JP4235251B2 - 偏波切換・指向性可変アンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波・ミリ波帯における無線通信において、円偏波の旋回方向、および放射指向性の最大利得方向を切り換えて通信することにより、高品質な無線通信を行うことに適したアンテナに関する。
近年、室内無線LAN等に代表される室内など閉じた空間における高速大容量通信の需要が高まっている。室内のような閉空間では、アンテナ間の見通し(Line−of−Sight)の直接波に加えて、壁や天井などからの反射による遅延波が存在し、マルチパス伝搬の環境となる。このマルチパス伝搬が、通信の品質を劣化させる要因となっている。
マルチパス伝搬環境下での、遅延波による通信品質の劣化の抑制に、放射指向性の最大利得方向の切り換えが可能なアンテナを用いる方法がある。これは、アンテナの最大利得方向を切り換え、最適な状態を選んで送受信することにより、通信の品質を高める方法である。
一方、マルチパス伝搬環境下での、遅延波による通信品質の劣化の抑制に、円偏波アンテナを用いる方法がある。円偏波とは、時間と共に電界ベクトルの向きが回転して進行する電磁波のことであり、場所を固定して進行方向を見た時、電界ベクトルが右回りに回転する円偏波を右旋円偏波、左回りに回転する円偏波を左旋円偏波という。
通常、完全な円偏波を発生させることは困難であり、逆旋回の偏波成分と合成されて、楕円偏波となる。この楕円の長軸と短軸の比を軸比と呼び、円偏波の特性を表す指標となっている。軸比が小さいほど円偏波特性は良好であると言える。通常の円偏波アンテナの場合、軸比は3dB以下の値を取る。
右旋円偏波を送受信するよう設計されたアンテナは、左旋円偏波を送受信できない。同様に、左旋円偏波を送受信するよう設計されたアンテナは、右旋円偏波を送受信できない。一般に、壁などの障害物に入射した円偏波は逆旋回の円偏波となって反射する。つまり、右旋円偏波が一回反射すると、左旋円偏波になり、さらにもう一度反射すると右旋円偏波になる。このため、室内通信に円偏波を用いることにより、一回反射によるマルチパス成分を抑圧することができる。
円偏波の送受信が可能な平面アンテナとしては、例えば非特許文献1に記載されているものがよく知られている。図15(a)は一般的な直線偏波のアンテナを、図15(b)、(c)は、非特許文献1に記載の一般的な円偏波アンテナの構造を示す概略図である。円偏波を発生させるためには、直交する偏波面を持ち、かつ位相が90°ずれた二つの直線偏波成分が必要であるが、通常用いられる図15(a)に示すような、放射導体板の重心32と給電点を通る直線に線対称な形状の放射導体板31では、上記直線の方向に電流が振動する共振のみが生じ、この振動方向に偏波面を持った直線偏波となる。
上記の線対称な形状の放射導体板31から、円偏波を発生させるためには、上記の共振を二つの直交する共振に分離する必要がある。上記の共振を分離するためには、例えば図15(b)、(c)のように、放射導体板31の構造の対称性を崩してやればよい。このとき、対称性を崩す位置によって、図15(b)では左旋円偏波が、図15(c)では右旋円偏波が、それぞれ励振される。
しかしながら、ラップトップの内蔵アンテナやモバイル機器用のアンテナとしては、図15(b)、(c)のような円偏波アンテナは不適であった。上記のような移動体の端末では、端末の位置や向きが大きく変化するため、旋回方向が固定された円偏波アンテナでは向きを反転したときなどに送受信できない。そのため、移動体端末における高品質・高効率な通信が可能なアンテナとして、円偏波の旋回方向の制御が実現できるアンテナが求められている。
また、上記の二つのマルチパス除去に有効な機能、「放射指向性の最大利得方向の切り換え機能」と、「円偏波の旋回方向の切り換え機能」を同時に実現すれば、さらなる高品質・高効率な通信が可能である。
従来、上記の二つの機能、「円偏波の旋回方向の切り換え」と、「放射指向性の最大利得方向の切り換え」を同時に実現するアンテナとしては、円偏波の切り換え可能なアンテナをアレー素子として、フェーズドアレーアンテナを実現するものがあった(特許文献1参照)。図16(a)は、前記特許文献1に記載された従来の円偏波切換型・フェーズドアレーアンテナの1ユニットの構成を示すブロック図、図16(b)は円偏波切換型・フェーズドアレーアンテナの全体構成を示すブロック図である。
図16(a)に示すように、従来の円偏波切換型・フェーズドアレーアンテナでは、アンテナの1ユニットごとにおいて、外部信号s41、s42の制御により、円偏波の旋回方向の切り換えを、また外部信号s43、s44、s45の制御により、アンテナの放射位相の切り換えを行っている。この1ユニットを、図16(b)のように多素子化し、外部制御装置を用いてすべての外部信号を制御することにより、フェーズドアレーアンテナ全体としての円偏波の旋回方向と、放射指向性の最大利得方向の切り換えを同時に実現している。
特開2000−223927号公報 特開平9−307350号公報 Ramash Garg他著、「Microstrip Antenna Design Handbook」、Artech House 刊、p.493−515
