JP4234396B2 - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶、ビン、ペットボトル若しくは紙パック等に封入された飲料、カップ等の所定の容器に収容された乳製品、箱入りまたは袋入りの菓子等、多様な形状及び大きさを有する商品を販売可能な自動販売機の商品搬出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動販売機としては、前面下部に商品取出口を有する自動販売機本体と、自動販売機本体の幅方向及び上下方向に配列された複数の商品コラムと、各商品コラムの前方に自動販売機本体の幅方向及び上下方向に移動可能に配置された商品バケットと、商品バケットを自動販売機本体の幅方向及び上下方向に移動させる移動機構とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この自動販売機では、商品が選択されると、移動機構によって商品バケットが選択商品に対応する商品コラムまで移動するとともに、商品コラムの商品搬出装置によって商品バケット内に商品が搬出され、商品を受容した商品バケットが移動機構によって商品取出口まで移動し、商品バケットの商品が商品取出口に搬出されるようになっている。
【0004】
また、前記自動販売機の商品搬出装置は、商品コラムの両端側にそれぞれ配置された一対のプーリと、各プーリに巻き掛けられた無端状のベルトとを備え、プーリをモータによって所定方向に回転させることにより、商品コラム内の商品をベルトによって所定方向に移動させて商品コラムの一端側から順次搬出するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−357450号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記商品搬出装置では商品をベルト上に並べて載置しているが、多数の商品を効率よく収納するため、商品を縦向きにして収納する場合がある。しかしながら、例えば偏平状の商品を縦向きに収納した場合は自立状態が不安定となり、搬出時や収納時に転倒を生じ易いなどの問題があった。また、袋入り商品のように不定形なものは単独で自立させることができず、縦向きに収納することができなかった。
【0007】
そこで、このような問題を解消するために、ベルトに複数の商品支持部材を互いに間隔おいて設け、各商品支持部材の間に商品を収納することにより、商品支持部材によって商品の転倒等を防止するようにしたものが提案されている。
【0008】
しかしながら、商品支持部材は商品を確実に支持可能な高さ寸法を必要とするため、ベルトに商品支持部材を設ける場合には、商品コラムの周囲に商品搬出後の商品支持部材を通過させる十分な空間が必要となる。例えば、複数の商品コラムを互いに上下方向に配置した場合、ベルトの下方に移動した商品支持部材は下方の商品コラムの上方を通過するため、各商品コラムの上下方向の間隔を大きくしなければならず、その分だけ商品コラム数が少なくなるという問題点があった。また、前記自動販売機では、商品コラムの商品を前方の商品バケットに搬出するようになっているが、商品搬出後の商品支持部材は商品バケットと商品コラムの間を通過するため、商品コラムのベルトと商品バケットとの隙間を大きくしなければならず、この隙間に小型の商品が落下するおそれがあった。
【0009】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無端状部材に商品間に配置される複数の商品支持部材を設けた場合でも、各商品支持部材を通過させるための空間を少なくすることのできる自動販売機の商品搬出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1では、商品コラムの両端側にそれぞれ配置された一対の回転部材と、各回転部材に巻き掛けられた無端状部材と、無端状部材に互いに間隔をおいて設けられた複数の商品支持部材とを備え、回転部材を回転させて無端状部材を所定方向に回動させることにより、各商品支持部材間に収納された商品を商品コラムの一端側から搬出するようにした自動販売機の商品搬出装置において、前記商品支持部材を、板状に形成された支持部材本体と、支持部材本体に所定方向に出没自在に設けられた可動部材とから構成するとともに、支持部材本体に対する可動部材の出没により商品支持部材が所定方向に拡大及び縮小するように構成し、可動部材を支持部材本体内に没入する方向に付勢する付勢手段と、可動部材を支持部材本体から突出した状態でロックするロック手段とを備え、商品支持部材が商品搬出位置まで移動すると可動部材のロックを解除するように構成している。
