JP3667069B2 - 無軸受回転機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体を回転駆動する電動機作用と、回転体を磁気浮上制御する磁気軸受作用とを兼ね備えた無軸受回転機械に係り、特に回転子に電流路である二次導体を備えた誘導型回転子を用いた場合にも、安定した浮上制御が可能な、無軸受回転機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、円筒型固定子内に円筒型の回転子を組み込み、固定子に励磁巻線回路を配置して極数の異なる二種類の回転磁界を形成し、ここで回転子に回転力を与えると同時に、所定の半径方向位置に浮上保持する位置制御力を作用させる各種の無軸受回転機械が提案されている。
【0003】
これは、固定子に回転駆動用の巻線と位置制御用の巻線を備え、それぞれに三相交流電流を流すことにより、所定の関係の極数の異なる回転磁界を固定子と回転子の空隙に形成し、円筒型回転子に半径方向の磁気的吸引力を偏配するものである。
【0004】
係る無軸受回転機械において、固定子の巻線に電流を流すことによりm極の回転磁界とn極の回転磁界が生成される。以後、m極の回転磁界を駆動磁界、n極の回転磁界を位置制御磁界と呼ぶ。駆動磁界は通常の電動機のように回転子に回転駆動力を与えるために使用する。位置制御磁界は駆動磁界に重畳することにより、回転子に半径方向力を偏配することが可能となるため、回転子の半径方向浮上位置を磁気軸受と同様に自在に調整できる。m極とn極とは、
n=m±2
の関係を有することにより、上記浮上位置制御が可能となる。
【0005】
これにより、回転子を磁気的に吸引して、回転子に回転力を付与する電動機として機能すると共に、その浮上位置と姿勢を制御して、固定子に対して非接触浮上支持が可能な磁気軸受として機能させることができる。このため、電動機の回転軸保持に従来必要とされていた磁気軸受を構成する電磁石ヨーク部分及び巻線が不要となり、回転機械の軸長を短縮して、軸振動からの高速回転の制限を少なくすることができる。また、回転機械を小型軽量化することができる。また、位置制御巻線の電流と駆動巻線の電流とにより生じる磁界分布の相乗効果的な作用により、磁気軸受に相当する動作を行えるので、従来の磁気軸受と比較してはるかに小さな電流で大きな制御力が生じ、大幅な省エネルギー化が可能である。
【0006】
固定子で生成される回転磁界により、回転子の二次導体に誘導電流を生成して回転駆動力を付与する方式のひとつが誘導型回転子である。誘導型回転子にも種々の構造があるが、その代表的なものがかご型回転子である。これは回転子に低抵抗の金属導体棒(二次導体)を電流路として回転軸に平行に同心状に多数配置し、その両端において各金属導体棒を低抵抗の金属導体環(エンドリング)で接続することにより、回転子に電流路を設ける構造である。係る回転子においては、固定子巻線が形成する回転磁束を切ることにより、回転子の二次導体に誘導電圧が生じて誘導電流が流れる。固定子巻線により発生して二次導体に鎖交する磁束と、回転子の金属導体棒に流れる誘導電流の相互作用によりローレンツ力が発生して、誘導型回転子には回転駆動力が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無軸受回転機械においては、駆動磁界と位置制御磁界を固定子巻線電流(一次電流)により混在させて発生させるために、通常の誘導型回転子(かご型回転子)を用いた場合には、回転子電流路(二次導体)には双方の磁界によって誘導された電流が流れる。m極分布の回転磁界は回転子に回転駆動力を付与するために、原理上、誘導電流が流れなくては誘導型電動機として機能しない。一方、位置制御磁界による誘導電流が回転子電流路に流れた場合、固定子巻線が生成する磁界の他に、外乱として回転子電流が生成する磁界が発生するため、位置制御磁界は固定子の巻線電流が形成する磁界だけでは決まらず、安定な回転子の浮上制御ができなくなる。
【0008】
