JP2010168418A - オフセットインキおよびそれを用いた印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、顔料、バインダー樹脂、植物油からなるオフセットインキにおいて、ロジン油を含有させることにより、顔料の分散性が向上し、インキの流動性、印刷物の鮮明性が優れたインキを提供。
【解決手段】顔料、バインダー樹脂、植物油からなるオフセットインキにおいて、ロジン油を0.3〜10重量%含有することにより、インキの流動性、印刷物の鮮明性が向上する。すなわち、バインダー樹脂、植物油およびロジン油を含有するオフセットインキにおいて、前記ロジン油が、インキ全量に対して0.3〜10重量%含有するオフセットインキであり、また、前記オフセットインキが、ロジン変性フェノール樹脂あるいはロジン変性アルキッド樹脂を含有するオフセットインキである。
【選択図】なし

Description

本発明は、書籍、チラシ、カタログ、新聞等の印刷に使用されるオフセットインキに関し、更に詳しくは、従来よりもインキの流動性、経時安定性を向上させ、優れた印刷紙面を提供するためのオフセットインキに関する。
一般に、オフセットインキの製造は、以下のように行われる。すなわち、顔料を高濃度状態でサンドミルあるいは3本ロールを用いて分散させて、ベースインキを作製し、そのベースインキをワニスや溶剤などで希釈して最終のインキとして製造される。ベースインキ化する理由としては、
サンドミルや3本ロールで顔料を分散させる工程を短くすることができ、
同じベースインキから多品種のオフセットインキを製造できる、
などのメリットがある。
しかしながら、ベースインキは顔料濃度を高くするほど製造に関してのメリットが上がるが、その反面、粘度の上昇、流動性の低下のため、ハンドリングを悪くし、作業性やポンプ輸送する際の欠点となっている。
また、オフセットインキは一般的にチキソトロピー性を有しているので、静置されたインキがチキソトロピック構造を形成する。この構造形成の速度が速い、または強固である場合、印刷機のローラー間での転移性が低下し、用紙への着肉不良を誘発するおそれがあり、または、水有り印刷においては印刷機上でのインキと湿し水の需給バランスが崩れ、乳化に関するトラブルが発生するおそれがあるので、インキを安定した分散状態に保持し、構造形成を低く抑制する必要がある。
オフセットインキのような顔料分散体において、顔料の分散不良は、流動性、光沢、鮮明性の低下を引き起こす。そこで、このような欠点を解消するために、様々な顔料分散剤を添加する方法が検討されている。
例えば、特開平6−16986号公報では、炭素数1〜8の脂肪族ジカルボン酸を含有することによって、高濃度で顔料が含有されていても優れた流動性を有するオフセットインキが開示されている。しかし、これらカルボキシル基を含有する分散剤は、水有り印刷において、湿し水との乳化適性を著しく悪化させ、ドットゲインの肥大、濃度の低下などが引き起こされる。
また、特開平5−271593号公報では、カルボキシル基含有ポリエステルと、ポリアルキレンイミンとを反応させた顔料分散体のオフセットインキが開示されている。これらは、高濃度の顔料を分散安定させる効果があるが、遊離アミノ基などによって、乳化適性を著しく悪化させる。
また、特開平10−279872号公報では、ギルソナイトから抽出された軟化点120℃〜125℃の炭化水素樹脂をインキに添加し、顔料の分散性を向上させる方法が示されているが、ギルソナイトは黒褐色であり、印刷物の色相が黒くなり、印刷品質を大きく損なってしまう。
また、ロジン油の使用例として特開昭60−110770号公報では、スチレンアクリル酸共重合体をバインダー成分としたインクジェット印刷用インクにおいて、ロジン油を変性剤として入れることにより、接着、乾燥性などを向上させる方法が開示されている。これらは、印刷方式としてインクジェット方式であること、また流動性、鮮明性、及び経時安定性に関する所作は開示されていない。
特開平6−16986号公報 特開平5−271593号公報 特開平10−279872号公報 特開昭60−110770号公報
「天然樹脂 テレビン油・トール油」 昭和40年6月10日、初 版発行、著者 P.W.サンダーマン、訳者 荒川守正、発行所 北尾書籍貿易会社株式会社
本発明の課題は、分散性、流動性、及び経時安定性の優れたオフセットインキの提供であり、上記性能を向上させることにより、生産時の効率化、低コスト化、さらには鮮明性、光沢、着肉性に優れた印刷紙面を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、顔料、バインダー樹脂、植物油からなるオフセットインキにおいて、ロジン油を0.3〜10重量%含有することにより、インキの流動性、印刷物の鮮明性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、バインダー樹脂、植物油およびロジン油を含有するオフセットインキにおいて、前記ロジン油が、インキ全量に対して0.3〜10重量%含有することを特徴とするオフセットインキに関するものである。
