JP4077379B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線LANシステムのアンテナ装置に関し、例えば、固定無線機及び端末無線機に適用して好適なものである。
無線LANシステムなどの高速無線通信においては、マルチパスフェージングやシャドーイングにより伝送品質が劣化するという問題があり、特に屋内では顕著である。このため、このような伝送品質の劣化を回避するため、無線通信装置に搭載される指向性アンテナには主ビームを全ての方位に向けられるように制御できるアンテナ装置が求められており、その一つの方法としてセクタアンテナが検討されている。セクタアンテナとは、異なる方向に主ビームが向けられた複数のアンテナ素子を配置し、電波伝搬環境に応じて複数のアンテナ素子を選択的に切り換えるものである。
また、一般的に、机上で使用されるノートパソコン用の端末無線機や天井に設置される固定無線機に搭載されるアンテナには、それら無線機の構造上の理由から平面構造であることが求められると共に、主ビームの仰角がアンテナ面に対して垂直方向から水平方向に傾斜(チルト)していることが求められる。
このような放射特性を実現するセクタアンテナとして、非特許文献1に開示されたモノポール八木・宇田アレーを用いたマルチセクタアンテナが提案されている(従来例1)。図15は、従来例1のマルチセクタアンテナの構成を示す図である。この図が示すセクタアンテナは、円形の地板11上に複数のモノポールアレー12が円筒型のリフレクタの周囲に放射状に配列されている。モノポールアレーの間にはアレー間の結合を抑えるために金属フィン13が配置されている。このとき、モノポールアレーの単体特性としては、垂直面の仰角θが70度の方向に主ビームが形成され、円錐面の半値角が30度となる。このようなモノポールアレーを水平面に30度間隔で配列し、各モノポールアレーを選択的に給電することにより、360度を12分割した12セクタアンテナを実現している。このセクタアンテナの寸法は、例えば、動作周波数が5GHzの場合、直径が586mm(9.76波長)であり、面積は269703平方mmとなる。
また、非特許文献2に開示されたスロット八木・宇田アレーを用いた平面マルチセクタアンテナが提案されている(従来例2)。図16は、従来例2のマルチセクタアンテナの構成を示す図である。この図が示すセクタアンテナは、基板21上に6個のスロットアレー22a〜22fを放射状に円形配列したものである。6個のスロットアレー22a〜22fは、それぞれ5素子のスロットから構成されている。このとき、スロットアレーの単体特性としては、垂直面の仰角θが60度の方向の主ビームが形成され、円錐面の半値角は約56度となる。このようなスロットアレーを水平面に60度間隔で配列し、各スロットアレーを選択的に給電することで、360度を6分割した6セクタアンテナを構成することができる。このセクタアンテナの寸法は、例えば、動作周波数が5GHzの場合、直径が273mm(4.55波長)であり、面積は58535平方mmとなる。
さらに、非特許文献3に開示された導波素子共有パッチ八木・宇田アレーを用いたマルチビームアンテナが提案されている(従来例3)。図17は、従来例3のマルチビームアンテナの構成を示す図である。この図が示すマルチビームアンテナは、円形の誘電体基板31の表面に形成され、正六角形型導波素子32の周囲に放射状に長方形パッチの導波素子33が配列され、さらに導波素子列の外側に給電素子34を配置して構成される。このように3列の導波素子列が正六角形型導波素子32を中心に互いに60度の角度で交差することで、6列のパッチ八木・宇田アレーを構成している。ここで、1つの給電素子を給電した場合、正六角形型導波素子を含めた導波素子列が八木・宇田アレーとして動作する。このとき、垂直面の仰角θが45度の方向に主ビームを形成し、円錐面の半値角は約63度となる。このように給電素子を選択的に給電することで、360度を6分割した6セクタアンテナを構成することができる。このセクタアンテナの寸法は、例えば、動作周波数が5GHzの場合、直径が1.83波長(110mm)であり、面積は9503平方mmとなる。
電子情報通信学会論文誌(B−II), Vol.J80-B-II, No.5, pp.424-433, May 1997. 電子情報通信学会論文誌(B), Vol.J85-B, No.9,pp1633-1643, Sep. 2002. 電子情報通信学会技術研究報告, A・P2001-81, Oct. 2001.
