JP4587891B2 - 無人作業装置の遠隔通信システム及び方法 - Google Patents
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また、バックホー等の作業機械を遠隔操作する際にスプレットスペクトラム(SS)無線機を用いて制御することが知られている。このSS無線機は、電波の吸収や散乱または遮蔽することのない見通しのよい地点間での通信が可能で、その通信距離に限度を有する特徴がある(特許文献1参照)。
しかしながら、このような構造物においては、有毒ガス、落盤、漏水などが発生するおそれがあるため、カメラやガス検知装置を備えた点検車や点検ロボットを遠隔操作して点検を行なうことが要請されている。
また、作業現場が1km以下のエリアであっても、作業現場と制御所との間に林や山あるいは建物などで電波の吸収や散乱または遮蔽する障害物が存在する場合やクローラダンプ等の作業機械の運搬通路が狭隘で曲がりくねっている場合には無線による作業機械の遠隔操作は不可能となる。
また、トンネルなどの構造物内では、SS無線機の通信距離が更に短くなってしまうことが予想され、数km以上の長さを有するトンネルなどの構造物では、点検車や点検ロボットを用いた無人作業装置の遠隔操作が困難であった。
次に、本発明にかかる無人作業装置の遠隔通信システム及び方法について図面を参照して説明する。
図1は本発明方法を適用した無人作業装置の遠隔通信システムの実施例1における全体の概略構成図、図2は本実施例1における無線中継回線の制御所側中継用無線機の一例を示すブロック図、図3は本実施例1における無線中継回線の中間に位置する中継用無線機の一例を示すブロック図、図4は本実施例1における無線中継回線の作業場所側中継用無線機の一例を示すブロック図、図5は本実施例1における作業用無線機の一例を示すブロック図である。
前記作業場所3内には、無人のバックフォー9やブルドーザ11等の作業機械が投入され、さらに、ダンプトラック13A,13B等の無人の運搬機械が投入される。また、前記作業道路7は、作業場所3で積み込まれた土砂等を搬送するダンプトラック13A,13B等の運搬機械を無人走行させるためのものである。
また、前記制御所1と作業場所3との間には、図1に示すように、林15や山17あるいは建物などが存在し、しかも、ダンプトラック13A,13B等の走行用作業道路7が狭隘で曲がりくねっている。このため、制御所1と作業場所3との間での無線通信に使用される電波は林15や山17などに吸収または散乱されたり、遮蔽されたりする環境にある。したがって、本実施例1では、このような環境で遠隔通信する場合を例にとって説明する。
前記制御所1には、図1に示すように、前記バックフォーやブルドーザ、ダンプトラックなどの4台の無人作業装置9,11,13A,13Bに対応するモニター19,21,23,25と、無線中継回線5のアクセスポイントにある中継用無線機51A,51B,51Cの撮像カメラ51A4,51B7,51C4で撮像された映像を表示するモニター27,29と、前記4台の無人作業装置9,11,13A,13Bを別々に遠隔操作するとともにこれら無人作業装置9,11,13A,13Bに搭載された撮像カメラ216を遠隔操作する操作盤31,33,35,37と、無線中継回線5の制御所1近傍のアクセスポイントにある中継用無線機51A,51B,51Cの撮像カメラ51A4,51B7,51C4を遠隔操作する操作盤39,41,42が信号処理装置101,集線装置(HUB)102及び通信ケーブル103を介して中継用無線機51Aに接続されている。
前記中継用無線機51Aは、図1に示すように、制御所1の近傍に位置した場所に設置され、前記中継用無線機51Bは、図1に示すように、作業道路7のほぼ中間に位置する場所に設置され、さらに、前記中継用無線機51Cは、図1に示すように、作業場所3の近傍(または作業場所3内)で、作業場所3内の無人作業装置9,11,13A,13Bを見通し得る場所に設置されている。
また、中継用無線機51Bは、太陽光を電気エネルギに変換して充電できる蓄電池などの二次電池電源または商用電源からなる電源装置51B10を備え、この電源装置51B10から中継用無線機51Bの各部に電力を供給できるように構成されている。なお、51B11は撮像カメラ51B7の雲台である。
また、中継用無線機51Cは、太陽光を電気エネルギに変換して充電できる蓄電池などの二次電池電源または商用電源からなる電源装置51C7を備え、この電源装置51C7から中継用無線機51Cの各部に電力を供給できるように構成されている。なお、51C8は撮像カメラ51C4の雲台である。
