JP4216969B2 - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合わせガラス用中間膜及びこの中間膜を用いた合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも一対のガラス板の間に、ポリビニルアセタール中間膜が挟着されてなる合わせガラスは、透明性、耐候性、接着性、耐湿性に優れ、しかも耐貫通性に優れるためガラスが飛散しにくい等の理由から、例えば自動車や建築物の窓ガラスに広く利用されている。
【0003】
このポリビニルアセタール中間膜は、一般に、ポリビニルアセタール樹脂及び可塑剤とを主成分としており、さらに紫外線吸収剤、酸化防止剤、接着力調整剤等の添加剤とからなる。
本発明で使用する可塑剤はトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエートであり、高沸点のため高温製膜時に大気中に放出されにくく取り扱い性がよいとか、耐加水分解性に優れる等の利点をもっている。
【0004】
しかし、この可塑剤は極性が低いために、中間膜が帯電する傾向が強いことが問題となっていた。すなわち、中間膜の製造工程において、主に巻き取り工程で帯電により静電気が発生する。このことは、巻き取り作業者の負担になるばかりでなく、ゴミを引きつけやすくなるため品質面でもよくない。さらに、合わせガラス製造時には、中間膜を伸展し加工するが、この時にも帯電により同様の問題が発生する。
【0005】
一般に、帯電を防止するには、帯電防止剤を中間膜中に添加するか表面に塗布する方法があるが、帯電防止剤は極性が高いため、過剰な添加は耐湿性を損なうとともにガラスへの接着力も変化させてしまう。
【0006】
本発明において、可塑剤中のモノエステル成分の含有量を一定の範囲とし、さらにアルカリ金属を一定量含有する場合に、耐湿性、接着性を損なわずに帯電を実用的に問題のないレベルに抑制することが可能であることが明らかとなった。ここで、帯電の実用的に問題のないレベルとは、1.0×1013Ω/□未満である。
【0007】
上述したモノエステル成分の混合による効果としては、例えば、特公平3−56545号公報には、C16〜C20の不飽和脂肪酸マルチエステルのモノエステル種をマルチエステルと組み合わせることにより、耐貫通性およびポリカーボネートに対する剥離接着力が向上する事が開示されているが、本発明とは、可塑剤種類及び発明の効果ともに異なるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するため、耐湿性、接着性、透明性、耐候性等の合わせガラス用中間膜としての基本的な性能に優れ、且つ、帯電防止性に優れた合わせガラス用中間膜及びこの中間膜を用いた合わせガラスを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明(以下、発明1という)による合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、トリエチレングリコールモノ2−エチルヘキサノエートを0.1〜5.0重量%含有するトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート20〜60重量部とを主成分とする合わせガラス用中間膜であって、ナトリウム(Na)を5〜50ppm及び/又はカリウム(K)を5〜100ppm含有することを特徴とする。
【0010】
本発明(以下、発明2という)による合わせガラス用中間膜は、発明1の合わせガラス用中間膜において、ポリビニルアセタール樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明(以下、発明3という)による合わせガラスは、少なくとも一対のガラス間に、発明1又は2による合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて成ることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
発明1で用いられるポリビニルアセタール樹脂の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)を温水に溶解し、得られた水溶液を所定の温度、例えば0〜95℃に保持しておいて、所要の酸触媒及びアルデヒドを加えてアセタール化反応を進行させ、次いで反応温度を上げて熟成することにより反応を完結させ、その後、中和、水洗及び乾燥を行ってポリビニルアセタール樹脂の粉末を得る沈殿法等の方法が挙げられる。
【0013】
上記ポリビニルアセタール樹脂の製造方法おいて、PVAとしては、平均重合度500〜3000のものが好ましく、平均重合度1000〜2500のものがより好ましい。PVAの平均重合度が500未満では、得られる合わせガラスの耐貫通性等が低下することがあり、平均重合度が3000を超えると、合わせガラス用中間膜の製造が困難となることがある。さらに、PVAの鹸化度は、透明性や耐熱性の点から70モル%以上のものが好ましい。
【0014】
