(実施形態1)
以下に、本発明に係る呼制御装置を備えた本発明に係る呼制御システムを、その実施形態1を示す図面に基づいて詳述する。図1は実施形態1に係る呼制御システムの構成例を示す模式図である。本実施形態1の呼制御システム100は、例えばVoWLAN等のネットワーク(IPネットワーク)L、ネットワークLに接続された呼制御装置3、ネットワークLに接続された複数の無線アクセスポイント(以下、無線APという)2,2…、ネットワークL及び無線AP2,2…を介して他の端末装置1との間で通信を行なう端末装置1,1…等により構成される。
なお、本実施形態1では、ネットワークLを介した通信のみを行なう端末装置1を用いる構成について説明するが、ネットワークLを介した通信だけでなく、例えばFOMA網のような公衆電話回線網を介した通信も行なえるように構成された端末装置(FMC(Fixed Mobile Convergence)端末)を用いることもできる。
端末装置1は、ネットワークLを介した無線通信が可能に構成されており、最寄りの無線AP2との間で無線通信を行なう。端末装置1が無線AP2及びネットワークLを介して他の端末装置1に発呼(発信)した場合、呼制御装置3は、発信側の端末装置1から通話要求を示すパケットを受信し、受信したパケットに基づいて、発信側(掛け手側)の端末装置1の電話番号と、受信側(受け手側)の端末装置1の電話番号とを取得する。そして、呼制御装置3は、受信側の端末装置1へ、発信側の端末装置1からの着信があることを通知するパケットを送信する。
受信側の端末装置1は、発信側の端末装置1からの着信があることを通知するパケットを呼制御装置3から受信した場合、着信音を鳴動させると共に、発信側の端末装置1の電話番号及び発信側の端末装置1からの着信があることを通知するメッセージを表示部17(図2参照)に表示させる。これにより、受信側の端末装置1は、自身の所有者に着信があることを通知することができる。受信側の端末装置1の所有者は、着信が通知された場合、操作部16(図2参照)を操作することにより応答する。呼制御装置3は、受信側の端末装置1からの応答があった場合、発信側の端末装置1と受信側の端末装置1との呼接続を確立する。これにより、発信側の端末装置1と受信側の端末装置1との間で、それぞれ最寄りの無線AP2,2及びネットワークLを介した通信を開始することができる。
本実施形態1の呼制御システム100は、複数の端末装置1,1…をグループ毎に予め登録しておき、1つの端末装置1(代表番号)に着信があった場合、同じグループ内の他の端末装置1によって応答することが可能なグループ着信機能を備えている。なお、グループ着信機能の詳細については後述する。
なお、図示していないが、ネットワークLは、インターネットに接続されており、インターネットを介して、インターネットに接続された他のネットワークにも接続されている。従って、端末装置1は、インターネットを介して、他のネットワークを介した無線通信を行なう端末装置1との間でも通信を行なうことができる。この場合も、呼制御装置3は、ネットワークL及びインターネットを介して発呼してきた端末装置1から受信したパケットに基づいて、発信側の端末装置1の電話番号と、受信側の端末装置1の電話番号とを取得し、受信側の端末装置1へ、発信側の端末装置1からの着信があることを通知するパケットを送信する。
また、端末装置1,1…は、自身を中心とした所定範囲内に存在する最寄りの無線AP2との間で無線通信が可能であり、所定範囲内に無線AP2が存在しない場合、ネットワークLの圏外となってネットワークLを介した通信を行なえない。
図2は実施形態1に係る端末装置1及び無線AP2の構成例を示すブロック図である。本実施形態1の端末装置1は、制御部10、ROM11、RAM12、メモリ部13、無線通信部14、音声回路部15、操作部16、表示部17等を備えており、これらのハードウェア各部はバス1aを介して相互に接続されている。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等で構成され、所定のタイミングに従って、ROM11又はメモリ部13に予め記憶してある制御プログラムを適宜RAM12に読み出して実行すると共に、上述したハードウェア各部の動作を制御する。ROM11には、端末装置1を本発明の呼制御システム100に利用できる端末装置として動作させるために必要な種々の制御プログラムが予め格納されている。RAM12はSRAM又はフラッシュメモリ等で構成されており、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
メモリ部13はフラッシュメモリのような不揮発性のメモリである。メモリ部13には、端末装置1を本発明の呼制御システム100に利用できる端末装置として動作させるために必要な種々の制御プログラム、着信音データ(着信メロディ)等が予め格納されている。また、メモリ部13には、自身の端末装置1に関する情報として、端末装置1の電話番号、端末装置1の所有者の氏名等も格納されている。
無線通信部14は、ネットワークLを介した無線通信のために電波の送受信を行なうアンテナ14aに接続されており、制御部10からの指示に従ってアンテナ14aを介して、最寄りの無線AP2との接続を確立する。なお、端末装置1を中心とした所定範囲内に無線AP2が存在しない場合、端末装置1はネットワークLを介した通信を行なうことができない。
操作部16は、所有者(ユーザ)が端末装置1を操作するために必要な各種の操作キーを備えている。ユーザにより各操作キーが操作された場合、操作部16は操作された操作キーに対応した制御信号を制御部10へ送出し、制御部10は取得した制御信号に対応した処理を実行する。
表示部17は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)で構成され、制御部10からの指示に従って、端末装置1の動作状況、操作部16を介して入力された情報、所有者(ユーザ)に対して通知すべき情報等を表示する。
音声回路部15には、マイク15a及びスピーカ15bが接続されている。マイク15aは、端末装置1が電話機として使用される際にユーザ(所有者)が発話した音声を集音して音声回路部15へ伝送する。スピーカ15bは、端末装置1が電話機として使用される際に着信音及び発信者(通話先)からの通話音を出力する。
音声回路部15は、A/D変換器(図示せず)を有する。音声回路部15は、マイク15aが集音して得られたアナログの音声信号に対してA/D変換処理を行なってデジタルの音声信号を生成し、得られたデジタルの音声信号を無線通信部14へ送出する。なお、無線通信部14は、音声回路部15から送出されたデジタルの音声信号を音声パケットに変換し、得られた音声パケットをアンテナ14aを介して通話相手の端末装置1へ送信する。
また、音声回路部15は、制御部10からの指示に従って、メモリ部13から読み出された着信音データに基づく着信音をスピーカ15bに出力させる。また、音声回路部15は、D/A変換器(図示せず)を有し、制御部10からの指示に従って、無線通信部14によって通話相手の端末装置1から受信したデジタルの音声信号に対してD/A変換処理を行なってアナログの音声信号を生成し、得られた音声信号に基づく通話音をスピーカ15bに出力させる。
なお、無線通信部14は、ネットワークLから受信した音声パケットをデジタルの音声信号に変換し、得られたデジタルの音声信号を音声回路部15へ送出する。
上述した構成により、端末装置1は、ネットワークLを介して通話相手の端末装置1との間で通信を行なうことができる。なお、端末装置1は、音声パケットだけでなく、映像信号を変換して生成した映像パケット、データ信号を変換して生成したデータパケット等の送受信も行なうことができる。
本実施形態1の無線AP2は、制御部20、ROM21、RAM22、メモリ部23、無線通信部24、通信部25等を備えており、これらのハードウェア各部はバス2aを介して相互に接続されている。
制御部20は、CPU又はMPU等で構成され、所定のタイミングに従って、ROM21又はメモリ部23に予め記憶してある制御プログラムを適宜RAM22に読み出して実行すると共に、上述したハードウェア各部の動作を制御する。ROM21には、無線AP2として動作させるために必要な種々の制御プログラムが予め格納されている。RAM22はSRAM又はフラッシュメモリ等で構成されており、制御部20による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
メモリ部23はフラッシュメモリのような不揮発性のメモリである。メモリ部23には、無線AP2として動作させるために必要な種々の制御プログラム、図3(a)に示すような端末管理テーブル23a、図3(b)に示すような帯域管理テーブル23b等が予め格納されている。また、メモリ部23には、自身の無線AP2に関する情報として、無線AP2に割り当てられたIPアドレス等も格納されている。
無線通信部24は、端末装置1,1…との無線通信のために電波の送受信を行なうアンテナ24aに接続されており、制御部20からの指示に従ってアンテナ24aを介して、無線AP2を中心とした所定範囲内の端末装置1,1…との接続を確立する。通信部25は、ネットワークLを介した通信を行なうための接続部であり、制御部20からの指示に従ってネットワークLを介してデータの送受信を行なう。
図3は無線AP2のメモリ部23に記憶されている各テーブルの登録内容を示す模式図である。なお、図3(a)には端末管理テーブル23aを、図3(b)には帯域管理テーブル23bをそれぞれ示している。
図3(a)に示すように、端末管理テーブル23aには、無線AP2を中心とした所定範囲内、具体的には無線AP2との無線通信が可能なエリア内に存在する端末装置1,1…に割り当てられたIPアドレスが登録されている。
端末管理テーブル23aの登録内容は、各端末装置1,1…が無線AP2との無線通信が可能なエリア内に入り、無線AP2との通信が開始される都度、制御部20によって登録される。また、制御部20は、各端末装置1,1…が無線AP2との無線通信が可能なエリア外へ出たことによって、各端末装置1,1…との通信が所定時間以上途絶えた場合に、この端末装置1,1…のIPアドレスを端末管理テーブル23aから消去する。
図3(b)に示すように、帯域管理テーブル23bには、各通信帯域を予約したグループ(管理ID)又は端末1,1…のID、若しくは予約が確定した端末装置1,1…のIPアドレスに対応付けて、無線AP2と通信する際に必要な通信帯域の大きさと、予約状況とが登録されている。なお、通信帯域の大きさの欄には、各端末装置1,1…が通信する際に必要な通信帯域の大きさが個別に登録され、予約状況の欄には、各端末装置1,1…が通信に要する帯域が予約された場合には「予約」が、予約された通信帯域を利用した通信が開始された場合には「確定」がそれぞれ登録される。帯域管理テーブル23bの登録内容は、呼制御装置3からの指示に従って制御部20が各端末装置1,1…における通信帯域の予約及び確定を行なう都度、制御部20によって登録される。
図4は実施形態1に係る呼制御装置3の構成例を示すブロック図である。本実施形態1の呼制御装置3は、制御部30、ROM31、RAM32、メモリ部33、ネットワークLを介した通信を行なうための通信部34等を備えており、これらのハードウェア各部はバス3aを介して相互に接続されている。
制御部30は、CPU又はMPU等で構成され、所定のタイミングに従って、ROM31又はメモリ部33に予め記憶してある制御プログラムを適宜RAM32に読み出して実行すると共に、上述したハードウェア各部の動作を制御する。ROM31には、呼制御サーバ3を本発明の呼制御装置として動作させるために必要な種々の制御プログラムが予め格納されている。RAM32はSRAM又はフラッシュメモリ等で構成されており、制御部30による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
メモリ部33はフラッシュメモリのような不揮発性のメモリである。メモリ部33には、呼制御装置3を本発明の呼制御装置として動作させるために必要な種々の制御プログラム、図5(a)に示すようなグループテーブル33a、図5(b)に示すような電番・IP対応テーブル33b、図5(c)に示すような端末・AP紐付けテーブル33c、図5(d)に示すような呼出端末管理テーブル33d等が予め格納されている。
図5は呼制御装置3のメモリ部33に記憶されている各テーブルの登録内容を示す模式図である。なお、図5(a)にはグループテーブル33aを、図5(b)には電番・IP対応テーブル33bを、図5(c)には端末・AP紐付けテーブル33cを、図5(d)には呼出端末管理テーブル33dをそれぞれ示している。
図5(a)に示すように、グループテーブル(グループ記憶手段)33aには、各グループ毎に、グループID(代表番号)と、各グループに含まれる端末装置1,1…に割り当てられた電話番号(装置情報)とが登録されている。なお、図5(a)では端末装置1,1…の電話番号が登録されている例を示しているが、電話番号に限られず、端末装置1,1…を識別できる情報であればよい。グループテーブル33aの登録内容は、呼制御システム100の管理者又はユーザが、呼制御装置3の操作部(図示せず)又はネットワークLに接続されたコンピュータ(図示せず)等を介して各グループの情報を追加又は修正する都度、制御部30によって追加又は修正される。
図5(b)に示すように、電番・IP対応テーブル33bには、呼制御システム100の利用が可能な端末装置1,1…毎に、端末装置1,1…に割り当てられた電話番号と、端末装置1,1…に割り当てられたIPアドレスとが対応付けて登録されている。なお、図5(b)では端末装置1,1…の電話番号が登録されている例を示しているが、電話番号に限られず、端末装置1,1…を識別できる情報であればよい。電番・IP対応テーブル33bの登録内容は、各無線AP2,2…から各端末装置1,1…の情報を受信する都度、IPアドレスが更新され、呼制御システム100の管理者が、呼制御装置3の操作部(図示せず)又はネットワークLに接続されたコンピュータ(図示せず)等を介して、呼制御システム100の利用が可能な端末装置1,1…の情報を追加又は修正する都度、制御部30によって電話番号が追加又は削除される。
