JP4220705B2 - コンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システム - Google Patents

コンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
港湾等のコンテナヤード、あるいは倉庫内におけるコンテナの荷役作業には、ストラドルキャリア、トランスファークレーン、RTG(Rubber Tyred Gantry Crane)等といったコンテナ荷役搬送機器が、多用されている。
こうしたコンテナ荷役搬送機器は、運転者が一台毎に搭乗して運転する有人運転が多いが、作業効率向上あるいは人件費削減といった観点からは、コンテナ荷役搬送機器を無人運転可能とし、これらを基地局から一括して遠隔操作するシステムが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
こうした遠隔操作システムとしては、コンテナ荷役搬送機器を制御するための制御信号を、基地局からコンテナ荷役搬送機器へと無線伝送することにより遠隔操作するものが知られている。しかしこのように、遠方から無線信号として空中伝送させるのでは、電波法上の様々な規制をクリアしなければならず、そのための労力やコストがかかるといった問題があった。
またコンテナ荷役搬送機器は、重量物であるコンテナを吊り上げ或いは吊り下げして搬送するため、その操作には高度な確実性が要求される。しかし一般的なコンテナは、鉄板等の金属から構成されているのが通常であり、電波障害が発生するおそれも考慮しなければならない。すなわち、コンテナ荷役搬送機器に誤作動が発生するおそれを払拭しきれず、常時操作の確実性が要求されるコンテナ荷役作業に適用するのは、あまり好ましいとはいえなかった。
【0004】
こうしたことから、無人運転可能なコンテナ荷役搬送機器を、的確に誘導することができるとともに、コンテナの荷役作業を行うのに適した位置で的確に停止させることができる、遠隔操作システムが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、無人運転可能なコンテナ荷役搬送機器を高効率で的確に遠隔操作できる、コンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、周辺を撮像し、その映像を映像信号として出力する撮像手段、及び該撮像手段からの映像信号を無線伝送する映像信号送信手段を備えるコンテナ荷役搬送機器と、前記コンテナ荷役搬送機器の走行方向に沿って敷設され、前記映像信号送信手段からの前記映像信号を受信し、該映像信号を基地局へ伝送する映像信号受信手段と、該基地局から出力された制御信号を前記コンテナ荷役搬送機器に向けて無線伝送し、該コンテナ荷役搬送機器を誘導する機器誘導手段とを備え、前記基地局から制御信号を出力することにより、前記コンテナ荷役搬送機器を遠隔操作するコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システムであって、前記機器誘導手段は、前記コンテナ荷役搬送機器の走行方向に沿って敷設され、前記制御信号を伝送する伝送線と、該伝送線の線路途中に各々接続され、該制御信号を無線伝送する複数の地上側アンテナとを備え、前記コンテナ荷役搬送機器は、前記地上側アンテナから出力された制御信号を受信するとともに、状態現示信号を前記地上側アンテナへ送信する制御信号用アンテナと、前記制御信号に基づいて運転を制御する運転制御手段とを備え、前記映像信号送信手段は、前記映像信号受信手段に向けて設けられている電界型または磁界型アンテナであり、かつ、平面型とされているコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システムを提供する。
【0007】
このように、コンテナ荷役搬送機器の周辺の映像を、基地局で受信可能としているので、コンテナ荷役搬送機器の運転時或いは荷役作業時の状態を的確に把握して、より的確に遠隔操作を行うことができる。また、平面型の電界型または磁界型アンテナで映像信号を送信するようにしているので、送信部分の面積を広くとることができ、映像信号を的確に送信することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システムであって、前記映像信号受信手段が、前記コンテナ荷役搬送機器の走行方向に沿って敷設された漏洩同軸ケーブルを備えることを特徴とする。
