JP4235436B2 - ステッピングモータの回転子位置推定方法とその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータの回転子位置推定方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のステッピングモータの回転子位置及び速度検出方法は、次の2種類に分類できる。
1)前記モータの非励磁状態の励磁コイルから誘起電圧を計測する方法としては、すでに開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
2)また、前記モータに誘起電圧検出用の巻線を特別に設け、誘起電圧を計測する方法としては、すでに開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。
3)さらに、ステッピングモータの負荷検出のためには、逆起電圧検出回路を設け負荷角を求める方法もある。そして、前記負荷角が解れば、回転子位置も推定可能であることが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
次いで、従来技術として、逆正接関数を用いても、前記回転子の推定位置θestreを求めることができる。
図3は、電気角周波数16Hz、電流指令を1Aとして、電流制御を行ったときの誘起電圧の推定結果(電気角)である。この結果から解るように、前記誘起電圧の推定結果にはノイズ成分を多く含んでいる。
この情報を使って、電気角を逆正接関数で求めた結果が図4に示すように、電気角周波数16Hz、電流指令を1Aとし、電流制御を行ったときの逆正接関数を用いて推定した電気角の推定結果である。この方法では推定結果にノイズが発生し、そのままモータ制御に使用することは不可能であることが解る。
また、逆正接関数の出力は±90゜の範囲である。推定範囲を0゜から360゜にするためには、場合分けを行う必要がある。
【特許文献1】
特公平2−19720号公報;ステッピングモータの位置および速度検出装置
【特許文献2】
特開平5−284790号公報;モータの回転検出装置
【特許文献3】
特開平10−257745号公報;ロータ位置検出機構付ステッピングモータ
【特許文献4】
特公平6−40755号公報;ステップモータの負荷検出方法
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような従来の前記ステッピングモータのそれぞれの方法にあっては、次のようないろいろな問題点があった。
1)非励磁状態の励磁コイルから誘起電圧を計測する方法にあっては、非励磁状態のない、いわゆるマイクロステップ駆動には応用できず、また、高速回転では、非励磁状態の時間が短くなり、誘起電圧の検出が難しい。
【0006】
2)また、誘起電圧検出用の巻線を特別に設け、誘起電圧を計測する方法にあっては、別途、専用のステッピングモータを用意しなければならない。
3)ステッピングモータの負荷検出方法には、誘起起電圧検出用の巻線を設けるうえに、さらに、特別に誘起電圧検出回路が必要である。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、その目的は前記問題点を解消し、ステッピングモータのマイクロステップ駆動に応用ができ、特別な専用モータを必要とせず、制御装置からの出力である各相の指令電圧と、検出される前記モータの各相の駆動電流とを演算するステッピングモータの回転子位置推定方法を提案することにある。
【0008】
