JP3947035B2 - オフセット印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷インキ組成物に関し、より詳しくは、オフセット印刷において、実質的に鉱物油成分を含まないオフセット印刷インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりオフセット印刷インキは、顔料、樹脂ワニス、鉱物油、植物油等で構成されている。近年、環境問題に対する認識の高まりから、印刷インキにおいても環境問題への対応が年々強く求められるようになり、その対応策の一環として、原材料として使用されてきた揮発性の鉱物油類の一部又は全てを、植物油又は植物油由来の脂肪酸エステル等の、不揮発性の植物油成分で置き換え、いわゆるノンVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)又は低VOCとしたインキが注目を浴びてきている。
【0003】
しかしながら、このような従来のオフセット印刷インキ組成物中で植物油成分に置き換えただけでは、セット時間が長くなり、印刷直後に印刷物を棒積みした際の裏付き(一次ブロッキング)や印刷物を加工する際のブロッキング(二次ブロッキング)が生じる等の問題が発生する。ここでセットとは、主に紙面への浸透等により溶剤がインキ皮膜から離脱し、インキの表面タックがなくなる状態をいう。そして、溶剤における粘度や樹脂溶解力等は離脱速度に影響し、樹脂溶解力の高い溶剤や粘度の高い溶剤を用いると、インキからの離脱に時間がかかり、セット性の低下が見られる。
一般的に、植物油成分の方が樹脂を溶解する溶解性が高く、高粘度であるため、溶剤成分を鉱物油成分から植物油成分に置き換えたインキの場合は、上述したような理由からセット性が遅くなる。
【0004】
そこで、インキのセット性を早くするためには、インキから溶剤を速く離脱させることが必要となるが、その様な方法でセット性を早くすると、通常では、光沢が低下することが知られている。これは、インキから溶剤を速く離脱させると、印刷後、すぐにインキ粘度の上昇が起こり、インキ表面が平滑にならないうちにセット・乾燥が起こるためであり、特に、溶剤における樹脂の溶解性を低くしたインキ系では、インキ自体の流動性も低く、この傾向は顕著となる。また、この様な系では、顔料に対する樹脂の濡れ性等も充分ではないため、やはり、充分な光沢が得られない要因となっている。
従って、インキのセット性と光沢とは相反する性能として両立が困難であり、そのまま、インキから溶剤の離脱速度を速くしてセット性を向上させても、光沢が低下して実用的なインキ組成物が得られないというのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は実質的に鉱物油成分を含まないインキであって、セット性と光沢の相反する両方の性能で優れたオフセット印刷インキ組成物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、実質的に鉱物油成分を含まないオフセット印刷インキ組成物であって、前記オフセット印刷インキ組成物は、顔料(A)及び樹脂ワニス(B)を必須成分として含んでなり、上記樹脂ワニス(B)は、ロジン系樹脂、植物油変性アルキッド樹脂及び植物油成分を加熱、溶解して得た樹脂ワニスであり、上記オフセット印刷インキ組成物は、植物油成分(C)を、樹脂ワニス(B)中に含まれる成分以外の植物油成分として含んでいてもよく、上記植物油成分(C)を含まない場合には、上記樹脂ワニス(B)が、25℃の温度下で樹脂ワニス(B)1gに対してノルマルへキサンの添加量が2g以下で白濁する性状を有し、上記植物油成分(C)を含む場合には、上記樹脂ワニス(B)及び植物油成分(C)を、上記オフセット印刷インキ組成物中に含まれている全ての樹脂ワニス(B)と植物油成分(C)とに相当する比率で混合して混合物(D)としたとき、上記混合物(D)が、25℃の温度下で混合物(D)1gに対してノルマルへキサンの添加量が2g以下で白濁する性状を有するオフセット印刷インキ組成物に関する。なお、本発明は、顔料(A)、樹脂ワニス(B)、及び、必要に応じて植物油成分(C)を含み、実質的に鉱物油成分を含まないオフセット印刷インキ組成物であるが、実質的に鉱物油を含まないとは、添加剤等の溶剤として鉱物油を利用する場合等を除き、樹脂ワニスの溶解やインキの粘度調整等、インキ用溶剤としての本来の機能を目的として鉱物油を利用しないことを意味する。
【0007】
また、本発明は、上記ロジン系樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂又はロジン変性マレイン樹脂である上記オフセット印刷インキ組成物に関する。