【0009】
このように、漏洩同軸ケーブルを用いて映像信号を受信するようにしているので、簡易な構成で、ノイズが少なく安定した通信状態を確保することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システムであって、前記映像信号受信手段が、前記コンテナ荷役搬送機器の走行方向に沿って敷設された漏洩同軸ケーブルと、前記漏洩同軸ケーブルに接続されるとともに、一端部側が前記基地局に接続される伝送線とを具備することを特徴とする。
【0011】
このように、漏洩同軸ケーブルを用いて映像信号を受信するようにしているので、簡易な構成で、ノイズが少なく安定した通信状態を確保することができる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載のコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システムであって、前記コンテナ荷役搬送機器は、前記映像信号の伝送用に使用するチャンネルを切り換えるチャンネル切換手段と、該チャンネル切換手段を制御するチャンネル制御手段とを備え、前記基地局は、所定のトリガ信号を受信した際に、前記映像信号の伝送用に使用されているチャンネルを調べるとともに、それ以外の空きチャンネルのうちの少なくとも1つを選定し、該空きチャンネルを指示するチャンネル指示信号を出力する無線管理手段を備え、前記コンテナ荷役搬送機器の前記チャンネル制御手段が、前記チャンネル指示信号を受信した際に、該チャンネル指示信号に基づいて、前記空きチャンネルを使用するように前記チャンネル切換手段を制御することを特徴とする。
【0017】
このように、所定の場合にチャンネルを切り換えて、空きチャンネルを映像信号の伝送用に使用するチャンネルとして使用することができるようにしているので、映像信号の伝送用に必要なチャンネルの総数を減じて、チャンネル帯域を狭めることを可能とできる。
本発明は、基地局からの制御信号により遠隔操作され、コンテナの荷役を行うコンテナ荷役搬送機器であって、該基地局から出力され、本体の走行方向に沿って敷設された伝送線の線路途中に各々接続された地上側アンテナを介して無線伝送される制御信号を受信するとともに、状態現示信号を前記地上側アンテナへ送信する制御信号用アンテナと、前記制御信号に基づいて運転を制御する運転制御手段と、周辺を撮像し、その映像を映像信号として出力する撮像手段と、前記撮像手段からの映像信号を無線伝送する映像信号送信手段とを具備し、前記映像信号送信手段が、平面型の電界型または磁界型アンテナであり、走行方向に沿って敷設された映像信号受信手段に向けて設けられているコンテナ荷役搬送機器を提供する。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のコンテナ荷役搬送機器であって、前記映像信号の伝送用に使用するチャンネルを切り換えるチャンネル切換手段と、該チャンネル切換手段を制御するチャンネル制御手段とを備え、前記チャンネル制御手段は、前記チャンネル指示信号を受信した際に、該チャンネル指示信号に基づいて、前記空きチャンネルを使用するように、前記チャンネル切り替え手段を制御することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システムの実施の形態について、図面を用いて説明する。
ここでは、コンテナの荷役を行う無人運転可能なコンテナ荷役搬送機器として、RTG(Rubber Tyred Gantry Crane)を用い、港湾のコンテナヤードにおける荷役作業を行う場合を例にとって説明する。図1に示すように、RTG3は、コンテナ荷役搬送機器の一例である、門型のクレーンであって、コンテナを吊り下げ搬送する機能を有するものである。なお図1おいては、クレーン上の横行・巻上装置及びコンテナの図示は省略している。
【0019】
本システム(コンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システム)は、図1に示すように、基地局1と、RTG3の各々の走行レーンRに走行方向に沿って敷設されてRTG3を誘導する機器誘導部2といった地上側に設けられた設備により、無人のRTG3を遠隔操作するものである。なおここでは、走行レーンRの1レーン当たりに3台のRTG3を配した場合において、これらRTG3を基地局1から一括して遠隔操作する場合を例にとって説明する。