図5(c)に示すように、端末・AP紐付けテーブル33cには、呼制御システム100の利用が可能な端末装置1,1…のIPアドレスに対応付けて、各端末装置1,1…の最寄りの無線AP2のIPアドレスが登録されている。端末・AP紐付けテーブル33cの登録内容は、各無線AP2,2…から、各無線AP2,2…と無線通信が可能なエリア内の各端末装置1,1…の情報を受信する都度、制御部30によって追加又は修正される。
図5(d)に示すように、呼出端末管理テーブル(予約情報記憶手段)33dには、1つの端末装置1(代表番号)に対する着信があった場合に、この代表番号と同じグループに属する各端末装置1,1…毎に、端末装置1,1…が属するグループのグループID(代表番号)と、端末装置1,1…のIPアドレスと、端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレスと、端末装置1,1…が通信に要する帯域の予約状況を示す予約情報とが対応付けて登録されている。なお、予約情報の欄には、各端末装置1,1…が通信に要する帯域を予約できた場合には「OK」が、予約できなかった場合には「帯域不足」が、各端末装置1,1…が通話中の場合には「通話中」がそれぞれ登録される。呼出端末管理テーブル33dの登録内容は、端末装置1,1…から通話の要求を受け付ける都度、又は、無線AP2,2…が行なう通信帯域の予約処理の結果を無線AP2,2…から受信する都度、制御部30によって登録される。
以下に、上述した構成の呼制御システム100において、呼制御装置3の制御部30がROM31又はメモリ部33に格納されている制御プログラムを実行することによって実現される機能、及び無線AP2の制御部20がROM21又はメモリ部23に格納されている制御プログラムを実行することによって実現される機能について説明する。図6は実施形態1に係る呼制御装置3及び無線AP2の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態1の呼制御装置3において、制御部30は、ROM31又はメモリ部33に格納されている制御プログラムを実行することによって、呼制御部40、グループ処理部41、電番IP交換部42、呼出管理部43、帯域予約指示部50、端末・AP紐付け部51等の各機能を実現する。また、呼出管理部43は、開始制御部44、応答制御部45、終了制御部46、中断制御部47、リトライ部48、予約結果登録部49等を含む。
また、本実施形態1の無線AP2において、制御部20は、ROM21又はメモリ部23に格納されている制御プログラムを実行することによって、パケット転送部27、帯域管理部28、端末管理部29等の各機能を実現する。
呼制御装置3の呼制御部40は、発信側の端末装置1が発呼した場合、ネットワークL及び無線AP2を介して発信側の端末装置1から通話要求(呼接続の要求)を示すパケットを受信し、着信に対して応答があった場合、無線AP2を介して応答要求を示すパケットを受信し、呼出中の通話が発信側のユーザからキャンセルされた場合、発信側の端末装置1から発呼キャンセルを示すパケットを受信し、通話が終了された場合、無線AP2を介して通話切断を示すパケットを受信する。
呼制御部40は、発信側の端末装置1から通話要求を受信した場合、受信したパケットに基づいて、発信側の端末装置1の電話番号と、受信側の端末装置1の電話番号とを取得する。また、呼制御部40は、グループ処理部41、電番IP交換部42、呼出管理部43等を適切に制御することにより、受け付けた通話要求に対応して、受信側(着信側)の端末装置1が応答するための通信帯域の予約を指示する予約指示処理、受信側の端末装置1を呼び出す呼出処理、呼出処理に対して1つの端末装置1が応答した場合の応答処理、発信側の端末装置1及び応答してきた端末装置1間の呼接続の確立処理等の各処理を実行する。
グループ処理部41は、呼制御部40が取得した受信側の端末装置1の電話番号(識別情報)がグループ処理の対象であるか否かを、グループテーブル33aのグループIDの欄に受信側の端末装置1の電話番号が存在するか否かで判定し、グループに属する端末装置1,1…の電話番号(装置情報)をグループテーブル33aから取得する。
電番IP交換部42は、呼制御部40を介して、グループID及びこのグループIDのグループに属する端末装置1,1…の電話番号を取得する。電番IP交換部42は、電番・IP対応テーブル33bの登録内容に基づいて、グループ処理部41が取得した端末装置1,1…の電話番号を、それぞれ対応するIPアドレスに変換する。
呼出管理部43は、呼制御部40を介して、グループID及び電番IP交換部42が変換した各端末装置1,1…のIPアドレスを取得する。呼出管理部43は、まず開始制御部44によって、取得したグループID及び各端末装置1,1…のIPアドレスを呼出端末管理テーブル33dに登録する。なおこの時点では、呼出端末管理テーブル33dの無線APのIPアドレス及び予約情報の欄には何も登録されない。
開始制御部44は、呼出端末管理テーブル33dに登録されたグループ毎に、帯域予約指示部50に、各端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行を指示する。帯域予約指示部50には端末・AP紐付け部51が接続されている。端末・AP紐付け部51は、呼出端末管理テーブル33dに登録された各グループの端末装置1,1…のIPアドレスを、端末・AP紐付けテーブル33cの端末装置のIPアドレスの欄から検索し、各端末装置1,1…に対応する無線AP2,2…のIPアドレスを取得する。
帯域予約指示部(予約依頼手段)50は、端末・AP紐付け部51が取得した各端末装置1,1…に対応する無線AP2,2…、具体的には、各端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレスに基づいて、無線AP2,2…毎に、各無線AP2,2…の帯域管理部28に対して、各端末装置1,1…が通信を行なうために必要な通信帯域の予約処理の実行を指示(依頼)する。
無線AP2,2…の帯域管理部28は、帯域予約指示部50から通信帯域の予約処理の実行を指示された場合、帯域予約指示部50から取得した各端末装置1,1…のIPアドレスに基づいて、各端末装置1,1…との間で所定のパケットの送受信を行ない、各端末装置1,1…と通信するために必要な通信帯域を検出する。また、帯域管理部28は、端末装置1,1…毎に、各端末装置1,1…に対応して検出した通信帯域の予約処理を行なう。
具体的には、帯域管理部28は、1つのグループ着信に含まれる各端末装置1,1…に対して検出した通信帯域のうちで最大の通信帯域を特定し、特定した最大の通信帯域を確保できるか否かを判断する。そして、帯域管理部28は、確保できると判断した場合、通信帯域の予約が成功したとして、全ての端末装置1,1…のIPアドレスのそれぞれと、それぞれの端末装置1,1…が通信に要する通信帯域とに対応付けて、予約状況(「予約」)を帯域管理テーブル23bに登録する。
また、帯域管理部28は、特定した最大の通信帯域を確保できないと判断した場合、このグループ着信に含まれる各端末装置1,1…に対して検出した通信帯域のうちで次に大きい通信帯域を特定し、特定した通信帯域を確保できるか否かを判断する。そして、帯域管理部28は、確保できると判断した場合、この通信帯域の予約が成功したとして、この通信帯域以下の通信帯域を要する端末装置1,1…のIPアドレスのそれぞれと、それぞれの端末装置1,1…が通信に要する通信帯域と、予約状況(「予約」)とを対応付けて帯域管理テーブル23bに登録する。なお、この場合、無線AP2は、この通信帯域よりも大きい通信帯域の予約は失敗したとして、帯域管理テーブル23bへの登録は行なわない。
なお、予約する通信帯域の大きさを表わすひとつの表現としては、単位時間当たりに占有する「kbps」を単位とする通信量で表わす方法がある。予約する通信帯域の大きさを求めるひとつの方法は、発信者からの通信開始要求に含まれる通信のコーデック情報から、通信に使う通信帯域を求め、外部の通信環境によってそれを補正する方法である。また、帯域予約の成功と失敗は、特開2005−80157号公報に記載された方法で定めることができる。この方法は、予約・確定した帯域Sが無線ネットワークの利用可能帯域Uに対して占める割合S/Uが所定の上限値を超えない範囲で帯域の予約を行なう方法である。
上述したように、各無線AP2,2…において、1つのグループ着信について、それぞれの端末装置1,1…に対して必要な通信帯域が大きい順に通信帯域の予約を行なうことにより、1回の予約処理によって通信帯域を予約できる端末装置1,1…の数を効率よく増やすことができる。なお、着信に対して応答できるのは1つの端末装置1だけであり、同じ無線AP2,2…のエリア内において、より大きい通信帯域を予約できた場合、より多くの端末装置1,1…が着信に対して応答できるようになるので、着信に対して応答できる可能性を高めることができる。
帯域管理部28は、帯域管理テーブル23bに登録された各端末装置1,1…のIPアドレスを、通信帯域の予約に成功した端末装置1,1…のIPアドレスとし、帯域管理テーブル23bに登録されなかった各端末装置1,1…のIPアドレスを、通信帯域の予約に失敗した端末装置1,1…のIPアドレスとし、通信帯域の予約処理の結果を帯域予約指示部50へ通知する。なお、無線AP2,2…の端末管理部29は、自身の無線AP2との無線通信が可能なエリア内に、各端末装置1,1…が侵入し、IPアドレスを取得する等に用いる所定のパケットを送受信し、新たな端末装置1との通信が開始された場合、この端末装置1のIPアドレスを端末管理テーブル23aに追加し、端末管理テーブル23aに登録されている各端末装置1,1…と所定時間以上通信が行なわれない場合、この端末装置1のIPアドレスを消去する。
また、帯域管理部28は、通信帯域の予約処理の対象である端末装置1,1…が現在通話中であるか否かを検出することができ、通信帯域の予約処理の結果を帯域予約指示部50へ通知する際に、処理対象の端末装置1が通話中である場合、その旨も帯域予約指示部50へ通知する。帯域予約指示部50は、各無線AP2,2…の帯域管理部28による通信帯域の予約処理の結果及び各端末装置1,1…が通話中である旨を受信した場合、受信した予約結果及び通話中である旨を予約結果登録部49へ通知する。
開始制御部44は、帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…から受信した情報に基づいて、通信帯域の予約が成功した端末装置1が有るか否かを判断し、通信帯域の予約が成功した端末装置1が有る場合、予約結果登録部49によって、帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…から受信した情報を、各無線AP2,2…のIPアドレスと共に呼出端末管理テーブル33dの予約情報及び無線APのIPアドレスの欄にそれぞれ登録する。具体的には、予約結果登録部49は、通信帯域の予約が成功した端末装置1,1…に対応する予約情報の欄に「OK」を登録し、通信帯域の予約が失敗した端末装置1,1…に対応する予約情報の欄に「帯域不足」を登録する。また、予約結果登録部49は、通話中の端末装置1,1…に対応する予約情報の欄には「通話中」を登録する。
予約結果登録部49によって呼出端末管理テーブル33dの予約情報が登録された場合、開始制御部44は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1,1…のIPアドレス及びこの端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレスを呼制御部40へ通知する。呼制御部(呼出手段)40は、通知された無線AP2,2…を介して各端末装置1,1…に対する呼出処理を実行する。具体的には、呼制御部40は、各無線AP2,2…を介して各端末装置1,1…に、発信側の端末装置1からの着信があることを通知するパケットを送信し、着信がある旨を通知する。呼制御装置3によって呼出処理が行なわれた端末装置1,1…は、着信音をスピーカ15bから出力し、所有者に着信がある旨を通知する。
一方、開始制御部44は、帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…から受信した情報に基づいて、通信帯域の予約が成功した端末装置1が無いと判断した場合、その旨を呼制御部40へ通知する。呼制御部40は、通信帯域を予約できた端末装置1が無い旨を通知された場合、発信側の端末装置1に対して帯域不足のために通信できない旨を通知するためのパケットを送信し、発信側の端末装置1との通信を終了する。なお、通信帯域の予約が成功した端末装置1が無い場合、このグループに対する呼出処理及びこの着信に対する呼接続は行なわれないので、開始制御部44は、このグループのグループIDに対応して呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去する。
なお、上述した処理では、通信帯域の予約が成功した端末装置1が無い場合、呼制御部40が、発信側の端末装置1に対して帯域不足のために通信できない旨を通知するためのパケットを送信した後、発信側の端末装置1との通信を終了するので、発信側の端末装置1では、帯域不足のために通信できない旨のメッセージが出力された後、通信が遮断されてしまい、発信側のユーザに不快感を与える虞がある。従って、例えば、受信側の端末装置1又はこの端末装置1が属するグループに対して、帯域不足の際には自動的に所定の端末装置1へ転送するように設定しておくことが考えられる。