更に、本発明は、上記植物油成分が、植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルである上記オフセット印刷インキ組成物に関する。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明では、鉱物油成分の替わりに植物油成分を用いるが、そのままでは樹脂との溶解性が向上し、セットまでの時間が長くなることから、低溶解型ロジン系樹脂を使用して植物油成分の離脱を早めることにより、セット性の問題を解決する一方、植物油成分の離脱を早めることにより起こる光沢の低下については、ロジン系樹脂と、植物油変性アルキッド樹脂とを併用し、更に植物油成分中に一緒に加熱、溶解して得る樹脂ワニス(B)を用いることで、優れた光沢が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0009】
例えば、本発明で利用するロジン系樹脂は、植物油成分には可溶であるが、ノルマルへキサン等の炭化水素系溶剤には不溶である。従って、ロジン系樹脂−植物油成分の溶解系(混合物)にノルマルへキサンを添加していくと、ロジン系樹脂はやがて溶解状態を維持できなくなり、析出して系が白濁するが、このとき、植物油成分に対するロジン系樹脂の溶解性が低ければ低いほど、より少量のノルマルへキサン添加量で貧溶媒となって析出が起こる。
【0010】
この様な関係から、樹脂が析出するまでのノルマルへキサン添加量は、植物油成分に対する樹脂の溶解性の指標として用いることができ、本発明において、オフセット印刷インキ組成物は、植物油成分(C)を、樹脂ワニス(B)中に含まれる成分以外の植物油成分として含んでいてもよいことから、上記植物油成分(C)を含まない場合には、上記樹脂ワニス(B)が、25℃の温度下で樹脂ワニス(B)1gに対してノルマルへキサンの添加量が2g以下で白濁する性状を有し、上記植物油成分(C)を含む場合には、上記樹脂ワニス(B)、及び、後から添加される植物油成分(C)を、インキ組成物中に含まれている全ての樹脂ワニス(B)と植物油成分(C)とに相当する比率で混合して混合物としたとき、25℃の温度下で、該混合物1gに対して、ノルマルへキサン添加量が2g以下で白濁する性状を有する樹脂−植物油成分系を用いると、セット性の向上が図れることを見出したものである。
【0011】
しかしながら、上述した通り、この様な低溶解性の樹脂を利用してセット性を向上させても、そのままではインキの光沢が低下するという問題が残されている。そこで、本発明では、更にロジン系樹脂と植物油変性アルキッド樹脂と併用し、しかも植物油成分中で一緒に加熱、溶解して、混合樹脂ワニスとして利用することを、光沢低下防止のための特徴とするものである。
【0012】
この様な方法により、インキの光沢の低下が防止できるメカニズムについては定かではないが、光沢低下の要因として、インキ皮膜表面の平滑性と、顔料に対する樹脂の濡れ性との両方の不良が挙げられることから、より低溶解性のロジン系樹脂と比較的高い溶解性を有する植物油変性アルキッド樹脂を均一な混合状態で利用すると、別々に利用したときと同じ溶解性を示していても、平滑性と顔料に対する濡れ性が改善されるものと考える。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオフセット印刷インキ組成物について更に詳細に説明する。
本発明のオフセット印刷インキ組成物を得るために使用できる顔料(A)としては、オフセット印刷インキに一般的に用いられる無色又は有色の、無機又は有機顔料が使用でき、具体的には、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、磁性酸化鉄等の無機顔料、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料;カーブラック等が使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。着色剤のオフセット印刷インキ組成物中における含有量は3〜40重量%程度が適当である。
【0014】
本発明のオフセット印刷インキ組成物に用いる樹脂ワニス(B)に使用されるロジン系樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂及び/又はロジン変性マレイン酸樹脂等が好適であり、1種又は2種以上を用いることができる。
【0015】
