JP2018067995A - 交流モータの制御方法及び制御装置 - Google Patents

交流モータの制御方法及び制御装置 Download PDF

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【課題】 モータの制御特性の折れ点以上の速度を含む制御の安定と高効率制御を可能にする。【解決手段】 本発明の交流モータの制御方法は、交流モータ50の回転子位置角θの検出値を用いて、交流モータ50の電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換し、該回転座標系の電流の検出値と、交流モータ50に対する回転座標系の電流の指令値とを用いて、交流モータ50に対する回転座標系電圧の操作値を算出し、回転子位置角θの検出値を用いて、該回転座標系の電圧の操作値を回転座標系から固定座標系に座標変換して交流モータ50を制御する。前記回転座標系への座標変換及び前記固定座標系への座標変換に用いる回転子位置角θは、交流モータ50の電気角速度ωの比例値を利用した補正角が虚軸上に加算されることにより補正されており、該補正角は、交流モータ50の電気角速度ωが最大値のときにπ/2[rad]以下になるように設定されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、インバータ駆動の交流モータである永久磁石界磁同期モータ及び誘導モータの制御方法及び制御装置に関するものである。
交流モータは、回転子位置角とモータ電流を検出して制御装置によりトルク制御、速度制御、位置制御が行われている。その制御方法はモータ電流である交流を回転子位置角で座標変換して直流化し、その直流化したモータに対する界磁電流及びトルク電流指令値により制御されている(例えば、特許文献1参照。)。
図8は、交流モータ50の従来の制御方法を用いた制御装置51の一例をブロック図で表したものである。
同図に示すように、制御対象の交流モータ50は、電圧形PWMインバータ52に接続されている。電圧形PWMインバータ52から交流モータ50へ接続される電力線には電流センサ53が設けられている。交流モータ50のロータ近傍には回転子位置角θを検出する位置センサ54が設けられており、位置センサ54には微分器55が接続されている。微分器55は、位置センサ54から取得した回転子位置角θを電気角速度ωに変換する。
制御装置51は、3相→2相変換器61、αβ→dq変換器62、速度制御器63、電流制御器64、dq→αβ変換器65、及び、2相→3相変換器66を有している。
3相→2相変換器61は、電流センサ53で検出された3相電流の検出値を2相のαβ軸電流の検出値に変換し、αβ→dq変換器62に出力する。αβ→dq変換器62は、回転子位置角θを用いて、固定座標系のαβ軸電流の検出値を、回転座標系のdq軸電流の検出値(トルク成分及び界磁成分を含む。)に変換し、電流制御器64に出力する。速度制御器63は、速度指令値及び電気角速度ωを用いて、回転座標系のdq軸電流におけるトルク電流成分の指令値を算出し、電流制御器64に出力する。電流制御器64は、dq軸電流の検出値と、回転座標系のdq軸電流の指令値(トルク成分及び界磁成分を含む。)を用いて、回転座標系のdq軸電圧の操作値(トルク成分及び界磁成分を含む。)を算出し、dq→αβ変換器65に出力する。dq→αβ変換器65は、回転子位置角θを用いて、回転座標系のdq軸電圧の操作値を、固定座標系のαβ軸電圧の操作値に変換し、2相→3相変換器66に出力する。2相→3相変換器66は、2相のαβ軸電圧の操作値を3相電圧の操作値に変換し、それを電圧形PWMインバータ52に出力する。
この制御装置51におけるαβ→dq変換器62では、モータ電流に対し、式(1)のように、回転子位置角θによる回転座標変換(固定座標系のαβ軸から回転座標系のdq軸への座標変換)が行われる。
図9に、この回転座標変換によるdq軸電流i、iを示す。
次の式(2)は、交流モータ50として永久磁石同期モータを用いる場合の、dq座標軸のモータモデルである。
但し、
、v:d軸電圧、q軸電圧(電機子電圧のd、q軸成分)
、i:d軸電流、q軸電流(電機子電流のd、q軸成分)
:d軸インダクタンス
:q軸インダクタンス
R:電機子巻線抵抗
p:微分演算子
ω:回転子角速度
φ:永久磁石の電機子鎖交磁束