【0020】
基地局1は、RTG3の遠隔操作を一括して行うもので、本システムの核となる構成要素である。この基地局1においては、後述するように、オペレーターがRTG3を制御するための制御信号を出力するとともに、RTG3から送られてきた状態現示信号或いは映像信号等をモニタリングする。
【0021】
機器誘導部2は、RTG3を誘導するとともに、その運転状態等の情報を得るためのものである。そのための手段として、RTG3との間で制御信号や状態現示信号の送受信を行うための手段と、RTG3からの映像信号を受信するための手段(映像信号受信手段)との双方を備えている。前者の手段は、図2(a)及び(b)に示すように、伝送線21と、地上側アンテナ22とを備えており、また後者の手段は、伝送線23と、漏洩同軸ケーブル(LCX:Leaky Coaxial Cable)24とを備えている。
【0022】
伝送線21は、光ファイバケーブル或いは同軸ケーブルからなるもので、一端部側が基地局1に接続されており、RTG3の走行レーンRに沿って延在するようにして、地中に敷設されている。この伝送線21の線路途中には、複数の地上側アンテナ22が、各々伝送アンプ21aを介して接続されている。
地上側アンテナ22は、地表に突出した電界型または磁界型アンテナであり、RTG3に設けられた制御信号用アンテナ30Aと、制御信号或いは状態現示信号の送受信を無線伝送により行うものである。RTG3は、後述するように、基地局1から送られてきたこの制御信号によって遠隔操作される。そしてRTG3からは、制御信号を受信した旨の情報、或いはRTG3の運転状態や荷役状態等の情報を示す状態現示信号が出力され、地上側アンテナ22及び伝送線21を経て基地局1へと伝送される。
【0023】
これら地上側アンテナ22は、コンテナCのコンテナ長(コンテナの長さ)lに対応するようにして、所定のピッチxで等間隔毎に多数配設されている。ここでは、ピッチxをコンテナ長lのほぼ1/2倍になるように設定して、コンテナCのほぼ中心位置での送受信を的確に行い得るようにしている。こうすることで、RTG3を、コンテナCのほぼ重心位置で的確に停止させることができ、荷役作業を高効率且つ的確に行うことができる。
【0024】
なおここで、港湾のコンテナヤード内におけるコンテナ置場の一例を、図5に示す。この図に示すように、港湾のコンテナヤードにおいては、長尺のコンテナCLと、短尺のコンテナCSとが混在するようにして使用するのが一般的である。そして、荷役作業の効率化及びコンテナ置場の省スペース化といった観点から、長尺のコンテナCLのコンテナ長は、短尺のコンテナCSのコンテナ長lのほぼ2倍となるように設定されていることが殆どである。この場合には、地上用アンテナのピッチxを、短尺のコンテナCSのほぼ1/2倍に設定しておけば、長尺のコンテナCLのほぼ中心位置での送受信も、的確に行うことができ、双方のコンテナに対応することができる。例えば、コンテナCLのコンテナ長がほぼ12m、コンテナCSのコンテナ長がほぼ6mである場合には、ピッチxをほぼ3mに設定することが好ましい。
【0025】
これら制御信号或いは状態現示信号としては、UHF(極超短波)・マイクロ波帯のアナログ信号を用いることが好ましい。また、これら制御信号或いは状態現示信号は、各々のRTG3毎に異なったチャンネルとなるようにして、制御信号伝送用チャンネル或いは状態指示信号伝送用チャンネルが割り振られている。すなわち、1つのチャンネルの制御信号によって1台のRTG3を制御できるとともに、1つのチャンネルの状態現示信号によって1台のRTG3の状態を把握できるようになっている。
【0026】
伝送線23は、一端部側が基地局1に接続されており、RTG3の走行レーンRに沿って延在するようにして、地中に埋設されている。
