JPH11191988A - 無軸受回転機械 - Google Patents

無軸受回転機械

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JPH11191988A
JPH11191988A JP9367111A JP36711197A JPH11191988A JP H11191988 A JPH11191988 A JP H11191988A JP 9367111 A JP9367111 A JP 9367111A JP 36711197 A JP36711197 A JP 36711197A JP H11191988 A JPH11191988 A JP H11191988A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で製作が容易なかご型回転子を用
いた誘導機等においても、安定した浮上位置制御が行え
る無軸受回転機械を提供する。 【解決手段】 回転するm極の駆動磁界に同期してm±
2であるn極の制御磁界を重畳し、回転子Rに回転力を
与えると同時に、回転子Rの変位検出手段11x,11y
によって検出した回転子Rの変位からn極の制御磁界
を増減して回転子Rを磁気浮上する無軸受回転機械にお
いて、固定子Sの巻線の端子電圧に誘起する逆起電圧を
積分することにより、回転子Rと固定子Sの空隙中の磁
束分布を検出し、回転子Rの誘導電流に起因する磁束分
布の変形を補正することで、本来の磁束分布指令値とな
るように制御磁界を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転体を回転駆動
する電動機作用と、回転体を磁気浮上制御する磁気軸受
作用とを兼ね備えた無軸受回転機械に係り、特に回転子
に電流路である二次導体を備えた誘導型回転子を用いた
場合にも、安定した浮上制御が可能な、無軸受回転機械
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒型固定子内に円筒型の回転子
を組み込み、固定子に励磁巻線回路を配置して極数の異
なる二種類の回転磁界を形成し、ここで回転子に回転力
を与えると同時に、所定の半径方向位置に浮上保持する
位置制御力を作用させる各種の無軸受回転機械が提案さ
れている。
【0003】これは、固定子に回転駆動用の巻線と位置
制御用の巻線を備え、それぞれに三相交流電流を流すこ
とにより、所定の関係の極数の異なる回転磁界を固定子
と回転子の空隙に形成し、円筒型回転子に半径方向の磁
気的吸引力を偏配するものである。
【0004】係る無軸受回転機械において、固定子の巻
線に電流を流すことによりm極の回転磁界とn極の回転
磁界が生成される。以後、m極の回転磁界を駆動磁界、
n極の回転磁界を位置制御磁界と呼ぶ。駆動磁界は通常
の電動機のように回転子に回転駆動力を与えるために使
用する。位置制御磁界は駆動磁界に重畳することによ
り、回転子に半径方向力を偏配することが可能となるた
め、回転子の半径方向浮上位置を磁気軸受と同様に自在
に調整できる。m極とn極とは、n=m±2の関係を有
することにより、上記浮上位置制御が可能となる。
【0005】これにより、回転子を磁気的に吸引して、
回転子に回転力を付与する電動機として機能すると共
に、その浮上位置と姿勢を制御して、固定子に対して非
接触浮上支持が可能な磁気軸受として機能させることが
できる。このため、電動機の回転軸保持に従来必要とさ
れていた磁気軸受を構成する電磁石ヨーク部分及び巻線
が不要となり、回転機械の軸長を短縮して、軸振動から
の高速回転の制限を少なくすることができる。また、回
転機械を小型軽量化することができる。また、位置制御
巻線の電流と駆動巻線の電流とにより生じる磁界分布の
相乗効果的な作用により、磁気軸受に相当する動作を行
えるので、従来の磁気軸受と比較してはるかに小さな電
流で大きな制御力が生じ、大幅な省エネルギー化が可能
である。
【0006】固定子で生成される回転磁界により、回転
子の二次導体に誘導電流を生成して回転駆動力を付与す
る方式のひとつが誘導型回転子である。誘導型回転子に
も種々の構造があるが、その代表的なものがかご型回転
子である。これは回転子に低抵抗の金属導体棒(二次導
体)を電流路として回転軸に平行に同心状に多数配置
し、その両端において各金属導体棒を低抵抗の金属導体
環(エンドリング)で接続することにより、回転子に電
流路を設ける構造である。係る回転子においては、固定