この場合、呼制御部40は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1が無い旨を通知された時点で所定の端末装置1への転送処理を実行すればよい。また、帯域不足の際には留守番電話機能に切り替えるように設定しておくことも可能であり、この場合、呼制御部40は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1が無い旨を通知された時点で留守番電話機能の動作を開始すればよい。
上述したように本実施形態1の呼制御装置3は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1が1台も無い場合に、発信側の端末装置1に対して帯域不足のために通信できない旨を通知するためのパケットを送信し、発信側の端末装置1との通信を終了する。
しかし、例えば、各グループにおいて呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1が所定数以下である場合に呼出処理を行なわない構成とすることもできる。この場合、呼出対象の端末装置1,1…が少なく、着信に対して応答できる可能性が低いので、通信帯域の予約が成功した端末装置1,1…に対しても呼出処理を行なわず、この着信に対する呼接続を行なわないことにより、この呼接続に必要であった通信帯域を他の呼接続に開放することができる。従って、例えば、他の着信に対する呼出処理において、このように開放された通信帯域を利用して呼出対象を増やすことができた場合、この他の着信に対して応答できる可能性を高めることができ、呼制御システム100全体としての通話機会のロスを抑制することができる。
一方、無線AP2のパケット転送部27は、呼制御装置3の呼制御部40から送信されてきたパケットを送信先の端末装置1へ転送すると共に、各端末装置1,1…から送信されてきたパケットを呼制御装置3の呼制御部40へ転送する。また、帯域管理テーブル23bに「確定」と登録された端末装置1に対して送受信されるパケットを優先して転送する。帯域管理テーブル23bに「確定」と登録されていない端末装置1へのパケットは、優先されているパケットが送受信されていない間にだけ送受信することができる。
上述した処理により、本実施形態1の呼制御装置3は、1つの端末装置1(代表番号)に対する着信があった場合、この端末装置1と同じグループに属する端末装置1,1…を呼出対象の候補とし、各端末装置1,1…が通信する際に要する通信帯域を確保(予約)できた場合に呼出対象として呼出処理を行ない、いずれかの端末装置1によって応答できるグループ着信機能を実現する。
呼制御装置3による呼出処理の処理対象となった端末装置1,1…のいずれかのユーザが、操作部16を操作することによって着信に対する応答を行なった場合、端末装置1の制御部10は、最寄りの無線AP2を介して呼制御装置3へ応答要求を送信する。呼制御部40が無線AP2を介して端末装置1から応答要求を受信した場合、呼出管理部43の応答制御部45は、帯域予約指示部50を介して、各無線AP2,2…の帯域管理部28に、応答要求してきた端末装置1に対して予約しておいた通信帯域の予約確定を指示すると共に、応答要求してきた端末装置1以外の端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約キャンセルを指示する。
無線AP2の帯域管理部28は、帯域予約指示部50から通信帯域の予約確定を指示された端末装置1、即ち応答要求してきた端末装置1については、対応する帯域管理テーブル23bの予約情報の欄を「確定」に更新し、この端末装置1に対して予約しておいた通信帯域を確保する。また、帯域管理部28は、帯域予約指示部50から通信帯域の予約キャンセルを指示された端末装置1,1…、即ち応答要求してきた端末装置1以外の端末装置1,1…の情報を帯域管理テーブル23bから消去し、応答要求してきた端末装置1以外の端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約をキャンセルする。
また、呼制御装置3の応答制御部45は、発信側の端末装置1に、着信に対する応答があることを通知するパケットを送信することにより、応答要求してきた端末装置1の電話番号と共に応答がある旨を通知する。これにより、発信側の端末装置1と応答してきた端末装置1との間の呼接続が確立され、通話が開始される。従って、受信側の端末装置1のユーザが着信に対して応答できない場合であっても、同じグループ内の他のユーザが確実に応答することができるので業務効率を向上させることができる。
また、着信に対する応答要求があった場合、グループ着信機能によって呼出対象となっていた各端末装置1,1…に対する呼出処理が不要となるので、応答制御部45は、応答要求してきた端末装置1と同じグループに属する各端末装置1,1…に対する呼出処理の終了を呼制御部40に指示すると共に、このグループのグループIDに対応付けて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去する。
呼接続が確立され、通話中の端末装置1のユーザが、操作部16を操作することによって通話を終了した場合、端末装置1の制御部10は、最寄りの無線AP2を介して呼制御装置3へ通話切断を送信する。呼制御部40が無線AP2を介して端末装置1から通話切断を受信した場合、呼出管理部43の終了制御部46は、帯域予約指示部50を介して、通話切断を送信してきた端末装置1の最寄りの無線AP2の帯域管理部28に、通話切断を送信してきた端末装置1が通信するために占有していた通信帯域の開放を指示する。無線AP2の帯域管理部28は、帯域予約指示部50から通信帯域の開放を指示された場合、通話切断を送信してきた端末装置1について帯域管理テーブル23bに登録されている情報を消去する。これにより、端末装置1が通信(通話)を行なうために占有していた通信帯域が開放される。
グループ着信による呼出処理が開始されている場合に、発信側のユーザが操作部16を操作することによって発呼をキャンセルした場合、端末装置1の制御部10は、最寄りの無線AP2を介して呼制御装置3へ発呼キャンセルを送信する。呼制御部40が無線AP2を介して端末装置1から発呼キャンセルを受信した場合、呼出管理部43の中断制御部47は、帯域予約指示部50を介して、各無線AP2,2…の帯域管理部28に、この端末装置1からの着信に対する呼出対象の端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約キャンセルを指示する。無線AP2,2…の帯域管理部28は、帯域予約指示部50から通信帯域の予約キャンセルを指示された場合、対応する端末装置1,1…の情報を帯域管理テーブル23bから消去する。
また、発呼キャンセルがあった場合、グループ着信機能によって呼出対象となっていた各端末装置1,1…に対する呼出処理が不要となるので、中断制御部47は、受信側(着信側)の端末装置1が属するグループ内の各端末装置1,1…に対する呼出処理の終了を呼制御部40に指示すると共に、このグループのグループIDに対応付けて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去する。
上述したように、呼制御装置3の呼制御部40が、無線AP2,2…を介して、通話中であった端末装置1,1…から通話切断を受信した場合、発信側の端末装置1から発呼キャンセルを受信した場合、呼出中の端末装置1から応答要求を受信した場合、呼出管理部43の各部を制御することによって、各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況が変化する。従って、本実施形態1の呼制御装置3では、呼制御部40は、無線AP2,2…を介して通話切断、発呼キャンセル、応答要求等を受信することによって各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況の変化を検知することができる。
また、呼制御部40は、各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況の変化を検知した場合、その旨をリトライ部48へ通知する。リトライ部(制御手段)48は、呼制御部40から通信帯域の使用状況の変化を通知された場合、呼出端末管理テーブル33dの無線APのIPアドレスの欄に、通信帯域の使用状況が変化した無線AP2のIPアドレスが登録されており、予約情報の欄に「帯域不足」が登録されている端末装置1,1…の情報を読み出し、読み出した情報に基づいて各端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行を帯域予約指示部50に再度指示する。
帯域予約指示部50は、リトライ部48から取得した情報中の無線APのIPアドレスに基づいて、この無線AP2,2…の帯域管理部28に対して、対応する端末装置1が通信を行なうために必要な通信帯域の予約処理の実行を指示する。無線AP2,2…の帯域管理部28は、帯域予約指示部50から取得した端末装置1のIPアドレスに基づいて、端末装置1と通信するために必要な通信帯域を検出し、検出した通信帯域の予約処理を行ない、予約処理の結果を帯域管理テーブル23bに登録すると共に帯域予約指示部50へ通知する。
予約結果登録部49は、帯域予約指示部50を介して無線AP2から受信した情報を呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄に登録し、リトライ部48は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報にOKが新たに登録された端末装置1,1…のIPアドレスを呼制御部40へ通知し、呼制御部40は、通知されたIPアドレスに対応する各端末装置1,1…に対する呼出処理を実行する。
これにより、呼制御部40が通話要求(発呼)を受信した時点では通信帯域の予約を失敗して呼出処理の対象とならなかった端末装置1,1…も、通信帯域に余裕ができ、通信帯域を予約できた時点で呼出対象とすることができる。従って、時時刻刻と変化する通信帯域の使用状況に応じて呼出対象を増やすことができるので、着信に対して応答することができる端末装置1,1…の数を増やすことができる。よって、着信に対して応答できる可能性を高めることができ、通話機会のロスを抑制することができる。
なお、リトライ部48は、呼制御部40から通信帯域の使用状況の変化を通知された場合に、呼出端末管理テーブル33dの登録内容に基づいて、通信帯域の予約処理の実行を帯域予約指示部50に再度指示(リトライ)する。従って、呼制御部40は、通話中であった端末装置1,1…から通話切断を受信した場合、発信側の端末装置1から発呼キャンセルを受信した場合、呼出中の端末装置1から応答要求を受信した場合、上述したように呼出管理部43の各部を制御することによって呼出端末管理テーブル33dの登録内容を消去するので、リトライ部48による不要なリトライを回避することができる。
また、上述したように、呼制御装置3の制御部30は、呼出端末管理テーブル33dにおいて、各端末装置1,1…における通信帯域の予約が成功したか否かを示す予約情報を管理しており、各端末装置1,1…における通信帯域の予約が成功又は失敗する都度、対応する予約情報を更新するので、無線AP2,2…による通信帯域の予約処理が繰り返し行なわれた場合であっても、各端末装置1,1…における通信帯域の予約状況を確実に把握することができる。
以下に、本実施形態1の呼制御システム100において、呼制御装置3が発信側の端末装置1から通信要求を受信した場合に発信側の端末装置1及び応答要求した端末装置1間の呼接続を確立する処理についてフローチャートに基づいて説明する。図7及び図8は呼制御装置3による各種処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、呼制御装置3のROM31又はメモリ部33に記憶してある制御プログラムに従って制御部30によって実行される。
呼制御装置3の制御部30(呼制御部40)は、いずれかの無線AP2を介して発信側の端末装置1から通話要求を受信したか否かを判断しており(S1)、受信していないと判断した場合(S1:NO)、受信するまで通常の動作を行なって待機する。通話要求を受信したと判断した場合(S1:YES)、制御部30は、発信側の端末装置1から受信したパケットに基づいて、発信側の端末装置1の電話番号と、受信側の電話番号とを取得する(S2)。
次に制御部30(グループ処理部41)は、グループ処理を実行し(S3)、受信側の電話番号がグループIDと一致した場合に、グループに属する端末装置1,1…の電話番号をグループテーブル33aから取得する。制御部30(電番IP交換部42)は、電番・IP対応テーブル33bに登録内容に基づいて、グループテーブル33aから取得した各電話番号をそれぞれ対応するIPアドレスに変換する(S4)。
制御部30(呼出管理部43、開始制御部44)は、グループIDと、ステップS4で変換した各端末装置1,1…のIPアドレスとを呼出端末管理テーブル33dに登録する(S5)。制御部(帯域予約指示部50)30は、呼出端末管理テーブル33dに登録された各端末装置1,1…に対応する無線AP2,2…を端末・AP紐付けテーブル33cの登録内容に基づいて特定すると共に、呼出端末管理テーブル33dに登録されたグループ毎に、各端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行をそれぞれ対応する無線AP2,2…に指示する(S6)。
制御部30は、各無線AP2,2…から通信帯域の予約処理の結果を受信したか否かを判断しており(S7)、受信していない場合(S7:NO)、受信するまで待機する。通信帯域の予約処理の結果を受信したと判断した場合(S7:YES)、制御部30は、受信した結果に通信帯域の予約の成功が含まれているか否かに基づいて、呼出処理を実行するか否かを判断する(S8)。
呼出処理を実行すると判断した場合(S8:YES)、制御部30は、無線AP2,2…から受信した予約処理の結果を呼出端末管理テーブル33dに登録し(S9)、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1,1…のIPアドレス及びこの端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレスに基づいて、各無線AP2,2…を介して各端末装置1,1…に対する呼出処理を実行し(S10)、ステップS15へ処理を移行する。