しかしながら、上記従来例1のモノポール八木・宇田アレーを用いたマルチセクタアンテナは、突起物を有した構成であるため、平面構造であることが求められる端末無線機や固定無線機に搭載されるアンテナとして適さないことに加え、生産性が低いという問題がある。
また、上記従来例2のスロット八木・宇田アレーを用いた平面マルチセクタアンテナは、セクタ毎に各アレーアンテナを独立して動作させるため、セクタ数分のアレーアンテナを必要とするので、平面寸法が大きくなるという問題がある。また、各アレーアンテナを放射状に配置するため、円形形状となり、小型無線機に搭載しにくいという問題がある。
また、上記従来例3の導波素子共有パッチ八木・宇田アレーを用いたマルチビームアンテナは、正六角形型無給電素子を中心に放射状に長方形パッチを配置しなければならないため、円形形状となり、小型無線機に搭載しにくいという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、小型無線機に搭載しやすい小型な平面構造で、水平方向にチルトした水平偏波又は垂直偏波の主ビームを形成するアンテナ装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本発明のアンテナ装置は、それぞれが使用周波数の略1/4波長から略3/8波長の長さを有し、平面上にひし形形状に配置された4本の線状素子と、第1線状素子の一端及び第2線状素子の一端に給電する給電手段と、前記第1線状素子の他端と第3線状素子の一端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第1線状迂回素子と、前記第2線状素子の他端と第4線状素子の一端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第2線状迂回素子と、前記線状素子が配置された平面と略平行に所定の間隔を隔てて配置された反射板と、を具備し、前記第3線状素子の他端と前記第4線状素子の他端とが接続された構成を採る。
この構成によれば、第1及び第2線状迂回素子により、第1及び第2線状素子と第3及び第4線状素子との電流位相がずれ、これにより放射される電波と、反射板によって反射される電波の合成により、水平方向にチルトした水平偏波を有する主ビームを形成することができ、また、小型で平面構造のアンテナ装置を実現することができる。
本発明のアンテナ装置は、それぞれが使用周波数の略1/4波長から略3/8波長の長さを有し、平面上にひし形形状に配置された4本の線状素子と、第1線状素子の一端及び第2線状素子の一端に給電する第1給電手段と、第3線状素子の一端及び第4線状素子の一端に給電する第2給電手段と、前記第1線状素子の他端と前記第3線状素子の他端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第1線状迂回素子と、前記第2線状素子の他端と前記第4線状素子の他端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第2線状迂回素子と、前記線状素子が配置された平面と略平行に所定の間隔を隔てて配置された反射板と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、第1給電手段と第2給電手段からの給電を選択的に切り替えることにより、水平方向にチルトした水平偏波を有する主ビームを形成することができ、また、小型で平面構造の2方向のマルチビームアンテナを実現することができる。
本発明のアンテナ装置は、所定の誘電率である誘電体基板と、前記誘電体基板面に形成された導体層と、それぞれが使用周波数の略1/4波長から略3/8波長の長さを有し、前記導体層にひし形形状に形成された4本のスロット素子と、第1スロット素子の一端と第2スロット素子の一端とが接続された位置で給電する第1給電手段と、前記第1スロット素子の他端と第3スロット素子の一端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第1スロット迂回素子と、前記第2スロット素子の他端と第4スロット素子の一端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第2スロット迂回素子と、前記導体層から略平行に所定の間隔を隔てた位置に配置された反射板と、
を具備し、前記第3スロット素子の他端と前記第4スロット素子の他端とが接続された構成を採る。
この構成によれば、第1及び第2スロット迂回素子により、第1及び第2スロット素子と第3及び第4スロット素子との電流位相がずれ、これにより放射される電波と、反射板によって反射される電波の合成により、水平方向にチルトした垂直偏波を有する主ビームを形成することができ、また、小型で平面構造のアンテナ装置を実現することができる。
本発明のアンテナ装置は、上記構成において、前記第3スロット素子の他端と前記第4スロット素子の他端とが接続された位置で給電する第2給電手段と、前記第1及び第2給電手段からの給電を選択的に切り替える切替手段と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、切替手段が第1給電手段と第2給電手段からの給電を選択的に切り替えることにより、水平方向にチルトした水平偏波を有する主ビームを形成することができ、また、小型で平面構造の2方向のマルチビームアンテナを実現することができる。
本発明のアンテナ装置は、上記構成において、前記給電手段として、前記誘電体基板の前記導体層が形成された基板の裏面に設けられたマイクロストリップラインを用いる構成を採る。
この構成によれば、マイクロストリップラインの長さを調節することでインピーダンス整合をとることができ、給電が容易になると共に、アンテナ装置の小型化や生産性の向上を図ることができる。
本発明のアンテナ装置は、上記構成において、前記マイクロストリップラインが、前記スロット素子との結合部から略1/4波長の奇数倍の位置に、短絡と給電とを切り替える切替手段を具備する構成を採る。
この構成によれば、指向性利得が高く、F/B比が良好なアンテナ装置を実現することができる。
本発明のアンテナ装置は、上記構成において、前記マイクロストリップラインが、前記スロット素子との結合部から略1/2波長の整数倍の位置に、開放と給電とを切り替える切替手段を具備する構成を採る。
この構成によれば、指向性利得が高く、F/B比が良好なアンテナ装置を実現することができる。
本発明のアンテナ装置は、上記構成において、ひし形形状に形成されたスロット素子に囲まれた内側の導体層と外側の導体層とが、前記4本のスロット素子の略中央にそれぞれ銅箔パターンで形成された接続導体により接続された構成を採る。
この構成によれば、インピーダンス整合が容易にとれ、F/B比が良好なアンテナ装置を実現することができる。
本発明のアンテナ装置は、上記いずれかに記載のアンテナ装置を複数用いて、前記複数のアンテナ装置を平面上にそれぞれ等角度ずつ回転して配置された構成を採る。
この構成によれば、複数のアンテナ装置に選択的に給電することにより、所望の方向に主ビームを形成するセクタアンテナを実現することができる。
