JPH11322378A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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JPH11322378A
JPH11322378A JP13057898A JP13057898A JPH11322378A JP H11322378 A JPH11322378 A JP H11322378A JP 13057898 A JP13057898 A JP 13057898A JP 13057898 A JP13057898 A JP 13057898A JP H11322378 A JPH11322378 A JP H11322378A
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JP
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laminated glass
glass
interlayer
acid
polyvinyl acetal
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JP13057898A
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Masatoshi Obata
真稔 小幡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間膜とガラスとの接着力が初期及び経時後
のいずれにおいても適正な範囲内に保持されており、従
って、衝撃吸収性や耐貫通性などの合わせガラスとして
必要な基本性能に優れ、且つ、湿度の高い雰囲気下に長
期間放置された場合でも合わせガラスの周縁部(端部)
に白化現象を殆ど起こさない合わせガラスを得るに適す
る合わせガラス用中間膜、及び、その中間膜を用いて製
せられた合わせガラスを提供することを課題とする。 【解決手段】 可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に、
炭素数5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩及び変性
シリコーンオイルが含有されてなることを特徴とする合
わせガラス用中間膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合わせガラス用中
間膜、及び、その中間膜を用いた合わせガラスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、合わせガラスは、自動車のフ
ロントガラス用やサイドガラス用として、或いは、建築
物の窓ガラス用等として広く使用されている。上記合わ
せガラスの代表例としては、少なくとも二枚のガラスの
間に、可塑化されたポリビニルブチラール樹脂のような
可塑化されたポリビニルアセタール樹脂からなる合わせ
ガラス用中間膜を介在させ、一体化させて製せられるも
のが挙げられる。
【0003】このような合わせガラスは、これに衝撃が
加えられるとガラスは破損するものの、ガラス間に介在
させた中間膜は容易に破損せず、又、ガラスは破損後に
おいても中間膜に貼着したままであるため、その破片が
飛散することが少なく、従って、自動車や建築物の内部
にある人体がガラスの破片によって傷害を受けることを
防止する機能を有する。
【0004】この場合、合わせガラスとしての機能を十
分に満足するためには、中間膜とガラスとの接着力が高
ければ高いほど良いわけではなく、この接着力をある適
正な範囲内に調整することが必要である。
【0005】上記接着力の適正な範囲内への調整は、例
えば、自動車事故等においては運転者や乗客等がガラス
へ衝突する時の衝撃吸収や貫通防止のために必要であ
り、又、例えば、建築物においては外部からの飛来物の
貫通防止やガラスの飛散防止のために必要である。
【0006】即ち、中間膜とガラスとの接着力が小さい
場合には、ガラスが中間膜から剥がれ、その破片が飛散
し易くなるという問題が発生し、逆に、中間膜とガラス
との接着力が大きい場合には、ガラスと中間膜とが同時
に破損して、人体や外部からの飛来物等が貫通し易くな
るという問題が発生する。
【0007】これに対し、中間膜とガラスとの接着力が
適正な範囲内にある場合には、ガラスの破損が広範囲に
わたって起こると共に、ガラスが破損すると同時に中間
膜とガラスとの部分的な界面剥離が起こり、且つ、中間
膜が延伸するという現象が生じるため、衝撃吸収効果や
貫通防止効果が大きくなる。
【0008】上記に鑑み、従来より、中間膜とガラスと
の接着力を適正な範囲内に調整するために、中間膜用の
接着力調整剤が種々検討されてきた。
【0009】例えば、特公昭44−32185号公報で
は、「0.1〜0.8%の水分を含有し、6〜22炭素
原子のモノカルボン酸と、4〜12炭素原子のジカルボ
ン酸と、2〜6炭素原子の脂肪族モノアミノモノカルボ
ン酸と、4〜5炭素原子の脂肪族モノアミノジカルボン
酸と、くえん酸及びこれらの混合物から選んだ少なくと
も一つの有機酸を樹脂100重量部につき0.01〜3
重量部含有せしめた、成形ポリビニルアセタール樹脂よ
りなる合わせガラス用中間膜」が提案されており、又、
特公昭48−5772号公報では、「少なくとも2枚の
ガラスを可塑化ポリビニルアセタール樹脂組成物で貼り
合わせたガラスにおいて、該可塑化ポリビニルアセター
ル樹脂組成物中に炭素数10〜22の脂肪族カルボン酸
のナトリウム金属塩を含有せしめたことを特徴とする合
わせガラス」が提案されており、さらに、特公昭53−
18207号公報では、「モノカルボン酸又はジカルボ
ン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩と変性シ
リコンオイルとが含有されるか若しくは付着された可塑
化ポリビニルアセタール樹脂中間膜によって少なくとも
2枚のガラスが貼り合わされていることを特徴とする合
わせガラス」が提案されている。