本発明の他の目的は前記問題点を解消し、前記ステッピングモータの回転子位置推定方法を具体化したステッピングモータの回転子位置推定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成は、ステッピングモータの駆動に際し、制御装置からモータ駆動装置に入力する前記モータの各相に流す駆動電流を決定するための電圧指令値と、電流検出器で検出される前記駆動電流の値とを、誘起電圧推定演算装置により前記各相の誘起電圧を算出し、正弦関数発生器と余弦関数発生器とにより、あらかじめ求められ、又はあらかじめ推定されて入力された前記モータの回転子位置(電気角)に対応するそれぞれの正弦関数値と余弦関数値とを、それぞれの乗算器により対応する前記算出された各相の誘起電圧にそれぞれ乗算し、減算器により、前記それぞれの乗算器からの乗算されたそれぞれの出力の差を算出し、前記減算器からの出力を第1の増幅器より増幅し、その出力を第1の積分器により積分演算をし、前記第1の積分器からの出力を、並列的に、第2の積分器と第2の増幅器によりそれぞれ積分演算するとともに、増幅し、加算器により、前記第2の積分器からの出力と前記第2の増幅器からの出力との和を算出して、前記加算器からの算出電気角を、前記モータの回転子推定位置(電気角)として、前記正弦関数発生器と前記余弦関数発生器の前記回転子位置に代えるようにそれぞれフィードバックして繰り返し演算することにより、前記加算器からの算出電気角を、前記回転子の推定位置とするステッピングモータの回転子位置推定方法である。
【0010】
前記制御装置から前記モータ駆動装置に入力する前記電圧指令値は、速度指令を電気角演算装置により指令電気角にし、電流指令を前記電流検出器で検出される前記駆動電流の値とともに電流制御装置により正弦波状の電圧にし、前記指令電気角と前記正弦波状電圧とをともに電圧指令演算装置により出力される前記モータの各相の電圧指令値であるステッピングモータの回転子位置推定方法である。
【0011】
ステッピングモータの回転子位置推定装置であって、制御装置からモータ駆動装置に入力する前記モータの各相に流す駆動電流を決定するための電圧指令値と、電流検出器で検出される前記駆動電流の値とを入力し、前記モータの各相の誘起電圧を算出する誘起起電圧推定演算装置と、あらかじめ求められ、又は推定されて入力された前記モータの回転子位置(電気角)に対応して、それぞれの正弦関数値と余弦関数値とを発生する正弦関数発生器及び余弦関数発生器と、前記誘起起電圧推定演算装置から算出される前記各相の誘起電圧のそれぞれと、前記正弦関数発生器及び余弦関数発生器のそれぞれから発生する正弦関数値と余弦関数値とをそれぞれ乗算する、前記モータの相数に対応する複数の乗算器と、前記それぞれの乗算器からの出力の差を演算する減算器と、前記減算器からの出力を増幅するための第1の増幅器と、該第1の増幅器の出力を積分演算するための第1の積分器と、該第1の積分器の出力をさらに積分するための第2の積分器と、前記第1の積分器の出力を増幅するための第2の増幅器と、前記第2の積分器の出力と前記第2の増幅器の出力とを加算する加算器とからなり、前記加算器からの算出電気角を、前記モータの回転子推定位置(電気角)として、前記正弦関数発生器と前記余弦関数発生器の前記回転子位置に代えるようにそれぞれフィードバックして繰り返し演算することにより、前記加算器からの算出電気角を、前記回転子の推定位置とするステッピングモータの回転子位置推定装置である。
【0012】
前記制御装置は、モータ駆動装置に前記電圧指令値を入力するため、速度指令を指令電気角にする電気角演算装置と、指令電流を前記電流検出器で検出される前記駆動電流の値とともに入力して、正弦波状の電圧を出力する電流制御装置と、前記電気角演算装置から出力される前記指令電気角と前記電流制御装置から出力される前記正弦波状電圧とをともに入力して、前記電圧指令値を出力する電圧指令演算装置とからなるステッピングモータの回転子位置推定装置である。
【0013】
本発明のステッピングモータの回転子位置推定方法とその装置は、以上のように構成され、前記加算器からの算出電気角を、前記モータの回転子推定位置(電気角)として、前記正弦関数発生器と前記余弦関数発生器の前記回転子位置にそれぞれフィードバックして繰り返し演算することにより、前記回転子位置の推定精度を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、本発明のステッピングモータの回転子位置推定方法の一実施例を示す該モータの回転子位置推定装置の構成系統図である。
【0015】