また、上記ポリビニルアセタール樹脂の平均アセタール化度は、40〜75モル%であることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の平均アセタール化度が40モル%未満では、後述する可塑剤との相溶性が低下することがあり、平均アセタール化度が75モル%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂の製造プロセスが長時間を要することがある。
【0015】
さらに、上記ポリビニルアセタール樹脂としては、n−ブチルアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、PVBという)が、製造が容易であり、且つ、これを用いることにより、中間膜とガラスとの接着力がより適正となり、又、耐光性や耐候性等にもより優れたものとなるため好適に用いられる。
【0016】
発明1による中間膜においては、可塑剤として用いられるトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(以下、3GOという)には、トリエチレングリコールモノ2−エチルヘキサノエート(以下、3GO−MEという)を0.1〜5.0重量%含有することが必要であり、後述するアルカリ金属との相乗効果で、帯電防止性の良好な合わせガラス用中間膜を得ることができる。3GO中の3GO−MEの含有量が0.1重量%未満では、得られる中間膜の帯電防止性が不十分であり、3GO中の3GO−MEの含有量が5.0重量%を超えると、得られる中間膜の接着力の経時変化が発生する。
【0017】
また、発明1による中間膜においては、上述したポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、上記3GOが20〜60重量部添加されていることが必要である。3GOの添加量が20重量部未満では、得られる合わせガラスの耐貫通性等が低下し、3GOの添加量が60重量部を超えると、得られる中間膜から3GOがブリードアウトし易くなり、中間膜の透明性や接着性が低下する。
【0018】
上記3GOは、一般に、トリエチレングリコールと2−エチルヘキサン酸とを触媒の存在下で反応させることにより製造することができ、当業者公知の方法によって可能である。例えば、トリエチレングリコール1モルに対し2〜2.5モルの2−エチルヘキサン酸を加え、必要に応じて、触媒として硫酸、塩酸、燐酸等の無機酸やp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸を、全反応物質の0.01〜5.0重量%程度添加する。このとき、反応系をトルエン、キシレン等の溶媒で希釈しておいてもよい。また、反応物質の2−エチルヘキサン酸自体が触媒であってもよい。この反応は、常温常圧で行ってもよいが、反応の促進および生成する水の除去等を考慮して、50〜300℃の高温で行うことが好ましい。
【0019】
また、上述した3GOの製造方法において、上記3GOは、3GO−MEの含有量が0.1〜5.0重量%であるため、反応を完全に進行させることなく3GO−MEの含有量がこの範囲で存在する状態で反応を停止させることが好ましい。反応停止後、中和、水洗及び脱水を行い、次いで減圧乾燥又は蒸留処理を行う。しかし、中間膜の製造に使用する3GO中の3G0−MEの含有量が0.1〜5.0重量%の範囲であればよいため、例えば、高純度の3GOと3GO−ME成分を多量に含む3GOとを混合することにより所望の3GOを得ることもできる。
【0020】
発明1の合わせガラス用中間膜には、ナトリウム(Na)を5〜50ppm及び/又はカリウム(K)を5〜100ppm含有することが必要である。Na及び/又はKの含有量が5ppm未満では、得られる中間膜の帯電防止効果が不十分であり、Naの含有量が50ppm及び/又はKの含有量が100ppmを超えると、得られる中間膜の耐湿性や接着力が低下する。
【0021】
上記Na及びKは、ポリビニルアセタール樹脂を製造する場合に、中和工程で用いたアルカリの残存成分であってもよいし、中間膜を製造する時に新たに添加してもよい。
【0022】
さらに、発明1の合わせガラス用中間膜には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、接着力調整剤、着色剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上を用いることができる。
【0023】
紫外線吸収剤としては、特に限定されず、例えば、チバ・ガイギー社製の「チヌビンP」「チヌビン320」「チヌビン326」「チヌビン328」等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0024】
光安定剤としては、特に限定されず、例えば、旭電化社製の「アデカスタブLA−57」等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
【0025】
酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、住友化学工業社製の「スミライザーBHT」、チバ・ガイギー社製の「イルガノックス1010」等のフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
【0026】
