(本開示の基礎となった知見)
左側通行を採用している国では、図1に示されるように、車両は進行方向に対して左側のレーンを通行する。
図1は、左側通行の交差点において死角領域が発生していることを説明するための図である。
交差点において、車両(右折車)200が右折する際に、右折車200に対向する右折レーンに存在する車両(対向車)100により生じる死角領域(図1において破線で示される領域)が発生する。この場合、直進レーンを通行する車両(直進車)400が当該死角領域から交差点へ直進してくるおそれがあるため、右折車200は、死角領域が視認できるようになるまで待つか、右折専用信号機が点灯するまで待つ等する必要がある。なお、図1には、右折レーンにおいて対向車100の後ろに並ぶ車両(後続車)300も示されている。
ところで、近年、自動運転車の開発が進んでおり、自動運転車には自動運転車の前方、側方および後方を撮影するカメラ(センサ)が搭載され、例えば図2に示されるように、自動運転車は自車の周囲をセンシングしている。
図2は、車両が有するカメラ(センサ)のセンシング範囲を示す図である。例えば、対向車100は、自車の周囲をセンシングすることができるため、自車の周囲に右折車200の死角領域が含まれていれば、死角領域をセンシングすることができる。本開示では、右折車200の死角領域における状況が対向車100に搭載されたカメラ(センサ)を利用して取得される。なお、車両100、200、300等は自動運転車に限らず、ドライブレコーダ等のカメラを搭載した手動運転車であってもよい。
なお、以下では、左側通行を採用している国における車両に着目して説明するが、図3に示されるように、本開示は右側通行を採用している国における車両にも適用することができる。図3は、右側通行の交差点において死角領域が発生していることを説明するための図である。したがって、以下の説明における「右折」は、「左折」と読み替えることができる。また、「右折」と「左折」とを総称して「右左折」とも呼ぶ。例えば、車両200は、図1に示されるように右折車(右折をしようとしている車両)であってもよく、図3に示されるように左折車(左折をしようとしている車両)であってもよいため、右左折車とも呼ぶ。
本開示の情報処理装置は、車両に搭載される情報処理装置であって、前記車両に対向する右左折車から、前記右左折車の死角領域をセンシングすることを指示する第1取得情報を取得する第1取得部と、前記第1取得情報に基づいて前記右左折車の死角領域をセンシングするか否かを判定するセンシング判定部と、前記センシング判定部によりセンシングすると判定された前記右左折車の死角領域を決定するための第2取得情報を取得する第2取得部と、前記第2取得部により取得された前記第2取得情報から決定される前記死角領域のセンシングを制御するための第1制御情報を生成する生成部と、前記第1制御情報を出力する出力部であって、前記第1制御情報をセンサ又はセンサを有する第1装置へ出力し、前記センサ又は前記第1装置から受け取られるセンシング結果を前記右左折車に搭載される第2装置へ出力し、あるいは、前記第1制御情報と、センシング結果を前記第2装置へ出力することを指示する情報とを前記第1装置へ出力する出力部と、を備える。
これによれば、交差点において右左折車が右左折(右折または左折)する際に発生する右左折車の死角領域が、右左折車からの第1取得情報に応じてセンシングされ、当該死角領域における移動物体に関する情報(センシング結果)が、出力部から直接、または、第1装置(例えば、情報処理装置が搭載された車両の周囲に存在する車両に搭載された装置)を介して、右左折車(第2装置)に出力される。したがって、右左折車は、右左折するべきかすべきでないかの判断を柔軟に(快適に)行うことができる。また、車両の周囲に存在する全ての移動物体に関する情報ではなく、死角領域における移動物体に関する情報(センシング結果)が右左折車に出力されるため、車両間通信における通信量を少なくすることができる。このように、より少ない通信量で、交差点において発生する死角領域における状況に応じた制御を行うことができる。また、右左折車が右左折しようとする際に右左折車から死角領域をセンシングする指示が送信されるため、死角領域をセンシングするか否かを容易に判定することができる。
また、本開示の情報処理装置は、車両に搭載される情報処理装置であって、前記車両に対向する車両が映る画像を示す第3取得情報を取得する第1取得部と、前記第3取得情報が示す画像に映る車両が右左折車であるかに基づいて前記右左折車の死角領域をセンシングするか否かを判定するセンシング判定部と、前記センシング判定部によりセンシングすると判定された前記右左折車の死角領域を決定するための第2取得情報を取得する第2取得部と、前記第2取得部により取得された前記第2取得情報から決定される前記死角領域のセンシングを制御するための第1制御情報を生成する生成部と、前記第1制御情報を出力する出力部であって、前記第1制御情報をセンサ又はセンサを有する第1装置へ出力し、前記センサ又は前記第1装置から受け取られるセンシング結果を前記右左折車に搭載される第2装置へ出力し、あるいは、前記第1制御情報と、センシング結果を前記第2装置へ出力することを指示する情報とを前記第1装置へ出力する出力部と、を備える。
これによれば、交差点において右左折車が右左折する際に発生する右左折車の死角領域が、例えば自車両に搭載されたカメラ等からの第3取得情報に応じてセンシングされ、当該死角領域における移動物体に関する情報(センシング結果)が、出力部から直接、または、第1装置を介して、右左折車(第2装置)に出力される。したがって、右左折車は、右左折するべきかすべきでないかの判断を柔軟に行うことができる。また、車両の周囲に存在する全ての移動物体に関する情報ではなく、死角領域におけるセンシング結果が右左折車に出力されるため、車両間通信における通信量を少なくすることができる。このように、より少ない通信量で、交差点において発生する死角領域における状況に応じた制御を行うことができる。また、カメラ等により取得された画像によって、右左折車が右左折しようとしているか否か判定できるため、死角領域をセンシングするか否かを容易に判定することができる。
また、前記死角領域は、前記車両により生じる死角領域を含んでもよい。