また、本発明は、前記オフセットインキが、ロジン変性フェノール樹脂あるいはロジン変性アルキッド樹脂を含有することを特徴とする上記のオフセットインキに関するものである。
上記のオフセットインキを基材上に印刷してなる印刷物に関するものである。
本発明は、顔料、バインダー樹脂、植物油からなるオフセットインキにおいて、ロジン油を含有させることにより、顔料の分散性が向上し、インキの流動性、印刷物の鮮明性が優れたインキを提供することができる。また、印刷インキ製造時においては顔料を高濃度で分散させる事が一般的であり、このベースインキにおいての流動性が向上するため、作業性、ポンプ輸送などが容易となる。これは、ロジン油がバインダー樹脂の溶解性を高くするため、チキソトロピー性を低くしていると考えられる。
以下、本発明について、実施の形態に基づいて更に詳しく説明をするが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
本発明のオフセットインキは、顔料、バインダー樹脂、植物油からなるオフセットインキにおいて、ロジン油を0.3〜10重量%含有することを特徴とするオフセットインキである。
本発明におけるオフセットインキは、以下の乾燥方式をとることができる。オーブンなどで加温させて溶剤を蒸発させることによって乾燥させる「溶剤蒸発型」、植物油などが空気中の酸素と反応することによって乾燥する「酸化重合型」、また、紙などの原反に溶剤を浸透させることによって乾燥させる「浸透乾燥型」である。
ロジン油とは、脱カルボン酸化されたロジンのことをいう。脱カルボン酸反応は一般的に、150〜280℃の高温状態で進むが、触媒を添加することにより著しく促進される。触媒として提案されているものは、水酸化石灰、生石灰、炭酸石灰、塩化カルシウム、鉄粉、酸化鉄、ケイ素タングステン酸、リン酸、ホウ酸、パラトルエンスルホン酸、塩化亜鉛、塩化鉄、木炭および多くの他の物質がある(非特許文献1)。
また、本発明で規定するロジン油とは、ロジンを脱カルボン酸化させ、酸価が30以下である混合物のことである。酸価を0とするには、反応時間が膨大にかかってしまい、製造コストも高くなり、生産性が悪く、また分解物も増えてしまう。
ロジン油の量としては、オフセットインキ中に0.3〜10重量%であり、さらに好ましくは、0.5〜7重量%である。ロジン油の量が0.3重量%未満ではその影響はほとんど無く、10重量%以上では乾燥不良となり、裏移り、ブロッキングなどの問題が生じてしまう。
バインダー樹脂は、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、脂肪酸変性アルキッド樹脂、石油樹脂、ポリエステル樹脂など印刷インキに適用される樹脂であれば、任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用できるが、好ましくはロジン変性フェノール樹脂またはロジン変性アルキッド樹脂である。これは、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂はロジンを原料として合成されたものであるため、ロジン油との相溶性が非常に高いため、インキの流動性が向上する。
ロジン変性フェノール樹脂は、特に限定されないが、重量平均分子量5000〜30万のものを使用する。ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が5000未満ではインキの粘弾性が不足し、30万を超えるとインキとしての流動性が悪くなってしまい、印刷適性に悪影響が出る。また、その原料となるロジン類、フェノール類、多価アルコール類やその他、変性剤としての二塩基酸類などの種類や組成比がいかにあってもよい。即ち、ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、重合ロジン、トール油ロジン、不均化ロジン等を用いる事ができ、フェノール類としてはブチルフェノール、アミノフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等があり、多価アルコール類としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール等があり、また、二塩基酸としてはフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、またそれらの酸無水物などが挙げられる。
