JP4220179B2 - 基板のキャリアケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、物品を搬送するためのキャリアケースに関し、特にガラス基板などの基板を搬送するための組み立て式のキャリアケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に開示する基板のキャリアケースは、台湾特許公告第286672号「ガラス基板キャリアケース」によるものであって、前記キャリアケース1は底部が一体に成形されてなるケース本体11と、蓋体12とによってなる。また、前記キャリアケース1のケース本体11と蓋体12とは、いずれもポリオレフィン系の発泡体によって構成され、複数のガラス基板を集中して収納し搬送するために用いられる。
【0003】
前記キャリアケース1は、ケース本体11が一体成形によってなるため、製造上難度が高く歩留まりが低い。また、複数のガラス基板を集中して収納し搬送するため、前記キャリアケース1はかなりの体積を必要とする。通常ガラス基板を目的地に搬送した後は、空のキャリアケース1を工場に回収する。この場合、キャリアケース1がかなりの体積を有するため、積み重ねるとかなりの空間を占めることになり、運送コストについても、倉庫に保管するコストについても高くなり、経済的効果に適わない。
よって、業界においては、このような問題を改善するための新規なガラス基板のキャリアケースの提供が必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、製造が容易で、かつ製造コストを低減することのできる基板のキャリアケースを提供することを課題とする。
【0005】
また、この発明は、簡易な操作で組み立て/分解でき、回収、もしくは倉庫に保管する場合、占める空間を大幅に低減することのできる基板のキャリアケースを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、従来の技術に見られる上述の欠点に鑑みて鋭意研究を重ね、対向して設けられる2枚の側面板と、同様に対向して設けられる2枚の側面板とを着脱自在に組み合わせてキャリアケースの側壁を形成し、前記キャリアケースの側壁の上面と底面を覆う蓋体を別途設ける組み立て式のキャリアケースの構造に着目して、この発明の完成に至った。
【0007】
以下に詳述する。請求項1に記載する基板のキャリアケースは、組み立て式のキャリアケースであって、対向して設けられる2枚の第1側面板と、同様に対向して設けられる2枚の第2側面板と、2枚の蓋体とによってなる。前記2枚の第1側面板はそれぞれ左右に垂直側端縁部を有し、前記垂直側端縁部には少なくとも1組以上の水平方向に延伸する突起ブロックセットを一体に形成してなり、前記2枚の第2側面板はそれぞれ左右の両側に係合端縁部を有し、係合端縁部には、前記第1側面板の突起ブロックセットに対応する位置に、位置決め孔を穿設してなり、前記突起ブロックセットを前記位置決め孔に嵌挿して前記第1側面板と第2側面板とを組み立ててキャリアケースの側壁を構成する。前記2枚の蓋体は前記キャリアケースの側壁上に設けられ、キャリアケースの上面と底面とを覆い、
前記突起ブロックセットは、上部突起ブロックと下部突起ブロックとを含み、かつ上部突起ブロックと下部突起ブロックとの間に隙間を形成するとともに、前記上部突起ブロックは一端が上方に延伸して係止フック部を形成し、前記下部突起ブロックは一端が下方に延伸して係止フック部を形成し、
また、前記位置決め孔には、上部係止決め溝と下部係止溝とを形成し、前記上部係止溝には、前記上部突起ブロックの係止フック部が係止し、前記下部係止溝には下部突起ブロックの係止フック部が係止するようになっており、
前記突起ブロックセットの上部突起ブロックと下部突起ブロックとの間の隙間には、前記第1側面板との組み立てを完成させた状態において前記第2側面板の位置決め孔から固定栓が嵌挿され、
前記固定栓は、つまみ部と、前記つまみ部の一面の中央の位置から水平方向に突出して一体に形成される嵌挿部とを有し、前記固定栓を前記第2側面板の位置決め孔に嵌挿すると、前記つまみ部が対応の前記第2の側面板から突出し、前記上部突起ブロックと下部突起ブロックとの間の隙間に固定栓の嵌挿部が進入して、前記上部突起ブロックと下部突起ブロックとをそれぞれ上下方向に圧迫し、上部突起ブロックと下部突起ブロックとが上部係止溝及び下部係止溝から外れることを防止するように構成した。