図1において、1は2相ステッピングモータで、該モータ1を回動又は回転駆動するため、交流電源2から前記モータ1に、そのモータドライバ(モータ駆動装置)3により駆動電力を供給する。5は該モータ1の制御装置、11は該ステッピングモータ1の回転子位置推定装置を示す。
【0016】
まず、前記モータ1を制御する制御装置5は、前記モータドライバ3に対して前記モータ1の各相に流れる駆動電流を決定する電圧指令値を算出して入力するための装置で、該モータ1の各相に流れる駆動電流値を検出する電流検出器6と、電気角演算装置7と、電流制御装置8と、電圧指令演算装置9とからなる。
【0017】
前記制御装置5は、外部からの速度指令ω* rmを前記電気角演算装置7により指令電気角θ* reにし、同様に外部からの電流指令i*を、前記電流検出器6で検出される前記駆動電流の値iα、iβとともに前記電流制御装置8により正弦波状の電圧V*にし、次いで、前記指令電気角θ* reと前記正弦波状の電圧V*とをともに前記電圧指令演算装置9に入力して、該電圧指令演算装置9により演算し、前記ドライバ3へ出力する前記モータ1の各相の電圧指令値Vα、Vβを決定している。
【0018】
前記回転子位置推定装置11は、誘起電圧推定演算装置12と、正弦(sin)関数発生器13及び余弦(cos)関数発生器14と、前記モータの相数に対応する複数(本実施例では2個)の乗算器15,16と、減算器17と、第1、第2の増幅器18,19と、第1、第2の積分器20,21と、加算器22とからなる。
【0019】
前記誘起電圧推定演算装置12は、前記制御装置5から出力される前記モータ1の各相(又は各相巻線)に流す駆動電流を決定するための前記電圧指令値Vα、Vβと、前記電流検出器6で検出される前記駆動電流の値iα、iβとを入力し、前記モータ1の各相の誘起電圧(本実施例では、前記モータ1は2相ステッピングモータのため2つの誘起電圧)eα、eβを算出する。
【0020】
前記正弦関数発生器13及び前記余弦関数発生器14は、あらかじめ求められ又はあらかじめ推定されて、入力された前記モータ1の回転子位置(電気角)に対応して、それぞれの正弦関数値sinθest reと余弦関数値cosθest reとを発生する。
前記複数(ここでは2個)の乗算器15,16のそれぞれは、前記誘起電圧推定演算装置12から算出される各相の誘起電圧eα、eβのそれぞれと、前記正弦関数発生器13と前記余弦関数発生器14のそれぞれから発生する正弦関数値sinθest reと余弦関数値cosθest reとを乗算する。
【0021】
前記減算器17は、前記それぞれの乗算器15,16からの出力同士の差を演算する。
前記第1の増幅器18は、前記減算器17の出力(前記乗算器15,16からの出力の差)を増幅し、前記第1の積分器20は、前記第1の増幅器18の出力を積分演算する。
そして、前記第2の積分器21は、前記第1の積分器20からの出力をさらに積分するとともに、前記第2の増幅器19は、前記第2の積分器21に並列に接続されて、該第1の積分器20からの出力を増幅する。
【0022】
前記加算器22は、前記第2の積分器21からの出力と前記第2の増幅器19からの出力とを加算して、その算出出力を前記モータ1の回転子の推定位置(電気角)にするとともに、該算出出力を、前記モータ1の回転子推定位置(電気角)として、前記正弦関数発生器13と前記余弦関数発生器14に前記あらかじめ求められ又は推定されて、入力された回転子位置に代えるようにフィードバックして、繰り返し演算する。
このように、前記モータ1の回転子推定位置を繰り返し演算することにより、前記加算器22からの前記算出出力結果を、精度の高い前記回転子の推定位置とすることができる。
【0023】
次いで、図1において、前記回転子位置推定装置11により前記モータ1の回転子の推定位置を、数式を用いて説明する。
前記制御装置5において、電流指令i*と前記電流検出器6で検出された2相交流電流iα、iβを入力とする前記電流制御装置8で正弦波状の出力電圧V*を決定し、速度指令ω* rmを入力とする前記電気角演算装置7により指令電気角θ* reを決定する。前記出力電圧V*と前記指令電気角θ* reとを入力とし、前記電圧指令演算装置9により2相電圧指令値Vα、Vβを決定する。なお、前記2相ステッピングモータ1は正弦波状の振幅が一定な電流で駆動されているものとする。
