JPH11310440A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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JPH11310440A
JPH11310440A JP10119212A JP11921298A JPH11310440A JP H11310440 A JPH11310440 A JP H11310440A JP 10119212 A JP10119212 A JP 10119212A JP 11921298 A JP11921298 A JP 11921298A JP H11310440 A JPH11310440 A JP H11310440A
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JP
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laminated glass
glass
interlayer
interlayer film
acid
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JP10119212A
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Masatoshi Obata
真稔 小幡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿度の高い雰囲気下に長期間放置された場合
でも合わせガラスの周縁部(端部)における中間膜とガ
ラスとの剥離や白化現象を殆ど起こさず、且つ、優れた
接着力、透明性、耐候性等を兼備する合わせガラスを得
るに適する合わせガラス用中間膜、及び、その中間膜を
用いて製せられた合わせガラスを提供することを課題と
する。 【解決手段】 可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に炭
素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム塩が含有され
てなる合わせガラス用中間膜であって、該中間膜とガラ
スとの圧縮剪断接着力が15〜30N/mm2 であるこ
とを特徴とする合わせガラス用中間膜、及び、少なくと
も一対のガラス間に、上記合わせガラス用中間膜を介在
させ、一体化させてなることを特徴とする合わせガラ
ス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として建築用と
して好適な合わせガラス用中間膜、及び、その中間膜を
用いて製せられた主として建築用として好適な合わせガ
ラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、合わせガラスは、自動車のフ
ロントガラス用やサイドガラス用として、或いは、建築
物の窓ガラス用等として広く使用されている。上記合わ
せガラスの代表例としては、少なくとも二枚のガラスの
間に、可塑化されたポリビニルブチラール樹脂のような
可塑化されたポリビニルアセタール樹脂からなる合わせ
ガラス用中間膜を介在させ、一体化させて製せられるも
のが挙げられる。
【0003】このような合わせガラスは、これに衝撃が
加えられるとガラスは破損するものの、ガラス間に介在
させた中間膜は容易に破損せず、又、ガラスは破損後に
おいても中間膜に貼着したままであるため、その破片が
飛散することが少なく、従って、自動車や建築物の内部
にある人体がガラスの破片によって傷害を受けることを
防止する機能を有する。
【0004】この場合、合わせガラスとしての機能を十
分に満足するためには、中間膜とガラスとの接着力が高
ければ高いほど良いわけではなく、この接着力をある適
正な範囲内に調整することが必要である。
【0005】上記接着力の適正な範囲内への調整は、例
えば、自動車事故等においては運転者や乗客等がガラス
へ衝突する時の衝撃吸収や貫通防止のために必要であ
り、又、例えば、建築物においては外部からの飛来物の
貫通防止やガラスの飛散防止のために必要である。
【0006】即ち、中間膜とガラスとの接着力が小さい
場合には、ガラスが中間膜から剥がれ、その破片が飛散
し易くなるという問題が発生し、逆に、中間膜とガラス
との接着力が大きい場合には、ガラスと中間膜とが同時
に破損して、人体や外部からの飛来物等が貫通し易くな
るという問題が発生する。
【0007】これに対し、中間膜とガラスとの接着力が
適正な範囲内にある場合には、ガラスの破損が広範囲に
わたって起こると共に、ガラスが破損すると同時に中間
膜とガラスとの部分的な界面剥離が起こり、且つ、中間
膜が延伸するという現象が生じるため、衝撃吸収効果や
貫通防止効果が大きくなる。
【0008】一方、自動車用合わせガラスと建築用合わ
せガラスとでは要求される耐貫通性の程度が異なるた
め、上記合わせガラスにおける中間膜とガラスとの接着
力の適正な範囲も自ずから異なっている。
【0009】即ち、自動車用合わせガラスでは高い耐貫
通性が要求されるため、中間膜中に接着力調整剤を含有
させて中間膜とガラスとの接着力を高くなり過ぎない適
正な範囲内に保持する方法が一般的に行われている。
【0010】例えば、特公昭44−32185号公報、
特公昭48−5772号公報、特公昭53−18207
号公報等では、接着力調整剤として、中間膜中に含有さ
れる可塑剤に溶解し易いことから、比較的炭素数の大き