しかしながら、前記従来の構成のアンテナでは、複数の移相器が必要で構成や制御が複雑である、複数の給電線の切り換えが必要であり切換素子の挿入損失が大きい、などの問題から、小型の機器や端末のアンテナとして用いるのには不適であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、移相器をひとつも使用せず、また給電線が単一で切り換えの必要がない構成において、アンテナの放射指向性の最大利得方向の切り換えと、最大利得方向において良好な軸比特性を持った円偏波の旋回方向の切り換えを、同時に実現するアンテナを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は偏波切換・指向性可変アンテナであって、
誘電体基板11と、
前記誘電体基板11の一つの面に形成された接地導体板12と、
前記接地導体板内に設けられた少なくとも一つの放射素子13と、
前記放射素子への給電部14と、
前記誘電体基板11の前記接地導体板側に設けられた少なくとも一つの指向性切換素子15と、
前記誘電体基板11の前記接地導体板側に設けられた少なくとも二つの偏波切換素子16と
を有し、
前記少なくとも一つの放射素子13は、
前記接地導体板をループ状に除去して形成された第一のスロット17aを有し、
前記第一のスロット17aは、一周の長さが動作周波数において一実効波長に対応し、
前記第一のスロット17aに囲まれている内部導体の重心21と前記給電部14が前記放射素子13に接する点である給電点22とを通る直線に対して線対称な形状を有し、
前記少なくとも一つの指向性切換素子15は、
前記接地導体板をループ状に除去して形成された第二のスロット17b、および
前記第二のスロット17bに囲まれている内部導体20と前記第二のスロットを取り囲む前記接地導体板との間に接続された少なくとも二つの指向性切換スイッチ18と
を有し、
前記第二のスロット17bは、前記第一のスロット17aの共振周波数と概等しい周波数において共振し、
前記第二のスロット17bは、一周の長さが動作周波数において一実効波長に対応し、
前記少なくとも二つの指向性切換スイッチ18をいずれも導通させることによって、前記第二のスロットを高周波的に複数のスロットに分割した際に、前記少なくとも二つの指向性切換スイッチ18を両端とする分割されたスロットの長さが、半実効波長未満、もしくは半実効波長より大きく1実効波長未満となる位置に、前記各指向性切換スイッチ18が設けられ、
前記少なくとも二つの偏波切換素子16は、それぞれ、
前記第一のスロット17aを取り囲む接地導体板を、前記第一のスロットと連続するように線状に除去して形成された第三のスロット17c、および
前記第三のスロット17cを横断するように、前記第三のスロット17cを取り囲む前記接地導体板に接続された、少なくとも一つの偏波切換スイッチ19a〜19dと
を有し、
前記偏波切換スイッチ19a〜19dを開放した際に、前記第一のスロット17aと結合する前記第三のスロット17cの面積の合計をΔs、前記第一のスロットのスロット部の面積をs、前記第一のスロットの無負荷QをQ0としたとき、円偏波指標Q0(Δs/s)が2.2以上、4.0以下の値をとり、
前記第一のスロットの重心と前記給電点を通る直線と、前記第一のスロットの重心と前記第一のスロットから前記第三のスロットが分岐している点を通る直線の間の角度をξとするとき、
前記少なくとも二つの偏波切換素子の内、一つの第三のスロットが、ξが0°より大きく90°未満の範囲、もしくは180°より大きく270°未満の範囲のどちらかに設けられ、
前記少なくとも二つの偏波切換素子の内、他の第三のスロットが、ξが90°より大きく180°未満の範囲、もしくは270°より大きく、360°未満の範囲のどちらかに設けられ、
前記第二のスロットが、第三のスロットを介して第一のスロットと連続している
という構成によって、最大利得方向の切り換えと、最大利得方向において円偏波の旋回方向の切り換えを同時に実現できる。
また、前記円偏波指標Q0が、2.7以上、3.2以下であればさらに好ましい。上記
条件によって、さらに良好な円偏波特性を得ることができる。
また、前記少なくとも二つの偏波切換素子が有する、すべての第三のスロットに、前記指向性切換素子が有する第二のスロットが連続していてもよい。本構成によって、放射指向性の最大利得方向を、複数の方向に変化させることが可能となる。
本発明の偏波切換・指向性可変アンテナによれば、移相器を全く使用しない簡易な構成でありながら、放射指向性の最大利得方向の切り換えと、最大利得方向において良好な軸比特性を持った円偏波の旋回方向の切り換えを実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1を示す図1(a)から図1(c)を参照する。図1(a)は誘電体基板11の第一の面(以下、表面)の透視図であり、図1(b)は誘電体基板11における第一の面と対向する第二の面(以下、裏面)の透視図である。図1(c)は、図1(a)のA1-A2線断面図である。
図1に示すように、本実施形態のアンテナは、誘電体基板11の表面上に接地導体板12を有している。接地導体板12内には、ループ状の第一のスロット17a、ループ状の第二のスロット17bおよび線状の第三のスロット17cが設けられている。スロット17bには少なくとも二つの指向性切換スイッチ18が設けられ、スロット17cには少なくとも一つの偏波切換スイッチ19a〜19dが設けられている。誘電体基板11の裏面には給電部14が設けられている。指向性切換スイッチ18の制御により、最大利得方向の切り換えを実現し、偏波切換スイッチ19a〜19dの制御により、円偏波の旋回方向の切り換えを実現できる。