子巻線が形成する回転磁束を切ることにより、回転子の
二次導体に誘導電圧が生じて誘導電流が流れる。固定子
巻線により発生して二次導体に鎖交する磁束と、回転子
の金属導体棒に流れる誘導電流の相互作用によりローレ
ンツ力が発生して、誘導型回転子には回転駆動力が発生
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無軸受
回転機械においては、駆動磁界と位置制御磁界を固定子
巻線電流(一次電流)により混在させて発生させるため
に、通常の誘導型回転子(かご型回転子)を用いた場合
には、回転子電流路(二次導体)には双方の磁界によっ
て誘導された電流が流れる。m極分布の回転磁界は回転
子に回転駆動力を付与するために、原理上、誘導電流が
流れなくては誘導型電動機として機能しない。一方、位
置制御磁界による誘導電流が回転子電流路に流れた場
合、固定子巻線が生成する磁界の他に、外乱として回転
子電流が生成する磁界が発生するため、位置制御磁界は
固定子の巻線電流が形成する磁界だけでは決まらず、安
定な回転子の浮上制御ができなくなる。
【0008】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
で、構造が簡単で製作が容易なかご型回転子を用いた誘
導機等においても、安定した浮上位置制御が行える無軸
受回転機械を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の無軸受回転機械
は、回転するm極の駆動磁界に同期してm±2であるn
極の制御磁界を重畳し、回転子に回転力を与えると同時
に、該回転子の変位検出手段によって検出した該回転子
の変位から該n極の制御磁界を増減して該回転子を磁気
浮上する無軸受回転機械において、固定子巻線の端子電
圧に誘起する逆起電圧を積分することにより、該回転子
と該固定子の空隙中の磁束分布を検出し、前記回転子の
誘導電流に起因する磁束分布の変形を補正することで、
本来の磁束分布指令値となるように前記制御磁界を調整
することを特徴とする。
【0010】上述した本発明によれば、磁束分布を検出
する特別な手段を付加することなく、巻線の端子電圧に
生じる逆起電圧を積分することで、空隙中の実際の磁束
分布を検出することができる。この検出された空隙の磁
束分布は、回転子の誘導電流により変形されているの
で、本来の磁束分布となるように固定子起磁力分布を補
正することにより、回転子の浮上位置制御に適正な磁束
分布が発生可能となる。これにより、いかなる特性を有
する回転子を使用しても、適正な回転子の浮上保持のた
めの磁束分布を形成できるので、回転駆動と共に安定な
浮上位置制御が可能となる。
【0011】即ち、巻線に生じる逆起電圧は、磁束の変
化、即ち微分値に比例するので、この逆起電圧を積分す
ることにより、磁束に比例した量を検出することができ
る。これにより、空隙中の磁束密度等を計測するセンサ
を用いることなく、空隙中の磁束分布を求めることがで
きる。この磁束分布検出値は、回転子の誘導電流によっ
て生じる磁束の外乱を含んでいるので、この誘導電流の
外乱を補正する。この補正は、誘導現象を考慮していな
い磁束分布指令値と、固定子巻線端子電圧から得られる
実際の磁束分布の誤差を求め、それに従い固定子起磁力
を増減し、磁束分布指令値と一致する磁束分布を空隙中
に生成する。この補正機構により、電動機内に磁束分布
検出器を設けることなく、通常の誘導型回転子の安定な
浮上回転が可能となる。
【0012】また、固定子巻線の鎖交磁束が一定で巻線
端子電圧に逆起電圧が発生しない状態においては、巻線
電流の直流分による磁束分布を磁束分布検出値とする。
これにより、直流もしくは直流に近い低周波領域におい
ても、回転子の安定した浮上制御を行える。また、直流
分による磁束分布は、駆動磁界の回転周期の整数倍の期
間で巻線電流の加算平均を演算により算出することが好
ましい。これにより妥当な直流分による磁束分布を付与
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施
形態の説明の前提となる、従来用いられている一般的な
無軸受回転機械の制御系の構成を示す図である。回転子
Rは固定子Sに設けられた2極駆動巻線が形成する2極
回転磁界により回転駆動され、4極位置制御巻線が形成
する4極回転磁界により、浮上位置制御される。回転子
Rの周囲には、回転子Rの回転速度を検出する回転速度
検出器10と、回転子Rのx方向浮上位置及びy方向浮