また、漏洩同軸ケーブル24は、伝送アンプ23aを介して伝送線23と接続されており、伝送線23よりも浅い位置に伝送線23と略平行となるようにして埋設されている。この漏洩同軸ケーブル24は、RTG3に設けられた映像信号用アンテナ30Bからの映像信号を、無線で受信するものである。なお、後述するように、各々のRTG3には複数のTVカメラ(撮像手段)が設けられており、RTG3の運転中或いは荷役作業中において、RTG3の周辺を撮像できるようになっている。これら撮像された映像は、映像信号として、各々の映像信号毎に異なった映像信号伝送用チャンネルに割り振られ、映像信号用アンテナ30Bから漏洩同軸ケーブル24へと無線伝送される。
【0027】
この映像信号としては、TV(テレビジョン)信号と同様の、VHF(極短波)・UHF(極超短波)帯のアナログ信号を用いることが好ましい。デジタル信号では、膨大な量の情報を圧縮/解凍するのに時間がかかり、基地局1で映像が出力されるまでに僅かなタイムラグが生じ、リアルタイム性に欠けるおそれがある。しかしアナログ信号ではこのような問題は生じないので、アナログ信号がより好適であるといえる。
【0028】
次に、図3及び図4に示すブロック構成図を用いて、本システムの具体的な動作について説明する。
【0029】
基地局1内には、RTG3の台数分に対応した数の、送受信装置10を設けている。図3においては、1レーン分、すなわち3機の送受信装置10を図示している。
これら送受信装置10は、各々が1台のRTG3の各々と送受信を行って、各々のRTG3を遠隔操作するものである。各々の送受信装置10は、TV受信機11と、TV受信機11の各々に接続されたモニタ装置11aと、信号受信機12と、この信号受信機12に接続された信号モニタ装置12aと、制御信号送信機13と、この制御信号送信機13に接続された制御信号制御装置13aと、信号受信機12及び制御信号送信機13の双方に接続された無線管理計算機(無線管理手段)14と、を備えている。
【0030】
各々の送受信装置10には、1台のRTG3に設けられているTVカメラの数に対応する数の、TV受信機11及びモニタ装置11aを設けている。各々のTV受信機10は、VHF・UHF帯BPF(バンドパスフィルタ)28a及びVHF・UHF帯アンプ28bを介して、伝送線23と接続されている。これら各々のTV受信機10のチャンネルは、1つの映像信号伝送用チャンネルに対して各々1つのチャンネルが対応するように設定されている。すなわち、漏洩同軸ケーブル24によって受信されたRTG3からの複数の映像信号は、各々のTV受信機11によって受信され、映像として各々モニタ装置11aに映し出される。
【0031】
また、各々の送受信装置10に設けている信号受信機12は、UHF・マイクロ波帯BPF(バンドパスフィルタ)27a及びUHF・マイクロ波帯アンプ27bを介して、伝送線21と接続されている。これら各々の信号受信機12のチャンネルは、1つの状態現示信号伝送用チャンネルに対して各々1つのチャンネルが対応するように設定されている。すなわち、地上側アンテナ22によって受信されたRTG3からの状態現示信号は、各々の信号受信機12によって受信され、情報として各々信号モニタ装置12aに映し出される。
【0032】
更に、各々の送受信装置10に設けている制御信号送信機13は、UHF・マイクロ波帯アンプ26a及びUHF・マイクロ波帯パワーアンプ26bを介して、伝送線21と接続されている。これら各々の制御信号送信機13のチャンネルは、1つの制御信号伝送用チャンネルに対して各々1つのチャンネルが対応するように設定されており、1つのチャンネルの制御信号によって1台のRTG3を制御できるようにしている。
【0033】
無線管理計算機14は、後述するように、RTG3側に設けられたチャンネル制御装置(チャンネル制御手段)42に向けてチャンネル指示信号を発信して、映像信号伝送用チャンネルを切り換えるようにチャンネル制御装置42を制御するものである。
【0034】
RTG3は、図4に示すように、制御信号用アンテナ30Aと、混合分配器31と、制御信号受信機32と、運転制御装置(運転制御手段)33と、信号送信機34と、を備えている。なお、制御信号用アンテナ30Aと制御信号受信機32とは、制御信号を受信するための制御信号受信手段としての、基本的な構成要素をなしているものである。
また、これらに加えて、主として映像伝送を行うための構成要素として、TVカメラ(撮像手段)40と、CH(チャンネル)切換変調装置(チャンネル切換手段)41と、チャンネル制御装置42と、合成器43と、TV(テレビジョン)送信機(映像信号送信手段)44と、映像信号用アンテナ(映像信号送信手段)30Bと、を備えている。なお、TV送信機44と映像信号用アンテナ30Bとは、映像信号を送信するための映像信号送信手段としての、基本的な構成要素となるものである。