呼出処理を実行しないと判断した場合(S8:NO)、即ち、通信帯域の予約が成功した端末装置1が無い場合、制御部30は、発信側の端末装置1に対して帯域不足のために通信できない旨を通知するためのパケットを送信し(S11)、発信側の端末装置1との通信を終了する(S12)。そして、制御部30は、発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去し(S13)、また、この通話要求に基づいて無線AP2,2…の各帯域管理部28が行なった通信帯域の予約処理の終了を指示し(S14)、ステップS1で受信した通話要求に対する処理を終了する。
制御部30は、ステップS10で実行した呼出処理に対する応答要求を受信したか否かを判断しており(S15)、応答要求を受信したと判断した場合(S15:YES)、応答要求してきた端末装置1に対して予約しておいた通信帯域の予約確定を無線AP2に指示し(S16)、発信側の端末装置1に、着信に対する応答があることを通知するパケットを送信して発信側の端末装置1と応答してきた端末装置1との間の呼接続を確立する(S17)。
また、制御部30は、応答要求してきた端末装置1以外の端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約キャンセルを、それぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S18)、応答要求してきた端末装置1が属するグループ内の各端末装置1,1…に対する呼出処理を終了する(S19)。更に、制御部30は、発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去し(S20)、ステップS1で受信した通話要求に対する処理を終了する。なお、制御部30は、ステップS16,S17の処理と、ステップS18,S19の処理と、ステップS20の処理とを並行して行なってもよい。
ステップS15で応答要求を受信していないと判断した場合(S15:NO)、制御部30は、発信側の端末装置1から発呼キャンセルを受信したか否かを判断する(S21)。発呼キャンセルを受信したと判断した場合(S21:YES)、制御部30は、この発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいてステップS10で呼出対象となった端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約キャンセルを、それぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S22)、ステップS10で呼出対象となった端末装置1,1…に対する呼出処理を終了する(S23)。
また、制御部30は、この発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去し(S24)、ステップS1で受信した通話要求に対する処理を終了する。なお、制御部30は、ステップS22,S23の処理と、ステップS24の処理とを並行して行なってもよい。
ステップS21で発呼キャンセルを受信していないと判断した場合(S21:NO)、制御部30は、いずれかの端末装置1から通話切断を受信したか否かを判断する(S25)。通話切断を受信したと判断した場合(S25:YES)、制御部30は、通話切断を送信してきた端末装置1が通信するために占有していた通信帯域の開放を無線AP2に指示する(S26)。
制御部30は、呼出端末管理テーブル33dの無線APのIPアドレスの欄に、端末装置1からの通話切断を転送してきた無線AP2のIPアドレスが登録されており、予約情報の欄に「帯域不足」が登録されている端末装置1,1…があるか否かに基づいて、通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきであるか否かを判断する(S27)。
通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきであると判断した場合(S27:YES)、制御部30は、ステップS6へ処理を戻し、呼出端末管理テーブル33dの無線APのIPアドレスの欄に、端末装置1からの通話切断を転送してきた無線AP2のIPアドレスが登録されており、予約情報の欄に「帯域不足」が登録されている端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行をそれぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S6)、通信帯域の予約処理をリトライする。
なお、ステップS25で通話切断を受信していないと判断した場合(S25:NO)、及びステップS27で通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきでないと判断した場合(S27:NO)、制御部30は、ステップS15へ処理を戻し、上述した処理を繰り返す。
上述したように、発信側の端末装置1から通話要求があった時点では通信帯域に余裕がなく、通信帯域の予約を失敗して呼出処理の対象とならなかった端末装置1,1…についても、通信帯域の予約処理の指示を無線AP2,2…に対して繰り返し指示することにより、他の通話が終了したことによって通信帯域に余裕ができ、通信帯域を予約できた時点で呼出対象とすることができる。従って、時時刻刻と変化する通信帯域の使用状況に応じて呼出対象を増やすことができるので、着信に対して応答することができる端末装置1,1…の数を増やすことができる。よって、着信に対して応答できる可能性を高めることができ、通話機会のロスを抑制することができる。
上述した実施形態1では、呼制御装置3は、グループ着信機能によって1つの通話要求(着信)に対してグループ内の複数の端末装置1,1…に対する呼出処理を行なっている間に、例えば、通話中(通信中)の端末装置1,1…からの通話切断の受信、他の通話要求に対する発呼キャンセルの受信、他の通話要求に対する応答要求の受信等によって各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況の変化を検知した場合、前記呼出処理の際に行なった通信帯域の予約処理によっては通信帯域を予約できなかった端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理を再度実行するので、予約できていない通信帯域の予約が成功する可能性の高いタイミングで通信帯域の予約処理の指示を再度行なうことができ、通信帯域の予約処理を効率よく行なうことができる構成であった。
しかし、例えば、呼制御装置3の制御部30にタイマを備え、グループ着信機能に基づく呼出処理を行なっている間、タイマによる計時処理に従って定期的に通信帯域の予約処理を繰り返すように構成してもよい。また、各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況の変化を検知するタイミングと、タイマによって所定時間を計時するタイミングとの両方に従って通信帯域の予約処理を繰り返すようにしてもよい。
上述した実施形態1では、端末装置1,1…が通信に必要な帯域の予約処理を各無線AP2,2…の帯域管理部28が行なっていたが、呼制御装置3が行なう構成でもよい。この場合、呼制御装置3は、各無線AP2,2…における帯域管理テーブル23bを管理すると共に、各端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理、呼出処理に対して応答してきた端末装置1に対する通信帯域の予約確定処理等を行なう必要がある。
(実施形態2)
以下に、本発明に係る呼制御装置を備えた呼制御システムを、その実施形態2を示す図面に基づいて詳述する。なお、本実施形態2の呼制御システム100は、上述した実施形態1の呼制御システム100と同様の構成によって実現することができるので、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
上述した実施形態1の呼制御システム100では、無線AP2,2…による通信帯域の予約処理の結果、通信帯域を予約できた端末装置1が1台も無い場合、呼制御装置3は、発信側の端末装置1に対して帯域不足のために通信できない旨を通知するためのパケットを送信し、発信側の端末装置1との通信を終了する構成であった。また、上述した実施形態1の変形例として、発信側の端末装置1との通信を終了するだけでなく、所定の端末装置1への転送、留守番電話機能への切り替え等を行なうことによって帯域不足に対応することはできるが、多少の待ち時間を要しても確実に着信者、又は着信者の付近にいる人に応答して欲しいという発信者の要望に応えることはできなかった。
そこで、本実施形態2の呼制御システム100では、無線AP2,2…による通信帯域の予約処理の結果、通信帯域を予約できなかった端末装置1が有る場合、呼制御装置3は、通信帯域が不足している無線AP2,2…のエリア内において通話中の端末装置1,1…に、帯域が不足している旨を通知するように構成されている。
図9は実施形態2に係る呼制御装置及び無線APの機能構成を示すブロック図である。本実施形態2の呼制御装置3において、制御部30は、ROM31又はメモリ部33に格納されている制御プログラムを実行することによって、呼制御部40、グループ処理部41、電番IP交換部42、呼出管理部43、帯域予約指示部50、端末・AP紐付け部51の各機能のほかに、帯域不足通知部52の機能を実現する。
また、本実施形態2の無線AP2において、制御部20は、ROM21又はメモリ部23に格納されている制御プログラムを実行することによって、パケット転送部27、帯域管理部28、端末管理部29の各機能のほかに、ガイダンス作成部53、ガイダンス挿入部54の各機能を実現する。
なお、本実施形態2では、呼制御部40が発信側の端末装置1から通話要求を受信し、開始制御部44が帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…に通信帯域の予約処理の実行を指示し、帯域予約指示部50が無線AP2,2…から通信帯域の予約処理の結果を受信した場合、予約結果登録部49は、通信帯域の予約が成功した端末装置1が有るか否かに拘わらず、帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…から受信した情報を、各無線AP2,2…のIPアドレスと共に呼出端末管理テーブル33dの予約情報及び無線APのIPアドレスの欄にそれぞれ登録する。
予約結果登録部49によって呼出端末管理テーブル33dの予約情報が登録された場合、開始制御部44は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1,1…のIPアドレス及びこの端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレスを呼制御部40へ通知する。呼制御部40は、通知された無線AP2,2…を介して各端末装置1,1…に対する呼出処理を実行する。
また、開始制御部44は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄に帯域不足が登録された端末装置1,1…が有るか否かを判断し、有ると判断した場合、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄に帯域不足が登録された端末装置1,1…に対応する無線AP2,2…のIPアドレスを、帯域不足通知部52へ通知する。これにより、開始制御部44は、無線AP2,2…によるガイダンスの挿入処理の実行を帯域不足通知部52に指示する。帯域不足通知部52は、開始制御部44から通知された無線AP2,2…のガイダンス作成部53に対して、通信帯域が不足していることを通知するガイダンスの挿入処理の実行を指示する。
呼制御部40が各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況の変化を検知し、リトライ部48が、通信帯域を予約できていない端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理をリトライし、予約結果登録部49が、帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…から受信した情報を、各無線AP2,2…のIPアドレスと共に呼出端末管理テーブル33dの予約情報及び無線APのIPアドレスの欄にそれぞれ登録した場合、リトライ部48は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1,1…のIPアドレス及びこの端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレスを呼制御部40へ通知する。
また、リトライ部48は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄に帯域不足が登録された端末装置1,1…が有るか否かを判断し、有ると判断した場合、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄に帯域不足が登録された端末装置1,1…に対応する無線AP2,2…のIPアドレスを、帯域不足通知部52へ通知する。帯域不足通知部52は、リトライ部48から通知された無線AP2,2…のガイダンス作成部53に対して、通信帯域が不足していることを通知するガイダンスの挿入処理の実行を指示する。