本実施形態の構成は、移相器を全く使用しない簡易な構成であり、また単一の給電線によって動作可能であるため、複数の給電線を切り換えるために必要な切換素子の挿入損失を回避できる。
図2に、本発明の実施形態1のアンテナの、基板第1の面の斜視図を示す。本実施形態1のアンテナでは、図2に示したようにφ軸とθ軸を定義する。以下、本明細書においては、この座標系に従って放射指向性を示す。
ここで、本発明の本実施形態1の、偏波切換・指向性可変アンテナの、円偏波の切り換えと、放射指向性の最大利得の切り換えの原理について詳細に述べる。
(円偏波切り換え)
まず、円偏波の切り換えの原理について述べる。円偏波の切り換えは偏波切換素子16により行われる。以下、偏波切換素子について述べる。偏波切換素子16は接地導体板12内に少なくとも二つ形成され、各々が線状の第三のスロット17cと、偏波切換スイッチ19a〜19dからなる。第三のスロット17cは、ループ状の第一のスロット17aより分岐して形成されており、偏波切換スイッチ19a〜19dの導通と開放を制御することにより、放射素子13を形成する第一のスロット17aの対称性を崩し、共振を分離している。
図3に本発明の実施形態1の、放射素子13および偏波切換素子16の拡大図を示す。第三のスロット17cは、ループ状の第一のスロット17a(図3の斜線部)と連続するように、接地導体板12を線状に除去して形成される。このとき平面透過図において、第一のスロット17aの内部導体の重心21と給電部14が放射素子13に接する点である給電点22の2点を通る直線と、内部導体の重心21と第一のスロット17aから第三のスロット17cが分岐している分岐点23の2点を通る直線の間の角度をξとするとき、少なくとも二つの偏波切換素子16の内、一つの第三のスロット17cが、ξが0°より大きく90°未満の範囲、もしくは180°より大きく270°未満の範囲のどちらかに設けられ、少なくとも二つの偏波切換素子16の内、他の第三のスロットが、ξが90°より大きく180°未満の範囲、もしくは270°より大きく、360°未満の範囲のどちらかに設けられる。
第三のスロット17cが、ξが0°、90°、180°、270°の位置に設けられた場合、放射素子13の対称性は崩れず、円偏波を発生させる効果が得られない。したがって、第三のスロット17cは、ξが0°、90°、180°、270°以外の位置に設けられなければならない。なお、上記ξは、好ましくは45°、135°、225°、315°である。
また、少なくとも二つの偏波切換素子16の内、すべての第三のスロット17cが、ξが0°より大きく90°未満、および180°より大きく270°未満の対向する二つの範囲のみに設けられている場合、偏波切換スイッチ19を切り換えても、旋回方向が同一の方向になってしまい、偏波の切り換え効果が得られない。したがって、偏波切り換えの機能を得るためには、少なくとも二つの偏波切換素子16の内、一つの第三のスロット17cは、ξが0°より大きく90°未満の範囲、もしくは180°より大きく270°未満の範囲のどちらかに設けられ、また少なくとも二つの偏波切換素子16の内、他の第三のスロット17cは、ξが90°より大きく180°未満の範囲、もしくは270°より大きく、360°未満の範囲のどちらかに設けられていなければならない。
なお、放射素子13を形成する第一のスロット17aが、第一のスロットの内部導体の重心21と給電点22を通る直線に線対称でない場合には、偏波切換素子16を設けなくても、すでに放射素子13の対称性が崩れてしまっている。この場合、すでにどちらかの旋回方向の円偏波(楕円偏波)となっており、偏波切換素子16を設置することによって旋回方向を切り換えることは困難である。したがって、第一のスロット17aは、内部導体の重心21と給電点22を通る直線に線対称である必要がある。
偏波切換スイッチ19a〜19dは、第三のスロット17cを取り囲む接地導体板12間を、第三のスロット17cを横断するように接続されている。この偏波切換スイッチ19a〜19dのうち少なくとも一つを開放させることにより、円偏波を発生させることができる。このとき開放させる偏波切換スイッチ19a〜19dの位置を切り換えることにより、円偏波の旋回方向の切り換えを実現できる。表1に、図1のアンテナにおいて、偏波切換スイッチ19a〜19dを切り換えたときの、本実施形態1の各動作状態での円偏波の旋回方向を示す。
Figure 0004235251
表1のように、偏波切換スイッチ19a〜19dのうち、いずれかひとつを選択して導通させることによって、円偏波の旋回方向を切り換えることが可能である。同様に、偏波切換スイッチ19a〜19dのうち、対角線上の二つのスイッチ(19aと19c、または19bと19d)のいずれか一組を選択して導通させた場合にも、円偏波の旋回方向を切り換えることができる。さらに、偏波切換スイッチ19a〜19dのうち、三つを選択して導通させた場合にも円偏波の旋回方向を切り換えることができる。
なお、隣り合った二つのスイッチ(例えば19aと19b)のみを導通した場合、および偏波切換スイッチをすべて導通、またはすべて開放にした場合には、アンテナから直線偏波を得ることができる。