交流モータの制御では、一般に、インバータ主回路が出力可能な印加電圧の上限を超えないように界磁電流であるd軸電流を減少させる弱め界磁状態が利用される。式(2)より、iが負になるとq軸電圧vの絶対値が小さくなり電圧が下がる弱め界磁になることが分かる。従来は、図9において、i、iが電圧制限に収まるように第2象限の楕円内に収まるように設計する必要がある。そのため、交流モータ50を広範囲の速度で制御するときには、印加している電圧以上の誘起電圧になるのを避けるため、界磁電流指令値を変化させる必要がある。
また、次の式(3)は、交流モータ50として誘導モータを二次磁束φrdの位相で制御する場合のモータモデルであり、永久磁石同期モータの式(2)とほぼ同様の式で、界磁電流とトルク電流で制御可能になる。
但し、
:一次抵抗
:二次抵抗
:一次自己インダクタンス
:二次自己インダクタンス
M:相互インダクタンス
p:微分演算子
σ:漏れ係数
ω:回転子の電気角速度
ω:回転子の機械角速度
φrd:二次磁束のd軸成分
特開2015−231276号公報
図10に、交流モータの速度に対するトルク・出力特性の一例を示す。一般に低速時にはトルク制限、高速時には出力制限が行われており、この特性を実現するために、トルク特性の折れ点以上の速度では、トルクの減少に併せて界磁電流指令を変化させる必要があるという問題がある。
特にトルクを制御する用途において、この問題は折れ点以上の速度でのトルク指令電流の操作性に関して大きな障害である。具体的には、折れ点以上の速度でトルク指令電流が変化、あるいは、制御の安定性や効率の低下などの問題があった。この改善策として、楕円状の軌跡で指令値を決定する方法があるが調整も煩雑で、折れ点については特に改善されていない。
前記課題を解決するために、本発明の交流モータの制御方法は、
交流モータの回転子位置角の検出値を用いて、該交流モータの電流又は電圧の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換することにより、回転座標系の電流又は電圧の検出値を算出し、
該回転座標系の電流又は電圧の検出値と、該交流モータに対する回転座標系の電流又は電圧の指令値とを用いて、該交流モータに対する回転座標系の電流又は電圧の操作値を算出し、
前記回転子位置角の検出値を用いて、該回転座標系の電流又は電圧の操作値を回転座標系から固定座標系に座標変換することにより、固定座標系の電流又は電圧の操作値を算出し、それにより交流モータを制御する交流モータの制御方法であって、
前記回転座標系への座標変換及び前記固定座標系への座標変換に用いる前記回転子位置角は、前記交流モータの電気角速度の比例値を利用した補正角が虚軸上に加算されることにより補正されており、
該補正角は、前記交流モータの電気角速度が最大値のときにπ/2[rad]以下になるように設定されている。
前記制御方法において、前記検出値、前記指令値及び操作値としては、電流又は電圧のいずれを用いてもよく、電流又は電圧のいずれか一方に統一しなくてもよい。交流モータにおける電流と電圧の関係は、例えば前述した式(2)や式(3)に示すように公知であり、適宜相互に変換可能だからである。
前記交流モータの回転数の比例値を利用した前記補正角の態様としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)前記交流モータの電気角速度の比例値である態様。
(2)前記交流モータの電気角速度の比例値のn次関数値(nは1以上の整数)である態様。
この方法によれば、回転子位置角は、前記交流モータの電気角速度に比例した値を利用した補正角が虚軸上に加算されることにより補正されているので、モータ特性が暗に制御系の数式モデル上に組み込まれているという利点がある。そのため、従来とは異なり、個別のモータの制御特性の折れ点に併せて、該モータに対する指令値における界磁成分を変化させる必要がないという効果が得られる。その効果により折れ点以上の速度を含む制御の安定と高効率制御が可能になると考えられる。
また、本発明の交流モータの制御装置は、
交流モータの回転子位置角の検出値を用いて、該交流モータの電流又は電圧の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換することにより、回転座標系の電流又は電圧の検出値を算出し、
