JP4127351B2 - ゲートウェイ装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話網及びパケット網経由のリアルタイムファクシミリ通信を行う、ゲートウェイ装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
公衆回線網を介したファクシミリ通信、具体的には、例えば、ITU−T勧告T.30に準拠したG(グループ)3ファクシミリ通信は、送信側端末と受信側端末とが直接ファクシミリ制御信号をやりとりしつつファクシミリメッセージの送受信を行う、リアルタイムの通信形態のため、送信側端末と受信側端末との間の能力交換が可能であり、また、通信中に受信側端末に受信エラーが生じれば、送信側端末でもファクシミリ制御信号の受信側端末とのやりとりに障害がでて送信エラーとなるため、送信側端末としては、ファクシミリメッセージを受信側端末に正しく送信できたか否かの判断が容易であるという利点がある。
【0003】
その反面、公衆回線網を介したファクシミリ通信は、通信時間に応じた通信料金が課金されしまう欠点がある。
【0004】
一方、インターネット等のパケット網においては、電子メールによる通信がよく用いられる。電子メールによるネットワーク通信は、通信料金が基本的に無料であるという利点がある。
【0005】
その反面、電子メールによるネットワーク通信は、送信側端末と最終的な受信側端末との間にメールサーバが介在して、送信側端末からメールサーバへの電子メールの送信と、電子メールを最終的に受信する受信側端末のメールサーバからの自装置宛電子メールの受信とが、同時には行われない、非リアルタイムの通信形態であるため、送信側端末と受信側端末との間の能力交換が不可能であり、また、受信側端末における電子メールのメールサーバからの受信中に受信エラーが生じても、送信側端末では、既に電子メールの送信は正常に終了しているため、送信側端末としては、メッセージを電子メールにより受信側端末に正しく送信できたか否かの判断ができないという欠点がある。
【0006】
そのため、例えば、送信側端末から電子メールにより送信した文書データの形式(ファイル形式、符号化形式、解像度等)に、受信側端末が未対応であるために、送信側端末における文書データの電子メールによる送信は成功したのに、受信側端末において受信文書データを正しく処理できず、結果的に文書データの送信が失敗に終わってしまうという不具合が生じてしまうことがあった。
【0007】
そこで、公衆電話網を介したファクシミリ通信の利点である端末間の能力交換及びリアルタイム性と、ネットワークを介した通信の、通信料金がかからないという利点とを両立した通信形態として、1999年4月に、パケット化したファクシミリ制御信号をパケット網上でやり取りするためのITU-T勧告T.38/H.323 AnnexDが制定された。
【0008】
このITU-T勧告T.38/H.323 AnnexDに基づいた通信を行うことにより、端末間のファクシミリ通信に関する能力交換および通信のリアルタイム性が保証された通信をネットワーク上で行うことができるようになった。
【0009】
ITU-T勧告T.38/H.323 AnnexDに従うネットワーク端末(T.38端末)には、ネットワーク直結型のIAF(Internet Aware Fax)タイプと、専用線や公衆回線等の電話網へリアルタイムに転送するGW(Gateway)タイプとの2種類が存在する。
【0010】
IAFタイプの端末は、いわば、相手端末装置(IAFまたはGW)との間でパケット化されたファクシミリ制御信号としてのT.30信号をリアルタイムでやりとりして、自装置が相手端末装置にとっての最終宛先として文書データを受信するネットワークファクシミリ装置である。
【0011】
一方、GWタイプの端末は、ネットワークを介して相手端末(IAFまたはGW)から受信したパケットから抽出したT.30信号をモデム信号に変換して電話網を介して最終宛先となるG3ファクシミリ装置へ転送し、また電話網を介して前記G3ファクシミリ装置からモデム信号として受信したT.30信号をパケット化してネットワークを介して相手端末に転送することで、ネットワーク上のT.38端末と電話網上の従来型のファクシミリ装置との間でのリアルタイム通信を可能とするものである。
【0012】
T.38準拠のGWタイプの端末は、受信したIPパケットを、情報内容はそのままにT.30信号に変換して電話網へ転送し、また電話網から受けたT.30信号を情報内容はそのままにIPパケットに変換してパケット網に転送することで、IPネットワーク上のT.38端末と電話網上の従来型のG3ファクシミリ装置との間でのリアルタイム通信を可能とするものに過ぎないため、ファクシミリメッセージ伝送時の高速モデムでの通信速度は、電話網を介して自装置と回線接続される、従来型のG3ファクシミリ装置と、パケット網を介して自装置とネットワーク接続されるIAFタイプの端末、または、パケット網を介して自装置とネットワーク接続されるGWタイプの端末から更に電話網を介して接続される従来型のG3ファクシミリ装置との間のT.30に基づいたプロトコル手順により設定される。
【0013】
具体的には、着信側装置がディジタル識別信号DISにより、対応している通信速度を含む自機能力を発信側装置に通知し、その発信側装置がその通知された着信側装置の能力と自機能力との範囲内で通信条件を設定すると同時にその設定した通信条件をディジタル送信命令信号DCSにより着信側装置にも通知して設定させる。
【0014】
したがって、GWタイプの端末が接続されるパケット網における当該GWタイプの端末が使用を許されるネットワーク帯域は、終端の端末間でT.30に基づいたプロトコル手順により設定された通信速度でのメッセージデータの伝送を実現できるだけの十分な広さが確保されることがT.38準拠のリアルタイムネットワークファクシミリ通信の前提となっていた。
【0015】
そのため、仮に、GWタイプの端末がパケット網上で使用可能なネットワーク帯域が終端の端末間でT.30に基づいたプロトコル手順により設定された通信速度でのメッセージデータの伝送に十分でない場合、設定された通信速度でのメッセージデータの送受信を行うことができず、通信エラーとなってしまうという問題がある。
【0016】
一方、ファクシミリ通信が頻繁に行われていないオフィス等においては、ファクシミリ通信用の十分なネットワーク帯域(64Kbps程度)をGWタイプの端末に割り当てることは、他のアプリケーションの帯域を縮小することにつながるため効率的ではないという事情がある。特にISDNルータなどを使用して構築しているパケット網などではベースとなる帯域が64K〜128Kbps程度と狭いため、その中からファクシミリ通信のための十分な帯域を確保すること自体が難しくなるという問題がある。
【0017】
それらの問題は、ITU-T勧告T.38/H.323 AnnexD準拠のものに限らず、電話網上でやりとりされるT.30信号とパケット網上でやりとりされるパケット化されたT.30信号とをリアルタイムに相互変換して行われるリアルタイムネットワークファクシミリ通信においては、同様に生じ得る問題である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願発明の発明者は、ゲートキーパが有するネットワーク帯域管理機能を用いてその問題の解決を図った技術を提案しているが(特願2000−402494号)、現状ではまだ高価なゲートキーパを必要とする技術のため、設備投資の費用が増大してしまうという課題があった。また、現状では帯域管理機能を有しないゲートキーパも市販されているという課題もあった。
【0019】
一方、ITU-T勧告H.323のAppendixIIではRSVP(Resource ReSerVation Protocol=ネットワークリソースを管理するプロトコル)を用いて通信に必要なネットワーク帯域の予約をルータに対して行う方法についての記述がある。なお、RSVPの仕様についてはRFC2205にて規定されている。
【0020】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、前記ファクシミリ装置と前記相手端末装置との間で設定される通信速度でのリアルタイムネットワークファクシミリ通信を実現するために前記パケット網において必要とされるネットワーク帯域として十分なネットワーク帯域を、ルータへのネットワーク帯域予約により、確保することができるゲートウェイ装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のゲートウェイ装置は、パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置であって、着信側の前記ファクシミリ装置から前記電話網を介して受信したファクシミリ制御信号内の通信速度能力に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、前記ファクシミリ制御信号内の通信速度能力を、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下に書き換えた上でパケット化して前記パケット網上の相手端末装置に送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手段を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項2に記載のゲートウェイ装置は、パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置であって、着信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したファクシミリ制御信号内の通信速度能力に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、前記ファクシミリ制御信号内の通信速度能力を、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下に書き換えた上でモデム信号化して前記電話網上の発信側の前記ファクシミリ装置に送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手段を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項3に記載のゲートウェイ装置は、パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置であって、発信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したファクシミリ制御信号内の設定通信速度に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、発信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したモデムトレーニング信号に対して、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下になるまで、前記発信側の相手端末装置に対してダミーのトレーニング失敗信号を送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手段を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項4に記載のゲートウェイ装置は、パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置であって、発信側の前記ファクシミリ装置から前記電話網を介して受信したファクシミリ制御信号内の設定通信速度に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、発信側の前記ファクシミリ装置から前記電話網を介して受信した所定のモデムトレーニング信号に対して、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下になるまで、前記発信側のファクシミリ装置に対してダミーのトレーニング失敗信号を送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手段を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項5に記載のゲートウェイ装置は、請求項1、2、3または4のいずれかに記載のゲートウェイ装置において、前記通信速度/ネットワーク帯域調節手段は、前記ルータに要求して確保する前記確保ネットワーク帯域を、前記相手端末装置と前記ファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信におけるファクシミリ伝送手順の各フェーズで変更することを特徴とする。
【0026】
請求項6に記載のゲートウェイ装置は、請求項3に記載のゲートウェイ装置において、前記通信速度/ネットワーク帯域調節手段は、前記パケット網上の発信側の前記相手端末装置と、前記電話網上の着信側のファクシミリ装置との間のリアルタイムネットワークファクシミリ通信を中継する場合に、前記ルータに要求して確保した前記確保ネットワーク帯域が、ファクシミリ通信に必要な所定の最低限帯域以下の場合には、前記ファクシミリ装置への前記電話網を介した発呼を行わないで通信を中止することを特徴とする。
【0027】