【0011】
請求項2に記載する基板のキャリアケースは、請求項1における固定栓の嵌挿部上下面に横方向の突起ブロックをそれぞれ一体に形成し、前記第1側面板の上部突起ブロックと下部突起ブロックの前記嵌挿部の横方向の突起ブロックに対応する位置に横方向のガイド溝を形成し、前記嵌挿部が前記上部突起ブロックと下部突起ブロックとの間の隙間に進入した場合に、前記ガイド溝と横方向の突起ブロックとが係止するように構成する。
【0012】
請求項3に記載する基板のキャリアケースは、請求項1の対向して設けられる2枚の第1側面板のそれぞれの内壁に、複数の基板を集中して収納するための収納溝を対応させて複数形成する。
【0013】
請求項4に記載する基盤のキャリアケースは、請求項1の対向して設けられる2枚の第2側面板のそれぞれの内壁には、複数の基板を集中して収納するための収納溝を対応させて複数形成する。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明は、ガラス基板などの基板を搬送するためのキャリアケースに関し、製造が容易で、かつ製造コストを低減することができるとともに、簡易な操作で組み立て/分解できるようにするために、組み立て式の構造を採用した。即ち、構成する対向して設けられる2枚の側面板と、同様に対向して設けられる2枚の側面板とを着脱自在に組み合わせてキャリアケースの側壁を形成し、前記キャリアケースの側壁の上面と底面を覆う蓋体を別途設けて構成する。
かかる基板のキャリアケースの構造と特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図示を参照にして以下に説明する。
【0015】
図2に、この発明による基板のキャリアケース2を開示する。図示によれば、キャリアケース2は、対向して設けられる第1側面板21、22と、同様に対向して設けられる第2側面板23、24を含んでなり、前記第1側面板21、22と、第2側面板23、24とを組み合わせることによってキャリアケース2の側壁を構成し、さらに前記側壁の上面、及び底面をそれぞれ蓋体25、26によって覆い、キャリアケース2の組み立てを完成させる。前記第1側面板21、22はそれぞれ同様の構造を有し、第2側面板23、24も、それぞれ同様の構造を有し、かつ蓋体25、26もそれぞれ同様の構造を有する。
【0016】
第1側面板21を例として、それぞれの第1側面板の構造を説明する。図3に開示するように、第1側面板21は、左右対称の垂直側端縁部211、212を有し、垂直側端縁部211を例に挙げれば、前記垂直側端縁部211は水平方向に延伸する突起ブロックセット213、214を一体に形成してなり、それぞれの突起ブロックセット213、214の間は所定の間隔を置く。
【0017】
それぞれの突起ブロックセット213、214は、突起ブロックセット213を例に挙げれば、上部突起ブロック215と下部突起ブロック216とを含み、前記上部突起ブロック215は一端が上方に延伸して係止フック部を形成し、前記下部突起ブロック216は一端が下方に延伸して係止フック部を形成する。また、上部突起ブロック215と下部突起ブロック216とは所定の間隔を置いて形成し、隙間17を形成する。
【0018】
また、第1側面板21には、内壁に複数の収納溝210を形成し、対向して設けられる第1側面板22に形成される収納溝210と対応して複数の基板を集中して収納する。前記収納溝210は、第1側面板21、22だけに限らず、対向して設けられる第2側面板23、24の内壁に形成して、第2側面板23、24間においても複数の基板を集中して収納できるようにしてもよい。
【0019】
第2側面板23を例として、それぞれの第2側面板の構造を説明する。図4に開示するように、第2側面板23は、左右の両側に係合端縁部231232を有し、係合端縁部231を例に挙げれば、前記係合端縁部231は、第1側面板21の突起ブロックセット213、214に対応する位置に、上下それぞれ位置決め孔233234を穿設する。また、それぞれの位置決め孔233234は、外面開口部の上下に段差をつけて上部係止決め溝図示しないと、下部係止溝236とを形成する。前記上部係止溝には、第1側面板21の突起ブロックセット213、214を構成する上部突起ブロック215の係止フック部が係止し、前記下部係止溝26には下部突起ブロック216の係止フック部が係止する。