該回転座標系の電流又は電圧の検出値と、該交流モータに対する回転座標系の電流又は電圧の指令値とを用いて、該交流モータに対する回転座標系の電流又は電圧の操作値を算出し、
前記回転子位置角の検出値を用いて、該回転座標系の電流又は電圧の操作値を回転座標系から固定座標系に座標変換することにより、固定座標系の電流又は電圧の操作値を算出し、それにより交流モータを制御する交流モータの制御装置であって、
前記回転座標系への座標変換及び前記固定座標系への座標変換に用いる前記回転子位置角は、前記交流モータの電気角速度の比例値を利用した補正角が虚軸上に加算されることにより補正されており、
該補正角は、前記交流モータの電気角速度が最大値のときにπ/2[rad]以下になるように設定されている。
前記制御装置において、前記検出値、前記指令値及び操作値としては、電流又は電圧のいずれを用いてもよく、電流又は電圧のいずれか一方に統一しなくてもよい。その理由は、前記交流モータの制御方法におけるものと同様である。
前記交流モータの回転数の比例値を利用した前記補正角の態様としては、特に限定されないが、前記交流モータの制御方法におけるものと同様である。
この制御装置によっても、前記制御方法と同様の効果が得られる。
本発明に係る交流モータの制御方法及び制御装置によれば、モータの制御特性の折れ点以上の速度を含む制御の安定と高効率制御が可能になるという優れた効果を奏する。
本発明を具体化した一実施形態に係る交流モータの制御装置の一例を示すブロック図である。 式(6)、(7)のcosh、sinh関数の変化の様子を示す図である。 本発明の回転座標変換を示す図である。 電気角速度ωの増加に伴う電機子電流の軌跡の一例を表すグラフである。 電気角速度ωの増加に伴う電機子電圧の軌跡の一例を表すグラフである。 トルク変動時の速度応答のシミュレーション結果を示す図である。 電気周波数−トルク特性の実験結果を示す図である。 従来の交流モータの制御装置を示すブロック図である。 従来の回転座標変換を示す図である。 交流モータの速度に対するトルク・出力特性を示す図である。
以下、本発明を具体化した交流モータの制御方法及び制御装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の交流モータの制御方法を用いた制御装置1の一例をブロック図で表したものである。
同図に示すように、制御対象の交流モータ50は、従来例と同様であり、電圧形PWMインバータ52に接続されている。電圧形PWMインバータ52から交流モータ50へ接続される電力線には電流センサ53が設けられている。交流モータ50のロータ近傍には回転子位置角θを検出する位置センサ54が設けられており、位置センサ54には微分器55が接続されている。微分器55は、位置センサ54から取得した回転子位置角θを電気角速度ωに変換する。
制御装置1は、3相→2相変換器61、演算器11、αβ→d’q’変換器12、速度制御器63、電流制御器14、d’q’→αβ変換器15、及び、2相→3相変換器66を有している。なお、制御装置1の構成要素中、従来例の制御装置51の構成要素と同一の符号を付しているものは、同一に構成されていることを示している。
3相→2相変換器61は、電流センサ53で検出された3相電流の検出値を2相のαβ軸電流の検出値に変換し、αβ→d’q’変換器12に出力する。演算器11は、電気角速度ωを用いて、cosh aω及びsinh aωを算出する。αβ→d’q’変換器12は、回転子位置角θ、cosh aω及びsinh aωを用いて、固定座標系のαβ軸電流の検出値を、回転座標系のd’q’軸電流の検出値(トルク成分及び界磁成分を含む。)に変換し(詳細は後述)、電流制御器14に出力する。速度制御器63は、速度指令値及び電気角速度ωを用いて、回転座標系のd’q’軸電流におけるトルク電流成分の指令値を算出し、電流制御器14に出力する。電流制御器14は、dq軸電流の検出値と、回転座標系のdq軸電流の指令値(トルク成分)を用いて、回転座標系のdq軸電圧の操作値(トルク成分及び界磁成分を含む。)を算出し、d’q’→αβ変換器15に出力する。d’q’→αβ変換器15は、回転子位置角θ、cosh aω及びsinh aωを用いて、回転座標系のd’q’軸電圧の操作値を、固定座標系のαβ軸電圧の操作値に変換し、2相→3相変換器66に出力する。2相→3相変換器66は、2相のαβ軸電圧の操作値を3相電圧の操作値に変換し、それを電圧形PWMインバータ52に出力する。