請求項7に記載のゲートウェイ装置は、請求項1、2、3または4のいずれかに記載のゲートウェイ装置において、前記通信速度/ネットワーク帯域調節手段は、前記ルータにネットワーク帯域を要求した結果、前記ルータが帯域予約機能を備えていなかった場合、予め記憶登録しておいた帯域情報を前記確保ネットワーク帯域とすることを特徴とする。
【0028】
請求項8に記載のゲートウェイ装置の制御方法は、パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置の制御方法であって、発信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したファクシミリ制御信号内の設定通信速度に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、発信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したモデムトレーニング信号に対して、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下になるまで、前記発信側の相手端末装置に対してダミーのトレーニング失敗信号を送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手順を含むことを特徴とする。
請求項9に記載のゲートウェイ装置の制御方法は、請求項8に記載のゲートウェイ装置の制御方法において、前記通信速度/ネットワーク帯域調節手順は、前記ルータに要求して確保する前記確保ネットワーク帯域を、前記相手端末装置と前記ファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信におけるファクシミリ伝送手順の各フェーズで変更することを特徴とする。
請求項10に記載のゲートウェイ装置の制御方法は、請求項8に記載のゲートウェイ装置の制御方法において、前記通信速度/ネットワーク帯域調節手順は、前記パケット網上の発信側の前記相手端末装置と、前記電話網上の着信側のファクシミリ装置との間のリアルタイムネットワークファクシミリ通信を中継する場合に、前記ルータに要求して確保した前記確保ネットワーク帯域が、ファクシミリ通信に必要な所定の最低限帯域以下の場合には、前記ファクシミリ装置への前記電話網を介した発呼を行わないで通信を中止することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
なお、以下説明する実施の形態においては、電話網上の、ITU-T勧告T.30準拠のG3ファクシミリ装置と、パケット網上のITU-T勧告T.38/H.323 AnnexD準拠の相手端末装置(ゲートウェイ装置またはネットワークファクシミリ装置)との間にITU-T勧告T.38/H.323 AnnexD準拠のゲートウェイ装置が介在して行われるリアルタイムネットワークファクシミリ通信に本発明を適用している。
【0031】
しかし、今後勧告の進展により、G3ファクシミリ装置以外のファクシミリ装置(例えばG4ファクシミリ装置)と、パケット網上の相手端末装置との間のゲートウェイ装置を介したリアルタイムネットワークファクシミリ通信が、T.38に代わる新たな勧告が規定される等して実現されたような場合には、本発明を、本発明の趣旨を逸脱せず本質的に同じ構成で適用することができるのはいうまでもない。
【0032】
先ず、図1に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置1を含むリアルタイムネットワークファクシミリ通信システムの構成例について示す。
【0033】
同図に示すシステムは、説明の便宜上、左側の着信側システムと、右側の発信側システムとが、一定のネットワーク帯域(例えば64kbbs)の通信ライン70により接続されたシステムとなっている。
【0034】
発信側のG3ファクシミリ装置であるG3ファクス40aは、電話網50aを介して、発信側T.38端末装置としてのゲートウェイ装置(GW)1aに発呼して宛先指定を行う。
【0035】
発信側T.38端末装置としてのネットワークファクシミリ装置(IAF)20aは、自装置の操作部等から宛先指定を直接受ける。
【0036】
発信側T.38端末装置としてのGW1aやIAF20aは、パケット網60aにおいてルータ80bを介して通信を行い、宛先の着信側T.38端末装置としてのGW1bやIAF20bに通信ライン70及びパケット網60bを介してT.38/H.323 AnnexDパケット信号を送信する。
【0037】
一方、着信側T.38端末装置としてのGW1bやIAF20bは、パケット網60bにおいてルータ80bを介して通信を行い、発信側T.38端末装置としてのGW1aやIAF20a(を介したG3ファクス40a)との間でパケット網60b及び通信ライン70を介してT.38/H.323 AnnexDパケット信号をやりとりしてリアルタイムネットワークファクシミリ通信を行う。
【0038】
なお、GW1bは、更に、発信側からSETUPパケットにより通知される電話網50b上の着信側のG3ファクス40bに発呼して、G3ファクス40bと、発信側T.38端末装置との間のリアルタイムネットワークファクシミリ通信を中継する。
【0039】
GW1aは、パケット網60a上から渡されたT.38/H.323 AnnexDパケット信号をT.30信号に変換して、電話網50a上のG3ファクス40aに転送する一方、電話網50a上から渡されたT.30信号をT.38/H.323 AnnexDパケット信号に変換してパケット網60aを介して転送する。
【0040】
GW1bは、パケット網60b上から渡されたT.38/H.323 AnnexDパケット信号をT.30信号に変換して、電話網50b上のG3ファクス40bに転送する一方、電話網50b上から渡されたT.30信号をT.38/H.323 AnnexDパケット信号に変換してパケット網60bを介して転送する。
【0041】
本発明は、GW1bまたはIAF20bの着信側T.38端末装置にとっての発信側GW1aとなって、発信側G3ファクス40aと着信側T.38端末装置との間のリアルタイムネットワークファクシミリ通信を中継する場合、または、GW1aまたはIAF20aの発信側T.38端末装置にとっての着信側GW1bとなって、着信側G3ファクス40bと発信側T.38端末装置との間のリアルタイムネットワークファクシミリ通信を中継する場合についてのものである。
【0042】
図2に発信側ゲートウェイ装置1aまたは着信側ゲートウェイ装置1bとなるゲートウェイ装置1のブロック構成について示す。
【0043】
同図において、ゲートウェイ装置1は、システム制御部2、ROM3、RAM4、記憶装置5、オペポート6、LANコントローラ7、トランス8、モデム9、網制御部10、及び、システムバス11により構成されている。
【0044】
システム制御部2は、ROM3に書き込まれた制御プログラムに従って、RAM4を作業領域として使用しながら、装置各部を制御するマイクロコンピュータである。
【0045】
ROM3は、前述したように、システム制御部2が上記装置各部を制御するための制御プログラムが記憶されているリードオンリメモリである。RAM4は、前述したようにシステム制御部2の作業領域として使用されるランダムアクセスメモリである。
【0046】
記憶装置5は、ハードディスク装置等により構成され、データを蓄積するためのものである。操作表示部6は、装置の動作状態の表示や各種操作入力を受け付けるためのものである。
【0047】
LANコントローラ10は、トランス8を介してパケット網60から受信したデータのデコード、またパケット網60へ送信するデータのエンコードを行ったり、送信フレームや受信フレームのバッファリングを行うことで、パケット網60からのデータを送受信するためのトランスフォーマーであるトランス8を介したLANプロトコルを制御して、そのLANプロトコル上でシステム制御部2がTCP/IPプロトコルを制御して、T.38/H.323 AnnexDに基づいたリアルタイムネットワークファクシミリ通信を行えるようにするためのものである。
【0048】
モデム9は、G3ファクシミリモデムで、網制御部10を介して電話網50に送信するデータを変調する一方、網制御部10を介して電話網50から受信した信号を復調するものである。また、モデム9は、相手先番号に対応するDTMF信号の送出も行う。
【0049】
網制御部10は、電話網50に接続されて、電話網50の回線の極性反転の検出、回線の直流ループの閉結・解放や、回線解放の検出、発信音の検出、ビジートーン等のトーン信号の検出、呼出信号の検出等の回線との接続制御や、相手先番号に対応する選択信号の、20PPSまたは10PPSのダイヤル回線に対応したダイヤルパルス信号による送出を行うものである。システムバス11は、上記各部がデータをやり取りするための信号ラインである。
【0050】
図3に、ゲートウェイ装置1におけるソフトウェア構成を示す。
【0051】
ゲートウェイ装置1は、T.38/H.323 AnnexDに従うGWタイプのネットワーク端末であり、電話網50を介したT.30に基づいたG3ファクシミリ通信機能と、そのG3ファクシミリ通信機能と並行して実行される、パケット網60を介したT.38/H.323 AnnexDにもとづいたパケット通信機能とを備えたものとして構成されている。
【0052】
そのため、図3に示すソフトウェア構成においては、「ファクスプロトコル(T.30)制御」は、電話網でのファクスデータ通信を行う「MODEM制御」と、「LANコントローラ制御」、ネットワークを制御するための「TCP/IP」プロトコル、及びリアルタイムネットワークファクシミリ通信を制御するための「T.38パケット制御」より構成されるプロトコルスタックとの双方の上に位置する。更に、「ファクスプロトコル(T.30)制御」の上には、「オペポート制御」、及び、装置動作全体の統括的制御を行う「全体制御」が位置する。
【0053】
次に、本発明を実現するために使用するRSVP(Resource ReSerVation Protocol=ネットワークリソースを管理するプロトコル)を用いた通信の基本シーケンスについて、図4に示す。なお、RSVPは、ITU-T勧告H.323のAppendixIIに記述された、通信に必要なネットワーク帯域の予約をルータに対して行うことが可能なプロトコルで、その仕様についてはRFC2205にて規定されている。
【0054】
図4において、ゲートウェイ装置GWやIAF等のH.323端末が、パケット網内のルータを介して、相手先のH.323端末であるゲートウェイ装置GWを介して、電話網上の電話(Tel)/ファクス(FAX)との間で通信を行う場合、H.323端末間で呼制御用TCPチャンネルを確立し(フェーズF1)、OLC(OpenLogicalChannel)メッセージを送信・受信する(フェーズF2)。OLCを受信したゲートウェイ装置GWは、Tel/FAXに対して発呼し(フェーズF3)、Tel/FAXが応答すると(フェーズF4)、OLC_Ackメッセージを返す(フェーズF5)。
【0055】
そして、発信側から着信側に各ルータを介してRSVP_Pathメッセージを送信し(フェーズF6a、F6b、F6c)、それに対して着信側が、帯域確保要求のRSVP_Resvメッセージを各ルータを介して返信することにより(フェーズF7a、7b、7c)、ネットワーク待機の確保要求を行う。発信側は、それに対して、各ルータを介して帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)を行い(フェーズF8a、F8b、F8c)、以後、その確保されたネットワーク帯域を用いて、音声/データ通信を行う(フェーズF9)。
【0056】
フェーズF9の通信が終了すると、発信側はCLC(CloseLogicalChannel)メッセージを送信し、それを着信側が受信すると(フェーズF10)、着信側のゲートウェイ装置GWは、Tel/FAXとの間で接続されている回線を切断すると共に(フェーズF11)、帯域解放を示すRSVP_Tearメッセージを発信側のH.323端末に返信してリソースの解放を行い通信を終了する。
【0057】
次に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置1が着信側ゲートウェイ装置1bとして行う、第1実施形態に係る着信側処理について、図5及び図6を参照して説明する。また、図5及び図6に示す処理手順に対応するリアルタイムネットワークファクシミリ通信の通信シーケンスについて図7に示す。
【0058】
図5において、着信側GW1bは、呼制御用TCPチャンネルの確立後(図7のフェーズF10)、発信側T.38端末(IAF20aまたはGW1a)からSETUPパケットを受信する(処理101:図7のフェーズF11)。また、SETUPパケットにより、着信側の宛先(ファクス番号)を取得する。また、受信SETUPパケットは、fastConnect手順のもので、そのSETUP内のOLC(OpenLogicalChannel)により、相手端末がRSVPを使用できるかどうか調査する。相手端末がRSVPをサポートしていなかった場合は従来技術で通信を行うが、このとき通信エラーとすることも可能である。
【0059】
着信側GW1bは、処理101でSETUPパケットを受信して、それにより、相手端末がRSVPをサポートしていることがわかった場合、続いて、着信側G3ファクス40bに対して電話網50bを介して発呼し(処理102:図7のフェーズF12)、その発呼に対する応答を受ける(処理103:図7のフェーズF13)。
【0060】
