JP4218149B2 - 青果物品質測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミカン、八朔、なしやリンゴ、あるいはメロン等の青果物の糖度、酸度、水分含有率、鮮度等の品質を非破壊測定で判定する青果物品質測定装置に関し、青果物への熱的ダメージが少なくしかも高精度で且つ高速に品質を判定することができる青果物品質測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記青果物品質測定装置としては、例えば平ベルトを備えるベルトコンベアにて載置搬送されてくる青果物の水平方向一側面に、ベルトコンベアの搬送幅方向(左右方向)一側に配設した単一のランプから測定光を照射し、前記ランプとは反対側、つまりベルトコンベアの搬送幅方向(左右方向)他側に配置した受光手段により青果物を透過したきた測定光を受光して品質測定を行うものが一般的である。
前記装置の場合には、平ベルト上に不定間隔で載置搬送される青果物を順次測定することができることから、青果物に対するハンドリング、つまり青果物を平ベルト上に移動させることが容易で合理的であるだけでなく、従来の選果プラントで使われてきた搬送系にランプや受光手段を追加するだけで構成することができ、実施し易い利点があり、普及が早いものであった。
しかしながら、受光手段には青果物を透過してきた測定光以外に、ランプから照射された測定光が他物に当たって反射してきた反射光の一部が混入することがある。この反射光の混入により小型青果物については測定精度に実用上の問題はないものの、大型青果物については多少測定精度が低下するため、青果物の種類によって正確に測定できない場合があり、改善の余地があった。
前記測定精度を改善できるものとして、例えば図16に示すものがある。つまり、青果物の一例であるミカンMを一個ずつ入れるためのトレー30の多数(図では1個のみ示している)をチェーンコンベアを構成する各チェーン31に固定された左右一対の固定部材32,32の上面に固定し、これらトレー30に入れられて搬送されてくるミカンMに測定光を照射するランプ33をチェーンコンベアの搬送幅方向両側に配設し、前記ランプ33,33からの測定光がミカンMを透過し、前記トレー30の底板に形成の開口30Aを通して下方に移動してきた測定光を受光するための光ファイバー34をそれの先端が該開口30Aに下方から臨む状態で配置している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成によれば、例えばトレー30にミカンMを一々入れる作業を要することから、前記ハンドリングにおいて不利になるだけでなく、ミカンよりも大きな八朔やメロン等を同一のトレーに入れることができず、大きさの異なる青果物を測定する場合には、現在取り付けられているトレーを大きさの異なる他のトレーに一々付け替えなければならない不都合があった。尚、前記トレー30にミカンMを自動的に載せるための機械を設けることが考えられるが、青果物は、個々の形状や表皮の硬さ、摩擦係数、凹凸の度合い等が異なる場合が多く、一定間隔で移動するトレー30に安定して載せることは容易でない。更には、下部の開口30Aに隙間が発生しないように同じ向きに青果物を載せること等、非常に困難なことであり、人手による作業に頼らなければならず、非能率的であった。
又、青果物を前記トレーに載置搬送して下方に位置する光ファイバー34にて受光することによって、前記のように反射光等の混入を防ぐことができるものの、トレーに載置した青果物の大きさや形状等の違いにより、トレーと青果物との間に隙間が発生し易く、その発生した隙間から前記反射光等が漏れ出して光ファイバー34に受光されることがあった。尚、前記隙間の発生を回避することができるように吸盤状のゴム等から円形状のトレーを構成したものが提案されているが、この場合も前記と同様にトレーに一々青果物を所定姿勢で載置させる必要があり改善の余地があった。又、前記吸盤状のゴム等からなるトレーに載置された青果物を上方から下方に押し下げることによって、前記隙間の発生を確実に阻止することができるものも提案されているが、装置の大型化やコストの高騰等をも招き、実用性の低いものであった。
【0004】