無線AP2,2…のガイダンス作成部53は、呼制御装置3の帯域不足通知部52からガイダンスの挿入処理の実行を指示された場合、パケット転送部27が転送するパケットを抽出し、抽出したパケットに基づいて、自身の無線AP2のエリア内で通話中の端末装置1と、この端末装置1が音声パケットを生成する際に用いるコーデックの種類とをそれぞれ特定する。
なお、端末装置1,1…は通常、複数種類のコーデック(例えば、ITU-T G711、G729等)(図示せず)を備えており、通信(通話)相手の端末装置1,1…との間で通信を開始する際に、どのコーデックを使用するかを決定する。そして、端末装置1,1…は、ユーザの発話によってマイク15aが集音した音声データに対して、決定したコーデックによる符号化処理を行ない、更にパケット化処理を行なった後、音声パケットとして通信相手へ送信する。通話中の端末装置1,1間で送受信されるパケットは、端末装置1,1のそれぞれにおいて使用されているコーデックの種類を示す情報を含んでおり、無線AP2,2…のガイダンス作成部53は、抽出したパケットに含まれる情報に基づいて、通話中の各端末装置1,1…が使用中のコーデックの種類を特定することができる。
また、ガイダンス作成部53はメモリ(図示せず)を有しており、メモリに、通信帯域が不足している旨を通知するためのガイダンス用の音声データと、コーデックの種類に対応付けて音声データのフォーマット形式(データ形式)が登録してあるテーブルとを格納している。従って、ガイダンス作成部53は、通話中の端末装置1と、この端末装置1が使用中のコーデックの種類とを特定した場合、特定したコーデックの種類に対応するフォーマット形式をテーブルから特定し、メモリに格納されているガイダンス用の音声データに対して、特定したフォトマットに変換する処理を行なってガイダンスデータを作成する。ガイダンス作成部53は、作成したガイダンスデータをガイダンス挿入部54へ出力する。
ガイダンス挿入部(通知手段)54は、パケット転送部27が転送するパケットから、ガイダンス作成部53が作成したガイダンスデータを挿入すべき端末装置1へのパケットを特定し、端末装置1へパケットを転送する際に、端末装置1へのパケットの音声データにガイダンスデータを重畳させて転送する。これにより、ガイダンスデータが重畳されたパケットを受信した端末装置1,1…では、スピーカ15bによって通話相手が発話した音声と、通信帯域が不足している旨を通知するガイダンスとが出力され、通話中のユーザに通話の終了を促すことができる。
なお、本実施形態2の無線AP2,2…は、ガイダンス作成部53のメモリに、ガイダンス用の音声データを格納してある構成であるが、例えば、「帯域が不足しています」等のメッセージをテキストデータで格納しておく構成でもよい。この場合、無線AP2,2…は、このテキストデータに基づいて、通話中の端末装置1が使用中のコーデックの種類に対応するフォーマット形式の音声データを作成すればよい。また、音声データに重畳させるガイダンスデータは、通信帯域が不足していることを通知できればよいので、メッセージに限られず、所定の通知音、効果音等であってもよい。
無線AP2,2…のガイダンス作成部53は、上述した処理を、自身の無線AP2のエリア内において通話中の全ての端末装置1,1…に対して行なう。これにより、通話中の端末装置1,1…へ通信帯域が不足していることを通知することができ、通話中の端末装置1,1…のユーザ(通話者)に対して通話の終了を促すことができる。従って、通信帯域を占有して通話しているユーザに帯域を開放するように促すことによって帯域が開放された場合、発信側の端末装置1から通話要求があった時点では通信帯域に余裕がなく、通信帯域の予約を失敗して呼出処理の対象とならなかった端末装置1,1…も、通信帯域を予約できた時点で呼出対象とすることができる。
また、発信側の端末装置1から通話要求があった時点で通話中であった端末装置1においても、通話を終了し、通信帯域を予約できた時点で呼出対象とすることができる。従って、通信帯域を実際に占有している各ユーザに通信帯域の開放を促すことができるので、着信に対して応答することができる端末装置1,1…の数を増やすことができる。よって、着信に対して応答できる可能性を高めることができ、通話機会のロスを抑制することができる。
以下に、本実施形態2の呼制御システム100において、呼制御装置3が発信側の端末装置1から通信要求を受信した場合に発信側の端末装置1及び応答要求した端末装置1間の呼接続を確立する処理についてフローチャートに基づいて説明する。図10及び図11は呼制御装置3による各種処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、呼制御装置3のROM31又はメモリ部33に記憶してある制御プログラムに従って制御部30によって実行される。
呼制御装置3の制御部30は、いずれかの無線AP2を介して発信側の端末装置1から通話要求を受信したか否かを判断しており(S31)、受信していないと判断した場合(S31:NO)、受信するまで通常の動作を行なって待機する。通話要求を受信したと判断した場合(S31:YES)、制御部30は、発信側の端末装置1から受信したパケットに基づいて、発信側の端末装置1の電話番号と、受信側の電話番号とを取得する(S32)。
次に制御部30は、グループ処理を実行し(S33)、受信側の電話番号がグループIDと一致した場合にグループに属する端末装置1,1…の電話番号をグループテーブル33aから取得する。制御部30は、電番・IP対応テーブル33bに登録内容に基づいて、グループテーブル33aから取得した各電話番号をそれぞれ対応するIPアドレスに変換する(S34)。
制御部30は、グループIDと、ステップS34で変換した各端末装置1,1…のIPアドレスとを呼出端末管理テーブル33dに登録する(S35)。制御部30は、呼出端末管理テーブル33dに登録された各端末装置1,1…に対応する無線AP2,2…を端末・AP紐付けテーブル33cの登録内容に基づいて特定すると共に、呼出端末管理テーブル33dに登録されたグループ毎に、各端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行をそれぞれ対応する無線AP2,2…に指示する(S36)。
制御部30は、各無線AP2,2…から通信帯域の予約処理の結果を受信したか否かを判断しており(S37)、受信していない場合(S37:NO)、受信するまで待機する。通信帯域の予約処理の結果を受信したと判断した場合(S37:YES)、制御部30は、無線AP2,2…から受信した予約処理の結果を呼出端末管理テーブル33dに登録する(S38)。
制御部30は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1,1…のIPアドレス及びこの端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレスに基づいて、各無線AP2,2…を介して各端末装置1,1…に対する呼出処理を実行する(S39)。制御部30は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄に帯域不足が登録された端末装置1,1…が有るか否かを判断し(S40)、有ると判断した場合(S40:YES)、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄に帯域不足が登録された端末装置1,1…に対応する無線AP2,2…に、所定のガイダンスの挿入処理の実行を指示する(S41)。
制御部30は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄に帯域不足が登録された端末装置1,1…が無いと判断した場合(S40:NO)、ステップS41の処理をスキップし、ステップS39で実行した呼出処理に対する応答要求を受信したか否かを判断する(S42)。制御部30は、応答要求を受信したと判断した場合(S42:YES)、応答要求してきた端末装置1に対して予約しておいた通信帯域の予約確定を無線AP2に指示し(S43)、発信側の端末装置1に、着信に対する応答があることを通知するパケットを送信して発信側の端末装置1と応答してきた端末装置1との間の呼接続を確立する(S44)。
また、制御部30は、応答要求してきた端末装置1以外の端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約キャンセルを、それぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S45)、応答要求してきた端末装置1が属するグループ内の各端末装置1,1…に対する呼出処理を終了する(S46)。更に、制御部30は、発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去し(S47)、ステップS31で受信した通話要求に対する処理を終了する。なお、制御部30は、ステップS43,S44の処理と、ステップS45,S46の処理と、ステップS47の処理とを並行して行なってもよい。
ステップS42で応答要求を受信していないと判断した場合(S42:NO)、制御部30は、発信側の端末装置1から発呼キャンセルを受信したか否かを判断する(S48)。発呼キャンセルを受信したと判断した場合(S48:YES)、制御部30は、この発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいてステップS39で呼出対象となった端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約キャンセルを、それぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S49)、ステップS39で呼出対象となった端末装置1,1…に対する呼出処理を終了する(S50)。
また、制御部30は、この発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去し(S51)、ステップS31で受信した通話要求に対する処理を終了する。なお、制御部30は、ステップS49,S50の処理と、ステップS51の処理とを並行して行なってもよい。
ステップS48で発呼キャンセルを受信していないと判断した場合(S48:NO)、制御部30は、いずれかの端末装置1から通話切断を受信したか否かを判断する(S52)。通話切断を受信したと判断した場合(S52:YES)、制御部30は、通話切断を送信してきた端末装置1が通信するために占有していた通信帯域の開放を無線AP2に指示する(S53)。
制御部30は、呼出端末管理テーブル33dの無線APのIPアドレスの欄に、端末装置1からの通話切断を転送してきた無線AP2のIPアドレスが登録されており、予約情報の欄に「帯域不足」が登録されている端末装置1,1…があるか否かに基づいて、通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきであるか否かを判断する(S54)。
通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきであると判断した場合(S54:YES)、制御部30は、ステップS36へ処理を戻し、呼出端末管理テーブル33dの無線APのIPアドレスの欄に、端末装置1からの通話切断を転送してきた無線AP2のIPアドレスが登録されており、予約情報の欄に「帯域不足」が登録されている端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行をそれぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S36)、通信帯域の予約処理をリトライする。ただし、リトライ時には、ステップS40,S41にあるガイダンス生成に関する処理を行なわない。
なお、ステップS52で通話切断を受信していないと判断した場合(S52:NO)、及びステップS54で通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきでないと判断した場合(S54:NO)、制御部30は、ステップS42へ処理を戻し、上述した処理を繰り返す。
上述したように、発信側の端末装置1から通話要求があった時点では通信帯域に余裕がなく、通信帯域の予約を失敗して呼出処理の対象とならなかった端末装置1,1…についても、ガイダンスによって通話の終了を促されたユーザが通話を終了したことによって通信帯域に余裕ができた場合、通信帯域を予約できた時点で呼出対象とすることができる。従って、呼出対象を効率よく増やすことができるので、着信に対して応答できる可能性を高めることができ、通話機会のロスを抑制することができる。
以下に、本実施形態2の呼制御システム100において、無線AP2,2…が行なうガイダンスの挿入処理についてフローチャートに基づいて説明する。図12は無線AP2によるガイダンスの挿入処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、無線AP2のROM21又はメモリ部23に記憶してある制御プログラムに従って制御部20によって実行される。
無線AP2の制御部20は、呼制御装置3からガイダンスの挿入処理の実行を指示されたか否かを判断しており(S61)、指示されていないと判断した場合(S61:NO)、指示されるまで通常の動作を行なって待機する。呼制御装置3からガイダンスの挿入処理の実行を指示されたと判断した場合(S61:YES)、制御部20は、通話中の端末装置1,1間で送受信されるパケットを抽出し(S62)、抽出したパケットに基づいて、自身の無線AP2のエリア内で通話中の端末装置1と、この端末装置1が使用中のコーデックの種類とをそれぞれ特定する(S63)。
制御部20は、メモリに記憶してある所定のガイダンス用の音声データに対して、特定したコーデックの種類に対応するフォーマット形式に変換する処理を行なってガイダンスデータを作成し(S64)、作成したガイダンスデータを、特定した通話中の端末装置1へ送信するパケットの音声データに重畳させて転送する(S65)。制御部20は、自身の無線AP2のエリア内で通話中の全ての端末装置1,1…に対して上述した処理を終了したか否かを判断しており(S66)、終了していないと判断した場合(S66:NO)、ステップS62へ処理を戻し、終了したと判断した場合(S66:YES)、上述したガイダンスの挿入処理を終了する。ただし、この処理を行なうのは無線AP2に限定しない。呼制御装置3で実施する場合もあるとする。
