JP4223901B2 - 通信中継方法及び装置 - Google Patents
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Description
ひとつはDCF(Distributed Coordination Function)と呼ばれるモードである。このモードでは、通信が行われていないときにはデータ送信したい無線端末がデータを送信することができる。複数の無線端末が同時にデータ送信しようとしているときには、それらの通信が衝突する可能性があるため、前の通信が終わってから次の送信をするまでの間、各無線端末はランダムな待ち時間(以下、バックオフ時間)を待ってからデータ送信を行うことが規定されている。このため、複数の無線端末が存在するときには、無線端末は平等に通信する機会が与えられ、特定の無線端末の通信を優先することはない。
最近では、DCFを拡張したEDCF(Enhanced DCF)が802.11e規格の一部として議論されている。DCFでは1つであった送信キューが、EDCFでは最大8個まで備えられるようになっている。この送信キューを通信データの優先度によって使い分ける方式が提案されている。その方式では、優先度が異なる送信キューに送信データが格納されると、優先度の高いキューほどバックオフ時間が短くなるように設定されている。そのため、優先度の高いデータが送信されやすい。
(a)802.1Qで規定されるユーザプライオリティビット内のレイヤ2サービスクラス(COS)の設定値を使用する方法。
(b)IPv4ヘッダのタイプオブサービス(TOS)バイト内のIP優先順位/DSCP(差分サービスコードビット)を使用する方法。
無線LANでVoIPのようなストリーム通信を行うには、安定して定期的な通信が実現されなければならない。そのためには、次の4つの課題がある。
(1)無線通信区間における優先制御
(2)無線端末、中継装置における優先パケットの振り分け
(3)どの通信を優先するかの決定方法の最適化
(4)無線中継局における優先通信の帯域管理
このうち、(1)の課題については、上記で述べた方式によって実現される。(2)、(3)の課題については、無線端末単位での優先制御、アプリケーション単位での優先制御、データ種類毎の優先制御などを、ニーズに応じて柔軟に変更できることが望まれている。例えば、同じ音声ストリームであってもIP電話を優先し、インターネットラジオの音声ストリームを優先しないことが好ましい。また、有料会員のIP電話を優先し、無料会員のIP電話を優先しないなどの設定をできることが望まれる。
さらに、複数の無線中継局が存在するときには、無線端末が移動することによって、接続していた無線中継局がより近くの無線中継局に自動的に切り替えられることがある。この場合には、既に実現されている優先通信は別の中継局に切り替わってもそのまま継続して続けられることが期待される。そのため、移動先の無線中継局では、他の無線中継局から移動してくる無線端末のために通信帯域を確保しておく必要がある。優先通信の帯域管理については、以上のような考慮すべき課題がある。
前記無線端末からの通信開始要求を受信した前記通信管理装置から、当該通信開始要求により開始されようとする通信を特定する通信識別子を含む帯域確認メッセージを受信し、
優先的に中継する通信の識別子を登録するための優先テーブルに登録されている通信識別子で特定される通信と、前記開始されようとする通信との消費帯域の総和Sが、前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記S/Uが前記上限値を超えない場合は前記帯域確認メッセージに含まれる通信識別子を前記優先テーブルに登録し、
前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される優先通信データのデータ種別の変更を行い、
変更後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S1が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S1/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記判定結果を前記通信管理装置に通知し、
前記判定結果を通知された前記通信管理装置から、通信確立の通知を受けて、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する。
発明3は、発明1において、他の通信中継システムにより中継されていた優先通信データの中継を引き継ぐためのゲスト用エントリを、前記優先テーブルに確保している通信中継方法を提供する。
発明4は、発明3において、前記他の通信中継システムを介して前記優先通信データの通信を行っている無線端末から接続要求を受信すると、前記優先通信データの中継の引き継ぎを前記他の通信中継システムに要求し、
前記他の通信中継システムは、前記要求に応じて、前記通信中継システムの前記ゲスト用エントリの空きを確認し、空きがある場合は前記優先通信データに関する情報を前記通信中継システムに送信し、
前記通信中継システムは、前記優先通信データに関する情報を前記ゲスト用エントリに登録する、通信中継方法を提供する。
発明5は、発明1において、前記通信管理装置は、通信を許可する登録ユーザを記憶しており、前記任意の無線端末からの通信開始要求が未登録ユーザからの通信開始要求である場合には、前記任意の無線端末の通信を非優先通信とするための優先通信不要メッセージを前記通信中継システムに通知する、通信中継方法を提供する。