本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので、構造が簡単で製作が容易なかご型回転子を用いた誘導機等においても、安定した浮上位置制御が行える無軸受回転機械を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の無軸受回転機械は、固定子巻線にm極巻線電流を供給すると共にn極(但し、n=m±2)巻線電流を供給し、前記m極巻線電流により駆動磁界分布を形成すると共に、n極巻線電流により位置制御磁界分布を形成し、回転子に回転力を与えると同時に、該回転子の変位検出手段によって検出した該回転子の変位から前記n極の位置制御磁界分布調整して該回転子を浮上位置指令値に磁気浮上する無軸受回転機械において、固定子巻線のそれぞれの端子電圧及び端子電流を測定する測定器と、測定された端子電圧及び端子電流から逆起電圧を演算する演算器と、前記逆起電圧を磁束に変換する積分器とを備えた磁束密度分布の検出手段と、該検出手段により検出された磁束密度分布から、m極磁束分布ベクトルおよびn極磁束分布ベクトルの検出値を演算する演算器と、発生制御力の指令値に基づいて位置制御磁束分布指令値を演算する演算器と、前記n極磁束分布ベクトルの検出値と前記位置制御磁束分布指令値との偏差を出力する減算器とを備え、前記偏差に対応して前記n極巻線電流を前記偏差がゼロとなるように調整し、検出したn極磁束分布ベクトルが、前記位置制御磁束分布指令値に一致するように制御することを特徴とする。
【0010】
上述した本発明によれば、磁束分布を検出する特別な手段を付加することなく、巻線の端子電圧に生じる逆起電圧を積分することで、空隙中の実際の磁束分布を検出することができる。この検出された空隙の磁束分布は、回転子の誘導電流により変形されているので、本来の磁束分布となるように固定子起磁力分布を補正することにより、回転子の浮上位置制御に適正な磁束分布が発生可能となる。これにより、いかなる特性を有する回転子を使用しても、適正な回転子の浮上保持のための磁束分布を形成できるので、回転駆動と共に安定な浮上位置制御が可能となる。
【0011】
即ち、巻線に生じる逆起電圧は、磁束の変化、即ち微分値に比例するので、この逆起電圧を積分することにより、磁束に比例した量を検出することができる。これにより、空隙中の磁束密度等を計測するセンサを用いることなく、空隙中の磁束分布を求めることができる。この磁束分布検出値は、回転子の誘導電流によって生じる磁束の外乱を含んでいるので、この誘導電流の外乱を補正する。この補正は、誘導現象を考慮していない磁束分布指令値と、固定子巻線端子電圧から得られる実際の磁束分布の誤差を求め、それに従い固定子起磁力を増減し、磁束分布指令値と一致する磁束分布を空隙中に生成する。この補正機構により、電動機内に磁束分布検出器を設けることなく、通常の誘導型回転子の安定な浮上回転が可能となる。
【0012】
また、固定子巻線の鎖交磁束が一定で巻線端子電圧に逆起電圧が発生しない状態においては、巻線電流の直流分による磁束分布を磁束分布検出値とする。これにより、直流もしくは直流に近い低周波領域においても、回転子の安定した浮上制御を行える。また、直流分による磁束分布は、駆動磁界の回転周期の整数倍の期間で巻線電流の加算平均を演算により算出することが好ましい。これにより妥当な直流分による磁束分布を付与することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の説明の前提となる、従来用いられている一般的な無軸受回転機械の制御系の構成を示す図である。
回転子Rは固定子Sに設けられた2極駆動巻線が形成する2極回転磁界により回転駆動され、4極位置制御巻線が形成する4極回転磁界により、浮上位置制御される。回転子Rの周囲には、回転子Rの回転速度を検出する回転速度検出器10と、回転子Rのx方向浮上位置及びy方向浮上位置を検出するギャップセンサ11x,11yがそれぞれ配置されている。
【0014】
速度制御系(2極回転磁界)は、速度指令値ω* が予め与えられ、これが回転速度検出器10で検出された実際の回転速度ωmと比較される。そして、この偏差がPI(D)コントローラ21に入力され、その偏差がゼロとなるようにトルク分電流It*が出力される。一方で、励磁電流に相当する励磁分電流Io*が予め与えられる。そして、回転座標−固定座標変換演算器22により、入力された回転座標系の電流It*,Io*から、固定座標系の二相電流Ia*,Ib*が、回転角ωtについて図中に示す行列演算で求められる。