【0011】
これにより、支持部材本体に対する可動部材の出没により商品支持部材が拡大及び縮小することから、商品搬出後の商品支持部材を縮小することにより、各商品支持部材を通過させるための空間が少なくなる。これにより、例えば複数の商品コラムを互いに上下方向に配置した場合、無端状部材の下方に移動した各商品支持部材が下方の商品コラムの上方を通過しても、下方の商品コラムとの間隔を大きくする必要がない。また、例えば商品コラムの前方に搬出商品を受容する商品バケットを備えた場合、商品搬出後の商品支持部材が商品バケットと商品コラムとの間を通過しても、商品コラムと商品バケットとの隙間を大きくする必要がない。この場合、各商品支持部材の可動部材が商品搬出後に自動的に支持部材本体側に没入することから、例えば商品コラム側に可動部材を没入させるための専用の部品や機構を設ける必要がない。
【0012】
また、請求項2では、請求項1記載の自動販売機の商品搬出装置において、前記ロック手段を無端状部材に係合することにより可動部材を突出状態に保持する係合部によって形成し、無端状部材が回転部材の巻き掛け部分で湾曲して商品支持部材の一部が無端状部材から離れることによって係合部と無端状部材との係合を解除するように構成している。これにより、請求項1の作用に加え、各商品支持部材が商品搬出位置まで移動したときに可動部材のロックが自動的に解除されることから、例えば商品コラム側に可動部材のロックを解除するための専用の部品や機構を設ける必要がない。
【0013】
また、請求項3では、請求項1または2記載の自動販売機の商品搬出装置において、前記商品支持部材に、無端状部材が回転部材の巻き掛け部分で湾曲して商品支持部材の一部が無端状部材から離れると、商品支持部材と無端状部材との間に生ずる隙間の少なくとも一部を覆う隙間閉鎖部を設けている。これにより、請求項1または2の作用に加え、無端状部材の湾曲により商品支持部材の一部が無端状部材から離れると、商品支持部材と無端状部材との隙間が隙間閉鎖部によって覆われることから、この隙間に商品が落ち込むことがない。
【0014】
また、請求項4では、請求項1、2または3記載の自動販売機の商品搬出装置において、前記各商品支持部材を無端状部材の任意の位置に着脱可能に構成している。これにより、請求項1、2または3の作用に加え、各商品支持部材を無端状部材の任意の位置に取付けることにより、商品の大きさや形状に応じて各商品支持部材の間隔を変更することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1乃至図12は本発明の一実施形態を示すもので、図1は本発明の商品搬出装置の備わる自動販売機の正面図、図2はその正面断面図、図3はその側面断面図、図4は商品コラム及び商品バケットの側面断面図、図5は商品コラムの正面図、図6はコンベアの部分平面図、図7は商品支持部材の正面断面図、図8はその分解斜視図、図9はその斜視図、図10は商品支持部材及びコンベアの側面図、図11は商品支持部材のロック操作を示す正面断面図、図12はその動作を示す側面図である。
【0016】
同図に示す自動販売機は、前面の一部を透明に形成された自動販売機本体10と、自動販売機本体10の幅方向及び上下方向に配列された複数の商品コラム20と、各商品コラム20にそれぞれ設けられた商品搬出装置30と、各商品コラム20から搬出される商品を受容可能な商品バケット40と、商品バケット40を各商品コラム20の配列方向に移動させるバケット移動機構50とから構成されている。
【0017】
自動販売機本体10は前面を開口し、その前面開口部は外扉11によって開閉するようになっている。外扉11の下部を除く部分は透明のガラス板11aによって形成され、その前面には紙幣投入口11b、硬貨投入口11c、金額表示部11d、硬貨返却口11e、商品選択操作部11f及び商品取出口11gが設けられている。自動販売機本体10内には断熱壁で囲まれた商品収納庫12が設けられ、その前面は内扉13によって覆われている。内扉13は大部分を透明のガラス板13aによって形成されるとともに、その下部には商品搬出口13bが設けられ、商品搬出口13bには搬出扉13cが取付けられている。また、商品収納庫12内の底面側には冷却ユニット14が設けられ、冷却ユニット14は図示しない冷却器及び送風機によって構成されている。