【0035】
地上側アンテナ22から無線伝送された制御信号は、制御信号用アンテナ30Aから混合分配器31、プリアンプ32aを経て、制御信号受信機32に受信され、運転制御装置33へと送られる。運転制御装置33は、この制御信号に基づいて、RTG3に備えられた、図示しない駆動装置、ブレーキ、ステアリング等の走行運転に必要な各機器、あるいは吊具などの荷役作業に必要な各機器の動作を、一括して制御する。すなわち、RTG3の走行運転或いは荷役作業は、基地局1からの制御信号によって、一括して制御されるようになっている。
【0036】
また運転制御装置32は、制御信号を受信した旨の情報あるいはRTG3の運転状態や荷役状態等の情報を、状態現示信号として信号送信機34へと出力する。この状態現示信号は、信号送信機34から混合分配器31を経て、制御信号用アンテナ30Aから地上用アンテナ22へと無線伝送される。
【0037】
TVカメラ40は、RTG3の周囲を撮像するために複数設けられており、運転(走行運転)用に使用されるものと、荷役作業用に使用されるものとに大別される。これら各々のTVカメラ40によって撮像された映像は、映像信号としてCH切換変調装置41に伝送され、各々の映像信号が異なったチャンネルとなるようにして映像信号用チャンネルに割り振られて、合成器43、TV送信機44を経て、映像信号用アンテナ30Bから漏洩同軸ケーブル24へと無線伝送される。
また、CH切換変調装置41の各々は、CH制御装置42に接続されており、画像信号伝送用チャンネルが切り換えられるようになっている。CH制御装置42は、制御信号受信機32からチャンネル指示信号を受信すると、このチャンネル指示信号に基づいて各々のCH切換変調装置41を制御する。そして、チャンネル切換後は、その時点でのチャンネルの状態を示す信号を、信号送信機34へと送るように動作する。この信号は、状態現示信号と同様に、制御信号用アンテナ30B、地上側アンテナ22等を経て送受信装置10の信号受信機12で受信され、オペレーターはチャンネルが切り換えられたことを確認することができる。
【0038】
なお、制御信号用アンテナ30A及び映像信号用アンテナ30Bは、平面型の電界型または磁界型アンテナとすることが望ましい。こうすることで、RTG3側の送受信部分の面積を広くとることができ、例えばRTG3が振動や蛇行等により不安定な動きをした場合であっても、制御信号を的確に受信することができるとともに、映像信号や状態現示信号を的確に送信することができる。
【0039】
このようなシステムを用いて、先ず、3台のRTG3のうちの1台を、所定の目的位置まで誘導して移動させる。すなわち、基地局1内のオペレーターは、モニタ装置11a及び信号モニタ装置12aによってRTG3の運転状況を把握しながら、制御信号制御装置13aを操作する。このとき、この走行運転中のRTG3におけるTVカメラ40からの映像信号のうち、走行運転に必要なものは基地局1へと伝送されるようにしておく。
そして制御信号制御装置13aは、オペレーターの操作に応じて制御信号を制御し、時々刻々の運転状況に応じた制御信号が、制御信号送信機13から機器誘導部2側に送信されるようにする。
【0040】
制御信号送信機13から送信された制御信号は、UHF・マイクロ波帯アンプ26a及びUHF・マイクロ波帯パワーアンプ26bを経て増幅され、伝送線21へと送られて、地上側アンテナ22から無線でRTG3側に送信される。
【0041】
このRTG3を所定の目的位置に到達させ停止させた後、コンテナの荷役作業を行う。運転制御装置33は、RTG3を所定の目的位置に到達させ停止させた後、当該位置に到達した旨及び停止した旨の情報を、所定のトリガ信号として信号送信機34へと出力する。このトリガ信号は、混合分配器31及び制御信号用アンテナ30Aを経て、地上側アンテナ22へと無線伝送され、伝送線21、UHF・マイクロ波帯BPF27a、UHF・マイクロ波帯アンプ27b及び信号受信機12を経て、無線管理計算機14へと伝送される。
【0042】