そして、発信側T.38端末装置に対してCONNECTパケットを送信する(処理104:図7のフェーズF14)。なお、その場合送信するCONNECTパケットは、fastConnect手順のもので、そのCONNECT内のOLC(OpenLogicalChannel)により、自端末もRSVプロトコルをサポートしていることを示すOLC_Ack(OpenLogicalChannelAck)メッセージを返す。
【0061】
その後、発信側の相手端末からRSVP_Pathメッセージを受け取り(処理105:図7のフェーズF15)、ネットワーク上のルータに対してRSVP_Resvメッセージによりリソースの予約要求を行う(処理106:図7のフェーズF16)。
【0062】
このとき予約する帯域は現状G3ファクシミリ通信の最大速度がV.34で33.6Kbps、ISDNのG3で64Kbpsであることと、パケットネットワークでの遅延を考慮し、現状では64K〜128Kbps程度が望ましい値である。この値については、ユーザのネットワーク環境や将来のファクシミリプロトコルの拡張を考慮して、ユーザ設定した値を記憶装置に保存することを可能とする。
【0063】
予約要求が受け付けられれば、帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)が得られるが(処理107:図7のフェーズF17)、予約要求に対して、帯域確保が失敗した場合(RSVP Error)(判断108のNo)、リトライ回数が満了していない限り、処理106に戻って、帯域幅を少なくするなど内容を変更して帯域確保要求(RSVP_Resv)を再度発行する(判断110のNo)。
【0064】
リトライ回数が満了してしまった場合には(判断110のYes)、通信エラーとして、図6の処理208に移行する。
【0065】
リトライ回数の満了までに帯域予約が成功した場合には(判断108のYes)、確保できた帯域幅(確保ネットワーク帯域)としてのbit_rate(=A)を記憶装置5に保存し(処理111:図7のフェーズF18)、図6の処理201に移行する。
【0066】
これにより、以後の着信側GW1bにおけるパケット網60bを介した通信は、確保ネットワーク帯域Aの範囲内で行われ、また、行う必要がある。
【0067】
図6の処理201では、図7のフェーズF19で確立されたデータチャンネルを使用して、フェーズF20のファクスプロトコル処理を開始する(処理201)。
【0068】
そして、処理201で開始されたフェーズF20のファクスプロトコル処理、すなわち、電話網50bを介して受信した被呼局識別信号CED、被呼端末識別信号CSI、ディジタル識別信号DIS等のT.30信号のモデム信号を受信し、パケットに変換し、パケット網60bを介して送信する処理や逆の処理を行っている間に、ディジタル識別信号DISのモデム信号を受信する(処理202:図7のフェーズF20c)。
【0069】
そして、その受信したディジタル識別信号DISのFIF(ファクシミリ情報フィールド)の内容のうちのビット11、12、13及び14の組合せにより通知される着信側、すなわち、G3ファクス40bが対応している、必要ネットワーク帯域としての通信速度(=B)を調査する(処理203)。
【0070】
そして、処理203で取得した必要ネットワーク帯域Bが、処理111で保持していた確保ネットワーク帯域Aより広いか否かを判断する(判断204)。
【0071】
そして、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以下の場合には(判断204のNo)、ディジタル識別信号DISで通知される通信速度能力の最高速度が、発信側T.38/H.323 AnnexD端末、つまり、IAF20a、または、GW1a(を介したG3ファクス40a)により図7のフェーズF20fのディジタル送信命令信号DCSにより設定されたとしても、以後のファクシミリメッセージデータの伝送時にパケット網60bにおいて帯域オーバーが生じることがないため、処理202でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISを内容を書き換えることなくそのまま発信側端末にパケット送信し(処理206:図7のフェーズF20e)、以後のフェーズF20のファクスプロトコル処理を行う(処理207)。
【0072】
必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い場合には(判断204のYes)、そのままでは、着信側G3ファクス40bの通信速度能力と同じかそれ以上の通信速度能力を、発信側T.38端末(を介した発信側G3ファクス40a)が備えている場合には、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い状態のまま、以後のファクシミリメッセージデータの伝送が行われてしまい、パケット網60bにおいて帯域オーバーが生じて通信エラーとなるおそれがあるため、処理202でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISの通信速度能力についての内容(ビット番号11ないし14のビット列により定義されている)を確保ネットワーク帯域A(例えば9,000bps)以下に、必要ネットワーク帯域Bがなるような通信速度能力(7,200bps:ビット列では例えば「1,1,0,1」)に書換え変換し(処理205:図7のフェーズF20d)、その書換え変換後のディジタル識別信号DISをパケットに変換して発信側T.38端末に送信し(処理206:図7のフェーズF20e)、以後フェーズF29のファクスプロトコル処理を継続する。
【0073】
処理207のフェーズF20の通信が終了した後、または、判断110がYesとなった後、fastConnect手順により、CLC(CloseLogicalChannel)を含むRELCOMPメッセージを受信すると(処理208)、相手端末に対して帯域解放(RSVP_Tear)のパケット送出し、リソースの解放を行って(処理209)、処理を終了する。
【0074】
このように、着信側G3ファクス40bから受信したディジタル識別信号DISの内容を着信側GW1bが変換することにより、発信側T.38端末(を介した発信側G3ファクス40a)に対して、着信側G3ファクス40bの通信速度能力が低いとみせかけて、帯域オーバーとなるような通信速度が発信側T.38端末(を介した発信側G3ファクス40a)において設定されてしまうことを防止することで、ルータに対して要求することにより確保されるネットワーク帯域の広さによらず、常に正常なリアルタイムネットワーク通信の中継が可能となる。
【0075】
次に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置1が発信側ゲートウェイ装置1aとして行う、第2実施形態に係る発信側処理について、図8及び図9を参照して説明する。また、図8及び図9に示す処理手順に対応するリアルタイムネットワークファクシミリ通信の通信シーケンスについて図10に示す。
【0076】
図8において、発信側GW1aは、図10のフェーズF30に示す発信側G3ファクス40aからの電話網50aを介した着呼を受け(処理301)、その着呼に対して図10のフェーズF31に示す応答を行う(処理302)。
【0077】
そして、図10のフェーズF32により着信側の宛先(IPアドレス(及びファクス番号))を取得すると、発信側GW1aは、呼制御用TCPチャンネルの確立後(図10のフェーズF33)、着信側T.38端末(IAF20aまたはGW1a)に対してSETUPパケットを送信する(処理303:図10のフェーズF34)。また、SETUPパケットにより、着信側の宛先(ファクス番号)を通知する。また、受信SETUPパケットは、fastConnect手順のもので、そのSETUP内のOLC(OpenLogicalChannel)により、自端末がRSVPをサポートしていることを相手に通知する。
【0078】
そして、着信側T.38端末装置からCONNECTパケットを受信する(処理304:図10のフェーズF35)。なお、その場合送信するCONNECTパケットは、fastConnect手順のもので、そのCONNECT内のOLC(OpenLogicalChannel)により、着信側もRSVプロトコルをサポートしていることを示すOLC_Ack(OpenLogicalChannelAck)メッセージが返されるものとする)。
【0079】
着信側がRSVプロトコルをサポートしていないことが分かった場合には、従来技術で通信を行うが、このとき通信エラーとすることも可能である。
【0080】
相手端末がRSVプロトコルをサポートしている場合、続いて、RSVP_Pathメッセージを送信し(処理305:図10のフェーズF36)、ネットワーク上のルータのパスを通知し帯域予約要求を行う。このとき、経路途中のルータにより、エラー(PathError)が返ってきた場合、通常手順通信あるいはエラー終了するが、RSVP_Resvメッセージが受信されると、リソースの予約要求が受け入れられるたことになる(処理306:図10のフェーズF37)。
【0081】
このとき予約する帯域は現状G3ファクシミリ通信の最大速度がV.34で33.6Kbps、ISDNのG3で64Kbpsであることと、パケットネットワークでの遅延を考慮し、現状では64K〜128Kbps程度が望ましい値である。この値については、ユーザのネットワーク環境や将来のファクシミリプロトコルの拡張を考慮して、ユーザ設定した値を記憶装置に保存することを可能とする。
【0082】
RSVP_Resvメッセージが受信されて帯域予約が成功すると、確保できた帯域幅(確保ネットワーク帯域)としてのbit_rate(=A)を記憶装置5に保存すると共に(処理307:図10のフェーズF38)、帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)を相手端末に送信する(処理308:図10のフェーズF39)。
【0083】
これにより、以後の発信側GW1aにおけるパケット網60aを介した通信は、確保ネットワーク帯域Aの範囲内で行われ、また、行う必要がある。
【0084】
処理309では、図10のフェーズF40で確立されたデータチャンネルを使用して、フェーズF41のファクスプロトコル処理を開始する(処理309)。
【0085】
そして、処理309で開始されたフェーズF41のファクスプロトコル処理、すなわち、パケット網60aを介して受信した被呼局識別信号CED、被呼端末識別信号CSI、ディジタル識別信号DIS等の、ファクシミリ制御信号としてのT.30信号のパケットを受信し、モデム信号へ変換し、電話網50aを介して送信する処理や逆の処理を行っている間に、ディジタル識別信号DISのパケットを受信する(処理401:図10のフェーズF41c)。
【0086】
そして、その受信したディジタル識別信号DISのFIF(ファクシミリ情報フィールド)の内容のうちのビット11、12、13及び14の組合せにより通知される着信側、すなわち、IAF20b、または、GW1bを介したG3ファクス40bの通信速度能力に対応する必要ネットワーク帯域Bを調査する(処理402)。
【0087】
そして、処理402で取得した必要ネットワーク帯域Bが、処理307で保持していた確保ネットワーク帯域Aより広いか否かを判断する(判断403)。
【0088】
そして、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以下の場合には(判断403のNo)、ディジタル識別信号DISで通知される通信速度能力の最高速度が、発信側G3ファクス40aにより、図10のフェーズF41fのディジタル送信命令信号DCSにより設定されたとしても、以後のファクシミリメッセージデータの伝送時にパケット網60aにおいて帯域オーバーが生じることがないため、処理401でパケットとして受信したディジタル識別信号DISを内容を書き換えることなくそのまま発信側G3ファクス40aにモデム信号として送信し(処理405:図10のフェーズF41e)、以後のフェーズF41のファクスプロトコル処理を行う(処理207)。
【0089】
必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い場合には(判断403のYes)、そのままでは、着信側T.38端末の通信速度能力以上の通信速度能力を、発信側G3ファクス40aが備えている場合には、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い状態のまま、以後のファクシミリメッセージデータの伝送が行われてしまい、パケット網60aにおいて帯域オーバーが生じて通信エラーとなるおそれがあるため、処理401でパケットとして受信したディジタル識別信号DISのファクシミリ情報フィールドの情報内容のうちの、通信速度能力についての内容(ビット番号11ないし14のビット列により定義されている)を確保ネットワーク帯域A(例えば9,000bps)以下に、必要ネットワーク帯域Bか゜なるような通信速度能力(例えば7,200bps:ビット列では例えば「1,1,0,1」)に書換え変換し(処理404:図10のフェーズF41d)、その書換え変換後のディジタル識別信号DISを、モデム信号に変換して発信側G3ファクス40aに送信し(処理405:図10のフェーズF41e)、以後フェーズF41のファクスプロトコル処理を継続する。
【0090】
処理406のフェーズF41の通信が終了した後、fastConnect手順により、CLC(CloseLogicalChannel)を含むRELCOMPメッセージを送信し(処理407)、それに対する相手端末からの帯域解放(RSVP_Tear)のパケットを受信してリソースの解放が行われて(処理408)、処理が終了する。
【0091】