【0018】
各商品コラム20は前後方向に延びるコラム本体21を有し、それぞれ自動販売機本体10に前方に引き出し可能に設けられている。尚、商品コラム20の引き出し構造については詳細な説明は省略するが、例えば周知のスライドレール等を用いて構成することができる。商品コラム20はコラム本体21内を幅方向に仕切る仕切板22を備え、仕切板22はコラム本体21内の幅方向中央に設けた基板23に取付けられている。また、各商品コラム20は上下方向各段ごとにそれぞれ幅方向に延びる棚24によって支持されており、各棚24は自動販売機本体10内の幅方向両側に立設した複数の支柱25によって上下方向所定位置に固定されている。
【0019】
商品搬出装置30は各商品コラム20にそれぞれ二つずつ設けられ、コラム本体21内に互いに幅方向に配置されている。各商品搬出装置30は、コラム本体21の前端側及び後端側にそれぞれ回動自在に取付けられた回転部材としての一対のスプロケット31と、各スプロケット31に巻き掛けられた無端状部材としてのコンベア32と、前端側のスプロケット31と連動する歯車ユニット33とからなり、コンベア32の上面には商品が載置されるようになっている。即ち、各商品コラム20には、仕切板22を間にして商品が二列ずつ収納されるようになっている。歯車ユニット33はプーリ31の回転軸に連結された第1の歯車33aと、第1の歯車33aに噛み合う第2の歯車33bとからなり、第2の歯車33bは後述する商品バケット40側の歯車と噛み合うようになっている。
【0020】
コンベア32は互いに回動自在に連結された多数のコンベアチェーン32aからなり、各コンベアチェーン32aを無端状に連続して連結することによって形成されている。コンベアチェーン32aはコンベア32の幅方向に長いブロック状の部材からなり、その幅方向中央の前後方向一端側には凸部32bが設けられ、その前後方向他端側には他のコンベアチェーン32aの凸部32bを受容する凹部32cが設けられている。即ち、各コンベアチェーン32aは、凹部32cの幅方向両側面に突設した連結軸32dを介して他のコンベアチェーン32aの凸部32bの幅方向両端に回動自在に連結されている。また、他のコンベアチェーン32aの幅方向両端にはスプロケット31に係合する係合軸32eがそれぞれ突設されている。更に、各コンベアチェーン32aには、後述する商品支持部材60の突片64d及び取付片64eが挿入される孔32fと、商品支持部材60のリンク63が挿入される孔32gがそれぞれ設けられている。各孔32f,32gはそれぞれコンベアチェーン32aの幅方向二箇所ずつに設けられ、リンク63用の各孔32g内には段部32hが設けられている。
【0021】
商品バケット40は、バケット本体41の前端側及び後端側にそれぞれ回動自在に取付けられた一対のプーリ42と、各プーリ42に巻き掛けられた無端状のベルト43とを備え、図示しないモータによって一方のプーリ42を回転させることにより、ベルト43が所定方向に回動するようになっている。また、商品バケット40は各商品コラム20の商品搬出装置30を駆動する歯車44を備え、歯車44は図示しないモータによって回転するようになっている。
【0022】
バケット移動機構50は、商品バケット40を幅方向に移動させる第1の駆動部51と、第1の駆動部51を上下方向に移動させる一対の第2の駆動部52とからなり、各第2の駆動部52は自動販売機本体10内の幅方向両側にそれぞれ配置されている。第1の駆動部51は商品バケット40を移動自在に支持する上下一対のガイドレール51a,51bを備え、図示しないモータによって商品バケット40を各ガイドレール51a,51bに沿って移動させるようになっている。また、第2の駆動部52は、第1の駆動部51を移動自在に支持するガイドレール52aと、第1の駆動部51を移動させるモータ(図示せず)とから構成されている。このバケット移動機構50では、光センサ等からなる位置検知手段またはモータのパルス検知手段等によって各商品コラム20の幅方向及び上下方向の位置を検知することにより、商品バケット40を各駆動部51,52によって任意の商品コラム20または商品搬出口13bまで移動させるようになっている。