これによれば、交差点において発生する、右左折車に対向する車両(対向車)により生じる死角領域における状況に応じた制御を行うことができる。
また、前記第2取得部は、前記車両と前記右左折車との位置関係に基づいて前記死角領域を算出することにより、前記第2取得情報を取得してもよい。
これによれば、車両(対向車)は、車両(対向車)により生じる右左折車の死角領域を自ら算出することで、第2取得情報を取得することができる。
また、前記第2取得部は、前記右左折車から前記第2取得情報を取得してもよい。
これによれば、車両(対向車)は、車両(対向車)により生じる右左折車の死角領域を自ら算出しなくてもよく、右左折車から第2取得情報を取得することができる。
また、前記車両の位置を示す第1位置情報及び前記情報処理装置と通信可能な範囲内の車両の位置を示す少なくとも1つの第2位置情報を取得する第3取得部をさらに備え、前記第1装置は、前記車両の後続車に搭載される装置を含み、前記生成部は、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から前記後続車に搭載される装置を特定し、前記出力部は、前記第1制御情報を特定された前記後続車に搭載される装置へ出力してもよい。
これによれば、右左折車に対向する車両の後続車により死角領域がセンシングされ、後続車により死角領域における移動物体に関する情報(センシング結果)が出力される。したがって、右左折車に対向する車両のセンシング可能範囲よりも後方の死角領域における移動物体に関する情報を右左折車は取得することができる。
また、本開示の情報処理装置は、車両に搭載される情報処理装置であって、前記車両の右左折の検出に基づいて前記車両の死角領域を算出するか否かを判定する判定部と、前記車両の周囲情報に基づいて前記車両の死角領域を算出する算出部と、前記死角領域を示す情報を出力する第1出力部と、前記死角領域のセンシング結果を受け取る取得部と、前記センシング結果に基づいて前記車両の走行支援情報を生成する生成部と、前記走行支援情報を前記車両に搭載される装置へ出力する第2出力部と、を備える。
これによれば、交差点において車両(右左折車)が右左折する際に発生する右左折車の死角領域がセンシングされ、当該死角領域における移動物体に関する情報(センシング結果)を右左折車は取得する。したがって、右左折車は、右左折するべきかすべきでないかの判断を柔軟に(快適に)行うことができる。また、右左折車に対向する対向車の周囲に存在する全ての移動物体に関する情報ではなく、死角領域における移動物体に関する情報(センシング結果)を右左折車は取得するため、車両間通信における通信量を少なくすることができる。このように、より少ない通信量で、交差点において発生する死角領域における状況に応じた制御を行うことができる。
また、前記死角領域は、前記車両の対向車により生じる死角領域を含んでもよい。
これによれば、交差点において発生する、対向車により生じる死角領域における状況に応じた制御を行うことができる。
また、前記算出部は、前記車両と前記対向車との位置関係に基づいて前記死角領域を算出し、前記第1出力部は、通信を介して前記死角領域を示す情報を前記対向車へ出力してもよい。
これによれば、車両(右左折車)は、対向車により生じる車両(右左折車)の死角領域を算出し対向車へ出力することで、対向車は、死角領域を示す情報を取得することができる。
また、前記車両に備えられる方向指示器の点灯を示す情報に基づいて前記車両の右左折を検出する検出部をさらに備え、前記車両の右左折の検出は、前記検出部による前記車両の右左折の検出を含んでいてもよい。
これによれば、車両(自車)の右左折の検出が自車に備えられる方向指示器の点灯状態に応じて自車により行われる。
また、前記車両の右左折の検出は、前記車両の対向車における前記車両の右左折の検出を含み、前記判定部は、前記対向車から受け取られる前記車両の右左折の検出結果に基づいて前記車両の死角領域を算出するか否かを判定してもよい。
これによれば、車両(自車)の右左折の検出が対向車により行われる。
また、前記生成部は、前記センシング結果が前記死角領域に物体が存在することを示す場合、前記車両の右左折を停止させるための前記走行支援情報を生成してもよい。
これによれば、車両が死角領域から飛び出してくる移動物体と衝突することを抑制できる。
また、前記生成部は、前記センシング結果が前記死角領域に物体が存在しないことを示す場合、前記車両を右左折させるための前記走行支援情報を生成してもよい。
これによれば、死角領域から移動物体が飛び出してくるおそれがない場合には、不要な停止、減速が抑制されるため、交差点において快適に右左折することができる。
また、前記走行支援情報は、前記車両の走行を制御するための情報であってもよい。
これによれば、交差点において発生する死角領域における状況に応じて、車両の走行(右左折するか停止を維持するか)を制御することができる。
また、前記走行支援情報は、前記車両の乗員へ提示するための情報であってもよい。
これによれば、交差点において発生する死角領域における状況に応じて、車両の走行(右左折するか停止を維持するか)に関する情報を乗員へ提示することができる。
また、本開示のプログラムは、車両に搭載される情報処理装置の動作を制御するプログラムであって、前記情報処理装置の動作は、前記車両に対向する右左折車から、前記右左折車の死角領域をセンシングすることを指示する第1取得情報を取得し、前記第1取得情報に基づいて前記右左折車の死角領域をセンシングするか否かを判定し、センシングすると判定された前記右左折車の死角領域を決定する第2取得情報を取得し、取得された前記第2取得情報から決定される前記死角領域のセンシングを制御するための第1制御情報を生成し、前記第1制御情報をセンサ又はセンサを有する第1装置へ出力し、前記センサ又は前記第1装置から受け取られるセンシング結果を前記右左折車に搭載される第2装置へ出力し、あるいは、前記第1制御情報と、センシング結果を前記第2装置へ出力することを指示する情報とを前記第1装置へ出力する、ことを含む。