なお、トルク制御の場合は、速度制御器63のブロックがなくなり、dq軸電流指令値(トルク成分)がトルク指令値と同等の役割を果たす。
αβ→d’q’変換器12では、式(4)のように、回転座標変換(固定座標系のαβ軸から回転座標系のd’q’軸への座標変換)が行われる。
また、d’q’→αβ変換器15では、式(5)のように、回転座標逆変換(回転座標系のd’q’軸から固定座標系のαβ軸への座標変換)が行われる。
式(4)及び(5)において、cos(θ+jaω)とsin(θ+jaω)は、それぞれ次の式(6)及び(7)のように表すことができる。αβ→d’q’変換器12及びd’q’→αβ変換器15では、これらの式(6)及び(7)を用いて座標変換を行っている。
図2に式(6)及び(7)のcosh、sinh関数の変化の様子を示す。
横軸のaωにおける電気角速度ωに応じて、coshは電流振幅が変化することを表し、sinhは位相が変化することを表している。
式(4)及び(5)のように、回転子位置角θは、交流モータ50の電気角速度ωの比例値からなる補正角が虚軸上に加えられることにより補正されており、この補正された回転子位置角(θ+jaω)を用いて座標変換する方法が本発明の特徴となっている。このように交流モータ50の電気角速度ωを虚軸上に加えることにより、式(6)及び(7)の実部である右辺第1項のcosh aωにより電流振幅、虚部である第2項のsinh aωにより位相が変化することになる。
従来は、図9において、i、iが電圧制限に収まるように第2象限の楕円内に収まるように設計していたが、本発明の制御方法では電気角速度ωに掛かる係数aを設計することになる。aωが従来のq軸に対する遅れ位相となるので電気角速度ωの最大値においてπ/2[rad]以下の値となるように設計する。この補正角の設計の指標としては、特に限定されないが、電気角速度ωが、最大値の1/3のときにπ/6[rad]、最大値の2/3のときに2π/6[rad]、最大値のときにπ/2[rad]とすることを例示する。この設計指標は、交流モータ50の電気角速度ωの最大値のときにπ/2[rad]以下という制限内において、トルク重視にするときはプラス方向にシフトさせ、速度重視にするときはマイナス方向にシフトさせるとよい。
図3に、この回転座標変換によるd’q’軸と従来のdq軸の関係を示しており、d’q’軸上において、トルク電流iq’を設定するだけで、電気角速度ωに応じてdq軸上では、トルク電流id及び界磁電流iが設定されるようになっている。
図4は、本発明の制御方法及び制御装置における電気角速度ωの増加に伴う電機子電流の軌跡の一例を表しており、電気角速度ωの増加に伴って、弱め界磁電流が増加している。前述したように、式(2)は、交流モータ50として永久磁石同期モータを用いる場合の、dq座標軸のモータモデルであり、図4の電流を式(2)に代入し、電圧の軌跡を描くと、図5のようになる。この図5の例では、電気角速度ωが増加しても電圧制限円(本例では95V)以内に電圧ベクトルの振幅が収まっていることが確認できる。以上のことから界磁電流であるd軸電流が電気角速度ωに比例した回転座標変換となるd’軸電流となることで、図3に示すように、電流振幅のsin(aω)倍が弱め界磁として実現できている。即ち、iが負になるとq軸電圧vの絶対値が小さくなり電圧が下がる弱め界磁になることが分かる。
なお、前述したように、式(3)は、交流モータ50として誘導モータを二次磁束φrdの位相で制御する場合のモータモデルであり、永久磁石同期機の式(2)とほぼ同様の上式で、界磁電流とトルク電流で制御可能になっている。そのため、永久磁石同期モータを用いる場合と同様に、本発明によって弱め界磁を実現することができる。
本発明が提案する新d’q’軸は、d軸電流値としての界磁電流値を設定することなく速度情報に応じて自動的に界磁電流値が設定される。界磁電流値が電気角速度ωの変化に対して、比較して変動が小さくなるので、応答が安定すると考えられる。
図10に示す交流モータの速度に対するトルク・出力特性の一例について前述したように、一般に、低速度は最大トルク領域であり、高速度は最大出力制御にすることで電圧制限を超えることを防いでいる。電気角速度ωに対する弱め界磁は、式(2)で設計することが可能であるが、実際には位置センサ54の精度やモータモデルの誤差からある程度余裕をもった設定値になる。特にLやLは、大電流で磁気飽和の影響があり高速度領域でパラメータ誤差の影響が大きい。また、インバータ52はdq軸での電流制御であり、電流指令に対してPI制御を行いその結果が電圧指令となるので、電圧指令が最大値を超えると指令電流に制御できない。以上のことから、本発明のd’q’軸の電流制御においても積分制御である程度のパラメータ変動に対するロバスト性があり、指令であるdq電流に制御することが可能である。