このように、着信側T.38端末から受信したディジタル識別信号DISの内容を発信側GW1aが変換することにより、発信側G3ファクス40aに対して、着信側T.38端末の通信速度能力が低いとみせかけて、帯域オーバーとなるような通信速度が発信側G3ファクス40aにおいて設定されてしまうことを防止することで、ルータに対して要求することにより確保されるネットワーク帯域の広さによらず、常に正常なリアルタイムネットワーク通信の中継が可能となる。
【0092】
次に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置1が着信側ゲートウェイ装置1bとして行う、第3実施形態に係る着信側処理について、図11及び図12を参照して説明する。また、図11及び図12に示す処理手順に対応するリアルタイムネットワークファクシミリ通信の通信シーケンスについて図13に示す。
【0093】
図11において、着信側GW1bは、呼制御用TCPチャンネルの確立後(図13のフェーズF50)、発信側T.38端末(IAF60aまたはGW1a)からSETUPパケットを受信する(処理501:図13のフェーズF51)。また、SETUPパケットにより、着信側の宛先(ファクス番号)を取得する。また、受信SETUPパケットは、fastConnect手順のもので、そのSETUP内のOLC(OpenLogicalChannel)により、相手端末がRSVPを使用できるかどうか調査する。相手端末がRSVPをサポートしていなかった場合は従来技術で通信を行うが、このとき通信エラーとすることも可能である。
【0094】
着信側GW1bは、処理501でSETUPパケットを受信して、それにより、相手端末がRSVPをサポートしていることがわかった場合、続いて、着信側G3ファクス40bに対して電話網50bを介して発呼し(処理502:図13のフェーズF52)、その発呼に対する応答を受ける(処理503:図13のフェーズF53)。
【0095】
そして、発信側T.38端末装置に対してCONNECTパケットを送信する(処理504:図13のフェーズF54)。なお、その場合送信するCONNECTパケットは、fastConnect手順のもので、そのCONNECT内のOLC(OpenLogicalChannel)により、自端末もRSVプロトコルをサポートしていることを示すOLC_Ack(OpenLogicalChannelAck)メッセージを返す。
【0096】
その後、発信側の相手端末からRSVP_Pathメッセージを受け取り(処理505:図13のフェーズF55)、ネットワーク上のルータに対してRSVP_Resvメッセージによりリソースの予約要求を行う(処理506:図13のフェーズF56)。
【0097】
このとき予約する帯域は現状G3ファクシミリ通信の最大速度がV.34で33.6Kbps、ISDNのG3で64Kbpsであることと、パケットネットワークでの遅延を考慮し、現状では64K〜128Kbps程度が望ましい値である。この値については、ユーザのネットワーク環境や将来のファクシミリプロトコルの拡張を考慮して、ユーザ設定した値を記憶装置に保存することを可能とする。
【0098】
予約要求が受け付けられれば、帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)が得られるが(処理507:図13のフェーズF57)、予約要求に対して、帯域確保が失敗した場合(RSVP Error)(判断508のNo)、リトライ回数が満了していない限り、処理506に戻って、帯域幅を少なくするなど内容を変更して帯域確保要求(RSVP_Resv)を再度発行する(判断510のNo)。
【0099】
リトライ回数が満了してしまった場合には(判断510のYes)、通信エラーとして、図12の処理608に移行する。
【0100】
リトライ回数の満了までに帯域予約が成功した場合には(判断508のYes)、確保できた帯域幅(確保ネットワーク帯域)としてのbit_rate(=A)を記憶装置5に保存し(処理511:図13のフェーズF58)、図13のフェーズF59により確立されたデータチャンネル上でフェーズF60のファクスプロトコル処理を開始して、着信側G3ファクス40bからディジタル識別信号DISのモデム信号を受信すると(処理512:図13のフェーズF60c)、その受信したディジタル識別信号DISのモデム信号を内容の変更なしにそのままパケットに変換して発信側T.38端末に送信してしまう(処理513:図13のフェーズF60d)。
【0101】
すると、発信側T.38端末(を介した発信側G3ファクス40a)は、フェーズF60dで通知された着信側の通信速度能力と自装置の通信速度能力の範囲内の通信速度(通常は最大の通信速度)を設定して、その他の通信パラメータの設定と共にディジタル送信命令信号DCSにより送信してくるため、そのディジタル送信命令信号DCSを受信する(図12の処理601:図13のフェーズF60e)。
【0102】
そして、その受信したディジタル送信命令信号DCSのFIF(ファクシミリ情報フィールド)の内容のうちのビット11、12、13及び14の組合せにより通知される発信側が対応している、必要ネットワーク帯域としての通信速度(=B)を調査する(処理602)。
【0103】
そして、処理602で取得した必要ネットワーク帯域Bが、処理511で保持していた確保ネットワーク帯域Aより広いか否かを判断する(判断603)。
【0104】
必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以上の場合には(判断603のYes)、発信側T.38端末からトレーニングチェック信号TCFのパケットを受信する(処理604:図13のフェーズF60f)。ただし、その場合受信したTCF信号のパケットについては、モデム信号に変換して着信側G3ファクス40bに送信する処理は行わない。
【0105】
そして、その受信したTCF信号のパケットに対して、トレーニングエラー信号FTTのパケットを発信側T.38端末に送信して(処理605:図13のフェーズF60g)、処理601に戻る。その場合処理601で受信するディジタル送信命令信号DCSの通信速度の設定は、トレーニングエラー信号FTTの受信を受けて、発信側T.38端末(を介したG3ファクス40a)において前に設定した速度よりも遅く設定されていることになる。
【0106】
そのため、判断603がYesとなった場合でも、判断603のYesのループが1回または複数回繰り返されることで、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも狭くなり、判断603がNoとなる。
【0107】
判断603がNoとなって初めて、処理601でパケットとして受信したディジタル識別信号DISをモデム信号に変換して、着信側G3ファクス40bに送信し(処理606:図13のフェーズF60i)、以後フェーズF60のファクスプロトコル処理を継続する(処理607)。
【0108】
処理607のフェーズF60の通信が終了した後、または、判断510がYesとなった後、fastConnect手順により、CLC(CloseLogicalChannel)を含むRELCOMPメッセージを受信すると(処理608)、相手端末に対して帯域解放(RSVP_Tear)のパケット送出し、リソースの解放を行って(処理609)、処理を終了する。
【0109】
このように、発信側T.38端末から受信したディジタル送信命令信号DCSにより設定された通信速度ではモデムトレーニングが失敗してしまうとみせかけて、帯域オーバーとなるような通信速度が発信側T.38端末(を介したG3ファクス40a)において設定されてしまうことを防止することで、ルータに対して要求することにより確保されるネットワーク帯域の広さによらず常に正常なリアルタイムネットワーク通信の中継が可能となり、また、発信側のT.38端末(を介したG3ファクス40a)において最終的に設定される通信速度に合わせて必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以下になるように調節されるため、確保ネットワーク帯域Aを無駄なく使用して効率的なファクシミリ通信が可能となる。
【0110】
次に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置1が発信側ゲートウェイ装置1aとして行う、第4実施形態に係る発信側処理について、図14及び図15を参照して説明する。また、図14及び図15に示す処理手順に対応するリアルタイムネットワークファクシミリ通信の通信シーケンスについて図16に示す。
【0111】
図14において、発信側GW1aは、図16のフェーズF70に示す発信側G3ファクス40aからの電話網50aを介した着呼を受け(処理701)、その着呼に対して図16のフェーズF71に示す応答を行う(処理702)。
【0112】
そして、図16のフェーズF72により着信側の宛先(IPアドレス(及びファクス番号))を取得すると、発信側GW1aは、呼制御用TCPチャンネルの確立後(図16のフェーズF73)、着信側T.38端末(IAF20aまたはGW1a)に対してSETUPパケットを送信する(処理703:図16のフェーズF74)。また、SETUPパケットにより、着信側の宛先(ファクス番号)を通知する。また、受信SETUPパケットは、fastConnect手順のもので、そのSETUP内のOLC(OpenLogicalChannel)により、自端末がRSVPをサポートしていることを相手に通知する。
【0113】
続いて、RSVP_Pathメッセージを送信し(処理704:図16のフェーズF75)、ネットワーク上のルータのパスを通知し帯域予約要求を行う。このとき、経路途中のルータにより、エラー(PathError)が返ってきた場合、通常手順通信あるいはエラー終了するが、RSVP_Resvメッセージが受信されると、リソースの予約要求が受け入れられたことになる(処理705:図16のフェーズF76)。
【0114】
このとき予約する帯域は現状G3ファクシミリ通信の最大速度がV.34で33.6Kbps、ISDNのG3で64Kbpsであることと、パケットネットワークでの遅延を考慮し、現状では64K〜128Kbps程度が望ましい値である。この値については、ユーザのネットワーク環境や将来のファクシミリプロトコルの拡張を考慮して、ユーザ設定した値を記憶装置に保存することを可能とする。
【0115】
RSVP_Resvメッセージが受信されて帯域予約が成功すると、帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)を相手端末に送信すると共に(処理706:図16のフェーズF77)、確保できた帯域幅(確保ネットワーク帯域)としてのbit_rate(=A)を記憶装置5に保存する(処理707:図16のフェーズF78)。
【0116】
そして、着信側T.38端末装置からCONNECTパケットを受信する(処理708:図16のフェーズF79)。なお、その場合送信するCONNECTパケットは、fastConnect手順のもので、そのCONNECT内のOLC(OpenLogicalChannel)により、着信側もRSVプロトコルをサポートしていることを示すOLC_Ack(OpenLogicalChannelAck)メッセージが返されるものとする)。
【0117】
着信側がRSVプロトコルをサポートしていないことが分かった場合には、従来技術で通信を行うが、このとき通信エラーとすることも可能である。
【0118】
これにより、以後の発信側GW1aにおけるパケット網60aを介した通信は、確保ネットワーク帯域Aの範囲内で行われ、また、行う必要がある。
【0119】
処理709では、図16のフェーズF80で確立されたデータチャンネルを使用して、フェーズF81のファクスプロトコル処理を開始する(処理709)。
【0120】
そして、着信側T.38端末からディジタル識別信号DISのパケットを受信すると(処理710:図16のフェーズF81c)、その受信したディジタル識別信号DISのパケットを内容の変更なしにそのままモデム信号に変換して発信側G3ファクス40aに送信してしまう(処理711:図16のフェーズF81d)。
【0121】
すると、発信側G3ファクス40aは、フェーズF81dで通知された着信側の通信速度能力と自装置の通信速度能力の範囲内の通信速度(通常は最大の通信速度)を設定して、その他の通信パラメータの設定と共にディジタル送信命令信号DCSにより送信してくるため、そのディジタル送信命令信号DCSを受信する(図15の処理801:図136フェーズF81e)。
【0122】
そして、その受信したディジタル送信命令信号DCSのFIF(ファクシミリ情報フィールド)の内容のうちのビット11、12、13及び14の組合せにより通知される発信側が対応している、必要ネットワーク帯域としての通信速度(=B)を調査する(処理802)。
【0123】
そして、処理802で取得した必要ネットワーク帯域Bが、処理707で保持していた確保ネットワーク帯域Aより広いか否かを判断する(判断803)。
【0124】
必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以上の場合には(判断803のYes)、発信側G3ファクス40aからトレーニングチェック信号TCFのモデム信号を受信する(処理804:図16のフェーズF81f)。ただし、その場合受信したTCF信号のモデム信号については、パケットに変換して着信側T.38端末に送信する処理は行わない。
【0125】