上記ロジン変性フェノール樹脂としては、例えば、ロジン類又はその誘導体と、フェノールアルデヒド付加縮合物(いわゆるレゾール)と、更に必要に応じて多価アルコールとの反応によって得られるものが挙げられる。ここで、ロジン類又はその誘導体とは、ロジン類又はそのカルボキシル基含有誘導体を表す。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、水添ロジン又はこれらの重合物等が挙げられ、その誘導体としては、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸を添加したロジン誘導体等のカルボキシル基含有誘導体等が挙げられる。また、上記ロジン変性マレイン酸樹脂としては、通常オフセット印刷インキ用に用いられるものが使用できる。
【0016】
次に、上記樹脂ワニス(B)に使用する植物油変性アルキッド樹脂は、通常、無水フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸と、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールとを反応成分として得られるアルキッド樹脂を、更に植物油成分に溶解しやすく、また、分子内可塑効果等で流動性の改善を目的として、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油等の乾性油又は半乾性油で変性したものであり、この中でも、特に大豆油で変性され、変性植物油分の多い長油型アルキッド樹脂を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
これらのロジン系樹脂と植物油変性アルキッド樹脂を溶解させる植物油成分としては、植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルが好適であり、植物油としては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油等の乾性油又は半乾性油が例示でき、また、植物油由来の脂肪酸エステル化合物としては、上記植物油由来の脂肪酸のモノアルキルエステル化合物が挙げられる。
【0018】
上記脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が例示できる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコール由来のアルキル基は、炭素数1〜10のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等のアルキル基が例示できる。これら植物油や脂肪酸モノエステルからなる植物油成分は、要求される溶解性や乾燥性に応じて、単独で、又は、2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明では、高い光沢を有するインキを得るために、この様なロジン系樹脂と植物油変性アルキッド樹脂を植物油成分中で一緒に加熱・溶解させた樹脂ワニス(B)を用いることを特徴とするが、そのためには、ロジン系樹脂及び植物油変性アルキッド樹脂を植物油成分中に混合し、150〜300℃で30分〜2時間程度、加熱、溶解させる方法が利用できる。
【0019】
ここで、ロジン系樹脂と植物油変性アルキッド樹脂の好ましい混合比率は、ロジン系樹脂100重量部に対して、植物油変性アルキッド樹脂10〜100重量部程度であり、この範囲内において、ロジン系樹脂の比率が多いものは、セット性の面で良好な結果が得られ、植物油変性アルキッド樹脂の比率が多いものは光沢の面で良好な結果が得られるものである。
また、必要に応じて通常使用されるゲル化剤を用いてゲル化した樹脂ワニスも使用することができるが、過剰な量のゲル化剤を用いたゲルワニスでは、インキ化時の流動性や印刷適性等の不良を招く結果となりやすく、適度なゲル化度にとどめることが好ましい。
【0020】
本発明のオフセット印刷インキ組成物では、主に粘度調整等を目的として、必要に応じて植物油成分が後添加されるが、この後添加される植物油成分を本発明でいう植物油成分(C)とする。従って植物油成分(C)は、樹脂ワニス(B)中に含まれる成分以外の植物油成分であるが、上記樹脂ワニス(B)を得るために使用する植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルからなる植物油成分と同様のものが使用できる。
【0021】
また、その他、必要に応じて、添加剤として顔料分散剤、ドライヤー、乾燥遅延剤、酸化防止剤、整面助剤、耐摩擦性向上剤、裏移り防止剤、非イオン系界面活性剤等が適宜使用することができる。
【0022】