本実施形態1のアンテナでは、接地導体板12内に設けられた第三のスロット17cにより、円偏波を発生させている。このとき、第一のスロット17aのスロット部の面積s(図3の斜線部)と、偏波切換スイッチ19a〜19dを開放した際に、第一のスロット17aと結合する第三のスロット17cの面積Δs(図3の縦線部)の二つのパラメータにより決定される摂動量をΔs/s、放射素子13の無負荷QをQ0とすると、放射素子13の円偏波の軸比は、摂動量と無負荷Qの積で定義される 円偏波指標 Q0(Δs/s)に依存する。
Q0は、誘電体基板11の誘電率、放射素子13の第一のスロット17aの幅などにより決定される値であり、Q0に対して、Δsを最適な値となるように第三のスロット17cの長さ、幅を決定することにより、良好な軸比を持った円偏波アンテナを実現できる。
表2は、本実施形態1のアンテナにおいて、放射素子13のQ0を4.58、5.55、7.62としたときの、円偏波指標に対する円偏波の軸比の値をまとめた表である。
Figure 0004235251
表2では、誘電体基板11の誘電率を一定として、放射素子13の第一のスロット17aの幅を変えることにより、放射素子13のQ0を、4.58、5.55、7.62と変化させた。また図4は、表2の放射素子13のQ0を4.58、5.55、7.62としたときの、円偏波指標に対する円偏波の軸比の値をまとめた図である。図4では、横軸が円偏波指標の値を、縦軸が本実施形態1のアンテナの円偏波の軸比を示している。表2および図4より、本実施形態1のアンテナでは、円偏波指標が2.2以上、4.0以下の範囲になるように設計すれば、三つの条件ともに軸比が3dB以下を達成できる。また、円偏波指標を、2.7以上、3.2以下の範囲になるように設計することにより、軸比が1dB以下となり、さらに良好な軸比特性を持った円偏波が得られる。
なお、少なくとも2つの偏波切換素子の第三のスロット17cの各スロットにおいて、その面積Δsが異なった場合でも、それぞれのΔsの値が、上記の範囲であれば問題なく使用できる。
(放射指向性の最大利得方向の切り換え)
次に、本実施形態1のアンテナの最大利得方向の切り換え原理について述べる。最大利得方向の切り換えは、指向性切換素子15により行なわれる。指向性切換素子15は、ループ状の第二のスロット17bと指向性切換スイッチ18からなる。
第二のスロット17bは、放射素子13の第一のスロット17aの共振周波数と概等しい周波数において共振し、一周の長さが一実効波長に相当している。このとき、第二のスロット17bは無給電のアンテナ素子(以下、無給電素子)として機能する。通常、無給電素子は、無給電素子の共振周波数が給電されているアンテナ素子(以下、給電素子)の共振周波数より高い場合には、導波器として作用し、アンテナ全体の指向性利得は、無給電素子が設置されている方向に傾き、また、無給電素子の共振周波数が、給電素子の共振周波数より低い場合には、反射器として作用し、アンテナ全体の指向性利得は、無給電素子が設置されている方向とは反対の方向に傾くことが知られている。本実施形態1では、給電素子である第一のスロット17aの隣に、無給電素子として第二のスロット17bを配し、アンテナの最大利得方向を変化させている。
指向性切換スイッチ18は、第二のスロット17bに囲まれた内部導体20と、第二のスロット17bを取り囲む接地導体板12との間を、第二のスロット17bを横断するように少なくとも二つ接続されている。指向性切換スイッチ18が開放されている場合には、第二のスロット17bは、上記の導波器または反射器の機能を示す。しかし、指向性切換スイッチ18を導通させることにより、第二のスロット17bは二つ以上のスロットに分割され、上記の導波器または反射器の機能は消滅する。したがって、指向性切換スイッチ18の導通と開放を制御すれば、最大利得方向を切り換える機能を実現する事が可能である。
ただし、指向性切換スイッチ18は、指向性切換スイッチ18を導通させた場合に、第二のスロット17bが第一のスロット17aとは共振しない位置に配置されなければならない。指向性切換スイッチ18を導通させた際に、指向性切換スイッチ18を両端として分割されたスロットが共振器として作用する場合、このスロット共振器も上記の導波器または反射器と同様の効果を示してしまう。そのため、指向性切換スイッチ18を導通させ第二のスロット17bを分割しても、導波器または反射器の効果を消去することができない。例えば、指向性切換スイッチ18が導通した際に、指向性切換スイッチ18を両端とする分割されたスロットの長さが半実効波長となる場合には、スロットを分割しても、分割されたスロットが半実効波長の共振器となり、指向性切換スイッチ18の制御による指向性切換の効果が得られない。
したがって、指向性切換スイッチ18は、指向性切換スイッチ18が導通した際に、隣接する二つの指向性切換スイッチ18を両端とする分割された第二のスロット17bの長さが、半実効波長未満、もしくは半実効波長より大きく1実効波長未満となる位置に設けなければならない。これによって、指向性切換スイッチ18を導通させた場合の、指向性切換スイッチ18を両端とする分割されたスロットの好ましくない共振効果を消滅させることができる。
通常、円偏波が送受信可能な放射素子13においても、放射素子13と共振する無給電素子であれば、どんな形状、大きさであっても、アンテナの最大利得方向を変化させることが可能であるが、最大利得方向が変化した状態において、良好な軸比特性を得ることは困難である。これは無給電素子からの放射電磁波が、放射素子13から放射されている円偏波の軸比特性を悪化させてしまうからである。