発明6は、発明1において、前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される複数の異なる形式のデータの合成により構成される優先通信データに対して、少なくとも1の形式のデータを前記優先通信データから削除し、前記削除後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S2が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S2/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、前記判定結果を前記通信管理装置に通知する、通信中継方法を提供する。
発明7は、発明1において、前記通信管理装置は、前記接続要求に対して通信可能を示す応答メッセージを、前記相手方の無線端末から受信した場合に、前記通信中継システムに前記通信の確立を通知するのに加えて、前記確立した通信が優先通信であることを示す応答メッセージを、前記通信開始要求の送信元の無線端末にさらに送信し、前記通信開始要求の送信元の無線端末は、前記相手方の無線端末に前記確立した通信が優先通信であることを示す応答メッセージを送信する、通信中継方法を提供する。
・前記無線端末からの通信開始要求を受信した通信管理装置から、当該通信開始要求により開始されようとする通信を特定する通信識別子を含む帯域確認メッセージを受信する手段、
・優先的に中継する通信の識別子を登録するための優先テーブルに登録されている通信識別子で特定される通信と、前記開始されようとする通信との消費帯域の総和Sが、前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定する手段、
・前記S/Uが前記上限値を超えない場合は前記帯域確認メッセージに含まれる通信識別子を前記優先テーブルに登録する手段、
・前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される優先通信データのデータ種別の変更を行い、
変更後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S1が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S1/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記判定結果を前記通信管理装置に通知する手段、
・前記判定結果を通知された前記通信管理装置から、通信確立の通知を受けて、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する手段。
発明9は、無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置であって、以下の手段を有する。
・前記無線端末の通信を管理する通信管理装置にネットワークを介して接続する接続手段、
・前記接続手段により接続された通信管理装置から、開始されようとする通信を特定する通信識別子を含む帯域確認メッセージを受信する手段、
・優先的に中継する通信の識別子を登録するための優先テーブルに登録されている通信識別子で特定される通信と、前記開始されようとする通信との消費帯域の総和Sが、前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定する手段、
・前記S/Uが前記上限値を超えない場合は前記帯域確認メッセージに含まれる通信識別子を前記優先テーブルに登録する手段、
・前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される優先通信データのデータ種別の変更を行い、
変更後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S1が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S1/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、前記判定結果を前記通信管理装置に通知する手段、
・前記判定結果を通知された通信管理装置から、通信確立の通知を受信する手段、
・前記通信確立の通知を受信した場合、当該通知に係る通信であって前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する手段、
本発明では、無線LANなどの一般的な無線通信システムにおいて、システム内部ではなくシステム外部で実質的に優先制御を行う。一般的な無線通信システムは、複数の無線端末と、無線端末と無線ネットワークで接続される無線中継局(中継装置に相当)と、を含む。本発明では、無線端末が行う通信を管理するストリームサーバ(通信管理装置に相当)を、無線通信システムにさらに付加する。このように構成された無線通信システムは、次のように通信の優先制御を行う。
(b)無線中継局は、優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する。
(c)ストリームサーバは、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を無線中継局に送信して優先テーブルへの登録を要求する。
この通信中継方法を用いれば、優先テーブルに登録された通信が優先的に中継される。優先的に中継される通信を、以下優先通信という。無線ネットワークの利用可能帯域のうち、優先通信に割り当てる帯域(以下、優先通信用リソースという)の上限は予め設定しておく。どの通信を優先通信とするかは、どの通信を優先テーブルに登録するかにより決まる。優先テーブルへの通信の登録は、ストリームサーバの要求に応じて行われる。ストリームサーバは、無線端末の通信を管理しており、その全てを優先通信とするよう無線中継局に要求しても良い。逆に、ストリームサーバは、管理している通信の一部についてのみ、優先通信とするよう無線中継局に要求しても良い。