いカルボン酸もしくはその金属塩を用いる方法が開示さ
れている。
【0011】しかし、接着力調整剤として炭素数の大き
いカルボン酸もしくはその金属塩を用いると、中間膜と
ガラスとの接着力が時間経過(経時)とともに変化する
という問題点がある。即ち、初期の接着力は適正であっ
ても、経時とともに次第に接着力が低下し、衝撃を受け
た時にガラスが剥離し易くなる。この接着力低下を防止
するためには、中間膜を例えば40〜50℃の雰囲気下
で1〜2ケ月間保管して熟成する必要があるが、中間膜
は粘着性や自着性等を有するため、上記のような雰囲気
下で長期間保管することは現実的には困難であり、又、
仮に熟成を行ったとしても、接着力の経時低下を抑制す
ることは出来るが皆無にすることは出来ないという問題
点がある。
【0012】上記問題点に対応するため、特開平5−1
86250号公報、特公平2−41547号公報、特表
平6−502594号公報等では、接着力調整剤として
比較的炭素数の小さいカルボン酸もしくはその金属塩を
用いる方法が開示されている。
【0013】しかし、接着力調整剤として炭素数の小さ
いカルボン酸もしくはその金属塩を用いると、中間膜と
ガラスとの経時接着力低下の問題点は解消されるもの
の、中間膜の耐湿性が不十分となり、その結果、合わせ
ガラスの周縁部(端部)に吸湿による白化現象を起こし
易くなるという別の問題点が発生する。
【0014】即ち、中間膜は通常の雰囲気(湿度)下に
おいては吸湿性が高いため、合わせガラスに加工する場
合、例えば、相対湿度25%(25%RH)の雰囲気下
で含水率が0.45重量%程度となるように調湿して合
わせ加工を行うのが一般的である。ところが、通常合わ
せガラスの周縁部(端部)は剥き出しの状態であるた
め、高湿度雰囲気下では中間膜が吸湿し、含水率が2〜
3重量%程度にまで上昇する。この時、中間膜中に微小
な結晶として存在する酢酸カリウムや酢酸マグネシウム
あるいはギ酸カリウム等のような炭素数の小さいカルボ
ン酸の金属塩の周囲に水が集まり、白化現象を惹起す
る。又、白化現象を低減するために、炭素数の小さいカ
ルボン酸もしくはその塩の添加量を減少させると、中間
膜とガラスとの接着力が適正な範囲を逸脱し、合わせガ
ラスの耐貫通性や衝撃吸収性等が不十分となる。
【0015】このように自動車用合わせガラスの場合に
行われる接着力調整剤を用いる方法は、必要上止むを得
ないとは言え、種々の問題点を内包するものである。
【0016】これに対し、建築用合わせガラスでは自動
車用合わせガラスに要求されるような高い耐貫通性は要
求されないため、接着力調整剤を含有させない中間膜が
一般的に用いられている。
【0017】従って、接着力調整剤を含有させた中間膜
を用いることに起因する前記問題点は殆ど発生せず、接
着力が経時的に安定しているという利点や白化現象を起
こし難いという利点がある。
【0018】しかし、接着力調整剤を含有させない中間
膜を用いた合わせガラスの場合でも、高湿度雰囲気下に
長期間放置されると、白化現象は生じないものの、合わ
せガラスの周縁部(端部)において接着力が低下し、合
わせガラス周縁部(端部)における中間膜とガラスとの
剥離が発生するという問題点がある。これは、接着力調
整剤を含有させた中間膜を用いた合わせガラスでも同様
に起こっている現象である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、湿度の高い雰囲気下に長期間放
置された場合でも合わせガラスの周縁部(端部)におけ
る中間膜とガラスとの剥離や白化現象を殆ど起こさず、
且つ、優れた接着力、透明性、耐候性等を兼備する合わ
せガラスを得るに適する合わせガラス用中間膜、及び、
その中間膜を用いて製せられた合わせガラスを提供する
ことを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「第1発明」と記す)による合わせガラス用中
間膜は、可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に炭素数1
〜28のカルボン酸のマグネシウム塩が含有されてなる
合わせガラス用中間膜であって、該中間膜とガラスとの
圧縮剪断接着力が15〜30N/mm2 であることを特
徴とする。
【0021】又、請求項2に記載の発明(以下、「第2
発明」と記す)による合わせガラスは、少なくとも一対
のガラス間に、上記第1発明による合わせガラス用中間
膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする。
【0022】以下、本発明を詳しく説明する。
【0023】第1発明による合わせガラス用中間膜を構
成する可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜(以下、単に
「樹脂膜」と記す)の主成分であるポリビニルアセター
ル樹脂の調製方法としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)を温水
に溶解し、得られた水溶液を所定の温度、例えば0〜9
5℃に保持しておいて、所要の酸触媒及びアルデヒドを
加え、攪拌しながらアセタール化反応を進行させ、次い
で反応温度を上げて熟成することにより反応を完結さ
せ、その後、中和、水洗及び乾燥を行ってポリビニルア
セタール樹脂の粉末を得る方法が採用される。
【0024】上記ポリビニルアセタール樹脂の調製方法
において、PVAとしては、平均重合度500〜500
0のものが好ましく、平均重合度1000〜2500の
ものがより好ましい。PVAの平均重合度が500未満