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、構成の複雑化を回避しながらも、ミカン等の青果物の糖度、酸度、水分含有率、鮮度等の品質を、非破壊で且つ迅速に、しかも高い精度で測定することができるようにする点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の青果物品質測定装置は、前述の課題解決のために、被測定物となる青果物に測定光を照射するための照射手段と、前記照射手段の照射位置まで載置搬送する搬送手段と、この搬送手段にて照射位置まで載置搬送されてきた青果物に向けて照射し該青果物を透過した測定光のうち、前記搬送手段の搬送幅方向中間部に形成の隙間から下方へ移動してきた測定光を受光するための受光手段と、前記受光手段により受光した測定光のスペクトルを分析して糖度、酸度、水分含有率、鮮度等の品質を判定する品質判定手段と、前記搬送手段の搬送方向に連続して備えさせた青果物用載置部と青果物との接触部に隙間が発生することを阻止する阻止手段とを備え、前記阻止手段が、青果物の重量により前記青果物用載置部を変形させて該青果物用載置部と青果物との密着力を高める手段で構成している。
本願発明者は、青果物を所定姿勢で移動させることが不要で、しかも遮光の点で優れた青果物品質測定装置を確立するために、従来のようなトレーの概念を止めながらも、受光手段に対する遮光を青果物の重量を合理的に利用することができる画期的なものを考えついた。
つまり、搬送手段にて照射位置まで不定間隔にて載置搬送されてきたそのままの姿勢の青果物に照射手段からの測定光を照射しその青果物を透過した測定光のうち、搬送手段の搬送幅方向中間部に形成の隙間から下方へ移動してきた測定光を受光手段により受光し、その受光した測定光のスペクトルを分析して品質を判定するのである。そして、搬送されている青果物の重量により変形可能な青果物用載置部を搬送方向に連続して備えさせることによって、従来の平ベルトと同様に青果物を連続して搬送することができながらも、その搬送用載置部の一部が青果物の重量で変形することで青果物用載置部と青果物との密着力を高めることができ、両者の間に隙間が発生することがないから、照射手段からの測定光又はこの測定光が他物に反射した反射光等の光が特に搬送幅方向両側から受光手段に入り込むことがなく、その分測定精度を高めることができる。しかも、又、前記照射手段からの測定光又はこの測定光が他物に反射した反射光等の光が搬送方向(前後方向)から搬送手段の搬送幅方向中間部に形成の隙間を通して受光手段に侵入しようとすることを青果物が遮蔽して阻止することができるが、前後両側から前記受光手段への測定光又は反射光等の光の侵入を阻止するための阻止手段を設けることによって、不必要な光が受光手段に入り込むことをより一層確実に阻止することができる。
【0006】
前記搬送手段の搬送表面の少なくとも左右2箇所に、該搬送手段の搬送方向ほぼ全域に渡って左右方向において隙間のない状態で連続する多数の板状体からなる板状体群を設け、これら板状体群上に青果物を載置搬送するための前記青果物載置部を構成している。
上記のように前記板状体群を少なくとも左右2列設けることによって、青果物の表面とこれと接触する板状体の接触面との間に隙間が発生することを回避することができるから、搬送幅方向両側からの測定光に対して確実に遮光することができながらも、青果物を良好に搬送することができる。しかも、多数の板状体から構成することによって、例えば一部の板状体のみが破損した場合等においてその一部の板状体のみを交換するだけで済ませることができる。
【0007】
前記板状体を上端側ほど前記搬送手段の搬送幅方向外方側に位置する外拡がり形状にすることによって、板状体に載置される青果物との接触面積を増大させることができるだけでなく、安定よく青果物を載置支持することができる。
【0008】
前記搬送手段を、青果物の重量により変形可能な載置部を有する単又は複数の塊状体からなる無限軌道状のコンベアを少なくとも左右1組設けて、構成してもよい。
【0009】
前記板状体群を4列設けている場合には、搬送幅方向外側に位置する2列の板状体群の上端の高さを内側に位置する残りの2列の板状体群の上端の高さよりも高くすることによって、光に対する遮蔽効果を高めることができる。又、外側の2列の板状体群の内側に位置するような小さな青果物の品質測定を行う場合において、皮の厚みの違い等により測定光が透過し易いことから大きな青果物よりも照射光量を少なくすることが好ましく、これを外側の2列の板状体群により青果物への光の遮蔽を行うことができる。
【0010】