【0020】
図5、図6に、第1側面板21と第2側面板23との組み立てを開示する。図示によれば、第1側面板21の突起ブロックセット213、214は、それぞれ第2側面板23の上部位置決め孔233と下部位置決め孔234と挿入され、かつ上部突起ブロック215の係止フック部が上部係止溝に、下部突起ブロック216の係止フック部が下部係止溝26にそれぞれ係止して、第1側面板21と第2側面板23とが組み立てられた状態を保持する。かかる方式によって、第1側面下21、22と、第2側面板23、24とをそれぞれ組み立てて、図2に開示するキャリアケース2の側壁を構成する。
【0021】
前述の第1側面下21、22と、第2側面板23、24とを組み立ててなるキャリアケース2の側壁の結合状態をさらに安定させるために、別途複数の固定栓2728を設ける。固定栓27を例に挙げれば、固定栓27は、つまみ部271と嵌挿部272とによってなり、前記嵌挿部272は、つまみ部271の一面の略中央の位置から水平方向に突出して一体に形成される。第1側面板21との組み立てを完成させた状態の第2側面板23の上部位置決め孔233に固定栓27を設ける場合、前記固定栓27の嵌挿部272が上部突起ブロック215と下部突起ブロック216との間の隙間217内に嵌挿されて、前記上部突起ブロック215と下部突起ブロック216とをそれぞれ上下方向に圧迫する。このため上部突起ブロック215と下部突起ブロック216とが、上部係止溝及び下部係止溝236から外れることを防ぎ、さらに固定した結合状態を得ることができる。
【0022】
また、固定栓27が外れることを防ぐために、図3に開示するように、第1側面板の上部突起ブロック215と下部突起ブロック216とには横方向にガイド溝218、219を形成する。また、図5に開示するように固定栓27の嵌挿部272の上下面で、前記ガイド溝218、219に対応する位置に横方向の突起ブロック275、276をそれぞれ一体に形成する。よって、図6に開示するように固定栓27を前記隙間217に嵌挿する場合に前記突起ブロック275、276が前記ガイド溝218、219に係止して固定栓27が外れなくなる。
【0023】
キャリアケース2は基板、もしくはガラス基板を集中して収納するため、第1側面板21、22、第2側面板23、24、及び蓋体25、26の材質は緩衝作用を具え、かつ耐振動特性を具えていなければならない。また、この発明による組み立て式の基板キャリアケース2の構造は、固定栓27の嵌挿部272を隙間217に嵌挿するため、固定栓27のつまみ部271がキャリアケース2の側壁表面に突出して設けられ、側壁に対する緩衝、耐振動効果をさらに得ることができる。
【0024】
この発明によるキャリアケース2は、第1側面板21、22と、第2側面板23、24と、蓋隊25、26とを製造するだけで、これら部材を簡易な作業で組み立てることができる。しかも、製造が容易であり、従来の技術による一般的な射出成形、もしく発泡成形技術によって製造することができ、従来の技術に見られる一体成形の製造の難しさを改善し、製造の歩留まりを高めることができる。よって、全体的な製造コストを大幅に低減することができる。
【0025】
また、この発明によるキャリアケース2は、第1側面板21、22と、第2側面板23、24と、蓋隊25、26とを組み立ててなる。当然のことながら、簡易な作業で分解して第1側面板21、22と、第2側面板23、24と、蓋隊25、26とにすることができる。よって、基板を目的地に搬送した後キャリアケース2を分解して回収することができるので、運送と保管のコストを節減することができる。
【0026】
以上はこの発明の好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明に対して均等の効果を具えるものは、いずれも特許請求の範囲に属するものとする。
【0027】
【発明の効果】
この発明による基板のキャリアケースは、従来の射出成形、もしくは発泡成形などの技術を応用して容易に製造することができるため、高い歩留まりを得ることができる。よって、製造コストを全体的に低減する効果が得られる。
【0028】
また、この発明による基板のキャリアケースは、簡易な操作で組み立て/分解でき、回収、もしくは倉庫に保管する場合、占める空間を大幅に低減することができ、運送、保管のコストを節減する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のガラス基板のキャリアケースを表わす斜視図である。