また、本開示のプログラムは、車両に搭載される情報処理装置の動作を制御するプログラムであって、前記情報処理装置の動作は、前記車両に対向する車両が映る画像を示す第3取得情報を取得し、前記第3取得情報が示す画像に映る車両が右左折車であるかに基づいて前記右左折車の死角領域をセンシングするか否かを判定し、センシングすると判定された前記右左折車の死角領域を決定する第2取得情報を取得し、取得された前記第2取得情報から決定される前記死角領域のセンシングを制御するための第1制御情報を生成し、前記第1制御情報をセンサ又はセンサを有する第1装置へ出力し、前記センサ又は前記第1装置から受け取られるセンシング結果を前記右左折車に搭載される第2装置へ出力し、あるいは、前記第1制御情報と、センシング結果を前記第2装置へ出力することを指示する情報とを前記第1装置へ出力する、ことを含む。
また、本開示のプログラムは、車両に搭載される情報処理装置の動作を制御するプログラムであって、前記情報処理装置の動作は、前記車両の右左折の検出に基づいて前記車両の死角領域を算出するか否かを判定し、前記車両の周囲情報に基づいて前記車両の死角領域を算出し、前記死角領域を示す情報を出力し、前記死角領域のセンシング結果を受け取り、前記センシング結果に基づいて前記車両の走行支援情報を生成し、前記走行支援情報を前記車両に搭載される装置へ出力する、ことを含む。
これによれば、より少ない通信量で、交差点において発生する死角領域における状況に応じた制御を行うことができるプログラムを提供することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
以下、図4から図6を用いて実施の形態1について説明する。
[1−1.対向車および右折車の構成]
図4は、実施の形態1における車両100および200の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示されるように、車両(対向車)100は、情報処理装置10、通信部110およびカメラ120を備え、車両(右折車)200は、情報処理装置20、通信部210、カメラ220および車両制御部230を備える。
情報処理装置10は、例えば1つ又は車載ネットワークで接続された複数の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)で構成され、通信部110による通信およびカメラ120によるセンシングに関連する制御を行う。情報処理装置10は、第1取得部16、センシング判定部11、第2取得部12、生成部13および出力部14を備える。
第1取得部16は、車両(対向車)100に対向する右左折車(右折車)200から、右左折車(右折車)200の死角領域をセンシングすることを指示する第1取得情報を取得する。
センシング判定部11は、第1取得情報に基づいて右左折車(右折車)200の死角領域をセンシングするか否かを判定する。
第2取得部12は、センシング判定部11によりセンシングすると判定された右左折車(右折車)200の死角領域を決定する第2取得情報を取得する。例えば、第2取得部12は、車両(対向車)100と右左折車(右折車)200との位置関係に基づいて死角領域を算出することにより、第2取得情報を取得する。なお、第2取得部12は、右左折車(右折車)200から第2取得情報を取得してもよい。死角領域には、図1に示されるような、車両(対向車)100により生じる死角領域を含む。
生成部13は、第2取得部12により取得された第2取得情報から決定される死角領域のセンシングを制御するための第1制御情報を生成する。本実施の形態では、第1制御情報は、車両(対向車)100による死角領域のセンシングおよびセンシング結果の出力を制御するための情報である。
出力部14は、第1制御情報を出力する。出力部14は、第1制御情報をセンサ(例えば車両100に搭載されたカメラ120)へ出力し、センサ(カメラ120)から受け取られるセンシング結果を右左折車(右折車)200に搭載される第2装置へ出力する。本実施の形態では、出力部14は、車両(対向車)100に搭載されたセンサ(カメラ120)によるセンシング結果を、通信部110を介して右折車200(第2装置)へ出力する。
通信部110は、例えば、他車等との通信を行う通信インタフェースであり、右折車200が備える通信部210と無線で通信を行う。
カメラ120は、例えば、対向車100の周囲(例えば周囲360度)を撮影可能なセンサである。カメラ120は、例えば、対向車100の前方、両側方および後方にそれぞれ設置された複数のカメラにより構成される。カメラ120の撮影範囲のうちの一部が、右折車200の死角領域となっている。なお、カメラ120は、360度の視野角を有するカメラであってもよい。
対向車100の動作については、後述する図5で詳細に説明する。
情報処理装置20は、例えば1つ又は車載ネットワークで接続された複数のECUで構成され、通信部210による通信、カメラ220によるセンシングに関連する制御を行う。情報処理装置20は、例えば上述した第2装置である。また、情報処理装置20は、例えばエンジン、ブレーキ、ステアリング等を制御するECUを含み、右折車200の走行に関連する制御を行う。情報処理装置20は、判定部21、算出部22、第1出力部23、取得部24、生成部25および第2出力部26を備える。
判定部21は、車両(右折車)200の右左折(右折)の検出に基づいて車両(右折車)200の死角領域を算出するか否かを判定する。本実施の形態では、車両(右折車)200の右左折(右折)の検出は、車両(右折車)200により行われる。例えば、情報処理装置20は、車両(右折車)200に備えられる方向指示器の点灯を示す情報に基づいて車両(右折車)200の右左折(右折)を検出する検出部をさらに備える。そして、車両(右折車)200の右左折(右折)の検出は、検出部による車両(右折車)200の右左折(右折)の検出を含む。例えば、右折車200は、自身に備えられた右折用方向指示器が点灯した場合に、右折車200の右折を検出する。
算出部22は、車両(右折車)200の周囲情報に基づいて車両(右折車)200の死角領域を算出する。右折車200の周囲情報は、右折車200の周囲に存在する物体に関する情報である。具体的には、算出部22は、車両(右折車)200と車両(対向車)100との位置関係に基づいて車両(右折車)200の死角領域を算出する。