前記4列の板状体群のうち、搬送幅方向外側に位置する2列の板状体群それぞれにおいて前記搬送手段の搬送方向で隣り合う板状体同士の境界部と搬送幅方向内側に位置する残りの2列の板状体群それぞれにおいて前記搬送手段の搬送方向で隣り合う板状体同士の境界部とが搬送幅方向で重複しない状態に設定することによって、例え搬送幅方向外側に位置する板状体同士の境界部の隙間から光が漏れたとしても、この光を搬送幅方向内側に位置する板状体により遮蔽することができる。
【0011】
前記照射手段がほぼ水平方向から青果物を照射する複数のランプからなり、それら複数のランプを上下方向で位置変更調節可能に構成することによって、青果物の種類に応じて照射位置を良好に変更調節することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の青果物品質測定装置が示されている。この青果物品質測定装置は、キャスター1を下端の4隅(図では2箇所のみ図示)に備えた移動可能な台本体2と、この台本体2の上端にケーシング3にて外光を遮断した状態で品質測定を行うために内部に配設した測定部4と、前記ケーシング3の一端に形成の開口(図示せず)を通して前記測定部4へ青果物を搬送し、かつ、測定後の青果物をケーシング3の他端に形成の開口(図示せず)を通してケーシング3の外部まで搬送するための搬送手段5とを備えたものである。前記各キャスター1付近に、床面を支持する設置体6を設けてあり、キャスター1を床面から浮かして位置固定可能とする状態とキャスター1よりも上方に退避させてキャスター1による移動を可能にする状態とに切り替えることができるようにしている。前記ケーシング3の両端に形成の開口には、外光遮断用のカーテン(図示せず)が取り付けられている。図に示す7は、測定部4からの測定結果等を表示するためのモニターであり、8は、前記モニター7の表示情報等を印刷するためのプリンターであり、9は、装置の異常等を報知するためのパテライトであり、これら7〜9を省略又は他の場所に代替え品等を設置して実施することもできる。又、前記キャスター1や設置体6を省略してもよいし、又、前記台本体2を省略して実施してもよく、青果物品質測定装置の具体的構成は、自由に変更可能である。
【0013】
前記測定部4は、図1〜図4に示すように、被測定物となる青果物に測定光を照射するための照射手段10と、この照射手段10の照射位置まで載置搬送する前記搬送手段5と、この搬送手段5にて照射位置まで載置搬送されてきた青果物に向けて照射し該青果物を透過した測定光のうち、前記搬送手段5に形成の隙間から下方へ移動してきた測定光を受光するための受光手段11と、前記受光手段11により受光した測定光のスペクトルを分析して糖度、酸度、水分含有率、鮮度等の品質を判定する品質判定手段と、前記搬送手段5の左右両側から前記受光手段11への測定光又は反射光等の光の侵入を阻止するための阻止手段12とから構成している。
【0014】
前記搬送手段5は、図1〜図4に示すように、ベルトコンベアでなり、このベルトコンベア5は、搬送方向終端に配置した左右一対の駆動プーリ13,13と、搬送方向始端に配置した左右一対の従動プーリ(図示せず)と、これら両プーリ間に巻回される無端状のタイミングベルト14と、このタイミングベルト14の青果物搬送側内面を摺接案内するための水平板部15Aとベルトの下面(裏面)側から回り込んでくる光を遮断するための垂直部15Bとからなる左右一対の断面形状ほぼ逆L字型のガイド部材15,15とから構成している。前記駆動プーリ13,13を回転支持する駆動回転軸16と図示していない電動モータの駆動軸とをチェーン式又はギア式の電動機構(図示せず)等により連動させて、駆動プーリ13,13を駆動回転させることにより、タイミングベルト14を回動させるようにしている。図では、搬送手段5としてベルトコンベアを示したが、チェーンコンベアや図9に示すように、後述する多数のローラ5A…からなるローラコンベアであってもよく、搬送手段としてはこれらのものに限定されるものではない。
【0015】
前記照射手段10は、図2〜図4に示すように、前記搬送手段5の搬送幅方向両側に平面視において搬送手段5のタイミングベルト14の左右幅方向ほぼ中央を中心とした円弧状に配置した10個(左右5個ずつ)のかさ付きランプ17から構成している。そして、前記全ランプ17が上下方向で位置変更可能に設けられており、図4に示すミカンMの場合には、全ランプ17を最下方位置に位置させ、又、図3に示す八朔Hの場合には、全ランプ17を最上方位置に位置させることにより、青果物の種類や大きさ等によりその青果物への照射量が極端に減ることがないように全ランプ17を最適高さに位置させることができるようにしている。前記ランプ17の上下の調節幅は、具体的には35mmとしているが、取り扱う青果物によって適宜変更可能である。