JP3771671B2 - 浸透印用インキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の微細な連続気泡を有するポリオレフィン、ポリウレタン、ゴム、金属、ガラス、セラミックス等の多孔質体からなる印材を用いてなる浸透印に適した浸透印用インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コート紙、プラスチックフィルム、アルミニウム、鉄等の非吸収材に押印するための浸透印用インキには、速乾性溶剤に着色剤や樹脂等を溶解混合したインキを用いている。特に速乾性溶剤の中でも、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ノルマルプロピル、乳酸イソプロピルといった乳酸アルキルエステルは、人体に対する安全性が高いので、食品用インキ等にも好まれて使用されている。
しかし、これらの速乾性溶剤を主溶剤としたインキを用いた浸透印は、溶剤が蒸発すると全く押印できなくなるので、使用時以外は密閉保存しなければすぐに使用不可能となってしまっていた。
そこで、前記速乾性溶剤を主溶剤とするインキのドライアップ防止を目的として、特開平2−294372号、特開平4−173880号等が提案されているが、これらは主に筆記具用のインキであるためペン先などの極めて限られた範囲からのドライアップ防止には効果を有するものの、浸透印のような外部に露出している表面積が大きいものに対してはドライアップを充分に防止することはできなかった。
これに対し出願人はドライアップを防止するため特開平4−209669号を提案した。しかし、このインキは押印後の印影の乾燥性が未だ充分でなく、乾燥するまでに約10秒程要していた。また、印影の堅牢性も不十分なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、ドライアップしにくく、非吸収材に押印しても素速く印影が乾燥し、また、強く擦っても印影が剥がれない浸透印用インキを提供することを目的として本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ノルマルプロピル、乳酸イソプロピルから選ばれる1又は2以上の速乾性溶剤と、式(1)で表わされるグリセリンと炭素数14〜20の飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸又はこれらのヒドロキシ酸とのエステルから選ばれる1又は2以上の不乾性溶剤と、着色剤と、ポリビニルブチラールと、式(2)で表わされるアルキル基が炭素数10〜12であって重合度が2〜10であるポリオキシエチレンアルキルアミンとからなる浸透印用インキとすることで、前記課題を解決した。
【化1】
【化2】
【0005】
本発明を以下詳細に説明する。
本発明では、主溶剤として速乾性溶剤を、補助溶剤として不乾性溶剤を用い、これらを混合して用いる。速乾性溶剤は、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ノルマルプロピル、乳酸イソプロピルから選ばれる1又は2以上の乳酸アルキルエステルを被押印物に合せて調整しながら用いる。これらの溶剤は、人体に対する安全性が高く、蒸気圧が1〜5mmHg(20℃)程度と高すぎず、かつ、低すぎず、浸透印用インキの溶剤として適当である。補助溶剤は、グリセリンと炭素数14〜20の飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸又はこれらのヒドロキシ酸とのエステルが用いられ、具体的には、グリセリンと、パルミチン酸、ステアリン酸等飽和脂肪酸、もしくは、エレオステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸、又は、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等のヒドロキシ酸から任意に選定される1又は2以上の物質とをエステル化させて得られるモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドをあげることができる。これらは、前記速乾性溶剤と完全に相溶する不乾性溶剤なので、前記速乾性溶剤のドライアップ防止剤として有効に機能する。本発明で用いることのできる補助溶剤を具体的に例示すると、ステアリン酸モノグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、リノール酸トリグリセリド、リシノール酸トリグリセリド等や、種子を圧搾して得られるオリーブ油、あまに油、きり油、ひまし油等をあげることができる。
本発明において、前記速乾性主溶剤はインキ全量に対して40〜80重量%使用することができ、前記不乾性補助溶剤はインキ全量に対して20〜40重量%使用することができる。
【0006】
着色剤としては、公知の顔料及び油溶性染料の中から任意の1又は2以上を選択して使用することができる。顔料としては、特に制限されることなく従来公知の有機顔料及び無機顔料を使用することができ、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ・チオインジゴ系、ベリノン・ベリレン系、イソインドレノン系、アゾメチレンアゾ系などの有機顔料や、カーボンブラック、マイカ、チタン白、パール顔料、酸化鉄・アルミニウム粉・真鍮等金属顔料などの無機顔料を用いることができる。これらの顔料は通常、ロジン、ロジン誘導体、フェノール樹脂、セルロース樹脂、ケトン樹脂,ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合体などや、他の公知の樹脂などに練り込んで加工顔料としておくと、溶剤と混合する際に容易に分散するので便利である。また、既に分散剤中に顔料を練り込んである市販の加工顔料を用いても良い。染料としては、特に制限されることなく従来公知の油溶性染料を使用することができ、例えば、モノアゾ系、ジスアゾ系、金属錯塩型モノアゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリアリルメタン系などを用いることができる。