【0023】
また、前記商品搬出装置30のコンベア32には、商品間に配置される複数の商品支持部材60が取付けられるようになっている。この商品支持部材60は、板状に形成された支持部材本体61と、支持部材本体61に出没自在に設けられた可動板62と、可動板62を出没動作させる一対のリンク63と、コンベア32に取付られる基板64とからなり、支持部材本体61は基板64に回動自在に連結されている。
【0024】
支持部材本体61は可動板62を収容可能な箱状に形成され、その一端側の両側面には基板64に連結される連結軸61aが設けられている。支持部材本体61の他端面には可動板62が出没する開口部61bが設けられ、その幅方向中央の縁部には可動板62を把持するための円弧状の切り欠き部61cが設けられている。また、支持部材本体61の一端側中央には突出部61dが形成され、突出部61dの端面には各リンク63の一部を外部に突出させる開口部61eが設けられている。
【0025】
可動板62は支持部材本体61よりもやや小さい平板状に形成され、支持部材本体61の開口部61bを介して支持部材本体61内に収容されている。また、可動板62の一端の幅方向両側には、各リンク63に連結される連結片62aが設けられ、各連結片62aには幅方向に延びる長孔62bがそれぞれ設けられている。
【0026】
各リンク63は、それぞれ支持部材本体61内の幅方向両側に配置され、支持部材本体61内の支軸63aに回動自在に取付けられている。リンク63の一端側には可動板62の長孔62bに移動自在に係合する係合ピン63bが設けられ、各リンク63は係合ピン63bを介して可動板62の各連結片62aにそれぞれ連結されている。リンク63の他端側は支持部材本体61の一端側開口部61eから外部に突出しており、その先端にはコンベア32に係合する係合爪63cが設けられている。また、各リンク63には支持部材本体61内の支軸63dに取付けられたコイルスプリング65の両端がそれぞれ連結され、コイルスプリング65は各リンク63を可動板62の没入方向に付勢している。
【0027】
基板64は支持部材本体61とほぼ同等の大きさの平板状に形成され、その一端側の幅方向両側には支持部材本体61を連結する連結片64aが設けられている。即ち、支持部材本体61の各連結軸61aは基板64の各連結片64aに設けた孔64bに回動自在に挿入されている。この場合、支持部材本体61は各連結軸61aにそれぞれ取付けられたコイルスプリング66によって支持部材本体61の可倒方向、即ち支持部材本体61の前面が基板64の上面に重なり合う方向に付勢されている。また、基板64の一端側中央には支持部材本体61の突出部61dを受容する切り欠き部64cが設けられている。更に、基板64の下面一端側には、コンベア32の湾曲時に基板64の一端側とコンベア32との間に生ずる隙間の一部を覆うための隙間閉鎖部としての突片64dが設けられている。この突片64dは基板64の幅方向二箇所に設けられ、その先端側は基板64の他端側に向かってやや屈曲するように形成されている。また、基板64の下面他端側には、商品支持部材60をコンベア32に着脱自在に取付けるための取付片64eが設けられている。この取付片64eは基板64の幅方向二箇所にそれぞれ一対ずつ対向して設けられ、互いに対向する取付片64eの先端側にはコンベア32に係合する係合爪64fが形成されている。
【0028】
以上のように構成された自動販売機においては、各商品コラム20に複数種類の商品A,B,Cが収納されている。この場合、商品Aは菓子等を収容した箱入り商品で、商品Bは菓子等を収容した袋入り商品である。また、商品Cは乳製品等を収容したカップ入り商品である。この場合、商品A,Bが収納された商品コラム20では、商品搬出装置30のコンベア32に商品支持部材60が取付けられており、各商品A,Bは各商品支持部材60の間にそれぞれ一つずつ収納されている。
【0029】