【0015】
そして、この固定座標系の二相電流Ia*,Ib*を二相三相変換回路23で三相電流Iu2 *,Iv2 *,Iw2 *に変換し、電力増幅器24で所定の電流値に電力増幅して、固定子Sの2極巻線に供給する。これにより回転子Rを速度指令値ω* で回転駆動する2極の回転磁界が形成される。
【0016】
一方で、位置制御系(4極回転磁界)の制御は、概略、次の通りである。
まず、ギャップセンサ11x,11yにより回転子Rの浮上位置を検出して、予め設定された浮上位置指令値x*,y*と、減算器25で比較する。そして、それぞれの偏差Δx,ΔyがそれぞれPI(D)コントローラ26に入力され、偏差をゼロとするための位置制御力指令値Fx*,Fy*が算出される。そして制御器27において、位置制御力指令値Fx*,Fy*から、回転角ωtについて図中に示す行列演算で回転座標系から固定座標系に変換した二相の制御電流指令値Iα*,Iβ*を演算する。そして、二相三相変換回路28で、三相の電流指令値Iu4 *,Iv4 *,Iw4 *に変換して、電力増幅器により4極の固定子巻線に所定の電流を供給する。固定子・回転子間の空隙中には4極浮上位置制御磁界が形成され、2極回転駆動磁界と重畳され、これにより回転子Rの浮上位置が制御される。
【0017】
しかしながら、制御器27で演算して得られる二相電流指令値Iα*,Iβ*は、回転子の電流路に流れる誘導電流(二次電流)を考慮せずに決定される。このため、かご型回転子等により回転子に誘導電流が流れると、ギャップセンサが検出した浮上位置に基づく二相電流指令値Iα*,Iβ*による磁界分布と、実際の固定子・回転子間の空隙中の磁界分布に差異が生じてしまう。この回転子電流路に生じる誘導電流により、浮上位置制御磁界分布が変形して、正常の浮上位置制御力を作用させられなくなることは上述した通りである。
【0018】
本実施形態の無軸受回転機械は、回転機械に特別な固定子・回転子間の空隙の磁束検出装置を付加することなく、空隙中の磁束分布を検出し、その検出値と指令値の誤差を補正することにより、回転体の安定浮上を実現するものである。即ち、固定子Sに巻回された巻線、即ち、2極駆動巻線の三相と4極位置制御巻線の三相のそれぞれの端子電圧に発生する逆起電圧より、各巻線に鎖交する磁束数を計算し、それを積分演算することにより、磁束分布を導出する。導出された磁束分布検出値は回転子誘導電流(二次電流)の外乱によって、期待される磁束指令値分布と異なるので、その差分の符号により、固定子巻線端子に印加する符号を決定し、フィードバック制御によりこの差分をゼロとするように制御する。この結果、4極位置制御巻線には回転子の誘導電流による外乱を打ち消すような電流が流れ、空隙中の磁束分布は外乱の影響を補正した本来の磁束分布となる。
【0019】
図2は、本実施形態における固定子巻線(U相、V相、W相)の分布図である。2極巻線と4極巻線が完全な正弦波分布を有する場合は、両者の相互インダクタンスは零になるので、2極巻線端子電圧は2極磁束分布の影響のみ、4極巻線端子電圧は4極磁束分布のみに依存する。この現象を利用することにより、空隙中に混在する2極と4極の磁束分布を分別して抽出することが可能になる。図2に示したとおり、実際の巻線分布は上述の仮定と異なり奇数次の高調波成分を有する。しかしながら、三次高調波は直交座標系への変換、即ち三相→二相変換を施すことにより、消失する成分となり、また、五次以上の高調波成分は基本波に対して十分に小さいので、本実施形態における磁束分布の検出に何ら問題を生じない。
【0020】
純抵抗Rをもつ巻線の両端の電圧をV、流れる電流をI、発生する逆起電圧をE、この巻線の総鎖交磁束数をΦで表すと、
V=RI+E=RI+dΦ/dt
の関係を得る。Φは巻線波高値に比例した量であるので、回転子歯部、固定子歯部のフリンジングの影響が小さければ空隙中の磁束密度Bに比例した量とみなすことができる。
【数1】
Figure 0003667069
この端子電圧の逆起電力Eを積分すると、上式に示すように磁束Φが算出される。従って、磁束密度のセンサ等を用いることなく、巻線の端子電圧から磁束分布を検出することができる。
【0021】