そして、その受信したTCF信号のモデム信号に対して、トレーニングエラー信号FTTのモデム信号を発信側G3ファクス40aに送信して(処理805:図16のフェーズF81g)、処理801に戻る。その場合処理801で受信するディジタル送信命令信号DCSの通信速度の設定は、トレーニングエラー信号FTTの受信を受けて、発信側G3ファクス40aにおいて前に設定した速度よりも遅く設定されていることになる。
【0126】
そのため、判断803がYesとなった場合でも、判断803のYesのループが1回または複数回繰り返されることで、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも狭くなり、判断803がNoとなる。
【0127】
判断803がNoとなって初めて、処理801でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISをパケットに変換して、着信側T.38端末に送信し(処理806:図16のフェーズF81i)、以後フェーズF81のファクスプロトコル処理を継続する(処理807)。
【0128】
処理807のフェーズF81の通信が終了した後、fastConnect手順により、CLC(CloseLogicalChannel)を含むRELCOMPメッセージを送信し(処理808)、それに対する相手端末からの帯域解放(RSVP_Tear)のパケットを受信してリソースの解放が行われて(処理809)、処理が終了する。
【0129】
このように、発信側G3ファクス40aから受信したディジタル送信命令信号DCSにより設定された通信速度ではモデムトレーニングが失敗してしまうとみせかけて、帯域オーバーとなるような通信速度が発信側3ファクス40aにおいて設定されてしまうことを防止することで、ルータに対して要求することにより確保されるネットワーク帯域の広さによらず常に正常なリアルタイムネットワーク通信の中継が可能となり、また、発信側のG3ファクス40aにおいて最終的に設定される通信速度に合わせて必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以下になるように調節されるため、確保ネットワーク帯域Aを無駄なく使用して効率的なファクシミリ通信が可能となる。
【0130】
次に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置1が着信側ゲートウェイ装置1bとして行う、図5及び図6に示した第1実施形態に係る着信処理の変形例である、第5実施形態に係る着信側処理について、図17及び図18を参照して説明する。また、図17及び図18に示す処理手順に対応するリアルタイムネットワークファクシミリ通信の通信シーケンスについて図19に示す。
【0131】
図17において、着信側GW1bは、呼制御用TCPチャンネルの確立後(図19のフェーズF90)、発信側T.38端末(IAF20aまたはGW1a)からSETUPパケットを受信する(処理901:図19のフェーズF91)。また、SETUPパケットにより、着信側の宛先(ファクス番号)を取得する。また、受信SETUPパケットは、fastConnect手順のもので、そのSETUP内のOLC(OpenLogicalChannel)により、相手端末がRSVPを使用できるかどうか調査する。相手端末がRSVPをサポートしていなかった場合は従来技術で通信を行うが、このとき通信エラーとすることも可能である。
【0132】
着信側GW1bは、処理901でSETUPパケットを受信して、それにより、相手端末がRSVPをサポートしていることがわかった場合、続いて、着信側G3ファクス40bに対して電話網50bを介して発呼し(処理902:図19のフェーズF92)、その発呼に対する応答を受ける(処理903:図19のフェーズF93)。
【0133】
そして、発信側T.38端末装置に対してCONNECTパケットを送信する(処理904:図19のフェーズF94)。なお、その場合送信するCONNECTパケットは、fastConnect手順のもので、そのCONNECT内のOLC(OpenLogicalChannel)により、自端末もRSVプロトコルをサポートしていることを示すOLC_Ack(OpenLogicalChannelAck)メッセージを返す。
【0134】
その後、発信側の相手端末からRSVP_Pathメッセージを受け取り(処理905:図19のフェーズF95)、ネットワーク上のルータに対してRSVP_Resvメッセージによりリソースの予約要求を行う(処理906:図19のフェーズF96)。
【0135】
このとき予約する帯域としては、ファクシミリメッセージの伝送時に必要となる高速モデム(例えば33.6Kbps)用の帯域ではなく、T.30に基づいた伝送制御手順における制御信号のやりとりに使用される低速モデム(300bps)用の帯域に抑える。これにより、T.30信号をやりとりするために必要な最低限の帯域だけを確保でき、T.30に基づいた伝送制御手順における制御信号のやりとりに必要な分以上の無駄に広い帯域を確保してしまうことがない。
【0136】
予約要求が受け付けられれば、帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)が得られるが(処理907:図19のフェーズF97)、予約要求に対して、帯域確保が失敗した場合(RSVP Error)(判断908のNo)、リトライ回数が満了していない限り、処理906に戻って、帯域幅を少なくするなど内容を変更して帯域確保要求(RSVP_Resv)を再度発行する(判断910のNo)。
【0137】
リトライ回数が満了してしまった場合には(判断910のYes)、通信エラーとして、図18の処理1014に移行する。
【0138】
リトライ回数の満了までに帯域予約が成功した場合には(判断908のYes)、図18の処理1001に移行する。
【0139】
図18の処理1001では、図19のフェーズF98で確立されたデータチャンネルを使用して、フェーズF99のファクスプロトコル処理を開始する(処理1001)。
【0140】
そして、処理1001で開始されたフェーズF99のファクスプロトコル処理、すなわち、電話網50bを介して受信した被呼局識別信号CED、被呼端末識別信号CSI、ディジタル識別信号DIS等のT.30信号のモデム信号を受信し、パケットに変換し、パケット網60bを介して送信する処理や逆の処理を行っている間に、ディジタル識別信号DISのモデム信号を受信する(処理1002:図19のフェーズF99c)。
【0141】
そして、その受信したディジタル識別信号DISのFIF(ファクシミリ情報フィールド)の内容のうちのビット11、12、13及び14の組合せにより通知される着信側G3ファクス40bが対応している、必要ネットワーク帯域としての通信速度(=B)を調査する(処理1003)。
【0142】
そして、その必要ネットワーク帯域B(この場合V.34の33.6Kbps)を、ネットワーク上のルータに対してRSVP_Resvメッセージによりリソースの予約要求を行う(処理1004:図19のフェーズF99d)。
【0143】
予約要求が受け付けられれば、帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)が得られるが(処理1005:図19のフェーズF99e)、予約要求に対して、帯域確保が失敗した場合(RSVP Error)(判断1006のNo)、リトライ回数が満了していない限り、処理1004に戻って、帯域幅を少なくするなど内容を変更して帯域確保要求(RSVP_Resv)を再度発行する(判断1008のNo)。
【0144】
リトライ回数が満了してしまった場合には(判断1008のYes)、通信エラーとして、処理1014に移行する。
【0145】
リトライ回数の満了までに帯域予約が成功した場合には(判断1006のYes)、確保できた帯域幅(確保ネットワーク帯域)としてのbit_rate(=A)を記憶装置5に保存する(処理1009)。
【0146】
そして、処理1003で取得した必要ネットワーク帯域Bが、処理1009で保持していた確保ネットワーク帯域Aより広いか否かを判断する(判断1004)。
【0147】
そして、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以下の場合には(判断1010のNo)、ディジタル識別信号DISで通知される通信速度能力の最高速度が、発信側T.38/H.323 AnnexD端末、つまり、IAF20a、または、GW1a(を介したG3ファクス40a)により図19のフェーズF99gのディジタル送信命令信号DCSにより設定されたとしても、以後のファクシミリメッセージデータの伝送時にパケット網60bにおいて帯域オーバーが生じることがないため、処理1002でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISを内容を書き換えることなくそのまま発信側端末にパケット送信し(処理1012:図19のフェーズF99f)、以後のフェーズF99のファクスプロトコル処理を行う(処理1013)。
【0148】
必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い場合には(判断1010のYes)、そのままでは、着信側G3ファクス40bの通信速度能力と同じかそれ以上の通信速度能力を、発信側T.38端末(を介した発信側G3ファクス40a)が備えている場合には、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い状態のまま、以後のファクシミリメッセージデータの伝送が行われてしまい、パケット網60bにおいて帯域オーバーが生じて通信エラーとなるおそれがあるため、処理1002でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISの通信速度能力についての内容(ビット番号11ないし14のビット列により定義されている)を確保ネットワーク帯域A(例えば9,000bps)以下に、必要ネットワーク帯域Bがなるような通信速度能力(7,200bps:ビット列では例えば「1,1,0,1」)に書換え変換し(処理1011)、その書換え変換後のディジタル識別信号DISをパケットに変換して発信側T.38端末に送信し(処理1012:図19のフェーズF99f)、以後フェーズF99のファクスプロトコル処理を継続する(処理1013)。
【0149】
なお、処理1013におけるファクスプロトコル処理においては、図19に示すように、フェーズF99i、F99jの画情報のファクシミリメッセージの伝送終了後、伝送後手順に移行する前に、フェーズF99k及びフェーズF99lにより、確保するネットワーク帯域を、T.30に基づいた伝送制御手順における制御信号のやりとりに使用される低速モデム(300bps)用の帯域に抑える。これにより、フェーズF99m以降の伝送後手順においても、T.30信号をやりとりするために必要な最低限の帯域だけを確保でき、T.30に基づいた伝送制御手順における制御信号のやりとりに必要な分以上の無駄に広い帯域を確保してしまうことがない。
【0150】
処理1013のフェーズF99の通信が終了した後、または、判断1008がYesとなった後、fastConnect手順により、CLC(CloseLogicalChannel)を含むRELCOMPメッセージを受信すると(処理1014)、相手端末に対して帯域解放(RSVP_Tear)のパケット送出し、リソースの解放を行って(処理1015)、処理を終了する。
【0151】
このように、リアルタイムネットワークファクシミリ通信の開始から終了まで一定のネットワーク帯域を確保するのではなく、呼制御フェーズや能力交換フェーズなど、データフェーズ以外の通信手順を行っているときに、ルータに要求するネットワーク帯域を減らすことで、トータルではより少ないネットワーク帯域で通信することができるようになる。
【0152】
なお、この第5実施形態は、第1実施形態の変形例であるが、同様の変形は、第2、第3及び第4実施形態にたいしても同様に適用できるのはいうまでもない。また、DIS/DCSの値に関わらず画情報転送前に固定の値(例えば64Kbps)の帯域予約要求(RSVP_Resv)送出するなど本発明のみを実施することも可能である。
【0153】
次に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置1が着信側ゲートウェイ装置1bとして行う、図17及び図18に示した第5実施形態に係る着信処理の変形例である、第6実施形態に係る着信側処理について、図20、図21及び図22を参照して説明する。また、図20、図21及び図22に示す処理手順に対応するリアルタイムネットワークファクシミリ通信の通信シーケンスについて図23に示す。
【0154】
図20において、着信側GW1bは、呼制御用TCPチャンネルの確立後(図23のフェーズF100)、発信側T.38端末(IAF20aまたはGW1a)からSETUPパケットを受信する(処理1101:図23のフェーズF101)。また、SETUPパケットにより、着信側の宛先(ファクス番号)を取得する。また、受信SETUPパケットは、fastConnect手順のもので、そのSETUP内のOLC(OpenLogicalChannel)により、相手端末がRSVPを使用できるかどうか調査する。相手端末がRSVPをサポートしていなかった場合は従来技術で通信を行うが、このとき通信エラーとすることも可能である。
【0155】