であると、樹脂膜の強度が弱くなり過ぎて、得られる合
わせガラスの耐貫通性が低下することがあり、逆に、P
VAの平均重合度が5000を超えると、樹脂膜の成形
が難しくなることがあり、しかも樹脂膜の強度が強くな
り過ぎて、得られる合わせガラスの衝撃吸収性や耐貫通
性等が低下することがある。
【0025】又、上記で得られるポリビニルアセタール
樹脂のビニルアセテート成分は30モル%以下に設定す
るのが好ましく、そのためにPVAの鹸化度は70モル
%以上のものが好適に用いられる。PVAの鹸化度が7
0モル%未満であると、ポリビニルアセタール樹脂の透
明性や耐熱性等が低下することがあり、又、反応性が低
下することもある。尚、上記PVAの平均重合度及び鹸
化度は、例えば、JIS K−6726「ポリビニルア
ルコール試験方法」に準拠して測定することが出来る。
【0026】第1発明において、ポリビニルアセタール
樹脂を得るのに使用するアルデヒドとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、炭素数が3〜10、好
ましくは4〜8、のアルデヒドが挙げられ、好適に用い
られる。
【0027】このようなアルデヒドとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バ
レルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチル
ブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オク
チルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等の
脂肪族、芳香族、脂環族のアルデヒドが挙げられ、これ
らの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0028】アルデヒドの炭素数が3未満であると、樹
脂膜の成形性が不十分となることがあり、逆に、アルデ
ヒドの炭素数が10を超えると、アセタール化の反応性
が低下し、しかも反応中に樹脂のブロックが発生し易く
なり、樹脂の合成に困難を伴うことがある。上記炭素数
が3〜10のアルデヒドのなかでも炭素数が4〜8のn
−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エ
チルブチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド等の1
種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
【0029】上記炭素数が4〜8のアルデヒドのなかで
も、炭素数が4のn−ブチルアルデヒドでアセタール化
して得られるものが特に好ましい。n−ブチルアルデヒ
ドでアセタール化して得られるポリビニルブチラール樹
脂の使用により、樹脂膜の接着強度が強くなり、又、耐
候性にも優れ、しかも樹脂の製造も容易となる。
【0030】こうして得られるポリビニルブチラール樹
脂は、ビニルブチラール成分とビニルアルコール成分と
ビニルアセテート成分とから構成されている。上記各成
分量は、例えば、JIS K−6728「ポリビニルブ
チラール試験方法」や核磁気共鳴法(NMR)に準拠し
て測定することが出来る。
【0031】尚、ポリビニルブチラール樹脂以外のポリ
ビニルアセタール樹脂の場合は、ビニルアルコール成分
量とビニルアセテート成分量とを測定し、残りのビニル
アセタール成分量は100から上記両成分量を差し引く
ことにより算出することが出来る。
【0032】又、上記各種ポリビニルアセタール樹脂の
平均アセタール化度は、一般に40〜75モル%が好ま
しい。ポリビニルアセタール樹脂の平均アセタール化度
が40モル%未満であると後述する可塑剤との相溶性が
悪くなり、耐貫通性の確保に必要な量の可塑剤の混合が
難しくなる。逆に、75モル%を超える平均アセタール
化度の樹脂を得るには長時間の反応時間を要し、プロセ
ス上好ましくない。
【0033】第1発明による合わせガラス用中間膜に用
いられる可塑剤としては、この種の中間膜に用いられて
いる従来公知の可塑剤で良く、特に限定されるものでは
ないが、例えば、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル
等の有機系可塑剤や、有機リン酸系、有機亜リン酸系等
のリン酸系可塑剤等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0034】一塩基酸エステルとしては、特に限定され
るものではないが、例えば、トリエチレングリコールと
酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタ
ン酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラル
ゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の有機酸との反応
によって得られるグリコール系エステルや、テトラエチ
レングリコール、トリプロピレングリコールと上記の如
き有機酸との反応によって得られるグリコール系エステ
ル等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。
【0035】多塩基酸エステルとしては、特に限定され
るものではないが、例えば、アジピン酸、セバチン酸、
アゼライン酸等の有機酸と炭素数4〜8の直鎖状もしく