ここで、前記自動販売機に対し、自動販売機に対して金銭の投入及び商品の選択が行われると、商品バケット40がバケット移動機構50によって選択商品に対応する商品コラム20まで移動する。その際、商品バケット40側のベルト43が商品コラム20側のコンベア32のやや下方に位置するとともに、商品バケット40側の歯車44が商品搬出装置30の第3の歯車33bに噛み合う。次に、商品バケット40側の歯車44が回転し、歯車ユニット33によって商品搬出装置30のスプロケット31が回転する。これにより、コンベア32が回動し、コンベア32上の商品Aが商品バケット40側に搬出され、商品バケット40に受容される。そして、商品Aを受容した商品バケット40はバケット移動機構50によって商品搬出口13bまで移動し、商品バケット40内の商品Bが商品取出口11gに搬出される。
【0030】
また、商品コラム20の商品Aが商品バケット40に搬出される際、商品コラム20の各商品Aはそれぞれ各商品支持部材60によって前後方向に支持されていることから、最前部の商品Aが搬出時に転倒または姿勢の乱れを生じた場合でも、後続の商品Aが搬出商品Aによって転倒することがない。また、各商品Aの間には商品支持部材60がそれぞれ介在しているため、商品同士の張り付きを生ずることもない。
【0031】
ここで、前記商品支持部材60の動作について説明する。まず、商品支持部材60をコンベア32の任意の位置に装着することにより、商品支持部材60がコンベア32に取付けられる。その際、図10(a) に示すように商品支持部材60の各取付片64eをコンベア32の任意の孔32fにそれぞれ挿入すると、図10(b) に示すように各取付片64eが弾性変形して各係合爪64fが孔32fの下端縁に係止し、商品支持部材60がコンベア32に固定されるとともに、商品支持部材60の各突片64dが他の孔32fに挿入される。また、各取付片64eの係合爪64fと孔32fとの係合を強制的に解除すれば、商品支持部材60をコンベア32から取外すことが可能である。尚、前記取付時においては、商品支持部材60の支持部材本体61は各コイルスプリング66によって基板64側に倒れた状態になっており、商品支持部材60の可動板62はコイルスプリング65によって支持部材本体61内に没入した状態になっている。
【0032】
次に、図10(b) に示すように可動板62を引き出しながら支持部材本体61を起立させると、支持部材本体61が起立状態でロックされるとともに、可動板62が突出状態でロックされる。即ち、図11(a) に示すように可動板62を支持部材本体61から引き出すと、各リンク63がその他端側が互いに離れる方向に回動し、各係合爪63cの間隔が広がる。これにより、各係合爪63cがコンベア32の各孔32gに挿入され、可動板62の引き出し力を解除すると、コイルスプリング65によって各リンク63が回動し、図11(b) に示すように各係合爪63cが各孔32g内にそれぞれ係止する。その際、各孔32g内の段部32hとの係合により、各係合爪63cが各孔32gから抜け出す方向への移動が規制される。また、可動板62はコイルスプリング65によって没入方向に付勢されるが、各係合爪63cが各孔32g内に係止して各リンク63の回動が規制されているため、図11(b) に示すように可動板62が支持部材本体61から所定長さLだけ突出した状態に保持される。また、支持部材本体61は各コイルスプリング66によって可倒方向に付勢されているが、各係合爪63cの各孔32gとの係止により、支持部材本体61が基板64に対して直立した状態で保持される。
【0033】
前述のように、支持部材本体61を起立させ且つ可動板62の突出により拡大した商品支持部材60がコンベア32の回動によって商品コラム20の前端側に移動し、図12(a) に示すようにコンベア32がスプロケット31の巻き掛け部分で湾曲すると、基板64は前端側(他端側)のみを取付片64eによってコンベア32に固定されているため、基板64の後端側(一端側)がコンベア32から離れる。その結果、商品支持部材60の各係合爪63cがコンベア32から強制的に外れて各孔32gとの係合を解除され、図12(b) に示すように可動板62がコイルスプリング65によって支持部材本体61内に没入して商品支持部材60が縮小するとともに、支持部材本体61が各コイルスプリング66によって基板64側に倒れ、この状態でコンベア32の前方及び下方を移動する。また、コンベア32がスプロケット31の巻き掛け部分で湾曲して基板64の後端側がコンベア32から離れると、基板64の後端側に設けた各突片64dが孔32fの外部に移動し、基板64とコンベア32との隙間の幅方向一部が各突片64dによって覆われることから、この隙間に商品が落ち込むことがない。