本実施形態1では、無給電素子として一実効波長の長さを持ったループ状のスロット(第二のスロット17b)を用いている。無給電素子として一実効波長のループ状スロットを用いることにより、この無給電素子のスロットにも、円偏波を励振することが可能となる。
しかしながら、図5(a)、(b)のように、無給電素子である第二のスロット17bと偏波切換素子の第三のスロット17cが連続していない場合、給電素子である第一のスロット17aに円偏波が励起されたときに、第一のスロット及び第二のスロットを取り囲む接地導体板12に、図中の点線のように電流が流れる。この電流により、第二のスロットには第一のスロットと逆方向の旋回方向を持った円偏波が励起される。この状態では、アンテナ全体の円偏波の軸比特性は劣化してしまう。
本実施形態1では、図5(c)のように、第二のスロット17bは第三のスロット17cと必ず連続している。本構成では、スロットを取り囲む接地導体板には、図中の点線のように電流が流れ、第二のスロット17bには第一のスロット17aと同じ旋回方向を持った円偏波が励起可能である。このように、給電素子である第一のスロット17aと無給電素子である第二のスロット17bの両方に、同じ旋回方向を持った円偏波が励振されることによって、良好な軸比を保ったまま、最大利得方向の切り換えが可能となる。
また、第一のスロット17aに励起されている円偏波の旋回方向を切り換えたときには、第二のスロット17bに励振されている円偏波の旋回方向も同時に切り換わる。上記のように、給電素子と無給電素子の旋回方向が、同時に切り換わることによって、最大利得方向において良好な軸比特性を保ったまま、円偏波の旋回方向の切り換えが可能となる。
本実施形態1では、放射素子13が有する第一のスロット17aと指向性切換素子16が有する第二のスロット17bは、一周の長さが一実効波長に対応したループ状のスロットとなっている。通常、ループ状のスロットは、一周の長さがN実効波長(Nは整数)に対応して共振するが、一実効波長の時に放射指向性の最大利得方向がθ=0°の方向のみを向くのに対し、一以外のN実効波長では、放射指向性は複数の方向に最大利得方向が向く。このように、あらかじめ複数方向に最大利得方向が向いた状態では、無給電素子を用いても、意図した方向に指向性を変化させることは困難である。したがって本実施形態1では、放射素子13が有する第一のスロット17aおよび指向性切換素子16が有する第二のスロット17bとして、一周の長さが一実効波長に対応したループ状のスロットとを用いる。
(その他)
以下、その他の構成要素について簡単に述べる。本実施形態1における誘電体基板11としては、通常高周波回路において用いられる基板を用いることができる。例えば、アルミナセラミック等の無機材料、テフロン(登録商標)、エポキシ、ポリイミド等の樹脂系材料が考えられる。これらの材料は、使用する周波数や用途、基板の厚さ、大きさなどに応じて適切に選択すればよい。また、接地導体板12は良導電性の金属のパターンであり、その材料としては、例えば、銅やアルミニウムなどを挙げることができる。
本実施形態1において、接地導体板12の大きさは特に規定されないが、指向性切換素子15の第二のスロット17bに接地導体板12の端が近接する場合には、第二のスロット17bを取り囲む接地導体板に電流が流れにくくなり、指向性切換の効果が得られにくくなる。これを防ぐためには、第二のスロット17bと接地導体板12の端の間の距離を、スロット幅と同じ程度かそれ以上開けておけばよい。
本実施形態1の図1では、給電部14としてマイクロストリップ給電を用いたが、同軸給電など、スロットに給電する通常の方法であれば使用することが可能である。
本実施形態1における、指向性切換スイッチ18および偏波切換スイッチ19a〜19dとしては、通常高周波領域において使用されているPINダイオードやFET(Field Effect Transistor)、MEMS(Micro Electro−Mechanical System)スイッチなどを用いればよい。
なお、本実施形態1では、放射素子13の第一のスロット17aとして正方形のスロットを、第二のスロット17bとして、正方形のスロットをそれぞれ用いているが、図6に示すように、ループ状であればそれ以外の形状のスロットでも同様の効果は得られる。
また、本実施形態1では、一軸上における最大利得方向の切り換えについて示したが、変化させたい方向の数に応じて、指向性切換素子の数を増加しN個(Nは自然数)とすれば、N通りの最大利得方向の切り換えが可能である。
(実施例1)
以下に、本発明の実施例1を示す。本実施例1のアンテナは、図1(a)〜(c)に示される構成を有しており、第一のスロット部の拡大図を図3に示す。本実施例1の各構成要素について表3に示す。
Figure 0004235251
このとき、放射素子13のQ0は計算により5.55と求められ、円偏波指標は、約3.1なっている。また、本実施例1では、指向性切換素子を導波器として機能させている。
図7(a)、(b)、(c)は、最大利得方向および円偏波の旋回方向を切り換える場合の、指向性切換スイッチ18および偏波切換スイッチ19a〜19dの制御の一例を示す図である。図7(a)、(b)、(c)において、黒く塗りつぶされているスイッチが導通の状態、塗りつぶされていないスイッチが開放の状態を示している。つまり、図7(a)では、図1における指向性切換スイッチ18と偏波切換スイッチ19b、19c、19dが導通、偏波切換スイッチ19aが開放となっていることを表している。