【0010】上記三つの提案では、いずれも接着力調整
剤として、中間膜中に含有される可塑剤に溶解し易いと
いう観点から、比較的炭素数の大きいカルボン酸もしく
はその金属塩を用いている。
【0011】しかし、接着力調整剤として炭素数の大き
いカルボン酸もしくはその金属塩を用いると、中間膜と
ガラスとの接着力が時間経過(経時)とともに変化する
という問題点がある。即ち、初期の接着力は適正であっ
ても、経時とともに次第に接着力が低下もしくは昂進
し、衝撃を受けた時にガラスが剥離し易くなるか、逆に
剥離し難くなる。この接着力変化を防止するためには、
中間膜を例えば40〜50℃の雰囲気下で1〜2ケ月間
保管して熟成する必要があるが、中間膜は粘着性や自着
性等を有するため、上記のような雰囲気下で長期間保管
することは現実的には困難であり、又、仮に熟成を行っ
たとしても、接着力の経時変化を抑制することは出来る
が皆無にすることは出来ず、上記問題点は依然として残
る。
【0012】上記問題点に対応するため、特開平5−1
86250号公報では、「ポリビニルアセタール樹脂、
可塑剤、炭素数が12以下の脂肪族モノ又はジカルボン
酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩及び有機酸を含有
する樹脂組成物より形成されている合わせガラス用中間
膜」が提案されており、又、特公平2−41547号公
報では、「トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタン
酸エステル及びテトラエチレングリコール−ジ−n−ヘ
プタン酸エステルから成るグループより選択した相溶す
る量の加水分解性エステルによって可塑化し且つ接着力
調整剤を含有するポリビニルブチラールシートにおい
て、接着力調整剤はアルカリ又はアルカリ土類金属ギ酸
塩から成り且つシートはその100万部当り10当量未
満の、滴定によって測定された、酸の濃度を有している
ことを特徴とするポリビニルブチラールシート」が提案
されており、さらに、特表平6−502594号公報で
は、実施例で接着力調整剤として酢酸カリウムを添加し
た中間膜が用いられている。
【0013】上記三つの提案では、接着力調整剤とし
て、炭素数の大きいカルボン酸もしくはその金属塩を用
いる場合の前記問題点を解消するため、比較的炭素数の
小さいカルボン酸もしくはその金属塩を用いている。
【0014】しかし、接着力調整剤として炭素数の小さ
いカルボン酸もしくはその金属塩を用いると、中間膜と
ガラスとの接着力の経時変化の問題点は解消されるもの
の、中間膜の耐湿性が不十分となり、その結果、合わせ
ガラスの周縁部(端部)に吸湿による白化現象を起こし
易くなるという別の問題点が発生する。
【0015】即ち、中間膜は通常の雰囲気(湿度)下に
おいては吸湿性が高いため、合わせガラスに加工する場
合、例えば、相対湿度25%(25%RH)の雰囲気下
で含水率が0.45重量%程度となるように調湿して合
わせ加工を行うのが一般的である。ところが、通常合わ
せガラスの周縁部(端部)は剥き出しの状態であるた
め、高湿度雰囲気下では中間膜が吸湿し、含水率が2〜
3重量%程度にまで上昇する。この時、中間膜中に微小
な結晶として存在する酢酸カリウムや酢酸マグネシウム
あるいはギ酸カリウム等のような炭素数の小さいカルボ
ン酸の金属塩の周囲に水が集まり、白化現象を惹起す
る。
【0016】接着力調整剤として炭素数の小さいカルボ
ン酸もしくはその金属塩を添加することに起因する上記
問題点に対応するため、接着力調整剤として炭素数の小
さいカルボン酸もしくはその金属塩と有機酸を併用し、
炭素数の小さいカルボン酸もしくはその金属塩の添加量
を減少させて白化現象を抑制する方法が採られることも
あるが、接着力調整効果を発揮し得る量の有機酸を添加
すると、経時とともに中間膜が黄色に変色(黄変)する
という別の問題点が発生し、逆に有機酸の添加量を黄変
が起こらない程度に減少させると、接着力調整効果や白
化現象抑制効果を十分に得られないという問題点が発生
する。
【0017】又、接着力調整剤の別の例として、特公昭
55−29950号公報や特開昭58−190844号
公報では、変性シリコーンオイルを用いる方法が提案さ
れている。
【0018】しかし、上記提案にあるような接着力調整
剤として変性シリコーンオイルを用いる方法の場合、変
性シリコーンオイルの添加量が多いと経時で中間膜とガ
ラスとの接着力が低下するという問題点が発生し、逆に
変性シリコーンオイルの添加量が少ないと白化現象を十
分に抑制出来ないという問題点が発生する。
【0019】上述したように、種々の接着力調整剤が検
討されているにもかかわらず、中間膜とガラスとの接着
力が初期及び経時後のいずれにおいても適正な範囲内に
保持され、従って、衝撃吸収性や耐貫通性などの合わせ
ガラスとして必要な基本性能に優れ、且つ、高湿度雰囲
気下に長期間放置されても白化現象の発生が少ない合わ
せガラスを得るに適する合わせガラス用中間膜並びに合
わせガラスは実用化されていないのが現状である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、中間膜とガラスとの接着力が初
期及び経時後のいずれにおいても適正な範囲内に保持さ
れており、従って、衝撃吸収性や耐貫通性などの合わせ
ガラスとして必要な基本性能に優れ、且つ、湿度の高い
雰囲気下に長期間放置された場合でも合わせガラスの周
縁部(端部)に白化現象を殆ど起こさない合わせガラス
を得るに適する合わせガラス用中間膜、及び、その中間
膜を用いて製せられた合わせガラスを提供することを課
題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「第1発明」と記す)による合わせガラス用中
間膜は、可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に、炭素数
5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩及び変性シリコ
ーンオイルが含有されてなることを特徴とする。