無線管理計算機14は、トリガ信号を受信した際に、それまで当該RTG3の運転のために使用されていた映像信号伝送用チャンネルを空きチャンネルとみなすとともに、その時点で使用されている映像信号伝送用チャンネルを調査する。そして、使用されている映像信号伝送用チャンネル以外の空きチャンネルのうちの少なくとも1つを選定し、この空きチャンネルをRTG3に指示するためのチャンネル指示信号を発信する。このチャンネル指示信号は、制御信号送信機13から地上側アンテナ22まで伝送されていき、制御信号用アンテナ30Aから制御信号受信機32へと受信されて、CH制御装置42へと伝送される。
【0043】
CH制御装置42は、制御信号受信機32からチャンネル指示信号を受信した際に、このチャンネル指示信号に基づいて、空きチャンネルを映像信号伝送用チャンネルとして使用するようにCH切換変調装置41を制御する。チャンネル切換後にTVカメラ40から伝送されてきた映像信号は、この空きチャンネルを新たな映像信号伝送用チャンネルとして割り振られ、合成器43、TV送信機44を経て、映像信号用アンテナ30Bから漏洩同軸ケーブル24へと無線伝送される。
【0044】
RTG3が所定の目的位置に到達して停止すると、それまでの運転時に必要であったTVカメラ40からの映像信号は、基地局1での遠隔操作には不要となる。替わりに、運転時には不要であったが荷役作業時には必要なTVカメラ40からの映像信号が、基地局1での遠隔操作に必要となる。もしも、各々のTVカメラ40に固有の映像信号伝送用チャンネルを割り振ったとしたら、各々のRTG3に対して、設けられているTVカメラ40の数だけのチャンネル数を用意しなければならない。すなわち、極めて広範なチャンネル帯域が必要となり、チャンネル利用効率が低く、不経済なチャンネルの運用を行わざるを得ない。
そこで上記のように、映像信号の要不要に応じてチャンネルを自在に切り換えられるようにすれば、RTG3に設けられているTVカメラ40の数よりも少ないチャンネル数で済む。すなわち、チャンネル帯域を狭めることが可能となり、チャンネル利用効率を向上させて、経済的なチャンネルの運用を行うことが可能となる。
【0045】
なおここでは、1台のRTG3に設けられたTVカメラ40のうちで、チャンネルを切り換えるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、この無線管理計算機14と、他のRTG3用の送受信装置10に設けられた無線管理計算機14とを相互に連携させれば、RTG3同士で空きチャンネルを互いに使用することができる。通常のコンテナヤード内においては、全てのRTGを一斉に運転する、或いは一斉に荷役作業を行わせることは稀であり、一部のRTGの運転中には他のRTGは停止している場合が殆どである。そのため、RTG3同士で空きチャンネルを互いに使用することができれば、少ないチャンネル数を更に有効に利用でき、チャンネル利用効率を更に向上させることが可能となる。
【0046】
本実施形態に係るシステムにおいては、地上側に、基地局1と、基地局1から出力された制御信号をRTG3に向けて無線伝送しRTG3を誘導する機器誘導部2とを設けるとともに、RTG3には、制御信号を受信する制御信号受信手段と、制御信号に基づいてRTG3の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、機器誘導部2には、RTG3の走行方向に沿って敷設され制御信号を伝送する伝送線21と、伝送線21の線路途中に各々接続され制御信号を無線伝送する複数の地上側アンテナ22とが備えられ、これら複数の地上側アンテナ22は、コンテナCの長さに対応するようにして、互いに所定のピッチxで配設されるようにしている。そのため、RTG3を的確に誘導することができるとともに、コンテナCの荷役作業を行うのに適した位置で的確に停止させることができる。これにより、コンテナCの荷役作業効率を向上させることができる。
【0047】
また、地上側アンテナ22のピッチxを、コンテナ長lのほぼ1/2倍に設定するようにしているので、コンテナCのほぼ中心位置、すなわちコンテナCの重心近傍位置に、的確に停止させることができる。これにより、RTG3によるコンテナCの荷役作業を、迅速且つ的確に行わせることができ、荷役作業効率を更に向上させることができる。
【0048】