上述した実施形態2の呼制御装置3は、発信側の端末装置1から通話要求を受信した場合、又は各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況が変化した場合、無線AP2,2…に対して各端末装置1,1…の通信帯域の予約処理の実行を指示し、無線AP2,2…から予約処理の結果を受信する都度、通信帯域を予約できない端末装置1,1…があれば、対応する無線AP2,2…に対してガイダンスの挿入処理の実行を指示する構成である。
しかし、例えば、通信帯域を予約できない端末装置1,1…が所定数以上あるか否かを判断し、所定数以上ある場合にのみ、対応する無線AP2,2…に対してガイダンスの挿入処理の実行を指示する構成としてもよい。通信帯域を予約できない端末装置1,1…が少数であれば、通信帯域を予約できた端末装置1,1…によって応答すればよいので通話中のユーザに通信帯域が不足している旨を通知して通信帯域の開放を促す必要はないが、通信帯域を予約できない端末装置1,1…が多数あれば、通話中のユーザに通信帯域の開放を促すことによって、通信帯域の開放を期待することができ、グループ着信において効率よく複数の端末装置1,1…に対する呼出処理を行なうことができる。
上述した実施形態2の呼制御システム100では、無線AP2,2…は、呼制御装置3からガイダンスの挿入処理の実行を指示される都度ガイダンスの挿入処理を実行する構成であるので、無線AP2,2…は、呼制御装置3から指示された場合に1回ガイダンスを挿入するのみである。従って、例えば、呼制御装置3を、無線AP2,2…から受信した予約処理の結果に基づいて、通信帯域を予約できない端末装置1,1…があると判断した場合にガイダンスの挿入処理の実行を指示すると共に、無線AP2,2…から受信した予約処理の結果に基づいて、各無線AP2,2…において通信帯域を予約できない端末装置1,1…がなくなったと判断した場合にガイダンスの挿入処理の終了を指示するように構成し、無線AP2,2…を、呼制御装置3からガイダンスの挿入処理の実行を指示されてから、ガイダンスの挿入処理の終了を指示されるまでの間、定期的にガイダンスを挿入するように構成してもよい。この場合、各無線AP2,2…において通信帯域を予約できない端末装置1,1…がなくなるまで、通話中のユーザに通信帯域の開放を促すことができ、より早期に通信帯域の開放を期待することができる。
なお、上述した変形例では、無線AP2,2…がそれぞれ、呼制御装置3からガイダンスの挿入処理の実行を指示されてから、ガイダンスの挿入処理の終了を指示されるまでの間、定期的にガイダンスを挿入する構成であるが、呼制御装置3が、定期的にガイダンスの挿入処理の実行を無線AP2,2…に指示することによっても同様の効果が得られる。この場合、無線AP2,2…は、呼制御装置3からガイダンスの挿入処理の実行を指示される都度、ガイダンスの挿入処理を実行すればよい。
上述した実施形態2の呼制御システム100では、呼制御装置3は、無線AP2,2…から受信した予約処理の結果を呼出端末管理テーブル33dに登録し、呼出端末管理テーブル33dの登録内容に基づいて、通信帯域を予約できた端末装置1,1…に対しては呼出処理を行ない、通信帯域を予約できなかった端末装置1,1…に対しては最寄りの無線AP2,2…にガイダンスの挿入処理の実行を指示する構成である。
従って、通信帯域を予約できた端末装置1が1台も無い場合であっても、呼制御装置3は、対応する無線AP2,2…にガイダンスの挿入処理の実行を指示し、通信帯域が開放されるまで待機するので、発信者は長時間待たされる可能性がある。そこで、例えば、各無線AP2,2…における通信帯域が所定時間以上開放されない場合、発信側の端末装置1に対して帯域不足のために通信できない旨を通知するためのパケットを送信し、発信側の端末装置1との通信を終了するように構成してもよい。
このような構成によれば、通信帯域が所定時間以上開放されないことよって、呼出対象となる端末装置1,1…を増やすことができず、着信に対して応答できる可能性を高めることができない場合には、この着信に対する応答を諦め、通話の終了、所定の端末装置1への転送又は留守番電話機能への切り替えを行なうことにより、発信者に与える不快感を多少解消することができると共に、他の着信に対して通信帯域を開放することによって呼制御システム100全体としての通話機会のロスを抑制することができる。なお、この場合、呼制御装置3は、各無線AP2,2…毎に、各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況が変化しない時間を計時すると共に管理する必要がある。
(実施形態3)
以下に、本発明に係る呼制御装置を備えた呼制御システムを、その実施形態3を示す図面に基づいて詳述する。なお、本実施形態3の呼制御システム100は、上述した実施形態1の呼制御システム100と同様の構成によって実現することができるので、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
上述した実施形態1の呼制御システム100では、無線AP2,2…による通信帯域の予約処理の結果、通信帯域を予約できた端末装置1が1台も無い場合、呼制御装置3は、発信側の端末装置1に対して帯域不足のために通信できない旨を通知するためのパケットを送信し、発信側の端末装置1との通信を終了する構成であった。また、上述した実施形態2の呼制御システム100では、無線AP2,2…による通信帯域の予約処理の結果、通信帯域を予約できなかった端末装置1が有る場合、呼制御装置3は、通信帯域が不足している無線AP2,2…のエリア内において通話中の端末装置1,1…に、帯域が不足している旨を通知する構成であった。
本実施形態3の呼制御システム100では、無線AP2,2…による通信帯域の予約処理の結果、通信帯域を予約できた端末装置1が1台も無い無線AP2,2…が有る場合、呼制御装置3は、その無線AP2,2…の近傍の無線AP2,2…のエリア内における各端末装置1,1…を呼出処理の対象とするように構成されている。
図13は実施形態3に係る呼制御装置及び無線APの機能構成を示すブロック図である。本実施形態3の呼制御装置3において、制御部30は、ROM31又はメモリ部33に格納されている制御プログラムを実行することによって、呼制御部40、グループ処理部41、電番IP交換部42、呼出管理部43、帯域予約指示部50、端末・AP紐付け部51の各機能のほかに、無線AP位置管理部55、着信音管理部56の各機能を実現する。また、本実施形態3の無線AP2において、制御部20は、ROM21又はメモリ部23に格納されている制御プログラムを実行することによって、パケット転送部27、帯域管理部28、端末管理部29の各機能のほかに、近傍把握部57の機能を実現する。
本実施形態3では、無線AP2,2…の制御部20(近傍把握部57)は、例えば1日に1,2回程度、全てのチャンネルをスキャンすることにより、他の無線AP2,2…の存在を検出する。無線AP2が他の無線AP2,2…から受信するパケットは、他の無線AP2,2…までの距離が近いほど強い強度の電波で受信されるので、制御部20は、無線通信部24を介して他の無線AP2,2…から受信した電波の強度に基づいて、自身の周囲に存在する他の無線AP2,2…との距離を検出することができる。近傍把握部57は、自身からの距離が近い順に各無線AP2,2…のIPアドレスをメモリ(図示せず)に格納する。
また、近傍把握部57は、自身の近傍の無線AP2,2…を把握(検出)できた場合、メモリに格納した各無線AP2,2…のIPアドレスを呼制御装置3の無線AP位置管理部55へ通知する。呼制御装置3の無線AP位置管理部55は、各無線AP2,2…から、それぞれの無線AP2,2…の近傍の無線AP2,2…を通知された場合、各無線AP2,2…のIPアドレスに対応付けて、それぞれの無線AP2,2…の近傍の無線AP2,2…のIPアドレスを、図14(a)に示すような位置管理テーブル(位置記憶手段)55aに登録する。これにより、近傍把握部57は、各無線AP2,2…において、それぞれの近傍に存在する無線AP2,2…の位置関係を把握することができる。
図14は呼制御装置3のメモリ部33に記憶されている各テーブルの登録内容を示す模式図である。なお、図14(a)には位置管理テーブル55aを、図14(b)には着信音管理テーブル56aをそれぞれ示している。
図14(a)に示すように、位置管理テーブル55aには、呼制御システム100における各無線AP2,2…のIPアドレスに対応付けて、各無線AP2,2…の近傍の無線AP2,2…のIPアドレスが近い順に登録されている。位置管理テーブル55aの登録内容は、上述したように、各無線AP2,2…からそれぞれの近傍に存在する無線AP2,2…の情報を受信する都度、制御部30によって追加又は修正される。
図14(b)に示すように、着信音管理テーブル(着信音記憶手段)56aには、各グループのグループIDに対応付けて着信音データが登録されている。着信音管理テーブル56aの登録内容は、呼制御部40が通話要求を受信し、開始制御部44がグループID及び各端末装置1,1…のIPアドレスを呼出端末管理テーブル33dに登録する際に、着信音管理部56によって登録される。
本実施形態3では、呼制御部40が発信側の端末装置1から通話要求を受信した場合、グループ処理部41が、グループIDを検索し、通話要求がグループ着信であるか否かを判断し、グループ着信であった場合、グループ内の端末装置1,1…の電話番号をグループテーブル33aから取得する。
なお、グループ処理部41によるグループ処理の後に行なう、電番IP交換部42による電話番号のIPアドレスへの変換処理、開始制御部44による呼出端末管理テーブル33dへの登録処理、呼出端末管理テーブル33dに登録された情報に基づく帯域予約指示部50による通信帯域の予約処理の指示、帯域予約指示部50による無線AP2,2…からの通信帯域の予約処理の結果の受信処理等は、上述した実施形態1,2と同様であるので説明を省略する。
本実施形態3では、上述した実施形態2と同様に、帯域予約指示部50が無線AP2,2…から通信帯域の予約処理の結果を受信した場合、予約結果登録部49は、通信帯域の予約が成功した端末装置1が有るか否かに拘わらず、帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…から受信した情報を、各無線AP2,2…のIPアドレスと共に呼出端末管理テーブル33dの予約情報及び無線APのIPアドレスの欄にそれぞれ登録する。
予約結果登録部49によって呼出端末管理テーブル33dの予約情報が登録された場合、着信音管理部56は、呼出端末管理テーブル33dに記載されたグループIDに適合する着信音データを着信音管理テーブル56aから取得し、開始制御部44に通知する。開始制御部44は、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1,1…のIPアドレス及びこの端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレス、着信音データを呼制御部40へ通知する。呼制御部40は、通知された無線AP2,2…を介して各端末装置1,1…に対する呼出処理を実行する。このとき、呼出処理と同時に各端末装置1,1…に着信音を指示或いは転送する。
また、開始制御部44は、全ての端末装置1,1…に対する通信帯域を予約できなかった無線AP2,2…が有るか否かを判断する。具体的には、開始制御部44は、無線AP2,2…毎に、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1,1…が少なくとも1台有るか否かを判断し、OKが登録された端末装置1が1台も無い無線AP2,2…が有ると判断した場合、その無線AP2,2…のIPアドレスを無線AP位置管理部55へ通知する。
無線AP位置管理部55は、開始制御部44から通知された無線AP2,2…のIPアドレスを位置管理テーブル55aから検索し、通知された無線AP2,2…の最も近傍の無線AP2を特定する。具体的には、無線AP位置管理部55は、位置管理テーブル55aの近傍の無線APのIPアドレスの欄の1番目に登録されている無線AP2を特定し、特定した無線AP2のIPアドレスを取得し、開始制御部44へ通知する。開始制御部44は、無線AP位置管理部55から通知された近傍の無線AP2のIPアドレスに基づいて、この近傍の無線AP2のエリア内の端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行を帯域予約指示部50に指示する。
帯域予約指示部50は、開始制御部44から指示された無線AP2の帯域管理部28に対して、各端末装置1,1…が通信を行なうために必要な通信帯域の予約処理の実行を指示し、帯域管理部28による通信帯域の予約処理の結果を受信する。開始制御部44は、帯域予約指示部50を介して無線AP2から受信した通信帯域の予約処理の結果、通信帯域を予約できた端末装置1が有るか否かを判断し、有ると判断した場合、このグループ着信に対する着信音データを着信音管理部56を介して着信音管理テーブル56aから取得し、通信帯域を予約できた端末装置1に対して、取得した着信音データでの呼出処理を行なうように呼制御部40へ通知する。