本発明ではいわゆるインキ分かれが生じにくいので、色合いを勘案しながら前記顔料及び前記油溶性染料の双方から選ばれる着色剤を任意に単独又は混合して使用することができる。
本発明において、着色剤はインキ全量に対して0.5〜20重量%使用することができる。
【0007】
ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反応させたものが用いられる。特に、本発明では、ブチラール化度が65mol%以上でヒドロキシル基が10mol%以下、かつ、粘度が100cps(20℃)以下のポリビニルブチラールが好ましく用いられる。
【0008】
本発明におけるポリオキシエチレンアルキルアミンは、アルキル基が炭素数10〜12であって、ポリオキシエチレンの重合度が2〜10であるアミンを用いる。アルキル基は直鎖又は側鎖を有するものでよい。
原因はわからないが、当該範囲を逸脱する範囲は、本発明の効果を十分に発揮できない。
【0009】
本発明には、他に、蒸発速度調節剤として蒸気圧1mmHg(20℃)以下の遅乾性溶剤、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等や、酸化防止剤や、防腐・防かび剤などを任意に配合することができる。
以下、本発明を実施例をもって説明するが、もちろん実施例に拘泥されるものでない。
【0010】
【実施例1】
乳酸エチル 60重量%
リノール酸トリグリセリド 30重量%
C.I.Pigment Red 166 1重量%
C.I.Solvent Red 124 3重量%
ポリビニルブチラール 5重量%
ポリオキシエチレンドデシルアミン(重合度=2) 1重量%
上記のC.I.Pigment Red 166と、ポリビニルブチラールを三本ロールに投入し混合した後、これをプロペラ攪拌機にて残りの物質と混合して、赤色インキを得た。
【0011】
【実施例2】
乳酸ノルマルプロピル 30重量%
乳酸イソプロピル 30重量%
ひまし油 20重量%
プロピレングリコール 10重量%
C.I.Pigment Blue 15:3 2重量%
C.I.Solvent Blue 5 2重量%
ポリビニルブチラール 5重量%
ポリオキシエチレンデシルアミン(重合度=6) 1重量%
上記のC.I.Pigment Blue 15:3と、ポリビニルブチラールを三本ロールに投入し混合した後、これをプロペラ攪拌機にて残りの物質と混合して、青色インキを得た。
【0012】
【実施例3】
乳酸イソプロピル 55重量%
リシノール酸モノグリセリド 35重量%
カーボンブラック 2重量%
C.I.Solvent Black 27 2重量%
ポリビニルブチラール 5重量%
ポリオキシエチレンノニルアミン(重合度=10) 1重量%
上記のカーボンブラックと、ポリビニルブチラールを三本ロールに投入し混合した後、これをプロペラ攪拌機にて残りの物質と混合して、黒色インキを得た。
【0013】
【実施例4】
乳酸メチル 55重量%
ステアリン酸ジグリセリド 35重量%
カーボンブラック 2重量%
ニグロシン 2重量%
ポリビニルブチラール 5重量%
ポリオキシエチレンドデシルアミン(重合度=2) 1重量%
上記のカーボンブラックと、ポリビニルブチラールを三本ロールに投入し混合した後、これをプロペラ攪拌機にて残りの物質と混合して、黒色インキを得た。
【0014】
【実施例5】
乳酸エチル 50重量%
あまに油 35重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
C.I.Pigment Red 166 2重量%
C.I.Solvent Red 124 3重量%
ポリビニルブチラール 4重量%
ポリオキシエチレンドデシルアミン(重合度=3) 1重量%
上記のC.I.Pigment Red 166と、ポリビニルブチラールを三本ロールに投入し混合した後、これをプロペラ攪拌機にて残りの物質と混合して、赤色インキを得た。
【0015】
前記実施例の試験結果を表1に示す。
印面乾燥時間は、20℃にて印面を室内に開放放置し、上質紙に捺印した時全く捺印できなくなるまでの時間を測定した(単位は時間)。
印影乾燥時間は、各捺印対象物に5回捺印し指触により乾燥に要する時間を測定した(単位は秒)。aはポリビニルアルコール樹脂コート紙、bはポリ塩化ビニル樹脂シート、cはポリエチレン樹脂フィルム、dはポリ塩化ビニリデン樹脂フィルムを示す。
固着性試験は、ポリビニルアルコール樹脂コート紙に押印したのち完全に乾燥させた印影に対し、セロファンテープを密着させたのち剥がす行為を繰り返し、印影が剥がれるまでの回数を測定した。
【0016】
【表1】
【0017】
【効果】
本発明によって、盤面を開放したままであってもドライアップしにくく、押印の対象を選ばず何にでも押印でき、また、強固な印影を得られる浸透印用インキが得られた。
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