本発明のアンテナ装置は、上記いずれかに記載の3個のアンテナ装置を直線上に一列に配置し、前記3個のアンテナ装置をそれぞれ60度ずつ回転して配置された構成を採る。
この構成によれば、180度異なる方向に主ビームを形成するアンテナ装置を60度ずつ回転して配置することにより、小型無線機に搭載する際に適した平面構造で小型な6セクタアンテナを実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、それぞれが使用周波数の略1/4波長から略3/8波長の範囲の長さを有する線状素子又はスロット素子をひし形形状に配置し、対向する一組の頂点に折り返し形状の迂回素子をそれぞれ接続し、さらに、線状素子又はスロット素子の配置面に対して平行に所定の間隔を隔てた位置に反射板を配置することにより、水平方向にチルトした水平偏波又は垂直偏波の主ビームを形成することができる。
また、迂回素子を接続したひし形形状の線状素子又はスロット素子を複数個、平面上に等角度ずつ回転して配置することにより、小型無線機に搭載する際に適した平面構造で小型なセクタアンテナを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成を示す図である。以下、アンテナの動作周波数を5GHzとして説明する。また、説明の都合上、図に示すような座標軸を定義している。
図1(a)は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成を示す平面図である。この図において、線状素子101a〜101dは、素子長L1が約1/3波長(20mm)の長さを有し、素子幅が例えば1mmの導体である。これらの線状素子101a〜101dは図1に示すように正方形形状に配置される。
線状迂回素子102a及び102bは、全長が約1/4波長(15mm)で、長さL2が約1/8波長(7.5mm)で折り返し形状の導体であり、素子幅が例えば1mmである。線状迂回素子102aは、線状素子101aと線状素子101cの間に接続され、線状迂回素子102bは、線状素子101bと線状素子101dの間に接続される。ここでは、線状迂回素子102aと線状迂回素子102bとの結合や線状迂回素子102aと線状素子101a及び101cとの結合や線状迂回素子102bと線状素子101b及び101dとの結合による放射特性の劣化を最小限に抑えるために、線状迂回素子102a及び102bを正方形形状の外側に突出するように接続している。
給電部103は、線状素子101aと線状素子101bの間に設けられ、線状素子に給電を行う。なお、線状素子101cと線状素子101dは接続されている。
このように構成された線状素子101a〜101d、線状迂回素子102a及び102b、給電部103により、線状アンテナ素子が構成される。
図1(b)は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成を示す矢視図であり、図1(a)の矢印方向、すなわち、−Y側から見た図である。この図において、反射板104は、線状アンテナ素子が配置された面(XY平面)から距離hが0.42波長(25mm)だけ−Z側に離れた位置に配置された導体板である。
次に、上述した構成を有するアンテナ装置の動作について、図を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の線状素子101a〜101d上の電流分布を示す図であり、図2(a)は電流振幅特性、図2(b)は電流位相特性を示している。なお、図2の横軸に示されている記号(A)〜(D)は、図1に示されている記号(A)〜(D)の位置と対応している。
図2(a)において、電流振幅特性201aは線状素子101aと線状素子101bの電流振幅特性を示しており、線状素子101aと線状素子101bの接続部で電流振幅がピーク値をとることが確認できる。同様に、電流振幅特性201bは線状素子101cと線状素子101dの電流振幅特性を示しており、線状素子101cと線状素子101dの接続部で電流振幅がピーク値をとることが確認できる。
また、図2(b)において、電流位相特性202aは、線状素子101aと線状素子101bのY方向成分の電流位相特性を示しており、電流位相特性202bは、線状素子101cと線状素子101dのY方向成分の電流位相特性を示している。図2(a)及び(b)から、電流振幅のピーク点間におけるY方向成分の電流位相差は、約150度になることが確認できる。この電流位相差は、ピーク点間の距離が、線状素子101aと線状迂回素子102aと線状素子101cを足した長さ(あるいは、線状素子101bと線状迂回素子102bと線状素子101dを足した長さ)であるため、約11/12波長(330度)となり、またピーク点間でY方向成分の電流位相が180度反転するために生じる。
ここで、線状素子101a及び101bを一組のアンテナ素子として見なした場合、素子中央で電流のピーク点が存在するため、Y方向偏波の半波長ダイポールに近い動作になると考えられる。同様に、線状素子101c及び101dを一組のアンテナ素子と見なした場合も、Y方向偏波の半波長ダイポールに近い動作になると考えられる。また、図2(b)において、これらのアンテナ素子の位相差が150度であることから、図1に示すアンテナ装置はX方向に2素子配列した半波長ダイポールアレーを150度の位相差を持たせて給電した場合とほぼ同様な動作と見なすことができる。
次に、アンテナ装置の動作を垂直(XZ)面に着目して説明する。垂直(XZ)面に着目すると、Y方向偏波の半波長ダイポールの指向性は等方性であるので、点波源でモデル化することができる。
図3は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の動作を点波源モデルで示す模式図である。具体的には、2素子の半波長ダイポールアレーを垂直(XZ)面に着目して2素子の点波源にモデル化した図である。点波源301aは、線状素子101a及び線状素子101bをモデル化したもので、点波源301bは、線状素子101c及び線状素子101dをモデル化したものである。ここで、図2(b)より、点波源301aの励振位相は点波源301bの励振位相に対して150度だけ進むことになる。
また、反射板104の効果を、写像の原理を用いてモデル化すると、点波源301a及び301bから−Z側に2h(0.84波長(50mm))離れた位置にそれぞれイメージ波源302a及び302bを想定することができる。このとき、イメージ波源302a及び302bの励振位相は、点波源301a及び301bの励振位相に対してそれぞれ180度反転することになる。
また、点波源301a及び301bのX方向の位置は、線状素子上の電流振幅のピーク点としているので、点波源301aと301bの間隔L3は約1/2波長(30mm)となる。
以上のように構成された点波源301a、301bとイメージ波源302a、302bの4素子アレーによる放射は、±Z方向からチルト角α(55度)だけチルトした方向に主ビーム303a、303bが形成されることになる。しかし、実際は反射板104が存在するため、主ビーム303aの方向のみとなる。