上位置を検出するギャップセンサ11x,11yがそれぞ
れ配置されている。
【0014】速度制御系(2極回転磁界)は、速度指令
値ω* が予め与えられ、これが回転速度検出器10で検
出された実際の回転速度ωmと比較される。そして、こ
の偏差がPI(D)コントローラ21に入力され、その
偏差がゼロとなるようにトルク分電流It*が出力され
る。一方で、励磁電流に相当する励磁分電流Io*が予め
与えられる。そして、回転座標−固定座標変換演算器2
2により、入力された回転座標系の電流It*,Io*
ら、固定座標系の二相電流Ia*,Ib*が、回転角ωtに
ついて図中に示す行列演算で求められる。
【0015】そして、この固定座標系の二相電流Ia*
Ib*を二相三相変換回路23で三相電流Iu2 *,Iv2 *
Iw2 *に変換し、電力増幅器24で所定の電流値に電力
増幅して、固定子Sの2極巻線に供給する。これにより
回転子Rを速度指令値ω* で回転駆動する2極の回転磁
界が形成される。
【0016】一方で、位置制御系(4極回転磁界)の制
御は、概略、次の通りである。まず、ギャップセンサ1
1x,11yにより回転子Rの浮上位置を検出して、予め
設定された浮上位置指令値x*,y*と、減算器25で比
較する。そして、それぞれの偏差Δx,Δyがそれぞれ
PI(D)コントローラ26に入力され、偏差をゼロと
するための位置制御力指令値Fx*,Fy*が算出される。
そして制御器27において、位置制御力指令値Fx*,F
y*から、回転角ωtについて図中に示す行列演算で回転
座標系から固定座標系に変換した二相の制御電流指令値
Iα*,Iβ*を演算する。そして、二相三相変換回路2
8で、三相の電流指令値Iu4 *,Iv4 *,Iw4 *に変換し
て、電力増幅器により4極の固定子巻線に所定の電流を
供給する。固定子・回転子間の空隙中には4極浮上位置
制御磁界が形成され、2極回転駆動磁界と重畳され、こ
れにより回転子Rの浮上位置が制御される。
【0017】しかしながら、制御器27で演算して得ら
れる二相電流指令値Iα*,Iβ*は、回転子の電流路に
流れる誘導電流(二次電流)を考慮せずに決定される。
このため、かご型回転子等により回転子に誘導電流が流
れると、ギャップセンサが検出した浮上位置に基づく二
相電流指令値Iα*,Iβ*による磁界分布と、実際の固
定子・回転子間の空隙中の磁界分布に差異が生じてしま
う。この回転子電流路に生じる誘導電流により、浮上位
置制御磁界分布が変形して、正常の浮上位置制御力を作
用させられなくなることは上述した通りである。
【0018】本実施形態の無軸受回転機械は、回転機械
に特別な固定子・回転子間の空隙の磁束検出装置を付加
することなく、空隙中の磁束分布を検出し、その検出値
と指令値の誤差を補正することにより、回転体の安定浮
上を実現するものである。即ち、固定子Sに巻回された
巻線、即ち、2極駆動巻線の三相と4極位置制御巻線の
三相のそれぞれの端子電圧に発生する逆起電圧より、各
巻線に鎖交する磁束数を計算し、それを積分演算するこ
とにより、磁束分布を導出する。導出された磁束分布検
出値は回転子誘導電流(二次電流)の外乱によって、期
待される磁束指令値分布と異なるので、その差分の符号
により、固定子巻線端子に印加する符号を決定し、フィ
ードバック制御によりこの差分をゼロとするように制御
する。この結果、4極位置制御巻線には回転子の誘導電
流による外乱を打ち消すような電流が流れ、空隙中の磁
束分布は外乱の影響を補正した本来の磁束分布となる。
【0019】図2は、本実施形態における固定子巻線
(U相、V相、W相)の分布図である。2極巻線と4極
巻線が完全な正弦波分布を有する場合は、両者の相互イ
ンダクタンスは零になるので、2極巻線端子電圧は2極
磁束分布の影響のみ、4極巻線端子電圧は4極磁束分布
のみに依存する。この現象を利用することにより、空隙
中に混在する2極と4極の磁束分布を分別して抽出する
ことが可能になる。図2に示したとおり、実際の巻線分
布は上述の仮定と異なり奇数次の高調波成分を有する。
しかしながら、三次高調波は直交座標系への変換、即ち
三相→二相変換を施すことにより、消失する成分とな
り、また、五次以上の高調波成分は基本波に対して十分
に小さいので、本実施形態における磁束分布の検出に何
ら問題を生じない。
【0020】純抵抗Rをもつ巻線の両端の電圧をV、流
れる電流をI、発生する逆起電圧をE、この巻線の総鎖
交磁束数をΦで表すと、 V=RI+E=RI+dΦ/dt の関係を得る。Φは巻線波高値に比例した量であるの