第1出力部23は、算出部22が算出した死角領域を示す情報を通信部210に出力する。具体的には、第1出力部23は、通信部210を介して当該死角領域を示す情報を車両(対向車)100へ提供する。
取得部24は、死角領域のセンシング結果を受け取る。具体的には、取得部24は、通信部210を介して対向車100から死角領域のセンシング結果を受け取る。
生成部25は、センシング結果に基づいて車両(右折車)200の走行支援情報を生成する。本実施の形態では、走行支援情報は車両(右折車)200の走行を制御するための情報である。具体的には、生成部25は、センシング結果が死角領域に物体が存在することを示す場合、車両(右折車)200の右左折(右折)を停止させるための走行支援情報を生成する。また、生成部25は、センシング結果が死角領域に物体が存在しないことを示す場合、車両(右折車)200を右左折(右折)させるための走行支援情報を生成する。これにより、右折車200は、死角領域に物体が存在する場合には停止でき、死角領域に物体が存在しない場合には安全に右折できる。
第2出力部26は、走行支援情報を車両(右折車)200に搭載される装置(例えばECU)へ出力する出力する。例えば、第2出力部26は、「旋回する」、「止まる」等の車両の挙動制御に関連するシャーシ系のECUおよび「加速」、「減速」等の車両の挙動制御に関連するパワートレーン系のECUなどへ走行制御のための情報を出力する。シャーシ系のECUはステアリングおよびブレーキ等に接続されており、パワートレーン系のECUはエンジンまたはハイブリッドシステム等に接続されている。なお、図4では、第1出力部23と第2出力部26とは分けて示されているが、1つの機能構成要素であってもよい。このように、情報処理装置20の各構成要素が1つのECUに備えられてもよいし、複数のECUに分散配置されてもよい。
通信部210は、他車等との通信を行う通信インタフェースであり、対向車100が備える通信部110と無線で通信を行う。
カメラ220は、例えば、右折車200の周囲(例えば周囲360度)を撮影可能なセンサである。カメラ220は、例えば、右折車200の前方、両側方および後方にそれぞれ設置された複数のカメラにより構成される。なお、カメラ220は、360度の視野角を有するカメラであってもよい。
右折車200の動作については、後述する図5で詳細に説明する。
ECUは、例えば、プロセッサ(マイクロプロセッサ)、メモリ等のデジタル回路、アナログ回路、通信回路等を含む装置である。メモリは、ROM、RAM等であり、プロセッサにより実行される制御プログラム(コンピュータプログラム)を記憶することができる。例えばプロセッサが、制御プログラム(コンピュータプログラム)に従って動作することにより、情報処理装置10は各種機能(第1取得部16、センシング判定部11、第2取得部12、生成部13および出力部14)を実現し、情報処理装置20は、各種機能(判定部21、算出部22、第1出力部23、取得部24、生成部25および第2出力部26)を実現することになる。
[1−2.対向車および右折車の動作]
次に、対向車100および右折車200の動作について図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態1における車両100および200の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、右折車200は、右折車200の右折を検出し、対向車100の存在を認識しているか否かを判定する(ステップS101)。当該判定に応じて、判定部21は、死角領域を算出するか否かを判定する。具体的には、右折車200が右折車200の右折を検出した場合に、対向車100の存在を認識しているときには、判定部21は、右折車200の死角領域を算出すると判定する。一方、右折車200が、右折車200の右折を検出していない、若しくは、右折車200の右折を検出していても対向車100の存在を認識していないときには、判定部21は、右折車200の死角領域を算出しないと判定する。このように、実施の形態1では、判定部21は、右折車200により行われる右折車200の右折の検出に基づいて死角領域を算出するか否かを判定する。なお、右折車200による右折車200(自車)の右折の検出の方法は特に限定されないが、例えば、目的地までの経路情報から自車の右折を検出してもよい。また、右折車200は、カメラ220による右折車200の前方の撮影により、対向車100の存在を認識する。
右折車200が右折車200の右折を検出し対向車100の存在を認識していると判定した場合(ステップS101でYES)、算出部22(右折車200)は、右折車200の死角領域を算出する(ステップS102)。具体的には、算出部22は、カメラ220が取得した右折車200の前方の画像から右折車200の死角領域を算出する。例えば、右折車200に対向する対向車100により死角領域が生じている場合、算出部22は、当該画像において対向車100が写る領域を死角領域として算出する。
次に、第1出力部23(右折車200)は、右折車200の死角領域に対応する、対向車100の後方領域の確認の依頼(言い換えると、死角領域をセンシングする指示)、および、算出部22が算出した死角領域を示す情報を対向車100に送信する(ステップS103)。具体的には、第1出力部23は、当該依頼および当該情報を通信部210に出力し、通信部210は、当該依頼および当該情報を対向車100が備える通信部110に送信する。
対向車100は、右折車200から送信された当該依頼および当該情報を受信する(ステップS104)。具体的には、対向車100は、通信部110を介して当該依頼および当該情報を受信する。これにより、第1取得部16は、当該依頼(第1取得情報)を取得する。
次に、センシング判定部11は、第1取得情報(例えば後方確認依頼)に基づいて死角領域をセンシングするか否かを判定する。具体的には、第1取得部16が第1取得情報を取得している場合に死角領域をセンシングすると判定し、第1取得情報を取得していない場合に死角領域をセンシングしないと判定する。よって、センシング判定部11(対向車100)は、死角領域をセンシングすると判定し、第2取得部12は、センシング判定部11によりセンシングすると判定された右折車200の死角領域を決定する第2取得情報を取得する(ステップS105)。このように、右折車200が右折しようとする際に右折車200から死角領域をセンシングすることを指示する第1取得情報が送信されるため、死角領域をセンシングするか否かを容易に判定することができる。