図4は、本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の指向性を示す図である。図4(a)は垂直(XZ)面の指向性を、図4(b)は仰角θが55度における円錐面の指向性を示している。
図4(a)において、指向性401は、水平偏波(Eφ)成分の指向性を示しており、仰角θが55度の方向にチルトした主ビームが得られることが確認できる。
また、図4(b)において、指向性402は、指向性401と同様に水平偏波(Eφ)成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向に向いていることが確認できる。このとき、主ビームの指向性利得は10.5dBi、円錐面の半値角は57度、F/B比(主ビームとバックローブの比)は7dBである。
次に、線状迂回素子を正方形形状の内側に接続した場合について、図5を用いて説明する。図5(a)は、線状迂回素子を正方形の内側に接続した場合のアンテナ装置の構成を示す平面図である。図5(b)は、線状迂回素子を正方形の内側に接続した場合のアンテナ装置の構成を示す矢視図であり、図5(a)の矢印方向、すんわち、−Y側から見た図である。ただし、これらの図において、図1と共通する部分には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
図5(a)において、線状迂回素子501a及び501bは、全長が約1/4波長(15mm)で、素子幅が例えば1mmの導体であり、長さL4が約1/8波長(7.5mm)で折り返されている。線状迂回素子501aは線状素子101a及び線状素子101cの間に接続され、線状迂回素子501bは線状素子101b及び線状素子101dの間に接続される。
図6は、線状迂回素子を正方形の内側に接続した場合のアンテナ装置の指向性を示す図である。図6において、図6(a)は垂直(XZ)面の指向性を、図6(b)は仰角θが50度における円錐面の指向性を示している。
図6(a)において、指向性601は、水平偏波(Eφ)成分の指向性を示しており、仰角θが50度の方向にチルトした主ビームが得られることが確認できる。
また、図6(b)において、指向性602は、指向性601と同様に水平偏波(Eφ)成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向に向いていることが確認できる。また、このとき、主ビームの指向性利得は9.6dBi、円錐面の半値角は57度、F/B比は5.5dBである。
このように、線状迂回素子を線状素子により構成された正方形の内側に接続することにより、線状迂回素子を正方形の外側に突出させて接続した場合と比べて、アンテナ装置のY方向の大きさを約35%小さくすることができる。ただし、線状迂回素子と線状素子間の結合や線状迂回素子間の結合により利得が1dB程度低下し、F/B比が1.5dB劣化する。このため、用途に応じて線状迂回素子の接続する向きを決定することが望ましい。
このように本実施の形態によれば、正方形形状に形成された線状素子と正方形の対向する一組の頂点に折り返し形状の線状迂回素子を設けて、正方形形状の線状素子から所定の距離を隔てて反射板を配置することにより、小型無線機に搭載するのに適した小型で平面構造のアンテナ装置を実現することができると共に、垂直面のチルト角が55度の水平偏波を有した主ビームを形成することができる。また、線状迂回素子を正方形形状の内側に配置することにより、より小型なアンテナ装置を実現することができる。
(実施の形態2)
図7(a)は、本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の構成を示す平面図である。また、図7(b)は、本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の構成を示す矢視図であり、図7(a)の矢印方向、すなわち、−Y側から見た図である。ただし、これらの図において、図1と共通する部分には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。以下、アンテナの動作周波数を5GHzとして説明する。また、説明の都合上、図に示すような座標軸を定義している。
給電部701は、線状素子101cと線状素子101dの間に設けられ、線状素子に給電を行う。
このような構成を有するアンテナ装置において、給電部103から線状アンテナ素子が励振される場合、給電部701は短絡され、線状素子101cと線状素子101dが接続するように動作する。また、給電部701から線状アンテナ素子が励振される場合、給電部103は短絡され、線状素子101aと線状素子101bが接続するように動作する。このように動作させることにより、1つのアンテナ素子で主ビームを2方向に切り替えることが可能となる。
図8は、本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の指向性を示す図である。図8において、図8(a)は垂直(XZ)面の指向性を、図8(b)は仰角θが55度における円錐面の指向性を示している。
図8(a)において、実線で示す指向性801aは、給電部103から線状アンテナ素子を励振し、給電部701を短絡したときの水平偏波(Eφ)成分の指向性を示している。このとき、仰角θが55度の方向にチルトした主ビームが得られることが確認できる。また、点線で示す指向性801bは、給電部701から線状アンテナ素子を励振し、給電部103を短絡したときの水平偏波(Eφ)成分の指向性を示している。このとき、仰角θが55度の方向にチルトした主ビームが得られることが確認できる。
図8(b)において、実線で示す指向性802aは、図8(a)の指向性801aと同様に、給電点103から線状アンテナ素子を励振し、給電部701を短絡したときの水平偏波(Eφ)成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向に向いていることが確認できる。また、点線で示す指向性802bは、図8(a)の指向性801bと同様に、給電点701から線状アンテナ素子を励振し、給電部103を短絡したときの水平偏波(Eφ)成分の指向性を示しており、主ビームが−X方向に向いていることが確認できる。このとき、指向性802a及び802bのどちらも主ビームの指向性利得は10.5dBi、円錐面の半値角は57度である。
このように本実施の形態によれば、正方形形状に形成された線状素子と正方形の対向する一組の頂点に折り返し形状の線状迂回素子を設け、他の一組の頂点にそれぞれ給電部を設け、正方形形状の線状素子から所定の距離を隔てて反射板を配置し、一方の給電部からアンテナ装置を励振し、他方の給電部は短絡状態となるように動作させ、2つの給電部の動作を切り替えることにより、2方向に主ビームを形成し、小型で平面構造のマルチビームアンテナを実現することができる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の構成を示す平面図である。図9において、紙面上部は+Z側から見た平面図であり、紙面下部は−Y側から見た平面図である。ただし、これらの図において、図1と共通する部分には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。以下、アンテナの動作周波数を5GHzとして説明する。また、説明の都合上、図に示すような座標軸を定義している。