又、図4に示すようにミカンMを照射する場合には、後述の外側に位置する板状体21,21がランプ17からの測定光をある程度遮蔽して照射量が少なくなっているが、図2において左右のそれぞれで搬送方向両側に位置する合計4個のランプ17をOFFにし、残りの6個のランプ17のみをONにして、ミカンMへの照射量をさらに少なくすることで、データレベルが飽和することを確実に回避することができるようにしている。又、前記ランプ17が青果物に対して水平方向から照射するようにしているが、ほぼ水平方向、例えば上方から斜め下方に向けて照射するようにしてもよいし、又、上方から下方に向けて照射してもよい。又、青果物のほとんどが球状であることから、前記ランプ17を円弧状に配置したが、青果物の形状によっては円弧状に配置しなくてもよい。前記ランプ17の高さ調節は、手動力で行うようにしてもよいし、又、電動モータ等の電動力を用いて行うようにしてもよい。前記ランプ17の高さ調節を電動力で行う場合には、青果物の種類や大きさ等を検出するセンサ等を設けておき、このセンサの検出情報に基づいて電動モータ等を駆動して自動的に高さ調節を行える構成にすることができる。又、ランプ17の個数や具体的構成は、図に示されるものに限定されるものではない。
【0016】
前記受光手段11は、図2〜図5に示すように、前記左右2列に配置されたタイミングベルト14,14間に形成の隙間Sに配置された光ファイバー18と、この光ファイバー18を保護するカバー部材19とからなっている。前記カバー部材19は、前記台本体2側の固定部Tに取り付け固定している。そして、前記カバー部材19の上端に形成の開口を閉じるガラスやプラスチック等でなる透明な蓋体20を設けて、光ファイバー18の先端部に塵や埃あるいは青果物の汁等が付着することがないようにしながらも、前記蓋体20に塵や埃あるいは青果物の汁等が付着した場合には容易に拭き取ることができるようにしている。前記光ファイバー18の基端部が図示していない制御装置に接続されており、光ファイバー18からの検出情報をデータ化して糖度等を演算する等の処理が行えるようになっている。
【0017】
前記阻止手段12は、図2〜図4に示すように、前記搬送手段5を構成するタイミングベルト14,14の搬送表面14A,14Aそれぞれの左右2箇所に搬送方向全域に渡って左右方向において隙間のない状態で連続する多数の長方形状で、かつ、垂直姿勢の板状体21,22を設けてなり、搬送方向に連続する青果物載置部を兼用構成している。
【0018】
前記板状体21,22は、搬送幅方向外側に位置する板状体21の方が搬送幅方向内側に位置する板状体22よりも高くなるように上下高さのみ異なる2種類のものからなり、材質はいずれもウレタン等の合成樹脂等からなり、図3に示すように、載置される青果物Hの重量によりそれの上端側ほど前記搬送手段の搬送幅方向外方側に位置する形状に変形可能にしている。従って、青果物Hの外面と板状体21,21の上端側内面21A,21Aとの間に隙間が発生することなく、接触させることができるようにしている。図では、上下高さの短い板状体22をタイミングベルト14の搬送幅方向内方側端部に配置し、かつ、上下高さの長い板状体21をタイミングベルト14の搬送幅方向ほぼ中央に配置しているが、それら板状体21,22の位置は測定する青果物等により適宜変更してもよい。又、上下高さの異なる2組の板状体21,21、22,22を設けた場合を示したが、同一高さの2組(4個)の板状体を設けて実施してもよい。又、左右一対(2個)のみの板状体を設けたり、3組(6個)以上の板状体を設ける、あるいは、3個以上の奇数個の板状体を設けて実施することもできる。尚、図10に同一高さの板状体23を片側に9個設けた(両側で18個設けた)場合を示している。又、図では、板状体21又は22をそれの面方向が搬送方向に沿う姿勢で、かつ、搬送方向で隣合う板状体の表裏両面が面一状となるように配設したが、図8に示すように、搬送方向で隣合う板状体21,21、22,22同士を搬送幅方向で位置ずれさせ、かつ、搬送方向両端部分が重複する状態で配設してもよい(図では片方のタイミングベルト14のみ示している)。又、図7に示すように、前記4列の板状体21,22群のうち、搬送幅方向外側に位置する2列の板状体21,21群それぞれにおいて前記搬送手段5の搬送方向で隣り合う板状体21,21同士の境界部K1と搬送幅方向内側に位置する残りの2列の板状体22,22群それぞれにおいて前記搬送手段5の搬送方向で隣り合う板状体22,22同士の境界部K2とが搬送幅方向で重複しない状態に設定してもよい。