【0022】又、請求項2に記載の発明(以下、「第2
発明」と記す)による合わせガラスは、少なくとも一対
のガラス間に、上記第1発明による合わせガラス用中間
膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする。
【0023】以下、本発明を詳しく説明する。
【0024】第1発明による合わせガラス用中間膜を構
成する可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜(以下、単に
「樹脂膜」と記す)の主成分であるポリビニルアセター
ル樹脂の調製方法としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)を温水
に溶解し、得られた水溶液を所定の温度、例えば0〜9
5℃に保持しておいて、所要の酸触媒及びアルデヒドを
加え、攪拌しながらアセタール化反応を進行させ、次い
で反応温度を上げて熟成することにより反応を完結さ
せ、その後、中和、水洗及び乾燥を行ってポリビニルア
セタール樹脂の粉末を得る方法が採用される。
【0025】上記ポリビニルアセタール樹脂の調製方法
において、PVAとしては、平均重合度500〜500
0のものが好ましく、平均重合度1000〜2500の
ものがより好ましい。PVAの平均重合度が500未満
であると、樹脂膜の強度が弱くなり過ぎて、得られる合
わせガラスの耐貫通性が低下することがあり、逆に、P
VAの平均重合度が5000を超えると、樹脂膜の成形
が難しくなることがあり、しかも樹脂膜の強度が強くな
り過ぎて、得られる合わせガラスの衝撃吸収性や耐貫通
性等が低下することがある。
【0026】又、上記で得られるポリビニルアセタール
樹脂のビニルアセテート成分は30モル%以下に設定す
るのが好ましく、そのためにPVAの鹸化度は70モル
%以上のものが好適に用いられる。PVAの鹸化度が7
0モル%未満であると、ポリビニルアセタール樹脂の透
明性や耐熱性等が低下することがあり、又、反応性が低
下することもある。尚、上記PVAの平均重合度及び鹸
化度は、例えば、JIS K−6726「ポリビニルア
ルコール試験方法」に準拠して測定することが出来る。
【0027】第1発明において、ポリビニルアセタール
樹脂を得るのに使用するアルデヒドとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、炭素数が3〜10、好
ましくは4〜8、のアルデヒドが挙げられ、好適に用い
られる。
【0028】このようなアルデヒドとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バ
レルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチル
ブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オク
チルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等の
脂肪族、芳香族、脂環族のアルデヒドが挙げられ、これ
らの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0029】アルデヒドの炭素数が3未満であると、樹
脂膜の成形性が不十分となることがあり、逆に、アルデ
ヒドの炭素数が10を超えると、アセタール化の反応性
が低下し、しかも反応中に樹脂のブロックが発生し易く
なり、樹脂の合成に困難を伴うことがある。上記炭素数
が3〜10のアルデヒドのなかでも炭素数が4〜8のn
−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エ
チルブチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド等の1
種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
【0030】上記炭素数が4〜8のアルデヒドのなかで
も、炭素数が4のn−ブチルアルデヒドでアセタール化
して得られるものが特に好ましい。n−ブチルアルデヒ
ドでアセタール化して得られるポリビニルブチラール樹
脂の使用により、樹脂膜の接着強度が強くなり、又、耐
候性にも優れ、しかも樹脂の製造も容易となる。
【0031】こうして得られるポリビニルブチラール樹
脂は、ビニルブチラール成分とビニルアルコール成分と
ビニルアセテート成分とから構成されている。上記各成
分量は、例えば、JIS K−6728「ポリビニルブ
チラール試験方法」や核磁気共鳴法(NMR)に準拠し
て測定することが出来る。
【0032】尚、ポリビニルブチラール樹脂以外のポリ
ビニルアセタール樹脂の場合は、ビニルアルコール成分
量とビニルアセテート成分量とを測定し、残りのビニル
アセタール成分量は100から上記両成分量を差し引く
ことにより算出することが出来る。
【0033】又、上記各種ポリビニルアセタール樹脂の
平均アセタール化度は、一般に40〜75モル%が好ま
しい。ポリビニルアセタール樹脂の平均アセタール化度
が40モル%未満であると後述する可塑剤との相溶性が
低下して、耐貫通性の確保に必要な量の可塑剤の混合が
難しくなることがあり、逆に75モル%を超える平均ア
セタール化度の樹脂を得るには長時間の反応時間を要す
ることがあり、プロセス上好ましくない。
【0034】第1発明による合わせガラス用中間膜に用
いられる可塑剤としては、この種の中間膜に用いられて
いる従来公知の可塑剤で良く、特に限定されるものでは
ないが、例えば、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル
等の有機系可塑剤や、有機リン酸系、有機亜リン酸系等
のリン酸系可塑剤等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0035】一塩基酸エステルとしては、特に限定され
るものではないが、例えば、トリエチレングリコールと
酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタ
ン酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラル
ゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の有機酸との反応
によって得られるグリコール系エステルや、テトラエチ
レングリコール、トリプロピレングリコールと上記の如
き有機酸との反応によって得られるグリコール系エステ
ル等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。
【0036】多塩基酸エステルとしては、特に限定され
るものではないが、例えば、アジピン酸、セバチン酸、
アゼライン酸等の有機酸と炭素数4〜8の直鎖状もしく
は分枝状アルコールとの反応によって得られるエステル
等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に
用いられる。
【0037】有機リン酸系可塑剤としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、トリブトキシエチルホス
フェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソ
プロピルホスファイト等が挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。
【0038】上記各種可塑剤のなかでも、例えば、トリ
エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3G
H)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサ
ノエート(3GO)、トリエチレングリコール−ジ−n
−ヘプタノエート(3G7)、トリエチレングリコール
ジカプリレート、トリエチレングリコール−ジ−n−オ
クトエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチ
ルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコール−
ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、テトラエチ
レングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(4G7)、
ジヘキシルアジペート(DHA)、ジベンジルフタレー
ト等の1種もしくは2種以上がより好適に用いられる。
【0039】ポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリ
ビニルブチラール樹脂を含むポリビニルアセタール樹
脂」を意味する)に対する上記可塑剤の添加量は、特に
限定されるものではないが、ポリビニルアセタール樹脂
100重量部に対し、可塑剤20〜60重量部であるこ
とが好ましく、30〜50重量部であることがより好ま
しい。
【0040】ポリビニルアセタール樹脂100重量部に
対する可塑剤の添加量が20重量部未満であると、得ら
れる中間膜の耐貫通性が低下することがあり、逆に60
重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトして、得ら
れる中間膜の光学歪みが大きくなったり、透明性や接着
力が低下することがある。
【0041】第1発明による合わせガラス用中間膜は、
上述したポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とから構成
される可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜中に、炭素数
5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩と変性シリコー
ンオイルとが含有されてなる。
【0042】上記炭素数5〜28のカルボン酸のマグネ
シウム塩としては、特に限定されるものではないが、例
えば、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等の
脂肪族カルボン酸や芳香族モノカルボン酸、芳香族ジカ
ルボン酸等の芳香族カルボン酸等を酸成分とし、マグネ
シウムを金属成分として得られる塩が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0043】上記酸成分としての炭素数5〜28のカル
ボン酸の具体例としては、特に限定されるものではない
が、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸等の直鎖状モ
ノカルボン酸、2−エチルブタン酸(2−エチル酪
酸)、2−エチルヘキサン酸等の分枝状モノカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸、モノブ
チルアジピン酸等が挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上が好適に用いられる。
【0044】上記カルボン酸の炭素数が5未満である
と、マグネシウム塩を含有させた中間膜の耐湿性が不十
分となって、白化現象を効果的に抑制することが困難と
なり、逆にカルボン酸の炭素数が28を超えると、得ら
れるマグネシウム塩の取り扱い性が著しく低下して、実
用性に欠けるものとなる。
【0045】上記酸成分としての炭素数5〜28のカル
ボン酸と金属成分としてのマグネシウムとから得られる
炭素数5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩の具体例
としては、特に限定されるものではないが、例えば、ブ
タン酸マグネシウム(酪酸マグネシウム)、ペンタン酸
マグネシウム、2−エチルブタン酸マグネシウム(2−
エチル酪酸マグネシウム)、2−エチルヘキサン酸マグ
ネシウム等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が好適に用いられるが、なかでも2−エチルブタン酸マ