この手法の磁束検出の問題点は上式が積分定数Cを持つところにある。即ち、磁束分布の直流分が検出できないため、本案の主眼であるところの磁束分布検出が不完全要素を持つ。この問題を回避するため、巻線電流値の直流分をその代替として使用する。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態の無軸受回転機械の制御系の構成図である。尚、2極駆動巻線電流を制御する速度制御系は図1と全く同じなので省略している。位置制御系のみに着目した場合、図1の構成では、4極電流指令値Iu4 *,Iv4 *,Iw4 *を計算し、その指令値どおりに巻線に電流を通電することを目的としている。一方、本発明の一実施形態の図3では、4極磁束分布指令値Bα*,Bβ*を演算し、その指令値どおりに磁束分布を形成するように回路構成されている。
【0023】
即ち、電動機の回転子・固定子間空隙の磁束分布を測定するために、U,V,W相の2極巻線のそれぞれの端子電圧及び端子電流、及びU,V,W相の4極巻線のそれぞれの端子電圧及び端子電流を測定する測定器を備えている。そして測定された端子電圧及び電流から逆起電圧を演算する逆起電圧演算器30を備えている。また、その逆起電圧を磁束に変換する積分器31を備えている。これにより、2極、4極巻線の端子電圧の逆起電圧から空隙中の磁束分布を求められる。更にこの磁束分布より、2極磁束分布ベクトル、4極磁束分布ベクトルを得るための2極磁束分布演算器32,4極磁束分布演算器33を有している。さらに、2極磁束分布演算器32の検出値Ba,Bbと、発生制御力の指令値Fx*,Fy*より、磁束分布指令値Bα*,Bβ*を得るための位置制御磁束分布指令値演算器34を有している。更に、算出した4極磁束分布検出値Bα,Bβと4極巻線電流の低周波成分とを加算する演算器35を備えている。
【0024】
得られた2極磁束分布ベクトル検出値(Ba,Bb)は、制御力の指令値Fx*,Fy*と共に演算器34にて4極磁束分布の指令値(Bα*,Bβ*)の演算に用いられる。4極磁束分布ベクトル検出値(Bα,Bβ)は、演算した指令値(Bα*,Bβ*)から減算器35により減算され、偏差(ΔBα,ΔBβ)を得る。
【0025】
上述した空隙中の磁束の検出方法は、その動作原理上、直流成分、又は直流に近い低周波で変動する磁束量を検出できない。このため本実施形態においては、それに代わる量として4極巻線電流Iu4,Iv4,Iw4の低周波成分をCTにより取り出して利用している。ここで、4極巻線電流の低周波成分を得るために位相特性の明確なローパスフィルタ(LPF)を用いると、そのフィルタの位相変化量が180度になる周波数で正帰還発振を起こし、その結果、4極位置制御巻線には過大な電流が流れ、装置を損傷する恐れがある。この現象を回避するために、単なるローパスフィルタを用いないで、ローパスフィルタに代わる方法を用いる。即ち、駆動磁界の回転周期の整数倍の期間に4極検出電流値を加算平均で処理し、その結果を磁束分布検出値の低周波成分として帰還させる。
【0026】
即ち、4極巻線電流Iu4,Iv4,Iw4をCTにより検出して、これを3相2相変換器36で相変換してから、演算器37を用いてこれを加算平均で処理して、その結果の低周波成分を演算器35に帰還させる。これにより、検出感度の低い低周波成分を補うことができ、所要の磁束分布を固定子、回転子間の空隙に形成できる。
【0027】
このようにして得た4極磁束分布の指令値と検出値の偏差信号(ΔBα,ΔBβ)を固定子の三相巻線に適合するように二相三相変換器39により相変換して、磁束密度分布の指令値ΔBu ,ΔBv ,ΔBw を得る。この信号をヒステリシスコンパレータ40で符号判別し、三相インバータ42の各電力素子のオン−オフ制御信号とする。即ち、ΔBα,ΔBβがその符号が+であれば、インバータの供給電流は符号が−となる、つまり電流を減らす方向に作用させ、偏差がゼロとなるように調整する。これにより、固定子・回転子間空隙の磁束密度分布はその指令に遅滞なく追従し、結果として期待したとおりの位置制御磁束分布が生成可能となる。
【0028】