本発明のオフセット印刷用インキ組成物は、以上の材料から構成されるが、上記植物油成分(C)を含まない場合には、上記樹脂ワニス(B)が、25℃の温度下で樹脂ワニス(B)1gに対してノルマルへキサンの添加量が2g以下で白濁する性状を有し、上記植物油成分(C)を含む場合には、上記樹脂ワニス(B)、及び、後から必要に応じて添加される植物油成分(C)を、インキ組成物中に含まれている全ての樹脂ワニス(B)と植物油成分(C)とに相当する比率で混合した混合物(D)が、25℃の温度下で、混合物(D)1gに対して、ノルマルへキサン添加量が2g以下で白濁する性状を有することを必要とする。
【0023】
例えば、後記する実施例1のインキ配合処方からなるインキ組成物は、顔料18重量部、樹脂ワニス(B)73重量部、添加剤2重量部、後添加植物油(C)7重量部で構成されるが、混合物(D)とは樹脂ワニス(B)を73重量部、植物油成分が(C)を7重量部、すなわち、樹脂ワニス(B):植物油成分(C)=91.2:8.8の重量比率で混合した混合物であり、25℃の温度下で、この混合物(D)1gに対して、ノルマルへキサン添加量が2g以下で白濁することを意味するものである。このような実施例1においては、ノルマルへキサン添加量が1.8gで白濁することとなるが、その他の場合においては、実施例1を基準として白濁したときのノルマルへキサンの添加量を判断することができる。
この様に規定したノルマルへキサンの添加量が2gを超える場合は、要求されるセット性が得られず、好ましくない。なお、より良好な光沢を有するインキを得るには、上記ノルマルへキサンの添加量が1.0g未満では白濁しないことが好ましい。
【0024】
以上に例示した材料を用いて、本発明のオフセット印刷インキ組成物を製造するには、従来公知の方法が使用できる。例えば、本発明のオフセット印刷インキ用樹脂ワニス(B)に、顔料(A)、及び、必要に応じて加えられる顔料分散剤を加え、ビーズミルや3本ロールミル等で練肉分散させることによりオフセット印刷インキ用ベースを得る。得られたオフセット印刷インキ用ベースに、必要に応じて植物油成分(C)、添加剤を加えて所定の粘度や稠子に調整し、オフセット印刷インキ組成物を得る方法等が挙げられる。
【0025】
なお、本発明のオフセット印刷インキ組成物は、実質的に鉱物油成分を含まないことを特徴とするが、前記添加剤に鉱物油が含まれるために、やむを得ず少量の鉱物油がオフセット印刷インキ組成物中に含まれる場合がある。この様な場合、環境対策としては、鉱物油成分が3%以下であれば許容される範囲であるといえるが、添加剤としては、鉱物油成分を含んでいないものを使用することが好ましい。
【0026】
本発明のオフセット印刷インキ組成物は、上記植物油成分(C)を含まない場合には、上記樹脂ワニス(B)に対し、また、上記植物油成分(C)を含む場合には、上記樹脂ワニス(B)と後から添加される植物油成分(C)の混合物(D)に対し、白濁するまでのノルマルへキサン添加量を指標として、樹脂−植物油成分の溶解性を制御することにより、植物油成分のみのノンVOCインキでありながら、良好なセット性を有するものである。更に、光沢については、ロジン系樹脂及び植物油変性アルキッド樹脂を同時に加熱、溶解させた前記樹脂ワニス(B)を用いることにより向上し、セット性と光沢という相反する性能において良好なオフセット印刷インキ組成物である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明のオフセット印刷インキ組成物をさらに詳細に説明するが、本発明はその趣旨と適用範囲を逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。
【0028】
[オフセット印刷インキ用ワニスの製造]
(ワニス1〜3、比較2)
コンデンサー、温度計及び攪拌機を装着した四つ口フラスコに、重量平均分子量80000、酸価20mgKOH/gのロジン変性フェノール樹脂A(OR−560、商品名、星光化学社製)、大豆油変性アルキッド樹脂(SB−81、商品名、東新油脂社製)、大豆油又は大豆油脂肪酸イソブチルエステル(ニッカ合成社製)をそれぞれ表1の配合割合(各成分の配合量は重量部数で示す、以下同様)となるように仕込み、210℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解した。ゲルワニスとした場合は、ゲル化剤としてエチルアセテートアルミニウムジイソプロポキシド(川研ファインケミカル社製ALCH、商品名、以下同様)を表1の配合割合となるように仕込み、170℃で60分間加熱保持し、実施例Aのオフセット印刷インキ用(ゲル)ワニスを得た。
【0029】
(ワニス4〜5、比較3)
オフセット印刷インキ用ワニスの製造:(ワニス1)において、ロジン変性フェノール樹脂Aを、重量平均分子量100000、酸価15mgKOH/gのロジン変性フェノール樹脂B(TS1317、商品名、日立合成社製)に変えた以外は、実施例Aと同様にして実施例Eのオフセット印刷インキ用ゲルワニスを得た。
【0030】
(比較1)