図9において、基板901は、比誘電率εrが例えば2.6で、厚さが1.6mmである誘電体であり、寸法L5×L6は0.67波長×0.77波長(40mm×46mm)である。
銅箔層902は、基板901のZ側面に接着された銅箔である。スロット素子903a〜903dは、銅箔層902を削剥して形成された空隙(銅箔パターン)であり、素子長L7が約1/3λe(16.6mm)、素子幅が例えば1mmである。ここで、λeは、基板901上におけるスロット素子の実効的な波長であり、自由空間の波長(λ0)の約83%となる。すなわち、λe=0.83λ0である。これらのスロット素子903a〜903dは、図9に示すように正方形形状に配置される。
接続導体904a〜904dは、スロット素子903a〜903dに、例えば銅箔パターンで正方形形状に形成され、スロット素子903a〜903dのほぼ中央でそれぞれのスロット素子903a〜903dを分断するようにスロット素子の内側の銅箔層と外側の銅箔層を接続している。このように、接続導体904a〜904dによりスロット素子903a〜903dを分断することで、インピーダンス整合が容易にとれ、F/B比が良好なアンテナ装置を実現することができるようになる。
スロット迂回素子905a及び905bは、銅箔層902を削剥して形成された空隙であり、全長が約1/4λe(12.5mm)で、長さL8が約1/8λe(6.25mm)で折り返されて形成されている。素子幅は例えば1mmである。スロット迂回素子905aはスロット素子903aとスロット素子903cの間に接続され、スロット迂回素子905bはスロット素子903bとスロット素子903dの間に接続されている。ここでは、スロット迂回素子回路905a及び905bを正方形形状の外側に突出するように接続されている。なお、スロット素子903aとスロット素子903b、スロット素子903cとスロット素子903dはそれぞれ接続されている。
このように構成されたスロット素子903a〜903d、接続導体904a〜904d、スロット迂回素子905a及び905bにより、スロットアンテナ素子が構成される。
マイクロストリップライン906は、基板901の−Z側面にスロット素子903aとスロット素子903bの接続部を通過するようにX方向に沿って銅箔パターンにより形成されている。マイクロストリップライン906の幅W1は、特性インピーダンスが50Ωとなるように4.6mmに設定されている。また、マイクロストリップライン906の先端とスロット素子903aとスロット素子903bの接続部との距離L9は例えば1.5mmに設定されている。
以上のような構成を有することにより、マイクロストリップライン906とスロットアンテナ素子は電磁的に結合されるため、給電部907からの信号をマイクロストリップライン906を介してスロットアンテナ素子へ供給することができる。また、距離L9を適切な長さに設定することで、インピーダンス整合が可能となる。このように、平面回路であるマイクロストリップラインからの給電が容易となり、アンテナ装置の小型化や生産性の向上を図ることができる。
ここで、図9に示す本実施の形態のアンテナ装置は、図1に示すアンテナ装置の線状素子をスロット素子に置き換えたものとほぼ同等と考えることができるため、その動作は電界と磁界を置き換えて説明することができる。したがって、図1に示すアンテナ装置の主偏波成分は水平(Eφ)成分であるのに対して、図9に示すアンテナ装置の主偏波成分は垂直(Eθ)成分となる。
図10は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の指向性を示す図である。図10において、図10(a)は垂直(XZ)面の指向性を、図10(b)は仰角θが45度における円錐面の指向性を示している。
図10(a)において、指向性1001は、垂直偏波(Eθ)成分の指向性を示しており、仰角θが45度の方向にチルトした主ビームが得られることが確認できる。
また、図10(b)において、指向性1002は、指向性1001と同様に垂直偏波(Eθ)成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向に向いていることが確認できる。このとき、主ビームの指向性利得は9.8dBi、円錐面の半値角は62度、F/B比は10dBである。
このように本実施の形態によれば、誘電体基板の表面に正方形形状に形成されたスロット素子と正方形の対向する一組の頂点にスロット迂回素子を設け、誘電体基板の裏面にマイクロストリップラインを配置し、さらにスロット素子面から所定の距離を隔てて反射板を配置することにより、小型無線機に搭載するのに適した小型で平面構造のアンテナ装置を実現することができると共に、垂直面のチルト角が45度の主ビームを形成することができ、主偏波を垂直偏波(Eθ)とすることができる。また、平面回路であるマイクロストリップラインからの給電が容易となり、マイクロストリップライン長を変化させるだけでインピーダンス整合も可能となる。
なお、本実施の形態では、スロット素子を誘電体基板上の銅箔パターンによって形成しているが、例えば、導体板に空隙を設けてスロット素子を形成しても同様な効果が得られる。
また、本実施の形態では、接続導体をスロット素子内に銅箔パターンで形成し、スロット素子のほぼ中央で分断するようにスロット素子の内側の銅箔層と外側の銅箔層を接続するとして説明したが、接続導体をマイクロストリップラインと同一平面上に形成し、スルーホールを介して正方形形状の内側の銅箔層と外側の銅箔層を接続しても同様な効果が得られる。
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の構成を示す平面図である。図11において、図11(a)は+Z側から見た平面図と−Y側から見た平面図であり、図11(b)は反射板104を除いて−Z側から見た平面図である。ただし、図11(a)及び図11(b)において、図9と共通する部分には図9と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。以下、アンテナの動作周波数を5GHzとして説明する。また、説明の都合上、図に示すような座標軸を定義している。
スイッチ1101は、2つの入力端子1102a及び1102bと、2つの出力端子1102c及び1102dを有したDPDT(Double Pole Double Throw)スイッチである。このスイッチ1101は、入力端子1102aが出力端子1102cと接続されるとき、入力端子1102bと出力端子1102dが接続され、また入力端子1102aが出力端子1102dと接続されるとき、入力端子1102bと出力端子1102cが接続されるように動作する。
入力端子1102aには、銅箔パターン1103を介して給電部1104が接続され、入力端子1102bは銅箔パターン1105に接続され、スルーホール1106を介して接地導体である銅箔層902に接地される。また、出力端子1102cには、マイクロストリップライン1107aが接続され、出力端子1102dにはマイクロストリップライン1107bが接続される。銅箔パターン1103及び1105は、基板901の−Z側面に形成された銅箔パターンである。