で、回転子歯部、固定子歯部のフリンジングの影響が小
さければ空隙中の磁束密度Bに比例した量とみなすこと
ができる。
【数1】 この端子電圧の逆起電力Eを積分すると、上式に示すよ
うに磁束Φが算出される。従って、磁束密度のセンサ等
を用いることなく、巻線の端子電圧から磁束分布を検出
することができる。
【0021】この手法の磁束検出の問題点は上式が積分
定数Cを持つところにある。即ち、磁束分布の直流分が
検出できないため、本案の主眼であるところの磁束分布
検出が不完全要素を持つ。この問題を回避するため、巻
線電流値の直流分をその代替として使用する。
【0022】図3は、本発明の一実施形態の無軸受回転
機械の制御系の構成図である。尚、2極駆動巻線電流を
制御する速度制御系は図1と全く同じなので省略してい
る。位置制御系のみに着目した場合、図1の構成では、
4極電流指令値Iu4 *,Iv4 *,Iw4 *を計算し、その指
令値どおりに巻線に電流を通電することを目的としてい
る。一方、本発明の一実施形態の図3では、4極磁束分
布指令値Bα*,Bβ*を演算し、その指令値どおりに磁
束分布を形成するように回路構成されている。
【0023】即ち、電動機の回転子・固定子間空隙の磁
束分布を測定するために、U,V,W相の2極巻線のそ
れぞれの端子電圧及び端子電流、及びU,V,W相の4
極巻線のそれぞれの端子電圧及び端子電流を測定する測
定器を備えている。そして測定された端子電圧及び電流
から逆起電圧を演算する逆起電圧演算器30を備えてい
る。また、その逆起電圧を磁束に変換する積分器31を
備えている。これにより、2極、4極巻線の端子電圧の
逆起電圧から空隙中の磁束分布を求められる。更にこの
磁束分布より、2極磁束分布ベクトル、4極磁束分布ベ
クトルを得るための2極磁束分布演算器32,4極磁束
分布演算器33を有している。さらに、2極磁束分布演
算器32の検出値Ba,Bbと、発生制御力の指令値F
x*,Fy*より、磁束分布指令値Bα*,Bβ*を得るため
の位置制御磁束分布指令値演算器34を有している。更
に、算出した4極磁束分布検出値Bα,Bβと4極巻線
電流の低周波成分とを加算する演算器35を備えてい
る。
【0024】得られた2極磁束分布ベクトル検出値(B
a,Bb)は、制御力の指令値Fx*,Fy*と共に演算器3
4にて4極磁束分布の指令値(Bα*,Bβ*)の演算に
用いられる。4極磁束分布ベクトル検出値(Bα,B
β)は、演算した指令値(Bα*,Bβ*)から減算器3
5により減算され、偏差(ΔBα,ΔBβ)を得る。
【0025】上述した空隙中の磁束の検出方法は、その
動作原理上、直流成分、又は直流に近い低周波で変動す
る磁束量を検出できない。このため本実施形態において
は、それに代わる量として4極巻線電流Iu4,Iv4,I
4の低周波成分をCTにより取り出して利用してい
る。ここで、4極巻線電流の低周波成分を得るために位
相特性の明確なローパスフィルタ(LPF)を用いる
と、そのフィルタの位相変化量が180度になる周波数
で正帰還発振を起こし、その結果、4極位置制御巻線に
は過大な電流が流れ、装置を損傷する恐れがある。この
現象を回避するために、単なるローパスフィルタを用い
ないで、ローパスフィルタに代わる方法を用いる。即
ち、駆動磁界の回転周期の整数倍の期間に4極検出電流
値を加算平均で処理し、その結果を磁束分布検出値の低
周波成分として帰還させる。
【0026】即ち、4極巻線電流Iu4,Iv4,Iw4をC
Tにより検出して、これを3相2相変換器36で相変換
してから、演算器37を用いてこれを加算平均で処理し
て、その結果の低周波成分を演算器35に帰還させる。
これにより、検出感度の低い低周波成分を補うことがで
き、所要の磁束分布を固定子、回転子間の空隙に形成で
きる。
【0027】このようにして得た4極磁束分布の指令値
と検出値の偏差信号(ΔBα,ΔBβ)を固定子の三相
巻線に適合するように二相三相変換器39により相変換
して、磁束密度分布の指令値ΔBu4 *,ΔBv4 *,ΔBw4
*を得る。この信号をヒステリシスコンパレータ40で
符号判別し、三相インバータの各電力素子のオン−オフ
制御信号とする。即ち、ΔBα,ΔBβがその符号が+
であれば、インバータの供給電流は符号が−となる、つ
まり電流を減らす方向に作用させ、偏差がゼロとなるよ
うに調整する。これにより、固定子・回転子間空隙の磁
束密度分布はその指令に遅滞なく追従し、結果として期