更に、制御信号受信手段の構成要素である制御信号用アンテナ30A、及び映像信号用アンテナ30Bを、平面型の電界型または磁界型アンテナとしている。そのため、RTG3側の送受信部分の面積を広くとることができ、例えばRTG3が振動や蛇行等により不安定な動きをした場合であっても、制御信号を的確に受信することができるとともに、映像信号や状態現示信号を的確に送信することができる。これにより、気象条件や路面条件等が変化したような場合であっても、RTG3を的確に遠隔操作することができ、信頼性を著しく向上させた遠隔操作を行うことができる。
【0049】
更に、RTG3には、周辺を撮像しその映像を映像信号として出力するTVカメラ40と、TVカメラ40からの映像信号を機器誘導部2へと無線伝送する映像信号送信手段とを設けるとともに、機器誘導部2には、映像信号を受信しこの映像信号を基地局1へと伝送する映像信号受信手段とを設けるようにしている。このように、RTG3の周辺の映像を基地局1で受信可能としているので、RTG3の運転時或いは荷役作業時の状態を的確に把握して、より的確に遠隔操作を行うことができ、運転効率或いは荷役作業効率を更に大幅に向上させることができる。
【0050】
更に、映像信号受信手段の構成要素として、RTG3の走行方向に沿って敷設された漏洩同軸ケーブル24を備えるようにしている。そのため、簡易な構成で、ノイズが少なく安定した通信状態を確保することができ、これにより、映像信号を高い信頼性で安定して受信することができ、RTG3を更に的確に運転することができる。
【0051】
更に、RTG3には、映像信号伝送用チャンネルを切り換えるCH切換変調装置41と、CH切換変調装置41を制御するCH制御装置42とを設けるとともに、基地局1には、所定のトリガ信号を受信した際に、使用されている映像信号伝送用チャンネルを調べるとともに、それ以外の空きチャンネルのうちの少なくとも1つを選定し、この空きチャンネルを指示するチャンネル指示信号を機器誘導部2へと出力する無線管理計算機14を設け、チャンネル制御装置42は、制御信号受信機32からチャンネル指示信号を受信した際に、このチャンネル指示信号に基づいて、空きチャンネルを使用するようにチャンネル切換装置41を制御するようにしている。このように、所定のトリガ信号を受信した場合にチャンネルを切り換えて、空きチャンネルを映像信号伝送用チャンネルとして使用することができるようにしているので、必要とされる映像信号伝送用チャンネルの総数を減じて、チャンネル帯域を狭めることができる。これにより、チャンネル利用効率を向上させて、経済的なチャンネルの運用を行うことを可能とできる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るコンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システムにおいては、上記の如き構成を採用しているので、無人運転可能なコンテナ荷役搬送機器を高効率で的確に遠隔操作することのできる、コンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システムの一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】 (a)は図1に示したコンテナ荷役搬送機器の遠隔操作システムの側断面図、(b)は(a)の一部を拡大した図である。
【図3】 基地局及び機器誘導部のブロック構成図である。
【図4】 コンテナ荷役搬送機器のブロック構成図である。
【図5】 コンテナ置場を示す平面図である。
【符号の説明】
1 基地局
2 機器誘導部
3 RTG(コンテナ荷役搬送機器)
10 送受信装置
11 TV受信機(映像信号受信手段)
14 無線管理計算機(無線管理手段)
21 伝送線
22 地上側アンテナ
23 伝送線(映像信号受信手段)
24 漏洩同軸ケーブル(映像信号受信手段)
30A 制御信号用アンテナ(制御信号受信手段)
30B 映像信号用アンテナ(映像信号送信手段)
32 制御信号受信機(制御信号受信手段)
33 運転制御装置(運転制御手段)
40 TVカメラ(撮像手段)
41 CH切換変調装置(チャンネル切換手段)
42 CH制御装置(チャンネル制御手段)
44 TV送信機(映像信号送信手段)
C,CL,CS コンテナ
l コンテナ長(コンテナの長さ)
x ピッチ

Claims (6)