【0034】
このように、本実施形態によれば、商品搬出装置30のコンベア32に取付けられる各商品支持部材60を拡大及び縮小自在に構成したので、商品搬出後の商品支持部材60を縮小させることにより、各商品支持部材60を通過させるための空間を少なくすることができる。これにより、コンベア32の下方に移動した各商品支持部材60が下方の商品コラム20の上方を通過しても、下方の商品コラムとの間隔を大きくする必要がなく、商品コラム数の減少による商品収納数の低下を来すことがないという利点がある。また、商品搬出後の商品支持部材60が商品バケット40と商品コラム20との間を通過しても、商品コラム20のコンベア32と商品バケット40との隙間を大きくする必要がなく、商品コラム20と商品バケット40との隙間に小型の商品が落下することがないという利点もある。
【0035】
また、商品支持部材60を、板状に形成された支持部材本体61と、支持部材本体61に出没自在に設けられた可動板62とから構成したので、支持部材本体61に対する可動板62の出没により商品支持部材60の拡大及び縮小動作を確実に達成することができ、商品支持部材60を常に良好に拡大及び縮小させることができる。
【0036】
更に、可動板62をコイルスプリング65によって没入方向に付勢するとともに、可動板62を支持部材本体61から突出させた状態でロック可能に構成し、商品支持部材60が商品コラム20の前端側に移動すると可動板62のロックを解除するようにしたので、商品支持部材60の可動板62を商品搬出後に自動的に没入させることができ、例えば商品コラム20側に可動板62を没入させるための専用の部品や機構を設ける必要がなく、汎用性の向上を図ることができる。
【0037】
この場合、商品支持部材60にコンベア32に係合することによって可動板62を没入状態でロックする係合爪63cを設け、コンベア32がスプロケット31の巻き掛け部分で湾曲して基板64の一部と共に係合爪63cがコンベア32から離れることによって可動板62のロックを解除するようにしたので、商品支持部材60が商品コラム20の前端側に移動したときに、可動板62のロックを自動的に解除することができ、例えば商品コラム20側に可動板62のロックを解除するための専用の部品や機構を設ける必要がなく、汎用性の向上を図ることができる。
【0038】
また、商品支持部材60に設けた突片64dにより、コンベア32がスプロケット31の巻き掛け部分で湾曲して基板64の一部がコンベア32から離れることによって生ずる隙間を覆うようにしたので、この隙間に商品が落ち込むことがなく、商品の搬出不良を確実に防止することができる。
【0039】
また、各商品支持部材60をコンベア32の任意の位置に着脱可能に構成したので、商品の大きさや形状に応じて各商品支持部材60の間隔を変更することができ、多種多様な商品に的確に対応することができる。
【0040】
尚、前記実施形態では、商品支持部材60の支持部材本体61を起倒自在に構成したものを示したが、支持部材本体61を起立状態で固定したものであってもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、箱入り商品Aについて説明したが、袋入り商品Bの場合も同様である。尚、カップ入り商品Cのように安定して自立させることのできる商品の場合は、商品支持部材60を用いずに収納するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の商品搬出装置によれば、例えば複数の商品コラムを互いに上下方向に配置した場合、無端状部材の下方に移動した各商品支持部材が下方の商品コラムの上方を通過しても、下方の商品コラムとの間隔を大きくする必要がないので、商品コラム数の減少による商品収納数の低下を来すことがなく、商品収納効率の向上を図ることができる。また、例えば商品コラムの前方に搬出商品を受容する商品バケットを備えた場合には、商品搬出後の商品支持部材が商品バケットと商品コラムとの間を通過しても、商品コラムと商品バケットとの隙間を大きくする必要がないので、商品コラムと商品バケットとの隙間に小型の商品が落下することがなく、商品の搬出不良を確実に防止することができる。更に、可動部材の出没により商品支持部材の拡大及び縮小動作を確実に達成することができるので、商品支持部材を常に良好に拡大及び縮小させることができる。この場合、商品支持部材の可動部材を商品搬出後に自動的に支持部材本体側に没入させることができるので、例えば商品コラム側に可動部材を没入させるための専用の部品や機構を設ける必要がなく、汎用性の向上を図ることができる。