これら作業用無線機91,111,131A,131Bは、図4に示すように、無線中継回線5を介して無指向性ダイポールアンテナなどからなる送受信アンテナ211に到来する信号を受信するとともに作業用無線機91,111,131A,131Bからの映像信号などを送受信アンテナ211を通して送信するスペクトル拡散方式の送受信部212と、送受信部212で受信された信号を復調するとともに撮像カメラ216からの映像信号などをディジタル量に変換した後、変調して送受信部212に出力するスペクトル拡散方式の変復調部213から構成される。
本実施例では、一対一方式により通信を行う構成とされており、この場合には、それぞれの通信コマンドフォーマットに従ったパケットにして交互に制御命令を送出する、所謂、多重通信により各無人作業装置9,11,13A,13Bとの間で通信が行える構成となっている。
作業場所3内の無人作業装置9,11,13A及び作業道路7上の無人作業装置13Bの遠隔制御は、制御所1に設けられた操作盤31,33,35,37,39,41,42のうち、遠隔制御しようとする無人作業装置9,11,13A,13Bに対応した操作盤31,33,35,37を操作することにより行われる。
そして、これらの操作盤31,33,35,37を操作すると、これら操作盤31,33,35,37から出力されるそれぞれの制御信号は信号処理装置101でディジタル量に変換され符号化された後、時分割多重化され、集線装置102から通信ケーブル103を通して中継用無線機51Aの送受信・変復調部51A3に入力される。この送受信・変復調部51A3では、制御信号を変調し、かつ電力増幅した後、第1のアンテナ51A1及び第2のアンテナ51A2から異なる無線チャネルで送信する。
また、前記中継用無線機51Bの第2送受信・変復調部51B5で受信され復調された後の復調信号は集線装置51Bを通して第1送受信・変復調部51B2に送られる。この第1送受信・変復調部51B2では、前記復調信号を変調し電力増幅した後、その第1のアンテナ51B1から、中継用無線機51Bの周辺で作業する無人作業装置に向けて、2412MHzの周波数帯域の無線チャネルで送信される。
例えば、ブルドーザに相当する無人作業装置11を遠隔操作することにより作業場所3の土砂を集積する。また、バックフォーに相当する無人作業装置9を遠隔操作することにより、作業場所3の土砂をダンプトラックに相当する無人作業装置11に積み込む操作を行う。また、ダンプトラックに相当する無人作業装置13Aを所定の待機場所から土砂を積み込む場所まで走行させたり、土砂を積み終わってから所定の廃棄場所まで作業道路7上を走行させたり、さらに、廃棄場所で荷台を駆動して土砂を積み下ろすなどの遠隔制御が行なわれる。
制御所1の信号処理装置101では、中継用無線機51Aから通信ケーブル103、集線装置102を通して取り込まれた検出信号または映像信号を復号化した後アナログ信号に変換して、無人作業装置9,11,13Aに対応するそれぞれのモニター19,21,23,25に出力する。これにより、無人作業装置9,11,13Aの各撮像カメラ216で撮像された映像は各々のモニター19,21,23,25に表示される。したがって、このモニター画像を見ることにより、無人作業装置9,11,13Aの作業状況を監視できる。また、検出手段217の検出結果をモニター19,21,23,25に表示すれば、メタンガス,一酸化炭素,酸素または無人作業装置の移動距離などを監視できる。
この例は、図1に示すように、無人作業装置13Bが中継用無線機51Cの無線ゾーンから中継用無線機51Bの無線ゾーンへ移動する場合である。この場合、電界強度検出手段220が動作して、無人作業装置13Bから到来する受信電波の電界強度を継続して検出する。そして、無人作業装置13Bが中継用無線機51Cから遠ざかるとともに中継用無線機51Bに近づくと、無人作業装置13Bの作業用無線機131Bに対する中継用無線機51Cからの受信電界強度が低下し、同時に作業用無線機131Bに対する中継用無線機51Bからの受信電界強度が高くなる。この時、電界強度検出手段220が検出する電界強度は制御部221で監視されているため、中継用無線機51Cからの受信電界強度が設定値以下になるとともに、中継用無線機51Bからの受信電界強度が設定値以上になると、今まで通信状態にあった中継用無線機51Cと作業用無線機131Bとの間の通信回線が切り離され、同時に中継用無線機51Bと作業用無線機131Bとの間の通信回線が確立されるように、制御部221が作業用無線機131Bの送受信部212を制御する。