ロジン変性アルキッド樹脂は、特に限定されないが、重量平均分子量5000〜10万のものを使用する。ロジン変性アルキッド樹脂の重量平均分子量が5000未満ではインキの粘弾性が不足し、10万を超えるとインキとしての流動性が悪くなってしまい、印刷適性に悪影響が出る。また、その原料となるロジン類、多価アルコール類やその他、変性剤としての二塩基酸類などの種類や組成比がいかにあってもよい。即ち、ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、重合ロジン、トール油ロジン、不均化ロジン等を用いる事ができ、多価アルコール類としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール等があり、また、二塩基酸としてはフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、またそれらの酸無水物などが挙げられる。
植物油は、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセリドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセリドである。例として、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油等が挙げられる。本発明において、さらに好適な植物油を挙げるとすれば、そのヨウ素価が少なくとも100以上である植物油が好ましく、さらにヨウ素価が120以上の植物油がより好ましい。ヨウ素価を120以上とすることで、インキ皮膜の酸化重合による乾燥性を高めることができ、特に熱風乾燥機を用いない酸化重合型には有効である。
また、植物油として天ぷら油等の食用に使用された、回収、再生された再生植物油も用いることができる。再生植物油としては、含水率を0.3重量%以下、ヨウ素価を100以上、酸価を3以下として再生処理した油が好ましい。含水率を0.3重量%以下にすることにより水分に含まれる塩分等のインキの乳化挙動に影響を与える不純物を除去することが可能となり、ヨウ素価を100以上として再生することにより、乾燥性、すなわち酸価重合性の良いものとすることが可能となり、さらに酸価が3以下の植物油を選別して再生することにより、インキの過乳化を抑制することが可能となる。回収植物油の再生処理方法としては、濾過、静置による沈殿物の除去、および活性白土等による脱色といった方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
顔料としては、任意の無機及び有機顔料が使用できる。無機顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉などがあげられ、有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系などオフセットインキに用いられる顔料が相当する。有機顔料に関しては、例えば、銅フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、C.I.Pigment Green 7、36)、モノアゾ系顔料(C.I.Pigment Red 3、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、53:1、57:1)、ジスアゾ系顔料(C.I.Pigment Yellow 12、13、14、17、83)、アントラキノン系顔料(C.I.Pigment Red 177)、キナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red 122、C.I.PigmentViolet 19)、ジオキサジン系顔料(C.I.Pigment Violet 23)などがあげられる。
本発明におけるオフセットインキには、印刷適性、粘度を調整するために溶剤を含有することができる。溶剤としては、地球環境、人体への影響などからアロマフリー溶剤を使用することが好ましい。アロマフリー溶剤とは、芳香族溶剤が1%未満の溶剤であり、主にパラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素から構成されている溶剤をいう。アロマフリー溶剤としては、商業的には、日本石油(株)製AFソルベント4〜7、O号ソルベントH等、出光興産(株)のスーパーゾルLA35、LA38等、エクソン化学(株)のエクソールD80、D110、D120、D130、D160、D100K、D120K、D130K等、梨樹化学社製D−SOL280、D−SOL300、マギーブラザーズ社製のMagieSol−40、44、47、52、60等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、同様に印刷適性、粘度を調整するために脂肪酸モノエステルを含有することができる。脂肪酸モノエステルは上記植物油とモノアルコールとをエステル交換したものや、植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステルである。モノアルコールの代表的なものは、メタノール、エタノール、n−又はiso−プロパノール、n,sec又はtert−ブタノール、ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール等の飽和アルコール、オレイルアルコール、ドデセノール、フイセテリアルコール、ゾンマリルアルコール、ガドレイルアルコール、11−イコセノール、11−ドコセノール、15−テトラコセノール等の不飽和脂肪族系アルコールが挙げられる。