は分枝状アルコールとの反応によって得られるエステル
等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に
用いられる。
【0036】有機リン酸系可塑剤としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、トリブトキシエチルホス
フェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソ
プロピルホスファイト等が挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。
【0037】上記各種可塑剤のなかでも、例えば、トリ
エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3G
H)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサ
ノエート(3GO)、トリエチレングリコール−ジ−n
−ヘプタノエート(3G7)、トリエチレングリコール
ジカプリレート、トリエチレングリコール−ジ−n−オ
クトエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチ
ルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコール−
ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、テトラエチ
レングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(4G7)、
ジヘキシルアジペート(DHA)、ジベンジルフタレー
ト等の1種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
【0038】ポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリ
ビニルブチラール樹脂を含むポリビニルアセタール樹
脂」を意味する)に対する上記可塑剤の添加量は、特に
限定されるものではないが、ポリビニルアセタール樹脂
100重量部に対し、可塑剤20〜60重量部であるこ
とが好ましく、30〜50重量部であることがより好ま
しい。
【0039】ポリビニルアセタール樹脂100重量部に
対する可塑剤の添加量が20重量部未満であると、得ら
れる中間膜の耐貫通性が低下することがあり、逆に、6
0重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトして、得
られる中間膜の光学歪みが大きくなったり、透明性や接
着性が低下することがある。
【0040】第1発明による合わせガラス用中間膜は、
上述したポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とから構成
される可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜中に、炭素数
1〜28のカルボン酸のマグネシウム塩が含有されてな
る。
【0041】上記カルボン酸のマグネシウム塩として
は、特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族モ
ノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族カルボン
酸や芳香族モノカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等の芳
香族カルボン酸等を酸成分とし、マグネシウムを金属成
分として得られる塩が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0042】上記酸成分としての炭素数1〜28のカル
ボン酸の具体例としては、特に限定されるものではない
が、例えば、酢酸、エタン酸、プロピオン酸、ブタン酸
(酪酸)、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸等の直
鎖状モノカルボン酸;2−エチルブタン酸(2−エチル
酪酸)、2−エチルヘキサン酸等の分枝状モノカルボン
酸;アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸;或いは
モノブチルアジピン酸等が挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。
【0043】上記酸成分としてのカルボン酸の炭素数が
28を超えると、得られるマグネシウム塩の取り扱い性
が著しく低下して、実用性に欠けるものとなる。
【0044】上記酸成分と金属成分としてのマグネシウ
ムとから得られる炭素数1〜28のカルボン酸のマグネ
シウム塩の具体例としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、酢酸マグネシウム、エタン酸マグネシウ
ム、プロピオン酸マグネシウム、ブタン酸マグネシウ
ム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルヘキ
サン酸マグネシウム等が挙げられ、好適に用いられる。
【0045】上記炭素数1〜28のカルボン酸のマグネ
シウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0046】可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に対す