なお、ストリームサーバが登録を要求したにもかかわらず、優先通信用リソースに空きがない場合もある。このように、優先テーブルが一杯で登録されなかった通信については、無線中継局は中継を行わない、非優先通信として中継する、などの処理が可能である。例えば、アプリケーションがIP電話であり、ある無線端末からの発信を無線中継局が中継しない場合には、そのIP電話は話中(ビジー)または圏外などの表示をして利用者に知らせることになる。ストリームサーバが管理する通信以外の通信についてはストリームサーバが関知し得ないので、優先テーブルに登録されようがない。従って優先的に中継されない。
(1)構成
図1は、第1実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。無線通信システムは、少なくとも1つの無線中継局1a,1bと、ストリームサーバ2と、複数の無線端末3a〜dと、を含んでいる。各無線中継局及び各無線端末の機能構成は同一なので、以下では特に区別する必要がある場合を除き、a、b・・・の符号を示さないで記載する。
無線端末3は、無線LANを介して任意の無線中継局1と接続可能である。無線中継局1は、有線LAN4(図2参照)で互いに接続されている。さらに、無線中継局1は、有線LAN4を介してストリームサーバ2と接続されている。
図2は、図1に示す無線通信システムを無線LANに適用した場合の機能構成図である。以下では、説明を容易にするために、ストリームサーバとしてSIPサーバ2を用い、VoIP通信を優先的に中継する例を用いて説明する。
無線中継局1は、以下の要素を有する。各無線中継局1が有する要素の機能は同一なので、以下では特に区別する必要がある場合を除き、a、b・・・の符号を示さないで記載する。
(a)帯域管理部11:帯域管理部11は、優先テーブル111を管理する。優先テーブル111には、優先通信を識別する通信識別子が登録される。帯域管理部11は、SIPサーバ2からの通知に応じ、優先テーブル111の更新を行う。優先テーブル111については、詳細を後述する。
(c)優先順位指示部13:優先順位指示部13は、優先順位に従って優先通信が処理されるよう、無線LANインターフェース15に指示する。
(e)無線LANインターフェース15:無線LANインターフェース15は、無線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。また、無線LANインターフェース15は、優先テーブル111に登録されている通信を、優先順位指示部13が指定した優先順位に従い、無線区間において非優先通信よりも優先的に中継する。優先的に中継する方式としては、従来提案されている方式を利用可能である。例えば、IEEE 802.11eで標準化が議論されているような優先通信方式を用いることができる。
(g)ストリームサーバ通信部17:ストリームサーバ通信部17は、SIPサーバ2との間でのデータの送受信を、優先LANインターフェース16を介して行う。
図3は、優先テーブル111の概念説明図である。優先テーブル111には、優先通信の通信識別子と通信状態とが登録される。通信識別子としては、送信元及び受信先のIPアドレス及びポート番号が用いられる。優先テーブル111に通信識別子を登録するか否かは、下式を満たすか否かにより決まる。
ここで、S:優先テーブル111に登録された通信の消費帯域の総和
U:複数の無線端末3が共有する無線LANの利用可能帯域U
この上限値で定められる無線LANの利用可能帯域が、優先通信用リソースである。この例では、優先テーブル111のエントリ数を決めておき、エントリに空きがあれば優先通信用リソースに空きがあると判断する。エントリ数は、次のようにして決定することができる。
SIPサーバ2は、以下の要素を有する。
(a)接続端末管理部21:接続端末管理部21は、SIPサーバ2が管理する通信を識別する通信識別子を記憶している。通信識別子としては、データストリームの送信元端末及び受信先端末のIPアドレス及びポート番号が挙げられる。
(b)SIPプロトコル制御部22:SIPプロトコル制御部22は、SIPのプロトコルに基づいて、有線LANインターフェース24が送受信する通信データ、この例ではVoIP通信データを制御する。
(d)有線LANインターフェース24:有線LANインターフェース24は、有線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。
[無線端末]
無線端末3は、以下の要素を有する。各無線端末3が有する要素の機能は同一なので、以下では特に区別する必要がある場合を除き、a、b・・・の符号を示さないで記載する。
(b)優先通信判別部32:優先通信判別部32は、無線端末3が実行中の通信のうち、どれが優先通信かを判別する。この判断は、次のように行うことができる。無線端末が実行中のVoIP通信について、通信相手のIPアドレスと、必要であればそのポート番号とを記憶しておく(図示せず)。VoIP通信の開始段階で、開始する通信が優先通信か否かの通知をSIPサーバ2から受信し、記憶しておく(図示せず)。記憶した情報に基づき、送信データのうち優先通信と非優先通信とを区別して優先通信指示部33に渡す。
(d)無線LANインターフェース34:無線LANインターフェース34は、無線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。
(2)処理の流れ