次に、図6に、従来のd軸電流値としての界磁電流値を設定した場合と本発明の制御方法を適用した場合のトルク変動時の速度応答のシミュレーション結果を示す。このシミュレーションでは、交流モータの最高速度を700[Hz](電気角速度ωの最大値を1400π[rad/s])に設定し、aを0.0003に設定している。時間60のときのトルク変動時の速度変動及び電流値について、本発明の制御方法の方が、トルク変動前と、トルク変動に対する応答が収束した後との電流値の差が小さいことが確認できる。
d軸電流としての界磁電流値の設定において、本発明の制御方法が速度において自動的に−sinh aωの値に決定され、設定値が大きく変動しないことが応答性及び安定性に寄与していると考えられる。
次に、図7に、交流モータ50及び発電機を、トルク計を介して結合したシステムに対して、従来の制御装置51と本発明の制御装置1を適用した場合の電気周波数−トルク特性の実験結果を示す。この実験では、交流モータの最高周波数を500[Hz](電気角速度ωの最大値を1000π[rad/s])に設定し、aを0.00047に設定している。このシステムは、交流モータ50をトルク制御、発電機を速度制御することで、電気自動車等のトルク制御システムをベンチ上で実現したものである。
従来の制御装置51は、図8に示すものである。従来の制御方法では、式(1)に基づいたdq変換が行われる。
本発明の制御装置1は、図1に示すものである。本発明の制御方法では、d軸電流としての界磁電流の設定を含んだdq変換、すなわち式(4)に含まれることになる。
図7に示すように、同じ定格出力の交流モータ50で低周波数は最大トルク制御領域であり、高周波数は最大出力制御領域である。従来のq軸電流としてのトルク電流を一定として高周波数領域でd軸電流としての界磁電流を可変に設定した制御の場合は、高周波数が180Hzで速度・トルク変動が大きくなり上限となっている。本発明の制御方法は、高周波数側が320Hzまで安定な制御が確認でき、広い速度領域でのトルク制御が実現できている。本発明の実験結果によれば、交流モータ50に求める定トルク及び定出力特性を実現できていることが確認できる。
以上のように本例の交流モータ50の制御方法は、交流モータ50の回転子位置角θの検出値を用いて、該交流モータ50の電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換することにより、回転座標系の電流の検出値を算出し、該回転座標系の電流の検出値と、該交流モータ50に対する回転座標系の電流の指令値とを用いて、該交流モータ50に対する回転座標系の電圧の操作値を算出し、前記回転子位置角θの検出値を用いて、該回転座標系の電圧の操作値を回転座標系から固定座標系に座標変換することにより、固定座標系の電圧の操作値を算出し、それにより交流モータ50を制御するものであって、前記回転座標系への座標変換及び前記固定座標系への座標変換に用いる前記回転子位置角θは、交流モータ50の電気角速度ωの比例値を利用した補正角が虚軸上に加算されることにより補正されており、該補正角は、交流モータ50の電気角速度ωが最大値のときにπ/2[rad]以下になるように設定されている。この方法によれば、回転子位置角θは、交流モータ50の電気角周波数ωに比例した値を利用した補正角が虚軸上に加算されることにより補正されているので、モータ特性が暗に制御系の数式モデル上に組み込まれているという利点がある。そのため、従来とは異なり、個別のモータの制御特性の折れ点に併せて、該モータに対する指令値における界磁成分を変化させる必要がないという効果が得られる。その効果により折れ点以上の速度を含む制御の安定と高効率制御が可能になると考えられる。
この制御方法を用いた本例の制御装置1によっても、該制御方法と同様の効果が得られる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)交流モータ50の回転数の比例値を利用した補正角の態様を、例えば交流モータ50の回転数の比例値のn次関数値(nは1以上の整数)である態様に変更すること。例えば、補正値を一次関数値のa’ω+b’(a’及びb’は定数)とすることが挙げられる。