グネシウム(2−エチル酪酸マグネシウム)や2−エチ
ルヘキサン酸マグネシウム等がより好適に用いられる。
【0046】上記炭素数5〜28のカルボン酸のマグネ
シウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0047】可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に対す
る上記炭素数5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩の
添加量は、特に限定されるものではないが、ポリビニル
アセタール樹脂100重量部に対し、炭素数5〜28の
カルボン酸のマグネシウム塩0.01〜0.5重量部で
あることが好ましく、0.1〜0.3重量部であること
がより好ましい。
【0048】ポリビニルアセタール樹脂100重量部に
対する炭素数5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩の
添加量が0.01重量部未満であると、接着力調整効果
を十分に得られないことがあり、逆にポリビニルアセタ
ール樹脂100重量部に対する炭素数5〜28のカルボ
ン酸のマグネシウム塩の添加量が0.5重量部を超える
と、得られる中間膜の接着力が低くなり過ぎたり、耐水
性や透明性等が低下することがある。
【0049】又、変性シリコーンオイルとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、エーテル変性シリ
コーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、エポキ
シ変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル
等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも下記一般
式(1)で表されるエーテル変性シリコーンオイルが性
能とコストのバランスが良好であるのでより好適に用い
られる。
【化1】 (式中、n、mは30以下の正の整数を示し、xは20
以下の正の整数を示す)
【0050】上記一般式(1)において、n、mが30
を超える正の整数であるか、又は、xが20を超える正
の整数であると、得られる中間膜の透明性が低下するこ
とがある。
【0051】上記変性シリコーンオイルは、ポリシロキ
サンと、これに導入すべきエーテル基、エステル基、エ
ポキシ基、アミン基等を有する化合物とを反応させるこ
とにより、ポリシロキサンから誘導して製造され得るも
ので、通常淡黄色透明で粘稠な液体である。
【0052】上記変性シリコーンオイルは、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0053】可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に対す
る上記変性シリコーンオイルの添加量は、特に限定され
るものではないが、ポリビニルアセタール樹脂100重
量部に対し、変性シリコーンオイル0.0001〜0.
01重量部であることが好ましく、0.0005〜0.
005重量部であることがより好ましい。
【0054】ポリビニルアセタール樹脂100重量部に
対する変性シリコーンオイルの添加量が0.0001重
量部未満であると、変性シリコーンオイルを含有させる
効果が不十分となって、中間膜とガラスとの接着力が経
時で変化することがあり、逆にポリビニルアセタール樹
脂100重量部に対する変性シリコーンオイルの添加量
が0.01重量部を超えると、得られる中間膜の接着力
が低くなり過ぎたり、耐水性や透明性等が低下すること
がある。
【0055】第1発明による合わせガラス用中間膜にお
いては、前述したカルボン酸のマグネシウム塩と上述し
た変性シリコーンオイルとが併用された状態で含有され
ていることが必要である。
【0056】カルボン酸のマグネシウム塩のみが含有さ
れ、変性シリコーンオイルが含有されていない場合に
は、白化現象は起こり難いものの、中間膜とガラスとの
接着力が経時で変化し易くなり、逆に変性シリコーンオ
イルのみが含有され、カルボン酸のマグネシウム塩が含
有されていない場合には、中間膜とガラスとの接着力は
初期及び経時のいずれにおいても適正な範囲に保たれる
ものの、湿度の高い雰囲気下に長期間放置された場合に
白化現象が起こり易くなる。
【0057】第1発明による合わせガラス用中間膜に
は、必須成分であるポリビニルアセタール樹脂、可塑
剤、炭素数5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩及び
変性シリコーンオイル以外に、本発明の課題達成を阻害
しない範囲で必要に応じて、炭素数5〜28のカルボン
酸のマグネシウム塩以外の例えば炭素数4以下のカルボ
ン酸のマグネシウム塩のようなカルボン酸の金属塩系接
着力調整剤、中間膜とガラスとの接着力の経時低下をよ
り防止するための例えば微粉シリカのような無機充填
剤、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤や光安定
剤、例えば押出機中での熱劣化を防止するための酸化防
止剤、界面活性剤、着色剤等の各種添加剤の1種もしく
は2種以上が含有されていても良い。
【0058】微粉シリカ系無機充填剤の組成は、特に限
定されるものではなく、ガラスの主成分である二酸化ケ
イ素を主成分とし、これに酸化アルミニウム、酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化ジル
コニウム、酸化カリウム、酸化ボロン等の通常の各種ガ
ラスに含有されている各種成分の1種もしくは2種以上
が含有されたものであっても良い。
【0059】微粉シリカ系無機充填剤の平均粒子径は、
特に限定されるものではなく、100μm以下であるこ
とが好ましく、10μm以下であることがより好まし
い。
【0060】微粉シリカ系無機充填剤の形状は、特に限
定されるものではなく、球状、板状、繊維状等のいずれ