る上記炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム塩
(以下、単に「カルボン酸のマグネシウム塩」と記す)
の添加量は、特に限定されるものではないが、ポリビニ
ルアセタール樹脂100重量部に対し、カルボン酸のマ
グネシウム塩が0.001〜0.5重量部であることが
好ましく、0.01〜0.2重量部であることがより好
ましい。
【0047】ポリビニルアセタール樹脂100重量部に
対するカルボン酸のマグネシウム塩の添加量が0.00
1重量部未満であると、高湿度雰囲気下に長期間放置さ
れた時に合わせガラスの周縁部(端部)において接着力
低下による中間膜とガラスとの剥離が発生することがあ
り、逆にポリビニルアセタール樹脂100重量部に対す
るカルボン酸のマグネシウム塩の添加量が0.5重量部
を超えると、得られる中間膜の接着力が低くなり過ぎた
り、耐水性や透明性等が低下することがある。
【0048】第1発明による合わせガラス用中間膜は、
ガラスと接着された時の圧縮剪断接着力が15〜30N
/mm2 であることが必要である。
【0049】以下にここで言う圧縮剪断接着力の測定方
法を図面に基づいて説明する。
【0050】図1は圧縮剪断接着力の測定に用いる試験
片を示す斜視図であり、図2は圧縮剪断接着力の測定装
置及び測定方法を示す断面図である。
【0051】先ず、図1に示すように、2枚のガラス
3、3’間に合わせガラス用中間膜2を介在させ一体化
させてなる合わせガラスから直径23mmの円形の試験
片1を切り出す。
【0052】次いで、図2に示すように、固定された下
型5と可動可能な上型4とから構成される測定装置に上
記で得られた試験片1をセットし、矢印方向に圧縮力を
加えて圧縮試験を行い、最大荷重値を接着面積(φ23
mm)で除して、圧縮剪断接着力(N/mm2 )を測定
する。尚、測定は温度20℃、クロスヘッドスピード1
0mm/分の条件で行う。
【0053】第1発明による合わせガラス用中間膜にお
いて、上記方法で測定された圧縮剪断接着力が15N/
mm2 未満であると、中間膜とガラスとの接着力が低過
ぎ、経時とともに合わせガラスの周縁部(端部)に剥離
が発生し、逆に圧縮剪断接着力が30N/mm2 を超え
ると、中間膜とガラスとの接着力が高過ぎ、合わせガラ
スの耐貫通性や衝撃吸収性等が不十分となる。
【0054】第1発明による合わせガラス用中間膜に
は、必須成分である前述のポリビニルアセタール樹脂、
可塑剤及び炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム
塩以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に
応じて、上記カルボン酸のマグネシウム塩以外の例えば
変性シリコーンオイルのような接着力調整剤、中間膜と
ガラスとの接着力の経時低下をより防止するための例え
ば微粉シリカのような無機充填剤、耐候性を向上させる
ための紫外線吸収剤や光安定剤、例えば押出機中での熱
劣化を防止するための酸化防止剤、界面活性剤、着色剤
など合わせガラス用中間膜に一般的に用いられている公
知の添加剤の1種もしくは2種以上が含有されていても
良い。
【0055】変性シリコーンオイル系接着力調整剤とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、特公昭
55−29950号公報で開示されているようなエーテ
ル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイ
ル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミン変性シリコ
ーンオイル等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられる。
【0056】可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に対す
る上記変性シリコーンオイル系接着力調整剤の添加量
は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアセタ
ール樹脂100重量部に対し、変性シリコーンオイル系
接着力調整剤0.005〜0.5重量部であることが好
ましく、0.02〜0.2重量部であることがより好ま
しい。
【0057】微粉シリカ系無機充填剤の組成は、特に限
定されるものではなく、ガラスの主成分である二酸化ケ
イ素を主成分とし、これに酸化アルミニウム、酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化ジル
コニウム、酸化カリウム、酸化ボロン等の通常の各種ガ
ラスに含有されている各種成分の1種もしくは2種以上
が含有されたものであっても良い。
【0058】微粉シリカ系無機充填剤の平均粒子径は、
特に限定されるものではなく、100μm以下であるこ
とが好ましく、10μm以下であることがより好まし
い。
【0059】微粉シリカ系無機充填剤の形状は、特に限
定されるものではなく、球状、板状、繊維状等のいずれ
の形状であっても良く、又、ポリビニルアセタール樹脂
中や可塑剤中への分散性を向上させるために、表面処理
が施されたものであっても良い。
【0060】可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に対す
る上記微粉シリカ系無機充填剤の添加量は、平均粒子径