図4は、図2に示す無線LANシステムが行う処理の流れを示す説明図である。説明を容易にするために、複数の無線端末3a、3bは、共に任意の同一の無線中継局1aに接続可能な場合を例にとる。
その後、SIPサーバ2に対して無線端末3aがVoIP端末として機能するように、無線端末3aのIP電話アプリケーション31aは、無線端末3aの情報を通知するRegisterメッセージをSIPサーバ2に送信する(#2)。例えば、無線端末3aのIPアプリケーション31aは、無線端末3aのIPアドレス、ポート番号、無線端末3aを呼び出すための識別子(電話番号、ユーザID、SIPアドレスなど)を、SIPサーバ2に送信する。IP電話ではこの識別子を用いて相手端末を呼び出すため、これらの情報をSIPサーバ2に登録しておき、実際の発信処理のときにSIPサーバ2は識別子に基づいて実際のIPアドレス、ポート番号を通知する。この登録に成功すると、SIPサーバ2から無線端末3aにOKメッセージを送信する(#3)。
このようにして無線端末3a、3bがそれぞれ無線中継局1aにIP接続している状態において、無線端末3aから無線端末3bに対して、VoIP発信する場合を例にとり説明する。
無線端末3aのIP電話アプリケーション31aは、発信メッセージ(Invite)をSIPサーバ2に送信する。優先通信判別部32aではこの通信は優先通信と認識していないので、非優先通信と判断する。優先通信指示部33aは、無線LANインタフェース34aに対して非優先で通信するように指定する。Inviteメッセージは、無線中継局1aの無線LANインタフェース15から有線LANインタフェース16に転送され、有線LAN4を経由してSIPサーバ2に送信される(#7)。SIPサーバ2では、有線LANインタフェース24がInviteメッセージを受信し、SIPプロトコル制御部22に渡す。SIPプロトコル制御部22は、無線端末3aから無線端末3bへの発信であると解釈する。
SIPサーバ2では、この応答メッセージをSIPプロトコル制御部22で解釈する。解釈に基づき、SIPプロトコル制御部22は、外部連携部23を経由して無線中継局1aにコネクションの確立を通知する。この通知を受け、帯域管理部11が優先テーブル111の該当エントリの通信状態を、“通信中”に変更する。これによって無線端末3a、3b間のVoIP通信の全部または一部が、無線区間において優先通信となる(#15)。
この後、無線端末3a、3bの間で通話が開始される。通信されるVoIPパケットは、無線端末3a、3bの優先通信判別部32a、32bや無線中継局1aの優先通信判別部14で優先通信と判断される。それにより、無線端末3a、3b及び無線中継局1aの無線LANインタフェースには、優先通信が指示される。
SIPプロトコル制御部21は、相手側端末である無線端末3bに、無線中継局1a経由でByeメッセージを送信する(#20)。
IP電話アプリケーション31bがByeメッセージを認識し、無線中継局1b経由で応答すると、SIPプロトコル制御部22はこれを解釈する(#201)。
SIPプロトコル制御部22は、さらに応答メッセージを無線中継局1a経由で無線端末3aへ送信し、VoIP通信に関する全ての通信を終了させる(#203)。
以上の処理では、SIPサーバ2からの要求に応じて優先通信が優先テーブル111に登録される。従って、どのような通信を優先させるか、つまり優先制御の方法を変える場合には、SIPサーバ2のアルゴリズムを変えればよい。つまり、既存の無線通信システムにおける無線中継局に優先テーブル111を組み込み、SIPサーバなどのストリームサーバ2を付加することで、容易かつ柔軟に優先制御の方法を変更することができる。この例では、VoIP通信だけを優先制御の対象にしているので、同じ無線端末3からのIPデータであってもVoIP通信のデータ以外は優先制御されない。言い換えれば、ある特定のアプリケーション、例えばIP電話アプリケーションに関連する通信だけを優先的に中継することができる。また、優先通信用リソースを超えない範囲で優先テーブルへの登録を行うため、優先通信同士が競合して品質の劣化を招くことを防止できる。
<第2実施形態>
第1実施形態では優先テーブル111に登録する優先通信の数に上限を設け、優先テーブル111への登録を制限している。別の方法として、各無線端末3が無線通信で消費する帯域(以下、消費帯域という)に基づいて優先通信用リソースの空きの有無を判断する方法がある。また、図5は、第2実施形態に係る無線中継局1、SIPサーバ2、無線端末3の機能構成を示す。第1実施形態と同様の機能を有する要素については、同一の符号を付して示している。第1実施形態との違いは、新たにシグナル管理テーブル112が設けられている点と、優先テーブル113に記憶される情報である。
<第3実施形態>
前記第1及び第2実施形態において、優先テーブル111または優先テーブル113とシグナル管理テーブル112とを、1つのテーブルにまとめることも可能である。
<第4実施形態>
(1)構成
無線端末3が接続する無線中継局1は、無線端末3の移動により変化する。ある無線中継局1aとの間で行っていた優先通信は、移動先の無線中継局1bとの間でも引き続き続行できると好ましい。そのために、優先通信用リソースを、既存者用リソースと移動者のためのゲスト用リソースとに分けておくと良い。ゲスト用リソースを確保することで、移動により接続してくる無線端末3の優先通信用にリソースを確保することができる。
図10は、図9に示す無線通信システムを無線LANに適用した場合の、各要素の機能構成図である。図中、前記第1〜3実施形態と同様の機能は、同一の符号を付して示している。無線中継局1bは、無線中継局1aと同様の機能構成を有している。前述と同様、ストリームサーバ2としてVoIP通信を管理するSIPサーバ2を用い、VoIP通信を優先的に中継する例を用いて説明する。
