JP4223125B2 - 油性インキ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、スタンプ台やスタンプパッドに含浸させて使用したり、いわゆる浸透印に含浸させて使用する、主に印章向けに用いる油性インキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性の溶剤を使用した印章向け油性インキは、押印後のインキが蒸発乾燥することがないので紙等にインキを浸透させて乾燥させていたが、インキの粘度が8000〜80000mPa・s(25℃)と高いので、紙等に吸収されにくく乾燥するまで時間がかかっていた。
そこで単純に粘度を下げることが考えられるが、すると今度は印影がにじんでしまう欠点が生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、印影の乾燥時間を短縮しつつ、にじみのない印影を得られる油性インキを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
エステル価度200〜600KOHmg/gのジカルボン酸エステル、エステル価度200〜600KOHmg/gのトリカルボン酸エステルの中から選ばれる1又は2以上の物質と、20℃における蒸気圧が0.009mmHg以下の多価アルコール誘導体と、ひまし油脂肪酸誘導体とを混合してなる溶剤と、顔料と、前記溶剤に可溶な樹脂とからなる、スタンプ台用又は浸透印用又は印章用油性インキ。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる溶剤は、20℃における蒸気圧が0.009mmHg以下の多価アルコール誘導体、エステル価度200〜600KOHmg/gのジカルボン酸エステル、エステル価度200〜600KOHmg/gのトリカルボン酸エステルの中から選ばれる1又は2以上の物質と、ひまし油脂肪酸誘導体を混合してなる溶剤である。
上記溶剤は、粘度、他の物質の溶解力、使用用途、対象押印物の性質、インキ吸蔵体や容器等の侵食等を勘案して任意に混同して使用することができるが、溶剤総量はインキ全量に対して70〜99重量%が使用され、インキ全量に対して40〜95重量%のひまし油脂肪酸誘導体を用いるのが好ましい。
20℃における蒸気圧が0.009mmHg以下の多価アルコール誘導体としては、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)誘導体などをあげることができる。エステル価度200〜600KOHmg/gのジカルボン酸エステルとしては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸イソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−アルキル610、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、アセチルクエン酸トリブチルなどをあげることができる。エステル価度200〜600KOHmg/gのトリカルボン酸エステルとしては、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシルなどをあげることができる。
ひまし油脂肪酸誘導体は、アルキレンオキサイドによりひまし油を変性したひまし油脂肪酸多価アルコールエーテルや、アルコールによりひまし油を変性したひまし油脂肪酸アルキルエステルなどのひまし油脂肪酸誘導体であって、通常市販されているものを用いることができる。
アルキレンオキサイドによりひまし油を変性したひまし油脂肪酸多価アルコールエーテルとは、プロピレンオキサイドやエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドによりひまし油の一部又は全部を変性して得られるひまし油脂肪酸多価アルコールエーテルをいい、変性度10〜50%のものが好ましい。アルコールによりひまし油を変性したひまし油脂肪酸アルキルエステルとは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の1価及び2価のアルコールによりひまし油の一部又は全部を変性したひまし油脂肪酸アルキルエステルをいい、変性度10〜100%のものが好ましい。
【0006】
本発明に用いることのできる顔料は、特に制限されることなく従来公知の有機顔料及び無機顔料を単独又は混合して使用することができ、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ・チオインジゴ系、ベリノン・ベリレン系、イソインドレノン系、アゾメチレンアゾ系などの有機顔料や、カーボンブラック、マイカ、チタン白、パール顔料、酸化鉄・アルミニウム粉・真鍮等金属顔料などの無機顔料を用いることができる。これらの顔料は通常、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合体、及び、それらの金属塩・アンモニウム塩・アミン塩などや、他の公知の樹脂などに練り込んで加工顔料としておくと、溶剤と混合する際に容易に分散するので便利である。また、既に分散剤中に顔料を練り込んである市販の加工顔料を用いてもよい。
これらの顔料は色合いを勘案しながら単独又は混合して使用でき、インキ全量に対し1〜30重量%の顔料分が使用できる。
【0007】
樹脂としては、前記溶剤に溶解する樹脂を選択し、インキ全量に対して1〜30重量%の範囲にて使用できる。具体的にはアルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン樹脂、ロジンマレイン酸樹脂、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等である。