によっても異なり特に限定されるものではないが、添加
された微粉シリカ系無機充填剤の表面積の合計が中間膜
の全表面積の1/10以上となるような量であることが
好ましい。
【0061】紫外線吸収剤としては、特に限定されるも
のではないが、ベンゾトリアゾール系のもの、例えば、
チバガイギー社製の商品名「チヌビンP」、商品名「チ
ヌビン320」、商品名「チヌビン326」、商品名
「チヌビン328」等が挙げられ、これらの1種もしく
は2種以上が好適に用いられる。
【0062】光安定剤としては、特に限定されるもので
はないが、ヒンダードアミン系のもの、例えば、旭電化
工業社製の商品名「アデカスタブLA−57」等が挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0063】酸化防止剤としては、特に限定されるもの
ではないが、フェノール系のもの、例えば、住友化学工
業社製の商品名「スミライザーBHT」、チバガイギー
社製の商品名「イルガノックス1010」等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0064】界面活性剤としては、特に限定されるもの
ではないが、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。
【0065】第1発明による合わせガラス用中間膜の製
造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、必須
成分である前述のポリビニルアセタール樹脂、可塑剤及
び炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム塩の各所
定量と、必要に応じて添加される各種添加剤の1種もし
くは2種以上を配合し、これを均一に混練りした後、押
出法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、イ
ンフレーション法等によりシート状に製膜して可塑化ポ
リビニルアセタール樹脂膜を成形し、これを中間膜とす
れば良い。
【0066】上記樹脂膜は、単層で中間膜とされても良
いし、2枚以上が積層された状態で中間膜とされても良
い。又、中間膜は単層で用いられても良いし、2枚以上
が積層された状態で用いられても良い。
【0067】上記中間膜の全体の膜厚は、特に限定され
るものではないが、合わせガラスとして最小限必要な耐
貫通性や衝撃吸収性、耐候性等を考慮すると、実用的に
は通常の合わせガラス用中間膜における膜厚と同様に、
一般に0.3〜1.6mmの範囲であることが好まし
い。
【0068】次に、第2発明による合わせガラスは、少
なくとも一対のガラス間に、上述した第1発明による合
わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなる。
【0069】上記ガラスは、通常の無機透明ガラスのみ
ならず、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレー
ト板などの有機透明ガラスも包含する。
【0070】上記ガラスの種類としては、特に限定され
るものではないが、例えば、フロート板ガラス、磨き板
ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラ
ス、熱線吸収板ガラス、着色された板ガラス等の各種無
機ガラス又は有機ガラスが挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。又、ガラスの厚み
は、用途によって適宜選択されれば良く、特に制限され
るものではない。
【0071】第2発明による合わせガラスの製造方法
は、特別なものではなく、通常の合わせガラスの場合と
同様の製造方法が採用される。例えば、二枚の透明なガ
ラス板の間に、第1発明による合わせガラス用中間膜を
介在させ、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら
約70〜110℃の温度で予備接着し、次いで、オート
クレーブもしくはプレスを用いて、約120〜150℃
の温度で、約10〜15kg/cm2 の圧力で本接着を
行い、一体化させることにより所望の合わせガラスを得
ることが出来る。
【0072】
【作用】第1発明による合わせガラス用中間膜は、可塑
化されたポリビニルアセタール樹脂の膜に、接着力調整
剤として、特定の範囲の炭素数を有するカルボン酸のマ
グネシウム塩が含有されてなり、且つ、ガラスとの圧縮
剪断接着力が特定の範囲となるように規定されているの
で、湿度の高い雰囲気下に長期間放置された場合でも合
わせガラス周縁部(端部)における中間膜とガラスとの
剥離や白化現象を殆ど起こさず、且つ、優れた接着力、
透明性、耐候性等を兼備する合わせガラスを得るに適す
る。
【0073】又、第2発明による合わせガラスは、上記
第1発明による合わせガラス用中間膜を用いて製せられ
るので、湿度の高い雰囲気下に長期間放置された場合で
も周縁部(端部)に中間膜とガラスとの剥離や白化現象
を殆ど起こさず、且つ、優れた接着力、透明性、耐候性
等を発揮する。
【0074】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量
部」を意味する。
【0075】(実施例1)
【0076】(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製 純水2890gに、平均重合度1700、鹸化度98.