なお、ステップS103において、対向車100の後方領域の確認の依頼および死角領域を示す情報との両方が送信されたが、まず当該依頼のみが送信されてもよい。そして、対向車100は、当該依頼によって死角領域をセンシングすると判定した場合に、右折車200に対して右折車200が算出した死角領域を示す情報を要求し、右折車200は、当該要求に応じて死角領域を示す情報を対向車100に送信してもよい。
次に、生成部13(対向車100)は、第2取得情報から決定される死角領域のセンシングを制御するための第1制御情報を生成する。具体的には、対向車100は、死角領域をセンシングする(ステップS106)。そして、出力部14(対向車100)は、第1制御情報をセンサ(例えば対向車100に搭載されたカメラ120)に出力し、当該センサから受け取られるセンシング結果を右折車200に搭載される第2装置に送信する(ステップS107)。このように、実施の形態1では、対向車100が死角領域をセンシングし、対向車100がセンシング結果を出力する。センシング結果は、例えば、死角領域に移動物体(例えば直進車400)が存在する若しくは存在しないといった情報、交差点から死角領域に存在する移動物体までの距離の情報、又は、死角領域に存在する移動物体の速さの情報等である。なお、カメラ120のフレームレートおよびカメラ120が取得するフレーム毎の画像に写る移動物体の位置の変化により移動物体の速さを算出することができる。
取得部24(右折車200)は、対向車100から送信されたセンシング結果を受信する(ステップS108)。具体的には、取得部24は、通信部210を介してセンシング結果を受け取る。
次に、生成部25(右折車200)は、センシング結果に基づいて右折車200の走行支援情報を生成し(ステップS110)、第2出力部26(右折車200)は、走行支援情報を右折車200に搭載される装置へ出力する(ステップS111)。例えば、生成部25は、センシング結果に基づいて、死角領域に移動物体が存在しない、移動物体が死角領域に存在するが交差点から遠い、又は、移動物体が死角領域に存在するが移動物体の速さが遅い等と判断した場合、右折車200を右折させるための走行支援情報を生成する。また、例えば、生成部25は、センシング結果に基づいて、移動物体が死角領域に存在する、移動物体が死角領域に存在し交差点に近い、又は、移動物体が死角領域に存在し移動物体の速さが速い等と判断した場合、右折車200を停止させるための走行支援情報を生成する。
[1−3.死角領域]
次に、対向車100により生じる右折車200の死角領域の算出方法について、図6を用いて説明する。
図6は、死角領域の算出方法の一例を示す図である。なお、対向車100は、対向車100と右折車200との位置関係(具体的には、カメラ120とカメラ220との位置関係)を認識しているとする。例えば、対向車100は、カメラ120での対向車100の前方の撮影により得られる画像から対向車100と右折車200との位置関係を認識することができる。また、例えば、対向車100および右折車200は、GPSセンサを備えていてもよく、対向車100は、右折車200から右折車200の位置情報を取得することで、対向車100と右折車200との位置関係を認識することができる。
右折車200は、カメラ220での右折車200の前方の撮影により、右折車200の前方が写る画像を取得する。右折車200は、当該画像(図6に示される前方カメラの視野)において対向車100が写る範囲を死角領域として算出し当該死角領域を示す情報を対向車100に送信する。対向車100は、対向車100と右折車200との位置関係から、カメラ220での右折車200の前方の撮影により得られる画像において対向車100が写る範囲に対応する、カメラ120での対向車100の後方および側方の撮影により得られる画像(図6に示される後方および側方カメラの視野)における範囲を算出し、当該範囲を死角領域として認識する。
[1−4.効果等]
以上説明したように、交差点において右折車200が右折する際に発生する右折車200の死角領域が、右折車200からの第1取得情報に応じてセンシングされ、当該死角領域における移動物体に関する情報(センシング結果)が、出力部14から直接右折車200(第2装置)に出力される。したがって、右折車200は、右折するべきかすべきでないかの判断を柔軟に(快適に)行うことができる。また、対向車100の周囲に存在する全ての移動物体に関する情報ではなく、死角領域における移動物体に関する情報(センシング結果)が右折車200に出力されるため、車両間通信における通信量を少なくすることができる。このように、より少ない通信量で、交差点において発生する死角領域(例えば対向車100により生じる死角領域)における状況に応じて、右折車200の走行(右折するか停止を維持するか)を制御することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2について、図7を用いて説明する。なお、実施の形態2における車両100および200の構成は、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。ただし、センシング判定部11は、例えば車両(対向車)100に搭載されたカメラ120により取得された、車両(対向車)100に対向する車両(右折車)200が映る画像を示す第3取得情報に基づいて右折車200の死角領域をセンシングするか否かを判定し、車両(右折車)200の右左折(右折)の検出は、車両(右折車)200の対向車100における車両(右折車)200の右左折(右折)の検出を含む点が、実施の形態1と異なる。以下、実施の形態2における対向車100および右折車200の動作について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図7は、実施の形態2における車両100および200の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1取得部16(対向車100)は、車両100に対向する車両が映る画像を示す第3取得情報を取得する。