【0024】
ここで、前記2相電圧指令値Vα、Vβと前記2相交流電流iα、iβから前記誘起電圧推定演算装置12により、前記モータ1の各相の誘起電圧eα、eβを演算、推定する。
【0025】
あらかじめ求め、又は推定しておいた回転子位置推定電気角θest reを入力とする前記正弦関数発生器13でsinθest reを計算する。該sinθest reの計算結果と推定した前記2相交流誘起電圧の1相分eβとを、前記乗算器15に入力して乗算を行う。同様に、前記あらかじめ求めておいた回転子位置推定電気角θest reを入力とする前記余弦関数発生器14でcosθest reを計算する。該cosθest reの計算結果と推定した前記2相交流誘起電圧の1相分eβとを、前記乗算器16に入力して乗算を行う。ここで求めたeβ×sinθest reとeα×cosθest reとの値を前記減算器17に入力して、その差であるeα×cosθest re−eβ×sinθest reを求める。
【0026】
前記eα×cosθest re−eβ×sinθest reを前記第1の増幅器18に入力して、これを増幅する。該第1の増幅器18で増幅した出力を前記第1の積分器20に入力して積分を行う。該第1の積分器20により積分した出力結果を、さらに第2の積分器21に入力して積分するとともに、前記第1の積分器20からの積分した出力を、前記第2の積分器21に並列に接続される前記第2の増幅器19により増幅を行う。そして前記第2の積分器21からの積分結果と前記第2の増幅器19からの増幅結果とを、前記加算器22に入力して前記積分出力と前記増幅出力との加算を行う。
【0027】
前記加算器22からの算出出力(電気角)を前記モータ1の回転子の推定位置にするとともに、該算出出力を、前記モータ1の回転子推定位置(電気角)として、前記正弦関数発生器13と前記余弦関数発生器14に前記あらかじめ求められ又は推定されて、入力された回転子位置に代えるようにフィードバックして、繰り返し演算する。
この動作を繰り返すことにより、前記加算器22からの算出出力を前記モータの推定される回転子位置(電気角)θest reとしている。
【0028】
次に、前記回転子位置推定装置11の作用を説明する。
前記2相ステッピングモータ1の巻線の、Lを1相分の自己インダクタンス値、Rを1相分の抵抗値、Mを相互インダクタンス値、iα、iβを各相の相電流、Vα、Vβは各相の相電圧、eα、eβを各相の誘起電圧とする。
このときの前記モータ1の電流電圧方程式は次式となる。
【数1】
【0029】
電圧は制御装置5からの電圧指示値、電流は電流検出値で、前記自己インダクタンスL、相互インダクタンスM及び抵抗値Rは、あらかじめ計測しておいた値を用いれば、次式により前記誘起電圧eα、eβの瞬時値が求めることができる。
【数2】
この計算を行う部分を前記誘起電圧推定演算装置12である。
【0030】
次に、推定した誘起電圧情報から位置情報を得る方法を説明する。
前記誘起電圧eα、eβを誘起させる、界磁のα、β相の電機子巻線鎖交磁束数ψf α、ψf βは、その最大値をψf′とすると次式で表される。
【数3】
【0031】
ここで、θreは、α相電機子巻線を基準として時計回りに取った界磁の角度(電気角)であり、ωreを電気角速度とすると次式で表される。
【数4】
このときの各相の誘起電圧eα、eβは次式となる。
【数5】
【0032】
前記モータ1の回転子の推定位置演算結果θest reの正弦(sin)値及び余弦(cos)値を求め、それぞれの値と前記誘起電圧eα、eβとを乗算すると次式となる。
【数6】
この計算を行う部分を前記正弦関数発生器13、前記余弦関数発生器14及び前記乗算器15、16である。
【0033】
前記(8)式から前記(9)式を減算すると次式となる。
【数7】
ここで、θest re≒θreであれぱ、次式の関係が成り立つ。
【数8】
【0034】
前記(11)式を前記(10)式に代入すると次式となる。
【数9】