図8(a)、(b)、(c)に、指向性切換スイッチ18と偏波切換スイッチ19a〜19dを制御したときの、本実施例1のアンテナの周波数2.5GHzでの放射指向性をそれぞれ示す。図8(a)、(b)、(c)は、図7(a)、(b)、(c)にそれぞれ対応しており、φ=−135°面における指向性利得のθ依存性を表している。また、図中の〈A〉は放射指向性の最大利得方向を示している。
図8(a)、(b)に〈A〉で示すように、偏波切換スイッチ19aを開放、19b、19c、19dを導通の状態において、指向性切換スイッチ18を制御することにより、φ=−135°面においてアンテナの円偏波の旋回方向を右旋円偏波に保ったまま、放射指向性の最大利得方向を(a)は0°の方向、(b)では+20°の方向へと切り換えることが出来た。また、図8(b)、(c)中に〈A〉で示すように、指向性切換スイッチ18を固定し、偏波切換スイッチ19a〜19dを、図7(b)と(c)のように制御することにより、最大利得方向を+20°に傾けた状態において、円偏波の旋回方向を(b)右旋(c)左旋と切り換えることが出来た。このとき、図8(a)、(b)、(c)の全条件において、最大利得方向での軸比3dB以下を達成することが出来た。
図9は指向性切換スイッチ18を制御した時の、本実施例1のアンテナの、放射指向性の最大利得方向における円偏波の軸比の周波数依存性を示している。また、表4は、図9の放射指向性の最大利得方向における円偏波の軸比の周波数依存性をまとめた表である。
Figure 0004235251
表4の軸比(a)、軸比(b)および、図9中の(a)、(b)は、それぞれ、図7の(a)、(b)の状態に対応している。図9および表4より、円偏波において放射指向性の最大利得方向を切り換えた時に、周波数2.40〜2.52GHz、比帯域4.88%と、非常に広帯域に軸比3dB以下を達成することが出来た。
表5は、本実施例1における指向性切換スイッチ18および偏波切換スイッチ19a〜19dを切り換えた時の、円偏波の旋回方向および最大利得方向をまとめた表である。
Figure 0004235251
表5のように、指向性切換スイッチ18と偏波切換スイッチ19a〜19dを制御することにより、円偏波の旋回方向の切り換えと、最大利得方向の多方向への切り換えが同時に可能となる。
したがって、以上のような構成をとることにより、最大利得方向の切り換えと、最大利得方向において円偏波の旋回方向を切り換えることが可能なアンテナを実現することが出来た。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2における偏波切換・指向性可変アンテナについて、図面を参照しながら説明する。図10は、本発明の実施形態2における基板第一の面(表面)の透過図である。破線で描かれている部分は、基板第二の面(裏面)に形成されていることを示している。なお、実施形態1と同じ部分に関しては、詳細な説明は省略する。
本実施形態2の偏波切換・指向性可変アンテナでは、偏波切換素子16のすべての第三のスロット17cの、第一のスロット17aと連続していない方の端に、指向性切換素子15の第二のスロット24a〜24dが接続されている。また、第三のスロット17cを横断するように、第二のスロット24a〜24dと隣接する位置に、第二の偏波切換スイッチ26a〜26dが接続されている。
本実施形態2において、放射素子13および偏波切換素子16が満たすべき条件は、実施形態1において述べた条件と同じである。このとき、実施形態1と同様に、偏波切換スイッチ19a〜19dを制御することにより、円偏波の旋回方向を切り換えることが可能である。
本実施形態2において、指向性切換素子15は、ループ状の第二のスロット24a〜24dと指向性切換スイッチ25a〜25dからなる。指向性切換素子15の第二のスロット24a〜24dおよび指向性切換スイッチ25a〜25dが満たすべき条件は、実施形態1において述べた条件と同じである。実施形態1と同様、指向性切換スイッチ25a〜25dの制御により、指向性切換素子15が存在する方向へ、最大利得方向を切り換えることが可能である。
本実施形態2のアンテナでは、第三のスロット17cを横断して第二のスロット24a〜24dと隣接する位置に第二の偏波切換スイッチ26a〜26dが接続されている。上記第二の偏波切換スイッチ26a〜26dを設けることで、偏波切換素子16と指向性切換素子15を分離することができ、偏波切換素子16と指向性切換素子15の効果をより明確に出来る。ただし、実施形態1の図5(b)において示したように、指向性切換スイッチ25a〜25dが開放された状態で、第二の偏波切換スイッチ26a〜26dが切断されていると、第一のスロット17aと第二のスロット24a〜24dには逆の旋回方向を持った円偏波が励起され、本実施例2のアンテナ全体の軸比を劣化させてしまう。したがって、図5(c)のように、指向性切換素子15の指向性切換スイッチ25a〜25dが開放された状態では、必ず第二の偏波切換スイッチ26a〜26dも開放されなければならない。
なお、実施形態1と同様に、指向性切換素子15および偏波切換素子16として、正方形以外の形状のスロットを用いる構成も可能である。