【0008】
本発明では、他の各種物質を添加することもできる。例えば、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエンなど、顔料沈降防止剤・にじみ防止剤として体質顔料(沈降性硫酸バリウム、クレー、シリカ、ケイ酸アルミニウム等)、顔料分散剤としてソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレートなどを添加してもよい。
【0009】
本発明を得るには、上記物質を適量選択して、撹拌機にて常温以上100℃以下で約2時間混合分散して製造する。本発明では、粘度を自由に設定することができるが、特に、50〜700mPa・s(25℃)に調整することが好ましい。この範囲以上では印影が乾燥するまでに時間がかかりすぎ、これ以下ではにじみを防止することが困難だからである。
本発明の最も好ましい粘度の範囲は、200〜500mPa・s(25℃)である。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、もちろん以下の実施例に限定されるものではない。
【0011】
(実施例1)
ひまし油をプロピレンオキサイドにより変性した
変性度25%のひまし油多価アルコールエーテル 42重量%
ひまし油をエタノールにより全変性した
ひまし油脂肪酸エチルエステル 5重量%
ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル 48重量%
MICROLITH Scarlet R−A 3重量%
MICROLITH Yellow 2R−A 1重量%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1重量%
クレー 0.9重量%
前記ひまし油多価アルコールエーテル、前記ひまし油脂肪酸エチルエステル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルを撹拌機に入れ、100℃、5000rpmを保ったまま他の物質を順に投入し、約2時間ほど撹拌した後、常温まで自然冷却し、300mPa・s(25℃)のインキを得た。
【0012】
(実施例2)
ひまし油をプロピレンオキサイドにより変性した
変性度25%のひまし油多価アルコールエーテル 46重量%
ひまし油をエタノールにより全変性した
ひまし油脂肪酸エチルエステル 10重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 20重量%
トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル 18重量%
MICROLITH Scarlet R−A 3重量%
MICROLITH Yellow 2R−A 1重量%
エチルセルロース 1重量%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1重量%
クレー 0.9重量%
前記ひまし油多価アルコールエーテル、前記ひまし油脂肪酸エチルエステル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシルを撹拌機に入れ、100℃、5000rpmを保ったまま他の物質を順に投入し、約2時間ほど撹拌した後、常温まで自然冷却し、500mPa・s(25℃)のインキを得た。
【0013】
(比較例1)
実施例1中のジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルを、ひまし油をプロピレンオキサイドにより全変性したひまし油脂肪酸プロピルエーテルに変更し、実施例1と同様の製法により作成した。
【0014】
(比較例2)
実施例2中のトリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシルを、ひまし油をプロピレンオキサイドにより全変性したひまし油脂肪酸プロピルエーテルに変更し、実施例2と同様の製法により作成した。
【0015】
実施例及び比較例の結果を以下に示す。
(表1)
※にじみ…上質紙に押印した後の印影を観察した。
※乾燥セット時間…上質紙に捺印後上質紙を重ねて1kg/cm2の力を加えた
時、転写しなくなるまでの時間を計測した。
【0016】
【効果】
印影の乾燥時間を短縮しつつ、にじみのない印影を得られた。
Claims (1)
- エステル価度200〜600KOHmg/gのジカルボン酸エステル、エステル価度200〜600KOHmg/gのトリカルボン酸エステルの中から選ばれる1又は2以上の物質と、20℃における蒸気圧が0.009mmHg以下の多価アルコール誘導体と、ひまし油脂肪酸誘導体とを混合してなる溶剤と、顔料と、前記溶剤に可溶な樹脂とからなる、スタンプ台用又は浸透印用又は印章用油性インキ。
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JP5660799A JP4223125B2 (ja) | 1999-03-04 | 1999-03-04 | 油性インキ |
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1999
- 1999-03-04 JP JP5660799A patent/JP4223125B2/ja not_active Expired - Fee Related
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