これにより、無人作業装置13Bの撮像カメラ216で撮像された映像信号は、作業用無線機131Bから中継用無線機51Aを通して制御所1に送信され、更に、信号処理装置101を通してモニター27に出力され、撮像カメラ517で撮像された映像が表示される。したがって、このモニター画像を見ることにより、無人作業装置13Bの運行状況を監視できる。
すなわち、作業場所3において、無人作業装置9または11が中継用無線機51Cの無線ゾーン外へ移動することにより情報の伝送に支障を来たす場合、無人作業装置9または11の電界強度検出手段220が検出した中継用無線機51Cからの送信される信号の電界強度が設定値以下であることを制御部221で判断し、中継用無線機の増設が必要である旨の案内情報を制御所1に設けた前記モニターと別の図示省略のモニターに表示する。例えば、中継用無線機51Cと無線通信が可能な別の中継用無線機を中継用無線機51Cから離間して設置するように指示すればよい。
このように無線中継回線5を構成する中継用無線機を増設するだけで、無線中継回線5の無線ゾーンを無人作業装置の作業領域の拡大に応じて任意に拡張することができる。
また、制御部221は、いずれの中継用無線機51A,51B,51Cから送信された信号の電界強度を電界強度検出手段220で検出しても、その電界強度は、いずれも設定値以下であるとして判断し、無線中継回線5の無線ゾーンを拡大させるのに必要な中継用無線機の増設を促す案内情報を制御所1に報知するようにしたので、無線中継回線5を構成する中継用無線機を増設するだけで、無線中継回線5の無線ゾーンを無人作業装置の作業領域の拡大に応じて任意に拡張することができる。
また、本実施例1によれば、ダンプトラック13B等の無人作業装置の作業用無線機が無線中継回線5のアクセスポイントである中継用無線機に自動的に接続するためのローミング機能を備えるため、ダンプトラック13B等のような運搬機械を目的とする場所に何らの無線障害を生じさせることなく、円滑かつ確実に遠隔制御することができる。
Claims (8)
- 制御所と、前記制御所から離れた作業場所で作業する無人作業装置との間で無線通信により情報の双方伝送を可能にする無人作業装置の遠隔通信システムにおいて、
前記制御所と前記作業場所との間に複数の中継用無線機を互いに隣り合う無線ゾーン内で送受信が可能な距離をおいて配置することにより無線LAN方式の無線中継回線を構築し、
前記無人作業装置には該無人作業装置に搭載された撮像カメラと、前記無人作業装置に搭載され前記撮像カメラで撮像された映像情報や前記無人作業装置の作業データ及び前記制御所からの前記無人作業装置の無人運転用制御情報とを送受信する作業用無線機とが装備され、
前記制御所には前記無人作業装置を遠隔操作する操作盤と、前記無人作業装置の前記撮像カメラで撮像された映像を表示するモニターと、前記中継用無線機の1つに通信ケーブルを介して接続され前記操作盤からの制御情報を送出可能な信号に変換して前記1つの中継用無線機に送出するとともに前記1つの中継用無線機を通して送られてくる前記撮像カメラの映像を表示可能な信号に変換して前記モニターに出力する信号処理手段とが設けられ、
前記複数の中継用無線機は、該中継用無線機と前記作業用無線機との間で前記映像情報や作業データ及び前記制御情報を前記中継用無線機に設けられた第1のアンテナを介して所定の無線チャネルで送受信するとともに、無線ゾーンが互いに隣り合う前記中継用無線機同士間で前記映像情報や作業データ及び前記制御情報を該中継用無線機に設けられた第2のアンテナを介して前記無線チャネルと異なる無線チャネルで送受信する送受信手段を備え、
前記作業用無線機は前記無線中継回線と無線通信が可能な無線ゾーン内にある前記中継用無線機との間で通信が可能なようにアクセスされ、
前記複数の作業用無線機は、前記中継用無線機から送信される信号の電界強度を検出する検出手段と、前記無人作業装置が前記1つの中継用無線機の無線ゾーンから外れて他の中継用無線機の無線ゾーンへ移動する時の前記検出手段で検出された電界強度を監視し、前記電界強度が予め決めた設定値以下となる側の前記1つの中継用無線機と前記作業用無線機との通信回線を切り離し、前記電界強度が予め決めた設定値以上となる側の前記他の中継用無線機と前記作業用無線機との通信回線が確立されるように前記作業用無線機を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記検出手段で検出された電界強度が前記いずれの中継用無線機から送信される信号に対しても設定値以下と判断した時、前記無人作業装置の作業領域の拡大に合わせて前記無線中継回線の無線ゾーンが拡大されるように前記中継用無線機の増設を促す案内を前記制御所に報知する機能を備える、