前記2つの板状体21,22の搬送方向での寸法を異ならせる、具体的には、搬送幅方向外側に位置する板状体21,21の搬送方向での寸法を搬送幅方向内側に位置する板状体22,22の搬送方向での寸法よりも長くすることによって、境界部K1,K2を搬送幅方向で重複しない状態にしたが、2つの板状体21,22の搬送方向での寸法を同一にし、搬送方向での位置をずらせることによって、境界部K1,K2を搬送幅方向で重複しない状態にしてもよい。前記板状体21,22は、前記タイミングベルト14に接着剤や熱融着等により固定してもよいし、又、タイミングベルト14を成形する場合にベルト表面に2つの帯状体を一体形成し、その帯状体を設定間隔を持って切断することにより、多数の板状体21,22が形成されるようにしてもよい。又、前記隙間Sから入り込んでくる光が受光手段11へ侵入することを搬送方向前後方向から阻止するための阻止手段を設けて実施することによって、光の入り込みをより一層確実に阻止することができる。前記阻止手段12を、タイミングベルト14,14の載置面14A,14Aそれぞれの左右2箇所に搬送方向全域に渡って左右方向において隙間のない状態で連続する多数の長方形状の板状体21,22を設けることによって、タイミングベルト14,14の搬送方向両端の回動部分においてそれら搬送方向で隣り合う板状体21,21、22,22同士の間に隙間が発生し、各板状体21,22をスムーズに回動することができるようにしている。
【0019】
前記板状体21,22を、図11(a),(b),(c)に示すように構成してもよい。つまり、図では、搬送幅方向両側に位置する板状体21,21、22,22をそれぞれ上端側ほど搬送幅方向外方側に位置する外拡がり形状にしている。このように構成することによって、大小の青果物M、Hを載置したときの板状体21,21、22,22との接触面積を増大させることができるだけでなく、青果物M、Hを中央に寄せて安定よく載置搬送することができる。尚、図では、外側に位置する板状体21,21の上端部21A,21Aを更に外方側に傾けているが、下側と同一傾斜角度になるように構成してもよい。又、図12に同一高さの傾斜板状体24を片側に9個設けた(両側で18個設けた)場合を示しており、板状体の個数及び高さは図に示されるものに限定されるものではない。
【0020】
又、前記搬送手段5を、図13(a),(b)〜図15(a),(b)に示すように構成してもよい。つまり、図13(a),(b)では、青果物Hの重量により変形可能な載置部を有するようにウレタン等の合成樹脂等でなる断面形状矩形状の多数の塊状体25をタイミングベルト14の表面に取り付けてなる無限軌道状のコンベアを左右1組配置している。図に示す塊状体25を載置部とすることによって、前記板状体21,22を載置部とするものに比べて青果物との接触面積を増大させることができる。図14(a),(b)では、図13(a),(b)の塊状体25,25の搬送幅方向内方側の角部を無くしてテーパー面25A,25Aを形成して、青果物Hとの接触面積を増大することができるようにしたものである。又、図15(a),(b)では、塊状体25を硬い材料で作製し、この塊状体25の載置部26を青果物Hの重量により変形可能なウレタン等の合成樹脂等で構成したものである。この場合も載置部26の表面がテーパー面を形成するように構成することによって、青果物Hとの接触面積を増大することができるようにしている。前記無限軌道状のコンベアを、多数の塊状体25をタイミングベルト14の表面に取り付けて構成する他、塊状体25を単一の無端状のものに構成して実施してもよい。尚、塊状体25を単一の無端状のものに構成する場合には、タイミングベルト14を省略して実施してもよい。又、前記無限軌道状のコンベアを前記のように左右に2個設ける他、3個以上設けて実施してもよい。
【0021】
前記構成の青果物品質測定装置を用いて青果物の品質測定を行う場合について説明すれば、まず図1において駆動状態の搬送手段5の搬送始端側から図示していない青果物自動供給装置により自動的に青果物を供給して、青果物を連続的に測定部4へ搬送する。そして、測定部では、ランプ17から照射されて青果物を透過した測定光を光ファイバー18にて受光し、この受光された測定光をデータとして記憶させ、そのデータを元に波形補正をし、数値演算処理することにより酸度や糖度等を算出して出力し、例えば前記モニター7に写し出したり、前記プリンター8に印刷するのである。このように測定部4にて測定された青果物は、前記搬送手段5により搬送終端部まで連続的に搬送され、前記測定値に基づいて他の選別装置を用いて自動的に又は人為的に選別するのである。