マイクロストリップライン1107aは、基板901の−Z側面に銅箔パターンにより形成され、一端はスロット素子903aとスロット素子903bの接続部を通過するように配置され、他端はスイッチ1101の出力端子1102cに接続されている。同様に、マイクロストリップライン1107bも、基板901の−Z側面に銅箔パターンにより形成され、一端はスロット素子903cとスロット素子903dの接続部を通過するように配置され、他端はスイッチ1101の出力端子1102dに接続されている。
マイクロストリップライン1107a及び1107bの幅W2は、特性インピーダンスが50Ωとなるように4.6mmに設定さていれる。また、マイクロストリップライン1107aの先端とスロット素子903aとスロット素子903bの接続部との距離L10及びマイクロストリップライン1107bの先端とスロット素子903cとスロット素子903dの接続部との距離L10は1.5mmに設定されている。
次に、上述した構成を有するアンテナ装置において、マイクロストリップライン1107aからアンテナ装置を励振する場合の動作について説明する。給電部1104から励振された信号は、スイッチ1101の入力端子1102aに入力される。このとき、スイッチ1101は、入力端子1102aと出力端子1102c、入力端子1102bと出力端子1102dがそれぞれ接続されるように動作する。このため、入力端子1102aに入力された信号は、出力端子1102cを介してマイクロストリップライン1107aに入力される。
また、マイクロストリップライン1107bは、出力端子1102d及び入力端子1102bを介して接地される。ここで、アンテナ素子がスロット素子で構成されているため、線状素子の場合の電界と磁界を置き換えて考えられるので、マイクロストリップライン1107bとスロット素子との結合部の位置では開放状態、すなわち、接地する必要がある。このため、マイクロストリップライン1107bとスロット素子との結合部から接地点までの長さ、つまりマイクロストリップライン1107b及び銅箔パターン1105、スルーホール1106、スイッチ1101の全体の電気的な長さを1/4波長の奇数倍に設定しなければならない。これにより、指向性利得が高く、F/B比を良好とすることができる。なお、マイクロストリップライン1107aから励振されたアンテナ装置の動作は、実施の形態3で説明した動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。
同様に、マイクロストリップライン1107bからアンテナ装置を励振する場合は、スイッチ1101は、入力端子1102aと出力端子1102d、入力端子1102bと出力端子1102cがそれぞれ接続されるように動作する。このとき、マイクロストリップライン1107aとスロット素子との結合部の位置で開放状態とする必要があるため、マイクロストリップライン1107aとスロット素子との結合部から接地点までの長さを1/4波長の奇数倍に設定しなければならない。
図12は、本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の指向性を示す図である。図12において、図12(a)は垂直(XZ)面の指向性を、図12(b)は仰角θが45度における円錐面の指向性を示している。
図12(a)において、指向性1201aはマイクロストリップライン1107aからスロットアンテナ素子を励振したときの垂直偏波(Eθ)成分の指向性を示しており、仰角θが45度の方向にチルトした主ビームが得られることが確認できる。また、指向性1201bはマイクロストリップライン1107bからスロットアンテナ素子を励振したときの垂直偏波(Eθ)成分の指向性を示しており、仰角θが45度の方向にチルトした主ビームが得られることが確認できる。
図12(b)において、指向性1202aは、図12(a)の指向性1201aと同様に、マイクロストリップライン1107aからスロットアンテナ素子を励振したときの垂直偏波(Eθ)成分の指向性を示しており、主ビームが+X方向に向いていることが確認できる。また、指向性1202bは、図12(a)の指向性1201bと同様に、マイクロストリップライン1107bからスロットアンテナ素子を励振したときの垂直偏波(Eθ)成分の指向性を示しており、主ビームが−X方向に向いていることが確認できる。このとき、指向性1202a及び1202bのどちらも主ビームの指向性利得は9.8dBi、円錐面の半値角は62度である。
このように本実施の形態によれば、誘電体基板の表面に正方形形状に形成されたスロット素子と正方形の対向する一組の頂点にスロット迂回素子を設け、他の一組の頂点で誘電体基板の裏面にマイクロストリップラインをそれぞれ配置し、スロット素子面から所定の距離を隔てて反射板を配置し、一方のマイクロストリップラインからスロットアンテナ素子を励振し、他方のマイクロストリップラインとスロット素子との結合部の位置が開放状態となるようにスイッチで切り替え動作を行うことにより、2方向に主ビームを形成し、主偏波成分が垂直偏波であり、小型で平面構造のマルチビームアンテナを実現することができる。
なお、本実施の形態では、スイッチとして1つのDPDTスイッチを用いて説明したが、例えば、SPDT(Single Pole Double Throw)を3つ用いて構成するように、複数のスイッチを用いてもよい。
また、本実施の形態では、スイッチの一端子を接地し、マイクロストリップラインとスロット素子との結合部から接地点までの長さを1/4波長の奇数倍として説明したが、例えば、スイッチの一端子を開放とし、マイクロストリップラインとスロット素子との結合部から接地点までの長さを1/2波長の整数倍とするように、マイクロストリップラインとスロット素子との結合部の位置で開放状態となるような構成でも、指向性利得が高く、F/B比を良好とすることができる。
(実施の形態5)
図13は、本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の構成を示す図である。図13において、図13(a)は+Z側から見た平面図であり、図13(b)は反射板を除いて−Z側から見た平面図である。図13に示すアンテナ装置は、図11に示すスロットアンテナ素子を直線上に3個配列してセクタアンテナとして構成したものである。なお、説明の都合上、図に示すような座標軸を定義している。
図13において、スロットアンテナ素子1301a〜1301cは、図11に示すアンテナ装置と同一の構成である。また、スロットアンテナ素子1301a〜1301cは、主ビーム方向1302a〜1302fが水平(XY)面において360度を6分割するように60度ずつ異なるように回転させて直線上に配列されている。
スロットアンテナ素子1301aは、マイクロストリップライン1303a及び1303bから給電され、スイッチ1304aにより、主ビーム方向1302a又は1302bに切り替えられる。同様に、スロットアンテナ素子1301bは、マイクロストリップライン1303c及び1303dから給電され、スイッチ1304bにより、主ビーム方向1302c又は1302dに切り替えられる。さらに、スロットアンテナ素子1301cは、マイクロストリップライン1303e及び1303fから給電され、スイッチ1304cにより、主ビーム方向1302e又は1302fに切り替えられる。これらの各スロットアンテナ素子の動作は、実施の形態4で説明した動作と同様であるので、ここでの説明を省略する。