の形状であっても良く、又、ポリビニルアセタール樹脂
中や可塑剤中への分散性を向上させるために、表面処理
が施されたものであっても良い。
【0061】可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に対す
る上記微粉シリカ系無機充填剤の添加量は、平均粒子径
によっても異なり特に限定されるものではないが、添加
された微粉シリカ系無機充填剤の表面積の合計が中間膜
の全表面積の1/10以上となるような量であることが
好ましい。
【0062】紫外線吸収剤としては、特に限定されるも
のではないが、ベンゾトリアゾール系のもの、例えば、
チバガイギー社製の商品名「チヌビンP」、商品名「チ
ヌビン320」、商品名「チヌビン326」、商品名
「チヌビン328」等が挙げられ、これらの1種もしく
は2種以上が好適に用いられる。
【0063】光安定剤としては、特に限定されるもので
はないが、ヒンダードアミン系のもの、例えば、旭電化
工業社製の商品名「アデカスタブLA−57」等が挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0064】酸化防止剤としては、特に限定されるもの
ではないが、フェノール系のもの、例えば、住友化学工
業社製の商品名「スミライザーBHT」、チバガイギー
社製の商品名「イルガノックス1010」等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0065】界面活性剤としては、特に限定されるもの
ではないが、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。
【0066】第1発明による合わせガラス用中間膜の製
造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、必須
成分であるポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、炭素数
5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩及び変性シリコ
ーンオイルの各所定量と、必要に応じて添加される各種
添加剤の1種もしくは2種以上を配合し、これを均一に
混練りした後、押出法、カレンダー法、プレス法、キャ
スティング法、インフレーション法等によりシート状に
製膜して可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜を成形し、
これを中間膜とすれば良い。
【0067】上記樹脂膜は、単層で中間膜とされても良
いし、2枚以上が積層された状態で中間膜とされても良
い。又、中間膜は単層で用いられても良いし、2枚以上
が積層された状態で用いられても良い。
【0068】上記中間膜の全体の膜厚は、特に限定され
るものではないが、合わせガラスとして最小限必要な衝
撃吸収性や耐貫通性、耐候性等を考慮すると、実用的に
は通常の合わせガラス用中間膜における膜厚と同様に、
一般に0.3〜1.6mmの範囲であることが好まし
い。
【0069】次に、第2発明による合わせガラスは、少
なくとも一対のガラス間に、上述した第1発明による合
わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなる。
【0070】上記ガラスは、通常の無機透明ガラスのみ
ならず、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレー
ト板などの有機透明ガラスも包含する。
【0071】上記ガラスの種類としては、特に限定され
るものではないが、例えば、フロート板ガラス、磨き板
ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラ
ス、熱線吸収板ガラス、着色された板ガラス等の各種無
機ガラス又は有機ガラスが挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。又、ガラスの厚み
は、用途によって適宜選択されれば良く、特に制限され
るものではない。
【0072】第2発明による合わせガラスの製造方法
は、特別なものではなく、通常の合わせガラスの場合と
同様の製造方法が採用される。例えば、二枚の透明なガ
ラス板の間に、第1発明による合わせガラス用中間膜を
介在させ、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら
約70〜110℃の温度で予備接着し、次いで、オート
クレーブもしくはプレスを用いて、約120〜150℃
の温度で、約10〜15kg/cm2 の圧力で本接着を
行い、一体化させることにより所望の合わせガラスを得
ることが出来る。
【0073】
【作用】第1発明による合わせガラス用中間膜は、可塑
化されたポリビニルアセタール樹脂の膜に、接着力調整
剤として、炭素数が5〜28と比較的大きいカルボン酸
のマグネシウム塩と変性シリコーンオイルとが併用され
た状態で含有されているので、中間膜とガラスとの接着
力が初期及び経時後のいずれにおいても適正な範囲内に
保持されており、従って、初期及び経時後のいずれにお
いても衝撃吸収性や耐貫通性等の合わせガラスとして必
要な基本性能に優れ、且つ、湿度の高い雰囲気下に長期
間放置された場合でも合わせガラス周縁部(端部)に白
化現象を起こすことが殆どない合わせガラスを得るに適
する。
【0074】又、第2発明による合わせガラスは、上記
第1発明による合わせガラス用中間膜を用いて製せられ
るので、初期及び経時後のいずれにおいても、衝撃吸収
性や耐貫通性などの合わせガラスとして必要な基本性能
に優れ、且つ、湿度の高い雰囲気下に長期間放置された
場合でも周縁部(端部)に白化現象を起こすことが殆ど
ない。
【0075】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量
部」を意味する。
【0076】(実施例1)
【0077】(1)ポリビニルアセタール樹脂の調製 純水2890gに、平均重合度1700、鹸化度98.