待したとおりの位置制御磁束分布が生成可能となる。
【0028】以上の説明から明らかなように、本発明は
実際の磁束密度分布を固定子巻線の端子電圧から検出し
て、これを本来の磁束密度分布となるようにフィードバ
ック制御をするものである。従って、無軸受回転機械に
おいて、磁束分布を検出する特別な手段を付加すること
なく固定子・回転子間空隙の磁束分布を検出することに
より、回転子の形態によらず、安定な磁気浮上制御が可
能となる。尚、特別な磁束検出装置を用いる場合には、
この磁束検出装置として、駆動巻線と位置制御巻線とそ
れぞれ全く同様に巻回した巻線を利用しても本発明は適
用可能である。しかしその場合には、巻線スペースが多
く必要になり、ケーブルの数も増えて実用性が乏しくな
る。これに対して、上述した本発明は巻線スペースの増
大も、ケーブルの増加もなく実用的といえる。
【0029】以上の説明は便宜上、駆動磁界分布を形成
する駆動巻線と、位置制御磁界分布を形成する位置制御
巻線とに分割されたものを用いたが、所望の磁界分布を
形成できる巻線であれば、いかなる形態でも構わない。
また、固定子に巻回されている巻線は三相中点結線の巻
線を前提としているが、上述の磁界分布を生成できれ
ば、その巻線分布は問題とならない。またm極の回転駆
動磁界とn極の位置制御磁界が m=n±2 の関係を有していればいかなる極数でも適用できる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
無軸受回転機械の目的である磁気浮上と回転駆動の両目
的を、通常の広く普及している誘導電動機等の本来の位
置制御磁束分布を変形させる回転子を用いて達成可能に
した。これにより、複雑な電流路構造を有する回転子を
用いる必要がなくなり、安価で堅牢な例えば一般的に用
いられているかご型回転子を無軸受回転機械の回転子と
して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無軸受回転機械の制御系の一般的な構成を示す
ブロック図である。
【図2】無軸受回転機械の固定子巻線構造を示す説明図
であり、(a)U相、(b)V相、(c)W相の各2極
巻線及び4極巻線の分布を示す。
【図3】本発明の実施形態の無軸受回転機械の制御系の
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
30 逆起電圧演算器 31 積分器 32 2極磁束分布演算器 33 4極磁束分布演算器 34 位置制御磁束分布指令値演算器 35 加算(減算)器 39 二相三相変換器 40 符号判定器 42 インバータ R 回転子 S 固定子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転するm極の駆動磁界に同期してm±
    2であるn極の制御磁界を重畳し、回転子に回転力を与
    えると同時に、該回転子の変位検出手段によって検出し
    た該回転子の変位から該n極の制御磁界を増減して該回
    転子を磁気浮上する無軸受回転機械において、 固定子巻線の端子電圧に誘起する逆起電圧を積分するこ
    とにより、該回転子と該固定子の空隙中の磁束分布を検
    出し、前記回転子の誘導電流に起因する磁束分布の変形
    を補正することで、本来の磁束分布指令値となるように
    前記制御磁界を調整することを特徴とした無軸受回転機
    械。
  2. 【請求項2】 前記回転子と前記固定子間の空隙磁束分
    布の状態が、前記固定子巻線の鎖交磁束が一定で巻線端
    子電圧に逆起電圧が発生しない状態においては、巻線電
    流の直流分による磁束分布を磁束分布検出値とすること
    を特徴とした請求項1記載の無軸受回転機械。
  3. 【請求項3】 前記巻線電流の直流分による磁束分布検
    出値を得るため、前記m極の駆動磁界の回転周期の整数
    倍の期間で、該巻線電流の加算平均を演算することによ
    り、該電流値の直流分を算出することを特徴とした請求
    項2に記載の無軸受回転機械。
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JP2001211687A (ja) * 1999-11-30 2001-08-03 Texas Instr Inc <Ti> ボイスコイルの速度を決める回路及び方法

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