接着力調整剤としては、特に限定されず、カルボン酸等の有機酸の金属塩、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられ、接着力調整機能及び耐湿性に優れていることから、C2 〜C10のカルボン酸のマグネシウム塩の1種もしくは2種以上が好ましく用いられる。具体的には、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム等が挙げられる。
【0027】
上記接着力調整剤の添加量としては、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部が好ましく、0.02〜0.2重量部がより好ましい。添加量が0.01重量部未満では、接着力調整効果が不十分となることがあり、添加量が0.5重量部を超えると、得られる中間膜の接着力が低下することがあり、耐水性や透明性も損なわれることがある。
また、接着力調整剤としてアルカリ金属塩を使用する場合には、中間膜中でのNa及び/又はKの含有量が前記した発明1の範囲を保つことに留意する必要がある。
【0028】
着色剤としては、特に限定されず、従来から公知の染料、顔料等を用いることができる。
【0029】
発明1による合わせガラス用中間膜の製造方法は、特に限定されず、例えば、上記ポリビニルアセタール樹脂に所定量の3GOと、必要に応じて各種添加剤の1種もしくは2種以上を配合し、この配合物を均一に混練りした後、押し出し法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、インフレーション法等によりシート状に製膜することにより樹脂膜として得ることができる。
【0030】
上記樹脂膜は、単層で中間膜とされてもよいし、2層以上を積層して中間膜とされてもよい。
【0031】
上記中間膜の全体の膜厚は、特に限定されず、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性や耐候性等を考慮すると、実用的には0.3〜1.6mmであることが好ましい。
【0032】
次に、発明3による合わせガラスは、少なくとも一対のガラス間に、上述した発明1又は2による合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする。
【0033】
上記ガラスとしては、特に限定されず、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、熱線吸収板ガラス、着色板ガラス等の無機ガラス又はポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板等の有機ガラスが挙げられる。
【0034】
発明3による合わせガラスの製造方法としては、特に限定されず、例えば、二枚のガラス板の間に発明1又は2の合わせガラス用中間膜を介在させ、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70〜110℃の温度で予備接着し、次いで、オートクレーブもしくはプレスを用いて、約120〜150℃の温度で、約10〜15kg/cm2 の圧力で本接着を行い、一体化させることにより所望の合わせガラスを得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0036】
(実施例1)
(1)PVBの合成
鹸化度99モル%、平均重合度1700のPVA100部を蒸留水に溶解し、この溶液に濃塩酸7.2部を加え、11℃に冷却した状態で撹拌しつつ、ブチルアルデヒド56.2部を滴下した。樹脂の沈殿が析出するのを確認した後、さらに60部の濃塩酸を滴下しながら65℃まで昇温し、2時間保持して反応を完結させた。その後、反応母液を冷却し、苛性ソーダ及び重曹で中和した後、水洗、乾燥を行って白色のPVB粉末を得た。
【0037】
(2)合わせガラス用中間膜の製造
(1)で得られたPVB100部に対し、可塑剤として1GOを1.5重量%含有する3GOを40部、紫外線吸収剤としてチバ・ガイギー社製「チヌビン328」を0.2部、酸化防止剤として住友化学工業社製「スミライザーBHT」を0.2部、及び接着力調整剤として酢酸マグネシウム四水和物の25重量%水溶液0.23部と2−エチル酪酸マグネシウムの35重量%水溶液0.37部とを添加した混合物を、ラボプラストミルによって760μmのシート状に成形し、合わせガラス用中間膜とした。
【0038】
(3)合わせガラスの製造
(2)で得られた合わせガラス用中間膜を両側からフロートガラスで挟み、この狭着体をゴムバッグ内に入れて20torrの真空度で20分間保持した後、真空にしたままの状態で90℃のオーブン内に入れ、30分間保持した。次いで、真空バッグから取り出した挟着体を、オートクレーブ内で温度150℃、圧力13kg/cm2 の条件で熱プレスし、合わせガラスを得た。
【0039】
(4)評価
(2)で得られた中間膜の性能(1.Na及びK含有量、2.帯電性)及び(3)で得られた合わせガラスの性能(3.耐湿性、4.接着性)を以下の方法で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0040】
1.Na及びK含有量の分析:(2)で得られた中間膜を、ICP発光分析法により評価した。