【0022】
前記ベルトコンベア5に代えて、図9に示すように、ローラコンベアに構成してもよい。つまり、駆動回転可能な多数のローラ5Aをそれの回転軸が搬送幅方向に沿うように配設し、各ローラ5Aの中央から所定距離左右端側に寄った2箇所に左右一対の板状の回転体23A,23Bを搬送方向で隣り合う回転体23A,23A、23B,23B同士が搬送幅方向で一部重複する状態で互い違いに配置し、これら回転体23A,23Bの左右幅方向両端部側に寄った各ローラ5Aの2箇所に前記回転体23A,23Bよりも大径な左右一対の板状の回転体23C,23Dを搬送方向で隣り合う回転体23C,23C、23D,23D同士が搬送幅方向で一部重複する状態で互い違いに配置している。尚、この場合、ローラ5A,5A同士間の隙間に前記光ファイバー18を配置することになる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1によれば、青果物の重量により変形可能な青果物用載置部を搬送方向に連続して備えさせることによって、従来のように青果物をトレーに入れることなく搬送手段にて受け取った姿勢のまま照射手段の照射位置まで不定間隔にて連続して載置搬送することができるものでありながら、青果物の重量を利用して青果物用載置部との密着力を高めることにより、特別な装置を用いることなく、簡素な構成で照射手段からの測定光又はこの測定光が他物に反射した反射光等の測定光が特に搬送幅方向両側から受光手段に侵入することを阻止することができ、その分測定精度を高めることができる。従って、構成の複雑化を回避しながらも、青果物の糖度、酸度、水分含有率、鮮度等の品質を、非破壊で且つ迅速に、しかも高い精度で測定することができる青果物品質測定装置を提供することができる。
【0024】
請求項2によれば、多数の板状体からなる板状体群を少なくとも左右2列設けることによって、青果物の表面とこれと接触する板状体の接触面との間に隙間が発生することを回避することができるから、搬送幅方向両側からの測定光に対して確実に遮光する機能を備えさせることができながらも、青果物を良好に搬送する機能とを兼ね備えさせることができ、それら2つの機能を別々に設ける場合に比べてコスト面において有利になる。しかも、多数の板状体から構成することによって、例えば一部の板状体のみが破損した場合等においてその一部の板状体のみを交換するだけで済ませることができ、一層コスト面において有利である。
【0025】
請求項3によれば、板状体を上端側ほど搬送手段の搬送幅方向外方側に位置する外拡がり形状にすることによって、板状体に載置される青果物との接触面積を増大させることができるだけでなく、安定よく青果物を載置支持することができ、測定面及び使用面のいずれにおいても有利にすることができる。
【0026】
請求項5によれば、板状体群を4列設けている場合には、搬送幅方向外側に位置する2列の板状体群の上端の高さを内側に位置する残りの2列の板状体群の上端の高さよりも高くすることによって、光に対する遮蔽効果を高めることができる。又、外側の2列の板状体群の内側に位置するような小さな青果物をの品質測定を行う場合において、皮の厚みの違い等により測定光が透過し易いことから大きな青果物よりも照射光量を少なくすることが好ましく、これを外側の2列の板状体群により青果物への光の遮蔽を行うことができ、データレベルが飽和してしまうといったトラブルを回避することができる利点がある。
【0027】
請求項6によれば、4列の板状体群のうち、搬送幅方向外側に位置する2列の板状体群それぞれにおいて前記搬送手段の搬送方向で隣り合う板状体同士の境界部と搬送幅方向内側に位置する残りの2列の板状体群それぞれにおいて前記搬送手段の搬送方向で隣り合う板状体同士の境界部とが搬送幅方向で重複しない状態に設定することによって、例え搬送幅方向外側に位置する板状体同士の境界部の隙間から光が漏れたとしても、この光を搬送幅方向内側に位置する板状体により遮蔽することができ、信頼性の高いものにすることができる。
【0028】
請求項7によれば、照射手段がほぼ水平方向から青果物を照射する複数のランプからなり、それら複数のランプを上下方向で位置変更調節可能に構成することによって、青果物の種類に応じて照射位置を良好に変更調節することができ、使用範囲の広い装置にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】青果物品質測定装置の概略側面図である。