前記(12)式は、推定結果(電気角)と実測値(電気角)の偏差に比例した値となることが分かる。この計算を行う部分が前記減算器17である。
【0035】
すなわち、図1における前記減算器17からの出力結果は、θre−θest reの計算を行ったこととなる。そこで、前記第1の増幅器18の増幅率をA1、前記第2の増幅器19の増幅率をA2、前記第1、第2の積分器13,14の伝達関数を1/sとおき、図1における前記誘起電圧推定演算装置12以後の伝達関数を求めると次式となる。
【数10】
前記(13)式は、前記モータ1の回転子の推定位置(電気角)θest reと実位置(電気角)θreとは、時間∽(無限大)で一致するトラッキングフィルタとなっていることを示している。
【0036】
また、前記回転子の推定位置を、所望のダンピングファクタや固有振動数の応答で求めようとするために、前記第1の増幅器18の増幅率A1、前記第2の増幅器19の増幅率A2を設定することができる。
【0037】
ここで、求めた前記回転子推定位置θestreは、α相電機子巻線を基準として時計回りに取った誘起電圧の電気角の推定結果である。従って、界磁位置は90゜進んだ角度となる。
【0038】
図2は、時間に対する電気角で示す推定位置の結果で、電気角周波数16Hz、電流指令を1Aとして、電流制御を行ったときの本実施例により、推定した電気角の推定結果である。
【0039】
この結果からわかるように、前記誘起電圧の推定結果にはノイズ成分を含んでいない。
【0040】
なお、本発明の技術は前記実施の形態における技術に限定されるものではなく、同様な機能を果たす他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明のステッピングモータの回転子位置推定方法によれば、前記請求項1に示す構成であるので、ステッピングモータのマイクロステップ駆動に応用ができ、特別な専用モータを必要とせず、制御装置からの出力である各相出力電圧指示と各相の相電流を検出し、演算することができるという優れた効果を奏する。
【0042】
また、本発明のステッピングモータの回転子位置推定装置によれば、前記請求項3に示す構成であるので、ステッピングモータのマイクロステップ駆動に応用ができ、特別な専用モータを必要とせず、制御装置からの出力である各相出力電圧指示と各相の相電流を検出し、演算することができるという優れた効果を奏する。
【0043】
また、本発明の前記方法及びその装置によれば、さらに次の効果が得られる。すなわち、フィルタの機能も持つため、検出ノイズが少なく、通常、誘起電圧と同位相で電流を制御する。
そのため、本発明により推定した位置情報をそのまま励磁位置として使用することができる。さらに、推定範囲を0゜から360゜まで場合分けをすることなく、電気角を推定して、前記モータの回転子の位置を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステッピングモータの回転子位置推定方法の実施の形態の一実施例を示す該モータの制御装置と回転子位置推定装置の構成系統図である。
【図2】電気角周波数16Hz、電流指令を1Aとし、電流制御を行ったときの本実施例により、推定した電気角の推定結果である。
【図3】電気角周波数16Hz、電流指令を1Aとし、電流制御を行ったときの従来の誘起電圧の推定結果である。
【図4】電気角周波数16Hz、電流指令を1Aとし、電流制御を行ったときの従来の逆正接関数を用いて推定した電気角の推定結果である。
【符号の説明】
1 2相ステッピングモータ
2 交流電源
3 モータドライバ(モータ駆動装置)
5 モータ制御装置
6 電流検出器
7 電気角演算装置
8 電流制御装置
9 電圧指令演算装置
11 回転子位置推定装置
12 誘起電圧推定演算装置
13 正弦(sin)関数発生器
14 余弦(cos)関数発生器
15、16 乗算器
17 減算器
18 第1の増幅器
19 第2の増幅器
20 第1の積分器
21 第2の積分器
22 加算器
eα、eβ 誘起電圧
iα、iβ 駆動電流値
i* 指令電流
Vα、Vβ 電圧指令値
V* 正弦波状電圧
θ*re 指令電気角
θre 回転子実位置(電気角)