着信側GW1bは、処理1101でSETUPパケットを受信して、それにより、相手端末がRSVPをサポートしていることがわかった場合、発信側T.38端末装置に対してCONNECTパケットを送信する(処理1102:図23のフェーズF101)。なお、その場合送信するCONNECTパケットは、fastConnect手順のもので、そのCONNECT内のOLC(OpenLogicalChannel)により、自端末もRSVプロトコルをサポートしていることを示すOLC_Ack(OpenLogicalChannelAck)メッセージを返す。
【0156】
そして、タイマT1の計時をスタートさせ、(処理1103)、発信側の相手端末からRSVP_Pathメッセージを受け取り(処理1104:図23のフェーズF103)、ネットワーク上のルータに対してRSVP_Resvメッセージによりリソースの予約要求を行う(処理1105:図23のフェーズF104)。
【0157】
このとき予約する帯域としては、ファクシミリメッセージの伝送時に必要となる高速モデム(例えば33.6Kbps)用の帯域ではなく、T.30に基づいた伝送制御手順における制御信号のやりとりに使用される低速モデム(300bps)用の帯域に抑える。これにより、T.30信号をやりとりするために必要な最低限の帯域だけを確保でき、T.30に基づいた伝送制御手順における制御信号のやりとりに必要な分以上の無駄に広い帯域を確保してしまうことがない。
【0158】
予約要求が受け付けられれば、帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)が得られるが(処理1106:図23のフェーズF105)、予約要求に対して、帯域確保が失敗した場合(RSVP Error)(判断1107のNo)、リトライ回数が満了していない限り、処理1105に戻って、帯域幅を少なくするなど内容を変更して帯域確保要求(RSVP_Resv)を再度発行する(判断1109のNo)。
【0159】
リトライ回数が満了してしまった場合には(判断1109のYes)、通信エラーとして、図22の処理1308に移行する。
【0160】
リトライ回数の満了までに帯域予約が成功した場合には(判断1107のYes)、確保できた帯域幅(確保ネットワーク帯域)としてのbit_rate(=A)を記憶装置5に保存して(処理1110)、図21の処理1201に移行し、着信側G3ファクス40bに対して電話網50bを介して発呼する(処理1201:図23のフェーズF106)。
【0161】
そのように、ネットワーク帯域が確保できて初めて、着信側のG3ファクス40bに発呼するようにしているため、ネットワーク帯域が確保できず、結果的に通信エラーとなってしまうような電話網を介した発呼を行わないで済み、その分無駄な電話代を節約することができる。
【0162】
次に、処理1201における発呼に対する応答があるかを判断し(判断1202:図23のフェーズF107)、応答があった場合には(判断1202のYes)、通話/通信中や発呼トーンCNGに対する応答がない等のエラーがあれば(判断1205のYes)、図22の処理1308に移行するが、それらのエラーがなければ(判断1205のNo)、図22の処理1301に移行する。
【0163】
判断1202において、応答がない場合には(判断1202のNo)、処理1103で計時を開始したタイマT1の計時が満了するまで(判断1203のYes)、ダミーのディジタル識別信号DISのパケットを発信側のT.38端末に対して送信する(判断1203のNo、処理1204:図23のフェーズF109b)。タイマT1の計時が満了した場合は(判断1203のYes)、図22の処理1308に移行する。
【0164】
これは、電話網50b上の着信側G3ファクス40bとは呼接続が完了していないのにパケット網上のT.38端末とは、図23のフェーズF108で呼接続が完了しているという不整合が一時的に生じている状態で、着信側G3ファクス40bのリンギング検出回数が多めに設定されていた場合など、発信側T.38端末がタイムアウトを起こしてしまう場合があることに鑑みての処理である。
【0165】
また、実際に発呼して回線接続されてみたらファクシミリ装置ではなく電話機だったということもあり、そのような場合に、パケット網上の発信側相手端末にT1タイムアウトが発生する前にダミーのDISを送出し、電話網上の着信側ファクスから応答がくるまでの間の時間を稼ぎ、着信側ファクスから正常にDISを受け取ったときにそれを発信側T.38端末に対して再送することで、着信側GW1bと着信側ファクス40bとのやりとりのに要する時間のために、発信側T.38端末におけるタイムアウトが発生してしまうのを防止することができる。
【0166】
図22の処理1301では、図23のフェーズF108で確立されたデータチャンネルを使用して、フェーズF109のファクスプロトコル処理を開始する(処理1301)。
【0167】
そして、処理1301で開始されたフェーズF109のファクスプロトコル処理、すなわち、電話網50bを介して受信した被呼局識別信号CED、被呼端末識別信号CSI、ディジタル識別信号DIS等のT.30信号のモデム信号を受信し、パケットに変換し、パケット網60bを介して送信する処理や逆の処理を行っている間に、ディジタル識別信号DISのモデム信号を受信する(処理1302:図23のフェーズF109e)。
【0168】
そして、その受信したディジタル識別信号DISのFIF(ファクシミリ情報フィールド)の内容のうちのビット11、12、13及び14の組合せにより通知される着信側G3ファクス40bが対応している、必要ネットワーク帯域としての通信速度(=B)を調査する(処理1303)。
【0169】
そして、処理1303で取得した必要ネットワーク帯域Bが、処理1110で保持していた確保ネットワーク帯域Aより広いか否かを判断する(判断1304。
【0170】
そして、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以下の場合には(判断1304のNo)、ディジタル識別信号DISで通知される通信速度能力の最高速度が、発信側T.38/H.323 AnnexD端末、つまり、IAF20a、または、GW1a(を介したG3ファクス40a)により図23のフェーズF109gのディジタル送信命令信号DCSにより設定されたとしても、以後のファクシミリメッセージデータの伝送時にパケット網60bにおいて帯域オーバーが生じることがないため、処理1302でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISを内容を書き換えることなくそのまま発信側端末にパケット送信し(処理1306:図23のフェーズF109f)、以後のフェーズF109のファクスプロトコル処理を行う(処理1307)。
【0171】
必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い場合には(判断1304のYes)、そのままでは、着信側G3ファクス40bの通信速度能力と同じかそれ以上の通信速度能力を、発信側T.38端末(を介した発信側G3ファクス40a)が備えている場合には、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い状態のまま、以後のファクシミリメッセージデータの伝送が行われてしまい、パケット網60bにおいて帯域オーバーが生じて通信エラーとなるおそれがあるため、処理1302でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISの通信速度能力についての内容(ビット番号11ないし14のビット列により定義されている)を確保ネットワーク帯域A(例えば9,000bps)以下に、必要ネットワーク帯域Bがなるような通信速度能力(7,200bps:ビット列では例えば「1,1,0,1」)に書換え変換し(処理1305)、その書換え変換後のディジタル識別信号DISをパケットに変換して発信側T.38端末に送信し(処理1306:図23のフェーズF109f)、以後フェーズF109のファクスプロトコル処理を継続する(処理1307)。
【0172】
なお、処理1307におけるファクスプロトコル処理においては、図23に示すように、フェーズF109i、F109jの画情報のファクシミリメッセージの伝送終了後、伝送後手順に移行する前に、フェーズF109k及びフェーズF109lにより、確保するネットワーク帯域を、T.30に基づいた伝送制御手順における制御信号のやりとりに使用される低速モデム(300bps)用の帯域に抑える。これにより、フェーズF109m以降の伝送後手順においても、T.30信号をやりとりするために必要な最低限の帯域だけを確保でき、T.30に基づいた伝送制御手順における制御信号のやりとりに必要な分以上の無駄に広い帯域を確保してしまうことがない。
【0173】
処理1307のフェーズF109の通信が終了した後、判断1109がYesとなった後、判断1203がYesとなった後、または、判断1205がYesとなった後、fastConnect手順により、CLC(CloseLogicalChannel)を含むRELCOMPメッセージを受信すると(処理1308)、相手端末に対して帯域解放(RSVP_Tear)のパケット送出し、リソースの解放を行って(処理1309)、処理を終了する。
【0174】
なお、この第6実施形態は、第5実施形態の変形例であるが、同様の変形は、第1及び第3実施形態にたいしても同様に適用できるのはいうまでもない。
【0175】
次に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置1が着信側ゲートウェイ装置1bとして行う、図5及び図6に示した第1実施形態に係る着信処理の変形例である、第7実施形態に係る着信側処理について、図24及び図25を参照して説明する。また、図24及び図25に示す処理手順に対応するリアルタイムネットワークファクシミリ通信の通信シーケンスについて図26に示す。
【0176】
図24において、着信側GW1bは、呼制御用TCPチャンネルの確立後(図26のフェーズF110)、発信側T.38端末(IAF20aまたはGW1a)からSETUPパケットを受信する(処理1401:図26のフェーズF111)。また、SETUPパケットにより、着信側の宛先(ファクス番号)を取得する。また、受信SETUPパケットは、fastConnect手順のもので、そのSETUP内のOLC(OpenLogicalChannel)により、相手端末がRSVPを使用できるかどうか調査する。
【0177】
相手端末がRSVに対応していなかった場合には(判断1402のNo)、着信側G3ファクス40bに対して電話網50bを介して発呼し(処理1403:図26のフェーズF112)、その発呼に対する応答を受ける(処理1404:図26のフェーズF113)。
【0178】
そして、発信側T.38端末装置に対してCONNECTパケットを送信し(処理1405:図26のフェーズF114)、処理1410で、記憶装置5に予め記憶・登録していたネットワーク帯域を、確保ネットワーク帯域としてのbit_rate(=A)として取得し(処理1410)、図26の処理1501に移行する。
【0179】
判断1402において、相手端末がRSVに対応していた場合には(判断1402のYes)、着信側G3ファクス40bに対して電話網50bを介して発呼し(処理1406)、その発呼に対する応答を受ける(処理1407)。
【0180】
そして、発信側T.38端末装置に対してCONNECTパケットを送信する(処理1408)。なお、その場合送信するCONNECTパケットは、fastConnect手順のもので、そのCONNECT内のOLC(OpenLogicalChannel)により、自端末もRSVプロトコルをサポートしていることを示すOLC_Ack(OpenLogicalChannelAck)メッセージを返す。
【0181】
その後、発信側の相手端末からRSVP_Pathメッセージを受信しない場合には(判断1409のNo)、記憶装置5に予め記憶・登録していたネットワーク帯域を、確保ネットワーク帯域としてのbit_rate(=A)として取得し(処理1410)、図26の処理1501に移行する。
【0182】
発信側の相手端末からRSVP_Pathメッセージを受信した場合には(判断1409のYes)、ネットワーク上のルータに対してRSVP_Resvメッセージによりリソースの予約要求を行う(処理1411)。
【0183】
このとき予約する帯域は現状G3ファクシミリ通信の最大速度がV.34で33.6Kbps、ISDNのG3で64Kbpsであることと、パケットネットワークでの遅延を考慮し、現状では64K〜128Kbps程度が望ましい値である。この値については、ユーザのネットワーク環境や将来のファクシミリプロトコルの拡張を考慮して、ユーザ設定した値を記憶装置に保存することを可能とする。
【0184】
予約要求が受け付けられれば、帯域確保成功を示す応答(RSVP_Conf)が得られることになるが、そのRSVP_Confのパケットが受信されない場合には(判断1412のYes)、記憶装置5に予め記憶・登録していたネットワーク帯域を、確保ネットワーク帯域としてのbit_rate(=A)として取得し(処理1410)、図26の処理1501に移行する。
【0185】
RSVP_Confのパケットが受信された場合には(判断1412のYes)、予約要求に対して、帯域確保が失敗した場合(RSVP Error)(判断1413のNo)、リトライ回数が満了していない限り、処理1411に戻って、帯域幅を少なくするなど内容を変更して帯域確保要求(RSVP_Resv)を再度発行する(判断1415のNo)。
【0186】
リトライ回数が満了してしまった場合には(判断1415のYes)、通信エラーとして、図25の処理1508に移行する。
【0187】