スイッチ1305は、1つの入力端子と3つの出力端子から構成されるSP3T(Single Pole 3 Throw)スイッチである。スイッチ1305の入力端子は、マイクロストリップライン1307を介して給電部1306に接続され、3つの出力端子は、マイクロストリップライン1308a〜1308cを介して、スイッチ1304a〜1304cの入力端子にそれぞれ接続される。
このように、スロットアンテナ素子1301a〜1301cをスイッチ1304a〜1304c及び1305を用いて選択的に給電することにより、水平(XY)面の360度を6分割した6セクタアンテナを実現することができる。
以上のように構成された6セクタアンテナの外形寸法は、アンテナの動作周波数を5GHzとした場合、L11が0.67波長(40mm)、L12が1.57波長(94mm)であり、面積は3760平方mmとなる。この面積は、図17に示す従来の6セクタアンテナの面積の約2/5の大きさとなり、大幅に小型化されている。
また、アンテナの動作周波数が25GHzの場合、6セクタアンテナの外形寸法は、8.0mm×18.8mmの長方形形状となり、例えばノートパソコン用の小型無線機に搭載されるアンテナとして適した形状及び大きさとなる。
次に、図13に示すセクタアンテナの指向性を示す。図14は、本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の指向性を示す図である。図14(a)〜(c)は、スロットアンテナ素子1301a〜1301cの主ビーム方向である仰角θが45度の円錐面における垂直偏波(Eθ)成分の指向性1401a〜1401fをそれぞれ示している。
図15から分かるように、水平(XY)面において60度ずつ異なる方向に主ビームが向けられていることが確認できる。このとき、いずれも主ビームの指向性利得は9.8dBi、円錐面の半値角は62度である。このため、利得が最も低くなる隣接する指向性の中間点でも最大利得より約−3dBの利得が得られることになる。
このように本実施の形態によれば、3個のスロットアンテナ素子を直線上に60度ずつ回転させて配列し、複数のスイッチにより各スロットアンテナ素子を選択的に給電することにより、小型な6セクタアンテナを実現することができる。
なお、本実施の形態では、スロット素子として説明したが、線状素子を用いてもよい。
また、本実施の形態では、6セクタアンテナを実現する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、複数のセクタアンテナを実現する場合にも適用することができる。
また、本実施の形態では、4つのスイッチを用いてスロットアンテナ素子を選択的に給電すると説明したが、スイッチの構成はこれに限るものではない。
なお、上述した各実施の形態では、線状素子から反射板までの距離hを0.42波長として説明したが、距離hを変化させることにより垂直面チルト角αを変化させることができる。距離hを小さくすると垂直面チルト角は小さくなり、距離hを大きくすると垂直面チルト角は大きくなる傾向にある。ただし、距離hを大きくしていくと、−X方向の主ビーム方向と反対の方向にバックローブが生じてしまうため、用途に応じた距離hを1/4波長から1/2波長の範囲で適切に選ぶことが望ましい。本実施の形態では、距離hを0.42波長としており、これは垂直面チルト角とF/B比を最適にする値である。
また、上述した各実施の形態では、線状素子の長さを1/3波長として説明したが、線状素子の長さを変化させることにより垂直面チルト角αを変化させることができる。このため、用途に応じて線状素子の長さを1/4波長から3/8波長の範囲で適切に選ぶことが望ましい。本実施の形態では、線状素子の長さを1/3波長としており、これは垂直面チルト角とF/B比を最適にする値である。
また、上述した各実施の形態では、線状迂回素子の長さを1/4波長として説明したが、線状迂回素子の長さを変化させることにより垂直面チルト角αを変化させることができる。このため、用途に応じて線状迂回素子の長さを0.2波長から0.35波長の範囲で適切に選ぶことが望ましい。本実施の形態では、線状迂回素子の長さを1/4波長としており、これは垂直面チルト角とF/B比を最適にする値である。
また、上述した各実施の形態では、線状素子を正方形形状に配置して説明したが、ひし形形状に配置し、線状素子間の角度を変化させることにより、垂直面及び円錐面の半値角を変化させることができる。
本発明にかかるアンテナ装置は、水平方向にチルトした水平偏波又は垂直偏波の主ビームを形成し、小型無線機に搭載する際に適した平面構造で小型なセクタアンテナを実現するという効果を有し、固定無線機や端末無線機等の小型無線機に適用できる。
(a)本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成を示す平面図、(b)本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の構成を示す矢視図 (a)本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の線状素子上の電流振幅特性を示す図、(b)本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の線状素子上の電流位相特性を示す図 本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の動作を点波源モデルで示す模式図 (a)本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の垂直面の指向性を示す図、(b)本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置の仰角θが55度における円錐面の指向性を示す図 (a)線状迂回素子を正方形の内側に接続した場合のアンテナ装置の構成を示す平面図、(b)線状迂回素子を正方形の内側に接続した場合のアンテナ装置の構成を示す矢視図 (a)線状迂回素子を正方形の内側に接続した場合のアンテナ装置の垂直面の指向性を示す図、(b)線状迂回素子を正方形の内側に接続した場合のアンテナ装置の仰角θが50度の円錐面の指向性を示す図 (a)本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の構成を示す平面図、(b)本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の構成を示す矢視図 (a)本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の垂直面の指向性を示す図、(b)本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置の仰角θが55度における円錐面の指向性を示す図 