これにより、対向車100は、右折車200の右折を検出しているか否か(第3取得情報が示す画像に映る車両が右左折車であるか否か)を判定する(ステップS201)。当該判定に応じて、判定部21は死角領域を算出するか否かを判定する。具体的には、対向車100は右折車200に対して死角領域の算出を依頼し(ステップS202)、判定部21(右折車200)は、当該依頼に基づいて死角領域を算出する(ステップS203)。このように、実施の形態2では、車両(右折車)200の右折の検出は、車両(右折車)200の対向車100により行われ、判定部21は、対向車100が行った車両(右折車)200の右折の検出結果に基づいて車両(右折車)200の死角領域を算出するか否かを判定する。なお、対向車100による右折車200の右折の検出の方法は特に限定されないが、例えば、カメラ120による撮影により得られる画像において、右折車200の右折用方向指示器の点滅、又は、右折車200の舵角を認識することで右折車200の右折を検出してもよい。
次に、第1出力部23(右折車200)は、算出部22が算出した死角領域を示す情報を対向車100に送信し(ステップS204)、対向車100は、右折車200から送信された当該情報を受信する(ステップS205)。
このようにして、センシング判定部11は、第3取得情報が示す画像に映る車両が右左折車であるかに基づいて、右左折車の死角領域をセンシングするか否かを判定する。
次に、センシング判定部11(対向車100)は、死角領域をセンシングすると判定し、第2取得部12は、センシング判定部11によりセンシングすると判定された右折車200の死角領域を決定する第2取得情報を取得する(ステップS206)。このように、対向車100に搭載されたカメラ120により取得された画像によって、右折車200が右折しようとしているか否か判定でき、死角領域をセンシングするか否かを容易に判定することができる。
ステップS207〜S211における処理は、ステップS106〜S110における処理と同じであるため、説明は省略する。
以上説明したように、実施の形態2では、対向車100による右折車200の右折の検出がトリガーとなって交差点において発生する死角領域における状況に応じた制御が行われる。つまり、対向車100は、右折車200の右折を検出することで、右折車200からの要請を受けなくても、右折車200の右折のための動作を開始してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3について、図8〜図10を用いて説明する。
図8は、実施の形態3における車両100および200の構成の一例を示すブロック図である。
実施の形態3における対向車100は、情報処理装置10の代わりに情報処理装置10aを備え、実施の形態3における右折車200は、情報処理装置20の代わりに情報処理装置20aを備える点が、実施の形態1と異なる。情報処理装置10aは、さらに、死角領域予測部15を備える点が情報処理装置10と異なる。情報処理装置20aは、判定部21、算出部22および第1出力部23を備えない点が情報処理装置10と異なる。その他の点は、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。以下、実施の形態3における対向車100および右折車200の動作について、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図9は、実施の形態3における車両100および200の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、右折車200は、右折車200の右折を検出し、対向車100の存在を認識しているか否かを判定する(ステップS301)。実施の形態1では、当該判定に応じて、判定部21は死角領域を算出するか否かを判定し、算出部22は死角領域を算出したが、実施の形態3では、情報処理装置20aは、判定部21および算出部22を備えないため、右折車200は、死角領域を算出しない。したがって、右折車200は、対向車100に、右折車200の死角領域を予測するように依頼する。
右折車200が右折車200の右折を検出し対向車100の存在を認識していると判定した場合(ステップS301でYES)、右折車200は、死角領域の予測依頼を、通信部110を介して対向車100に送信する(ステップS302)。
対向車100は、右折車200から送信された当該依頼を、通信部210を介して受信する(ステップS303)。これにより、第1取得部16は、当該依頼(第1取得情報)を取得する。
次に、センシング判定部11は、第1取得情報(死角領域予測依頼)に基づいて死角領域をセンシングするか否かを判定する。具体的には、第1取得部16が第1取得情報を取得している場合に死角領域をセンシングすると判定し、第1取得情報を取得していない場合に死角領域をセンシングしないと判定する。よって、センシング判定部11(対向車100)は、死角領域をセンシングすると判定し、死角領域予測部15は、右折車200の死角領域を予測する(ステップS304)。死角領域予測部15の動作については、後述する図10で詳細に説明する。そして、第2取得部12は、死角領域予測部15の予測結果に基づいて第2取得情報を取得する。
ステップS305〜S309における処理は、ステップS106〜S110における処理と同じであるため、説明は省略する。
次に、死角領域予測部15による死角領域の予測方法について図10を用いて説明する。
図10は、死角領域の予測方法の一例を示す図である。なお、対向車100は、対向車100と右折車200との位置関係(具体的には、カメラ120とカメラ220との位置関係)を認識しているとする。例えば、対向車100は、カメラ120での対向車100の前方の撮影により得られる画像から対向車100と右折車200との位置関係を認識することができる。