2.帯電性:(2)で得られた中間膜を、20℃、50%RHの状態で1日間放置した後、表面固有抵抗を表面抵抗測定装置(東亜電波工業社製、DMS−8103)で測定した。表面固有抵抗が1.0×1013Ω/□未満を良好とし、それ以上を不良とした。
【0041】
3.耐湿性:(3)で得られた合わせガラスを、50℃、95%RHの雰囲気下に2週間放置した後のガラス周縁端部の白化距離を測定した。上記白化距離が2.0mm以下であれば良好とし、それを超えるものを不良とした。
4.接着性:(3)で得られた合わせガラスを、−18℃±0.6℃の温度下に16時間放置して調整し、このガラスを頭部が0.45kgのハンマーで叩いて、ガラスが部分剥離した後の中間膜の露出度を予めグレード付けした限度見本で判定し、その結果を下記表1に示す判定基準に従ってパンメル値として表した。合わせガラスにした場合の中間膜とガラスとの接着性は上記パンメル値で評価した。表1に示すようにパンメル値が高いほど中間膜とガラスとの接着力が大きく、パンメル値が低いほど中間膜とガラスとの接着力が小さい。
さらに、同様な評価を50℃で4週間放置した合わせガラスについても行い、上記パンメル値の変動が1以下であれば良好とし、それを超えるものを不良とした。
【0042】
【表1】
【0043】
(実施例2、3及び比較例1、2)
合わせガラス用中間膜の製造において、可塑剤として、表2に示した含有量の3GO−MEを含有する3GOを用いたこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。その性能を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示した。
【0044】
(実施例4及び比較例3)
PVBの合成において、樹脂の水洗時間を長時間にして、表2に示した中間膜中のNa含有量となるPVBを得たこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。その性能を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示した。
【0045】
(実施例5、6及び比較例4)
PVBの合成において、樹脂の水洗時間を短時間にして、表2に示した中間膜中のNa含有量となるPVBを得たこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。その性能を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示した。
【0046】
(実施例7〜9及び比較例5、6)
PVBの合成において、樹脂の中和剤として水酸化カリウム及び炭酸カリウムを用い、水洗時間を変化させて、表2に示した中間膜中のK含有量となるPVBを得たこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。その性能を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示した。
【0047】
【表2】
【0048】
表2から明らかなように、本発明による実施例の合わせガラス用中間膜は、帯電防止性及び耐湿性に優れ、また、本発明による実施例の合わせガラスは、初期に適正なパンメル値、即ち中間膜とガラスとの接着力を示し、またパンメル値の経時変化もない。
【0049】
これに対して、3GO中の3GO−MEの含有量が0.1重量%未満である比較例1の中間膜は帯電防止性が劣り、逆に、3GO中の3GO−MEの含有量が5.0重量%を超える比較例2の中間膜はパンメル値即ち接着力が経時変化する。
【0050】
また、中間膜中のNa又はKの含有量が5ppm未満である比較例3又は5の中間膜は帯電防止性が劣り、逆に、含有量が50ppm又は100ppmを超える比較例4又は6の中間膜は耐湿性が劣る。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の合わせガラス用中間膜は、接着性、耐湿性等の合わせガラス用中間膜としての基本的で重要な性能を満足し、且つ、帯電防止性に優れるので、中間膜や合わせガラスの製造作業者が静電気により不快に感じることもなく、またゴミ等を引きつけることによる品質上の問題も少ない。従って、本発明の合わせガラス用中間膜及び合わせガラスは、加工性に優れており、自動車用や建築用等の窓ガラス用等として好適に用いられる。
Claims (2)
- ポリビニルアセタール樹脂100重量部と、トリエチレングリコールモノ2−エチルヘキサノエートを0.1〜5.0重量%含有するトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート20〜60重量部とを主成分とする合わせガラス用中間膜であって、ナトリウム(Na)を5〜50ppm及び/又はカリウム(K)を5〜100ppm含有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
- 少なくとも一対のガラス間に、請求項1記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて成ることを特徴とする合わせガラス。
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