  1. 周辺を撮像し、その映像を映像信号として出力する撮像手段、及び該撮像手段からの映像信号を無線伝送する映像信号送信手段を備えるコンテナ荷役搬送機器と、前記コンテナ荷役搬送機器の走行方向に沿って敷設され、前記映像信号送信手段からの前記映像信号を受信し、該映像信号を基地局へ伝送する映像信号受信手段と、該基地局から出力された制御信号を前記コンテナ荷役搬送機器に向けて無線伝送し、該コンテナ荷役搬送機器を誘導する機器誘導手段とを備え、前記基地局から制御信号を出力することにより、前記コンテナ荷役搬送機器を遠隔操作するコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システムであって、
    前記機器誘導手段は、
    前記コンテナ荷役搬送機器の走行方向に沿って敷設され、前記制御信号を伝送する伝送線と、
    該伝送線の線路途中に各々接続され、該制御信号を無線伝送する複数の地上側アンテナと
    を備え、
    前記コンテナ荷役搬送機器は、
    前記地上側アンテナから出力された制御信号を受信するとともに、状態現示信号を前記地上側アンテナへ送信する制御信号用アンテナと、
    前記制御信号に基づいて運転を制御する運転制御手段と
    を備え、
    前記映像信号送信手段は、前記映像信号受信手段に向けて設けられている電界型または磁界型アンテナであり、かつ、平面型とされているコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システム。
  2. 前記映像信号受信手段は、前記コンテナ荷役搬送器の走行方向に沿って敷設された漏洩同軸ケーブルを備える請求項1に記載のコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システム。
  3. 前記映像信号受信手段は、
    前記コンテナ荷役搬送機器の走行方向に沿って敷設された漏洩同軸ケーブルと、
    前記漏洩同軸ケーブルに接続されるとともに、一端部側が前記基地局に接続される伝送線と
    を具備する請求項1に記載のコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システム。
  4. 前記コンテナ荷役搬送機器は、
    前記映像信号の伝送用に使用するチャンネルを切り換えるチャンネル切換手段と、
    該チャンネル切換手段を制御するチャンネル制御手段と
    を備え、
    前記基地局は、
    所定のトリガ信号を受信した際に、前記映像信号の伝送用に使用されているチャンネルを調べるとともに、それ以外の空きチャンネルのうちの少なくとも1つを選定し、該空きチャンネルを指示するチャンネル指示信号を出力する無線管理手段を備え、
    前記コンテナ荷役搬送機器の前記チャンネル制御手段が、前記チャンネル指示信号を受信した際に、該チャンネル指示信号に基づいて、前記空きチャンネルを使用するように前記チャンネル切換手段を制御する請求項1から請求項のいずれかに記載のコンテナ荷役搬送機器の遠隔制御システム。
  5. 基地局からの制御信号により遠隔操作され、コンテナの荷役を行うコンテナ荷役搬送機器であって、
    該基地局から出力され、本体の走行方向に沿って敷設された伝送線の線路途中に各々接続された地上側アンテナを介して無線伝送される制御信号を受信するとともに、状態現示 信号を前記地上側アンテナへ送信する制御信号用アンテナと、
    前記制御信号に基づいて運転を制御する運転制御手段と、
    周辺を撮像し、その映像を映像信号として出力する撮像手段と、
    前記撮像手段からの映像信号を無線伝送する映像信号送信手段と
    を具備し、
    前記映像信号送信手段が、平面型の電界型または磁界型アンテナであり、走行方向に沿って敷設された映像信号受信手段に向けて設けられているコンテナ荷役搬送機器。
  6. 前記映像信号の伝送用に使用するチャンネルを切り換えるチャンネル切換手段と、
    該チャンネル切換手段を制御するチャンネル制御手段と
    を備え、
    前記チャンネル制御手段は、チャンネル指示信号を受信した際に、該チャンネル指示信号に基づいて、前記空きチャンネルを使用するように、前記チャンネル切り替え手段を制御する請求項5に記載のコンテナ荷役搬送機器。
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