本発明における酸化重合型のオフセットインキには、乾燥促進剤をいれることによって酸化重合による乾燥を促進させることができる。乾燥促進剤としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、セカノイック酸、トール油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ジメチルヘキサノイック酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイック酸、ジメチルオクタノイック酸等の有機カルボン酸の金属塩、たとえばカルシウム、コバルト、鉛、鉄、マンガン、亜鉛、ジルコニウム塩等の公知公用の化合物が使用可能であり、印刷インキ表面および内部硬化を促進するために、これらの複数を適宜併用して使用することもできる。
また、特開平4−334393号公報に記載の1,10−フェナントロリン、多価金属およびカルボン酸とで形成される金属錯体、例えば酢酸マンガンと1,10−フェナントロリンとの反応で得られるマンガン/酢酸/1,10−フェナントロリン複合錯体、オクチル酸マンガンと1,10−フェナントロリンとの反応で得られるマンガン/オクチル酸/1,10−フェナントロリン複合錯体、ナフテン酸マンガンと1,10−フェナントロリンとの反応で得られるマンガン/ナフテン酸/1,10−フェナントロリン複合錯体、トール油マンガンと1,10−フェナントロリンとの反応で得られるマンガン/トール油酸/1,10−フェナントロリン複合錯体、ナフテン酸鉄と1,10−フェナントロリンとの反応で得られる鉄/ナフテン酸/1,10−フェナントロリン複合錯体、ネオデカン酸コバルトと1,10−フェナントロリンとの反応で得られるコバルト/ネオデカン酸/1,10−フェナントロリン複合錯体等の、当該文献における実施例1ないし実施例6記載の化合物等が使用可能である。さらに、これらドライヤーを本発明で使用の溶剤に非溶解性の物質でカプセル化し用いることも可能である。
さらに、本発明のオフセットインキには、必要に応じて添加剤を使用することが可能である。例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ロウ、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックスを例示することができる。また皮張り防止剤としては、クレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール等フェノール類および、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等オキシム類等を挙げることができる。
本発明のバインダー樹脂は、必要に応じて植物油およびまたは炭化水素溶剤を添加して調整したワニスとして使用される。また、該ワニスに弾性を付与するため、ゲル化剤を添加し、樹脂骨格中に架橋構造を付与したゲルワニスとして使用することが可能である。ゲル化剤としては、一般的には金属錯体が用いられるが、代表的な化合物としてアルミニウム錯体化合物を挙げることができる。その様なアルミニウム錯体化合物としては、環状アルミニウム化合物類、例えば環状アルミニウムオキサイドオクテート(川研ファインケミカル:アルゴマー800A)、環状アルミニウムオキサイドステアレート(川研ファインケミカル(株)社製:アルゴマー1000S)等、アルミニウムアルコラート類、例えば、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)社製:AIPD)、アルミニウム−sec−ブチレート(川研ファインケミカル(株)社製:ASPD)、アルミニウムイソプロピレート−モノ−sec−ブチレート(川研ファインケミカル(株)社製:AMD)等、アルミニウムアルキルアセテート類、例えばアルミニウム−ジ−n−ブトキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬(株)社製:Chelope−A1−EB2)、アルミニウム−ジ−n−ブトキサイド−メチルアセトアセテート(ホープ製薬(株)社製:Chelope−A1−MB2)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−メチルアセトアセテート(ホープ製薬(株)社製:Chelope−A1−MB12)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬(株)社製:Chelope−A1−EB102)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