9モル%のポリビニルアルコール275gを加えて加温
溶解した。反応系を12℃に温度調節し、35重量%の
塩酸触媒201gとn−ブチルアルデヒド148gを加
え、この温度を保持して反応物を析出させた。その後、
反応系を45℃で3時間保持して反応を完了させ、過剰
の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流
し、塩酸触媒を汎用な中和剤である水酸化ナトリウム水
溶液で中和し、さらに過剰の水で2時間水洗及び乾燥を
経て、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂の平均重合度は17
00、ブチラール化度は65モル%、残存アセチル基量
は1モル%、残存ビニルアルコール成分量は34モル%
であった。
【0078】(2)合わせガラス用中間膜の製造 上記で得られたポリビニルブチラール樹脂100部に対
し、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エ
チルブチレート(3GH)40部、炭素数5〜28のカ
ルボン酸のマグネシウム塩として2−エチルブタン酸マ
グネシウム(炭素数6)0.13部(Mg濃度90pp
m)、変性シリコーンオイルとして下記式(2)で表さ
れるエーテル変性シリコーンオイル0.003部、紫外
線吸収剤及び酸化防止剤を添加し、攪拌混合した後、T
ダイを備えた小型押出機(商品名「ラボプラストミ
ル」、東洋精機社製)で製膜して厚み約0.8mmの可
塑化されたポリビニルブチラール樹脂膜(合わせガラス
用中間膜)を得た。
【化2】
【0079】(3)合わせガラスの製造 上記で得られた合わせガラス用中間膜を、恒温恒湿室
(20℃−65%RH)で含水率が0.4〜0.5重量
%となるように調湿した後、フロートガラス(厚み2.
4mm)2枚の間に挟み込み、ロール法で予備接着し
た。次いで、予備接着された積層体をオートクレーブ中
で温度140℃、圧力13kg/cm2 の条件で本接着
して、合わせガラスを得た。
【0080】(4)評価 上記で得られた合わせガラスの性能(パンメル値、
耐湿性)を以下の方法で評価した。その結果は表2に示
すとおりであった。
【0081】パンメル値:−18±0.6℃の温度下
に16時間放置して調温した合わせガラスを頭部が0.
45Kgのハンマーで叩いて、ガラスの粒子径が6mm
以下となるまで粉砕した。次いで、ガラスが部分剥離し
た後の中間膜の露出度を予めグレード付けした限度見本
で判定し、その結果を下記表1に示す判定基準に従って
パンメル値として表した。尚、パンメル値は初期及び5
0℃−4週間放置後の2条件について求めた。上記パン
メル値が大きいほど中間膜とガラスとの接着力も大き
く、パンメル値が小さいほど中間膜とガラスとの接着力
も小さい。
【0082】
【表1】
【0083】耐湿性:合わせガラスを50℃−95%
RHの雰囲気下に放置し、4週間後に取り出して、白化
している部分の距離(白化距離:mm)を合わせガラス
の周縁部(端部)から測定した。
【0084】(実施例2)合わせガラス用中間膜の製造
において、炭素数5〜28のカルボン酸のマグネシウム
塩として、2−エチルブタン酸マグネシウム(炭素数
6)0.13部の代わりに、2−エチルヘキサン酸マグ
ネシウム(炭素数8)0.18部(Mg濃度100pp
m)を添加したこと以外は実施例1と同様にして、合わ
せガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
【0085】(比較例1)合わせガラス用中間膜の製造
において、カルボン酸のマグネシウム塩として、2−エ
チルブタン酸マグネシウム(炭素数6)0.13部の代
わりに、酢酸マグネシウム(炭素数2)0.05部(M
g濃度60ppm)を添加したこと以外は実施例1と同
様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得
た。
【0086】(比較例2)合わせガラス用中間膜の製造
において、2−エチルブタン酸マグネシウム(炭素数
6)0.13部のみを添加し、変性シリコーンオイルを
添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、合わ
せガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
【0087】(比較例3)合わせガラス用中間膜の製造
において、2−エチルヘキサン酸マグネシウム(炭素数
8)0.18部のみを添加し、変性シリコーンオイルを
添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして、合わ
せガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
【0088】(参考例1)合わせガラス用中間膜の製造
において、エーテル変性シリコーンオイルの添加量を
0.02部としたこと以外は実施例1と同様にして、合
わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