【図2】この発明によるガラス基板のキャリアケースを表わす分解図である。
【図3】図2に開示するガラス基板のキャリアケースの第1側面板を表わす斜視図である。
【図4】図2に開示するガラス基板のキャリアケースの第2側面板を表わす斜視図である。
【図5】図3に開示する第1側面板と、図4に開示する第2側面板とを連結した状態の斜視図である。
【図6】図5に開示する第1側面板と、第2側面板との連結部分の局部断面である。
【符号の説明】
2…キャリアケース
21…第1側面板
22…第1側面板
23…第2側面板
24…第2側面板
25…蓋体
26…蓋体
27…固定栓
28…固定栓
210…収納溝
211…垂直側縁部
212…垂直側縁部
213…突起ブロックセット
214…突起ブロックセット
215…上部突起ブロック
216…下部突起ブロック
217…隙間
218…ガイド溝
219…ガイド溝
231…係合端縁部
232…係合端縁部
233…位置決め孔
234…位置決め孔
236…下部係止溝
271…つまみ部
272…嵌挿部
275…突起ブロック
276…突起ブロック
Claims (4)
- 対向して設けられる2枚の第1側面板と、同様に対向して設けられる2枚の第2側面板と、2枚の蓋体とによってなる組み立て式の基板のキャリアケースにおいて、
前記2枚の第1側面板はそれぞれ左右に垂直側端縁部を有し、前記垂直側端縁部には少なくとも1組以上の水平方向に延伸する突起ブロックセットを一体に形成してなり、
前記2枚の第2側面板はそれぞれ左右の両側に係合端縁部を有し、係合端縁部には、前記第1側面板の突起ブロックセットに対応する位置に、位置決め孔を穿設してなり、前記突起ブロックセットを前記位置決め孔に嵌挿して前記第1側面板と第2側面板とを組み立ててキャリアケースの側壁を構成し、
前記2枚の蓋体は前記キャリアケースの側壁上に設けられ、キャリアケースの上面と底面とを覆い、
前記突起ブロックセットは、上部突起ブロックと下部突起ブロックとを含み、かつ上部突起ブロックと下部突起ブロックとの間に隙間を形成するとともに、前記上部突起ブロックは一端が上方に延伸して係止フック部を形成し、前記下部突起ブロックは一端が下方に延伸して係止フック部を形成し、
また、前記位置決め孔には、上部係止決め溝と下部係止溝とを形成し、前記上部係止溝には、前記上部突起ブロックの係止フック部が係止し、前記下部係止溝には下部突起ブロックの係止フック部が係止するようになっており、
前記突起ブロックセットの上部突起ブロックと下部突起ブロックとの間の隙間には、前記第1側面板との組み立てを完成させた状態において前記第2側面板の位置決め孔から固定栓が嵌挿され、
前記固定栓は、つまみ部と、前記つまみ部の一面の中央の位置から水平方向に突出して一体に形成される嵌挿部とを有し、前記固定栓を前記第2側面板の位置決め孔に嵌挿すると、前記つまみ部が対応の前記第2の側面板から突出し、前記上部突起ブロックと下部突起ブロックとの間の隙間に固定栓の嵌挿部が進入して、前記上部突起ブロックと下部突起ブロックとをそれぞれ上下方向に圧迫し、上部突起ブロックと下部突起ブロックとが上部係止溝及び下部係止溝から外れることを防止しするように構成したことを特徴とする基板のキャリアケース。 - 前記固定栓の嵌挿部の上下面に横方向の突起ブロックをそれぞれ一体に形成し、前記第1側面板の上部突起ブロックと下部突起ブロックの前記嵌挿部の横方向の突起ブロックに対応する位置に横方向のガイド溝を形成し、前記嵌挿部が前記上部突起ブロックと下部突起ブロックとの間の隙間に進入した場合に、前記ガイド溝と横方向の突起ブロックとが係止するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のキャリアケース。
- 前記対向して設けられる2枚の第1側面板のそれぞれの内壁には、複数の基板を集中して収納するための収納溝を対応させて複数形成することを特徴とする請求項1に記載のキャリアケース。
- 前記対向して設けられる2枚の第2側面板のそれぞれの内壁には、複数の基板を集中して収納するための収納溝を対応させて複数形成することを特徴とする請求項1に記載のキャリアケース。
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