死角領域予測部15は、車両(対向車)100と右折車200との位置関係に基づいて死角領域を算出することにより死角領域を予測する。例えば、死角領域予測部15は、図10の(a)で示されるハッチングが付された領域を死角領域と予測する。具体的には、死角領域予測部15は、対向車100と右折車200との位置関係に基づいて、右折車200から対向車100への方向(図10の(a)に示される太線矢印)を中心とした所定の角度(図10の(a)に示されるθaおよびθb)の範囲を死角領域と予測する。例えば、θaは、右折車200から対向車100への方向と、右折車200から死角領域の一端に対応する対向車100の一端(図10の(a)に示される対向車100の左上端)への方向とでなす角度であり、θbは、右折車200から対向車100への方向と、右折車200から死角領域の他端に対応する対向車100の他端(図10の(a)に示される対向車100の右下端)への方向とでなす角度である。
また、死角領域予測部15は、例えば、図10の(b)で示されるハッチングが付された領域を死角領域と予測してもよい。具体的には、死角領域予測部15は、対向車100の右折車200側の一端(図10に示される対向車100の右上端)から対向車100の前面を通る方向と当該一端から対向車100の右側側面を通る方向とで形成される範囲を死角領域と予測してもよい。
以上説明したように、実施の形態3では、右折車200の死角領域が右折車200(自車)ではなく対向車100(他車)によって算出(予測)される。したがって、右折車200が死角領域を算出するための機能を有していない場合でも、対向車100によって死角領域が予測され、右折車200は右折するべきかすべきでないかの判断を柔軟に(快適に)行うことができる。
(実施の形態4)
実施の形態4について、図11を用いて説明する。なお、実施の形態4における車両100および200の構成は、実施の形態3と同じであるため、説明を省略する。なお、実施の形態4では、右折車200は、カメラ220を備えていなくてもよい。以下、実施の形態4における対向車100および右折車200の動作について、実施の形態3と異なる点を中心に説明する。
図11は、実施の形態4における車両100および200の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1取得部16(対向車100)は、車両100に対向する車両が映る画像を示す第3取得情報を取得する。これにより、対向車100は、右折車200の右折を検出しているか否か(第3取得情報が示す画像に映る車両が右左折車であるか否か)を判定する(ステップS401)。実施の形態3では、右折車200が右折車200の右折を検出したが、実施の形態4では、対向車100が右折車200の右折を検出する。このようにして、センシング判定部11は、第3取得情報が示す画像に映る車両が右左折車であるかに基づいて、右左折車の死角領域をセンシングするか否かを判定する。
次に、センシング判定部11(対向車100)は、死角領域をセンシングすると判定し、死角領域予測部15は、右折車200の死角領域を予測する(ステップS402)。そして、第2取得部12は、死角領域予測部15の予測結果に基づいて第2取得情報を取得する。
ステップS403〜S407における処理は、ステップS305〜S309における処理と同じであるため、説明は省略する。
以上説明したように、実施の形態4では、対向車100による右折車200の右折の検出がトリガーとなって交差点において発生する死角領域における状況に応じた制御が行われる。また、実施の形態4では、右折車200によって死角領域の算出が行われず、対向車100によって死角領域の予測が行われる。したがって、対向車100は、右折車200の右折を検出することで、右折車200からの要請を受けなくても、右折車200の右折のための動作を開始し、右折車200が死角領域を算出するための機能を有していない場合でも、対向車100によって死角領域が予測され、右折車200は右折するべきかすべきでないかの判断を柔軟に(快適に)行うことができる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の情報処理装置について、実施の形態1〜4に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、対向車100および右折車200は、それぞれ、カメラ120および220に変えて、若しくは、カメラ120および220に加えて、レーダ又はLIDAR等を備えていてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、右折車200の死角領域は、対向車100により生じる死角領域であったが、高架橋柱等の障害物により生じる死角領域であってよい。この場合であっても、算出部22(右折車200)は、カメラ220が取得した右折車200の前方の画像において当該障害物が写る領域を死角領域として算出することができる。また、死角領域予測部15(対向車100)は、対向車100、右折車200および障害物それぞれの位置関係から当該障害物により生じる死角領域を予測することができる。
また、例えば、上記実施の形態では、出力部14は、第1制御情報をセンサ(例えば車両100に搭載されたカメラ120)へ出力し、当該センサから受け取られるセンシング結果を右折車200に搭載される第2装置へ出力したが、これに限らない。例えば、出力部14は、第1制御情報を、センサ(カメラ等)を有する第1装置へ出力し、第1装置から受け取られるセンシング結果を右折車200に搭載される第2装置へ出力してもよい。なお、第1装置は、車両100の後続車300に搭載される装置を含む。つまり、上記実施の形態では、車両100は、自ら死角領域のセンシングを行っていたが、後続車300に搭載された装置に行わせ、後続車300から受け取ったセンシング結果を第2装置へ出力してもよい。
あるいは、出力部14は、第1制御情報と、センシング結果を第2装置へ出力することを指示する情報とを第1装置へ出力してもよい。具体的には、情報処理装置10は、車両100の位置を示す第1位置情報及び情報処理装置10と通信可能な範囲内の車両の位置を示す少なくとも1つの第2位置情報を取得する第3取得部をさらに備え、生成部13は、第1位置情報及び第2位置情報から後続車300に搭載される装置を特定する。なお、第3取得部による位置情報の取得方法は、特に限定されない。例えば、GPS、画像センサ又は測距センサ等を用いることで位置情報を取得できる。そして、出力部14は、第1制御情報を、特定された後続車300に搭載される装置へ出力する。このようにして、出力部14は、後続車300に搭載された装置に対して、死角領域をセンシングさせ、センシング結果を第2装置へ出力させる指令を出力してもよい。