ことを特徴とする無人作業装置の遠隔通信方法。 - 前記制御所の操作盤は、前記無人作業装置に搭載された前記撮像カメラの撮影方向及びレンズズーミングの少なくとも一方を遠隔制御する機能を備えることを特徴とする請求項1記載の無人作業装置の遠隔通信システム。
- 前記複数の中継用無線機は該中継用無線機の設置周囲を撮像する撮像カメラを備え、前記制御所に前記撮像カメラで撮像された映像を表示する監視用モニターが設けられ、前記撮像カメラで撮像された映像情報は前記送受信手段及び前記第2のアンテナにより前記無線中継回線を経由して前記制御所に送信され、前記監視用モニターに表示されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の無人作業装置の遠隔通信システム。
- 前記制御所は、前記中継用無線機毎に設けられ該中継用無線機の撮像カメラの撮影方向及びレンズズーミングの少なくとも一方を遠隔制御するカメラ操作盤を備えることを特徴とする請求項3記載の無人作業装置の遠隔通信システム。
- 前記中継用無線機は二次電池電源及び商用電源のいずれか一方を備えることを特徴とする請求項1記載の無人作業装置の遠隔通信システム。
- 制御所から離れた作業場所で作業する無人作業装置との間で無線通信により情報の双方伝送を可能にする無人作業装置の遠隔通信方法であって、
前記制御所と前記作業場所との間に複数の中継用無線機を互いに隣り合う無線ゾーン内で送受信が可能な距離をおいて配置することにより無線LAN方式の無線中継回線を構築し、
前記無人作業装置に撮像カメラと、前記撮像カメラで撮像された映像情報や前記無人作業装置の作業データ及び前記制御所からの前記無人作業装置の無人運転用制御情報とを送受信する作業用無線機を装備し、
前記制御所に前記無人作業装置を遠隔操作する操作盤と、前記無人作業装置の前記撮像カメラで撮像された映像を表示するモニターとを設け、
前記複数の中継用無線機は送受信手段を備え、前記中継用無線機と前記作業用無線機との間で前記映像情報や作業データ及び前記制御情報を前記送受信手段及び第1のアンテナにより所定の無線チャネルで送受信するとともに、無線ゾーンが互いに隣り合う前記中継用無線機同士間で前記映像情報や作業データ及び前記制御情報を前記送受信手段及び第2のアンテナにより前記無線チャネルと異なる無線チャネルで送受信し、
前記作業用無線機は前記無線中継回線と無線通信が可能な無線ゾーン内にある前記中継用無線機との間での通信が可能なようにアクセスされ、
前記中継用無線機から送信される信号の電界強度を検出手段で検出し、前記無人作業装置が前記1つの中継用無線機の無線ゾーンから外れて他の中継用無線機の無線ゾーンへ移動する時の前記検出手段で検出された電界強度を監視し、前記電界強度が予め決めた設定値以下となる側の前記1つの中継用無線機と前記作業用無線機との通信回線を切り離し、前記電界強度が予め決めた設定値以上となる側の前記他の中継用無線機と前記作業用無線機との通信回線が確立されるように前記作業用無線機を制御手段により制御し、
前記制御手段は、前記検出手段で検出された電界強度が前記いずれの中継用無線機から送信される信号に対しても設定値以下と判断した時、前記無人作業装置の作業領域の拡大に合わせて前記無線中継回線の無線ゾーンが拡大されるように前記中継用無線機の増設を促す案内を前記制御所に報知する機能を備える、
ことを特徴とする無人作業装置の遠隔通信方法。 - 前記複数の中継用無線機は該中継用無線機の設置周囲を撮像する撮像カメラを備え、前記制御所に前記撮像カメラで撮像された映像を表示する監視用モニターが設けられ、前記撮像カメラで撮像された映像情報は前記送受信手段及び前記第2のアンテナにより前記無線中継回線を経由して前記制御所に送信され、前記監視用モニターに表示されるようにしたことを特徴とする請求項6記載の無人作業装置の遠隔通信方法。
- 前記中継用無線機は二次電池電源及び商用電源のいずれか一方を備えることを特徴とする請求項6記載の無人作業装置の遠隔通信方法。
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