本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の構成示す平面図 (a)本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の垂直面の指向性を示す図、(b)本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の仰角θが45度における円錐面の指向性を示す図 本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の構成を+Z側及び−Y側から見た平面図 本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の構成を反射板を除いて−Z側から見た平面図 (a)本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の垂直面の指向性を示す図、(b)本発明の実施の形態4に係るアンテナ装置の仰角θが45度における円錐面の指向性を示す図 (a)本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の構成を+Z側から見た平面図、(b)本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の構成を反射板を除いて−Z側から見た平面図 本発明の実施の形態5に係るアンテナ装置の指向性を示す図 従来例1のマルチセクタアンテナの構成を示す図 従来例2のマルチセクタアンテナの構成を示す図 従来例3のマルチビームアンテナの構成を示す図
符号の説明
101a〜101d 線状素子
102a、102b、501a、501b 線状迂回素子
103、701、907、1104、1306 給電部
104 反射板
901 基板
902 銅箔層
903a〜903d スロット素子
904a〜904d 接続導体
905a、905b スロット迂回素子
906、1107a、1107b、1303a〜1303f、1307、1308a〜1308c マイクロストリップライン
1101、1304a〜1304c、1305 スイッチ
1103、1105 銅箔パターン
1106 スルーホール

Claims (10)

  1. それぞれが使用周波数の略1/4波長から略3/8波長の長さを有し、平面上にひし形形状に配置された4本の線状素子と、
    第1線状素子の一端及び第2線状素子の一端に給電する給電手段と、
    前記第1線状素子の他端と第3線状素子の一端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第1線状迂回素子と、
    前記第2線状素子の他端と第4線状素子の一端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第2線状迂回素子と、
    前記線状素子が配置された平面と略平行に所定の間隔を隔てて配置された反射板と、
    を具備し、
    前記第3線状素子の他端と前記第4線状素子の他端とが接続されたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. それぞれが使用周波数の略1/4波長から略3/8波長の長さを有し、平面上にひし形形状に配置された4本の線状素子と、
    第1線状素子の一端及び第2線状素子の一端に給電する第1給電手段と、
    第3線状素子の一端及び第4線状素子の一端に給電する第2給電手段と、
    前記第1線状素子の他端と前記第3線状素子の他端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第1線状迂回素子と、
    前記第2線状素子の他端と前記第4線状素子の他端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第2線状迂回素子と、
    前記線状素子が配置された平面と略平行に所定の間隔を隔てて配置された反射板と、
    を具備することを特徴とするアンテナ装置。
  3. 所定の誘電率である誘電体基板と、
    前記誘電体基板面に形成された導体層と、
    それぞれが使用周波数の略1/4波長から略3/8波長の長さを有し、前記導体層にひし形形状に形成された4本のスロット素子と、
    第1スロット素子の一端と第2スロット素子の一端とが接続された位置で給電する第1給電手段と、
    前記第1スロット素子の他端と第3スロット素子の一端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第1スロット迂回素子と、
    前記第2スロット素子の他端と第4スロット素子の一端とに接続され、全長が略1/4波長の長さを有する折り返し形状の第2スロット迂回素子と、
    前記導体層から略平行に所定の間隔を隔てた位置に配置された反射板と、
    を具備し、
    前記第3スロット素子の他端と前記第4スロット素子の他端とが接続されたことを特徴とするアンテナ装置。
  4. 前記第3スロット素子の他端と前記第4スロット素子の他端とが接続された位置で給電する第2給電手段と、
    前記第1及び第2給電手段からの給電を選択的に切り替える切替手段と、
    を具備することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記給電手段として、前記誘電体基板の前記導体層が形成された基板の裏面に設けられたマイクロストリップラインを用いることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記マイクロストリップラインは、前記スロット素子との結合部から略1/4波長の奇数倍の位置に、短絡と給電とを切り替える切替手段を具備することを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記マイクロストリップラインは、前記スロット素子との結合部から略1/2波長の整数倍の位置に、開放と給電とを切り替える切替手段を具備することを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
  8. ひし形形状に形成されたスロット素子に囲まれた内側の導体層と外側の導体層とが、前記4本のスロット素子の略中央にそれぞれ銅箔パターンで形成された接続導体により接続されたことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれかに記載のアンテナ装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のアンテナ装置を複数用いて、前記複数のアンテナ装置を平面上にそれぞれ等角度ずつ回転して配置されたことを特徴とするアンテナ装置。
  10. 請求項4から請求項6のいずれかに記載の3個のアンテナ装置を直線上に一列に配置し、前記3個のアンテナ装置をそれぞれ60度ずつ回転して配置されたことを特徴とする請求項9に記載のアンテナ装置。
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