θestre 回転子推定位置(電気角)
ω*rm 速度指令
Claims (4)
- ステッピングモータの駆動に際し、
制御装置からモータ駆動装置に入力する前記モータの各相に流す駆動電流を決定するための電圧指令値と、電流検出器で検出される前記駆動電流の値とを、誘起電圧推定演算装置により前記各相の誘起電圧を算出し、
正弦関数発生器と余弦関数発生器とにより、あらかじめ求められ、又はあらかじめ推定されて入力された前記モータの回転子位置に対応するそれぞれの正弦関数値と余弦関数値とを、それぞれの乗算器により対応する前記算出された各相の誘起電圧にそれぞれ乗算し、
減算器により、前記それぞれの乗算器からの乗算されたそれぞれの出力の差を算出し、
前記減算器からの出力を第1の増幅器より増幅し、その出力を第1の積分器により積分演算をし、
前記第1の積分器からの出力を、並列的に、第2の積分器と第2の増幅器によりそれぞれ積分演算するとともに、増幅し、
加算器により、前記第2の積分器からの出力と前記第2の増幅器からの出力との和を算出して、
前記加算器からの算出電気角を、前記モータの回転子推定位置として、前記正弦関数発生器と前記余弦関数発生器の前記回転子位置に代えるようにそれぞれフィードバックして繰り返し演算することにより、前記加算器からの算出電気角を、前記回転子の推定位置とすることを特徴とするステッピングモータの回転子位置推定方法。 - 前記制御装置から前記モータ駆動装置に入力する前記電圧指令値は、
速度指令を電気角演算装置により指令電気角にし、電流指令を前記電流検出器で検出される前記駆動電流の値とともに電流制御装置により正弦波状の電圧にし、
前記指令電気角と前記正弦波状電圧とをともに電圧指令演算装置により出力される前記モータの各相の電圧指令値であることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの回転子位置推定方法。 - ステッピングモータの回転子位置推定装置であって、
制御装置からモータ駆動装置に入力する前記モータの各相に流す駆動電流を決定するための電圧指令値と、電流検出器で検出される前記駆動電流の値とを入力し、前記モータの各相の誘起電圧を算出する誘起起電圧推定演算装置と、
あらかじめ求められ、又は推定されて入力された前記モータの回転子位置に対応して、それぞれの正弦関数値と余弦関数値とを発生する正弦関数発生器及び余弦関数発生器と、
前記誘起起電圧推定演算装置から算出される前記各相の誘起電圧のそれぞれと、前記正弦関数発生器及び余弦関数発生器のそれぞれから発生する正弦関数値と余弦関数値とをそれぞれ乗算する、前記モータの相数に対応する複数の乗算器と、
前記それぞれの乗算器からの出力の差を演算する減算器と、
前記減算器からの出力を増幅するための第1の増幅器と、
該第1の増幅器の出力を積分演算するための第1の積分器と、
該第1の積分器の出力をさらに積分するための第2の積分器と、
前記第1の積分器の出力を増幅するための第2の増幅器と、
前記第2の積分器の出力と前記第2の増幅器の出力とを加算する加算器と
からなり、
前記加算器からの算出電気角を、前記モータの回転子推定位置として、前記正弦関数発生器と前記余弦関数発生器の前記回転子位置に代えるようにそれぞれフィードバックして繰り返し演算することにより、前記加算器からの算出電気角を、前記回転子の推定位置とすることを特徴とするステッピングモータの回転子位置推定装置。 - 前記制御装置は、モータ駆動装置に前記電圧指令値を入力するため、
速度指令を指令電気角にする電気角演算装置と、指令電流を前記電流検出器で検出される前記駆動電流の値とともに入力して、正弦波状の電圧を出力する電流制御装置と、
前記電気角演算装置から出力される前記指令電気角と前記電流制御装置から出力される前記正弦波状電圧とをともに入力して、前記電圧指令値を出力する電圧指令演算装置とからなることを特徴とする請求項3に記載のステッピングモータの回転子位置推定装置。
Priority Applications (1)
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