(a)アクセスポイント管理部51:アクセスポイント管理部51は、接続管理テーブル511を有し、これに基づいて無線端末3と無線中継局1との関係を管理する。
(b)ストリームサーバ制御中継部52:ストリームサーバ制御部52は、SIPサーバ2とデータを送受信する。
(c)有線LANインターフェース53:有線LANインターフェース53は、有線LANの規格に準拠したアクセス制御を行う。
図12は、接続管理テーブル511の概念説明図である。このテーブルは、どの無線端末3がどの無線中継局1に接続しているかを管理する。具体的には、このテーブルには、無線端末3のIPアドレスと、各無線端末3が接続している無線中継局1のIPアドレスと、が記憶されている。これに基づいて、各無線端末3が接続している無線中継局1に対し、優先通信用リソースの空きがあるかを問い合わせることができる。
図13は、図10で示す無線LANシステムにおける処理の流れを示す説明図である。
無線端末3aが起動すると、無線LANインタフェース34aが無線中継局1を探すメッセージを送出する。それに対して接続可能な無線中継局1aが応答する。無線端末3aは、応答した無線中継局1aに接続する(#21)。
無線中継局1aは、APマネージャ5に対し、無線端末3aと無線中継局1aとの情報を通知する(#22)。APマネージャ5のストリームサーバ制御中継部52はこれを受信し、アクセスポイント管理部51に渡す。これにより、無線端末3a及び無線中継局1aの対応が接続管理テーブル511に登録される。なお、無線端末3と無線中継局との関係を登録するタイミングは、この例に限定されない。例えば、無線端末3が無線接続する段階、無線端末3がSIPサーバ2にRegisterメッセージを送信する段階、無線端末3がSIPサーバ2にInviteメッセージを送信する段階などに、無線中継局1がAPマネージャ5に対して登録を行うことができる。
無線端末3bは、無線端末3aと同様にして、無線中継局1bへの接続(#25)、APマネージャ5への登録(#26)及びSIPサーバ2へのRegister(#27、#28)を行う。
このようにして無線端末3a、3bがそれぞれ無線中継局1aにIP接続している状態において、無線端末3aから無線端末3bに対して、VoIP発信する場合を例にとり説明する。
APマネージャ5は、接続管理テーブル511を参照し、無線端末3aが接続される無線中継局1aに対して帯域確認を行う(#31)。
無線中継局1aでは、ストリームサーバ通信部17aが帯域確認メッセージを抽出し、帯域管理部11aに対して優先通信用リソースの空き状況を確認する。帯域管理部11aは、優先テーブル114aを参照し、既存者用リソースに空きがある場合には、通知された通信識別子を優先テーブル114aに書き込む。さらに、帯域管理部11aは、通信状態を“未接続”に設定する。無線中継局1aに帯域の空きがある場合、OKメッセージが無線中継局1aのストリームサーバ通信部17aからAPマネージャ5に返信される(#32)。APマネージャ5は、このOKメッセージを、SIPサーバ2の外部連携部23に返信する(#33)。帯域確認メッセージは、SIPサーバ2が優先通信として選択した通信の識別子を含む。
同様に、SIPサーバ2は、無線端末3bと無線中継局1b間の無線通信のための空きリソースがあるかどうかを、APマネージャ5を介して無線中継局1bに問い合わせ、応答を受信する(#34〜#37)。
Inviteメッセージに対して無線端末3bのユーザが応答すると、無線端末3bのIP電話アプリケーション31bからSIPサーバ2に、無線中継局1bを経由して、OKメッセージが送信される(#42)。
SIPサーバ2のSIPプロトコル制御部22は、さらに有線LANインタフェース24を介し、無線中継局1a経由で無線端末3aに応答メッセージ(OK)を送信する(#45)。応答メッセージには、無線端末3aと無線中継局1aとの間の上下計2本の通信が優先通信か否かの通知を含む。
この後、無線端末3a、3bの間で通話が開始される。通信されるVoIPパケットは、無線端末3a、3bの優先通信判別部32a、32bや無線中継局1a、1bの優先通信判別部14a,14bで優先通信と判断される。それにより、無線端末3a、3b及び無線中継局1aの無線LANインタフェースには、優先通信が指示される。
無線中継局1bのストリームサーバ通信部17bは、無線中継局1aのストリームサーバ通信部17aに対し、無線端末3aに関する情報の移動を要求する(#49)。このときに、情報を要求された無線中継局1aは、ゲスト用リソースが残っていることを確認し、問題がなければ移動要求に対する応答を行う(#50)。また、無線中継局1bは、無線端末3と無線中継局1との対応関係が変更されたので、新たな対応関係をAPマネージャ5に通知する(#51)。
その後、無線中継局1bを介した優先通信が続行される。
VoIP通信を切断するには、無線端末の一方からByeメッセージを送信する。この例では、無線端末3aからByeメッセージを送信する。IP電話アプリケーション31aがByeメッセージを送信すると、無線中継局1bを経由してSIPサーバ2に送信される(#52)。
IP電話アプリケーション31bがByeメッセージを認識し、無線中継局1b経由で応答すると、SIPプロトコル制御部22はこれを解釈する(#54)。
SIPプロトコル制御部22は、外部連携部23を介して無線中継局1bのストリームサーバ通信部17bへ優先通信の終了を通知する。これを受け、無線中継局1bの帯域管理部11bは、該当する優先通信のエントリを優先テーブル114bから削除する(#55)。
SIPプロトコル制御部22は、さらに応答メッセージを無線中継局1b経由で無線端末3aへ送信し、VoIP通信に関する全ての通信を終了させる(#57)。