【図2】測定部の平面図である。
【図3】測定部の縦断正面図を示し、ランプを上方に移動させた状態を示している。
【図4】測定部の縦断正面図を示し、ランプを下方に移動させた状態を示している。
【図5】光ファイバーの縦断面図である。
【図6】測定光を処理するためのブロック図である。
【図7】別の搬送手段を示す平面図である。
【図8】別の搬送手段を示す斜視図である。
【図9】別の搬送手段を示す斜視図である。
【図10】別の搬送手段を示す縦断正面図である。
【図11】別の搬送手段の縦断正面図を示し、(a)は青果物を載置していない状態を示し、(b)はミカンを載置した状態を示し、八朔を載置した状態を示している。
【図12】別の搬送手段を示す縦断正面図である。
【図13】別の搬送手段の縦断正面図を示し、(a)は青果物を載置していない状態を示し、(b)は八朔を載置した状態を示している。
【図14】別の搬送手段の縦断正面図を示し、(a)は青果物を載置していない状態を示し、(b)は八朔を載置した状態を示している。
【図15】別の搬送手段の縦断正面図を示し、(a)は青果物を載置していない状態を示し、(b)は八朔を載置した状態を示している。
【図16】従来の青果物品質測定装置の測定部を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 キャスター 2 台本体
3 ケーシング 4 測定部
5 搬送手段 5A ローラ
6 設置体
7 モニター 8 プリンター
9 パテライト 10 照射手段
11 受光手段 12 阻止手段
13 駆動プーリ 14 タイミングベルト
14A 搬送表面 15 ガイド部材
15A 水平板部 15B 垂直部
16 駆動回転軸 17 かさ付ランプ
18 光ファイバー 19 カバー部材
20 蓋体 21,22,23,24 板状体
23A,23B,23C,23D 回転体
21A 上端部 25 塊状体
30 トレー 30A 開口
31 チェーン 32 固定部材
33 ランプ 34 光ファイバー
H 八朔 M ミカン
T 固定部

Claims (7)

  1. 被測定物となる青果物に測定光を照射するための照射手段と、前記照射手段の照射位置まで載置搬送する搬送手段と、この搬送手段にて照射位置まで載置搬送されてきた青果物に向けて照射し該青果物を透過した測定光のうち、前記搬送手段の搬送幅方向中間部に形成の隙間から下方へ移動してきた測定光を受光するための受光手段と、前記受光手段により受光した測定光のスペクトルを分析して糖度、酸度、水分含有率、鮮度等の品質を判定する品質判定手段と、前記搬送手段の搬送方向に連続して備えさせた青果物用載置部と青果物との接触部に隙間が発生することを阻止する阻止手段とを備え、前記阻止手段が、青果物の重量により前記青果物用載置部を変形させて該青果物用載置部と青果物との密着力を高める手段でなる青果物品質測定装置。
  2. 前記搬送手段の搬送表面の少なくとも左右2箇所に、該搬送手段の搬送方向ほぼ全域に渡って左右方向において隙間のない状態で連続する多数の板状体からなる板状体群を設け、これら板状体群上に青果物を載置搬送するための前記青果物載置部を構成してなる請求項1記載の青果物品質測定装置。
  3. 前記板状体を上端側ほど前記搬送手段の搬送幅方向外方側に位置する外拡がり形状にしてなる請求項記載の青果物品質測定装置。
  4. 前記搬送手段が、青果物の重量により変形可能な載置部を有する単又は複数の塊状体からなる無限軌道状のコンベアを少なくとも左右1組設けてなる請求項1記載の青果物品質測定装置。
  5. 前記板状体群を4列設けている場合には、搬送幅方向外側に位置する2列の板状体群の上端の高さを内側に位置する残りの2列の板状体群の上端の高さよりも高くしてなる請求項記載の青果物品質測定装置。
  6. 前記4列の板状体群のうち、搬送幅方向外側に位置する2列の板状体群それぞれにおいて前記搬送手段の搬送方向で隣り合う板状体同士の境界部と搬送幅方向内側に位置する残りの2列の板状体群それぞれにおいて前記搬送手段の搬送方向で隣り合う板状体同士の境界部とが搬送幅方向で重複しない状態に設定してなる請求項記載の青果物品質測定装置。
  7. 前記照射手段がほぼ水平方向から青果物を照射する複数のランプからなり、それら複数のランプを上下方向で位置変更調節可能に構成してなる請求項1〜6のいずれかに記載の青果物品質測定装置。
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