(2)前記制御方法において、前記検出値、前記指令値及び操作値のそれぞれに、電流又は電圧のいずれを用いるかを適宜変更すること。
(3)ωからcosh aω及びsinh aωを算出する演算器11に代えて、ωからaωを算出する演算器を用い、該演算器の出力を用いてαβ→d’q’変換器12及びd’q’→αβ変換器15で座標変換をするように構成すること。
(4)ωからcosh aω,sinh aωを演算する演算器11を省き、ωを用いて、αβ→d’q’変換器12及びd’q’→αβ変換器15で座標変換をするように構成すること。
1 制御装置
11 演算器
12 αβ→d’q’変換器
14 電流制御器
15 d’q’→αβ変換器
50 交流モータ
51 制御装置
52 インバータ
53 電流センサ
54 位置センサ
55 微分器
61 3相→2相変換器
62 αβ→dq変換器
63 速度制御器
64 電流制御器
65 dq→αβ変換
66 2相→3相変換器

Claims (6)

  1. 交流モータの回転子位置角の検出値を用いて、該交流モータの電流又は電圧の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換することにより、回転座標系の電流又は電圧の検出値を算出し、
    該回転座標系の電流又は電圧の検出値と、該交流モータに対する回転座標系の電流又は電圧の指令値とを用いて、該交流モータに対する回転座標系の電流又は電圧の操作値を算出し、
    前記回転子位置角の検出値を用いて、該回転座標系の電流又は電圧の操作値を回転座標系から固定座標系に座標変換することにより、固定座標系の電流又は電圧の操作値を算出し、それにより交流モータを制御する交流モータの制御方法であって、
    前記回転座標系への座標変換及び前記固定座標系への座標変換に用いる前記回転子位置角は、前記交流モータの電気角速度の比例値を利用した補正角が虚軸上に加算されることにより補正されており、
    該補正角は、前記交流モータの電気角速度が最大値のときにπ/2[rad]以下になるように設定されている交流モータの制御方法。
  2. 前記補正角は、前記交流モータの電気角速度の比例値である請求項1記載の交流モータの制御方法。
  3. 前記補正角は、前記交流モータの電気角速度の比例値のn次関数値(nは1以上の整数)である請求項1記載の交流モータの制御方法。
  4. 交流モータの回転子位置角の検出値を用いて、該交流モータの電流又は電圧の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換することにより、回転座標系の電流又は電圧の検出値を算出し、
    該回転座標系の電流又は電圧の検出値と、該交流モータに対する回転座標系の電流又は電圧の指令値とを用いて、該交流モータに対する回転座標系の電流又は電圧の操作値を算出し、
    前記回転子位置角の検出値を用いて、該回転座標系の電流又は電圧の操作値を回転座標系から固定座標系に座標変換することにより、固定座標系の電流又は電圧の操作値を算出し、それにより交流モータを制御する交流モータの制御装置であって、
    前記回転座標系への座標変換及び前記固定座標系への座標変換に用いる前記回転子位置角は、前記交流モータの電気角速度の比例値を利用した補正角が虚軸上に加算されることにより補正されており、
    該補正角は、前記交流モータの電気角速度が最大値のときにπ/2[rad]以下になるように設定されている交流モータの制御装置。
  5. 前記補正角は、前記交流モータの電気角速度の比例値である請求項4記載の交流モータの制御装置。
  6. 前記補正角は、前記交流モータの電気角速度の比例値のn次関数値(nは1以上の整数)である請求項4記載の交流モータの制御装置。
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CN109546914A (zh) * 2018-10-24 2019-03-29 苏州汇川联合动力系统有限公司 电动汽车安全控制方法、电动汽车及存储介质

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