例えば、対向車100は、当該指令をブロードキャストで複数の後続車300に送信し、複数の後続車300は、死角領域をセンシングすることで得られるセンシング結果を右折車200に送信する。これにより、右折車200に対向する対向車100のセンシング可能範囲よりも後方の死角領域における移動物体に関する情報を右折車200は取得することができる。例えば、死角領域のうち対向車100が備えるカメラ120でセンシング可能な範囲外から猛スピードで交差点を直進しようとしている直進車400が存在している場合であっても、直進車400が猛スピードで交差点を直進しようとしていることを示すセンシング結果を後続車300が右折車200に送信することで、右折車200は、右折するべきかすべきでないかの判断を柔軟に(快適に)行うことができる。
また、例えば、上記実施の形態では、走行支援情報は、車両(右折車)200の走行を制御するための情報であったが、車両(右折車)200の乗員へ提示するための情報であってもよい。例えば、右折車200の乗員へ提示するための情報は、画像(文字)情報、音声情報、又はその両方である。右折車200が手動運転車の場合、右折車200の乗員(ドライバー)へ右折できるか否かを提示することができる。右折車200が自動運転車の場合、右折車200の乗員へ、これから右折するか停止を維持するかを提示することができる。これらの提示は、例えば、右折車200が備えるディスプレイ又はスピーカ等により行われる。また、例えば、右折車200の乗員へ提示するための情報は、対向車100(後続車300)が備えるカメラの撮影により得られた死角領域が写る画像であってもよい。当該画像が右折車200に送信され、右折車200が備えるディスプレイに表示されることで、乗員(ドライバー)が右折するべきか停止を維持するべきかを判断してもよい。なお、当該画像が、右折車200が備えるカメラ220の撮影により得られた画像の対向車100(障害物)が写る領域に重畳されることで、対向車100(障害物)が透けて死角領域が写っているような画像が、右折車200が備えるディスプレイに表示されてもよい。
また、本開示は、情報処理装置として実現できるだけでなく、情報処理装置を構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む方法として実現できる。
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本開示は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD−ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本開示のプログラムは、車両に搭載される情報処理装置10の動作を制御するプログラムであって、情報処理装置10の動作は、(i)車両100に対向する右左折車200から、右左折車200の死角領域をセンシングすることを指示する第1取得情報を取得し、(ii)第1取得情報に基づいて右左折車200の死角領域をセンシングするか否かを判定し、(iii)センシングすると判定された右左折車200の死角領域を決定する第2取得情報を取得し、(iv)取得された第2取得情報から決定される死角領域のセンシングを制御するための第1制御情報を生成し、(v−1)第1制御情報をセンサ又はセンサを有する第1装置へ出力し、センサ又は第1装置から受け取られるセンシング結果を右左折車200に搭載される第2装置へ出力し、(v−2)あるいは、第1制御情報と、センシング結果を第2装置へ出力することを指示する情報とを第1装置へ出力することを含む。
また、例えば、本開示のプログラムは、車両100に搭載される情報処理装置10の動作を制御するプログラムであって、情報処理装置10の動作は、(i)車両100に対向する車両が映る画像を示す第3取得情報を取得し、(ii)第3取得情報が示す画像に映る車両が右左折車200であるかに基づいて右左折車200の死角領域をセンシングするか否かを判定し、(iii)センシングすると判定された右左折車200の死角領域を決定する第2取得情報を取得し、(iv)取得された第2取得情報から決定される死角領域のセンシングを制御するための第1制御情報を生成し、(v−1)第1制御情報をセンサ又はセンサを有する第1装置へ出力し、センサ又は第1装置から受け取られるセンシング結果を右左折車200に搭載される第2装置へ出力し、(v−2)あるいは、第1制御情報と、センシング結果を第2装置へ出力することを指示する情報とを第1装置へ出力することを含む。
また、例えば、本開示のプログラムは、車両200に搭載される情報処理装置20の動作を制御するプログラムであって、情報処理装置20の動作は、(i)車両200の右左折の検出に基づいて車両200の死角領域を算出するか否かを判定し、(ii)車両200の周囲情報に基づいて車両200の死角領域を算出し、(iii)死角領域を示す情報を出力し、(iv)死角領域のセンシング結果を受け取り、(v)センシング結果に基づいて車両200の走行支援情報を生成し、(vi)走行支援情報を車両200に搭載される装置へ出力することを含む。
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
また、上記実施の形態の情報処理装置に含まれる複数の構成要素は、それぞれ、専用または汎用の回路として実現されてもよい。これらの構成要素は、1つの回路として実現されてもよいし、複数の回路として実現されてもよい。
また、上記実施の形態の情報処理装置に含まれる複数の構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。LSIは、集積度の違いにより、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称される場合がある。
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。