(ホープ製薬(株)社製:Chelope−A1−EP12、川研ファインケミカル(株)社製:ALCH)、アルミニウム−トリス(エチルアセトアセテート)(川研ファインケミカル(株)社製:ALCH−TR)、アルミニウム−トリス(アセチルアセトナート)(川研ファインケミカル(株)社製:アルミキレート−A)、アルミニウム−ビス(エチルアセトアセテート)−モノアセチルアセトナート(川研ファインケミカル(株)社製:アルミキレートD)等、アルミニウム石鹸、例えばアルミニウムステアレート(日本油脂(株)社製)、アルミニウムオレエート、アルミニウムナフテネート、アルミニウムラウレート等、およびアルミニウムアセチルアセトネート等を例示することができる。これらのゲル化剤は、ワニス100重量部に対し、0.05重量%から5重量%の範囲で通常使用される。
また、本発明における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定された値で示される分子量であり、その数値はポリスチレン換算値である。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本発明中の「部」は重量部を表し、%は特に断りがない限り、重量%を示す。
本発明のオフセットインキは、湿し水を使用するオフセット印刷にも適用されるが、湿し水を使用しない水無し印刷、すなわち乾式オフセット印刷にも適用される。
<粘度の測定方法>
HAAKE Rheostress600(Thermo ELECTRON CORPORATION社製)による25℃、シェアレートが117/s時の粘度を、本発明における粘度とした。
<ベースインキの流動性の評価方法>
HAAKE Rheostress600(Thermo ELECTRON CORPORATION社製)による50℃時の粘度を測定し、シェアレートが5/sと117/s時の粘度の比率からチキソトロピーインデックス値(TI値)を求めた。

TI値=(5/s時の粘度)/(117/s時の粘度)

なお、TI値が低いものを流動性が高いと判定する。
<印刷物の評価>
多目的印刷適性試験機プリューフバウMZ−IIを用いて、作製したオフセットインキを特菱アート紙(三菱製紙(株)社製)に展色を行った。印刷濃度、彩度CはSpectro Eye(GretagMacbeth社製)を用いて測定した。同濃度での彩度Cの値が大きいものを鮮明性が高いと判定する。
<ブロッキング試験>
多目的印刷適性試験機プリューフバウMZ−IIを用いて、作製したオフセットインキを特菱アート紙(三菱製紙(株)社製)に展色を行った。印刷物の印刷面に特菱アート紙を重ね、100g/cm2荷重で50℃、12時間放置し、その後剥がす。評価方法としては、インキが貼りつくを×、一部貼りつくを△、綺麗に剥がれるを○とした。
<ロジン油の作製>
撹拌機、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコにロジン(商品名:中国ロジンX、荒川化学工業(株)社製)400部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱し、ロジンを溶融状態とする。パラトルエンスルホン酸を1.6部加えた後、280℃に昇温し、6時間反応させた。合成したロジン油は、酸価が12.5mgKOH/gであった。
<レゾール液の合成>
撹拌機、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコにパラオクチルフェノール206部、パラホルムアルデヒド75部、キシレン200部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱撹拌し、55℃で水18部に分散させた水酸化カルシウム1.8部を添加し、75℃に昇温し、同温度で6時間反応させた。その後冷却し、塩酸で中和し、さらに300部の水で1回水洗する。このレゾール型フェノールをレゾール液1とする。このレゾール液1の固形分(120℃の熱風オーブン中で溶剤を蒸発させることにより測定)は55重量%であった。
<ロジン変性フェノール樹脂1の合成>
撹拌機、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコにロジン(商品名:中国ロジンX、荒川化学工業株社製)を60部入れ、加熱溶解し、その後昇温し、200℃で上記レゾール液1を80部、滴下しながら仕込み、2時間反応させた。その後、昇温し、250℃でトリメチロールプロパンを8.8部仕込み、12時間反応させ、ロジン変性フェノール樹脂1を得た。酸価は23.5mgKOH/gであった。GPCによる重量平均分子量(Mw)は4.5万であった。また、液体クロマトグラフィーによるロジン油の含有量を定量したところ、0.5%であった。
<ロジン変性フェノール樹脂2の合成>