以上の処理では、無線端末3が移動して接続する無線中継局が変わっても、移動前に行っていた優先通信を移動後に続行することができる。また、各無線中継局では、不要となったリソースを別の優先通信に割り当てるなど、優先通信用リソースを効率よく活用することができる。
前記第1〜4実施形態では、ストリームサーバ2としてSIPサーバを用いる場合を説明した。第5実施形態では、ストリームサーバ2としてユーザ認証サーバを用いる。ユーザ認証サーバ2は、例えば無線端末3がインターネット接続するためにユーザ認証するサーバであり、登録ユーザを記憶している。図14を参照して説明すれば、登録ユーザの無線端末3aからの接続要求があった場合には(#61)、認証サーバ2はアプリケーションの種類に関わらず無線端末3aの通信を優先通信として登録するよう無線中継局1に要求し(#62,#63)、未登録ユーザの無線端末3bからの接続要求についてはアプリケーションの種類に関わらず優先通信不要を無線中継局1に通知することが可能である(#66〜#68)。これにより、例えば無線端末3aと無線中継局1との間の通信は、VoIP通信、HTTP通信などアプリケーションの種類を問わず優先される(#64,#65)。逆に、無線端末3bと無線中継局1との間の通信は、アプリケーションの種類を問わず被優先通信として扱われる(#69,#70)。あるいは、認証サーバ2は、登録ユーザからの接続要求については、VoIP通信、HTTP通信など、全ての通信を優先通信とするよう無線中継局1に要求し、未登録ユーザからの接続要求についてはHTTP通信のみを優先通信に要求することもできる。
(A)前記第1〜4実施形態例において、SIPサーバ2からの優先通信用リソースの有無の問い合わせに対し、無線中継局1はリソースの有無の応答を返している。しかし、データ種別を変更することにより、少ないリソースで優先通信できる場合がある。例えばVoIP通信では、通信する無線端末の能力や利用可能帯域などにより、通信する音声データの種別などを変えることができる。具体的には、VoIP電話では音声データの伝送速度が64kbpsであるG.711という規格の音声データがよく使われている。他方、音声圧縮を行ったG.722(8kbps)など何種類かの規格がある。そこで、無線中継局は、“G.711の帯域が確保できなくてもG.722ならば空きリソースがある”などの応答をすることが可能である。
図15はこのような場合の処理の流れの一例を示す。無線端末3a、3bが無線中継局1に無線接続(#81、#84)及びRegister(#82〜#83、#85〜#86)した後、無線端末3aが音声及び映像の通信を無線中継局1に要求したとする(#87)。SIPサーバ2は無線中継局1に対し、音声及び映像通信の帯域確認を行う(#88)。仮に音声通信だけであれば優先通信が可能な場合、無線中継局1は音声通信についてOKを返す(#89)。これは無線端末3bにも通知される(#90)。同時に無線中継局1はTryingメッセージを無線端末3aに返す(#91)。その後、無線端末3bはSIPサーバ2を介して無線端末3aにRingingメッセージを送信する(#92,#93)。SIPサーバ2は、無線端末3bからのOKを待って(#94)音声についての優先通信を無線中継局1に登録する(#95)。音声通信は優先通信であることが無線端末3aに通知された後(#96)、無線端末3aがSIPサーバ2を介して無線端末3bにACKメッセージを返し(#97,#98)、通信が開始される。通信の終了は、前述と同様である(#99〜#103)。
<付記>
(付記1)
複数の無線端末と、前記無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置と、前記中継装置と有線ネットワークで接続される通信管理装置と、を含む無線通信システムが実行する通信中継方法であって、
前記中継装置は、優先的に中継する通信の識別子を登録した優先テーブルを記憶し、
前記中継装置は、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継し、
前記通信管理装置は、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、前記通信識別子を受信し、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録する、
通信中継方法。
(付記2)
前記中継装置は、前記優先テーブルに登録された通信識別子により特定される通信の数が所定の接続数以下となる範囲で、前記優先テーブルに通信識別子を登録する、付記1に記載の通信中継方法。
(付記3)
前記中継装置は、前記優先テーブルに登録された通信識別子により特定される通信の消費帯域の総和が前記無線ネットワークの利用可能帯域以下となる範囲で、前記優先テーブルに通信識別子を登録する、付記1に記載の通信中継方法。
(付記4)
前記中継装置は、他の中継装置により中継されていた優先通信データの中継を引き継ぐためのゲスト用エントリを、前記優先テーブルに確保している、付記1に記載の通信中継方法。
(付記5)
前記中継装置は、優先的に中継する通信データを特定する通信識別子を、他の中継装置との間で送受信し、その送受信の結果に基づいて前記優先テーブルを更新する、付記4に記載の通信中継方法。
(付記6)
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置と、
前記中継装置と有線ネットワークで接続される通信管理装置と、を含み、
前記中継装置は、
複数の無線端末の通信のうち優先的に中継する通信の識別子を記憶する優先テーブルと、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する中継手段と、