9モル%のポリビニルアルコール275gを加えて加温
溶解した。反応系を12℃に温度調節し、35重量%の
塩酸触媒201gとn−ブチルアルデヒド148gを加
え、この温度を保持して反応物を析出させた。その後、
反応系を45℃で3時間保持して反応を完了させ、過剰
の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流
し、塩酸触媒を汎用な中和剤である水酸化ナトリウム水
溶液で中和し、さらに過剰の水で2時間水洗及び乾燥を
経て、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂の平均重合度は17
00、ブチラール化度は65モル%、残存アセチル基量
は1モル%、残存ビニルアルコール成分量は34モル%
であった。
【0077】(2)合わせガラス用中間膜の製造 上記で得られたポリビニルブチラール樹脂100部に対
し、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エ
チルブチレート(3GH)40部、炭素数1〜28のカ
ルボン酸のマグネシウム塩として酢酸マグネシウム(炭
素数2)0.013部(Mg濃度15ppm)、紫外線
吸収剤及び酸化防止剤を添加し、攪拌混合した後、Tダ
イが設置された小型押出機(商品名「ラボプラストミ
ル」、東洋精機社製)で製膜して厚み0.8mmの可塑
化されたポリビニルブチラール樹脂膜(合わせガラス用
中間膜)を得た。
【0078】(3)合わせガラスの製造 上記で得られた合わせガラス用中間膜を、恒温恒湿室
(20℃−65%RH)で含水率が0.4〜0.5重量
%となるように調湿した後、フロートガラス(厚み2.
4mm)2枚の間に挟み込み、ロール法で予備接着し
た。次いで、予備接着された積層体をオートクレーブ中
で温度140℃、圧力13kg/cm2 の条件で本接着
して、合わせガラスを得た。
【0079】(4)圧縮剪断接着力の測定 上記で得られた合わせガラスから図1に示すような直径
23mmの円形の試験片1を切り出した。次いで、図2
に示すような固定された下型5と可動可能な上型4とか
ら構成される測定装置に上記で得られた試験片1をセッ
トし、矢印方向に圧縮力を加えて圧縮試験を行い、最大
荷重値を接着面積(φ23mm)で除して圧縮剪断接着
力を測定したところ、圧縮剪断接着力は18.2N/m
2 であった。尚、測定時の温度は20℃、クロスヘッ
ドスピードは10mm/分であった。
【0080】(5)評価 (3)で得られた合わせガラスの性能(耐端部剥離
性、耐湿性)を以下の方法で評価した。その結果は表
1に示すとおりであった。
【0081】耐端部剥離性:合わせガラスを80℃−
95%RHの雰囲気下に4週間放置した後、取り出し
て、合わせガラス周縁部(端部)における中間膜とガラ
スとの剥離の有無を目視で観察し、下記判定基準で耐端
部剥離性を評価した。 〈判定基準〉 ○‥‥‥端部剥離は認められなかった △‥‥‥若干の端部剥離が認められた ×‥‥‥かなりの端部剥離が認められた
【0082】耐湿性:合わせガラスを50℃−95%
RHの雰囲気下に4週間放置した後、取り出して、白化
している部分の距離(白化距離:mm)を合わせガラス
の周縁部(端部)から測定した。
【0083】(実施例2)合わせガラス用中間膜の製造
において、炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム
塩として2−エチルブタン酸マグネシウム(炭素数6)
0.022部(Mg濃度15ppm)を添加したこと以
外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び
合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの圧縮剪断
接着力を実施例1の場合と同様にして測定したところ、
圧縮剪断接着力は18.2N/mm 2 であった。
【0084】(実施例3)合わせガラス用中間膜の製造
において、炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム
塩として2−エチルヘキサン酸マグネシウム(炭素数
8)0.027部(Mg濃度15ppm)を添加したこ
と以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜
及び合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの圧縮
剪断接着力を実施例1の場合と同様にして測定したとこ
ろ、圧縮剪断接着力は19.0N/mm2 であった。
【0085】(比較例1)合わせガラス用中間膜の製造
において、炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム
塩として酢酸マグネシウム(炭素数2)0.033部
(Mg濃度40ppm)を添加したこと以外は実施例1
と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
を得た。得られた合わせガラスの圧縮剪断接着力を実施
例1の場合と同様にして測定したところ、圧縮剪断接着
力は14.5N/mm2 であった。
【0086】(比較例2)合わせガラス用中間膜の製造