撹拌機、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコにロジン(商品名:中国ロジンX、荒川化学工業株社製)を60部入れ、加熱溶解し、その後昇温し、200℃で上記レゾール液1を75部、滴下しながら仕込み、2時間反応させた。その後、昇温し、230℃でトリメチロールプロパンを8.8部仕込み、さらに少量の水に溶解させた0.8部のパラトルエンスルホン酸を溶解させた液を滴下した。その後、10時間反応させ、ロジン変性フェノール樹脂2を得た。酸価は21.1mgKOH/gであった。GPCによる重量平均分子量(Mw)は4.7万であった。また、液体クロマトグラフィーによるロジン油の含有量を定量したところ、7.2%であった。
<ロジン変性アルキッド樹脂1の合成>
撹拌機、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコにロジン(商品名:中国ロジンX、荒川化学工業株社製)を100部入れ、加熱溶解したのち、無水マレイン酸を8部仕込み、170℃で1時間反応させた。
さらにトリメチロールプロパン20部を仕込み、徐々に昇温し260℃で15時間反応させ、ロジン変性アルキッド樹脂1を得た。酸価は18.9mgKOH/gであった。GPCによる重量平均分子量(Mw)は2.8万であった。また、液体クロマトグラフィーによるロジン油の含有量を定量したところ、0.6%であった。
<ロジン変性アルキッド樹脂2の合成>
撹拌機、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコにロジン(商品名:中国ロジンX、荒川化学工業株社製)を100部入れ、加熱溶解したのち、無水マレイン酸を8部仕込み、170℃で1時間反応させた。
さらにトリメチロールプロパン20部を仕込み、さらに少量の水に溶解させた0.8部のパラトルエンスルホン酸を溶解させた液を滴下した。その後、昇温し260℃で15時間反応させ、ロジン変性アルキッド樹脂2を得た。酸価は18.9mgKOH/gであった。GPCによる重量平均分子量(Mw)は2.8万であった。また、液体クロマトグラフィーによるロジン油の含有量を定量したところ、7.5%であった。
<ワニスの作製>
撹拌機、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコにロジン変性フェノール樹脂1を100部、大豆油を50部、AF5(アロマフリー5号ソルベント、日本石油化学(株)社製)を50部、ゲル化剤ALCH(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、川研ファインケミカル(株)社製)を1部仕込み、窒素気流下190℃で溶解させた。その後160℃に冷却し、乾燥禁止剤BHT(ジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエン)を0.1部仕込みワニス1とした。
同様にロジン変性フェノール樹脂2、ロジン変性アルキッド樹脂1、ロジン変性アルキッド樹脂2もワニス化した。表1にワニス1〜4の処方を示す。
Figure 2010168418
<ベースインキの作製>
ベースインキは、表2の処方にしたがって、三本ロ−ルにて常法により作製した。
Figure 2010168418
<オフセットインキの作製>
オフセットインキ(実施例1〜4、比較例1〜3)は、表3の処方にしたがって作製した。
Figure 2010168418
<印刷物の評価結果>
上記作製したオフセットインキを、多目的印刷適試験機プリューフバウMZ−IIを用いて、特菱アート紙(三菱製紙(株)社製)に展色を行った。印刷濃度、彩度Cは表4の通りであった。
Figure 2010168418
上記結果のように、ベースインキでは、ロジン油が多く含まれるベースインキ1〜4、7ではTI値が低くなり、流動性の向上が見られた。また、実施例1〜4では印刷物の彩度Cが、比較例1、2と比べて高くなっており、鮮明性の向上も見られた。比較例3ではロジン油がオフセットインキ中に12.16%と大量に入っているために、乾燥不良のためブロッキングが生じてしまった。
以上のように本発明では、オフセットインキにおいて、ロジン油を0.3〜10%含有することによって、顔料濃度が高いベースインキにおいての流動性を向上することができ、またブロッキングをすることなく、鮮明性の高い印刷物を提供することができる。

Claims (3)

  1. バインダー樹脂、植物油およびロジン油を含有するオフセットインキにおいて、前記ロジン油が、インキ全量に対して0.3〜10重量%含有することを特徴とするオフセットインキ。
  2. 前記オフセットインキが、ロジン変性フェノール樹脂あるいはロジン変性アルキッド樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載のオフセットインキ。
  3. 請求項1〜3いずれかに記載のオフセットインキを基材上に印刷してなる印刷物。
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