また、本実施形態2では、四方向に第二のスロット24a〜24dを配置しているが、偏波切換素子16の第三のスロット17cは、ξが0°、90°、180°、270°以外の位置であれば、複数本配置することが可能である。したがって、第二のスロット24a〜24dが重複せずに設置できる限り、何方向にも最大利得方向を切り換えることが可能である。
(実施例2)
以下に、本発明の実施例2を示す。図10は、本実施例2のアンテナの基板第1面の透過図を示している。誘電体基板11および接地導体板12については、実施例1と同様である。第一のスロット17aの一辺の長さL1は23.0mm、幅w1は2.0mmである。また、第二スロット24a〜24dの一辺の長さL2は23.0mm、幅w2は2.0mmであり、また第三のスロット17cの長さL3は10.0mm、幅w3は2.0mmである。このとき、円偏波指標は、3.4である。また、実施例1と同様、指向性切換素子は導波器として機能させている。
図11(a)、(b)、(c)、(d)は、最大利得方向を変化させる場合の、指向性切換スイッチ25a〜25dおよび偏波切換スイッチ19a〜19dおよび第二の偏波切換スイッチ26a〜26dの制御の一例を示す図である。実施例1と同様、図11(a)〜(d)において、黒く塗りつぶされているスイッチが導通、塗りつぶされていないスイッチが開放を示している。
図12(a)、(b)、(c)、(d)に、本実施例2のアンテナの放射指向性を示す。図12(a)、(b)、(c)、(d)は、図11(a)、(b)、(c)、(d)の状態にそれぞれ対応している。また、図12(a)、(b)は、φ=−135°面における指向性利得のθ依存性を、図12(c)、(d)は、φ=−45°面における指向性利得のθ依存性をそれぞれ表している。
図12(a)、(b)中に〈B〉で示すように、指向性切換スイッチ25a〜25d、偏波切換スイッチ19a〜19dおよび第二の偏波切換スイッチ26a〜26dを、図11(a)と(b)のように制御することにより、アンテナの左旋円偏波成分の最大利得方向を、φ=−135°面において、(a)ではθ=+20°に、(b)ではθ=−20°にそれぞれ切り換えることが出来た。同様に、図12(c)、(d)中に〈B〉に示すように、指向性切換スイッチ25a〜25d、偏波切換スイッチ19a〜19dおよび第二の偏波切換スイッチ26a〜26dを、図11(c)と(d)のように制御することにより、φ=−45°面において、(c)ではθ=+20°に、(d)ではθ=−20°に最大利得方向をそれぞれ切り換えることが出来た。このとき、図12(a)、(b)、(c)、(d)の全状態において、最大利得方向における軸比3dB以下を達成することが出来た。
図13(a)、(b)は偏波切換スイッチ19a〜19dの制御の一例を示している。図14(a)、(b)は、図13(a)、(b)に示したアンテナの、φ=−135°面での指向性利得のθ依存性をそれぞれ示している。図14(a)、(b)中に〈C〉として示すように、偏波切換スイッチ19a〜19dの導通と開放を切り換えることによって、放射指向性の最大利得方向は変えずに、円偏波の旋回方向を左旋から右旋に切り換えることが出来た。
表6は、本実施例2における、指向性切換スイッチ25a〜25dおよび偏波切換スイッチ19a〜19dを切り換えた時の、各動作状態での円偏波の旋回方向および最大利得方向をまとめた表である。
Figure 0004235251
表6のように、指向性切換スイッチ25a〜25d、偏波切換スイッチ19a〜19dを制御することにより、円偏波の旋回方向の切り換えと、最大利得方向の多方向への切り換えが可能である。
したがって、以上のような構成をとることにより、最大利得方向を多方向へと切り換えられ、同時に最大利得方向において円偏波の旋回方向を切り換えることが可能なアンテナを実現することが出来た。
本発明にかかる偏波切換・指向性可変アンテナは、複数の移相器や給電線の切り換えの必要がない簡易な構成でありながら、円偏波の旋回方向の切り換えと放射指向性の最大利得方向切り換えを同時に実現できるという特徴を持ち、移動体端末等に用いるアンテナとして有用である。また、現在円偏波での送受信が行われている、衛星放送用の小型受信アンテナ、ETC用の車載アンテナや、円偏波と直線偏波の両方の偏波に対応することが必要なSDARS(Satellite Digital Audio Radio System)のアンテナとしても有用である。さらに、無線電力伝送に用いられるアンテナとしても有用である。
本発明の実施形態1における偏波切換・指向性可変アンテナの概略図であり、(a)は基板第一面の透過図、(b)は基板第二面の透過図、(c)は基板A1-A2の断面図である。 本発明の実施形態1における偏波切換・指向性可変アンテナの斜視図である。 本発明の実施形態1における偏波切換・指向性可変アンテナの放射素子および偏波切換素子の拡大図である。 本発明の実施形態1における偏波切換・指向性可変アンテナの円偏波指標の軸比依存性を示す図である。 (a)から(c)は、本発明の実施例1の偏波切換・指向性可変アンテナにおける無給電素子への円偏波励起の様子を示す図である。 本発明の実施形態1の偏波切換・指向性可変アンテナのその他の実施例を表す図である。 (a)から(c)は、本発明の実施例1の偏波切換・指向性可変アンテナのスイッチの制御の一例を示す図である。 (a)から(c)は、本発明の実施例1の偏波切換・指向性可変アンテナの放射指向性の変化を表す図である。 本発明の実施例1の偏波切換・指向性可変アンテナの円偏波の軸比の周波数依存性を示す図である。 本発明の実施形態2における偏波切換・指向性可変アンテナの概略図である。 (a)から(d)は、本発明の実施例2の偏波切換・指向性可変アンテナのスイッチの制御の一例を示す図である。 (a)から(d)は、本発明の実施例2の偏波切換・指向性可変アンテナの放射指向性の変化を表す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施例2の偏波切換・指向性可変アンテナのスイッチの制御の一例を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施例2の偏波切換・指向性可変アンテナの放射指向性の変化を表す図である。 (a)から(c)は、一般的な直線アンテナおよび円偏波アンテナの構造を示す図である。 (a)および(b)は、従来の円偏波切換型・フェーズドアレーアンテナ装置の概略図である。
符号の説明
11 誘電体基板
12 接地導体板
13 放射素子
14 給電部
15 指向性切換素子
16 偏波切換素子
17a 第一のスロット
17b 第二のスロット
17c 第三のスロット
18 指向性切換スイッチ
19a、19b、19c、19d 偏波切換スイッチ
20 内部導体
21 内部導体の重心
22 給電点
23 分岐点
24a、24b、24c、24d 第二のスロット
25a、25d、25c、25d 指向性切換スイッチ
26a、26b、26c、26d 第二の偏波切換スイッチ
31 放射導体板
32 給電点

Claims (3)

  1. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の一つの面に形成された接地導体板と、
    前記接地導体板内に設けられた少なくとも一つの放射素子と、
    前記放射素子への給電部と、
    前記誘電体基板の前記接地導体板側に設けられた少なくとも一つの指向性切換素子と、
    前記誘電体基板の前記接地導体板側に設けられた少なくとも二つの偏波切換素子と
    を有し、
    前記少なくとも一つの放射素子は、
    前記接地導体板をループ状に除去して形成された第一のスロットを有し、
    前記第一のスロットは、一周の長さが動作周波数において一実効波長に対応し、
    前記第一のスロットに囲まれている内部導体の重心と前記給電部が前記放射素子に接する点である給電点とを通る直線に対して線対称な形状を有し、
    前記少なくとも一つの指向性切換素子は、
    前記接地導体板をループ状に除去して形成された第二のスロット、および
    前記第二のスロットに囲まれている内部導体と前記第二のスロットを取り囲む前記接地導体板との間に接続された少なくとも二つの指向性切換スイッチと
    を有し、
    前記第二のスロットは、前記第一のスロットの共振周波数と概等しい周波数において共振し、
    前記第二のスロットは、一周の長さが動作周波数において一実効波長に対応し、
    前記少なくとも二つの指向性切換スイッチをいずれも導通させることによって、前記第二のスロットを高周波的に複数のスロットに分割した際に、前記少なくとも二つの指向性切換スイッチを両端とする分割されたスロットの長さが、半実効波長未満、もしくは半実効波長より大きく1実効波長未満となる位置に、前記各指向性切換スイッチが設けられ、
    前記少なくとも二つの偏波切換素子は、それぞれ、
    前記第一のスロットを取り囲む接地導体板を、前記第一のスロットと連続するように線状に除去して形成された第三のスロット、および
    前記第三のスロットを横断するように、前記第三のスロットを取り囲む前記接地導体板間に接続された、少なくとも一つの偏波切換スイッチとを有し、
    前記偏波切換スイッチを開放した際に、前記第一のスロットと結合する前記第三のスロットの面積をΔs、前記第一のスロットのスロット部の面積をs、前記第一のスロットの無負荷QをQ0としたとき、円偏波指標Q0(Δs/s)が2.2以上、4.0以下の値をとり、
    前記第一のスロットの内部導体の重心と前記給電点を通る直線と、前記第一のスロットの内部導体の重心と前記第一のスロットから前記第三のスロットが分岐している分岐点を通る直線の間の角度をξとするとき、
    前記少なくとも二つの偏波切換素子の内、一つの第三のスロットが、ξが0°より大きく90°未満の範囲、もしくは180°より大きく270°未満の範囲のどちらかに設けられ、
    前記少なくとも二つの偏波切換素子の内、他の第三のスロットが、ξが90°より大きく180°未満の範囲、もしくは270°より大きく、360°未満の範囲のどちらかに設けられ、
    前記第二のスロットが、第三のスロットを介して第一のスロットと連続している、偏波切換・指向性可変アンテナ。
  2. 前記円偏波指標Q0(Δs/s)が、2.7以上、3.2以下である、請求項1に記載の偏波切換・指向性可変アンテナ。
  3. 前記少なくとも二つの偏波切換素子が有する、すべての第三のスロットに、前記指向性切換素子が有する第二のスロットが連続している、請求項1に記載の偏波切換・指向性可変アンテナ。
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