リトライ回数の満了までに帯域予約が成功した場合には(判断1413のYes)、確保できた帯域幅(確保ネットワーク帯域)としてのbit_rate(=A)を記憶装置5に保存し(処理1416)、図25の処理1501に移行する。
【0188】
これにより、以後の着信側GW1bにおけるパケット網60bを介した通信は、確保ネットワーク帯域Aの範囲内で行われ、また、行う必要がある。
【0189】
図25の処理1501では、図26のフェーズF116で確立されたデータチャンネルを使用して、フェーズF117のファクスプロトコル処理を開始する(処理1501)。
【0190】
そして、処理1501で開始されたフェーズF117のファクスプロトコル処理、すなわち、電話網50bを介して受信した被呼局識別信号CED、被呼端末識別信号CSI、ディジタル識別信号DIS等のT.30信号のモデム信号を受信し、パケットに変換し、パケット網60bを介して送信する処理や逆の処理を行っている間に、ディジタル識別信号DISのモデム信号を受信する(処理1502:図26のフェーズF117c)。
【0191】
そして、その受信したディジタル識別信号DISのFIF(ファクシミリ情報フィールド)の内容のうちのビット11、12、13及び14の組合せにより通知される着信側、すなわち、G3ファクス40bが対応している、必要ネットワーク帯域としての通信速度(=B)を調査する(処理1503)。
【0192】
そして、処理1503で取得した必要ネットワーク帯域Bが、処理1416で保持していた、または、処理1410で取得した確保ネットワーク帯域Aより広いか否かを判断する(判断1504)。
【0193】
そして、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域A以下の場合には(判断1504のNo)、ディジタル識別信号DISで通知される通信速度能力の最高速度が、発信側T.38/H.323 AnnexD端末、つまり、IAF20a、または、GW1a(を介したG3ファクス40a)により図26のフェーズF117fのディジタル送信命令信号DCSにより設定されたとしても、以後のファクシミリメッセージデータの伝送時にパケット網60bにおいて帯域オーバーが生じることがないため、処理1502でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISを内容を書き換えることなくそのまま発信側端末にパケット送信し(処理1506:図26のフェーズF117e)、以後のフェーズF117のファクスプロトコル処理を行う(処理1507)。
【0194】
必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い場合には(判断1504のYes)、そのままでは、着信側G3ファクス40bの通信速度能力と同じかそれ以上の通信速度能力を、発信側T.38端末(を介した発信側G3ファクス40a)が備えている場合には、必要ネットワーク帯域Bが確保ネットワーク帯域Aよりも広い状態のまま、以後のファクシミリメッセージデータの伝送が行われてしまい、パケット網60bにおいて帯域オーバーが生じて通信エラーとなるおそれがあるため、処理1502でモデム信号として受信したディジタル識別信号DISの通信速度能力についての内容(ビット番号11ないし14のビット列により定義されている)を確保ネットワーク帯域A(例えば9,000bps)以下に、必要ネットワーク帯域Bがなるような通信速度能力(7,200bps:ビット列では例えば「1,1,0,1」)に書換え変換し(処理1505:図26のフェーズF117d)、その書換え変換後のディジタル識別信号DISをパケットに変換して発信側T.38端末に送信し(処理1506:図26のフェーズF117e)、以後フェーズF117のファクスプロトコル処理を継続する。
【0195】
処理1507のフェーズF117の通信が終了した後、または、判断1415がYesとなった後、fastConnect手順により、CLC(CloseLogicalChannel)を含むRELCOMPメッセージを受信すると(処理1508)、相手端末がRSVP対応でない場合には(判断1509のNo)、それで処理を終了するが、相手端末がRSVP対応の場合には(判断1509のYes)、相手端末に対して帯域解放(RSVP_Tear)のパケット送出し、リソースの解放を行って(処理1509)、処理を終了する。
【0196】
このように、確保ネットワーク帯域Aをパケット網内のルータを介してを得るためには、前記パケット網上の相手端末装置が帯域予約機能対応でなければならず、また経路途中に介在するルータも帯域予約機能対応でなければならないことに鑑みて、あらかじめ確保すべきネットワーク帯域についての情報を自装置において記憶登録しておくことで、ファクシミリ通信に割り当てるネットワーク帯域をゲートウェイ装置自身が管理することができ、前記パケット網上の相手端末装置やルータが帯域予約機能に対応していない場合でも、ファクシミリ通信に必要な帯域を制限することができるようになる。
【0197】
なお、この第7実施形態は、第1実施形態の変形例であるが、同様の変形は、第2実施形態にたいしても同様に適用できるのはいうまでもない。また、従来のゲートウェイ装置に対して単にファクシミリ通信に割り当てる帯域を制限する目的のみの場合には、この第7実施形態を、第1または第2実施形態のRSVP手順を除いたものと組み合わせることも有用である。
【0198】
また、G3ファクシミリ通信においては、呼接続完了(SETUP/CONNECT)後、発信側においては、相手ファクシミリからのフラグ受信までの時間(35±5秒)、着信側においては、発信側からのDCS受信までの時間(35±5秒)としてのタイマーT1、CFR送信から最初のPIX受信(6±1秒)までの時間としてのタイマーT2、コマンドに対する応答(3秒±15%)までの時間としてのタイマT4等の各種タイマ値が規定されているが、ファクシミリ通信では通信の各フェーズで許容する応答信号の最大タイムアウト値が異なるため、常に同じネットワーク遅延率を要求する必要はないことに鑑みて、以上説明した第1ないし第7実施形態において、上記タイマーの計時を開始する直前のタイミングで最大許容遅延率を変更したRSVP_resvメッセージを送出するようにすることで、すなわち、ルータに要求する許容する最大遅延率をファクシミリ伝送手順に定められた各タイマーに連動して変更することで、呼制御フェーズや能力交換フェーズ、データフェーズなどで、相手端末からの応答を待っているときに、ルータに要求する最大遅延率を個別に設定でき、より効率的にネットワーク資源を使用することができるようになる。
【0199】
なお、以上説明した実施の形態においては、GWタイプのT.38端末であるゲートウェイ装置1に本発明を適用したが、本発明はそれに限らず、ゲートウェイ装置1と同様なリアルタイムファクシミリ通信の中継機能を兼ね備えたIAFタイプのT.38端末(ネットワークファクシミリ装置)、ゲートウェイ装置1と同様なリアルタイムファクシミリ通信の中継機能を兼ね備えたG3ファクシミリ装置等に対しても同様に適用可能であることはいうまでもない。
【0200】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、前記パケット網の残ネットワーク帯域が少ない等の理由で、前記必要ネットワーク帯域よりも、前記パケット網内のルータを介した所定のやりとりにより確保されたネットワーク帯域である前記確保ネットワーク帯域のほうが狭くなってしまうような場合には、着信側の前記ファクシミリ装置から受信したファクシミリ制御信号の通信速度能力を書き換えて、発信側の前記相手端末装置に送信して、前記着信側のファクシミリ装置の通信速度能力を低く見せかけるようにすることにより、前記発信側の相手端末装置(当該相手端末装置がゲートウェイ装置の場合には電話網を介した発信側のファクシミリ装置)が自装置の通信速度能力と着信側からのファクシミリ制御信号により通知された通信速度能力との範囲内で決定・設定する実際の通信速度に相当する前記必要ネットワーク帯域が前記確保ネットワーク帯域以下になるように調節することができ、前記確保ネットワーク帯域が狭い場合でも、通信エラーの発生を防止した正常な通信が可能となる効果が得られる。
【0201】
請求項2に係る発明によれば、前記パケット網の残ネットワーク帯域が少ない等の理由で、前記必要ネットワーク帯域よりも、前記パケット網内のルータを介した所定のやりとりにより確保されたネットワーク帯域である前記確保ネットワーク帯域のほうが狭くなってしまうような場合には、着信側の前記相手端末装置から受信したファクシミリ制御信号の通信速度能力を書き換えて、発信側の前記ファクシミリ装置に送信して、前記着信側の相手端末装置の通信速度能力を低く見せかけるようにすることにより、前記発信側のファクシミリ装置が自装置の通信速度能力と着信側からのファクシミリ制御信号により通知された通信速度能力との範囲内で決定・設定する実際の通信速度に相当する前記必要ネットワーク帯域が前記確保ネットワーク帯域以下になるように調節することができ、前記確保ネットワーク帯域が狭い場合でも、通信エラーの発生を防止した正常な通信が可能となる効果が得られる。
【0202】
請求項3に係る発明によれば、前記パケット網の残ネットワーク帯域が少ない等の理由で、前記必要ネットワーク帯域よりも、前記パケット網内のルータを介した所定のやりとりにより確保されたネットワーク帯域である前記確保ネットワーク帯域のほうが狭くなってしまうような場合には、発信側の前記相手端末装置からファクシミリ制御信号で設定された通信速度でのモデムトレーニングが失敗したかのようにみせかけて最終的な設定通信速度に相当する前記必要ネットワーク帯域が前記確保ネットワーク帯域以下になるように調節することができ、前記確保ネットワーク帯域が狭い場合でも、通信エラーの発生を防止した正常な通信が可能となる効果が得られる。また、着信側からのファクシミリ制御信号による通信速度能力ではなく、発信側からのファクシミリ制御信号による設定通信速度により通信速度を調節するようにしているため、前記確保ネットワーク帯域の範囲内でネットワーク帯域の無駄のない最適通信速度に調節することができる利点がある。
【0203】
請求項4に係る発明によれば、前記パケット網の残ネットワーク帯域が少ない等の理由で、前記必要ネットワーク帯域よりも、前記パケット網内のルータを介した所定のやりとりにより確保されたネットワーク帯域である前記確保ネットワーク帯域のほうが狭くなってしまうような場合には、発信側の前記ファクシミリ装置からファクシミリ制御信号で設定された通信速度でのモデムトレーニングが失敗したかのようにみせかけて最終的な設定通信速度に相当する前記必要ネットワーク帯域が前記確保ネットワーク帯域以下になるように調節することができ、前記確保ネットワーク帯域が狭い場合でも、通信エラーの発生を防止した正常な通信が可能となる効果が得られる。また、着信側からのファクシミリ制御信号による通信速度能力ではなく、発信側からのファクシミリ制御信号による設定通信速度により通信速度を調節するようにしているため、前記確保ネットワーク帯域の範囲内でネットワーク帯域の無駄のない最適通信速度に調節することができる利点がある。
【0204】
請求項5に係る発明によれば、ファクシミリ通信では通信手順の各フェーズで伝送速度が異なるため、データ転送フェーズで必要なネットワーク帯域を通信開始時から終了時まで占有してしまう必要はないことに鑑みて、一定のネットワーク帯域を確保するのではなく、呼制御フェーズや能力交換フェーズなど、データフェーズ以外の通信手順を行っているときに、ルータに要求するネットワーク帯域を減らすことで、トータルではより少ないネットワーク帯域で通信することが可能になり、より効率的にネットワーク資源を使用することが可能となる効果が得られる。
【0205】
請求項6に係る発明によれば、ネットワーク環境が劣悪な場合、ファクシミリ通信に必要な最低限の帯域を確保できないことがり、そのようなときに前記電話網上のファクシミリ装置に発呼することは電話代の無駄遣いになってしまうことに鑑みて、ファクシミリ通信がいずれ失敗することが推測できるような場合には前記電話網上のファクシミリ装置に発呼する前に通信を中止するようにしたため、無駄な電話代を節約することが可能となる効果が得られる。
【0206】
請求項7に係る発明によれば、前記確保ネットワーク帯域を得るためには、前記パケット網上の相手端末装置が帯域予約機能対応でなければならず、また経路途中に介在するルータも帯域予約機能対応でなければならないことに鑑みて、あらかじめ確保すべきネットワーク帯域についての情報を自装置において記憶登録しておくことで、ファクシミリ通信に割り当てるネットワーク帯域を本発明に係るゲートウェイ装置自身が管理することができ、前記パケット網上の相手端末装置やルータが帯域予約機能に対応していない場合でも、ファクシミリ通信に必要な帯域を制限することが可能となる効果が得られる。
【0207】
請求項8に係る発明によれば、前記パケット網の残ネットワーク帯域が少ない等の理由で、前記必要ネットワーク帯域よりも、前記パケット網内のルータを介した所定のやりとりにより確保されたネットワーク帯域である前記確保ネットワーク帯域のほうが狭くなってしまうような場合には、発信側の前記相手端末装置からファクシミリ制御信号で設定された通信速度でのモデムトレーニングが失敗したかのようにみせかけて最終的な設定通信速度に相当する前記必要ネットワーク帯域が前記確保ネットワーク帯域以下になるように調節することができ、前記確保ネットワーク帯域が狭い場合でも、通信エラーの発生を防止した正常な通信が可能となる効果が得られる。また、着信側からのファクシミリ制御信号による通信速度能力ではなく、発信側からのファクシミリ制御信号による設定通信速度により通信速度を調節するようにしているため、前記確保ネットワーク帯域の範囲内でネットワーク帯域の無駄のない最適通信速度に調節することができる利点がある。