このような処理により、呼制御部40によって呼出処理が行なわれた端末装置1,1…は、自身が属するグループではない他のグループに設定された着信音を出力するので、端末装置1,1…のユーザは、着信音を聞いてどのグループに対する着信があるのかを容易に把握することができる。また、本来の着信側の端末装置1のユーザは、近傍の端末装置1,1…での着信音を聞いて、自身の無線AP2のエリア内では通信帯域が不足していることを把握することができるので、通話中のユーザに通話の終了を促すこともできる。また、本来の着信側のユーザは、このように他のグループの端末装置1,1…において着信音が出力された着信に対して応答したい場合、自身が属するグループではない他のグループの端末装置1,1…によって応答してもよく、また、この着信音が出力されている端末装置1,1…のエリア内へ移動し、他のグループの無線AP2を介して自身の端末装置1で応答することもできる。
一方、開始制御部44は、帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…から受信した通信帯域の予約処理の結果、近傍の無線AP2のエリア内の端末装置1,1…に対して通信帯域を予約できた端末装置1が無いと判断した場合、次に近傍の無線AP2のIPアドレスを無線AP位置管理部55を介して位置管理テーブル55aから取得する。具体的には、無線AP位置管理部55は、位置管理テーブル55aの近傍の無線APのIPアドレスの欄の2番目に登録されている無線AP2のIPアドレスを取得し、開始制御部44へ通知する。開始制御部44は、無線AP位置管理部55から取得した次に近傍の無線AP2のIPアドレスに基づいて、この無線AP2のエリア内の端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行を帯域予約指示部50に指示する。
帯域予約指示部50は、開始制御部44から指示された各無線AP2,2…の帯域管理部28に対して、各端末装置1,1…が通信を行なうために必要な通信帯域の予約処理の実行を指示し、帯域管理部28による通信帯域の予約処理の結果を受信する。開始制御部44は、帯域予約指示部50を介して無線AP2,2…から受信した通信帯域の予約処理の結果、通信帯域を予約できた端末装置1が有るか否かを判断し、有ると判断した場合、このグループ着信に対する着信音データを着信音管理部56を介して着信音管理テーブル56aから取得し、通信帯域を予約できた端末装置1に対して、取得した着信音データでの呼出処理を行なうように呼制御部40へ通知する。
開始制御部44は、上述した処理を、近傍の無線AP2,2…のいずれかのエリア内の端末装置1,1…に対する通信帯域を予約できるまで繰り返し、通信帯域を予約できたいずれかの無線AP2のエリア内の端末装置1,1…に対して、各グループに対応する着信音データでの呼出処理を呼制御部40によって実行する。
これにより、グループ着信を行なう際に各無線AP2,2…における通信帯域が不足しており、端末装置1を呼び出せない場合、近傍の無線AP2,2…において通信帯域に余裕があれば、この近傍の無線AP2,2…のエリア内の端末装置1,1…において代理で呼出処理を行なうことにより、呼出対象を増やすことができ、着信に対して応答できる可能性を高めることができる。また、グループ毎に着信音を変えることにより、各ユーザが着信音によってどのグループに対する着信であるかを容易に把握することができる。
なお、呼制御部40による呼出処理の処理対象となった端末装置1,1…のいずれかから受信した応答要求に基づく応答制御部45による処理、無線AP2,2…を介して端末装置1,1…から受信した通話切断に基づく終了制御部46による処理、発信側の端末装置1から受信した発呼キャンセルに基づく中断制御部47によるキャンセル処理、各無線AP2,2…における通信帯域の使用状況が変化した場合のリトライ部48によるリトライ処理等は、上述した実施形態1,2と同様であるので説明を省略する。
以下に、本実施形態3の呼制御システム100において、呼制御装置3が発信側の端末装置1から通信要求を受信した場合に発信側の端末装置1及び応答要求した端末装置1間の呼接続を確立する処理についてフローチャートに基づいて説明する。図15乃至図17は呼制御装置3による各種処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、呼制御装置3のROM31又はメモリ部33に記憶してある制御プログラムに従って制御部30によって実行される。
呼制御装置3の制御部30は、いずれかの無線AP2を介して発信側の端末装置1から通話要求を受信したか否かを判断しており(S71)、受信していないと判断した場合(S71:NO)、受信するまで通常の動作を行なって待機する。通話要求を受信したと判断した場合(S71:YES)、制御部30は、発信側の端末装置1から受信したパケットに基づいて、発信側の端末装置1の電話番号と、受信側の電話番号とを取得する(S72)。
次に制御部30は、グループ処理を実行し(S73)、受信側の電話番号がグループIDと一致した場合にグループに属する端末装置1,1…の電話番号を取得する。制御部30は、電番・IP対応テーブル33bに登録内容に基づいて、グループテーブル33aから取得した各電話番号をそれぞれ対応するIPアドレスに変換する(S74)。
制御部30は、グループIDと、ステップS74で変換した各端末装置1,1…のIPアドレスとを呼出端末管理テーブル33dに登録する(S75)。
制御部30は、呼出端末管理テーブル33dに登録された各端末装置1,1…に対応する無線AP2,2…を端末・AP紐付けテーブル33cの登録内容に基づいて特定すると共に、呼出端末管理テーブル33dに登録されたグループ毎に、各端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行をそれぞれ対応する無線AP2,2…に指示する(S76)。
制御部30は、各無線AP2,2…から通信帯域の予約処理の結果を受信したか否かを判断しており(S77)、受信していない場合(S77:NO)、受信するまで待機する。通信帯域の予約処理の結果を受信したと判断した場合(S77:YES)、制御部30は、無線AP2,2…から受信した予約処理の結果を呼出端末管理テーブル33dに登録する(S78)。
制御部30は、着信音管理テーブル56aを参照し(S79)、呼出端末管理テーブル33dに記載されたグループIDに適合する着信音データを取得し、呼出端末管理テーブル33dの予約情報の欄にOKが登録された端末装置1,1…のIPアドレス及びこの端末装置1,1…の最寄りの無線AP2,2…のIPアドレスに基づいて、各無線AP2,2…を介して各端末装置1,1…に対する呼出処理を実行する(S80)。制御部30は、全ての端末装置1,1…に対する通信帯域を予約できなかった無線AP2,2…が有るか否かを判断し(S81)、無いと判断した場合(S81:NO)、ステップS89へ処理を移行する。
全ての端末装置1,1…に対する通信帯域を予約できなかった無線AP2,2…が有ると判断した場合(S81:YES)、制御部30は、この無線AP2,2…の近傍の無線AP2のIPアドレスを位置管理テーブル55aから取得する(S82)。制御部30は、取得したIPアドレスに基づいて、この近傍の無線AP2に、エリア内の端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行を指示する(S83)。
制御部30は、この近傍の無線AP2から通信帯域の予約処理の結果を受信したか否かを判断しており(S84)、受信していない場合(S84:NO)、受信するまで待機する。通信帯域の予約処理の結果を受信したと判断した場合(S84:YES)、制御部30は、無線AP2から受信した予約処理の結果に基づいて、通信帯域を予約できた端末装置1が有るか否かを判断する(S85)。
通信帯域を予約できた端末装置1が無いと判断した場合(S85:NO)、制御部30は、ステップS81で全ての端末装置1,1…に対する通信帯域を予約できなかったと判断された無線AP2に対する近傍の無線AP2,2…がまだ有るか否かを、位置管理テーブル55aの登録内容に基づいて判断し(S86)、近傍の無線AP2,2…がまだ有ると判断した場合(S86:YES)、ステップS82へ処理を移行する。そして、制御部30は、次に近傍の無線AP2のIPアドレスを位置管理テーブル55aから取得し(S82)、取得したIPアドレスに基づいて、この近傍の無線AP2に、エリア内の端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行を指示する(S83)。なお、近傍の無線AP2,2…がもう無いと判断した場合(S86:NO)、制御部30は、ステップS89へ処理を移行する。
制御部30は、無線AP2から受信した予約処理の結果に基づいて、通信帯域を予約できた端末装置1が有ると判断するまで上述したステップS82〜S86の処理を繰り返し、通信帯域を予約できた端末装置1が有ると判断した場合(S85:YES)、このグループ着信に対する着信音データを着信音管理テーブル56aから取得する(S87)。そして、制御部30は、通信帯域を予約できた端末装置1に対して、取得した着信音データでの呼出処理を実行し(S88)、ステップS89へ処理を移行する。
制御部30は、ステップS80又はS88で実行した呼出処理に対する応答要求を受信したか否かを判断する(S89)。制御部30は、応答要求を受信したと判断した場合(S89:YES)、応答要求してきた端末装置1に対して予約しておいた通信帯域の予約確定を無線AP2に指示し(S90)、発信側の端末装置1に、着信に対する応答があることを通知するパケットを送信して発信側の端末装置1と応答してきた端末装置1との間の呼接続を確立する(S91)。
また、制御部30は、応答要求してきた端末装置1以外の端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約キャンセルを、それぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S92)、応答要求してきた端末装置1が属するグループ内の各端末装置1,1…に対する呼出処理を終了する(S93)。更に、制御部30は、発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去し(S94)、ステップS71で受信した通話要求に対する処理を終了する。なお、制御部30は、ステップS90,S91の処理と、ステップS92,S93の処理と、ステップS94の処理とを並行して行なってもよい。
ステップS89で応答要求を受信していないと判断した場合(S89:NO)、制御部30は、発信側の端末装置1から発呼キャンセルを受信したか否かを判断する(S95)。発呼キャンセルを受信したと判断した場合(S95:YES)、制御部30は、この発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいてステップS80又はS88で呼出対象となった端末装置1,1…に対して予約しておいた通信帯域の予約キャンセルを、それぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S96)、ステップS80又はS88で呼出対象となった端末装置1,1…に対する呼出処理を終了する(S97)。
また、制御部30は、この発信側の端末装置1から受信した通話要求に基づいて呼出端末管理テーブル33dに登録された各情報を消去し(S98)、ステップS71で受信した通話要求に対する処理を終了する。なお、制御部30は、ステップS96,S97の処理と、ステップS98の処理とを並行して行なってもよい。
ステップS95で発呼キャンセルを受信していないと判断した場合(S95:NO)、制御部30は、いずれかの端末装置1から通話切断を受信したか否かを判断する(S99)。通話切断を受信したと判断した場合(S99:YES)、制御部30は、通話切断を送信してきた端末装置1が通信するために占有していた通信帯域の開放を無線AP2に指示する(S100)。
制御部30は、呼出端末管理テーブル33dの無線APのIPアドレスの欄に、端末装置1からの通話切断を転送してきた無線AP2のIPアドレスが登録されており、予約情報の欄に「帯域不足」が登録されている端末装置1,1…があるか否かに基づいて、通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきであるか否かを判断する(S101)。
通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきであると判断した場合(S101:YES)、制御部30は、ステップS76へ処理を戻し、呼出端末管理テーブル33dの無線APのIPアドレスの欄に、端末装置1からの通話切断を転送してきた無線AP2のIPアドレスが登録されており、予約情報の欄に「帯域不足」が登録されている端末装置1,1…に対する通信帯域の予約処理の実行をそれぞれ対応する無線AP2,2…に指示し(S76)、通信帯域の予約処理をリトライする。
なお、ステップS99で通話切断を受信していないと判断した場合(S99:NO)、及びステップS101で通信帯域の予約処理のリトライを実行すべきでないと判断した場合(S101:NO)、制御部30は、ステップS89へ処理を戻し、上述した処理を繰り返す。
上述したように、発信側の端末装置1から通話要求があった場合にグループ着信によって呼出対象となるべき端末装置1,1…が、通信帯域に余裕がなく、通信帯域の予約を失敗して呼出処理の対象とならなかった場合であっても、近傍の無線AP2のエリア内の端末装置1,1…を呼出対象とすることによって、呼出対象の端末装置1,1…の数を増やすことができ、また、呼出候補とする端末装置1,1…の存在する範囲を広げることができるので、着信に対して応答できる可能性を高めることができ、通話機会のロスを抑制することができる。また、各グループ毎に設定してある着信音を出力させることによって、各ユーザは、どのグループに対する着信があるかを把握することができる。従って、通信帯域が不足している無線AP2のエリア内で通話中のユーザには通話の終了を促すことができる。