以上の説明から明らかなように、本発明は実際の磁束密度分布を固定子巻線の端子電圧から検出して、これを本来の磁束密度分布となるようにフィードバック制御をするものである。従って、無軸受回転機械において、磁束分布を検出する特別な手段を付加することなく固定子・回転子間空隙の磁束分布を検出することにより、回転子の形態によらず、安定な磁気浮上制御が可能となる。尚、特別な磁束検出装置を用いる場合には、この磁束検出装置として、駆動巻線と位置制御巻線とそれぞれ全く同様に巻回した巻線を利用しても本発明は適用可能である。しかしその場合には、巻線スペースが多く必要になり、ケーブルの数も増えて実用性が乏しくなる。これに対して、上述した本発明は巻線スペースの増大も、ケーブルの増加もなく実用的といえる。
【0029】
以上の説明は便宜上、駆動磁界分布を形成する駆動巻線と、位置制御磁界分布を形成する位置制御巻線とに分割されたものを用いたが、所望の磁界分布を形成できる巻線であれば、いかなる形態でも構わない。また、固定子に巻回されている巻線は三相中点結線の巻線を前提としているが、上述の磁界分布を生成できれば、その巻線分布は問題とならない。またm極の回転駆動磁界とn極の位置制御磁界が
m=n±2
の関係を有していればいかなる極数でも適用できる。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、無軸受回転機械の目的である磁気浮上と回転駆動の両目的を、通常の広く普及している誘導電動機等の本来の位置制御磁束分布を変形させる回転子を用いて達成可能にした。これにより、複雑な電流路構造を有する回転子を用いる必要がなくなり、安価で堅牢な例えば一般的に用いられているかご型回転子を無軸受回転機械の回転子として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無軸受回転機械の制御系の一般的な構成を示すブロック図である。
【図2】無軸受回転機械の固定子巻線構造を示す説明図であり、(a)U相、(b)V相、(c)W相の各2極巻線及び4極巻線の分布を示す。
【図3】本発明の実施形態の無軸受回転機械の制御系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
30 逆起電圧演算器
31 積分器
32 2極磁束分布演算器
33 4極磁束分布演算器
34 位置制御磁束分布指令値演算器
35 加算(減算)器
39 二相三相変換器
40 符号判定器
42 インバータ
R 回転子
S 固定子

Claims (3)

  1. 固定子巻線にm極巻線電流を供給すると共にn極(但し、n=m±2)巻線電流を供給し、前記m極巻線電流により駆動磁界分布を形成すると共に、n極巻線電流により位置制御磁界分布を形成し、回転子に回転力を与えると同時に、該回転子の変位検出手段によって検出した該回転子の変位から前記n極の位置制御磁界分布調整して該回転子を浮上位置指令値に磁気浮上する無軸受回転機械において、
    固定子巻線のそれぞれの端子電圧及び端子電流を測定する測定器と、測定された端子電圧及び端子電流から逆起電圧を演算する演算器と、前記逆起電圧を磁束に変換する積分器とを備えた磁束密度分布の検出手段と、
    該検出手段により検出された磁束密度分布から、m極磁束分布ベクトルおよびn極磁束分布ベクトルの検出値を演算する演算器と、
    発生制御力の指令値に基づいて位置制御磁束分布指令値を演算する演算器と、
    前記n極磁束分布ベクトルの検出値と前記位置制御磁束分布指令値との偏差を出力する減算器とを備え、
    前記偏差に対応して前記n極巻線電流を前記偏差がゼロとなるように調整し、検出したn極磁束分布ベクトルが、前記位置制御磁束分布指令値に一致するように制御することを特徴とした無軸受回転機械。
  2. 前記回転子と前記固定子間の空隙磁束分布の状態が、前記固定子巻線の鎖交磁束が一定で巻線端子電圧に逆起電圧が発生しない状態においては、n極巻線電流を検出し、三相二相変換器により相変換後に加算平均処理して、前記n極磁束分布ベクトルの検出値に帰還することを特徴とした請求項1記載の無軸受回転機械。
  3. 前記巻線電流の直流分による磁束分布検出値を得るため、前記m極の駆動磁界の回転周期の整数倍の期間で、前記n極巻線電流の検出値を演算処理することを特徴とした請求項2に記載の無軸受回転機械。
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