【0043】
また、請求項2の商品搬出装置によれば、請求項1の効果に加え、商品支持部材が商品搬出位置に移動したときに可動部材のロックを自動的に解除することができるので、例えば商品コラム側に可動部材のロックを解除するための専用の部品や機構を設ける必要がなく、汎用性の向上を図ることができる。
【0044】
また、請求項3の商品搬出装置によれば、請求項1または2効果に加え、無端状部材が回転部材の巻き掛け部分で湾曲して商品支持部材の一部が無端状部材から離れることによって商品支持部材と無端状部材との間に生ずる隙間に商品が落ち込むことがないので、商品の搬出不良を確実に防止することができる。
【0045】
また、請求項4の商品搬出装置によれば、請求項1、2または3効果に加え、商品の大きさや形状に応じて各商品支持部材の間隔を変更することができるので、多種多様な商品に的確に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る商品搬出装置を備えた自動販売機の正面図
【図2】 自動販売機図の正面断面図
【図3】 自動販売機の側面断面図
【図4】 商品コラム及び商品バケットの側面断面図
【図5】 商品コラムの正面図
【図6】 コンベアの部分平面図
【図7】 商品支持部材の正面断面図
【図8】 商品支持部材の分解斜視図
【図9】 商品支持部材の斜視図
【図10】 商品支持部材及びコンベアの側面図
【図11】 商品支持部材のロック操作を示す正面断面図
【図12】 商品支持部材の動作を示す側面図
【符号の説明】
20…商品コラム、30…商品搬出装置、31…スプロケット、32…コンベアベルト、60…商品支持部材、61…支持部材本体、62…可動板、63c…係合爪、64d…突片、64e…取付片、65…コイルスプリング、A,B,C…商品。
Claims (4)
- 商品コラムの両端側にそれぞれ配置された一対の回転部材と、各回転部材に巻き掛けられた無端状部材と、無端状部材に互いに間隔をおいて設けられた複数の商品支持部材とを備え、回転部材を回転させて無端状部材を所定方向に回動させることにより、各商品支持部材間に収納された商品を商品コラムの一端側から搬出するようにした自動販売機の商品搬出装置において、
前記商品支持部材を、板状に形成された支持部材本体と、支持部材本体に出没自在に設けられた可動部材とから構成するとともに、支持部材本体に対する可動部材の出没により商品支持部材が所定方向に拡大及び縮小するように構成し、
可動部材を支持部材本体内に没入する方向に付勢する付勢手段と、
可動部材を支持部材本体から突出した状態でロックするロック手段とを備え、
商品支持部材が商品搬出位置まで移動すると可動部材のロックを解除するように構成した
ことを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。 - 前記ロック手段を無端状部材に係合することにより可動部材を突出状態に保持する係合部によって形成し、
無端状部材が回転部材の巻き掛け部分で湾曲して商品支持部材の一部が無端状部材から離れることによって係合部と無端状部材との係合を解除するように構成した
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機の商品搬出装置。 - 前記商品支持部材に、無端状部材が回転部材の巻き掛け部分で湾曲して商品支持部材の一部が無端状部材から離れると、商品支持部材と無端状部材との間に生ずる隙間の少なくとも一部を覆う隙間閉鎖部を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動販売機の商品搬出装置。 - 前記各商品支持部材を無端状部材の任意の位置に着脱可能に構成した
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の自動販売機の商品搬出装置。
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