【0089】(参考例2)合わせガラス用中間膜の製造
において、エーテル変性シリコーンオイルの添加量を
0.02部としたこと以外は実施例2と同様にして、合
わせガラス用中間膜及び合わせガラスを得た。
【0090】実施例2、比較例1〜3、及び、参考例1
及び2で得られた6種類の合わせガラスの性能(パン
メル値、耐湿性)を実施例1の場合と同様にして評価
した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0091】
【表2】
【0092】表2から明らかなように、本発明による合
わせガラス用中間膜を用いて製せられた実施例1及び2
の合わせガラスは、初期及び経時後(50℃−4週間
後)のいずれにおいても適正なパンメル値、即ち中間膜
とガラスとの適正な接着力、を保持していた。又、50
℃−95%RHの雰囲気下に4週間放置した後でも合わ
せガラス周縁部に白化現象を殆ど起こさなかった。
【0093】これに対し、炭素数5〜28のカルボン酸
のマグネシウム塩の代わりに、炭素数が5未満のカルボ
ン酸のマグネシウム塩〔酢酸マグネシウム(炭素数
2)〕を含有させた比較例1の合わせガラス用中間膜を
用いて製せられた比較例1の合わせガラスは、パンメル
値は初期及び経時後(50℃−4週間後)のいずれにお
いても適正であったものの、50℃−95%RHの雰囲
気下に4週間放置した時点で周縁部(端部)に著しい白
化現象を起こしていた。
【0094】又、炭素数5〜28のカルボン酸のマグネ
シウム塩のみを含有させ、変性シリコーンオイルを含有
させなかった比較例2及び3の合わせガラス用中間膜を
用いて製せられた比較例2及び3の合わせガラスは、い
ずれも初期のパンメル値は適正であり、又、50℃−9
5%RHの雰囲気下に4週間放置した後でも周縁部(端
部)に白化現象を殆ど起こさなかったものの、経時後
(50℃−4週間後)のパンメル値が高くなり過ぎてい
た。即ち、中間膜とガラスとの接着力が経時により昂進
しており、衝撃吸収性や耐貫通性等が経時により低下し
たことを示していた。
【0095】さらに、ポリビニルブチラール樹脂100
重量部に対するエーテル変性シリコーンオイルの添加量
が好ましい範囲である0.0001〜0.01重量部を
超えていた参考例1及び2の合わせガラス用中間膜を用
いて製せられた参考例1及び2の合わせガラスは、いず
れも初期のパンメル値は適正であり、又、50℃−95
%RHの雰囲気下に4週間放置した後でも周縁部(端
部)に白化現象を殆ど起こさなかったものの、経時後
(50℃−4週間後)のパンメル値に低下が認められ
た。即ち、中間膜とガラスとの接着力が経時により低下
していた。
【0096】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による合わせ
ガラス用中間膜は、初期及び経時後のいずれにおいても
中間膜とガラスとの接着力が適正な範囲に保持されてお
り、且つ、耐湿性に優れているので、衝撃吸収性や耐貫
通性などの合わせガラスとして必要な基本性能に優れ、
且つ、湿度の高い雰囲気下に長期間放置された場合でも
周縁部(端部)に殆ど白化現象を起こさない合わせガラ
スを得るに適する。
【0097】又、本発明による合わせガラスは、上記合
わせガラス用中間膜を用いて製せられるので、初期及び
経時後のいずれにおいても優れた衝撃吸収性や耐貫通性
等を有しており、且つ、湿度の高い雰囲気下に長期間放
置された場合でも周縁部(端部)に白化現象を殆ど起こ
さない。従って、自動車のフロントガラス用やサイドガ
ラス用、或いは、建築物の窓ガラス用等として好適に用
いられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑化ポリビニルアセタール樹脂膜に、
    炭素数5〜28のカルボン酸のマグネシウム塩及び変性
    シリコーンオイルが含有されてなることを特徴とする合
    わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 少なくとも一対のガラス間に、請求項1
    に記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させ
    てなることを特徴とする合わせガラス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001064598A1 (fr) * 2000-03-02 2001-09-07 Sekisui Chemical Co., Ltd. Film intercouches pour verre feuillete et verre feuillete correspondant
WO2003011788A1 (fr) * 2001-07-30 2003-02-13 Kaneka Corporation Composition de resine pour verres lamines

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