なお、上述した実施形態3の呼制御システム100は、呼制御装置3が着信音管理テーブル56aにおいて各グループ毎に設定された着信音の着信音データを管理する構成であった。しかし、例えば、呼制御システム100の利用が可能な全ての端末装置1,1…において、着信音を識別するための識別情報と、各識別情報に対応する着信音データとが同一のデータとして格納されている場合、呼制御装置3は、着信音管理テーブル56aにおいて着信音データ自体を管理する必要はなく、着信音の識別情報のみを管理すればよい。
従って、この場合、呼制御装置3は、着信がある旨を通知するパケットに各グループに対応する着信音データを含める必要がなく、各グループに対応する着信音の識別情報を含むパケットを送信すればよい。また、端末装置1,1…は、このように着信音の識別情報を含むパケットを受信した場合、この識別情報に対応する着信音データを自身のメモリから読み出し、スピーカ15bによって出力すればよい。
以上の実施形態1〜3を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の端末装置間の呼接続を制御する呼制御装置において、
複数の端末装置の装置情報をグループ毎に記憶するグループ記憶手段と、
一の端末装置に対する呼接続の要求を受け付ける手段と、
呼接続の要求を受け付けた場合、前記一の端末装置が属するグループ内の端末装置の装置情報を前記グループ記憶手段から取得する取得手段と、
該取得手段が取得した装置情報の端末装置との通信に要する通信帯域の予約を依頼する予約依頼手段と、
該予約依頼手段が依頼した予約が成功した端末装置に対して呼出処理を行なう呼出手段と、
該呼出手段による呼出処理に対して一の端末装置からの応答を受け付ける手段と、
前記応答をした端末装置及び前記呼接続の要求をした端末装置間の呼接続の確立を行なう手段と、
前記応答を受け付けるまでの間、前記予約依頼手段が依頼した予約が失敗した通信帯域の予約を前記予約依頼手段に再度依頼させる制御手段と
を備えることを特徴とする呼制御装置。
(付記2)
前記予約依頼手段は、
前記取得手段が取得した装置情報の端末装置のそれぞれとの通信に要する通信帯域のうちの大きい通信帯域の予約を依頼する手段と、
前記予約が失敗した場合、前記取得手段が取得した装置情報の端末装置のそれぞれとの通信に要する通信帯域のうちの前記大きい通信帯域よりも小さい通信帯域のいずれかを選択する手段と、
選択された通信帯域の予約を依頼する手段とを備え、
前記呼出手段は、予約が成功した通信帯域以下の通信帯域を要する端末装置に対して呼出処理を行なうように構成されていること
を特徴とする付記1に記載の呼制御装置。
(付記3)
それぞれの端末装置毎に、各端末装置との通信に要する通信帯域の予約が成功したか否かを示す予約情報を記憶する予約情報記憶手段と、
前記予約依頼手段が依頼した予約が成功した場合、予約が成功した通信帯域以下の通信帯域を要する端末装置に対応させて、予約が成功したことを示す予約情報を前記予約情報記憶手段に記憶させる手段と、
前記予約依頼手段が依頼した予約が失敗した場合、予約が失敗した通信帯域以上の通信帯域を要する端末装置に対応させて、予約が失敗したことを示す予約情報を前記予約情報記憶手段に記憶させる手段とを備え、
前記呼出手段は、予約が成功したことを示す予約情報が前記予約情報記憶手段に記憶してある端末装置に対して呼出処理を行なうように構成されており、
前記制御手段は、予約が失敗したことを示す予約情報が前記予約情報記憶手段に記憶してある端末装置との通信に要する通信帯域の予約を前記予約依頼手段に再度依頼させるように構成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の呼制御装置。
(付記4)
通信帯域の使用状況の変化を受け付ける手段及び所定時間を計時する手段の少なくとも一方を備え、
前記制御手段は、通信帯域の使用状況の変化を受け付けた場合、又は所定時間の計時を終了した場合、前記予約依頼手段が依頼した予約が失敗した通信帯域の予約を前記予約依頼手段に再度依頼させるように構成されていることを特徴とする付記1乃至3のいずれかひとつに記載の呼制御装置。
(付記5)
前記予約依頼手段が依頼した予約が成功した端末装置の数が所定数以下であるか否かを判断する手段を備え、
前記呼出手段は、前記予約が成功した端末装置の数が所定数以下である場合、前記予約が成功した端末装置に対する呼出処理を行なわないように構成されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれかひとつに記載の呼制御装置。
(付記6)
前記予約依頼手段が依頼した予約が失敗した端末装置の数が所定数以上であるか否かを判断する手段と、
前記予約が失敗した端末装置の数が所定数以上である場合、既に呼接続が確立されている端末装置に対して、通信帯域が不足している旨を通知する通知手段とを備えることを特徴とする付記1乃至5のいずれかひとつに記載の呼制御装置。
(付記7)
前記通知手段は、前記呼接続が確立されている端末装置に対して送信する情報に、通信帯域が不足している旨を示す情報を重畳させる手段を備えることを特徴とする付記6に記載の呼制御装置。
(付記8)
複数の中継装置のそれぞれを介して端末装置との通信を行なう手段と、
前記中継装置の位置関係を記憶する位置記憶手段と、
前記予約依頼手段が依頼した予約が失敗した端末装置との通信を行なう際に用いる中継装置を検出する手段と、
検出された中継装置の近傍の中継装置を前記位置記憶手段の記憶内容から特定する手段と、
前記近傍の中継装置を介して通信が可能な端末装置との通信に要する通信帯域の予約を前記予約依頼手段に依頼させる手段と、
前記予約が成功した端末装置に対する呼出処理を前記呼出手段に行なわせる手段と
を備えることを特徴とする付記1乃至7のいずれかひとつに記載の呼制御装置。
(付記9)
前記グループ記憶手段に記憶してあるグループ毎に着信音を記憶する着信音記憶手段と、
呼接続を要求された端末装置が属するグループの着信音を前記着信音記憶手段から取得する手段とを備え、
前記呼出手段は、前記予約依頼手段が依頼した予約が成功した端末装置に対して、前記着信音記憶手段から取得した着信音での呼出処理を行なうように構成されていることを特徴とする付記8に記載の呼制御装置。
(付記10)
コンピュータに、複数の端末装置間の呼接続を制御させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
一の端末装置に対する呼接続の要求を受け付けるステップと、
呼接続の要求を受け付けた場合、前記一の端末装置が属するグループ内の端末装置の装置情報を取得する取得ステップと、
該取得ステップで取得した装置情報の端末装置との通信に要する通信帯域の予約を依頼する予約依頼ステップと、
該予約依頼ステップで依頼した予約が成功した端末装置に対して呼出処理を行なう呼出ステップと、
前記呼出処理に対して一の端末装置からの応答を受け付けるステップと、
前記応答をした端末装置及び前記呼接続の要求をした端末装置間の呼接続の確立を行なうステップと、
前記応答を受け付けるまでの間、前記予約依頼ステップで依頼した予約が失敗した通信帯域の予約を再度依頼するステップと
を実行させるためのコンピュータプログラム。
(付記11)
前記予約依頼ステップは、
前記取得ステップで取得した装置情報の端末装置のそれぞれとの通信に要する通信帯域のうちの大きい通信帯域の予約を依頼するステップと、
前記予約が失敗した場合、前記取得ステップで取得した装置情報の端末装置のそれぞれとの通信に要する通信帯域のうちの前記大きい通信帯域よりも小さい通信帯域のいずれかを選択するステップと、
選択された通信帯域の予約を依頼するステップとを含み、
前記呼出ステップは、予約が成功した通信帯域以下の通信帯域を要する端末装置に対して呼出処理を行なうことを特徴とする付記10に記載のコンピュータプログラム。
(付記12)
前記コンピュータは、それぞれの端末装置毎に、各端末装置との通信に要する通信帯域の予約が成功したか否かを示す予約情報を記憶する予約情報記憶手段を備え、
前記コンピュータに、
前記予約依頼ステップで依頼した予約が成功した場合、予約が成功した通信帯域以下の通信帯域を要する端末装置に対応させて、予約が成功したことを示す予約情報を前記予約情報記憶手段に記憶させるステップと、
前記予約依頼ステップで依頼した予約が失敗した場合、予約が失敗した通信帯域以上の通信帯域を要する端末装置に対応させて、予約が失敗したことを示す予約情報を前記予約情報記憶手段に記憶させるステップと、
予約が成功したことを示す予約情報が前記予約情報記憶手段に記憶してある端末装置に対して呼出処理を行なうステップと、
予約が失敗したことを示す予約情報が前記予約情報記憶手段に記憶してある端末装置との通信に要する通信帯域の予約を再度依頼するステップと
を実行させるための付記10又11に記載のコンピュータプログラム。
(付記13)
前記コンピュータに、
通信帯域の使用状況の変化を受け付けた場合、又は所定時間の計時を終了した場合、前記予約依頼ステップで依頼した予約が失敗した通信帯域の予約を再度依頼するステップを実行させるための付記10乃至12のいずれかひとつに記載のコンピュータプログラム。
(付記14)
前記コンピュータに、
前記予約依頼ステップで依頼した予約が成功した端末装置の数が所定数以下であるか否かを判断するステップと、
前記予約が成功した端末装置の数が所定数以下である場合、前記予約が成功した端末装置に対する呼出処理を禁止するステップと
を実行させるための付記10乃至13のいずれかひとつに記載のコンピュータプログラム。
(付記15)
前記コンピュータに、
前記予約依頼ステップで依頼した予約が失敗した端末装置の数が所定数以上であるか否かを判断するステップと、
前記予約が失敗した端末装置の数が所定数以上である場合、既に呼接続が確立されている端末装置に対して、通信帯域が不足している旨を通知する通知ステップと
を実行させるための付記10乃至14のいずれかひとつに記載のコンピュータプログラム。
(付記16)
前記通知ステップは、前記呼接続が確立されている端末装置に対して送信する情報に、通信帯域が不足している旨を示す情報を重畳させることを特徴とする付記15に記載のコンピュータプログラム。
(付記17)
前記コンピュータに、
複数の中継装置のそれぞれを介して端末装置との通信を行なうステップと、
前記予約依頼ステップで依頼した予約が失敗した端末装置との通信を行なう際に用いる中継装置を検出するステップと、
検出された中継装置の近傍の中継装置を特定するステップと、
前記近傍の中継装置を介して通信が可能な端末装置との通信に要する通信帯域の予約を依頼するステップと、
前記予約が成功した端末装置に対する呼出処理を行なうステップと
を実行させるための付記10乃至16のいずれかひとつに記載のコンピュータプログラム。
(付記18)
前記コンピュータに、
呼接続を要求された端末装置が属するグループの着信音を取得するステップと、
前記予約依頼ステップで依頼した予約が成功した端末装置に対して、取得した前記着信音での呼出処理を行なうステップと
を実行させるための付記17に記載のコンピュータプログラム。
(付記19)
複数の端末装置間の呼接続を制御する呼制御方法において、
一の端末装置に対する呼接続の要求を受け付けるステップと、
呼接続の要求を受け付けた場合、前記一の端末装置が属するグループ内の端末装置の装置情報を取得する取得ステップと、
該取得ステップで取得した装置情報の端末装置との通信に要する通信帯域の予約を依頼する予約依頼ステップと、
該予約依頼ステップで依頼した予約が成功した端末装置に対して呼出処理を行なう呼出ステップと、
前記呼出処理に対して一の端末装置からの応答を受け付けるステップと、
前記応答をした端末装置及び前記呼接続の要求をした端末装置間の呼接続の確立を行なうステップと、
前記応答を受け付けるまでの間、前記予約依頼ステップで依頼した予約が失敗した通信帯域の予約を再度依頼するステップと
を含むことを特徴とする呼制御方法。
(付記20)
前記予約依頼ステップは、
前記取得ステップで取得した装置情報の端末装置のそれぞれとの通信に要する通信帯域のうちの大きい通信帯域の予約を依頼するステップと、
前記予約が失敗した場合、前記取得ステップで取得した装置情報の端末装置のそれぞれとの通信に要する通信帯域のうちの前記大きい通信帯域よりも小さい通信帯域のいずれかを選択するステップと、
選択された通信帯域の予約を依頼するステップとを含み、
前記呼出ステップは、予約が成功した通信帯域以下の通信帯域を要する端末装置に対して呼出処理を行なうことを特徴とする付記19に記載の呼制御方法。
(付記21)
通信を行なう複数の端末装置を備え、該端末装置間の呼接続を制御する呼制御システムにおいて、
複数の端末装置の装置情報をグループ毎に記憶するグループ記憶手段と、
一の端末装置に対する呼接続の要求を受け付ける手段と、
呼接続の要求を受け付けた場合、前記一の端末装置が属するグループ内の端末装置の装置情報を前記グループ記憶手段から取得する取得手段と、
該取得手段が取得した装置情報の端末装置との通信に要する通信帯域の予約を依頼する予約依頼手段と、
該予約依頼手段が依頼した予約が成功した端末装置に対して呼出処理を行なう呼出手段とを備え、
前記端末装置は、前記呼制御装置による呼出処理に対して応答を行なう手段を備え、
前記呼出手段による呼出処理に対して一の端末装置からの応答を受け付ける手段と、
前記応答をした端末装置及び前記呼接続の要求をした端末装置間の呼接続の確立を行なう手段と、
前記応答を受け付けるまでの間、前記予約依頼手段が依頼した予約が失敗した通信帯域の予約を前記予約依頼手段に再度依頼させる制御手段とを備えることを特徴とする呼制御システム。
(付記22)
前記予約依頼手段は、
前記取得手段が取得した装置情報の端末装置のそれぞれとの通信に要する通信帯域のうちの大きい通信帯域の予約を依頼する手段と、
前記予約が失敗した場合、前記取得手段が取得した装置情報の端末装置のそれぞれとの通信に要する通信帯域のうちの前記大きい通信帯域よりも小さい通信帯域のいずれかを選択する手段と、
選択された通信帯域の予約を依頼する手段とを備え、
前記呼出手段は、予約が成功した通信帯域以下の通信帯域を要する端末装置に対して呼出処理を行なうように構成されていること
を特徴とする付記21に記載の呼制御システム。