請求項9に係る発明によれば、ファクシミリ通信では通信手順の各フェーズで伝送速度が異なるため、データ転送フェーズで必要なネットワーク帯域を通信開始時から終了時まで占有してしまう必要はないことに鑑みて、一定のネットワーク帯域を確保するのではなく、呼制御フェーズや能力交換フェーズなど、データフェーズ以外の通信手順を行っているときに、ルータに要求するネットワーク帯域を減らすことで、トータルではより少ないネットワーク帯域で通信することが可能になり、より効率的にネットワーク資源を使用することが可能となる効果が得られる。
請求項10に係る発明によれば、ネットワーク環境が劣悪な場合、ファクシミリ通信に必要な最低限の帯域を確保できないことがり、そのようなときに前記電話網上のファクシミリ装置に発呼することは電話代の無駄遣いになってしまうことに鑑みて、ファクシミリ通信がいずれ失敗することが推測できるような場合には前記電話網上のファクシミリ装置に発呼する前に通信を中止するようにしたため、無駄な電話代を節約することが可能となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置を含むリアルタイムネットワークファクシミリ通信システムの構成について示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置のブロック構成について示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置におけるソフトウェア構成について示す図である。
【図4】RSVPを使用したH.323シーケンスの一例について示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第1実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図6】図5と共に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第1実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図7】図5及び図6の処理手順に対応する通信シーケンスについて示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第2実施形態に係る発信側処理手順について示すフローチャートである。
【図9】図8と共に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第2実施形態に係る発信側処理手順について示すフローチャートである。
【図10】図8及び図9の処理手順に対応する通信シーケンスについて示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第3実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図12】図11と共に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第3実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図13】図11及び図12の処理手順に対応する通信シーケンスについて示す図である。
【図14】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第4実施形態に係る発信側処理手順について示すフローチャートである。
【図15】図14と共に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第4実施形態に係る発信側処理手順について示すフローチャートである。
【図16】図14及び図15の処理手順に対応する通信シーケンスについて示す図である。
【図17】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第5実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図18】図17と共に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第5実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図19】図17及び図18の処理手順に対応する通信シーケンスについて示す図である。
【図20】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第6実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図21】図20と共に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第6実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図22】図20及び図21と共に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第6実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図23】図20、図21及び図22の処理手順に対応する通信シーケンスについて示す図である。
【図24】本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第7実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図25】図24と共に、本発明の実施の形態に係るゲートウェイ装置における第7実施形態に係る着信側処理手順について示すフローチャートである。
【図26】図24及び図25の処理手順に対応する通信シーケンスについて示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b ゲートウェイ装置
2 システム制御部
3 ROM
4 RAM
5 記憶装置
6 オペポート
7 LANコントローラ
8 トランス
12 モデム
13 網制御部
14 システムバス
20a、20b IAF
30a、30b ゲートキーパ装置
40a、40b G3ファクス
50、50a、50b 電話網
60、60a、60b パケット網
70 通信ライン
80a、80b ルータ
Claims (10)
- パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置であって、
着信側の前記ファクシミリ装置から前記電話網を介して受信したファクシミリ制御信号内の通信速度能力に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、前記ファクシミリ制御信号内の通信速度能力を、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下に書き換えた上でパケット化して前記パケット網上の相手端末装置に送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手段を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。 - パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置であって、
着信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したファクシミリ制御信号内の通信速度能力に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、前記ファクシミリ制御信号内の通信速度能力を、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下に書き換えた上でモデム信号化して前記電話網上の発信側の前記ファクシミリ装置に送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手段を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。 - パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置であって、
発信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したファクシミリ制御信号内の設定通信速度に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、発信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したモデムトレーニング信号に対して、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下になるまで、前記発信側の相手端末装置に対してダミーのトレーニング失敗信号を送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手段を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。 - パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置であって、
発信側の前記ファクシミリ装置から前記電話網を介して受信したファクシミリ制御信号内の設定通信速度に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、発信側の前記ファクシミリ装置から前記電話網を介して受信した所定のモデムトレーニング信号に対して、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下になるまで、前記発信側のファクシミリ装置に対してダミーのトレーニング失敗信号を送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手段を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。 - 前記通信速度/ネットワーク帯域調節手段は、前記ルータに要求して確保する前記確保ネットワーク帯域を、前記相手端末装置と前記ファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信におけるファクシミリ伝送手順の各フェーズで変更することを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに記載のゲートウェイ装置。
- 前記通信速度/ネットワーク帯域調節手段は、前記パケット網上の発信側の前記相手端末装置と、前記電話網上の着信側のファクシミリ装置との間のリアルタイムネットワークファクシミリ通信を中継する場合に、前記ルータに要求して確保した前記確保ネットワーク帯域が、ファクシミリ通信に必要な所定の最低限帯域以下の場合には、前記ファクシミリ装置への前記電話網を介した発呼を行わないで通信を中止することを特徴とする請求項3に記載のゲートウェイ装置。
- 前記通信速度/ネットワーク帯域調節手段は、前記ルータにネットワーク帯域を要求した結果、前記ルータが帯域予約機能を備えていなかった場合、予め記憶登録しておいた帯域情報を前記確保ネットワーク帯域とすることを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに記載のゲートウェイ装置。
- パケット網及び電話網に接続され、前記パケット網上の相手端末装置と前記電話網上のファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信を可能とするゲートウェイ装置の制御方法であって、
発信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したファクシミリ制御信号内の設定通信速度に相当する必要ネットワーク帯域が、前記パケット網内のルータにより確保された確保ネットワーク帯域より広い場合には、発信側の前記相手端末装置から前記パケット網を介して受信したモデムトレーニング信号に対して、前記確保ネットワーク帯域に相当する通信速度以下になるまで、前記発信側の相手端末装置に対してダミーのトレーニング失敗信号を送信する通信速度/ネットワーク帯域調節手順を含むことを特徴とするゲートウェイ装置の制御方法。 - 前記通信速度/ネットワーク帯域調節手順は、前記ルータに要求して確保する前記確保ネットワーク帯域を、前記相手端末装置と前記ファクシミリ装置との間のリアルタイムファクシミリ通信におけるファクシミリ伝送手順の各フェーズで変更することを特徴とする請求項8に記載のゲートウェイ装置の制御方法。
- 前記通信速度/ネットワーク帯域調節手順は、前記パケット網上の発信側の前記相手端末装置と、前記電話網上の着信側のファクシミリ装置との間のリアルタイムネットワークファクシミリ通信を中継する場合に、前記ルータに要求して確保した前記確保ネットワーク帯域が、ファクシミリ通信に必要な所定の最低限帯域以下の場合には、前記ファクシミリ装置への前記電話網を介した発呼を行わないで通信を中止することを特徴とする請求項8に記載のゲートウェイ装置の制御方法。
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