高速道路と一般道とで変更しても良い。例えば一般道では40mに設定しておく、といったことである。
(b)上記実施例では、音声出力装置27を介した音声による報知としたが、表示装置26を介した表示による報知でもよいし、あるいは両者を併用しても良い。但し、運転者への警告機能としては音声による報知の方が実効性はあるため、少なくとも音声による報知を含めることが好ましい。
実施例の通信装置の概略構成を示すブロック図である。 動的アドレス、同一動的アドレス内の情報要求信号の同時発信対策の概要を示す説明図である。 送信フォーマット、隣接動的アドレス間の同時送信対策の説明図である。 本通信装置1にて実行される送信処理・受信処理の一部を表すフローチャートである。 本通信装置1にて実行される送信処理・受信処理の一部を表すフローチャートである。
符号の説明
1…通信装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、21d…地磁気センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部情報入出力装置、25…地図データ入力器、26…表示装置、27…音声出力装置、28…ハードディスク、28a…共有アドレスデータ、29…制御回路、30…無線通信機。

Claims (10)

  1. 車両に搭載され、車両間において直接、情報を相互に通信可能な通信装置であって、
    地図上の複数車線を有する道路に沿って区分された連続する領域それぞれに、その領域を特定可能なように設定されたアドレスである動的アドレスを対応させて構成された共有アドレスデータを記憶するアドレスデータ記憶手段と、
    任意の前記動的アドレスに対応する領域に存在した場合、少なくとも車両進行方向後ろ側の所定距離内に存在する通信装置と無線通信可能な通信エリアを有する通信手段と、
    少なくとも車両の現在位置、死角領域、速度及び方向を特定する車両状況特定手段と、
    各種制御を実行する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記車両状況特定手段によって特定された現在位置から車両進行方向後ろ側の所定距離までの領域に対応する全ての前記動的アドレスを送信先のアドレスとして含むと共に前記車両状況特定手段によって特定された車両の現在位置、死角領域、速度及び方向を含む送信データを、前記通信手段を介して他の通信装置へ送信する情報要求制御と、
    前記通信手段を介して他の通信装置から前記送信データを受信した場合に、前記送信データと、前記車両状況特定手段によって特定した車両の現在位置、速度及び方向とに基づいて、前記送信データ中に含まれる死角領域に所定時間内に進入するか否かを判断し、少なくともその判断結果を含む返信データを、前記通信手段を介して情報要求元の通信装置へ返信する返信制御と、
    前記通信手段を介して他の通信装置から前記返信データを受信した場合に、前記返信データに基づいて所定の報知を行う報知制御と、を実行すること
    を特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置において、
    前記車両状況特定手段は、方向指示器における方向指示信号の内容を特定可能であり、
    前記制御手段は、前記方向指示信号が出されている場合にのみ前記情報要求制御を実行し、且つ前記送信データ中に含む死角領域は、前記方向指示信号の出されている左右何れかの死角領域のみとすること
    を特徴とする通信装置。
  3. 請求項1又は2に記載の通信装置において、
    前記制御手段は、
    前記返信制御に際して、前記送信データ中に含まれる死角領域に進入するか否かを判断し、進入すると判断した場合に限り、前記返信データを返信すること
    を特徴とする通信装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の通信装置において、
    絶対時刻を特定する絶対時刻特定手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記情報要求制御に際して、前記絶対時刻特定手段によって特定された絶対時刻を前記送信データ中に含めると共に、受信アドレスを一時的に前記絶対時刻とし、
    前記返信制御に際して、前記受信した送信データ中から取り出した前記絶対時刻を送信先のアドレスとして返信すること
    を特徴とする通信装置。
  5. 請求項4に記載の通信装置において、
    前記制御手段は、
    前記情報要求制御に先立ち、前記動的アドレスに対応する領域へ進入してからの移動距離に基づいて決定された絶対時刻である送信許可時刻に、自車両が存在する領域に対応する動的アドレスを送信先のアドレスとして、前記送信許可時刻を含む優先権獲得データを他の通信装置へ送信し、
    前記通信手段を介して他の通信装置から前記優先権獲得データを受信した場合、その受信データ中に含まれる送信許可時刻(以下、受信した送信許可時刻と称す。)と前記送信した優先権獲得データ中に含まれる送信許可時刻(以下、送信した送信許可時刻と称す。)とを比較し、前記送信した送信許可時刻が前記受信した送信許可時刻と同じ又は前記送信した送信許可時刻が前記受信した送信許可時刻よりも早い場合にのみ前記情報要求制御を実行すること
    を特徴とする通信装置。
  6. 請求項1〜3の何れかに記載の通信装置において、
    絶対時刻を特定する絶対時刻特定手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記情報要求制御に先立ち、前記動的アドレスに対応する領域へ進入してからの移動距離に基づいて決定された絶対時刻である送信許可時刻に、自車両が存在する領域に対応する動的アドレスを送信先のアドレスとして、前記送信許可時刻を含む優先権獲得データを他の通信装置へ送信し、
    前記通信手段を介して他の通信装置から前記優先権獲得データを受信した場合、その受信データ中に含まれる送信許可時刻(以下、受信した送信許可時刻と称す。)と前記送信した優先権獲得データ中に含まれる送信許可時刻(以下、送信した送信許可時刻と称す。)とを比較し、前記送信した送信許可時刻が前記受信した送信許可時刻と同じ又は前記送信した送信許可時刻が前記受信した送信許可時刻よりも早い場合にのみ前記情報要求制御を実行すること
    を特徴とする通信装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の通信装置において、
    前記動的アドレスに対応する領域へ進入してからの移動距離に基づいて決定された絶対時刻である前記送信許可時刻は、前記動的アドレスに対応する領域へ進入してからの移動距離が長いほど早期に生じるように決定されていること
    を特徴とする通信装置。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の通信装置において、
    前記動的アドレスを規定する領域は、車線変更に際して必要な所定時間内に前記車両の死角領域に進入する可能性のある他車両が現時点で自車両の存在する動的アドレス及び一つ後方の動的アドレスの何れかに存在するように設定されており、
    前記制御手段は、前記情報要求制御に際して、自車両が現時点で存在する領域に対応する動的アドレス及び一つ後方の動的アドレスを送信先のアドレスとして含む送信データを送信すること
    を特徴とする通信装置。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の通信装置において、
    制御手段は、
    前記返信制御に際して、前記死角領域に所定時間内に進入する場合には、その進入タイミングも含む返信データを返信し、
    前記報知制御に際して、前記返信データ中に前記死角領域へ進入するタイミングが含まれている場合には、そのタイミングについて音声にて報知すること
    を特徴とする通信装置。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の通信装置における前記制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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