通信識別子を前記通信管理装置から受信し、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録するテーブル管理手段と、を有し、
前記通信管理装置は、通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信を特定する通信識別子を前記中継装置に送信する、
通信中継システム。
(付記7)
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置に、有線ネットワークで接続される通信管理装置であって、
通信開始要求を任意の無線端末から受信し、開始されようとする通信の識別子及び前記通信の優先的な中継に対する要求を、前記中継装置に送信する要求手段と、
前記要求に対する応答を前記中継装置から受信する受信手段と、
前記応答内容に応じた通知を、前記無線端末に送信する通知手段と、
を有する通信管理装置。
(付記8)
複数の無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置であって、
前記無線端末の通信を管理する通信管理装置に有線ネットワークを介して接続する接続手段と、
優先的に中継する通信の識別子を登録した優先テーブルを記憶する記憶手段と、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信データを、他の通信データよりも優先的に中継する優先中継手段と、
前記優先テーブルへの通信識別子の登録要求を、前記通信管理装置から受信する要求受信手段と、
前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信の消費帯域の総和Sが前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で、受信した通信識別子を前記優先テーブルに登録する優先テーブル更新手段と、
を有する中継装置。
2:ストリームサーバ
3:無線端末
4:有線ネットワーク
5:APマネージャ
Claims (10)
- 無線端末と無線ネットワークで接続され、通信管理装置と有線ネットワークで接続される通信中継システムが実行する通信中継方法であって、
前記無線端末からの通信開始要求を受信した前記通信管理装置から、当該通信開始要求により開始されようとする通信を特定する通信識別子を含む帯域確認メッセージを受信し、
優先的に中継する通信の識別子を登録するための優先テーブルに登録されている通信識別子で特定される通信と、前記開始されようとする通信との消費帯域の総和Sが、前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記S/Uが前記上限値を超えない場合は前記帯域確認メッセージに含まれる通信識別子を前記優先テーブルに登録し、
前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される優先通信データのデータ種別の変更を行い、
変更後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S1が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S1/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記判定結果を前記通信管理装置に通知し、
前記判定結果を通知された前記通信管理装置から、通信確立の通知を受けて、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する、
通信中継方法。 - 前記通信管理装置と任意の無線端末との通信のうち、優先的に中継する通信の識別子をシグナル管理テーブルに登録し、前記シグナル管理テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する、
請求項1に記載の通信中継方法。 - 他の通信中継システムにより中継されていた優先通信データの中継を引き継ぐためのゲスト用エントリを、前記優先テーブルに確保している、
請求項1に記載の通信中継方法。 - 前記他の通信中継システムを介して前記優先通信データの通信を行っている無線端末から接続要求を受信すると、前記優先通信データの中継の引き継ぎを前記他の通信中継システムに要求し、
前記他の通信中継システムは、
前記要求に応じて、前記通信中継システムの前記ゲスト用エントリの空きを確認し、空きがある場合は前記優先通信データに関する情報を前記通信中継システムに送信し、
前記通信中継システムは、
前記優先通信データに関する情報を前記ゲスト用エントリに登録する、
請求項3に記載の通信中継方法。 - 前記通信管理装置は、
通信を許可する登録ユーザを記憶しており、前記任意の無線端末からの通信開始要求が未登録ユーザからの通信開始要求である場合には、前記任意の無線端末の通信を非優先通信とするための優先通信不要メッセージを前記通信中継システムに通知する、
請求項1に記載の通信中継方法。 - 前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される複数の異なる形式のデータの合成により構成される優先通信データに対して、少なくとも1の形式のデータを前記優先通信データから削除し、
前記削除後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S2が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S2/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記判定結果を前記通信管理装置に通知する、