コンデンサー、温度計及び攪拌機を装着した四つ口フラスコに、重量平均分子量10000、酸価14mgKOH/gのロジン変性フェノール樹脂C(TS1355、商品名、日立合成社製)、大豆油をそれぞれ表1の配合割合となるように仕込み、210℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解して後、ゲル化剤としてエチルアセテートアルミニウムジイソプロポキシドを表1の配合割合となるように仕込み、170℃で60分間加熱保持し、比較1のオフセット印刷インキ用(ゲル)ワニスを得た。
【0031】
実施例1〜5のオフセット印刷インキ用ゲルワニス、フタロシアニンブルー(大日精化社製、4927EP、商品名、以下同様)、植物油成分及び乾燥助剤をそれぞれ表2の配合割合で混合し、インキ化を行った。
比較例1〜3も同様にインキ化を行った。
【0032】
[性能評価試験]
実施例1〜5及び比較例1〜3のオフセット印刷インキ組成物について、印刷性能に関し、下記の評価を行った。
[セット性]
各オフセット印刷インキ組成物をRIテスター(明製作所社製)にてコート紙に展色した後、自動インキセット試験機(東洋精機製作所社製)を用いて上質紙へのインキの付着度を観察し、インキが付着しなくなるまでに要する時間(分)を測定した。この時間が短い方がセット性に優れる。
【0033】
[光沢]
各オフセット印刷インキ組成物をRIテスター(明製作所社製)にてコート紙に展色し、室温で1日放置した後、60°−60°反射率を光沢計(村上色彩技術研究所社製、デジタル光沢計)により測定した。
【0034】
[評価結果]
実施例1〜5及び比較例1〜3のオフセット印刷インキ組成物について、上記配合について表1及び2に示し、また、上記評価を行った結果を表2の下段に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003947035
【0036】
【表2】
Figure 0003947035
【0037】
表2において、ノルマルヘキサン(g)とは、樹脂ワニス(B)、及び、後から必要に応じて添加される植物油成分(C)を、インキ組成物中に含まれている全ての樹脂ワニス(B)と植物油成分(C)とに相当する比率で混合した混合物(D)を調製し、25℃の温度下で、混合物(D)1gに対して、ノルマルへキサンを添加したときに、白濁することとなるノルマルへキサンの添加量(g)を表す。
【0038】
【発明の効果】
本発明のオフセット印刷インキ組成物は、上述したような構成よりなるので、実質的に鉱物油成分を含まない、いわゆるノンVOC又は低VOCとしたインキであって、セット性と光沢の相反する両方の特性において優れた性能を発揮することができる、環境問題対策とインキ性能とを両立したものである。

Claims (3)

  1. 実質的に鉱物油成分を含まないオフセット印刷インキ組成物であって、
    前記オフセット印刷インキ組成物は、顔料(A)及び樹脂ワニス(B)を必須成分として含んでなり、
    前記樹脂ワニス(B)は、ロジン系樹脂、植物油変性アルキッド樹脂及び植物油成分を加熱、溶解して得た樹脂ワニスであり、
    前記オフセット印刷インキ組成物は、
    植物油成分(C)を、樹脂ワニス(B)中に含まれる成分以外の植物油成分として含んでいてもよく、
    前記植物油成分(C)を含まない場合には、前記樹脂ワニス(B)が、25℃の温度下で樹脂ワニス(B)1gに対してノルマルへキサンの添加量が2g以下で白濁する性状を有し、
    前記植物油成分(C)を含む場合には、前記樹脂ワニス(B)及び植物油成分(C)を、前記オフセット印刷インキ組成物中に含まれている全ての樹脂ワニス(B)と植物油成分(C)とに相当する比率で混合して混合物(D)としたとき、前記混合物(D)が、25℃の温度下で混合物(D)1gに対してノルマルへキサンの添加量が2g以下で白濁する性状を有し、
    前記オフセット印刷インキ組成物は、ノンVOCインキであ
    ことを特徴とするオフセット印刷インキ組成物。
  2. 前記ロジン系樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂又はロジン変性マレイン樹脂であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷インキ組成物。
  3. 前記植物油成分及び前記植物油成分(C)が、大豆油及び/又は大豆油由来の脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1又は2記載のオフセット印刷インキ組成物。
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