において、炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム
塩を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、
合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。得られ
た合わせガラスの圧縮剪断接着力を実施例1の場合と同
様にして測定したところ、圧縮剪断接着力は25.4N
/mm2 であった。
【0087】(比較例3)合わせガラス用中間膜の製造
において、炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム
塩として2−エチルブタン酸マグネシウム(炭素数6)
0.148部(Mg濃度100ppm)を添加したこと
以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及
び合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの圧縮剪
断接着力を実施例1の場合と同様にして測定したとこ
ろ、圧縮剪断接着力は13.1N/mm2 であった。
【0088】(比較例4)合わせガラス用中間膜の製造
において、炭素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム
塩として2−エチルヘキサン酸マグネシウム(炭素数
8)0.180部(Mg濃度100ppm)を添加した
こと以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの圧
縮剪断接着力を実施例1の場合と同様にして測定したと
ころ、圧縮剪断接着力は13.8N/mm2 であった。
【0089】実施例2及び3、及び、比較例1〜4で得
られた6種類の合わせガラスの性能(耐端部剥離性、
耐湿性)を実施例1の場合と同様にして評価した。そ
の結果は表1に示すとおりであった。
【0090】
【表1】
【0091】表1から明らかなように、本発明による合
わせガラス用中間膜を用いて製せられた実施例1〜3の
合わせガラスは、湿度の高い雰囲気下に4週間放置され
た後でも合わせガラス周縁部(端部)における中間膜と
ガラスとの剥離や白化現象が全く認められず、極めて優
れた耐端部剥離性及び耐湿性を発揮した。
【0092】これに対し、中間膜とガラスとの圧縮剪断
接着力が15N/mm2 未満であった比較例1の合わせ
ガラスは、湿度の高い雰囲気下に4週間放置された時点
での耐端部剥離性及び耐湿性が極めて悪かった。
【0093】又、炭素数1〜28のカルボン酸のマグネ
シウム塩を含有させなかった比較例2の合わせガラス用
中間膜を用いて製せられた比較例2の合わせガラスは、
耐湿性は優れていたものの、湿度の高い雰囲気下に4週
間放置された時点での耐端部剥離性が極めて悪かった。
【0094】さらに、中間膜とガラスとの圧縮剪断接着
力が15N/mm2 未満であった比較例3及び4の合わ
せガラスは、湿度の高い雰囲気下に4週間放置された時
点での耐端部剥離性及び耐湿性がかなり悪かった。
【0095】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による合わせ
ガラス用中間膜は、湿度の高い雰囲気下に長期間放置さ
れた場合でも合わせガラスの周縁部(端部)における中
間膜とガラスとの剥離や白化現象を殆ど起こさず、且
つ、優れた接着力、透明性、耐候性等を兼備する合わせ
ガラスを得るに適する。
【0096】又、本発明による合わせガラスは、上記合
わせガラス用中間膜を用いて製せられるので、湿度の高
い雰囲気下に長期間放置された後でも周縁部(端部)に
おける中間膜とガラスとの剥離や白化現象を殆ど起こさ
ず、且つ、優れた接着力、透明性、耐候性等を発揮す
る。従って、建築物の窓ガラス用のような建築用を始め
として、各種用途に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮剪断接着力の測定に用いる試験片を示す斜
視図である。
【図2】圧縮剪断接着力の測定装置及び測定方法を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 試験片 2 合わせガラス用中間膜 3、3’ ガラス 4 上型(可動型) 5 下型(固定型)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 129/14 C09J 129/14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に炭
    素数1〜28のカルボン酸のマグネシウム塩が含有され
    てなる合わせガラス用中間膜であって、該中間膜とガラ
    スとの圧縮剪断接着力が15〜30N/mm2 であるこ
    とを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 少なくとも一対のガラス間に、請求項1
    に記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させ
    てなることを特徴とする合わせガラス。
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