請求項1に記載の通信中継方法。 - 前記通信管理装置は、前記接続要求に対して通信可能を示す応答メッセージを、前記相手方の無線端末から受信した場合に、前記通信中継システムに前記通信の確立を通知するのに加えて、前記確立した通信が優先通信であることを示す応答メッセージを、前記通信開始要求の送信元の無線端末にさらに送信し、
前記通信開始要求の送信元の無線端末は、前記相手方の無線端末に前記確立した通信が優先通信であることを示す応答メッセージを送信する、
請求項1に記載の通信中継方法。 - 無線端末と無線ネットワークで接続され、通信管理装置と有線ネットワークで接続される通信中継システムであって、
前記無線端末からの通信開始要求を受信した通信管理装置から、当該通信開始要求により開始されようとする通信を特定する通信識別子を含む帯域確認メッセージを受信する手段と、
優先的に中継する通信の識別子を登録するための優先テーブルに登録されている通信識別子で特定される通信と、前記開始されようとする通信との消費帯域の総和Sが、前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定する手段と、
前記S/Uが前記上限値を超えない場合は前記帯域確認メッセージに含まれる通信識別子を前記優先テーブルに登録する手段と、
前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される優先通信データのデータ種別の変更を行い、
変更後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S1が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S1/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記判定結果を前記通信管理装置に通知する手段と、
前記判定結果を通知された前記通信管理装置から、通信確立の通知を受けて、前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する手段と、
を有する通信中継システム。 - 無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置であって、
前記無線端末の通信を管理する通信管理装置にネットワークを介して接続する接続手段と、
前記接続手段により接続された通信管理装置から、開始されようとする通信を特定する通信識別子を含む帯域確認メッセージを受信する手段と、
優先的に中継する通信の識別子を登録するための優先テーブルに登録されている通信識別子で特定される通信と、前記開始されようとする通信との消費帯域の総和Sが、前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定する手段と、
前記S/Uが前記上限値を超えない場合は前記帯域確認メッセージに含まれる通信識別子を前記優先テーブルに登録する手段と、
前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される優先通信データのデータ種別の変更を行い、
変更後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S1が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S1/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記判定結果を前記通信管理装置に通知する手段と、
前記判定結果を通知された通信管理装置から、通信確立の通知を受信する手段と、
前記通信確立の通知を受信した場合、当該通知に係る通信であって前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する手段と、
を有する中継装置。 - 無線端末と無線ネットワークで接続される中継装置に用いられるプログラムであって、
前記無線端末の通信を管理する通信管理装置にネットワークを介して接続する接続手段、
前記接続手段により接続された通信管理装置から、開始されようとする通信を特定する通信識別子を含む帯域確認メッセージを受信する手段、
優先的に中継する通信の識別子を登録するための優先テーブルに登録されている通信識別子で特定される通信と、前記開始されようとする通信との消費帯域の総和Sが、前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定する手段、
前記S/Uが前記上限値を超えない場合は前記帯域確認メッセージに含まれる通信識別子を前記優先テーブルに登録する手段、
前記S/Uが前記上限値を超える場合、前記通信開始要求に基づいて送受信される優先通信データのデータ種別の変更を行い、
変更後の優先通信データによる通信を含む消費帯域の総和S1が前記無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S1/Uが所定の上限値を超えるか否かを判定し、
前記判定結果を前記通信管理装置に通知する手段、
前記判定結果を通知された通信管理装置から、通信確立の通知を受信する手段、及び
前記通信確立の通知を受信した場合、当該通知に係る通信であって前記優先テーブルに登録された通信識別子で特定される通信を、他の通信よりも優先的に中継する手段、
として前記中継装置を機能させることを特徴とするプログラム。
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